2006-5-1

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これは下記のブログを月ごとにまとめたものです。

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2015/12/1  IMF、SDRへの人民元採用を正式に決定

国際通貨基金(IMF)は11月13日、外貨不足に陥った加盟国を支援する特別引き出し権(SDR)の構成通貨に中国の人民元の採用が妥当とする見解をまとめた。

2015/11/17 人民元、SDRの構成通貨に

これを受け、IMFは11月30日の理事会で、SDRに人民元を採用することを正式に決定した。

実際の組み入れは2016年10月となる。

これまでの米ドル、ユーロ、日本円、英ポンドの4通貨に中国の人民元が加わり、5通貨になる。

新しい構成は下記のとおりで、人民元は日本円を上回る。

  2006-2010 2011-2015 2016-
  SDRの構成 比率 SDRの構成 比率 比率
米ドル 0.632 US $ 44% 0.660 US$ 41.9% 41.73%
ユーロ 0.410 Euro 34% 0.423 Euro 37.4% 30.93%
人民元 --- --- --- --- 10.92%
日本円 18.4 日本円 11% 12.1 日本円 9.4% 8.33%
英ポンド 0.0903ポンド 11% 0.1110ポンド 11.3% 8.09%

2016年10月以降のSDRの通貨別構成は、上記の新比率と2016年7-9月の平均の為替レートを使い、2016年9月30日のSDRの米ドルでの価値が新旧で同じになるよう、決定される。

SDRの米ドルでの価値は、下記のように、毎日、ロンドン市場の正午の為替相場を基に IMFのウェブサイトに掲載される。

2011-2015

November 13, 2015

 構成通貨  比率  レート 米ドル換算
0.660 米ドル   41.9%   1.00 0.660000
0.423 Euro    37.4%   1.079 0.456417
12.1日本円    9.4%    122.58 0.098711

0.1110 英ポンド   

11.3%   1.5221 0.168953
  1 SDR =          1.384081

 



2015/12/2   武田薬品とイスラエルのTeva Pharmaceutical
、日本でジェネリック医薬品のJV設立

後発薬(ジェネリック)世界最大手のイスラエルのTeva Pharmaceutical と武田薬品は11月30日、日本で両社によるジェネリック医薬品の合弁会社を設立する基本合意契約を締結したと発表した。


Tevaの高品質なジェネリック医薬品と武田薬品の
「長期収載品」と呼ばれる特許切れの医療用医薬品を日本で販売する。

日本で長年にわたり研究開発型の製薬企業として日本をリードしてきた武田薬品と、世界トップ10に入る製薬企業でジェネリック医薬品におけるグローバルリーダーであるTevaが戦略的に提携することにより、日本の患者と医療関係者の幅広いニーズ、およびますます高まるジェネリック医薬品の重要性に対応していくとしている。

新会社は、2016年4月以降の発足を予定しており、出資比率はTevaが51%、武田が49%で、独立した会社として運営される。
基本合意契約に関するその他の詳細は開示していない。

政府は、同じ効能で価格が半額からそれ以下の後発薬の普及を加速させる方針を決定、厚労省は後発薬を2017年度末までに60%とする普及目標を1年前倒しし、2020年度末までに80%以上にすると表明した。

武田の
国内医療用医薬品の売上高に占める特許切れ薬の比率は約45%とされる。後発薬が売り出されると販売が減少する。このため今後は長期収載品が売りにくくなることから、武田は特許が切れた薬の販売を本体から切りはなし、新薬の開発や販売に集中し収益力を高める。

Tevaは日本にテバ製薬を持っているが、新JVと連携するのか、統合するのかなどは未定。

ーーー

Tevaの日本での活動の歴史は下記の通り。

Teva Pharmaceutical は2008年9月、日本で興和との折半出資会社興和テバを設立して、日本市場に本格参入すると発表した。
両社の研究開発、製造、物流、マーケティングの力を合わせ、日本市場で高品質のジェネリック医薬品の供給を行なうとし、
2009年から営業を開始した。

2008/9/26 ジェネリック医薬品の世界最大手、日本進出 

興和テバは2009年12月、滋賀県甲賀市甲賀町の医療用医薬品のジェネリック専業メーカーの大正薬品工業とジェネリック医薬品で戦略的提携を行うことで合意、興和テバは大正薬品工業の株式の73.64%を取得した。

その後、2010年2月に第三者割当増資を引き受け、持株比率を88.28%に引き上げた。

2010年7月には大正薬品の営業部門を興和テバに統合、8月には完全子会社化し、10月には研究開発部門も統合している。

Teva は2011年5月にジェネリック医薬品で国内3位の大洋薬品工業の株式の過半数を取得する合意書を締結、創業家などから株式の57%を取得する契約を結び、更に残る株式全部について買収するオファを行い、2011年7月に大洋薬品の全株式を934 百万ドルで取得した。

2011/5/12 イスラエルの後発薬最大手テバ、日米で買収 

この結果、合弁の興和テバと100%子会社の大洋薬品工業が共存することになったが、Teva は2011年9月に興和テバの興和持分を1億5000万ドルで買い取り、興和テバを100%子会社とした。

2011/10/3 興和とイスラエルのTeva Pharmaceutical 、合弁事業を解消 

Tevaは、大洋薬品と興和テバを2012年4月に統合し、「テバ製薬」とした。

同社の業績は非開示だが、国内後発薬では日医工(売上高1270億円)、沢井製薬(1054億円)、東和薬品(714億円)に次ぎ、4位とみられる。

Tevaは海外でも買収を続けている。

2010年3月、ドイツ2位で世界6位の後発医薬品メーカー、Ratiopharmを36億2500万ユーロで買収すると発表。

2010/3/25 Teva Pharmaceutical、独Ratiopharmを買収

2011年5月、Cephalon68億ドルで買収することで合意

2011/5/12 イスラエルの後発薬最大手テバ、日米で買収 

2015年4月、米国のジェネリック医薬品大手のMylan に買収提案を行ったが、これは拒否された。

2015/4/24 イスラエルのTeva Pharmaceuticals、同業のMylanに買収提案

2015年7月、米医薬大手Allergan plc から後発薬事業を買収することで最終合意した。

2015/7/29 後発薬最大手のTeva、 医薬大手の Allerganから後発薬事業買収

2015年10月、メキシコ製薬大手のRIMSA  を買収すると発表した。買収にはラテンアメリカと欧州の医薬品の資産やパテントを含む。

2015/10/8 イスラエルのTeva Pharmaceutical、メキシコ製薬大手のRIMSAを買収

Allerganの後発薬事業の 合併により、Tevaの売り上げ規模は2014年の203億ドルから2016年に約260億ドルに上る見通しで、後発薬市場で他社を引き離し、首位を固める。
グラフにはRIMSAの買収は含んでいない。

 


2015/12/3   メキシコ湾原油流出事故で Anadarko に罰金刑 

2010年4月20日のメキシコ湾原油流出事故に関する裁判で、裁判所は11月30日、Anadarko Petroleum Corp. に対し、159.5百万ドルの罰金の支払を命じた。

New Orleansの連邦地裁のCarl Barbier 判事は、Anadarkoは原油流出には責任はないが、鉱区の25%の所有で「汚染企業」の一部になると述べた。

この事件の関係者は以下の通り。

1)鉱区Mississippi Canyon 252の権益保有者

 BP Exploration and Production Inc.  65.0% (Operator
 Anadarko  25.0%
 MOEX (三井石油開発)  10.0%

2)Deepwater Horizon rig 関連
  ・設計:
R&B Falcon
  ・建設:韓国の現代重工業
  ・所有:
TransoceanR&B Falconを買収)
  ・リース:
BP Exploration and Production

  ・コントラクター 
    
Transocean:掘削作業
    
Halliburton:セメント作業(井戸内、または井戸と鉄管との間のセメント作業)
    
M-I SWACOSchlumbergerSmith InternationalJV):Drilling Fluid (mud)サービス

  ・Blow Out Preventor(BOP)の製造:Cameron International Corporation

Clean Water Act では、罰金の最高額は流出バレル当たり1,100ドル、35.1億ドルになるが、これを流出バレル当たり50ドルとした。
罰金159.5百万ドルは、Anadarkoに過失がないことと、流出被害の深刻さのバランスを取ったものとしている。

AnadarkoはBPと共に最高裁に無罪を訴えたが、2015年6月に拒絶されている。
同社に対しては、判事は「Ownerとしての責任のみ」としており、政府は2014年12月に10億ドルを求めていた。

Anadarkoは今回の判決に対し、政府の主張(10億ドル)よりはるかに少ないことは喜ばしいとしつつ、操業に関係していないものに、管理不能の事態について責任を取らすのはClean Water Act の趣旨に反すると信じるとし、控訴のオプションも考えると述べた。

今回の判決で、事故の処理の大部分が解決したこととなる。

事故に関しては、政府に対して下記の支払が既に決定している。

相手先 内容 金額
BP 刑事訴訟(11名死亡に関する11の違法行為とClean Water Act、渡り鳥条約、議会妨害に関する違法行為の合計14の罪状)
 

40億ドル

2012/11/17  BP、Deepwater Horizon事故に関する米政府の全ての刑事訴訟で和解
三井石油開発 Clean Water Act に基づく罰金 70百万ドル
環境保全のための土地買収 20百万ドル
2012/2/20  メキシコ湾原油流出事故で三井石油開発が米政府と和解

別途、三井石油開発は事故損失負担でBPに10億6500万ドルを支払っている。
2011/5/20  BPと三井石油開発、メキシコ湾原油流出事故損失負担で和解 

Transocean 刑事訴訟(問題あるのに調査せず) 4億ドル
Clean Water Act 10億ドル
2013/1/8 Transocean 、Deepwater Horizon 事故で罰金14億ドル支払い 

2015/10/12     BP、メキシコ湾原油流出事故の民事訴訟で米政府等と和解  


2015/12/4 JXホールディングスと東燃ゼネラル石油の経営統合

JXホールディングスと東燃ゼネラル石油は12月3日、両社の経営統合を目指すことで基本合意書を締結したと発表した。
今後、相互信頼と対等での精神に則り、統合に向けた協議を行い、2016年8月を目途に最終契約を締結する予定。

東燃ゼネラル石油はExxonMobilの子会社であったが、ExxonMobilグループから離脱している。

2012/1/30 ExxonMobilが東燃ゼネラル石油から実質撤退

2013/9/23 東燃ゼネラル、三井石油を買収へ

ExxonMobil は2014年時点では持株比率14.15% で、三井物産の9.99%を超えて筆頭株主であったが、その後売却を進め、2015年11月時点では保有比率は4.40%に下がり、筆頭株主は三井物産となった。

経営統合の方法

JX日鉱日石エネルギー(2016年1月1日にJXエネルギーに改称)を吸収合併存続会社とし、JXホールディングスの普通株式を対価とする三角合併とする。

統合比率は両社協議のうえ、決定する。

統合効果

統合後5年以内に、年度当たり1000億円以上の収益改善効果を達成することを目標とする。

以下の事項について、具体的な計画を策定する。

・ 製油所、油槽所などの統廃合
・ 川崎地区の製造拠点の一体運営
・ 組織統廃合、効率化
・ 精製・製造、需給、物流および販売の最適化の実行

「JXは効率の悪い自社の製油所を減らし、東燃ゼネラル側には閉鎖を求めない方向で提案している」とされる。

両社の事業は下記の通り。

    JXホールディングス 東燃ゼネラル石油
石油製品 製油所
原油処理能力
2015/3
(千BD)
仙台 145 川崎 258
鹿島(鹿島石油) 252 千葉 152
根岸 268 156
大阪
大阪国際石油精製
115 和歌山 132
水島 380  
麻里布 127
大分 136
合計 1,423 合計 698
油槽所数 48箇所 9箇所
SS数 10,655箇所 3,520箇所
石油化学
(年産能力)
パラキシレン 312万トン 50万トン
ベンゼン 194万トン 39万トン
エチレン 44万トン 54万トン
プロピレン 99万トン 75万トン
上流 生産量 11.5万BD  
埋蔵量 846百万boe  

他に JX金属の上流(銅鉱山)、中流(銅精錬)、下流(電材加工事業など)がある。

石油化学については、JXは新日本石油化学(浮島にエチレン)、東燃ゼネラルは東燃化学(川崎にエチレン)を持つ。

12月3日の会見で、「石化の効率を考えると、やはり両社とも川崎地区に拠点があるため、ナフサなど原料を相互融通できる体制を取れば、効率化の余地は極めて高い」としている。

問題は独禁法である。

統合すると、ガソリン販売量の国内シェアは5割を超えるため、公取委の判断が焦点となる。

「シェア50%は公取委で慎重な審査が行われる水準だ」とする意見が強いが、出光/昭和シェルもシェアは3割を超えるため「対抗馬が誕生するため審査をパスしやすくなる」との意見もある。

ーーー

出光興産と昭和シェルは11月12日、対等の精神に基づく両社の経営統合に関する基本合意書を締結したと発表した。

2016/11/16  出光興産と昭和シェル、経営統合に関する基本合意書締結 

JXホールディングスと東燃ゼネラル石油の経営統合が実現すれば日本の石油精製会社は実質3社体制となる。

国内石油元売り大手の昨年度の売上高は下記の通り。

  会社名 売上高
  JX + 東燃ゼネラル 14兆3335億円
JXホールディングス 10兆8824億円
  出光興産 + 昭和シェル石油 7兆6277億円
出光興産 4兆6297億円
東燃ゼネラル石油 3兆4510億円
コスモ石油 3兆0358億円
昭和シェル石油 2兆9979億円

 


2015/12/5  エーザイ、中国のジェネリック医薬品企業を買収 

エーザイは11月27日、中国統括会社の「衛材(中国)投資有限公司が、中国のジェネリック医薬品会社「遼寧天医生物製薬」の全株式を、株主の「遼寧龍源教育産業投資管理集団」の董事長兼総裁などから取得する契約を締結したと発表した。

買収額は500百万元(約96億円)で、移管条件が整い次第発効する。

本契約の発効後、「遼寧天医生物製薬」の社名を「衛材(遼寧)製薬」に変更し、「衛材(中国)投資有限公司」の100%子会社とする。

天医は医薬品や医薬品原薬の製造・販売を行う中国のジェネリック医薬品会社で、消炎・鎮痛、認知症、胃炎、整腸、糖尿病、慢性動脈閉塞症などの治療剤や漢方薬、および免疫調整剤など幅広い疾患領域に約90品目の製造承認を有している。
また、錠剤、カプセル、顆粒剤、液剤や凍結乾燥注射剤といった様々な剤型に対応可能な中国GMPに適合する最新の生産ラインと技術を保有している。

所在場所の本渓国家高新技術産業開発区は、瀋陽薬科大学を含む6つの薬学系大学と、約100社の製薬企業からなる製薬クラスターとして知られる。

本買収により、エーザイは中国において、現在展開している新薬を中心とした事業に加えて、ジェネリック医薬品事業に参入する。

高品質なジェネリック医薬品を安定的に供給することにより、中国におけるより広範な医療ニーズの充足が可能となる。

また、蘇州/上海に次ぐビジネス拠点として本渓市に進出することにより、薬都のアカデミアとの連携も強化し、更なる成長機会を模索する。

ーーー

中国の医薬品市場は、米国に次ぐ世界2位の市場規模を有し、2014年の市場規模は1,093億ドル、前年比+12%となっている。

中国医薬品市場では、金額ベースでその約8割をジェネリック医薬品が占めている。
政府はジェネリック医薬品の品質向上をめざしており、ブランド品と同等の高品質なジェネリック医薬品の安定供給が強く求められている。
今後、医療制度改革の進展に伴い、高質な医療へのニーズは、大都市のみならず内陸部や地方の中小都市にも拡大していくことが予測される。

ーーー

エーザイの中国ビジネスは、25年にわたる歴史を有している。

1991年に東北製薬集団との合弁会社「瀋陽衛材製薬有限公司」を設立した。

下記の蘇州工場の本格稼働で「瀋陽衛材製薬」の業務終了した。

1996年には製造、販売機能を持つ100%子会社の「衛材(蘇州)製薬」(現 「衛材(中国)薬業」を江蘇省蘇州市シンガポール− 蘇州工業園区に設立した。

2013年11月には注射剤生産施設が完成した。

さらに、2010年には導入品の直接輸入などのため「衛材(蘇州)貿易有限公司」を設立した。

2014年12月には、上記2社を傘下におさめる中国統括会社として、「衛材(中国)投資有限公司」を新たに設立、これにより、中国国内における迅速な意思決定を可能とする、自律的なマネジメント体制を確立した。


2015/12/7  住友化学、韓国 S-Oil にPPとPO製造技術をライセンス 

住友化学は11月30日、韓国S-OIL社にPPとプロピレンオキサイド(PO )の製造技術のライセンス契約をしたと発表した。

S-OILは、韓国の蔚山市温山に日量66 .9万バレルの石油精製コンビナートを有し、燃料、潤滑油および石油化学製品を主に生産している。

S-Oilは2011年に温山に1系列で世界最大のパラキシレン工場を完成させた。商業生産は2011年6月に開始している。

2011/10/28   韓国S-Oil、1系列で世界最大のパラキシレン工場の竣工式を開催

同社は、本年9月に重油を活用する日量7.6 万バレル規模の流動接触分解設備を導入したが、高品質ガソリンとプロピレン誘導品の生産設備への投資を決定した。
新たに生産される誘導品は、住友化学が独自に開発した技術を採用する年産40 .5万トンのPP 、年産30 万トンのPO などで、2018 年前半に完工の予定。

住友化学のPP 製造技術は、千葉工場における運転実績に加えて、シンガポールなどの関係会社を含めた海外の企業にもライセンス供与し、多くのプラントで長期にわたる運転安定性を示し、高品質な製品を製造してきた実績がある。

PO 製造技術は、同社が世界で初めて工業化に成功したクメンを循環利用するクメン法PO単産プロセス(
プロピレンとクメンからPOを生産し、副生するクミルアルコールはクメンにして再度利用)で、併産物がなく 、独自に開発した高性能なエポキシ化触媒と組み合わることにより、高収率で運転安定性に優れていることが特徴で、千葉工場やサウジのPetro Rabigh の運転実績がある。

住友化学が韓国企業に最新技術を供与したのは、S-Oil がSaudi Aramco の子会社であるためと思われる。

サウジのPetro Rabigh は住友化学とSaudi Aramco のJVであり、Petro Rabigh の第一期では、単産プロセスのPO 20万トン、PP 70万トンを生産している。

ーーー

S-Oil は1976年にKorea-Iran Petroleum Co., Ltd. として設立された。
第一次石油ショックで原油の安定購入が韓国の第一の課題であった時に、双龍セメントがイラン国営石油会社(NIOC)との50/50 JV設立に成功した。

1978年のイラン革命で、イラン側が撤退し、1980年に双龍精油と改称した。
1987年に上場した。

1991年にAramco Overseas Companyが3億9500百万ドルを出資して35%を取得、20年間の原油供給を約束した。

1999年12月には、双龍セメントの持株 28.4%を自社株として買収し、双龍グループから法的に独立し、2000年3月に双龍精油からS-Oil に改称した。

S-Oil は双龍セメントから買い取って金庫株としていた28.4% を、2007年に韓国航空など韓進グループに売却した。

2007/3/9 韓国の石油精製 S-Oil に韓進グループが参加

Aramco Overseasは2014年、韓進グループからS-Oil の28.4%を19.5億ドルで買収し、持株比率を現在の63.4%にした。n


2015/12/7 実効税率の引き下げ 

政府・与党は、来年度の税制改正で焦点の1つである法人税の実効税率の引き下げについて、来年度に29.97%まで引き下げる方向で最終調整に入った。

平成27年度税制改正では従来の34.62%を本年度に32.11%、来年度に31.33%にすることが決まっているが、安倍首相は来年度をこれ以下に引き下げ幅を拡大し、早期に20%台とすることに意欲を示している。

安倍晋三首相は2014年6月、法人実効税率を来年度から数年間で20%台に引き下げる方針を表明し、「日本の法人税は成長志向型に変わる。雇用を確保し、国民生活の向上につなげていきたい」と語った。

アベノミクスの第3の矢となる成長戦略の柱として6月24日の臨時閣議で策定した「骨太の方針」に 、「2015年度から引き下げ、数年で20%台を目指す」と明記した。

2014/6/26 法人税率の引き下げ 

12月5日付けの日経によると、与党は2018年度に更に29.74%まで引き下げる方針を固めた。財源を確保できる目途が立ったという。

実効税率の計算は下記の通り。

法人には法人税と住民税と事業税(事業税+地方法人特別税)がかかるが、事業税は翌期に損金算入できるため、これを折り込んで実質の税率を計算する。
計算は、(法人税率+住民税率+事業税率)/(1+事業税率)となる。

付記 12月16日に発表された税制改正大綱で2016年以降の計算が明らかになった。

法人税率  2016-17年は23.4%、2018年は23.2%に下げる。
事業税(地方特別税を含む)は、2015年の6.0%を3.6%に下げる。
これにより、実効税率は29.97%、29.74%となる。   

平成27年度税制改正では下記の通りとなっている。

  現行 2015年度 2016年度
法人税率 25.5% 23.9% 23.9%
法人事業税所得割(地方特別税含む) 7.2% 6.0% 4.8%
実効税率 34.62% 32.11% 31.33%

  原資の中心は欠損金繰越控除の見直しである。    

  現行 2015年度〜 2017年度〜
控除限度(大法人) 所得の80% 所得の65% 所得の50%
繰越期間 9年 9年 10年
2017/4以降の欠損

今回の 29.97%への引き下げについては、政府・与党は、赤字の企業にも事業規模に応じて課税する外形標準課税の拡大で、代わりの財源の確保にめどが立ったとしている。

法人事業税で、利益にかかわらず事業規模(資本金や従業員数)に応じて課す外形標準課税の割合を全体の3/8 から5/8に拡大し、約8000億円の財源を確保する。

更に29.74%への引き下げの原資として、企業の設備投資を促す目的で設けた設備投資減税を2016年度末に廃止し、年間1300億円を確保する。

他方、欠損金繰越控除は2017年度以降控除限度を所得の50%とする予定を1年延ばす。(2016年度は60%、2017年度は55%とする。) これにより、2017年度は財源は差し引きゼロとなるため、29.97%に据え置く。

2017年4月には消費税率の引き上げがあることを配慮するもの。

ーーー

赤字企業への課税強化は、これまで経済界は強く反対してきた。

11月26日の官民対話で、経団連の榊原会長が、今後3年間で設備投資を約10兆円増やすこと、春季労使交渉で今年を上回る水準を期待するとしたうえで、「来年度の実効税率20%台実現をお願いしたい」と述べたのに対し、首相は「産業界も法人税改革の財源確保に協力して欲しい」と要請した。

他に財源がないことから、経団連は赤字企業への課税強化を受け入れた。

ーーー

実効税率引き下げは、日本での投資促進が主目的だが、大部分の中小企業は赤字のため、実効税率引き下げは投資促進のインセンティブにならない。

自民党税制調査会は、2016年度からの3年間、中小企業が新たに購入する機械装置の固定資産税を50%軽減することを決めた。

対象は、資本金1億円以下の中小企業が、新たに導入する160万円以上の機械装置で、生産性やエネルギー効率改善が条件。
2014年度で対象は1兆460億円。

3年間にわたり、年1.4%の固定資産税を50%軽減する。


2015/12/8 東芝の原子力事業 

不適切会計問題で揺れる東芝に、新たに原子力事業での赤字隠蔽疑惑が発生した。

11月12日の日経ビジネスオンラインが、「スクープ 東芝、米原発赤字も隠蔽 内部資料で判明した米ウエスチングハウスの巨額減損」という記事を掲載した。

東芝の米原子力子会社ウエスチングハウス(WH)で、計1600億円の巨額減損が発生していたことが日経ビジネスの取材で分かった。WHの単体決算は2012年度と2013年度に赤字に陥っていたが、本誌が指摘するまで東芝は事実を開示しなかった

東芝は、原子力事業全体では減損処理が不要なため、WHの減損処理を発表しなかったと弁明した。

付記

東芝は2016年4月26日、改めて減損チェックをした結果を発表した。

原子力事業の事業性に変更はないが、資金調達コストの上昇を受け、割引率を見直した結果、減損処理を行う。
現段階で約2600億円を見込むとしている。

2016/5/12 発表の決算では、原子力事業の一時的費用として下記を計上した。
(付記 5/23 修正の発表)
 ノレン減損    -2,600億円 (-2,476億円に修正)
 構造改革費用     -40億円
 その他             -90億円
 合計             -2,730億円 (-2,606億円に修正)

  

なお、ウエスチングハウス買収ののれん代は29.3億ドル(当時のレートで3500億円)

  5/23修正後のノレンは878億円となる。
 

 

しかし、東京証券取引所などを傘下に持つ日本取引所グループは、子会社の損失を開示しなかった東芝に対し、「あるべき姿を完全に逸脱した」と厳しく批判、東京証券取引所の規則に違反していたとして、「改めて強い指導をしていく」と厳しい姿勢で臨むことを強調した。

東芝は11月27日、米原発子会社ウエスチングハウス(WH)の減損問題について記者会見した。
新たな事業計画も発表したが、2029年度までの15年間で、新たに「64基」の原発建設を受注するのがベースとなっている。

説明資料 http://www.toshiba.co.jp/about/ir/jp/pr/pdf/tpr20151127.pdf

会見で、東芝は先ず、「不十分な開示姿勢を深くおわびしたい」と陳謝した。

ウエスチングハウスについては、下記の点が明らかになった。

1)2012年度と2013年度で減損処理を実施。

2012年度 新規建設で677百万ドル、オートメーションで249百万ドル、合計926百万ドル
2013年度 新規建設で394百万ドル
合計    1,320百万ドル

上記の通り、WHではプロダクトライン別に簿価と時価を比較し、赤字のラインについて減損処理をしている。

それに対し、東芝では、グラフの右端の通り、WH全体として簿価と時価を比較、両年度とも時価が上回ったため、減損処理をしなかったとしている。

2)2006年のウエスチングハウス買収以降、WHが290百万ドルの累積営業赤字に陥っていること。
   (上記の減損損失 1,320百万ドルを含む)

 

東芝では、2014年10月の「減損テスト」の結果、東芝が連結で抱える「のれん」については減損が不要であると説明した。

これには、15年間で64基の原発を受注することが前提となっている。(東芝の減損テストでは保守的に46基で計算)

「福島以降、プラントの建設というのは確かにスピードダウンしたが、中国の最近の13次5カ年計画などでも言われたように、今後世界的に原子炉がどんどん建っていくという状況に変わってきている。全世界で約400基の新設計画があり、上記のように非常に多くの機会がある。」

「きれいな空気に対する需要というのは世界中に高まっている。これに対して、世界各国の首脳が集まって新しい施策を築いていこうという機運が高まっている。
そして、これを達成するためには原子力なしには立ちいかないということも自明の理。これから世界中で原子力に対する需要、これを求める声というのは高まっている。
ホワイトハウスのスタッフの会議でも、この気候変動の問題に立ち向かっていくには原子力がどうしても必要だ、そしてこれまで以上の規模で原子力が必要だという声が多く聞かれた。」

これをもとに、原子力事業の利益が2018年度以降に急増するとし、減損テストにパスしたとしている。

 


しかし、12月2日付けの日経オンラインは「スクープ 東芝、原発幹部さえ疑う『64基計画』」を掲載している。

東芝の経営幹部でやり取りされたメールには、「監査人の印象も悪くなるので、のれん減損テスト事業計画上の64基を今から減らす必要はないが、どこかの時点で冷静になってリーズナブルなレベルに見直す必要がある」 というのがあるという。

 

付記

Westinghouseは2015年12月31日、米政府から、原子力サービス会社 CB&I Stone & Webster Inc. 買収の承認を受けた。

東芝は連結ベースで「のれん」として約105億円を計上する。


2015/12/9 EU、McDonald'sに対するルクセンブルグの法人税優遇措置を調査 

EUの欧州委員会は12月3日、米ファストフード大手McDonald'sに対するルクセンブルクの法人税の課税措置が同社を優遇し、EU法が禁じる違法な助成金に当たる疑いがあるとして、本格調査を始めたと発表した。


EU当局によると、McDonald'sは2009年から、欧州とロシアのフランチャイジングが支払った使用料にかかる法人税を、ルクセンブルクや米国で納めなかった疑いが持たれている。

EUは、ルクセンブルクが、米国で課税対象となっていないと知りながら、利益にかかる税金を免除したとしている。

EUによると、ルクセンブルクはMcDonald'sの欧州フランチャイジング部門の収益にかかる税金を、利益が米国で課税対象であるとして、免除した。
ルクセンブルクはさらに、収益が米国の課税対象と証明する必要もないと取り決めたという。

Margrethe Vestager欧州委員(競争政策担当)は「McDonald's が欧州のロイヤリティについて、ルクセンブルグでも米国でも税金を支払わない点について、EUの加盟国助成金制度に基づき、注意深くチェックする。各国間で結ばれる二重課税協定は、二重課税の回避が目的で、二重非課税(double non-taxation)の正当化を狙ったものではない」と述べた。

同社の欧州のフランチャイジングは大きな利益(2013年で250百万ユーロ以上)を上げながら、ルクセンブルグ当局の2009年の2つのルーリングで、ルクセンブルグでは法人税を払っていない。

この利益は、欧州とロシアのレストランがMcDonald'sの商標や付随サービスを使う権利から生じる。
ルクセンブルグの本社は戦略的意思決定に責任を持つ。スイスの支店は限定した活動をしており、米国の支店は実際の活動はしていない。
得られたロイヤリティは米国支店に送金される。

2009年以降、ルクセンブルグでも米国でも税金を支払っていないが、下記の仕組みによる。

1) ルクセンブルグ当局が2009年3月に与えた最初のルーリング:

McDonald's の欧州フランチャジングは、利益が米国で課税されるため、ルクセンブルグで法人税を納めなくてもよい。
この点はルクセンブルグと米国の二重課税防止協定に基づく。

ルーリングでは、McDonald'sは毎年、スイスを通じて米国に移されたロイヤリティが、米国とスイスで課税されることの証拠の提出が義務付けられる。

2)しかし、このルーリングの前提とは異なり、利益は米国で課税されていない。

ルクセンブルグの税法の解釈では、McDonald'sの欧州フランチャイジングは米国に納税実体(taxable presence="permanent establishment")を持つが、米国法では納税実体を持たない。
このため、McDonald'sは最初のルーリングで義務付けられた米国での納税の証拠を提出できない。

3)このため、McDonald'sはこれを明らかにした上で、それにも関わらずルクセンブルグで課税されるべきでないと主張し、第二のルーリングを要請した。

McDonald'sの主張は、米国税法の観点では、十分な活動がないため米国に納税実体がないこととなるが、ルクセンブルグ法によれば、米国支店は十分な活動をしているため、納税実体があるというもの。

ルクセンブルグは2009年9月に第二のルーリングを出し、McDonald'sは所得が米国で課税されるという証拠を出す必要はないとした。
McDonald'sの欧州フランチャイジングは、米国で課税されないことが確認されたにも関わらず、ルクセンブルグでも課税されないことが確認された。

EUによると、第二のルーリングで、McDonald'sの欧州フランチャイジングの利益のほとんど全てが課税を免れる。
スイス支店の
限定した活動による利益分はスイスで納税している。


今後、EUは上記の懸念が正しいかどうか、特に第二のルーリングがEUの加盟国助成金制度に反する処理かどうかを調査する。
ルクセンブルグ当局がMcDonald'sに対して、同様の状況にある他の企業には与えられない恩典を与えたかどうかを調べる。

ルクセンブルク財務省は、McDonald'sに特別な課税措置や便宜を与えたことはないと説明、調査に全面協力する方針も示した。

Mcdonald'sが税優遇によって違法に利益を得ていたと欧州委が判断した場合、同社には巨額の追徴課税が命じられる可能性がある。

欧州委員会は2015年10月21日、Starbucksがオランダ政府から、Fiat Finance and Tradeがルクセンブルグ政府から、それぞれEUでは違法となる優遇税制を受けていたと判断した。

税務当局のTax ruling (税務裁定) そのものは合法であるが、これらについては、一部の企業だけを支援して公正な競争を妨げる違法な「国家補助」とみなした。

その上で、オランダ政府とルクセンブルク政府にStarbucksとFiat から本来の税金との差額を追徴するよう命じた。

2015/10/27 欧州委員会、StarbucksとFiatの税優遇を違法と認定、追加徴税を指示


2015/12/9 住友化学、CO2分離膜の実証試験に成功 

住友化学は12月1日、子会社 CO2 M-Tech が開発中のCO2分離膜の実証試験で良好な結果が得られたため、2017 年初頭を目途に、国内化学メーカーの工場内にCO2分離膜の商業設備を導入する検討を進めると発表した。

CO2を分離する技術は、主に水素製造や天然ガス精製過程において CO2を除去するために使われているが、現在実用化されている「化学吸収法」や「物理吸収法」などのCO2分離技術は、多くの熱エネルギーと大型の設備が必要で、低コスト化が大きな課題となっている。

化学吸収法では、CO2を溶剤に吸収させ、CO2を吸収した溶剤をスチームで加熱することでCO2を分解・除去し、再び溶剤として回収している。このため、大量のスチームが必要で、エネルギー多消費型かつ巨大な脱炭酸塔が必要となる。

住友化学がルネッサンス・エナジー・リサーチとの合弁会社で開発中の膜分離法によるCO2分離技術は、既存の化学吸収法に比べプロセスがシンプルでエネルギー消費を大幅に削減でき、かつ、設備の大きさを2 分の1 以下に小型化できる点が特徴。


大阪ガスで触媒の研究を行っていた岡田治氏が2004年に大阪ガスを退職して設立したルネッサンス・エナジー・リサーチは、
世界最高水準の分離能力を有するCO2選択透過膜の開発に成功した。

2009/12/17 CO2選択透過膜の開発

住友化学、住友商事およびルネッサンス・エナジー・リサーチは2012年10月、「膜分離法」による CO2 分離事業への参入に向け、合弁会社を設立することで合意、2013年6月に CO2 M-Tech を設立した。

当初の出資比率は、住友化学 47.5%、住友商事 47.5%、ルネッサンス 5%であったが、
現在は、住友化学 97%、ルネッサンス 3%となっている。

CO2 M-Tech 設立後、2014 年5 月から住友化学愛媛工場で、また2015 年9 月からは国内化学メーカーの工場内にパイロット設備を導入し、実際のプラント稼働環境下での実証試験を行い、分離膜のCO2透過性能や耐久性などを確認してきた。

水素製造や天然ガス採掘時のガスが本来有している数百kPa〜数MPaの圧力を利用するだけでCO2を分離することが可能であり、分離に当たってスチーム等は全く使用せず、新たなエネルギーを殆ど必要としないため、大きな省エネ効果を達成できる。

例えば、一般的な規模の水素製造プラント(水素製造量:4万t/年)にこの膜を導入した場合、スチーム使用量を大幅にカットでき、石油換算で年間1,600万リットルもの節減が可能となる。

さらに、促進輸送機構を応用しているため、膜分離で最も重要な性能であるCO2分離スピード並びにCO2選択性は世界最高水準であり、この性能はシステムのコンパクトさを実現すると共に、プラントへの柔軟な対応をも可能にしている。

本システムを水素製造プラントに導入する場合のイメージは下記の通りで、化学吸収設備の前工程にCO2分離膜設備を設置し、CO2を50%程度事前に除去することで、スチームコストを削減する。

 

今後、水素エネルギーの利用拡大に伴い、需要の拡大が見込まれており、さらに、温室効果ガス削減の有望技術であるCCS(CO2を回収し地中に貯留)においても、コストの過半を占めるCO2の分離・回収コストを抑える観点から、「膜分離法」の実用化が期待されている。


2015/12/9 速報 ダウとデュポンが合併交渉 

12月8日付けのWall Street Journal が、DowとDuPont が合併交渉中で、数日後にも発表されると伝え、各紙が報道している。


記事は下記の通り。

Dow Chemical and DuPont Are in Advanced Talks to Merge

Dow Chemical Co. and DuPont Co. are in advanced talks to merge, in a tie-up that would cap off the strongest year ever for takeovers and come amid a surge of deal activity in the agriculture industry.

The chemical giants, which have a market capitalization of about $60 billion each, could announce a merger in coming days, people familiar with the matter said. It would be followed by a three-way breakup of the combined company, they said, a common approach to mergers and acquisitions of late.

独禁法を考え、3事業に分割する。
農業関連、高機能製品、化学品の3事業ではないかと言われている。

Dow's Chief Executive Andrew Liveris is expected to be executive chairman of the new company, with DuPont Chief Executive Edward Breen keeping that title. A deal has not yet been inked and the talks could fall apart, the people cautioned.

Should it come to fruition, a combination of the companies would be one of the biggest in a year marked by big deals. So far, companies have struck some $4.35 trillion of takeovers in 2015, in recent days eclipsing 2007 as the top year on record for deals, according to Dealogic.

It would create a giant with more than $90 billion in combined sales and strong positions in everything from plastics to industrial chemicals and agriculture.

Under pressure from shareholders to slim down and focus on faster-growing units, both companies have been restructuring their businesses by shedding some of the products that made them famous.


2015/12/10 中国、増値税の電子領収書発行を全国的に実施 

日本では消費税アップに関連し、軽減税率を採用する場合に、商品や価格、税率や税額を記入するインボイスの発行が必要だが、手間がかかるとして問題になっている。

しかし、海外ではほとんどの国が軽減税率を採用しているが、全く問題になっていない。

欧州各国では、モノやサービスの代金を請求する「明細書(インボイス)」に、税抜き価格と消費税を記すことが義務づけられている。
税率や税額などを記してあるため、業者はインボイスによって売り上げと消費税がはっきりわかり、インボイスをみれば、納めるべき消費税が一目瞭然になる。
税を徴収する政府もどれだけ消費税がかかったかが把握できる。

欧州では「軽減税率」を採用している国が多いが、インボイスに商品ごとの税額や税率が記されている。

軽減税率を採用するとインボイス発行に手間がかかるので困る、などの議論は聞いたことがない。

 

人民日報によると、中国では、国税総局がこのほど発表した公告の中で、納税者の経営コスト削減、社会資源の節約、消費者の領収書保存・使用の便利化を目的として、増値税(付加価値税)の電子領収書発行システムを2016年より全国的に展開することを明らかにした。

紙製の領収書が必要な場合は、フォーマットを各自印刷することができ、その法的効力、基本的用途、基本的使用規定は、税務機関が監督管理する普通領収書と同様となる。

北京、上海、浙江、深圳の4地域では2015年8月1日よりすでに同システムの試行が始まっている。

このニュースを聞いて、中国の領収証システムを調べて驚いた。
中国では官製の詳細な領収証がないと、支払を拒否され、支払った場合はその分を費用として損金算入ができず、仕入れ税額控除も出来ないという。

中国の増値税率は、一般が17%だが、穀物・食用油・ガス・図書・水道などが13%の軽減税率となっている。

日本では領収書は企業や個人が自由に作成しており、領収書の様式も特に定められていない。
これに対して、中国では領収書は税務当局の完全な管理管轄下に置かれている。

中国での領収書は「発票 (FaPiao)」と呼ばれ、「発票」は税務当局が印刷発行し、納税者が税務当局から購入 する。
作成発行、取得、保管、未使用部分の税務当局への返却に至るまでのすべての行為に対して、税務当局が管理と監督の権限を持っている。

「発票」には2種類ある。
 一般の購入の領収証である「増値税普通発票」
 仕入れ税額控除を受けるための「増値税専用発票」

「 増値税専用発票」には発行企業の情報や取引内容、金額に加え、受取企業の企業名、納税者番号、住所、銀行口座番号などの情報が記載されている。

これらがないと、損金算入も仕入れ税額控除もできない。(企業所得税法では、発票がなければ原価または費用を計上することができないと規定されている。)
このため、買い手は
発票の記載内容に問題がないことを確認した後、支払いを行う。発票がない場合や発票の記載内容に問題がある場合は支払わない。

「発票」は発行が厳密に管理されており、普通発票は税務局官製発票を申請購入 する。

増値税専用発票は税務局官製の偽造防止システムで発行する必要がある。

専用PCはICチップを搭載したカード(金税カード)を差し込んで使うようになっており、発票印刷の内容が全て記録される。
金税カードは企業によって発行できる増値税専用発票に制限があり、制限枚数に達したら税務局へ持って行って、カード内のデータを提出し、枚数をリセットしてもらう必要があ る。

なお、自身で発票を発行できない小規模納税人の税率は売上の3%で、仕入れ控除をすることができない。

日本でも、売上高が5,000万円以下の事業者に適用される簡易課税制度があり、小売業の場合、みなし仕入率を80%として消費税を計算する。
中国での税率3%は、一般消費税率17%の場合、みなし仕入率は82%となり、日本とほぼ同じとなる。

2015年81日より北京、上海、浙江省、深圳の4つの省・市 において増値税発票システムのグレードアップ版電子発票の試験導入が開始された。

電子発票への切替で、次のようなメリットが生じる。

 ・コスト削減

「電子発票」は発票のペーパレス化に繋がり、企業が発票作成機による発票の印刷、保管、郵送等に投じてきた業務費用の支出が一切不要となり、コストの大規模削減が可能になる。

中国全土で1年間に「発票」を約3.6億通使用し、関連の年間合計コストは約20億円に達するという。

 ・「発票」の照会、保管の負担が大幅に縮小

取引発生と同時に電子発票を取得することができるようになる。
これまでのように発票を印刷して紙媒体で保存しておく必要はなく、必要な際に電子発票をダウンロードし紙に印刷するという対応で済む。

税務当局としても、納税者の情報の照会、統計、分析を効率よく実施できるようになり 、発票の虚偽発行の摘発及び抑止につながる。

今回、このシステムを全国的に展開する。


2015/12/10   三菱化学、三菱樹脂及び三菱レイヨンの統合 

三菱ケミカルホールディングスは12月10日、100%子会社の三菱化学、三菱樹脂 及び三菱レイヨンの3社が、2017年4月1日をもって統合することを決定したと発表した。
合わせて、これを折り込んだ新中期経営計画 『APTSIS 20』を発表した。

経営環境の変化に迅速に対応し、事業の成長を図るためには、3社の持つ経営資源を最大限活用できる体制の構築が必要との認識のもと、3社を1社に統合する前提で詳細な検討を行ってきた。

2017年4月1日をもって、存続会社を三菱レイヨンとする吸収合併の方法により、3社を統合する。
新社は、統合後引き続き、純粋持株会社である三菱ケミカルホールディングスの100%子会社として事業を行う。

新社の商号、代表者、資本金等詳細は、今後順次検討・決定する。

付記 2016年3月4日、統合新社の商号を「三菱ケミカル株式会社」(Mitsubishi Chemical Corporation)とすることに決めたと発表した。

新社は、協奏・インテグレーションの効果を最大限発現させて成長促進と収益拡大を実現するために、機能商品分野で7つ、素材分野で3つの合計10の事業ユニットに再編成する。

各分野の主要製品は下記の通り。

分野 主要製品 売上計画(億円)
2015 2020
高機能ポリマー 機能性樹脂、フェノール/ポリカーボネート、PET/PBT、サステイナブルリソース 2,100 2,700
高機能化学 スペシャリティケミカルズ、エポキシ樹脂、食品機能材 1,800 2,300
情電・ディスプレイ 光学系フィルム(ポリエステルフィルム等)、カラーレジスト、有機EL 2,400 2,500
高機能フィルム 食品包装材、工業用フィルム、医療用フィルム 1,800 2,000
環境生活・ソリューション アクアソリューション、イオン交換樹脂、アグリビジネス、インフラ資材 1,200 1,650
高機能成形材料 エンプラ製品、炭素繊維・複合材料、アルミナ繊維、機能成形複合材、射出成型品、繊維 3,000 3,800
新エネルギー リチウムイオン電池材料、オプトエレクトロニクスマテリアルズ、有機太陽電池(OPV) 350 700
石化 石化原料及び誘導品、ポリオレフィン、テレフタル酸 9,700 10.000
炭素 コークス、高純度グラファイト、カーボン・ゴム 2,150 2,450
MMA MMA、PMMA 3,700 4,250

テレフタル酸事業等の再構築事業については抜本的対策を実施する。

三菱ケミカルホールディングス全体のポートフォリオとしては、成長事業8つ、基盤事業6つの13の事業ユニット(ライフサイエンスは双方に)と5つの次世代事業テーマとなる。

次世代事業テーマの内容は以下の通り。

ヘルスケアソリューション 再生医療、診断支援システム、植物由来ワクチン
バイオソリューション 植物工場利用の高機能野菜栽培・成長因子、植物由来モノマー・ポリマー、腸内細菌叢の効果利用
ガスソリューション 人工炭酸泉、細胞凍結保存、水素ステーション、ガスの医療応用、安定同位体医薬、ガス・液の分離材料
新エネルギー・高機能材料 有機太陽電池、ケイ素材料
ビッグデータ・ICT利用ソリューション ビッグデータ・ICTを研究開発・製造から財・サービスの供給における事業展開において積極的に利活用

 



2015/12/11 米General Electric 、厨房機器事業の売却を中止

General Electric は12月7日、スウェーデンの家電大手 Electrolux AB への厨房機器事業の売却を中止すると発表した。
米司法省が、「調理コンロやオーブンなどでシェアが高い両社の事業が統合されると、価格が上がって米消費者に不利益が生じる」と主張し、反対したため、断念に追い込まれた。

両社は2014年9月8日、ElectroluxがGEの厨房機器事業を33億ドルで買収することで同意した。

GEは選択と集中を進め、戦略外の厨房機器事業などを売却し、ガスタービンや航空機エンジンなどに注力する。
他方、Electrolux は北米でのシェアアップを狙った。

米国紙によると、両社の事業を統合すると、昨年の米国市場でのシェアは約25%となる。
これに対し、トップ企業のWhirlpoolのシェアは約30%、LGが13%、Samsung Electronicsが11%とされる。

米司法省は2015年7月1日、この売却を禁止することを求める訴訟を提起した。

売却により、米国で販売される厨房機器の主要メーカー2社が統合され、競争を阻害することにより、消費者に悪影響を与えるとしている。
北米でのGEの当該事業の売上高は約34億ドルで、Electrolux North Americaの売上高は約26億ドルとしている。

これに対し、Electroluxは買収により逆に競争が増え、需要家は安い価格で、より幅のひろい高品質製品を買えるようになると反論した。

買収により、Electrolux の規模と効率が増え、イノベーションと成長に投資ができるようになり、需要家、販売店、従業員、株主全ての利益となる。

更に、司法省の今回の反対は、2006年にWhirlpoolによるMaytag(米国の厨房機器市場での主な競合者)買収を承認したのと完全に矛盾するとした。

同社によると、司法省に対し、司法省の懸念を解消できる提案を行ったが、司法省は拒否したという。

Electroluxは既に、ブラジル、カナダ、エクアドルで買収の承認を得ている。同社では年間で350百万ドル以上のシナジー効果があるとしている。

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今回、この訴訟の決着はついていないが、GE がギブアップした。

GEとElectroluxとの契約では、売却が実行できない場合、Electrolux がGEに解約金 175百万ドルを支払うこととなっており、GEはこの支払を求めた。

Electrolux は、同社が承認の取得に多大の努力をしており、裁判が進行中なのにGEが契約を打ち切ったのは遺憾であるとしており、解約金の支払についてはどうするか検討する。

「選択と集中」を進めるGEは今後も、別の売却先を探すとみられる。

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今回の買収、統合後の米国市場のシェアが、上記の通り、Whirlpool約30%、Electrolux 25%、LG 13%、Samsung Electronics 11%というのであれば、また司法省がWhirlpoolによるMaytag 買収を承認しているのであれば、この買収を認めないのはおかしいと思われる。

米紙によると、オバマ政権下で独禁当局が買収を認めないケースが増えている。

米ケーブルテレビ最大手Comcastは4月24日、Time Warner Cable に対し提示していた総額450億ドルの買収案を撤回すると発表した。
買収がインターネットサービスの面で
Comcastに不当な利益をもたらしかねないとして、米当局が難色を示したため。

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米食品流通大手のCisco Corporationは6月29日、35億ドル規模のUS Foods買収計画を断念した。
米連邦地裁判事による同買収計画の差し止め命令が原因。

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タイの水産加工大手Thai Union Groupは12月4日、米のツナ缶メーカーの同業大手Bumble Bee Foodsの買収を断念すると発表した。

2014年12月に、所有するLion Capital から全株を15.1億ドルで取得すると発表したが、独禁法に違反する恐れがあるとして、米法務省が待ったをかけた。

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米連邦取引委員会(FTC)は12月7日、米事務用品小売り大手のStapesによる同業のOffice Depo買収は公正な競争を妨害するとし、差し止めを求めて提訴した。
Staplesは2月4日に63億ドルで買収すると発表していた。

 


2015/12/12  湾岸諸国が付加価値税導入で合意

アラブ首長国連邦の財務大臣によると、湾岸協力会議(Gulf Cooperation Council )のメンバー諸国、サウジアラビア、アラブ首長国連邦、バーレーン、クウェート、オマーン、カタールの6カ国は12月初めに会合を持ち、付加価値税(VAT)導入で大筋合意した。

各国は3年以内にVATを導入する計画で、最終合意には至っていないが、健康、教育、社会福祉、及び食品(94品目)を対象外とすることで合意した。ファイナンシャルサービスなどの分野については意見が分かれているという。

各国は過去10年以上にわたり、国家の歳入増加のため、VATの導入を議論してきた。
本年6月以降の石油価格の暴落でこの動きが強まった。

IMFなどは各国に対し、VAT導入や法人税・物品税の拡大などで歳入を多様化することを求めている。

アラブ首長国連邦は当初、本年第3四半期にもVAT導入法を提案するとしていたが、競争力低下や国境を越えての密輸の増加を恐れ、他のメンバー国と合わす為、遅らせた。

 


2015/12/14   Dow と DuPont、経営統合を発表

Dow Chemical と DuPontは12月11日、対等で経営統合すると発表した。 それぞれの取締役会が満場一致で賛成した。

概要は下記の通り。

社名 DowDuPont
体制 統合後に無税スピンオフで Agriculture、Material Science、Specialty Products の3つの会社に分離し、それぞれ上場する。

株式 両社の株主はDowDuPont の株式の50%ずつを取得。
役員 会長:Dow のAndrew N. Liveris 会長兼CEO
CEO:DuPont の
Edward D. Breen 会長兼CEO (10月16日退任のEllen Kullman の後任)
取締役:16名で、両社から現在の8名ずつ。
本社 両本社制
 Dow のMidland, Michigan
 DuPontのWilmington, Delaware
シナジー
効果
コスト面 30億ドル (Agriculture 13、Material Science 15、Specialty Products 3億ドル)
(製造コスト 40%、販売費・一般管理費 30%、借入金 20%、R&D 10%)
  両社の固有のコストダウン計画分(Dow の2015-17の3年間 10億ドル、DuPontの 2016の7億ドル)以外のもの
成長面  10億ドル  
合計   40億ドル (2年内に実現)

そのための一時的コスト 35〜41億ドル

両社は幾つかの資産を売却すれば、独禁法上の審査をクリアすると、アナリストらはみている。
売却が必要な分野は恐らく種子と穀物関連とされている。

付記

Dow とDuPont の株主総会は2016年7月20日、合併を承認した。

Dowは参加株主の97%、DuPontは98%が賛成した。

付記

2017年8月4日、全ての手続きが終了、2017年8月31日の株式取引終了後に合併すると発表。

ーーー

Dow のAndrew N. Liveris 会長兼CEOは11年前にDowのCEOに就任してから、ほぼ一貫してDuPontとの合併を目指してきた。
2006年にDuPont買収を試みたことがあったが、袋小路に陥った。そして2009年、金融市場が崩壊したのとほぼ同じ時期に特殊化学品メーカーのRohm and Haasを160億ドルで買収した。

Edward Breen が今年10月にDuPontの暫定CEOに就任(その後、11月9日に「暫定」が取れる)した直後、合併の提案をしたとされる。

Dow も DuPont も、物言う株主から事業分割などドラスティックな手段による企業価値の向上の要求を受けている。

ヘッジファンド、Third Point LLCを率いるActivist Investor(物言う株主)のDaniel Loebは2014年1月21日、Dow Chemicalに手紙を送り、石油化学事業とスペシャリティケミカル事業を分離するよう求めた。

Dow は2013年12月に塩素事業(売上高50億ドル以上)からの撤退を発表したが、もっとドラスティックなものを求めている。

2014/2/18  物言う株主、Dow Chemical の分割を要求、会社側は拒否  

DuPontは5月13日の株主総会で辛うじて物言う株主に勝利を収めたが、物言う株主のNelson Peltz が率いる米Trian Fund Management が会社の分割を要求していた。

既に発表されているPerformance Chemicals部門に加え、DuPontを2社に分割する。
   GrowthCo      (Agriculture, Nutrition and Health, Industrial Biosciences)
   CyclicalCo/CashCo    (Performance Materials, Safety and Protection, Electronics and Communications)

2015/5/15   DuPont、株主総会で物言う株主に勝利

DuPontのEllen J. Kullman 会長兼CEOは10月16日に退陣した。(2008年10月1日付けで社長、2009年1月1日付でCEO、2009年12月31日付けで会長に就任)
業績悪化の責任を取ったとされる。

2015/10/6 DuPont のCEO Ellen Kullman、急に退任 

両社とも、不採算事業のみならず、儲かってはいるが将来の成長が見込めない等の事業についても売却したり、スピンオフ する一方、原油価格の変動の影響が少なく、成長が見込める事業を買収してきた。

 Dow の改革の一部

2009/4/3 ダウ、Rohm & Haas の買収を完了  

米国の石化事業をクウェートのPICとのJVにする計画がつぶれ、Rohm & Haas買収資金がなくなり、多くの事業を売却した。

2010/6/18 ダウ、スチレン系事業売却完了

2013/2/6 Dow、日本ユニカー持株を売却

2014/10/6 Dow Chemical、非戦略事業の売却を進める

2015/9/8 Dow Chemical、塩素バリュー・チェーンのOlinへの売却手続き開始

 DuPont の改革の一部

2008/9/30 DuPont のこの10

2011/5/27 DuPontDaniscoの買収成功

2012/9/5 DuPont、Performance Coatings事業をCarlyle Group に売却

2015/6/12 DuPont、Performance Chemicals 事業を分離

2014/8/23 クラレ、DuPontのビニルアセテート関連事業 の買収完了

2014/12/15 DuPont、クロロプレンゴム事業を電気化学に売却

しかし、経営改革を迫る「物言う株主」から対応が遅いと批判されていた。


Liveris会長は「今回の合併は業界の流れを変えるもので、われわれが10年以上かけて描いてきた構想の集大成が映し出されている」と述べた。

物言う投資家は今回の合併を歓迎している。

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統合後のDowDupontは、Agriculture、Material Science、Specialty Products の3つの分野でのリーダーとなるとしている。

1)Agriculture


 

 2) Material Science

3) Specialty Products

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Dow は同じ12月11日、Dow とCorning の50/50JVの Dow Corning Corporation をDow 100%にすると発表した。

Dow Chemical のAndrew Liveris 会長は2014年11月、Corning Inc. がDow Corningの持株の売却を希望しており、Dowが購入することになるだろうと述べたと報じた。
CorningはSamsung Electronics とのJVであったSamsung Corning Precision Materialsを100%子会社にしており、Dow Corning よりもこちらに重点を置きたい意向であるとしている。

2014/11/25 Corning Inc.、Dow Corning から撤退へ 

Dow Corning は1943年に両社のJVとして設立され、シリコーンなどケイ素技術に特化している。

Dow Corning は日本では1966年に東レとのJVの東レ・ダウコーニング・シリコーン(現 東レ・ダウコーニング:Dow Corning 65%出資)を設立している。

Dow Corning は子会社に、半導体や太陽電池に使われる様々な純度の多結晶シリコンを製造するHemlock Semiconductor Group を持つが、これについては、DowとCorning は現状の持分を維持する。

Hemlock Semiconductorは1979年にDow Corningの100%子会社として設立された。
1984年に信越半導体と三菱マテリアルが加わり、3社のJVとなった。
  Dow Corning 63.25%、信越半導体 24.5%、三菱マテリアル 12.25%
しかし、信越化学は2013年3月期に持分の一部を売却し、20%以下としている。


2015/12/15 台湾、日系などのコンデンサーメーカーの価格カルテルに多額の課徴金

台湾の公平交易委員会(公取委に相当)は12月9日、スマートフォンなどに使う電子部品のコンデンサーについて、日本ケミコンなど日系企業を中心に10社が価格カルテルを結んでいたとして、総額約215億円の多額の課徴金を科すと発表した。台湾でのカルテルに対する課徴金としては過去最高額。

アルミ電解コンデンサーでは日本ケミコン、ルビコン、エルナー、三洋電機、ニチコンに総額45億2290万台湾ドル、タンタル電解コンデンサーではNECトーキン、松尾電機、米Vishay Polytecに総額12億7370万台湾ドルを科した。

同委員会によると、アルミ電解コンデンサーについて少なくとも2005〜14年初めに価格や数量、顧客への対応方法などの情報を交換、タンタル電解コンデンサーでも同様の行為をしていた。

各社の課徴金は下記の通り。 日本円は3.7円/台湾ドルで換算した。

    千台湾ドル 百万円
アルミ電解
 コンデンサー
日本ケミコン 1,868,300 6,913
 同上(香港) 82,900 307
 同上(台湾) 293,800 1,087
ルビコン 1,248,000 4,618
エルナー 76,600 283
三洋電機(香港) 842,000 3,115
ニチコン(香港) 111,300 412
合計 4,522,900 16,735
タンタル電解
 コンデンサー
NECトーキン 1,218,200 4,507
Vishay Polytec 31,200 115
松尾電機 24,300 90
合計 1,273,700 4,713
総額 5,796,600 21,447

日本ケミコン:1931年 佐藤電気工業所として設立(日本発の電解蓄電器の製品化)
ルビコン:1952年 日本電解製作所として設立、アルミ電解コンデンサ製造開始
エルナー:1929年 本田製作所として創業、1934年 アルミ電解コンデンサの採算・販売
三洋電機:2009年に事業(サン電子で製造)をサン電子に売却
ニチコン:1950年 関西二井製作所設立、1956年 アルミ電解コンデンサ製造開始
NECトーキン:1938年 東北金属工業設立、1988年トーキンに改称、2002年NEC・電子部品事業と統合、改称
Vishay Polytec:米のVishay Intertechnology 日立コンデンサ(その後 日立AICと改称)の三春工場のタンタル・ニオブコンデンサ事業を取得
松尾電機:1949年設立

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コンデンサー業界は日本、韓国、米国、中国でカルテルの調査を受けている。

中国の国家発展改革委員会(NDRC) は2014年、他国の競争当局に先がけてコンデンサーの価格カルテルの調査を開始した。

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日本の公正取引委員会は2014年6月24日、「アルミ電解コンデンサー」や「タンタルコンデンサー」などの販売を巡り価格カルテルを結んでいた疑いが強まったなどとして、メーカー10社程度に立ち入り調査を行った。

対象となったのは、日本ケミコン、パナソニック、日立化成、NECトーキン、ニチコン、ルビコン、エルナー、松尾電機など。

付記

公正取引委員会は12月24日、コンデンサー7社の独禁法違反を認定し、うち5社に計約67億円の課徴金の納付を命じる方針を固めた。
各社の反論を聞いたうえで、正式な処分を出す。

アルミ電解コンデンサーでは、日本ケミコン、ルビコン(長野)、ニチコン(京都)などの4社は2010年2月〜2011年11月、円高で輸出による利益確保が難しくなったため、そろって価格を引き上げた。

タンタル電解コンデンサーでも、ニチコン、NECトーキン(宮城)、松尾電機(大阪)などの4社が2010年6月〜2011年10月、原材料費の高騰を理由に価格を引き上げた。

 

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米当局も現在、キャパシタ(電解コンデンサー)業界のカルテルの調査を行っている。

司法省は2015年9月2日、NEC TOKIN が罪を認め、1380万ドルの罰金を支払うと発表した。
合わせて、同社は今後の調査への協力を約束しており、今後、広がる可能性がある。

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韓国の公正取引委員会は、本年秋に、日本のコンデンサーメーカー8社が最大4兆ウォン(約4100億円)台の価格カルテルを結んでいた疑いで調査に入った。

調査対象はパナソニック、ニチコン、日本ケミコン、日立化成、NECトーキンなどの8社。

2015/10/3 韓国公取委、日本のコンデンサーメーカーの価格カルテル調査  

 


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