ブログ 化学業界の話題 knakのデータベースから      目次

これは下記のブログを月ごとにまとめたものです。

最新分は  http://blog.knak.jp


2013/5/22  2013年3月決算 − 医薬メーカー 

医薬メーカーの決算は以下の通り。

 

各社の決算のポイントは以下の通り。

武田薬品

   営業損益:前期比 1425億円減

増収により339億円増益となったが、販売費・一般管理費が1764億円増加した。

うち、研究開発費 424億円増、
   販売費 503億円増、労務費 402億円増、その他のれん・無形固定資産償却費増などで1340億円増

   特別損益&税金:

特別損益は前期 -179億円に対し、当期は165億円で、差引 344億円の増益

   投資有価証券売却益 531億円、
      インフルエンザワクチン政府助成金 228億円、
      減損損失 -436億円(特許権、販売権等)
   事業構造改善費用 -252億円(海外従業員削減計画等) (前期は -355億円)

税金では移転価格税制による還付を過年度法人税等として-574億円を計上(益)
これの還付加算金(利息)151億円を特別利益に計上 (合計725億円の益)

還付加算金は2010年以降は年4.3%で、国税庁は理解不能の更正決定を行い、結果として武田に大きな利益を与えたこととなる。

   当期損益:経常損益ベースでは前期比-1572億円であったが、当期損益は逆に71億円の益となった。

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アステラス製薬

   営業損益:前期比 223億円増

増収により307億円の増益、研究開発費 78億円減、その他販管費 162億円増

   特別損益:前期比 243億円減(減損損失 前期比 255億円増)

   当期損益:前期比 46億円増

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田辺三菱製薬

   営業損益:ほぼ前期並み

増収となったが、薬価改定の影響で売上総利益は前期比20億円減益、販売費、一般管理費は研究開発費の減で20億円増益。

   特別損益:前期は-50億円、当期は-16億円で、差引34億円の増益となった。

特別損失には、関係会社のベネシスと日本赤十字社の血漿分画事業統合による資産処分損 23億円や、HCV訴訟損失引当20億円などがある。減損損失は前期比 26億円減。

   当期損益:29億円の増益。

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第一三共

   営業損益:前期並み(増収により142億円の増益、一般管理費 138億円増)

   経常損益:前期比229億円の増益

インド子会社Ranbaxyがデリバティブ取引をしている。
前年は評価損 165億円、本年は評価益 64億円で、差引営業外損益が 229億円の増益となった。

   特別損益:前期は423億円の損、当期は70億円の損で、差引353億円の増益。

前期にはインド子会社Ranbaxyの米司法省との和解金引当399億円(500百万ドル)がある。

米国食品医薬品局(FDA)は2008年9月16日、ランバクシー・ラボラトリーズの医薬品30種以上の輸入を一時停止した。

医薬品の安全性に問題はないが、ランバクシーのインドのデワスとパオンタ・サヒブにある2つの工場で、製造器具の洗浄状況、生産管理、品質管理などに関する記録の保存に関して問題が改善されていないためとしている。
また、FDAが1月から3月にかけて問題の2工場を査察した際、抗生物質の取り扱い方法にも問題が発見されたという。

2011年11月に、ランバクシーは米国食品医薬品局(FDA)と同意協定書を締結、データの信頼性を確実にするための手段や方針を更に強化し、現行の適正製造基準を遵守することを確約した。

同時に米国司法省との案件の解決に向け、500百万米ドルを引き当てた。

2013年5月14日、第一三共はランバクシーの米国司法省との協議が終結したと発表した。支払額は引当と同じ500百万ドルとなった。

   当期損益:税引き前損益が前期比582億円増となり、法人税等調整を含め、純損益では562億円の増益となった。

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エーザイ

   営業損益:前期比252億円の減

販売管理費(450億円減)、研究費(47億円減)は減少したが、売上高が743億円減った影響が大きかった。

   当期損益:102億円の減益となった。

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大正製薬

   営業損益:前期比31億円の減益

売上総利益は40億円の増、研究費は9億円の減で、合計49億円の増益となったが、販売費、人件費、情報関連費用等が増加し、合計で減益となった。

   当期損益:

投資有価証券評価損の前期比減少などで、特別損益が前期比22億円の増となり、法人税等も21億円の減となって、差引20億円の増益となった。

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塩野義製薬

  営業損益:118億円増

増収に加え、原価率の改善、コスト削減、米国事業の集積の改善等で増益

  特別損益:

抗HIV薬に関するViiVとの契約締結に伴い、シオノギViiVヘルスケア簿価とViiV株式10%の時価との差額404億円を特別利益に計上。
同時に米国事業の販売権とノレンの減損で408億円の特別損失を計上。

これを受け、単体決算では株式評価損1101億円を計上。(連結決算では影響なし)

  2012/11/2  塩野義製薬、HIV治療薬JVの枠組み変更

   法人税等:前期比 229億円減

単体決算での株式評価損で税金等の費用が大きく減少したため、連結での税金は-85億円となった。(前期 144億円)

   当期損益:前期(271億円)比396億円増の667億円となった。次期予想は370億円。

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大日本住友製薬

   営業損益:前期比46億円の増益

薬価改定の影響などによる減収で売上総利益は55億円減となり、研究開発費は30億円増えたが、
経費削減で販売費・一般管理費が131億円減となった。

なお、一般管理費には米国でのSepracor Inc.(現在のSunovion Pharmaceuticals )買収に伴う特許権とのれんの償却費 が含まれるが、前期は277億円、当期は259億円であった。

   当期損益:

特別損失に事業構造改善費用(前期比36億円増の48億円)などを折り込み、当期利益は前期比14億円増となった。


2013/5/23   2013年3月決算対比 

2013年3月決算がほぼ出揃った。

主な企業の営業損益、当期損益の対比は以下の通り。

営業損益  

営業損益は企業により大きく異なる結果となった。

多くの企業、特に石油化学関係の業績が年を追って悪化しており、2011/3>2012/3>2013/3となっている。

三井化学が典型である。

下記企業も大幅減益だが、好調な事業が石化等の減益を大きくカバーした結果での大幅減益である。

三菱ケミカルは医薬品が、住友化学は情報電子化学と健康農業関連、医薬品が石油化学の減益をカバーしている。

旭化成も住宅と医薬・医療が、帝人はヘルスケアがカバーした。

日本触媒は爆発事故の影響で減益となった。トクヤマは多結晶シリコンの損益が激減した。

逆に、強みを持つ製品の貢献で増益となった企業もある。

信越化学はシンテックが好調で、半導体シリコンの減益を補い、増収増益となった。

積水化学は住宅の損益が急上昇、全社利益の半分以上を占める。高機能プラスチックも好調。

クラレも若干の減益となったが、ポバール製品等が好調で高水準の利益を継続した。

なお、多結晶シリコンについては、トクヤマの2008年3月期の「特殊品」(ほとんどが多結晶シリコン)の営業損益は300億円程度もあったのがゼロになった。信越化学の信越半導体グループも同じ期に1330億円の営業損益を計上していたが、2013年3月期は200億円程度と推定される。

液晶パネルの例に見られるように、グローバル化の進展で市場の状況が短期間で激変するようになった。

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当期損益  

当期損益では、業績悪化を受け、減損処理等で多額の特別損失を計上した企業が多い。

住友化学は千葉工場のエチレンを停止することに伴うものとと、レゾルシンと偏光フィルムの環境変化に伴うもので229億円の減損損失を計上、更に事業構造改善費用として108億円を計上した。
更に、赤字計上に伴い繰延税金資産の見直しを行い、350億円の法人税等調整(損失)を行った。

三井化学事故損失 (保険金でカバー)、事業再構築の減損損失56億円、関連事業損失41億円などを特別損失に計上した。

帝人も炭素繊維他で減損損失294億円を計上した。

トクヤマ特別損失に多結晶シリコンとその併産品の乾式シリカ設備の減損損失や棚卸資産評価損を計上した。


2013/5/24  パイプライン万里長城が完成 

ミャンマー西部の港町チャウピュー(Kyaukpyu)から中国雲南省の昆明まで800kmに達する石油とガスのパイプラインが5月初めに完成し、中国がマラッカ海峡を経由せずミャンマーの天然ガス と中東等の原油を輸入できるようになった。

早ければ来月から、韓国の大宇インターナショナルのコンソーシアムがミャンマー西部海洋で採掘したガスがこのパイプラインで昆明に送られる。来年からは原油も輸送される。

5月20日付の韓国の中央日報が伝えた。

付記  

石油パイプラインは2015年1月30日、試験操業開始の式典が開かれたが、 使用の条件などで合意できず、これまで稼働されていなかった。
テイン・セイン大統領(2011/3〜2016/3)は、中国への依存から脱却し、欧米との関係を改善するバランスのとれた外交を進めた。

2017年4月10日、ミャンマーのティン・チョー大統領と習主席の初会談が北京で行われ、その日の夜、合意に基づき石油パイプラインを正式に稼働させた。
Kyaukpyu港に入ったタンカーから14万トンのアゼルバイジャンの石油が送り出された。

 

パイプラインのルートは以下の通り。

下の写真(大宇インターナショナル)はミャンマー中部のマンダレー付近の山中を通過する“パイプライン万里長城”。

第二次世界大戦で日本軍により重慶に追われた蒋介石の国民党に物資を供給するため、連合軍が険しい山中に建設し 、1945年1月に完工した「ビルマロード」に沿っており、現地ではパイプライン万里の長城と称されている。

ミャンマー西岸のインド洋では石油とガスの採掘が大々的に行われている。

韓国の大宇インターナショナルは2000年にA-1鉱区で ミャンマー最大規模のポテンシャルのShwe/Shwe Phyu ガス田を発見、その後、インドのOil and Natural Gas Corp に17%、Myanmar Oil & Gas Enterpriseに15%、インドのGAILと韓国のKogasに各8.5%を譲渡、大宇 の権益は51%となった。

更に同コンソーシアムは隣接するA-3鉱区でMyaガス田を発見、合計の可採埋蔵量は4.5〜7.7兆立方フィートとされる。

重慶市政府は2004年末にミャンマーから雲南省昆明市まで原油パイプラインを建設し、その後昆明から重慶市まで延長するという計画を国務院に提出した。
中国の輸入原油の約8割はマラッカ海峡を経由しているが、このパイプラインが完成すれば、中国は中東原油の輸入ルートを複数持つこととなる。

ミャンマー軍事政権は2007年4月、PetroChinaに 、ミャンマー西部ラカイン州沖合で開発中のShwe/Shwe Phyu ガス田のガス購入権と、同州西部の港湾都布チャ ウビューから中国に向けたガスと原油のパイプラインの共同建設を認める決定をした。

2008年6月にPetroChinaはミャンマー政府や大宇グループのコンソーシアムとA1およびA3鉱区における天然ガスの販売・輸送に関する了解覚え書きに調印した。

天然ガス価格は100万英熱単位当たり7.72ドルで2013年から30年間の供給。

軍事政権は2008年11月、石油と天然ガスのパイプライン の経営権を中国に付与した。

チャウピュー(Kyaukpyu)近郊のマデ島にガス集荷基地と石油タンカー専用港を建設し、中部マンダレー近郊、シャン州ラーショーなどを経由して中国との国境の町ムセから昆明へと結ぶ。
石油と天然ガスパイプラインは平行して走り、全長771km。
中東などからの原油の年間輸送量は1200万トンで、将来輸送量を2200トンまでアップする。
天然ガスはA-1、A13ガス田から送る。

事業主体となる企業には
PetroChinaが50.9%、ミャンマー国営石油ガスが49.1%を保有する となっていたが、その後、大宇コンソーシアムメンバーが参加を表明、PetroChina 50.9%、大宇 25.04%、ONGC 8.35%、GAILlとKogasが各4.17%、ミャンマー国営石油ガス7.37%となった。
総事業費は石油パイプラインが15億ドル、天然ガスは10億4935万ドル。

石油タンカー専用港は中国が20年間の使用権を持つ。

軍事政権に払われる使用料などは年間10億ドル以上と見積もられている。

2009年10月31日、マデ島で着工式が行われた。


2013/5/25   石油化学製品輸出国フォーラム(PECF) 設立へ 

D8(Developing 8=イスラム途上国8カ国)の石油化学会議が5月20日、テヘランで開催され、イラン、トルコ、マレーシア、ナイジェリア、エジプトの5か国が出席した。

D8は1997年にトルコ首相の提案で設立されたイスラム教徒が多い途上国のグループで、メンバーは上記5か国のほか、バングラデシュ、インドネシア、パキスタンの8か国。

この会議でトルコとエジプトが、イランが提案していたOPECに類似する国際的な石油化学製品の組織、石油化学製品輸出国フォーラム(Petrochemical Exporting Countries Forum :PECF) の設立に同意した。イランのTVがイラン石油化学協会会長の発言を伝えた。

近く国際組織設立の手続きや憲章作成のため、他のイスラム諸国との交渉を始めるとしている。

会長は「イラン、トルコ、エジプトの3か国で石油化学OPECの核が出来た。カタールやサウジアラビアが交渉に参加する」と述べた。
会長は2012年11月には、他にUAEやロシアも候補に挙げている。

以前のOPECのような価格カルテルになる可能性はほとんどないと思われる。

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同様の組織としては、ロシア主導で2008年に設立されたGas Exporting Countries Forum (GECF)がある。

2008/12/26 天然ガス版OPEC?設立

 メンバーは以下の通り。

正式メンバー
(13か国)
アルジェリア、ボリビア、エジプト、赤道ギニア、イラン、リビア、ナイジェリア、
カタール、ロシア、トリニダード・トバゴ、ベネズエラ、
(追加加盟) オマーン、UAE
オブザーバー
(4か国)
カザフスタン、ノルウェー
(追加)オランダ、イラク

このフォーラムの加盟国は、世界の天然ガス総生産量の42%、世界の天然ガス埋蔵量の70%、そして輸送パイプラインによって移送されるガスの38%と、世界の液化ガスの取引の85%を占めてい る。

しかし、GECFは、当初懸念されていたガス版カルテルにはなっていない。

特に最近は米国のシェールガス革命で市場の状況が大きく変わり、欧州の死命を制するかと懸念されたロシアの天然ガスの 重要性が減少、ロシアはアジアに目を向けざるを得なくなった。
今回の米国のFTA非締結国へのLNG輸出承認で状況は更に変化する。


2012年11月に
赤道ギニアの首都マラボで開かれた第14回閣僚会合では、シェールガス増産を背景にガス消費国から見直しを求める声が強まっている原油価格連動方式が議論された。


2013/5/27   原子力規制委員会、敦賀2号機直下の断層を活断層と断定

原子力規制委員会は5月22日、定例会議を開き、日本原子力発電敦賀原発2号機の原子炉建屋直下を走る断層を「活断層」と断定した有識者会合の報告書を了承した。

日本原電はこれまで強く反論してきたが、規制委は、得られたデータから十分判断できると、主張を受け付けなかった。

  焦点となるのは、2号機の真下を横切る「D-1」断層。

規制委はD-1断層の延長上で見つかったK断層が活断層だと指摘。K断層とD-1断層はつながっており、D-1も活断層の可能性があると判断した。

一方、原電はK断層の横にあるG断層 がD-1断層の延長部だと主張、G断層には最近動いた痕跡がないため活断層ではなく、G断層につながるD-1断層も活断層ではないと主張した。

原電の依頼を受けて第三者の立場から同断層について調査した海外の専門家などによる検討チームの中間報告が5月21日に発表された。

中間報告では断層は活断層ではないとした原電の見解を「支持する」としながら、確定的な結論には「より広い範囲を調査する必要がある」とし ている。

メンバーの地質学者 Dr. Kelvin Berryman は「非常に限られたデータしかないが、現時点では活断層はないと考えられる。活断層であることを示すデータは一切なかった」と述べた。
 

古い断層の評価は技術的に極めて困難で、両者とも直接的な証拠は示してない。
規制委が最終的にD-1は活断層と判断したのは、原発の耐震設計指針に「可能性を否定できなければ耐震設計上考慮する活断層とみなす」との規定があるため。

島崎邦彦委員長代理は5月22日の規制委で「否定できないものは安全側の判断をする」と明言した。

会合のあと、記者会見をした田中委員長は2号機の運転について「活断層が原子炉の下にあることを、国の指針では想定していない」と述べて、再開は難しいという認識を示した。

一方で「新たなデータが出てきて結論が変わることまでは否定していない」と述べた。

ただ、6月まで続く日本原電の独自調査で今回の結論を覆すのは極めて難しく、敦賀原発2号機は事実上、運転ができず、廃炉になる可能性が高くなる。

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実際に廃炉するとすれば、多くの問題が出てくる。

日本で廃炉を終えたのは日本原子力研究開発機構の小型の試験炉だけ。

原研JRR-4(濃縮ウラン軽水炉1MW)
東海村で1963年10月26日に日本初の電力発電、1976年3月18日運転終了、1996年3月31日解体終了。

現在、廃炉が決まっている炉の廃炉解体予定は次の通りで、長期にわたる。

    運転開始   能力
万KW
運転終了 解体終了予定
日本原子力
 東海
1号機 1966/7/25 英国製黒鉛
減速ガス冷却炉
16.6 1998/3/31 2020年度
中部電力
 浜岡
1号機 1976/3/17 BWR
(Mark-1)
54.8 2009/1/30 2036年度
2号機 1978/11/29 84.0
東京電力
 福島第一
1号機 1971/3/26  BWR
(Mark-1)
46.0 廃止
2012/4/19
2050年
2号機 1974/7/18  78.4
3号機 1976/3/27 78.4
4号機 1978/10/12 78.4
日本原子力
研究開発機構
 
敦賀
ふげん 1978/3/20 新型転換炉 16.5 2003/3 2028年度


東海原発の解体日程は以下の通り。



費用については、電力会社9社が出資する日本原子力発電によると、標準的な原子炉1基の解体から放射性廃棄物の処分までに必要な廃炉費用が、2002年6月の段階で約550億円といわれていた。

東海第二原発 (出力110万kw) をモデルにした試算で、モデルでは解体費用が388億円、原子炉圧力容器などの放射性廃棄物の処理・処分費用が157億円、合計で545億円という見積もりを根拠にしている。

しかし、実際に解体が始まっている東海原発1号機の場合、廃炉費用を885億円としている。

電力各社は40年操業を前提に廃炉費用を引き当てしているが、実績が見積もりを上回れば、引当不足で損失となる。

今回の敦賀2号機の場合、運転開始は1987年7月であり、26年しか経っておらず、大幅引当不足となる。

なお、放射性廃棄物の処理処分方法は以下の通りとなっている。

放射性廃棄物は性状・放射能レベルに応じ、減容、固化等の処理後、貯蔵庫一時保管し、廃止措置期間終了までに廃棄施設に搬出する。
廃棄先が確定できない場合は、安全貯蔵期間を延長する。

実際には廃棄先が簡単に決まるとは思えない。取り出した燃料の処理方法も未定である。

 

参考  日本の原発の現況 http://www.knak.jp/blog/genpatsu-list.htm


2013/5/28  Dow Chemical、PICからの損害賠償金の大半を借入金返済に  

Dow Chemicalは5月24日、K-Dow問題でKuwait国営のPetrochemical Industries Company (PIC)から損害賠償として受け取った22億ドルのうち、20億ドルを2013年中に借入金返済に使用することを明らかにした。

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国際商工会議所の国際仲裁裁判所は2012年5月24日、Dow とKuwait国営のPetrochemical Industries Company (PIC) との間のK-Dow Petrochemical に関する調停結果を発表した。

PICがK-Dow Petrochemical 設立の契約を破棄したため、Dowが損害を被ったとして訴訟を行い、最終的に調停を求めることとしたもの。

仲裁裁判所はPIC側に責めがあると認定し、PICに対しDowへの21.6億ドルの損害賠償支払いを命じた。金利と費用はこれに追加される。

事態と経緯については、2012/5/25     Dow、石化JV中止問題での調停で勝利、21.6億ドルを獲得

その後2013年3月4日に国際仲裁裁判所は最終金額を発表した。金利と費用は318百万ドルで、これを加えると合計24.8億ドルとなる。

Dowは2013年5月7日、PICから22億ドルを受け取ったと発表した。
これは仲裁裁判所の決めた21.6億ドルにDowのコストを加えたもので、金利を免除する代わりに、KuwaitにおけるDowの事業についての罰則措置に関し好意的な合意を取り付けたとしている。

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Dowは第2四半期に16億ドル程度の借入金を返済する。
6月24日には2015年満期の利率5.90%の借入金12.5億ドルを返済する。
このほかに、InterNote債と免税債の返済を第2四半期内に行う。

更に追加の4億ドルの返済を下半期に計画する。

22億ドルの借入金返済により、年間ベースで支払金利が1億ドル以上減少する。

Dowは2008年末のK-Dow計画破綻で、予定していたRohm & Haas買収資金が失われ、これを多額の借入と資産売却で切り抜けたが、今回の返済で同社の資本/負債比率は2008年危機の前のレベルに戻ることとなる。

Andrew N. Liveris CEOはこれを誇るとともに、「重要なことは、Dowは業界を主導するプラスチック事業を完全保有している」と述べている。

同社は当初、原料価格の変動で業績が左右される基礎部門の強化をasset light strategy「資産を持たない、減らす」戦略 ) 、即ちJV化を通して行う方針を明らかにしており、PEPPPC、エチレンアミン、エタノールアミンをPICとの50/50JVのK-Dowに出す予定であった。

しかし、その後のシェールガス革命を受け、Dowは米国の石油化学を再評価し、エチレン、プロピレンの大々的な投資を始めている。

2011/4/26 ダウ、エチレンとプロピレンの拡張計画を発表

PICが断ってくれたおかげで、今後高収益が期待される樹脂事業を売らずに済み、更に22億ドルを受け取ることとなった。

 

Dowへの22億ドルの支払いで国会の追及を受けていたKuwaitの石油相が5月26日に辞表を出し、受理されたと報道されている。

Kuwaitでは国会の会派 Popular Action Bloc の議員が政府と対立、DowとのJV合意の際にも問題視し、反対運動を展開していた。


2013/5/29 ミャンマーの経済特区 

ミャンマー訪問中の安倍晋三首相は5月25日、ヤンゴン市内で行われた日本・ミャンマー経済セミナーに出席し、「官民一体となってミャンマーの国づくりを支援したい」と表明した。具体的には電力網や水道、道路などのインフラ整備を挙げたほか「人材教育に注力していく」と訴えた。

セミナーに先立ち視察したヤンゴン近郊のティラワ経済特区(Thilawa SEZ)にも言及し、「日本とミャンマーの経済協力の象徴だ。絶対に成功させなければならない」と力説した。

5月26日にはテイン・セイン大統領と会談し、共同声明を発表した。

日本政府はミャンマーの発展を支援するため約2千億円の対日債務を解消し、インフラ整備支援などのため910億円のODAを2013年度末までに順次実施する。
ミャンマー政府の制度整備や人材育成を重視。日本からの技術協力の重要性を共有し、発展させていく。
両国間の貿易・投資を含めた経済関係の強化のため、投資協定の早期署名に向けた作業を加速化。技術協力協定に向けて努力し、ティラワ経済特区開発などに協力する。

ミャンマーの開発にはインフラ整備がまず必要となる。
発電の7割を水力が占め、ダムの水量が減る乾期終盤の4〜5月には停電が頻発する。

同国では天然ガスの開発が進むが、外資獲得のため、自国では余り使用せず、主にタイにパイプラインで輸出している。来月には中国へのパイプラインでの輸出が始まる。

ミャンマーでは3つの経済特区計画がある。

  先行するのは北部のチャウピュー(Kyaukpyu)で中国が開発しており、既に中国向けの原油とガスのパイプラインが完成している。
  
2013/5/24  パイプライン万里長城が完成

ヤンゴン南部のティラワ(Thilawa SEZ)は日本が担当する。

南部のDawei SEZはタイが担当するが、出遅れている。

 

ティラワ経済特別区(Thilawa SEZ

ミャンマー政府はThilawaを環境モデル都市にし、その都市づくりをヤンゴンに生かそうとしている。

日本政府とミャンマー政府は2012年12月、「ティラワ経済特別区開発のための協力覚書」に署名した。
2012年4月の首脳会談の際に閣僚級で署名されたティラワ・マスタープランに関する意図表明文書を受けたもの。

協力覚書の主要な内容は以下の通り。

両政府はヤンゴン市南東のThilawa SEZ(約24平方キロ)の開発を協力して行う。
両国の投資家はThilawa SEZの区域開発者として共同事業体を設立する。
Thilawa SEZの商業的運用を2015年に開始する。

付記 2015年9月23日 開業式

三菱商事、丸紅、住友商事の3社は2013年4月、Thilawa SEZにおける工業団地先行開発エリア(4.2平方キロ)の事業化調査や環境影響調査等を行うため、共同で、エム・エム・エス・ティー有限責任事業組合を設立した。

F/S及び環境影響調査等の完了は今年秋頃を目標とし、周辺環境への影響、ミャンマー政府による住民移転への対応等を慎重に見極め、先行開発エリアへの投資判断を行う。

Thilawa SEZの問題点は住民が立ち退き補償を求めてミャンマー政府と対立している ことである。
立地は ティラワ港の後背地の水田地帯で、土地はすべて国有で、農民は使用権を持つ。予定地に隣接して政府分譲の工場用地があり、最近高額で取引されたこともあり、農民は高額の補償金 を求めている。

同地は1997年に工業団地造成で収容されたが、造成計画が宙に浮き、当局は収用した農地について、補償金を受け取った農民や新たに入植した農民に5年期限で貸し出し た経緯がある。

ミャンマー政府は2012年12月の「協力覚書」締結の後、住民を「不法占拠者」扱いし、「2週間以内に退去せよ。従わなければ30日間、刑務所に拘留する」と通告 、住民の移転先も用意していない。(その後、当局は退去命令を「延期」した。)

問題がこじれると、スケデュールが遅れる可能性がある。

ーーー

ダウェー経済特区(Dawei SEZ)

Dawei SEZは2008年にミャンマーとタイの両国が開発で合意した。

2010年にタイの大手建設会社Italian-Thai Development Corporation Limited (ITD) が250平方キロの土地について60年間の事業権利と75年間の租借権を得て、開発に着手した。
しかし、実際は1社では開発資金をまかないきれず、地元住民の移転や周辺土地と一部道路の整備程度しか進んでいない。

2012年7月のタイのインラック首相とテイン・セイン大統領との会談で、Dawei 開発の仕切り直しが行われ、両国政府が協力して進めることで合意、Dawai開発の特別目的事業体(SPV)に土地の開発権と租借権がITDから移管される。

Dawei SEZの開発面積はThilawa SEZの10倍あり、港湾や発電所などのインフラ整備だけで1兆円とされる。

このため、タイ政府とミャンマー政府は日本にも参加を要請した。
2012年9月に日タイ・ワーキンググループ調整委員会会合が開催されたが、テーマの一つが
Dawei SEZであった。
但し、
両国はあくまでThilawa SEZ優先ということで合意している。

1997年の金融危機時のタイの財務大臣のDr. Thanong Bidayaは5月27日の講演で、タイと日本がインドシナ半島のCLMV各国(カンボジャ、ラオス、ミャンマー、ヴェトナム)を共同で開発することを提案、一例としてDawei SEZを挙げた。日本抜きでは無理としている。

タイ側ではPTTがDawei SEZをLNGとLPGの貯蔵基地として利用することを検討している。

ミャンマー南部ではTotalがYadanaガス田を、PetronasがYetagunガス田を開発中で、2007年にはタイのPTTEPがZawtikaガス田を発見した。

Yetagunガス田 を含むM-12、M-13、M-14鉱区はPetronasが40.9%、PTTEPが19.3%、Myanma Oil and Gas Enterprise が20.5%、JX日鉱日石開発が19.3%の権益を持つ。
Yetagunガス田は
2000年5月から天然ガスの生産を開始し、タイ石油公社PTTにパイプラインで販売している。

JX日鉱日石はこのほか、M-11鉱区にも権益を持つ。
 (PTTEP 45%、TOTAL 40%、JX日鉱日石 15%)

現在、両ガス田から天然ガスがタイのRatchaburi発電所まで パイプラインで輸送されている。

PTTはZawtika ガス田とYetakun ガス田からDaweiへのパイプラインを建設することを検討しており、長期的には、Daweiに港と年間500万トンのLNG基地、LPG基地を建設、DaweiからMap Ta Phutまで天然ガスパイプラインを建設する計画。

PTTは現在のところはミャンマーの需要を勘案し、Daweiに製油所や石油化学基地をつくる考えはないが、状況が変われば検討するとしている。

ーーー

カンボジャ、ラオス、ミャンマー、タイ、ベトナムのメコン川流域諸国は大メコン経済圏経済協力開発プログラムを推進している。

その経済活動の動脈となる道路整備については、まず東西経済回廊が2006年に開通、続いて南北経済回廊、南部経済回廊の整備が進められている。Daweiは南部経済回廊の起点で、バンコクを経てベトナムのHo Chi Minh市とQuy Nhon市に通じる。

PTTはベトナムQuy Nhon市のニョンホイ経済特別区に日量66万バーレルの製油所と石油化学コンプレックスを建設する計画を持っている。


2013/5/30  米自動車部品販売を巡るカルテルで更に2人に禁固刑

米司法省は5月21日、米自動車部品販売を巡るカルテルでデンソーの2人が罪を認め、禁固刑と罰金支払いで合意したと発表した。

これまでの経緯 2012/8/21 米自動車部品販売巡るカルテルで矢崎総業幹部に禁錮刑

同省の発表では、米国の自動車部品販売を巡るカルテルでの処分は9社、14名となる。

企業:日系7社と他2社の合計9社

      罰金
古河電工 2011/9 ワイヤーハーネス 200 百万ドル
矢崎総業 2012/1 同上 470百万ドル
デンソー 2012/1 electronic control units (ECUs)
heater control panels (HCPs)
78百万ドル
 ジーエスエレテック
(デンソー関係会社)
2012/4 antilock brake systems 2.75百万ドル
フジクラ 2012/4  wire harnesses 20百万ドル
Autoliv Inc
(Stockholm)
2012/6 seatbelts, airbags and
steering wheels
14.5百万ドル
TRW Deutschland
(米社独子会社)
2012/7 seatbelts, airbags and
steering wheels
5.1百万ドル
日本精機 2012/8 自動車用計器 1百万ドル
東海理化 2012/10 ヒーターコントロールパネル 17.7百万ドル

個人:古河電工3名、矢崎6名、デンソー4名、山下ゴム1名の計14名

  氏名  発表 or 合意書  禁固 罰金
古河電工 J. F. 2011/10/24 1年+1日 各人
2万ドル
H. N. 2011/10/13 15か月
T. U. 2011/11/10 18か月
矢崎総業 T. H. 2012/1/30 2年
R. K. 2012/3/26 2年
S. O. 2012/3/26 15か月
H. T. 2012/3/26 15か月
T. S. 2012/8/16 14か月
K. K. 2012/9/26 14か月
デンソー N. I. 2012/3/26 1年+1日
M. H. 2012/4/26 14か月
Y. S. 2013/5/21  16か月
H. W. 15か月
山下ゴム H. Y. 2012/11/16  12か月+1日

日本人が米国の独禁法違反で禁固刑となるのは、これまで2名のみであったが、一気に16名となった。

ダイセル社員のH. H.氏 (防カビ剤のソルビン酸価格カルテル)
   2006/2/16
独禁法改正

ブリヂストンのM. H.氏(マリンホース国際カルテル)
   2008/12/12 マリンホース国際カルテル事件で日本人に有罪判決

それまでも多数が起訴されているが、日米犯罪人引渡条約の対象に該当しないため、米国での時効の中断状態となっている。
(他の国では犯罪人引渡条約の対象になる国が多く、米国以外に旅行して米国に引き渡される恐れがある。)

前者海外に行けないのでは仕事にならないため、自ら渡米し、刑に服したもの。
後者は
現場で逮捕された。

今回、14名もが刑に服するのは、米国の強い姿勢の結果であると思われる。

推測だが、企業との和解交渉で、責任者が罪を認め、刑に服することを条件にしたのではないかと思われる。
企業がこれに応じない場合、和解ではなく裁判になり、有罪となれば
、独禁法の規定で賠償額が3倍になる恐れがある。

Dow Chemical のポリウレタン独禁法違反裁判では、陪審員の罰金4億ドルの決定に対し、裁判官は3倍の12億ドルの決定を下した。

今後、米国で独禁法違反となれば、責任者が禁固刑というのが一般的になる可能性がある。


2013/5/31 韓国の原発10基が稼動中断、夏の電力不足憂慮 

韓国の原子力安全委員会は5月28日、稼働中や建設中などの原発6基の安全装置に、性能確認試験の結果を示す書類が偽造された部品が使われ、一部は緊急時に十分機能しない不良品であることを確認したと発表した。

事故発生時に冷却装置を作動させる信号を送る「制御ケーブル」が、カナダでの性能確認試験の書類が偽造された不良品と判明した。

委員長は「問題になった制御ケーブルの原本の試験成績書を分析した結果、問題部品が試験を通らなかったにもかかわらず検査を担当した業者の職員がこれを偽造した」と説明した。

問題の6基は 、稼働中の新古里2号機と新月城1号機、点検停止中の新古里1号機、運転の許可審査中の新月城2号機、及び建設中の新古里原発 3〜4号機。

安全委は稼働中の2基を停止させることを決めた。ケーブル交換には最低4カ月かかる見通し。
計画予防整備中の新古里1号機に対して整備期間を延長して不良部品を交換するよう、現在運営許可の審査段階である新月城2号機は運営許可前までに部品を交換するように 命じた。

  韓国の原発

韓国には原発が23基あるが、整備などで既に停止中の8基を含め10基の稼働が止まることになる。
この場合、原子力発電所全体の設備容量2071.6万キロワットのうち37%の771.6万キロワットを稼動できなくなる。

現在、古里1・2号機、新古里1号機、ハンピッ(もと霊光)3号機、月城 1・2号機、 ハンウル(もと蔚珍)4・5号機の計8基が停止中。
また6月8日には月城3号機の計画予防整備が予定されている。

付記
2014年1月2日、韓国の原子力安全委員会は、停止してケーブルを交換していた新古里1・2号機と新月城1号機の再稼働を承認、同日から再稼働した。

韓国政府は、夏場の電力需要がピークに達する8月第2週に200万キロワットの供給不足が予想される「類例のない電力難」になると国民に節電を求めている。
産業部は今月末に国家政策調整会議を経て電力受給総合対策を発表する。



韓国の原発一覧 (ハンウルは元の蔚珍、ハンピッは元の霊光)

 

 

運転開始 原子炉形式 容量
 kW
 最近のトラブル

書類偽造

2012/11 今回
ハンウル

1

1988/9/10 加圧軽水炉 (PWR) 95万 2011/12 復水器の異常で停止
2012/8/23
異常を知らせる信号が点灯、停止
   
2 1989/9/30 加圧軽水炉 (PWR)  95万      
3 1998/8/11 加圧軽水炉 (PWR)  100万   稼働のまま交換  
4 1999/12/31 加圧軽水炉 (PWR)  100万 2011/9 定修で伝熱管の亀裂発見。
蒸気発生器自体の交換が必要と判明(1-2年要)
  停止中
5 2004/7/29 加圧軽水炉 (PWR) 100万     停止中
6 2005/4/22 加圧軽水炉 (PWR) 100万      
新ハンウル 1 2012/5 着工 KSNP (APR-1400) 140万      
2 2012/5 着工  KSNP (APR-1400) 140万      
3 計画 KSNP (APR-1400) 140万      
4 計画 KSNP (APR-1400) 140万      
ハンピッ

 

1

1986/8/25 加圧軽水炉(PWR) 95万      
2 1987/6/10 加圧軽水炉(PWR) 95万      
3 1995/3/31 加圧軽水炉(SYSTEM80)  100万   稼働のまま交換 停止中
4 1996/1/1 加圧軽水炉(SYSTEM80)  100万   稼働のまま交換  
5 2002/5/21 KSNP(OPR-1000)  100万 2012/10/2 蒸気発電機の水位低下し、停止 停止  
6 2002/12/24 KSNP(OPR-1000) 100万 2012/7/30 故障で自動発電停止 停止  
月城 1 1983/4/22 CANDU  67.9万     停止中
2 1997/7/1 CANDU 70万     停止中
3 1998/7/1 CANDU 70万     停止予定
4 1999/10/1 CANDU 70万      
新月城 1 2012/7/31 KSNP(OPR-1000) 100万 2012/8/19 制御棒制御系統の故障で停止(稼働19日目)   運転停止
2 試運転中 KSNP(OPR-1000) 100万      
3 計画 KSNP(OPR-1000) 100万      
4 計画 KSNP(OPR-1000) 100万      
古里 1 1978/4 加圧水型(PWR) 58.7万 2012/2/9 電源喪失で停止、1か月以上隠ぺい   停止中
2 1983/7 加圧水型(PWR) 65万 2011/6 継電器の設計ミスで停止   停止中
3 1985/9 加圧水型(PWR) 95 2011/12  タービン発電機に過電圧で停止    
4 1986/4 加圧水型(PWR) 95万      
新古里 1 2011/2 加圧水型(PWR) 100万 2012/10/2 制御系統の故障で停止   停止中
2 2012 加圧水型(PWR) 100万     運転停止
3 建設中 加圧水型(PWR) 140万   交換  
4 建設中 加圧水型(PWR) 140万   交換  
5 計画 加圧水型(PWR) 140万      
6 計画 加圧水型(PWR) 140万      


韓国では昨年来、上の表のとおり、原発の停止が相次いでいる。

2012/10/6   韓国で原発停止相次ぐ

更に昨年にも品質保証書の偽造事件があった。

韓国知識経済部は11月5日、原発の部品供給業者8社が外国機関の発行する品質保証書を偽造し、原発事業者の韓国水力原子力に部品を納入していたことが分かり、光州地検に捜査を依頼したと発表した。

偽造保証書で納入された部品は、ヒューズやスイッチなどの消耗品で、全体の98.2%が霊光原発5・6号機に使用された。

韓国水力原子力は霊光原発5・6号機の運転を同日から停止し、該当部品を交換する。
霊光原発3・4号機と蔚珍原発3号機にも数十個ずつ使われたが、交換対象の部品が少なく、運転中に取り換えられる。

大統領直属原子力安全委員会の原発部品官民合同調査団は12月10日、「建設中の新古里原発3・4号機の消火水ポンプ用制御パネルの耐震試験成績書が偽造されたことを確認した」と明らかにした。 このパネルが不良品であれば火災が起きた時に消火水ポンプはまともに作動できなくなる。

「納品業者がこの部品に対する耐震性能試験検査を受けていないにもかかわらず、検査を受けたかのように試験成績書を偽造した」と話した。

ーーー

日本のハイテク企業が韓国に生産拠点や研究所を相次いで設置している。

地理的に日本と近く、人件費、電気料金、税金などのコストが日本より割安なことが理由だ。

特に3.11震災後は電気が大きな要因となっている。

東レは2011年6月に、韓国・慶尚北道の亀尾国家産業団地で炭素繊維工場の起工式を行ったが、日覚昭広社長は「日本では電気料金がどれだけ上がるか分からないので、積極的に韓国への投資を増やすことにした」と説明した。

エネ庁  電気料金 国際比較(グラフ内の数字は日本の料金に対する比率)
  

韓国の電気代が安い第一の理由は、発電単価の安い石炭と原子力で発電電力量の約8割をまかない、かつ韓国の寒冷な気候のため日本と比べて原子力の設備利用率が高い(95%以上)ことである。

これに加えて、韓国の電気料金は「政策的料金」という位置づけのもと、料金をコスト以下に設定している。
電気料金が原価割れしている国は、OECD加盟国のうち韓国だけである。

これ以外にも、韓国はいろいろの問題を抱えている。

2011/9/28  韓国の電力事情

今後、電気料金の大幅な引き上げや、大停電のおそれがある。


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