2011年5月20日

中東和平実現へ、イスラエルに譲歩迫る オバマ米大統領

 オバマ米大統領は19日、米ワシントンの国務省で中東政策の重要演説を行った。中東和平実現のため、イスラエルによるパレスチナ占領が始まった1967年の第3次中東戦争までの境界線を基本に、交渉を進めるよう提唱。占領地で入植活動を続けるイスラエルに譲歩を迫った。

 米大統領が、占領以前の境界線を和平交渉の出発点とするよう、演説で明確に求めたのは初めて。この基本線通りに占領地から撤退することになれば、入植地 を持ち続けることはできない。オバマ政権が求める入植活動の凍結に応じないイスラエルに対し、厳しい揺さぶりをかけた形だ。オバマ大統領は20日、ホワイ トハウスでイスラエルのネタニヤフ首相と会談する。

 オバマ氏は、中東や北アフリカ諸国での民主化の動きが加速する一方で、数十年に及ぶイスラエルとアラブ諸国の対立が「地域全体に影を落としている」と指 摘。イスラエルとパレスチナの永続的な和平は急務とし、「2国家共存」による和平の実現に取り組むよう、双方に呼びかけた。