2012/8/29 日本経済新聞

古河スカイと住友軽金属、経営統合で合意 13年10月

 アルミニウム圧延品最大手の古河スカイと2位の住友軽金属工業は2013年10月1日付で経営統合することで合意した。29日午後に両社長が記者会見して発表する。合併比率は古河スカイ1に対し住軽金0.346。古河スカイが存続会社になる。

 今後、両社の社長を共同委員長とする統合準備委員会を設置し、統合へ向けた具体的な段取りを決める。

 国内のアルミ業界は需要が頭打ちになっており、統合によりリストラなどを進めるとみられる。経営体力を強化し、成長が見込める中国など新興国での事業展開を加速させる考えだ。

2013/4/11  社名決定 株式会社UACJ
               (United Aluminum Company of Japan の頭文字)

 

ーーーーーーーーーーー

平成24 年8月29日 古河スカイ/住友軽金属工業

古河スカイ株式会社と住友軽金属工業株式会社との統合基本合意書締結に関するお知らせ
 

 古河スカイ株式会社と住友軽金属工業株式会社は、本日開催の両社取締役会の決議に基づき、平成25 年10 月1 日(予定)を効力発生日として両社が対等の精神に基づき経営統合すること(以下「本経営統合」という。)について合意し、統合基本合意書を締結いたしましたので、以下の通りお知らせいたします。
 なお、本経営統合の実施は、公正取引委員会等の国内外の関係当局の承認、許認可の取得及び両社の株主総会の承認等を条件としております。

1. 本経営統合の目的及び背景
(1) 本経営統合の目的
両社は本経営統合により、各々の会社で培って来た優れた技術力、品質・コスト管理、お客様のニーズへの対応力、製品開発力などの経営資源・資産の融合により、相乗効果を追求し、アルミニウム圧延市場における競争力と企業体質の強化を図ってまいります。これら両社の総力を結集し早期に実現することで国内アルミニウム圧延事業の基盤を強化するとともに、グローバル化を加速させ、環境、エネルギー等今後伸長が期待される新規成長・開発分野への対応、東南アジア等新興国マーケットでのアルミニウム圧延品の大幅な需要増加への対応を推進いたします。そして、グローバルマーケットで確固たる存在感を持つ「世界的な競争力を持つアルミニウムメジャー会社」となることを目指します。統合新会社は、若い金属であるアルミニウムの潜在的な可能性を追求し、環境・エコロジー社会の実現、お客様の発展、より豊かな将来に貢献し、日本及び世界経済の成長と発展に寄与してまいります。

(2) 本経営統合の背景
近年アルミニウム圧延事業を取り巻く環境は急速に変化しており、以下のような厳しい状況にあります。
@ 人口減少・高齢化等による日本国内のアルミニウム圧延品需要の縮小
A お客様の海外への製造拠点移転による日本国内のアルミニウム圧延品需要の縮小
B 東アジア地域における海外アルミニウム圧延メジャー会社との競争の激化
C 中国、韓国等東アジア地域における新興アルミニウム圧延メーカーの台頭

 このようなアルミニウム圧延事業環境の中、主に品質改善のための設備投資や、お客様からのコスト削減要請に対して、自社内でのコスト削減はすでに限界となりつつあり、経営資源の効率的活用やスケールメリットの確保等を通じ、コスト構造を抜本的に改善することが必要です。また、海外のアルミニウムメジャー会社や韓国、中国等東アジア地域の新興アルミニウム圧延会社との間で、国境を跨いだ競争は増々激化しており、このような競合状況の中では、経営統合による事業基盤の大幅な強化が必須であり、持続的成長を果して行くことが企業としての存続の基盤となります。

(3) 本経営統合の目標
@新規成長分野・成長市場への積極的なグローバル展開
 両社の経営統合による事業基盤の大幅な強化、スケールメリットの確保、シナジー効果の創出により、技術、人材、資金等の経営資源・資産の充実を図ってまいります。これにより、単独では実現困難な新規成長分野・成長市場への積極的なグローバル展開が可能となり、企業としての持続的成長を確保してまいります。

A企業価値の向上
 両社の経営統合により、統合新会社の企業基盤の強化が図られることで、最高品質の製品や新規製品を供給するための研究開発・設備投資等への積極的投資が可能となります。さらにお客様の海外展開のためのグローバルな供給体制の構築も可能となります。これらによりお客様に対し最高の品質、最高のサービスをご提供することで、お客様利益の増大を実現し、企業価値の向上を図り、株主の皆様から高い評価をいただけるように努力してまいります。

B経営統合効果の現出
定量的な経営統合の効果は、今後検討を進めてまいります。定性的な経営統合の効果としては以下の効果が期待されます。

・最適な生産配分、集約化によるコスト削減効果
・グローバル展開の推進による拡大効果
・技術集約・結集による新規製品開発力、生産技術力の向上
・重複設備の統廃合による経営資源の効率的活用

(4) 本経営統合の推進体制
 今後両社の社長を共同委員長とする統合準備委員会を設置して、本経営統合後の組織体制・運営等を具体的に協議・検討いたします。

2. 本経営統合の要旨
(1) 経営統合の方式
 両社は、本経営統合を吸収合併(以下「本合併」という。)の方式により実施いたします。本経営統合は対等の精神に基づき実施されますが、本合併の手続上、古河スカイを吸収合併存続会社、住友軽金属を吸収合併消滅会社といたします。
 統合会社社名は未定

(2) 本合併の日程
 統合基本合意書承認取締役会決議(両社) 平成24年8月29日
 統合基本合意書締結(両社) 平成24年8月29日
 株主総会基準日(両社) 平成25年3月31日(予定)
 合併契約承認取締役会決議(両社) 平成25年4月(予定)
 合併契約締結(両社) 平成25年4月(予定)
 合併契約承認定時株主総会(古河スカイ) 平成25年6月下旬(予定)
 合併契約承認定時株主総会(住友軽金属) 平成25年6月下旬(予定)
 最終売買日(住友軽金属) 平成25年9月25日(予定)
 上場廃止日(住友軽金属) 平成25年9月26日(予定)
 合併期日 (効力発生日) 平成25年10月1日(予定)

 ただし、今後手続を進める過程で、必要に応じて両社協議のうえ、上記日程を変更する場合があります。

(3) 本合併に係る割当ての内容

  古河スカイ
(吸収合併存続会社)
住友軽金属
(吸収合併消滅会社)
本合併に係る割当ての内容
(合併比率)
1  0.346

株主

古河スカイ 住友軽金属
古河電気工業 53.00%
新日本製鐵     8.23%
住友金属工業 9.32%
住友商事       5.44%
三井住友銀行    3.64%

 古河スカイ設立時(古河電工アルミ部門とスカイアルミの合併時)
    古河電気工業   70.0%
    昭和電工                 11.2
    新日本製鐵        10.9
    丸紅                           3.8
    三井物産       3.8 

  スカイアルミ
  昭和電工  37.25
  新日本製鐵 36.25
  丸紅    12.75
  三井物産  12.75
  富士銀行   1.00