サトウキビでバイオ燃料生産

http://www.afc.go.jp/information/producing/070302.html

 バイオエタノールの原料は、
  トウモロコシ、小麦などの澱粉質原料、
  サトウキビ、ビートなどの糖質原料および
  建築廃材などのセルロース系原料

の3つに大別できます。このうち木質系原料は、セルロースを効率よく糖化するための技術開発競争が世界中で行われていますが、実用化には至っていません。澱粉質原料では、一旦澱粉を酵素によって糖化して酵母による発酵でエタノールに変換し、蒸留・脱水して無水エタノールを製造します。
 一方、サトウキビのような糖質原料では、糖化の工程なしに直接酵母による発酵でエタノールを製造できるため、エネルギー投入量が澱粉質原料に比べて少なく済む利点があります。

九州沖縄農業研究センターのさとうきび育種グループは、サトウキビ野生種、ススキやソルガムといった近縁種・属植物と製糖用サトウキビを交配(種・属間交配)することにより、既存の製糖用品種よりも単位面積当たり糖生産量、バガス生産量が飛躍的に高い「高バイオマス量サトウキビ」を開発しています。高バイオマス量サトウキビは、干ばつなどの不良環境下にも強い特性を持っているため、生産の安定性が高い特徴を持つことが期待できます。
 すでに幾つかの有望系統が見いだされ南西諸島各地で栽培試験が行われています。

バガスとはさとうきびから砂糖を搾った後の残りかすを言います。
世界で年間約一億トン(乾燥重量)のバガスが発生し、工場のエネルギー源や家畜の飼料などに利用されます。
しかし利用されずに放置されているバガスも少なくありません。