日本経済新聞 2010/3/3

レアメタル、北米で権益 政府が相次ぎ獲得
 希土類やリチウム 環境車電池向けに

 政府は希少金属(レアメタル)の権益を北米で獲得する。カナダでは希土類(レアアース)、米国ではリチウムの探鉱に乗り出し、商業生産のメドがついた段階で日本企業に経営を引き継ぐ方向。両材料ともエコカーに使う電池やモーターの生産に欠かせない。これから需要が増えるのは確実で、政府は積極的に権益取得を進める。
 両権益とも、経済産業省所管の独立行政法人、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)が取得する。

 カナダでは東部のYtterby地域にある鉱床を共同探鉱する契約を周国の探鉱会社、Midland Exploration 社と3日に結ぶ。JOGMECが3年間で270万カナダドル(約2億3000万円)の探鉱費用を負担し、同事業の50%の権益を得る。

 米国ではJOGMECが3年間で250万ドル(約2億2000万円)の探鉱費用を拠出し、権益の51%を取得。カナダのロミコ・メタルズ社と合弁会社を設立し、米ネバダ州の塩湖でリチウムを生産する。

 レアメタルを巡ってはエコカーやハイテク製品などの普及に伴い、世界的に争奪戦が激しくなっている。日本はベトナムやカザフスタンで希土類、アルゼンチンでリチウムの権益をすでに官民で獲得している。