ナブッコパイプラインNabucco Pipeline

2010/1/9 毎日新聞

ガスパイプライン イラン参入に米難色 欧州も態度決めかね

 世界第2位の天然ガス埋蔵量を誇るイランが、カスピ海沿岸と欧州をつなぐパイプライン計画「ナブッコ」参入への動きを強めている。しかし、米国の強い反対を背景に欧州などはイランの参入に慎重な姿勢を示しており、核開発問題と並ぶもう一つの「神経戦」が続いている。

 「イラン抜きで計画を進めれば、パイプラインの中はカラになるだろう」。ファルス通信によるとモッタキ外相は昨年12月、ナブッコ計画でのイランの重要性をそう表現した。
 ナブッコは欧州諸国がロシアを迂回する形で、カスピ海周辺から天然ガスを輸入する新たなパイプライン計画で、2014年の完成を目指す。現在、欧州は主にロシアからガスを輸入しているが、中継地ウクライナとの関係を悪くしたロシアが06年1月と昨年1月に供給を一時停止。欧州への供給も滞ったことから、欧州はロシアヘの依存度を減らしたい考えだ。
 ナブッコを巡り、
オーストリアやハンガリーなど欧州4カ国とトルコは昨年7月、領土内にパイプラインを通過させることで合意した。だがガス供給国についてはイラン、イラク、アゼルバイジャン、トルクメニスタンなどの候補が挙がり、今も未定だ。豊富な原油に、加え天然ガスでもロシアに次ぐ埋蔵量があるイランは早くから参入意欲を見せたが、核問題などで対立を深める米国が難色を示し、欧州側も対応を決めかねているのが実情だ。


 そうした中、イランとトルクメニスタンを結ぶ第2バイプラインの開通式が今月6日にあり、イランのアフマディネジャド大統領は「イランにとってだけでなく、周辺諸国にも大きな意味を持つだろう」と意義を強調した。イランばトルクメニスタンからの輸入を増やすことで自国の天然ガスを温存し、欧州への輸出に回したい考えだ。
 また、トルクメニスタン産ガスの経由地としての役割も狙っているとみられる。
 ガス供給国について、「イランは候補の一つだが、、イラン抜きでも供給量を満たすのは可能だ」(トルコ国務相)との声もある。一方のイランは「米国にガス供給国の決定権があるとは聞いていない」(モツダキ外相)と米国の反対をけん制するなど、微妙な駆け引きが続いている。

2009/12/18 中央アジアー中国 天然ガスパイプライン開通

 


2009年 07月 14日

天然ガス「ナブッコ・パイプライン」建設、通過5カ国が合意

カスピ海周辺国の天然ガスをロシア領土を迂回して欧州に運ぶ「ナブッコ・パイプライン」の建設をめぐり、パイプラインが国内を通過する欧州連合(EU)加盟国とトルコが13日、合意に達した。

 ナブッコ・パイプラインの国内通過について合意文書に調印したのは、
トルコ・ブルガリア・ルーマニア・ハンガリー・オーストリアの5カ国。建設費は79億ユーロ(109億9000万ドル)と見込まれている。

 欧州委員会のバローゾ委員長は「このパイプラインは今や不可能ではなく不可避となった」と述べた。

 イランからのガス供給については米国が強固に反対の立場をとっているものの、トルコのエルドアン首相はイランからのガス供給を望む姿勢を示し「状況が許せばナブッコにイランのガスが含まれることを望む」と述べた。

 同パイプラインの実現可能性については、供給・資金面での調整が難航しているとして疑問視する声も上がっている。

 

 


2010/1/6

Turkmenistan opens new Iran gas pipeline

Turkmenistan has opened a second gas pipeline to Iran, further eroding Russia's historical domination of its energy sector.

The new pipeline will eventually more than double Turkmenistan's annual gas exports to Iran to 20bn cubic metres.

With a pipeline to China that opened last month, sales to Russia will be a much smaller proportion of exports.

The EU also wants to build a gas link that bypasses Russia, which for now remains the main buyer of Turkmen gas.

Iranian President Mahmoud Ahmadinejad inaugurated the new 30km (19 miles) pipeline with Turkmen President Kurbanguly Berdymukhamedov in a ceremony in the desert near the Iranian border.

The two jointly turned a spigot to symbolically open the link, which will deliver gas from the Dovletabad field to Iran's Khangiran refinery.

"This pipeline will be a good stimulus for energy co-operation between Turkmenistan and Iran, as well as for delivery of Turkmen gas to the Persian Gulf and the world market," Mr Ahmadinejad said.

The new pipelines have given Turkmenistan more power in negotiations with Russian energy giant Gazprom, which has now had to agree to pay higher prices for Turkmen gas.

Previously, the bulk of Turkmenistan's gas was transported along Soviet-era pipelines that went through Russia, giving Moscow the power to dictate prices.

Gas supplies to Russia resumed in December after an eight-month dispute over pricing.

Russia will now buy 30bn cubic metres annually, down from 50bn cubic metres before supplies were cut by a pipeline explosion in April.