ブログ 化学業界の話題 knakのデータベースから      目次

これは下記のブログを月ごとにまとめたものです。

最新分は  http://blog.knak.jp


2012/1/4  中国、外資の投資ガイドラインを改定

中国の国家発展改革委員会(NDRC)と商務部は2011年12月29日、外商投資産業指導目録(外資の対中投資ガイドライン)の改訂版を発表した。2012年1月30日から施行する。

2011年版 http://www.ndrc.gov.cn/zcfb/zcfbl/2011ling/W020111229379511927834.pdf

前回は2007年11月に改定し、同年12月1日から施行した。

2007年版 http://www.ndrc.gov.cn/zcfb/zcfbl/2007ling/W020071107537750156652.pdf  

2007/11/12 中国政府、「外国企業投資産業指導目録」を改定

NDRCでは、「対外開放を進めた」としており、投資の奨励業種を増やし、禁止分や制限業種、出資制限業種を減らしたという。

新リストでは「奨励類」の項目が増え、「制限類」および「禁止類」の項目が減っている。
医療機関、金融リース企業などへの投資は、「制限類」から「認可類」に調整された、
新エネルギー発電設備などの分野における外資の持ち株比率に関する制限が撤廃され、持ち株比率を制限される項目が現行リストより11項目減った。

「奨励類」に繊維、化学工業、機械製造などの分野の新製品、新技術の項目が加わり、廃棄された電器電子製品、電気機械製品、電池の回収処理の項目が加わった。
自動車の充電ステーション、ベンチャー企業、知的財産権サービスを含むサービス産業関連の9項目が加わった。

過剰生産能力を抱える自動車製造を奨励業種から除外した。
過剰な生産能力や無計画な建設の重複を抑制するために、多結晶シリコン、石炭化学工業などの項目が「奨励類」から削除された。

NDRCによると、「このたびの改正の中で削除された一部の奨励類の項目は、中部・西部地区の産業移転受け入れ、中部・西部地区の特色ある優位な産業の発展を促進するなどの原則に基づいて、『中西部地区外資系企業投資優勢産業リスト』を改正する際に考慮する」という。
 

化学製品分野での主な変更は以下の通り。

エチレンや誘導品が奨励品目から外れた。
石油精製については、制限品目が変更になっている(細分化されている)。

 
は変更なし
赤字は除外されたもの
青字は追加されたもの
2007年改定 2011年改定
奨励品目
1 年産80万トン以上のエチレン     
2 エチレン誘導品の製造、C4-C9副産品の活用(合成ゴム用ブタジエンを除く)    
3 年産20万トン以上のエチレン法PVC    
4 次亜塩素酸ソーダ、PVC、新しい有機シリコーン加工品 1 次亜塩素酸ソーダ、PVC、新しい有機シリコーン加工品
5 ベンゼン、トルエン、キシレン、エチレングリコール等有機化学原料およびデリバティブ    
6 ビスフェノールA 過酸化水素法PO 2 過酸化水素法POグリセロールのエピクロロヒドリン、ナフタレンジメチルエステル、1,4 - シクロヘキサン2メタノールのエステル
7 合繊原料:
精密テレフタル酸
カプロラクタム、ナイロン66塩、スパンデックス 3 合繊原料:カプロラクタム、ナイロン66塩、スパンデックス、1,3- propanediol
8 合成ゴム:溶液法SBR、ブチルゴムイソプレンゴム、ポリウレタンゴムアクリルゴムエピクロルヒドリンゴムEPR、ニトリルゴム、フッ素ゴム、シリコーンゴム、他の特殊ゴム 4 合成ゴム:溶液法SBR、高シスブタジエンゴム、ブチルゴム、イソプレンゴム、ポリウレタンゴム、アクリルゴム、エピクロルヒドリンゴム、EPR、フッ素ゴム、シリコーンゴム、他の特殊ゴム
9 エンプラ:PPO、ナイロン11・ナイロン12、ポリイミド、ポリスルホン、ポリアリレート、液晶ポリマー 5 エンプラ:年産6万トン以上のホスゲンPCPOMポリアミド(ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12)、EVAポリフェニレンサルファイドポリエーテルエーテルケトン、ポリイミドポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリアリレート、液晶ポリマー、その他製品
 
18 大規模石炭化学製品 -  
  直径200mmシリコン単結晶、ポリッシュウェーハ 多結晶シリコン   直径200mmシリコン単結晶、ポリッシュウェーハ
制限品目
  年産800万トン以下の製油所   年産1000万トン以下の蒸留精製、
年産150万トン以下の接触分解
年産100万トン以下の連続改質(芳香族抽出を含む
年産150万トン以下の水素化分解

 


2012/1/4     2011年の人民元、対米ドルで最高値で終了

2011年12月30日の人民元の対米ドルレートは、基準値(6.3009人民元/$)、終値(6.2940人民元/$)ともに最高値を付けた。

中国が「人民元相場の弾力性を強化する」とし、2008年8月から固定していた人民元を再び管理フロート制に戻した2010年6月19日の前日の終値 6.8262人民元に比して 8.46%の人民元高となった。

11月末から12月15日まで連日、値幅制限の下限の0.5%ギリギリに張り付いていたが、その後、急上昇した。

新華社は「国際市場での元の信用力が高まり、一時の元安傾向は払拭された。市場では2012年は2〜3%上昇するとの見方が一般的」と伝えた。

なお、2010年6月18日以降で日本円に対しては人民元安となっている。

ユーロに対しては当初は同様に人民元安であったが、昨年秋からはユーロ安のため、人民元高となった。

ユーロは2011年12月30日のニューヨーク外国為替市場で、一時1ユーロ=99円47銭となり、2000年12月以来、11年ぶりのユーロ安となった。



2012/1/4 インド、サウジのPPに対するダンピング課税を終了 

インド政府は2011年12月31日にサウジからの輸入PPに対するダンピング課税を終了させた。物品税関税中央局が12月30日に発表した。

インドは2009年2月24日にサウジとオマーン、シンガポールからの輸入PPについてアンチダンピング調査を開始、2010年11月にサウジのSABIC、National Industrialization Co.(Tasnee)、Saudi Advanced Petrochemicalの3社からの輸入PPに対し、6.5%のダンピング課税を行った。

中国商務部も2009年6月24日、サウジ、マレーシア、インドネシア、ニュージーランドの4カ国原産の輸入メタノールのダンピング調査を開始した。

これらに対し、サウジ政府は異常な程の反発を示し、両国に抗議を行った。

中国商務部は2010年10月25日、サウジについてはシロ、他の3国についてはクロの仮決定を行った。
サウジについては、政治的配慮を行ったとみられる。

3国については、12月23日にクロの最終決定を行い、ダンピング課税を発表したが、「特殊な事情により、国務院の委員会の承認を得て、追って通知するまで実施しない」との発表を行った。

2009/7/7 サウジが中国のメタノールのダンピング調査に反発

今回のインドの発表では理由は明らかにされていない。
サウジのPPメーカーのAdvanced Petrochemicalsは「12月20日に本件でインドで政府のヒアリングが予定されていたが、急遽、理由なしでキャンセルされた。上層部で事態が解決されたのは間違いない」としている。

インドの決定は、イランに対する国際的な禁輸措置がペルシャ湾岸諸国からの石油出荷を妨げるとの懸念の高まりからと見られている。
インドはこのため、サウジからの追加の石油・天然ガスの輸入を強く求めていた。

Saudi政府は昨年、本件でのインドとの交渉の担当を通商産業省から石油省に変更、副石油相のPrince Abdulaziz bin Salman Al Saudが交渉に当たってきた。

サウジが本件の担当を石油省に変更したのは、サウジ政府のメッセージと見られている。

ーーー

EUは2011年12月、SABICのPETに対するアンチダンピング調査とサウジ政府の補助金調査を取りやめた。

EUは2011年2月に、欧州のAssociation of Product Manufacturerからの要請で調査を開始したが、サウジ政府からの要請を受け入れた。EUの利益を害していないとみなした。

サウジ政府は石油化学産業を最も重要視しており、国王令を出してサウジの石油化学製品に対するアンチダンピング措置に対応するチームを編成した。石油鉱物資源省を中心に、外務省、通産省、財務省が加わる。これに経済企画省、水電力省やその他の省庁、国際コンサルタント会社などが支援し、EUと交渉した。

付記

トルコ政府は2010年5月、サウジ(SABIC)とクウェート、ブルガリア原産の輸入MEGに対し、ダンピング課税を行った。

サウジ政府によると、トルコ政府はEUとインドがサウジに対するダンピング課税を止めたのを受け、SABICに対する課税を見直すことに同意した。

ーーー

付記

サウジはアジアへの投資拡大を狙っており、インド企業とのJVを望んでいる。インド側もサウジの投資を希望している。

1月3日、サウジのTawfiq Al-Rabiah通商産業相を団長とし、有力30社のトップを含む50人の代表団がNew Delhiに到着した。3日間にわたり、投資と貿易の協力関係強化と重要セクターでのJV設立に向け協議を行う。


2012/1/5    イラン、第三の石油化学センター建設を計画

 

イランはペルシャ湾のLavan島を、Bandar Imam KhomeiniのPetrochemical Special Economic Zone、AsaluyehのPars Special Economic Zoneに次ぐ第三の石油化学センターにする計画である。

 

National Iranian Offshore Oil Company (NIOOC)は2011年末にイランのSepehr Energy Co. との間で、次の4年半のうちにLavanガス田を開発し、Lavan島に大規模石油化学コンプレックスを建設する契約を締結した。

Sepehr Energy はイランのSaderat Bankの子会社で、イランのエネルギー関連計画の主要なコントラクターの1社。

NIOOCは12月28日、Lavanガス田に200億ドルの投資をする計画であることを発表した。

イランは当初、ポーランドのPolish Oil and Gas と組んでLavanガス田を開発し、LNGの形で販売する計画であったが、Sepehr Energyの熱意を入れ、200億ドルの石油化学センター建設を決めたとしている。
200億ドルは、ガス田の開発(3期)と石油化学計画を合わせたもの。

また、石油化学計画の実現のため、周辺のガス田(Reshadat、Belal、Resalat、Khayyamなど)のガスもこれに投入する。

Lavanガス田は2003年に発見された。
Lavanガス田は750百万立方フィートの天然ガス、11千bpd のコンデンセートの生産が期待されている。

Reshadatガス田は1969年に発見された。Lavan島の近くの7650フィートの海底にある。
Resalat ガス田はカタールのHalul island の近くで、130kmのパイプラインでLavanターミナルに接続されている。
Khayyam
 ガス田は2011年6月にAsaluyehの近くで発見された。


 


2012/1/5 林原、更生計画認可決定 

会社更生法を申請し、長瀬産業とスポンサー契約を締結した林原は、2011年12月31日、同日付で裁判所から更生計画認可の決定を受けたと発表した。

同社は11月18日に東京地方裁判所に更生計画案を提出した。

過去の経緯については、
 2011/1/28
 林原が私的整理手続き  
 2011/2/7   林原が会社更生法申請 
  2011/8/5   会社更生法申請の林原、長瀬産業とスポンサー契約締結 

付記 長瀬産業は2012年1月31日、本件実施の発表を行った。
     3社合併は2月1日、株式取得(150億円)は2月3日。

スポンサーの長瀬産業は、今後、林原グループの中核事業会社3社を合併して100%減資増資を実施、長瀬産業の子会社として、天然甘味料「トレハロース」などの主力事業を継続する。

林原グループの林原、林原商事、林原生物化学研究所の3社は、中核事業に関連しない資産、負債、権利関係を太陽殖産へ会社分割により承継させ、その後、3社を合併し、100%減増資を行って、長瀬産業の100%子会社として新たに再出発する。

太陽殖産は、3社から承継する資産を含む資産の処分を随時進め、3社から承継した債務の弁済を進める。

メセナ事業のうち、林原美術館、林原自然科学博物館、類人猿研究センターは、林原が支援を継続する予定で、当面の間は長瀬産業の支援の下、事業を継続していく。   

負債総額約1400億円に対し、資産売却などによる弁済原資は約1300億円で、債務弁済率は9割を超える。

弁済原資の内容:

長瀬産業から受ける700億円の出融資
岡山駅前の不動産の売却代金(約200億円)
中国銀行株式の売却代金(約200億円)
その他の不動産、有価証券、その他資産の売却代金
事業収益


2012/1/5  LG Display、赤字の中国工場のストでボーナス支給へ 

韓国のLG Displayの南京工場で2011年12月26日、従業員8000人のストライキで生産ラインが完全に停止し、関連工場にも影響が出た。生産停止の影響によって、1日あたり1億元(約12.2億円)の損失が出た。

同工場ではこの3年間、3カ月分の給与に相当する年末ボーナスが支給されていたが、今年は1カ月分だといううわさが流れ、不満が噴出していた。そこに、「本社と韓国人従業員には給与6カ月分相当のボーナスが支給される」というデマが広がり、ストが拡大した。

LG Displayは年頭に経営目標を決め、これを達成できなければボーナスを支払わず、達成できれば給与1カ月分、さら高い目標を達成できればそれを反映し追加ボーナスを支給するという原則を守っていた。

同社は2011年は約1兆ウォン(約670億円)の赤字を出しており、南京工場も経営目標を達成できなかった。
このため、従来までは月給3カ月分だった年末ボーナスの支給そのものが難しくなった。

3日間にわたりストライキが行われた結果、労使が給与2カ月分相当の年末ボーナスを支給することで合意、29日に通常通り稼動した。会社側は「韓国人従業員と中国人従業員との間に差別的待遇がある」とのうわさを否定した。

LGディスプレーは原則を破り、予定になかった計100億ウォン(約6億7000万円)規模のボーナスを支給することになった。

同社では、「今回の事態は、中国人従業員が成果給の意味を正しく理解しておらず、毎年当然支給されるものと考えているために発生した」と説明している。

結果的には、本社では「本社の社員が逆差別を受けている」という声まで上がっている。

同社の中国での労務費水準(ボーナスも含めた労務費の他社の労務費との比較)などにもよるが、現在の中国では一般労働者に「作業目標」ではなく、「経営目標」を基準にした成果給の適用は難しいと思われる。


2012/1/6   米国の液晶ディスプレイ価格カルテル、民事訴訟でも多額の和解金

2011年12月、液晶ディスプレーの販売価格で国際カルテルを結んでいたとして、米国の消費者らが起こした集団訴訟で、シャープや韓国サムスン電子など日本・韓国・台湾の主要液晶メーカー7社が、総額538百万ドルの和解金の支払いで合意した。

12月初めには8社が液晶ディスプレーの直接需要家に対し、合計388百万ドルの和解金の支払いで合意している。

2008年に最初の3社が国際カルテルを認め、罰金支払いで司法省と合意して以来、日本・韓国・台湾の8社は司法省に罰金を払うほか、役員22人が起訴された(そのうち多くが禁固刑と罰金刑を受けた) 。

これに加え、直接の需要家からの集団訴訟と、最終消費者を代表する各州からの集団訴訟で二重に和解金の支払いを余儀無くされた。

シャープの場合、合計で340.5百万ドルとなる。
韓国の
Samsung ElectronicsはLeniency制度により米国とEUの独禁法に基づく罰金は免除されたが、米国での民事訴訟では322.7百万ドルの和解金を払わされることとなった。

単位:百万ドル
       米 独禁法    直接需要家
('11/12/7)
消費者
('11/12/28)
時期     罰金
Samsung Electronics   Leniencyで免責   82.7 240.0
LG Display 2008/11 400  75 合意出来ず
Chunghwa Picture Tubes
中華映管(台湾)
65 金額不明 5.3
シャープ 120  105 115.5
日立ディスプレイズ 2009/3 31 金額不明 38.9
エプソンイメージング
デバイス
2009/8 26 金額不明 2.8
Chimei Innolux(CMI)
奇美電子(台湾)
2009/12 220 78 110.3
HannStar Display
瀚宇彩晶(台湾)
2010/6 30 金額不明  25.6
合計   892 388                 538
他に役員など22人起訴   他に
      罰金 14

付記

台湾のAU Optronics は4月に、韓国のLG Displayは5月1日に、それぞれ消費者との間で和解した。金額は非公開。

付記

シャープは7月9日、TFT液晶事業に関し、北米・欧州において提起されている損害賠償を求める民事訴訟のうち、Dell, Inc.ほか2社からの民事訴訟について、総額198.5百万米ドルの和解金で和解することに合意したと発表した。

同社は上記の通り、多額の和解金で和解したが、「カルテルに関する欧州委員会の調査が続いているほか、民事訴訟もまだ残っている」としている。

ーーー

米司法省は2008年11月、液晶パネルの販売を巡る国際価格カルテルで、3社が罪を認め、合計585百万ドルの罰金を支払うことに同意したと発表した。

韓国のLG Display と台湾のChunghwa Picture Tubes(中華映管)は、台湾・韓国・米国でTFT-LCD パネルの価格を協定した。
シャープ は、
DellAppleMotorola 向けのTFT-LCDパネルの価格を日米の他社と協定したとされる。

米司法省は2009年3月、日立製作所子会社のHitachi Displaysが関与していたことを認め、31百万ドルの罰金を支払うことに同意したと発表した。 Dell Inc 向けのTFT-LCDパネルが対象。

2009年8月、Epson Imaging DevicesがMotorolaの携帯電話向けで26百万ドル の罰金支払いで、2009年12月には台湾のChimeiが220百万ドルの罰金支払いで同意した。

2010年6月には台湾のHannStar Display(瀚宇彩晶)が30百万ドルの罰金支払いで同意し、罰金額は7社合計で 892百万ドルとなった。

なお、韓国のSamsung ElectronicsはLeniency制度で罰金を免除された。

シャーマン法では、罰則は法人の場合には1億ドル以下の罰金、自然人の場合には100 万ドル以下の罰金若しくは10 年以下の禁錮又はこれらの併科となっている。ただし、罰金額は、違反行為によって自らが得た利得の2倍の額又は違反行為によって被害者に与えた損害の2倍の額まで引き上げることができる。

また、各社の役員など22人が起訴された。

明細は不明だが、Chunghwa Picture Tubesの3人は禁固6〜9か月で罰金2万〜5万ドル、LGの1人は禁固7か月で罰金2.5万ドルとなっている。(両社とも、ほかにも起訴されている)

日立ディスプレイでも一人が起訴された。(判決はないため、日本在住のままの時効中断と思われる)

ーーー

液晶パネルカルテルに関しては、日本の公正取引委員会や、韓国、EUの当局も調査した。

公取委は2008年12月18日、任天堂の「ニンテンドーDS Lite」に用いられる液晶モジュールについて、シャープと日立ディスプレイズの2社が価格を統制したとして、両社に排除措置命令、シャープに2億6,107万円の課徴金の納付命令を出した。

公正取引委員会は2009年3月、両件について審判手続を開始した。
日立ディスプレイズから2009年9月25日、審判請求の取下げがあり、同社に対する排除措置命令は確定した。

シャープについては審判手続きが継続している。

EUは2010年12月、液晶表示装置パネルで価格カルテルを結んでいたとして、韓国・台湾のLCDパネルメーカー5社に対し、総額6億4890万ユーロの制裁金を科した。

  千ユーロ Leniency reduction
Samsung 0 100%
LG Display 215,000 50% and "partial immunity" for 2006
AU Optronics
友達光電(台湾)
116,800 20%
Chimei InnoLux 300,000  
Chunghwa Picture Tubes

9,025

5%
HannStar Display 8,100  
合計 648,925  

韓国公取委は2011年10月末、下記の液晶ディスプレイメーカー6社に対し、194 billion won(1億7600万ドル)の罰金を科した。

韓国 Samsung Electronics  97.2 billion won
LG Display  65.5 billion won
台湾 AU Optronics   金額不明  
Chimei Innolux   金額不明
Chunghwa Picture Tubes   金額不明
HannStar Display   金額不明
合計    194 billion won

ーーー

これに対し、AT&T、Nokia、Dell等、LCDパネルの需要家が相次いで訴訟を起こした。
米国独禁法上は
Samsung ElectronicsはLeniency制度で罰金が免除されたが、これは民事訴訟には関係なく、同社も訴えられた。

2011年12月初め、8社が直接需要家に対し、合計388百万ドルの和解金の支払いで合意した。

ーーー

これとは別に、2010年8月、NY州のクオモ司法長官は日本、韓国、台湾などの液晶ディスプレー パネルメーカー20社を、価格カルテルを組んでいたとしてニューヨーク郡の最高裁判所に訴えを起こした。

同司法長官は、多くの消費者が不当に高い価格で購入せざるを得なかったとし「消費者が違法に多く支払わされた分を取り返すために訴えを起こした」と述べた。

これに続き、多くの州が訴えを起こした。

これについて、 2011年12月末、シャープや韓国サムスン電子など日・韓・台の主要液晶メーカー7社が、総額538百万ドルの和解金の支払いで合意した。 7社のうち5社が計14百万ドル以上の罰金を支払うことでも合意した。

和解金のうち、37百万ドルは各州政府や公的機関などに払われ、残りの501百万ドルは1999年1月〜2006年12月に対象商品を買った米国の24州とコロンビア特別区の消費者に返金される。各州は返金方法を後日通知するとしている。

なお、LG Displayは和解金の金額をめぐり主張の差が埋まらず、今後は金額の確定に向けた交渉を行うことになる。


2012/1/7 韓国国会、「米とのFTA再交渉」決議 

韓国国会は2011年12月30日、米国とFTAの再交渉をするよう政府に求める決議を賛成多数で可決した。国会はすでにFTAの批准を与党主導で承認している。

決議は特に「ISD条項」について「主権を脅かしかねない」と指摘、破棄も含めて米国と再交渉するよう求めている。

ISD(Investor State Dispute Settlement:投資家対国家紛争仲裁制度)は、投資家が相手国政府の政策により被害を受けた際、当該政府を国際投資紛争センターに提訴できる制度。

野党などは、同センターが世界銀行のもとで設置され、米国の影響が強いなどとして「韓国には一方的に不利な条項」と批判している。

なお、本条項は2007年の最初の妥結時から入っていた。

李明博大統領は11月15日、行事以外では就任以来初めて韓国の国会を訪問した。
与野党の代表との会談で大統領は、ISD条項について、「国会が米韓FTAを批准したら、3カ月以内に米政府にこの条項の改定について米国と交渉する」と約束した。

ISD条項は日本でも問題視されているが、河野太郎ブログは以下の通り述べている。

この条項は、海外に投資している日本企業の利益を守るのに役立つので、1978年の日本エジプト投資協定以降に結ばれた25本の投資協定では、日本フィリピンEPAを除き、全てにおいて投資家対国家の紛争手続(ISDS)規定が含まれている。
現実に、日本政府が訴えられたことはなく、日本企業が外国政府を訴えたことはある。
ISDS条項は、日本がTPP交渉に参加することを妨げるものではまったくない。

決議には強制力がないため、FTA発効の障害にはならないが、4月の総選挙、12月の大統領選に向けて、野党側は「米韓FTAを含む通商政策の全面見直し」を争点にする構え。

ーーー

米国と韓国のFTA交渉は2010年12月3日に妥結した。

2010/12/4 韓米自由貿易協定(FTA)追加交渉が妥結

米上下両院は2011年10月12日、韓国とのFTAの実施法案を賛成多数で可決した。

2011/10/14 米議会、韓米自由貿易協定を可決 

韓国与党ハンナラ党は11月22日、国会で韓米FTA批准案を強行可決した。李明博大統領は11月29日に批准案に署名、関係閣僚会議で2011年1月1日の発効を目指す準備の徹底を指示した。

2011/11/25 韓国、韓米FTA批准案を強行可決 

外交通商部のFTA交渉代表は12月12日、韓米FTAについて、当初予定していた2012年1月1日の発効は困難だと発表した。
米国内の手続きが残っているほか、年末年始の休暇があるためと説明、1月中旬から下旬の発効を見込んでいると述べた。

ーーー

韓国政府は2012年1月2日、企画財政部や知識経済部、農林水産食品部の5つの関係省庁が合同で、「韓米FTA批准による追加の補完対策」を発表した。2007年以降、2度にわたって補償対策を発表したが、国会で追加された支援対策などを包括した総合的補償対策をまとめた。

韓米FTAで被害が予想される農漁民に対し、予算24兆1000億ウォン(約1兆7000億円)と、税制上の優遇策29兆8000億ウォンなど、計54兆ウォン規模の財政の投入を行う。
昨年8月の追加対策発表の時より、それぞれ財政支援は2兆ウォン、税制支援は8000億ウォンが増えた。
韓米FTAの発効による被害に対する補償に向けたこのような優遇策を、2017年まで維持する。

今回の対策で、輸入の急増で価格が下落し、被害が生じた農漁民に対する補償(被害補填直払制)を強化した。
扱う品目が平均価格の90%以下に落ちれば、その差額の90%を政府から補償される。
(従来案では価格が85%未満に落ちた場合に被害補償を受けられる。)
品目別支給限度は法人5000万ウォン、個人3500万ウォン内で大統領令で定める。

畑作農業の直払い制や水産直払い制も新たに導入され、小麦・豆・麦・トウモロコシなど19種類の作物に対し、1ヘクタール当たり年間40万ウォンを、陸地から8キロ以上離れた漁村は、1世帯当たり49万ウォンを受け取ることができる。

農家の競争力強化に向けた施設現代化資金は、昨年の2450億ウォンから2012年は4109億ウォンへと増加した。
各農家が、施設現代化を政府補助無しに融資で推進した場合、現在の3%の融資金利を1%へと引き下げる。

商工人対策として年間3200億ウォン規模の振興基金を設立する。
小商工人と中小企業のための金融支援、過密業種の構造改善、伝統市場の活性化などに使われる。

流通産業発展法の改正で、大型マートと企業型スーパーマーケットの営業時間を制限し、義務休業日を指定できるようにした。
地方自治体は大型流通施設の営業を最大で午前0時から午前8時まで制限でき、1カ月に1-2日は義務休業にできる。ただ、農水産物の販売比率が51%を超える大規模店舗は対象から除かれる。

ーーー

韓国の李明博大統領は1月9〜11日に国賓として中国を訪問する。

東亜日報によれば両国は、首脳会談で韓中FTA締結交渉の開始を発表する。交渉開始の時期は二月上旬の見込みとしている。

韓中FTAは中国側が交渉開始に積極的とされる。

 


2012/1/7    サモアが標準時を変更 

南太平洋の島国サモアは2011年末に自国の標準時を日付変更線の東側から西側の時間帯に移行させた。
サモアの北にあるニュージーランド領トケラウ諸島も同時に時間帯を移した。

従来はGMT-11であったが、GMT+13とし、24時間進んだ。
12月29日の午前0:00 に切り替え、12月30日がなしで、12月31日午前0:00に変わった。(Daylight Saving Time採用)

隣の米領サモアはそのままGMT-11。(Daylight Saving Time なし)

日付変更線の東西どちらの標準時を採用するかは、各国の判断に委ねられている。
サモアは1892年に日付変更線の東側の時間帯を採用した。

当時はカリフォルニアとの貿易が盛んで、米国の貿易商が米領サモアや米国との関係を考慮して、説得した。

1899年にドイツが西サモア、米が東サモアを領有した。
西サモアは1919年 NZの国際連盟委任統治地域、1945年に国際連合信託統治地域となり、1962年に西サモアとして独立、1997年に国名をサモア独立国に変更した。
東サモアは現在も米領。

近年はオーストラリアやニュージーランドとの貿易量が拡大しているが、これらとはほぼ1日の時差があるため、商取引の可能日数が週4日と短いことが弊害になっていた。(サモアの金曜はANZの土曜のため、サモアの月〜木が相互の商取引可能)

このため、2011年6月に政府は法律を制定、準備を進めた。

失われた12月30日の1日分の賃金は支払われる。
ホテルなどは12月30日の宿泊費を請求しないよう、システムの修正に追われた。

ニュージーランドには18万人、オーストラリアには1万5千人のサモア人が住んでいるが、誕生日など重要なイベントを本国の家族と同時に祝うことが出来るようになった。


2012/1/7 原子炉等規制法改正案、原発は原則40年で廃炉 

細野豪志・原発担当相は1月6日、運転開始から40年が経過した原発を原則として廃炉にする「40年運転制限制」を導入すると発表した。今年4月の法改正をめざす原子炉等規制法に盛り込む。延長申請があった場合には施設の老朽化や原子力事業者の技術能力を審査して例外的に認めるという。

付記 
政府は、運転期間が40年を超えた原子力発電所を原則廃炉にする法改正案について、環境相の認可を条件に最長20年、1回に限り延長を認める例外規定を設ける方針を決めた。

既に40年経過しているのが3炉(うち1炉は廃炉決定)、本年中に40年になるのが1炉ある。
上記を含め、10年内に40年になるのが合計54炉のうち19炉ある。(廃炉決定の福島第一の4炉を含む)

敦賀市の河瀬一治市長は2011年6月1日の定例記者会見で、運転開始後40年を超えている敦賀1号機をめぐり、福島の知見で高経年化(老朽化)などの影響があったと明らかになった場合には「早く廃炉に持っていくことも選択肢の一つ」と述べ、2016年としている運転終了の前倒しもあり得るとの考えを示し ていた。

発電所名
運転開始 型式 40年まで
年数
能力
(万KW)
稼働中
(定検
  時期)
停止 廃炉
決定
1次
  評価
定期
検査
トラブル 震災 政府
要請
提出 確認
北海道電力
 泊
@ 1989/6/22   PWR   57.9            
A 1991/4/12   PWR   57.9            
B 2009/12/22  PWR   91.2   4月              
東北電力
 東通
@ 2005/12/8  BWR(Mark-I 改)   110.0            
東北電力
 女川
@ 1984/6/1   BWR(Mark-I)   52.4              
A 1995/7/28 BWR(Mark-I 改)   82.5              
B 2002/1/30 BWR(Mark-I 改)   82.5              
東京電力
 福島第一
@ 1971/3/26  BWR(Mark-I) 0 46.0            
A 1974/7/18  BWR(Mark-I) 2 78.4            
B 1976/3/27  BWR(Mark-I) 4 78.4            
C 1978/10/12 BWR(Mark-I) 6 78.4            
D 1978/4/18 BWR(Mark-I) 6 78.4              
E 1979/10/24 BWR(Mark-U) 7 110.0              
東京電力
 福島第二
@ 1982/4/20 BWR(Mark-U)   110.0              
A 1984/2/3 BWR(Mark-U改)   110.0              
B 1985/6/21 BWR(Mark-U改)   110.0              
C 1987/8/25 BWR(Mark-U改)   110.0              
日本原子力
 東海
A 1978/11/28 BWR 6 110.0              
東京電力
 柏崎刈羽
@ 1985/9/18 BWR(Mark-U)   110.0              
A 1990/9/28 BWR(Mark-U改)   110.0              
B 1993/8/11 BWR(Mark-U改)   110.0              
C 1994/8/11 BWR(Mark-U改)   110.0              
D 1990/4/10 BWR(Mark-U改)   110.0   3月              
E 1996/11/7 ABWR   135.6   4月              
F 1997/7/2 ABWR   135.6              
中部電力
 浜岡
B 1987/8/28 BWR(Mark-I 改)   110.0              
C 1993/9/3 BWR(Mark-I 改)   113.7              
D 2005/1/18 ABWR   138.0              
北陸電力
 志賀
@ 1993/7/30 BWR(Mark-I改)   54.0              
A 2006/3/15 ABWR   135.8              
日本原子力
 敦賀
@ 1970/3/14   BWR(Mark-I) 0 35.7              
A 1987/7/25  PWR   116.0            
関西電力
 美浜
@ 1970/11/28  PWR 0 34.0              
A 1972/7/25  PWR 1> 50.0              
B 1976/3/15  PWR 4 82.6            
関西電力
 大飯
@ 1979/3/27  PWR 7 117.5              
A 1979/12/5  PWR 7 117.5              
B 1991/12/18  PWR   118.0            
C 1993/2/2  PWR   118.0            
関西電力
 高浜
@ 1974/11/14  PWR 2 82.6              
A 1975/11/14  PWR 3 82.6              
B 1985/1/17  PWR   87.0   2月              
C 1985/6/5  PWR   87.0              
中国電力
 島根
@ 1974/3/29 BWR(Mark-I) 2 46.0              
A 1989/2/10 BWR(Mark-I改)   82.0   1月              
四国電力
 伊方
@ 1977/9/30  PWR 5 56.6              
A 1982/3/19  PWR   56.6  1月              
B 1994/12/15  PWR   89.0            
九州電力
 玄海
@ 1975/10/15  PWR 3 55.9              
A 1981/3/30  PWR 9 55.9            
B 1994/3/18  PWR   118.0              
C 1997/7/25  PWR   118.0              
九州電力
 川内
@ 1984/7/4  PWR   89.0            
A 1985/11/28  PWR   89.0            
合計       54基 6基 29 3 14 2 (4) 11 0

     PWR:加圧水型、BWR:沸騰水型、ABWR(Advanced BWR):改良型沸騰水型
     BWRのうち、格納容器がMark-1型は問題とされている。

なお、伊方2号は1月13日に定検入りする。4月には全炉が停止する。
一次評価は2011年12月28日現在で11基が提出されているが、全てが保安院で評価中の段階。

手続きは、保安院への提出→保安院評価→安全委員会への報告→委員会の確認→3大臣(経産、原発担当、官房長官)判断となるが、3大臣が稼働を承認しても、稼働には地方自治体の了承が必要となる。

西川・福井県知事は2011年12月28日、停止している原発の再稼働について、高経年化(老朽化)対策や地震、津波に対するさらなるチェックを加えた上で「慎重かつ十分な信頼感を持った対応を県として進める必要がある」と述べた。

中部電は高さ18メートルの防波壁の建設などを柱とする約1000億円の対策工事に着手し、2012年末までに完成させる予定。

しかし、川勝平太・静岡県知事は、「福島第一原発事故で(浜岡原発と同じ)沸騰水型は危ないというのが日本人の共通認識になった」として、中部電の津波対策が完了しても再稼働を認めない方針を初めて明言した。(2012/1/1 読売新聞)

浜岡原発3、4号機が福島第一原発
と同じ沸騰水型軽水炉(BWR-5改良標準型)、5号機がその改良型(ABWR)であることを問題視し、「津波対策ができても再稼働の話にはならない。事故を繰り返さないためにはパラダイム(思考の枠組み)を変えるしかない」と述べた。

福島第一の1号機〜5号機 は沸騰水型で格納容器はいずれもMark-1(フラスコ型)、6号機は沸騰水型でMark-2(円錐型)。

国際原子力機関(IAEA)閣僚級会議に出席した海江田経済産業相(当時)は2011年6月20日、ウィーンで会見し、東京電力福島第1原発1〜5号機に使われている米GE開発の原子炉格納容器 MarkTについて、安全性の観点から、廃炉を含めた検討が今後の課題になるとの考えを示した。
  2011/7/12 原発の安全性基準に関する「政府統一見解」 

MarkTは上表で青字表示。
沸騰水型(BWR、ABWR)が全て問題とすると、54基のうち、30基にものぼる。

 

参考 沸騰水型原子炉 格納容器

ソース:原子力安全研究協会編:軽水炉発電所のあらまし


2012/1/9 仏Total、米オハイオ州のシェールオイル開発に参加 

Totalは2011年12月30日、オハイオ州のUticaシェールを共同開発するChesapeake ExplorationとEnerVest Ltd.との間で、Uticaシェールに25%参加する契約を締結した。

同社は2011年1月にChesapeake ExplorationのBarnett Shale開発に25%参加したが(後記)、これに続くものとなる。

TotalはChesapeakeとEnerVestに対して約7億ドルの現金を支払うとともに、今後7年間、ChesapeakeとEnerVestの将来の掘削投資額の60%、16.3億ドルまでを負担する。

JVが権利を持つのは約619千エーカーで、うち542千エーカーは Chesapeakeが、77千エーカーはEnerVestが保有する。

Total は両社からそれぞれ25%、合計155千エーカーの権利を取得する。JVの操業はChesapeake が行う。

Utica shaleはliquids-rich で、Shale oil 開発が中心となる。(現在、シェールガスの生産急増でガス価格が低迷している。)

現在までに13の井戸が掘削され、優良な結果が出ている。10年後のTotalの生産持分は原油換算日量10万バレルに達すると見込まれている。

別途、3社は製品の輸出のための中間設備の建設を共同で実施することで合意している。

EnerVest は原油・ガスの開発会社で、活動地域は以下の通り。

ーーー

Totalは2010年1月4日、Chesapeake Energy CorpとのJVでテキサスのBarnett Shale 天然ガス開発に参加すると発表した。

Total は現金8億ドルを支払ってChesapeakeのBarnett Shale 資産の25%の権利を取得、別途、掘削・開発の費用14.5億ドルを支払う。

ChesapeakeのBarnett Shale 資産は27万エーカーで、現在、天然ガス換算で日量7億立方フィートの生産をしており、確認埋蔵量は3兆立方フィートとなっている。今後更に地域を拡大する。


2012/1/9 PetroChina、カナダのオイルサンド権益を100%にアップ、Sinopecは米のシェールガスの権益取得

PetroChinaは1月3日、パートナーの持分を680百万カナダドルで買い取り、カナダのMacKay Riverオイルサンド権益を100%とした。

PetroChina は2009年8月、カナダのAthabasca Oil Sands Corp. との間で、Athabasca MacKay River 及び Dover オイルサンド計画の60%の権益19億カナダドルで取得する契約を締結した 。

2009/9/10  PetroChina、カナダのオイルサンド事業に参加

Athabasca Oil Sands は今回、MacKay River project の残り40%の権益を売却するオプションを行使した。

もう一つのDover oil sands projectにも同様のオプション条項があり、売却する場合の金額も13.2億カナダドルで決まっている。Athabasca はこれについても権利を行使するのではないかとみられている。

Athabascaは売却代金のうち、468百万カナダドルはPetroChinaからの借入金の返済に充て、残りを他のオイルサンドや軽質原油の開発に投じる。その一つとして自社単独のHangingstone oil sands開発を2014年に始める。

現在のところ、PetroChina が単独で事業を行うのか、他のパートナーを引き込むのかは明らかでない。これまでは進出したアジア各社は操業を現地のパートナーに任せている。

 

カナダ政府やカナダ企業は市場の拡大とより高い価格を求めて中国やアジア諸国との関係強化を図っている。

オイルサンド原油を西海岸に輸送し、アジアへの輸出することを狙った Enbridge Incの Northern Gateway pipeline計画(55億カナダドル)の公聴会が間もなく開かれる。(環境問題での反対が強く、実現には時間がかかる。)
 

  Northern Gateway は日量50万バレルの原油を輸送する計画。

アメリカのエネルギー会社Kinder Morganが運営する既存のTrans Mountain Pipelineは1953年に完成した。最初はVancouverまでで、その後、Seatle地区に伸びた。

オイルサンド原油の輸送のため、第二期計画(Edmonton--Burnaby)が計画されている。

ーーー

Sinopecと独立系石油会社Devon Energy は、SinopecがDevonの5つの新しいシェール鉱区の権利の1/3を22億ドルで取得する契約を締結した。1月3日に発表した。
Sinopecは他に、契約前の掘削費と、契約後の土地権益取得費用をDevonに支払う。

対象となるのは次の5つ。
  
Tuscaloosa Marine Shale 下の左図
  Niobrara 
◎印
  Mississippian:デボン紀後半〜ミシシッピ紀(石炭紀)前半の地層 下の右図
  Ohio Utica Shale 
◎印
  
Michigan Basin 
◎印

Sinopecは契約発効時に現金で9億ドルを支払い、掘削費の形で16億ドルを支払う。
Sinopecは1エーカー当たり5500ドルを支払うこととなり、一般的な3000ドルよりはるかに高い。

本年中に125の井戸を掘削する予定。

Devonはオペレーターとなり、資金支出の責任を負う。またDevonは全製品を北米市場で販売する責任を負う。

ーーー

中国のPetroChina、Sinopec、 中国海洋石油(CNOOC)は競って北米のシェールオイルやオイルサンド事業に参加している。

2005/4 中国海洋石油 カナダのオイルサンド開発企業・MEGエナジーの株式の16.69%を買収
2009/9/10 PetroChina、カナダのオイルサンド事業に参加 Athabasca Oil Sands
2005/6 SinopecNorthern Lightsにおけるオイルサンド事業の権益の40% をSynenco Energy から買収
2009年に50%にアップ
2010/4/16 Sinopec、カナダのオイルサンドに投資 ConocoPhillipsのオイルサンド事業会社 Syncrude Canada
2010/10/18 CNOOC、テキサス州のEagle Ford Shale projectに参加   Niobrara shaleを追加
2011/2/16 PetroChina、カナダの天然ガス権益取得
2011/7/22 中国海洋石油、カナダのオイルサンド企業を買収
今回 PetroChina、カナダのMacKay Riverオイルサンド権益を100%化
Devonは、Sinopec、Devon Energy の5つの新しいシェール鉱区の権利の1/3を取得

これには、事業参加によって技術を取得し、中国のシェール開発に役立てるという目的もある。

U.S. Energy Information Administration.によれば、中国のシェールの埋蔵量は通常の天然ガスの埋蔵量の12倍もあり、技術的に採掘可能な埋蔵量は米国のそれより50%も多い。


2012/1/9 丸紅、イーグルフォード・シェールオイル・ガス開発事業に参画 

丸紅は1月9日、米独立系石油ガス開発大手Hunt Oil との間で、Hunt Oilのテキサス州 Eagle Ford シェールオイル・ガス田の開発・生産権益 約52,000エーカー の35%を取得することに合意、権益売買契約を締結したと発表した。

今後5〜10年間程度に亘り数百本の井戸を順次掘削する計画で、取得対価を含む丸紅の総開発費用は約13億米ドルとなる見込み。両社はEagle Ford エリアで新規権益を共同取得していくことにも合意した。

丸紅は2011年4月、米国のMarathon Oil Corporationとの間で、コロラド州・ワイオミング州のDenver Julesburg 盆地のNiobrara shale oil の権益180千エーカーの30%を約270百万ドルで取得することに合意し、権益売買契約を締結した。
2011年10月より試験生産を開始している。

丸紅のシェールオイル権益は、今回の参画後累計で約72,000エーカーとなり、日本企業としては最大のシェールオイル権益を保有することとなる。


北米のシェールガス開発では、以下の各社が開発に参加している。

三菱商事 ブリティッシュ・コロンビア州のCordova堆積盆地のシェールガス
 
Penn West Energy Trustから50%の権益

 
2010/8/26 三菱商事、カナダのシェールガス開発プロジェクトに参画 

 2011/5/14 中部電力、東京ガス、大阪ガスとJOGMEC、カナダシェールガス開発プロジェクトに参加 

三井物産 @ペンシルベニア州のMarcellus Shaleエリアのシェールガス
 Anadarko Petroleum から32.5%の権益

 2010/2/18  
三井物産、米国でシェールガス開発生産プロジェクトに参画

Aテキサス州Eagle Ford shale 
  SM Energyから12.5%の権益

  2011/7/4  三井物産、テキサス州のシェール開発に参加

住友商事 @テキサス州Barnett Shale field開発
 Carrizo Oil & Gasから12.5%の権益

Aペンシルベニア州Marcellus Shale field開発
 Rex Energyから30%の権益

 2010/8/26 
三菱商事、カナダのシェールガス開発プロジェクトに参画 
双日 テキサス州北東部Carthage onshore gas 鉱区Tightsand gas、シェールガス
 2007年7月に権益取得

 2010/10/19 伊藤忠、米国のシェールオイル開発に参加、商社の非従来型石油/ガス開発出揃う

伊藤忠 @ワイオミング州Niobraraのシェールオイル
  Fidelity Exploration & Production(MDU Resources Group子会社)から25%の権益

 2010/10/19 伊藤忠、米国のシェールオイル開発に参加、商社の非従来型石油/ガス開発出揃う

A2011/11/28 KKRと伊藤忠など、米Samsonを72億ドルで買収へ

丸紅 @Niobrara shale oil
  2011/4/13 丸紅、米国のシェールオイル開発計画に参加

A今回 Eagle Fordシェールオイル・ガス田
  

日揮 @テキサス州Eagle Ford シェール
  2011/6 
TriTech I, LLCからChesapeake Energy運営の鉱区の10%の権益

A国際石油開発帝石と日揮、NexenのBritish Columbia州北東部のシェールガス開発に参加

 


2012/1/10  中国、Windfall-tax 課税下限を引き上げ 

PetroChinaとSinopecは1月5日、財務部が石油採掘企業に対して課税する特別収益金(Windfall-tax) の課税下限を2011年11月から引き上げたことを明らかにした。

従来は石油価格が40ドル/バレル以上の場合に課税されていたが、これを55ドル/バレル以上に変更した。

 

原油価格高騰によりPetroChina、Sinopec、CNOOCが空前の高収益を上げているのに対して、国内産業は原料・燃料価格の高騰で収益を圧迫されていることを受け、中国政府は2006年3月26日から特別収益金(Windfall-tax) を徴収することを決めた。一般には暴利税と呼ばれた。

  特別収益金={(加重平均販売価格−40ドル)x 下記税率−下記控除額}x 販売数量

原油価格(US$/bbl) 40〜45 45〜50 50〜55 55〜60 60以上
税率  20%  25%  30%  35%  40%
控除額(US$)   0  0.25  0.75  1.50  2.50

2006/7/14 SINOPECの損益構造の変化

今回、以下の通り変更された。

特別収益金={(加重平均販売価格−55ドル)x 下記税率−控除額}x 販売数量

原油価格(US$/bbl) 55〜60 60〜65 65〜70 70〜75 75以上
税率  20%  25% 30% 35% 40%
控除額(US$) 0 0.25 0.75 1.50 2.50

原油価格が1バレル100ドルの場合、特別収益金は15.5ドルとなる。(従来なら21.5ドル)

原油価格は2008年央から急落したが、最近は100ドルに近づいている。
PetroChinaなどは40ドルを超えれば暴利というのはおかしいとして、課税開始価格の引き上げを要請していた。

Sinopec会長は昨年9月の国務院での会議で、1バレル50ドルでも低すぎるとし、Sinopecの国内の原油コストの平均は52ドルで、いくつかの油田のコストは70〜75ドルにもなると述べた。

しかし、SinopecPetrochina2010年決算は、Refiningに関しては政府がインフレ抑圧のため値上げをしないよう強い圧力をかけているため減益となったが、開発部門は(「暴利税」を払っても)大増益となっている。

2011/4/8 SinopecPetrochina2010年決算 

今回、政府は課税の下限を37.5%引き上げたが、人民元はこの制度が導入された2006年3月以降、ドルに対して23%上昇しているため、実質的な引き上げ幅は小さい。

 


2012/1/11 東レ、三井物産子会社の日本マイクロバイオファーマ社に出資 

東レと三井物産は1月5日、東レが三井物産子会社の医薬会社 日本マイクロバイオファーマの株式20%を取得する契約書を締結した。

日本マイクロバイオファームは元 メルシャンの医薬・化学品事業で、メルシャンが経営資源をワイン・酒類事業に集中するため、受け皿会社 MBS社として分離した後、2011年7月1日に三井物産に譲渡した。

日本マイクロバイオファームはメルシャン時代から長年培ってきた発酵技術にバイオテクノロジーを付加した独自の製造技術により、微生物を利用した医薬品原薬、機能性化学品の製造、製造受託並びに創薬支援事業を行っている。

中国では、日本マイクロバイオファームが34%出資する関連会社の
深圳萬楽薬業を通じて、制癌剤を中心とする製品の製造・販売を展開している。

深圳萬楽薬業は1990年にメルシャンが、中国の深圳一致製薬薬業、香港の萬聯行との3社合弁で設立した。

ーーー

東レは、ライフサイエンス事業を次代の成長エンジンとして「重点育成・拡大事業」と位置付けている。
現在の事業分野は以下の通り。

  医薬品
    天然型インターフェロンベータ製剤、経口プロスタサイクリン(PGI2)誘導体製剤、
    経口プロスタサイクリン(PGI2)誘導体徐放性製剤、経口そう痒症改善剤
  医療機器
    中空糸型透析器、血液浄化器、カテーテル・ポート、バルーン拡張式弁形成術用カテーテル、
    医療用弾性ストッキング、コンタクトレンズ
  バイオツール
    DNAチップ
  アメニティ製品
    マイクロファイバークリーニングクロス(一般用、スキンケア、工業用)
    家庭用浄水器(トレビーノ)
  サービス

2011年4月からスタートさせた中期経営課題「プロジェクト AP-G 2013」では基本戦略1に「成長分野での事業拡大」を挙げているが、 @環境・水・エネルギー、A情報・通信・エレクトロニクス、B自動車・航空機と並んで、Cライフサイエンスが入っている。

独自の先端技術を活かした研究開発のInnovationを推進することで、医薬・医療事業のさらなる拡大を目指している。

・「創薬型ビジネスモデル」の深化
・ 高付加価値医療材料の開発・上市
・ バイオとナノテクノロジーの融合による、革新的バイオツールの創出

ーーー

三井物産は消費者、医療機関、製薬企業のニーズに応えるべく、2008年にコンシューマーサービス事業本部にメディカル・ヘルスケア事業部を新設し、医療・健康関連のビジネスを集約した。

  「医薬バリューチェーン」

研究開発を含む製薬から流通・販売にいたるバリューチェーン全体を視野に、医薬品業界に対するソリューションプロバイダーとなることを目指す。

医薬品製造支援(CMO:Contract Manufacturing Organization)では40年以上にわたる事業経験を有し、医薬原料の供給等を通じ国内外の製薬企業との緊密な関係を築いている。

  「ヘルスケアサービスネットワーク」

医療、予防、介護の事業者間の相互連携を図り、国内では地域ごとに医療・予防・介護の各事業者間で連携を図る地域包括的なケアネットワークを構築、海外ではアジアを中心とするグローバルヘルスケアネットワークの構築をミッションとする。

ーーー

今回の出資参画を通じて、東レは日本マイクロバイオファームとの技術交流を深め、医薬品の新規開発や製造基盤の強化を図ると共に、同社の製品域の拡大を後押しする。

三井物産は、メディカル・ヘルスケア事業および化学品事業領域における経験とグローバルネットワークを生かし、 日本マイクロバイオファーム製品のグローバルシェアの拡大を目指す。

両社は、両社の経験・ノウハウを生かして日本マイクロバイオファームの強みをさらに引き出し、日本マイクロバイオファームでの協業を通じて、メディカル・ヘルスケア事業および化学品事業領域においてさらなる関係強化を推進する。


2012/1/12 中国の2011年貿易収支 

中国税関当局は1月10日、2011年の輸出額が前年比20.3%増の1兆8986億ドル、輸入額が同24.9%増の1兆7434億ドルだったと発表した。

輸出入ともに過去最高を2年連続で更新、輸出の3年連続世界一がほぼ確実になった。

貿易黒字は1551億ドルで、2008年から毎年減っており、2005年の1020億ドル以来の低水準となった。

いつものことながら、どうしてこんなに早く実績が出るのか、不思議である。

貿易総額の内訳を国・地域ごとに見ると、ブラジルやロシアなど新興国向けは34.5%の高い増加率となった一方、欧州向けは18.3%、米国向けは15.9%の伸びにとどまった。
欧米向けの輸出の減速傾向が去年後半から強まっている。

日本からの輸入は、東日本大震災の影響で10.1%の伸びにとどまった。

ーーー

12月単月では、輸出が前年同月比13.4%増の1747億ドル、輸入が12.1%増の1582億ドルだった

輸出の前年比伸び率は8月が24.4%であったが、9月以降、4か月連続で急速に縮小しており、減速感が増している。


2012/1/13 中国消費者物価、2011年は前年比5.4%上昇 

中国国家統計局は1月12日、2011年12月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比4.1%上昇したと発表した。
伸び率は7月の6.5%以降5カ月連続で鈍化している。

2011年通年のCPI上昇率は前年比5.4%で、2010年の3.3%を大幅に上回った。

12月は食品が9.1%上昇した。豚肉価格は21.3%上昇に止まり、6月の57.1%から下落を続けているが、食品価格は依然として高水準が続いている。食品以外の商品は1.9%上昇。

同時に発表した12月の工業生産者出荷価格(卸売物価)指数は1.7%上昇した。


2012/1/13  電気化学と住友化学、スチレンモノマー事業を縮小 

電気化学と住友化学は1月10日、両社のスチレンモノマー製造JVの千葉スチレンモノマーを4月末に電気化学の100%子会社とすることで合意したと発表した。

千葉スチレンモノマーは1992年1月に電気化学60%、住友化学40%の出資で設立、電気化学の千葉工場内に年産27万トンのプラントを建設した。

製品の引取は出資比率見合いで、電気化学 162千トン、住友化学 108千トンとなっている。

電気化学は自社プラント(24万トン)と千葉スチレンモノマーのプラント(27万トン)を同社千葉工場に有するが、これを機に自社プラントを停止し、競争力のあるプラントでの集中生産体制を確立、スチレンチェーンの基盤強化を図る。

これにより、電気化学の能力はこれまでの402千トン(240+162)が270千トンとなる。
同社は新日鉄化学、ダイセルとのPS合弁会社東洋スチレンを持っている。

電気化学では、2015年の創立100周年に向けた経営計画、「DENKA100」と実行計画「Challenging Spirit 2013)の目標達成に取り組んでいるが、今回の措置は、その基本方針 「カーバイドチェーンやスチレンチェーンの収益を基礎として、電子材料や機能・加工製品などの高収益製品を、成長分野と成長地域で伸ばす」 に則った事業展開具体策としている。

今回、合わせて機能・加工製品事業であるウィッグ(カツラ)・ヘアピース用合成繊維「トヨカロン®」の製造工場をシンガポールに新設することを決定したことを発表した。

住友化学は日本オキシランにSM/PO併産設備(SM 412千トン)を有し、千葉スチレンモノマー品の販売を日本オキシランに委託しているが、今般の千葉スチレンモノマーの生産枠(108千トン)の放棄で、競争力が低下している輸出を縮小する。
(同社は三井化学とのJVの日本ポリスチレンを停止、解散した)

ーーー

スチレンモノマー能力推移は下記の通り。(単位:千トン)

三菱化学は2011年3月に鹿島のプラントを停止し、SM事業から撤退した。(同社はPSから撤退している)

新日鐵化学と昭電は2011年3月、新日鐵化学大分の芳香族事業(スチレンモノマーおよびベンゼン、トルエン、キシレン)を母体とする共同事業会社「NSスチレンモノマー」を設立し、両社の合弁事業として運営することで合意した。
共同化により合理化を図る。

既に、三井化学はプラントを太陽石油化学に売却して撤退、東ソーは日本スチレンモノマーから撤退している。

   

産構法時代

1996/12

2005/12

2011/12 2012年 〔 〕はPS合弁

処理前

処 理

処理後

旭化成

水島
川崎

330
65
(395)

:
:

(50)

:
:

(345)

409

(409)

751

(751)

678

(678)
  PSジャパン〕
 
出光興産

千葉
徳山

160

0

160

210
340
(550)

210
340
(550)

210
340
(550)
  :〔PSジャパン〕
三菱化学

鹿島
四日市

169
241
(410)

:
:

(100)

:
:

(310)

325
180
(505)

371

(371)

0

(0)
 

2011/3 停止

PSジャパン〕離脱

電気化学

千葉

160

0

160

240

240

240 0
 
2012/4 停止
〔東洋スチレン〕
千葉スチレンモノマー
(電気化学/住友化学)

千葉

270

270

270 270 2012/4 電化 100%化
   住化離脱
住友化学

千葉

100

100

0

  〔日本PS〕解散
日本オキシラン
(
住友化学/Lyondell)

千葉

225

0

225

352

412

412  

 

三井化学

大阪
宇部

90

90

0


284



  〔日本PS〕解散
 
太陽石油化学

宇部

294

335    
NSスチレンモノマー
(新日鉄化学/昭電)
大分 422    
新日鐵化学

大分

168

0

168

191

190

(190)
(232)
  
  〔東洋スチレン〕
 
日本スチレンモノマー
(新日鐵化学/東ソー)

大分

232

232

    

(2008/6 解散)

東ソー

四日市

91

0

91

130

0

   

合計

1,799

340

1,459

3,163

3,310

2,907 2,667

スチレンモノマーの内需の推移は下図のとおりで、特にPSの需要の減が大きく、能力300万トン程度に対し、内需は150万トン程度に止まり、残りを輸出で補っている。

PSでは日本ポリスチレンが2009年9月末に操業停止して解散、三菱化学は2009年10月、PSジャパンから撤退した。

三菱化学はABSでも、2009年3月31日付けでJSRとの合弁事業に関する業務提携を解消し、テクノポリマーをJSRの全額出資子会社とした。(三菱化学はPS、ABSのプラントを停止)


 

近年、SMの事業環境は、欧米での需要低迷、中国・中東等での能力増強による需給緩和、円高の進行による競争力の低下など非常に厳しい状況にあり、今後、SMを輸出して安定的に収益を確保していくことは困難な情況である。

電気化学と住友化学は、これを勘案し、SM事業の縮小を決めたもの。


2012/1/14 南京のBASF-YPCの2期計画が完成

BASFとシノペックは1月10日、南京のJVのBASF-YPCの2期計画の完成式典を行った。
14億ドルを投じた2期計画の内容は下記の通り。

BASF-YPCについては
 
2006/4/6 中国のエチレン合弁会社ー1

 2009/7/9  中国政府、BASF-YPCの増設計画承認

両社は2010年12月に更なる増強計画(総額約10億ドル)の推進の覚書を締結している。

 2010/12/24  BASFとSINOPEC、BASF-YPCの第二次増強を検討

BASF-YPCの能力は以下の通りとなる。(単位:千トン)

  一期計画  二期計画
$1.4 billion
増強計画
$1 billion
エチレン 600     740  
C4 Comlex Butadiene ー   130  
2-propylheptanol  80  増設
Isobutene  60  
Polyisobutene  50  
EO EO
EO purification
250
330
 150
 
EG 300     
EO Derivatives Non-ionic surfactants ー   60 (増)
Amines complex Ethanolamines
Ethyleneamines
Dimethylethanolamine
ー   130  
DMA3 (dimethylaminoethylacrylate) ー   25  
LDPE 400     
Acrylics value chain アクリル酸  160     +160
アクリル酸エステル 215     
Super-absorbent polymer (SAP) ー     60
butyl acrylate ー    新設  
C4オキソアルコール  250  305  
蟻酸 50     
プロピオン酸           30     
メチルアミン 30     
ジメチルホルムアミド(DMF) 40     
PO(HPPO) ー    (新設) 
Yangzi-BASF Styrenics Ethylbenzene 130  BASF-YPC
統合
 
Styrene monomer  120   (増設)
Polystyrene  200   
EPS  52   

次期増のうち、(  )は2010年12月の発表に含まれているが、今回の発表の「例示」には含まれていない。


2012/1/14 米格付け会社S&P、フランスなどユーロ圏 9カ国を一斉格下げ

米格付会社スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)は1月13日、最上位である「トリプルA」のフランス、オーストリアを含むユーロ圏9カ国の国債格付けを引き下げたと発表した。

同社は昨年12月5日にギリシャとキプロスを除く15カ国を新たに格下げ方向で見直すと発表していた。

フランス、オーストリア   AAA AA+    1段階
イタリア   A BBB+   2段階
スペイン   AA- A   2段階
ポルトガル   BBB- BB   2段階 「投機的」格付けに
キプロス   BBB BB+   2段階 「投機的」格付けに
スロベニア   AA- A+   1段階
スロバキア   A+ A   1段階
マルタ   A A-   1段階

フランスは「債務の大きさと硬直的な労働市場」、オーストリアは「イタリアやハンガリー関連の取引で銀行が損失を被り、政府の支援が必要になる」ことを理由とした。

ドイツ、オランダ、フィンランド、ルクセンブルクはトリプルAを維持した。

但し、ドイツ以外の3国は「ネガティブ(弱含み)」で、2年以内で1/3の確率で格下げの可能性がある。

なお、Moody'sも昨年12月12日、2012年3月までにEU加盟国の国債の格付けを引き下げる可能性があると発表している。

ーーー

S&PとMoody'sの各国の格付けは以下の通り。

青字2011年に格下げがあったもの
赤字は2012年に格下げ
( ↓) ( ↓)以前の格付け(日付は格下げ日) 

S&P Moody's
ユーロ ユーロ圏外 ユーロ ユーロ圏外
AAA ドイツ
(フランス
↓1/13)
(オーストリア
↓1/13)
オランダ

フィンランド
ルクセンブルグ
英国
カナダ
(米国
8/5)
Aaa ドイツ
フランス

オーストリア
オランダ

フィンランド
ルクセンブルグ
英国
カナダ

米国
AA+ フランス
オーストリア

(ベルギー
11/25)
米国 Aa1 (ベルギー12/16)
AA ベルギー (日本1/27) Aa2   (日本8/24)
AA- (スペイン↓1/13)
エストニア
(スロベニア
↓1/13)
日本
中国
Aa3 ベルギー
(スロベニア
12/22)
日本
中国
A+ (スロバキア↓1/13)
スロベニア
(中国'10/12/16) A1 スペイン
エストニア
スロバキア
スロベニア
韓 国
(中国'10/11/11)
A スペイン
スロバキア
(イタリア↓1/13)
(マルタ
↓1/13)
韓国 A2 イタリア
マルタ
A- マルタ   A3 (ギリシャ'10/6/14)  
BBB+ イタリア
アイルランド

(ギリシャ'10/4/27)
(キプロス
7/29)
Baa1 (キプロス11/4)
BBB (キプロス↓1/13)   Baa2    
BBB- (ポルトガル↓1/13) (ハンガリー12/21) Baa3 キプロス (ハンガリー11/24)
 投資適格     投機的格付
BB+ キプロス
(ギリシャ3/29)
ハンガリー Ba1 アイルランド
(ギリシャ3/7)
ハンガリー
BB ポルトガル Ba2 ポルトガル
BB- (ギリシャ5/9)   Ba3    
B+ B1 (ギリシャ6/1)
B (ギリシャ6/13)   B2    
B- B3
CCC+     Caa1 (ギリシャ7/25)  
CCC (ギリシャ7/27) Caa2
CCC-     Caa3    
CC ギリシャ Ca ギリシャ

 


次へ

最新分は  http://blog.knak.jp