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これは下記のブログを月ごとにまとめたものです。

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2017/2/2  「トランプの公約」の現状−1 

Ronald Trump は2016年10月下旬に、大統領に選ばれた場合の公約 "Donald Trump's Contract With The American Voter" を発表している。

「アメリカを再び偉大にする」ための100日間のアクションプランである。

2016/11/11 トランプの公約

Trump大統領は、1月20日の就任時に早速、エネルギー計画、America First の外交、雇用と成長、軍の再建、治安、通商政策の6項目の政策方針を発表した。

また、同日、オバマケアの撤廃に向け、各省庁に現行制度による経済的負担を軽減するよう指示 する最初の大統領令を発表した。

トランプ新政権の最初の政策方針

その後、次々に大統領令(Executive Orders、Presidential Memoranda)を発表し、コメントなどを含めると、1月中の11日間で大半を実行した。
当然、大統領に決まってから準備を進めたと思われるが、まさかと思ったことまで実行したのには驚く。

もっとも、すべてが実行できる訳ではなく、議会で法案として成立したり、議会が予算を認めたりする必要があるものもあり、また裁判所が執行を認めないものも出る可能性がある。

ーーー

 「アメリカを再び偉大にする」ための100日間のアクションプラン と、大統領の対応は次の通り。

1.大統領就任の1日目に、Washington, DCの不正と特定利益の共謀をクリーンアップするため次ぎの6項目を実施する。

 1)  上下両院議員の再任を制限する憲法改正を提案  未実施

 2) 連邦職員削減のための雇用凍結(military, public safety, and public healthは除く)

Presidential Memorandum on January 23, 2017
 
Presidential Memorandum Regarding the Hiring Freeze

 3) 連邦規則1つの新設の場合には既存の2つの規則をなくす。

Executive Order on January 30, 2017
 Presidential Executive Order on Reducing Regulation and Controlling Regulatory Costs

    付記 規制改革
  
Executive Order on February 24, 2017
            Presidential Executive Order on Enforcing the Regulatory Reform Agenda

     4) White Houseと議会の職員が退職後5年間はロビイストになることを禁止
  5) White House職員が外国政府のロビイストになることを永久禁止

4) 5)については採用時に誓約書を提出させる。

Executive Order on January 28, 2017
 Executive Order: ETHICS COMMITMENTS BY EXECUTIVE BRANCH APPOINTEES

 6) 外国のロビイストが米国の選挙のために資金を集めることを完全禁止  未実施 

2.大統領就任の1日目に、米国の労働者保護のため、7つのアクションを行う。

 1) 米・加・メキシコの北米自由貿易協定(NAFTA) の再交渉又は撤退の意思を発表

1月22日    大統領、メキシコ、カナダとそれぞれ開く首脳会談で北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉を始めると表明。


付記

トランプ大統領は2月13日、カナダのトルドー首相と会談し、NAFTA再交渉に向けたトップ外交が始動した。大統領は終了後の記者会見でカナダとの関係の見直しは「微調整」にとどめ、メキシコを標的にする考えを改めて強調した。

 2) TPPからの撤退を宣言

Presidential Memorandum on January 23, 2017
 
Presidential Memorandum Regarding Withdrawal of the United States from the Trans-Pacific Partnership Negotiations and Agreement

  ・TPPから永久に離脱する。(再交渉の可能性も明確に否定)
  ・米国の産業を振興し、労働者を保護し、賃金を上昇させる 2国間貿易交渉を始める。

TPPの発効には、2013年の参加12カ国の名目GDPの85%以上の6か国の批准が必要。
15%以上の日米両国の批准は必須なため、米国が離脱することで、
TPP発効は不可能に

米通商代表部(USTR)は1月30日、TPPからの離脱を参加各国に書簡で正式に伝達した。

 3) 財務長官に命じ、中国を為替操作国に指定  

これ自体は未実施だが、大統領は何度も「中国の為替操作」を非難している。

1月31日の製薬業界との会談では、中国と日本をやり玉に挙げた。「他国は通貨切り下げに依存している。中国がなにをやっているか、日本が何年も何をやってきたか。彼らは為替市場に介入し、通貨の切り下げをしているが、我々はぼーっとしているだけだ」

  4) 商務長官と通商代表に命じ、米国の労働者に不当な影響を与える全ての外国の貿易阻害行為を明らかにし、それらを直ちにやめさせるよう、あらゆる手段を使う。

未実施だが、上記の「為替操作」非難が今後、影響を与える可能性あり。

なお、Ford MotorのCEOは1月24日の大統領との会談で、「すべての貿易障壁の根源は為替操作にあると繰り返し伝え」、ドル高の是正を要請した。

  5) シェール、原油、天然ガス、クリーンな石炭など50兆ドルものエネルギーの開発への制限を取り除く。

Executive Order on January 24, 2017    インフラ計画への制限の排除
 Executive Order Expediting Environmental Reviews and Approvals For High Priority Infrastructure Projects

 
Presidential Memorandum on January 24, 2017  製造業への制限の排除
 Presidential Memorandum Streamlining Permitting and Reducing Regulatory Burdens for Domestic Manufacturin

付記

大統領は2月14日、エネルギー開発企業が各国政府に支払った金額を開示するよう求めた規制の廃止に向けた議会の決議に署名した。

米証券取引委員会が上場企業に対して資金使途の透明性を高める目的で導入を決め、Dodd-Frank法に含まれていた。

大統領スピーチ “ This is a big signing, a very important signing.   It's a big deal.”

付記

大統領は2月16日、炭鉱の廃棄物から水源を保護する Office of Surface Mining の規則を廃止する法案に署名した。

“Trump signs bill undoing Obama coal mining rule”

付記

米上院本会議は2月17日、EPA長官に指名されたScott Pruitt 氏を、52対46の賛成多数で承認した。
同氏は地球温暖化懐疑派として知られ、EPAに対しCO2排出規制の撤廃などを求めて訴訟を10回以上起こしている。

  6) Obama-Clinton が停めた Keystone Pipelineなどのエネルギー関係のインフラ計画を進める。

オバマ大統領が却下したKeystone XL  pipelineの建設指示
アメリカ陸軍省が2016年12月4日に認可しないと発表した Dakota Access pipelineの建設指示

Presidential Memorandum on January 24, 2017
 Presidential Memorandum Regarding Construction of the Keystone XL Pipeline
 
Presidential Memorandum on January 24, 2017
 Presidential Memorandum Regarding Construction of the Dakota Access Pipeline

これらのパイプライン計画には米国の鉄の使用

Presidential Memorandum on January 24, 2017
 Presidential Memorandum Regarding Construction of American Pipeline

Twitter:

 “Signing orders to move forward with the construction of the Keystone XL and Dakota Access pipelines in the Oval Office.”

2017/1/26   Trump大統領、原油パイプライン建設へ大統領令

 7) 国連の気候変動計画への数十億ドルの支払を取り止め、その資金を米国の水と環境のインフラの補強に使用する。 未実施(付記を参照)

付記 

Trump 大統領は3月28日、Obama 前政権の地球温暖化対策を全面的に見直す大統領令に署名した。

Executive Order Presidential Executive Order on Promoting Energy Independence and Economic Growth

「私の政権は石炭との戦争を終わらせる」と述べ、温暖化関連の規制を180日以内に見直すよう指示した。

 

付記

Trump大統領は6月1日、地球温暖化対策の国際枠組み「パリ協定」から米国が離脱すると正式表明した。パリ協定が「米国にとって不利益になっている」と語り、米経済の重荷になっていることを離脱の理由に挙げた。

加えて「(米国にとって)公平な条約が必要」と述べ、新たな環境対策の合意に向け交渉を始める意向も明らかにした。

先進国が総額103億ドルを資金支援する国連「緑の気候基金」(Green Climate Fund)への約束分30億ドルのうちの残り20億ドルの拠出も停止する。

付記

米政府は8月4日、「パリ協定」の離脱方針を国連気候変動枠組み条約事務局に正式に通知した。
米国務省は声明で「米産業や労働者、国民、納税者にとって好ましいとみなせば、トランプ氏はパリ協定に再加盟する意思がある」と含みを持たせた。

パリ協定の規定によると、離脱が可能になるのは発効日から4年後の2020年11月4日。前日の3日に次期米大統領選があるため、実際にパリ協定から離脱するかどうかは次期大統領が決めることになる。


(続く)
 


2017/2/2 「トランプの公約」の現状−2  

3.同じく 1日目に、安全保障と憲法のルールを取り戻すための5つの行動を取る。

 1) オバマ大統領が決めた全ての憲法に反する指令等を廃止する。 未実施

 2) 亡くなった最高裁 Scalia 判事の後任を選ぶ手続きの開始

1月31日、連邦最高裁判事に保守的な信条で知られる Neil Gorsuch 連邦控訴裁判事を指名すると発表した。上院の承認が必要。

これで、リベラル派4人、保守派4人、保守寄りの中間派1人となる。

Twitter:
 “Hope you like my nomination of Judge Neil Gorsuch for the United States Supreme Court. He is a good and brilliant man, respected by all”

 3) Sanctuary City(聖域都市:不法移民者が生活し働くことができる)への全ての国家資金使用の禁止

Executive Order on January 25, 2017
 Executive Order: Enhancing Public Safety in the Interior of the United States

これを受け、Miami-Dade市長が「サンクチュアリシティー」政策をやめる意向を表明。

Twitter:
 ”Miami-Dade Mayor drops sanctuary policy. Right decision. Strong!”

 4) 200万人以上の不法移民犯罪者の米国からの追放を開始、彼らを引き取らない国へのビザをキャンセル 未実施

付記

米国土安全保障省は2月21日、メキシコなどからの不法移民の取り締まり強化に関する指針を発表した。すでに米国に居住する不法移民の強制送還対象の拡大や国外退去手続きの迅速化、国境警備員の増員などを関係機関に指示している。
全米には推定で1100万人の不法移民がいるが、軽犯罪も対象としたことで送還される不法移民は大幅に増えるのは確実。

積極的に送還する対象を軽微な犯罪歴がある者や、法に触れた疑いがある者などに拡大するとしており、軽犯罪の対象は交通違反や万引きなども含まれるとみられる。

不法移民の取り締まりにあたる職員を1万人、国境警備員も5千人増員する計画で、国境近くの州では地元の警察にも摘発への協力を要請する。

また米国内の滞在期間が2年未満の不法移民については、移民裁判所での審理を経ず即時に強制送還できるようにした。

子供の時に親に連れられて不法入国し、オバマ前政権が大統領令で一時的な合法滞在資格を認めた「ドリーマー」と呼ばれる若者に関しては、今回の指針で言及していない。

 

 5) 身元調査ができないテロの温床地域からの移民を中断。

Executive Order on January 27, 2017
 Executive Order: Protecting the Nation from Foreign Terrorist Entry into the United States

・移民国籍法 217(a)(12) と連邦法1187(a)(12)で規定した国(イラン、イラク、シリア、イエメン、リビア、スーダン、ソマリアの7か国へのビザ発給を90日間停止
・シリア難民受け入れを無期限停止、他国の難民受け入れも120日間停止
・全体の難民受け入れを年5万人に半減

Twitter:
 
“Our country needs strong borders and extreme vetting (身元調査), NOW.   Look what is happening all over Europe and, indeed, the world - a horrible mess!”

これには米国内、米国外から非難が殺到した。
カリフォルニアやニューヨークなど全米15州とワシントン D.C. の司法長官が1月29日、共同声明を発表し、大統領が大統領令で命じた難民や移民の入国制限を「違憲だ」と非難するとともに、米国の安全保障や価値を守るために闘うと宣言した。

司法長官代理は1月30日、「大統領令を弁護することがこの責務を果たせるとの確信も、大統領令が合法という確信もない」との書簡を同省に通知し、「私が司法長官代理である限り、司法省は大統領令を弁護しない」とも強調した。
大統領は即日、司法長官代理を解任した。

付記 1月28日の豪首相との電話で、首相がオバマ政権が約束した難民引き受けを確認したところ、怒って電話を切る。

 Twitter:

   “Do you believe it? The Obama Administration agreed to take thousands of illegal immigrants from Australia. Why? I will study this dumb deal!”

付記 

米西部ワシントン州シアトルの連邦地裁のJames L. Robart 判事は2月3日、「大統領令が雇用や教育、企業活動などに取り返しのつかない損害を生じさせている」として、一時差し止めを命じる仮処分の決定を出した。

サンフランシスコの連邦控訴裁判所は2月9日、7カ国からの入国を一時禁止する大統領令について、3人の判事の全員一致で、即時停止を命じた連邦地裁の仮処分を支持する判断を示した。

2017/2/5 米連邦地裁、移民の入国一時禁止の大統領令の即時差し止め仮処分 


4. 以下の法案を提案し、政権の最初の100日で議会を通すよう戦う。

 1)    中間クラスの減税、税簡素化:これにより4%の成長率と25百万の雇用を創生    法人税率は35%を15%に引き下げ 未実施

 2) Offshoring Act(事業の海外移転法)を廃止、米企業が海外移転のために国内の従業員をリストラする場合には彼等の対米輸出製品に関税を課す。未実施

 3) American Energy & Infrastructure Act.  今後10年間で1兆ドルのインフラ投資を呼び込むために、民間のパートナーシップと民間投資を促す。未実施

 4) School Choice And Education Opportunity Act. 子供たちを希望通りの学校に通わせることができる権利を両親に与える。未実施

 5) Obamacare Actの廃止。各州に医療資金を管理させる。

最初の大統領令:オバマケアの撤廃に向け、各省庁に現行制度による経済的負担を軽減するよう指示

Executive Order on January 20, 2017
 Executive Order Minimizing the Economic Burden of the Patient Protection and Affordable Care Act Pending Repeal

 6) Affordable Childcare and Eldercare Act。育児と老人介護の費用の控除を認める。

 7) 不法移民を排除するために南部国境沿いにメキシコ政府の費用で壁を建設する。

Executive Order on January 25, 2017
 Executive Order: Border Security and Immigration Enforcement Improvements

前日の Twitter:
   “Big day planned on NATIONAL SECURITY tomorrow. Among many other things, we will build the wall!

「南部の国境を守るために、即座に物理的な壁を建設する」と命じ、「不法移民、麻薬、人身売買、テロ行為を防ぐために、適切な人員が支援する」とした。

Twitter:
 “The U.S. has a 60 billion dollar trade deficit with Mexico. It has been a one-sided deal from the beginning of NAFTA with massive numbers
of jobs and companies lost.
  If Mexico is unwilling to pay for the badly needed wall, then it would be better to cancel the upcoming meeting.”

これを受け、メキシコ大統領が訪米を取りやめ。

Twitter:
 “Mexico has taken advantage of the U.S. for long enough. Massive trade deficits & little help on the very weak border must change, NOW!”

その後、両大統領が電話会談を行い、壁問題は分からなくなった。

 8) Community Safety Actの復活。犯罪、麻薬、暴力事件を減少  未実施

付記 犯罪対策で4つの大統領令を出した。

Executive Order on February 09, 2017 
 
Providing an Order of Succession Within the Department of Justice

 9) National Security Act の復活。米軍の再建

Presidential Memorandum on January 27, 2017
  Presidential Memorandum on Rebuilding the U.S. Armed Forces

 10) Washington DC(米政界)の腐敗を浄化 未実施

 

「公約」分以外でも大統領令を出した。

 1) 政府組織

Presidential Memorandum on January 28, 2017
 Presidential Memorandum Organization of the National Security Council and the Homeland Security Council

 2) イスラム国打倒

Presidential Memorandum on January 28, 2017
 Presidential Memorandum Plan to Defeat the Islamic State of Iraq and Syria

 3) 海外で人工妊娠中絶や中絶教育の支援をする非政府組織(NGO)に対して、米国の連邦助成金を用いることを禁止

Presidential Memorandum on January 23, 2017
 Presidential Memorandum Regarding the Mexico City Policy

Mexico City Policyとは、米国の資金を受け取っている外国のNGOに対し、自己資金であっても、人工妊娠中絶に関する情報・サービス・ケアを提供したり、中絶について議論したり、安全でない中絶を批判したり、自国政府の要請を受けてこれらの問題に取り組むことを禁止する政策(1984年、国際人口会議で発表)

通称「Global Gag Rule(口封じの世界ルール)」と呼ばれる。今回、大統領はこれを復活させる。

 

付記

2月2日、2月を「心臓月間」と命名、心血管疾患対策を進めようと。

Proclamation on February 02, 2017 
      President Donald J. Trump Proclaims February as American Heart Month

 

2月3日、金融規制対策

金融規制改革法(ドッド・フランク法)の見直しに関する大統領令に署名した。

 Executive Order Presidential Executive Order on Core Principles for Regulating the United States Financial System

合わせて、オバマ前政権が導入した「受託者規則」と呼ばれるルールの見直しを指示する大統領令を出した。

 Presidential Memorandum  Presidential Memorandum on Fiduciary Duty Rule

2017/2/7 Trump大統領、金融規制改革法の見直しに関する大統領令に署名

 


 

2017/2/3 日立製作所、ウラン濃縮技術開発から撤退 

日立製作所は2月1日、原発の燃料として使うウランを濃縮する新技術を米国で開発している事業から撤退し、2017年3月期の連結決算で約700億円の損失を計上する方針を明らかにした。
将来の需要増加を見込んでいたが、原発をめぐる事業環境は厳しく、想定通りの収益を見込めないと判断したもの。

売却することも選択肢で、3月末までに決定する見込み。

日立と米国のGEは原発事業で提携し、日米にJVを持っている。

半世紀にわたる原子力事業での豊富な実績を持つ両社の技術と経験を受け継ぎ、信頼性の高いモノづくりを進めながら、環境に配慮した原子力事業の発展に取り組んでいくとしている。

2010年6月9日発表の 「2012 中期経営計画」の実現に向けた7事業の戦略について で、ウランからの一貫体制をうたっている。

・ ウランについては、カナダ・サスカチュワン州に本社を置く、世界最大手のウラン鉱山会社のCameco Corp.と提携し、ウラン資源を確保
・ GE Hitachi Nuclear Energy子会社のGE Hitachi Global Laser Enrichment でウランを濃縮
・ 同じく子会社のGlobal Nuclear Fuel  で核燃料に成形する。

 

GE Hitachi Nuclear Energy Global Laser Enrichment は2012年9月に、NRCからNew Carolina州にレーザー法濃縮設備の建設認可を受けている。

今回、Global Laser Enrichment の事業から撤退する。原発の建設や稼働が世界的に滞る中、事業の見通しは厳しくなっており、経営資源を他の事業にまわす。

東芝では撤退の理由について、「まだ実用化されていない技術で、今後の事業性を考えた」と述べた。

ーーー

なお、核燃料成形のGlobal Nuclear Fuel は、日本にも子会社を持つ。

この前身は日本ニユクリア・フユエルで、GE、東芝、日立製作所出資の原子力発電用燃料製造会社として、1967年に久里浜で操業を開始した。
1971年に国産初の燃料を供給して以来、燃料メーカーのパイオニアとしてこれまでに8万体を超える燃料を国内各地の原子力発電所に納入している。

2000年1月1日には出資3社から営業・設計・開発部門が移管され、新たにGlobal Nuclear Fuel Japan としてスタートし、燃料のみならず炉心管理技術他関連サービス、またMOX燃料の設計・品質管理も行っている。

 


2017/2/4 Shell、英領北海とタイの石油鉱区を最大47億ドルで売却  

Shell は1月31日、英国とタイで最大47億ドルの資産を売却すると発表した。Shellは2016〜18年に300億ドルの売却を計画しており、その一環。

2016年2月の英BGグループの買収で悪化した財務体質の改善を急ぐ。2016年9月末の同社の負債は約980億ドルとなり、BG買収に伴って1年間で400億ドル近くも膨らんでいる。

2015/4/13 Shellが英BG Groupの買収で合意

英領北海では、計10鉱区の権益を英独立系のChrysaorに一時払い 30億ドルで売却する。
原油価格次第で最高6億ドルの追加支払いを受ける。(2018〜2019年でバレル当たり60ドル以上で、2020〜2021年で70ドル以上)
また、新たな埋蔵量の発見があれば更に追加で1.8億ドルの支払いを受ける。

これにより最大で37.8億ドルとなる可能性がある。

逆に、2018年〜2021年の原油価格が$47.50 - $52.50 のレンジ以下に下がった場合、25百万ドルの支払いを行う。

売却対象の鉱区と売却持ち分は次の通り。

Buzzard (21.73%)、Beryl (39.4%)、Bressay (18.4%)、Elgin-Franklin (14.1%)、J-Block (30.5%)、
the Greater Armada cluster excluding Gaulpe (76.4%:Operator)、Everest (100%:Operator)、Lomond (100%:Operator)、
Erskine (32%)、Schiehallion (10%)

上記のうち、Schiehallionについては、45%の持ち分を引き続き所有するが、他は持ち分すべての売却となる。

売却する鉱区の原油・天然ガス生産量(権益相当分)は日量115千バレルとシェルの英領北海全体の5割強、全世界の4%を占める。

売却後もShellは北海で、Schiehallion 鉱区の残り持ち分(45%)や間もなく稼働するClair Ridge プロジェクトなどで、的をしぼった、強化された存在を維持する。

なお、Shellは Chrysaor に対し、売買代金を融資する。

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一方、タイでは同国沖合の鉱区の権益をクウェート石油公社の傘下企業のKUFPEC Thailand に9億ドルで売却する。

売却するのは子会社のShell Integrated Gas Thailand とThai Energy で、両社はBongkot 油田と隣接の鉱区の22.222%の持ち分を持つ。
(残りの44.445%をPTT Exploration & Productionが、33.333%をTotal が保有する。)

 

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Shellは昨年来、資産の売却を続けている。

2016年8月9日、メキシコ湾のGulf of Mexico Green Canyon Blocks のBrutus/Glider鉱区(日量25千バレル)の権益すべてを EnVen Energy Corporationに425百万ドルで売却する契約を締結。

2016年10月20日、カナダ西部(Gundy area of Northeast British ColumbiaとDeep Basin area of West Central Alberta)のノンコアの石油・ガス資産(206千エーカー)を10.37百万ドルでTourmaline Oil Corp.に売却する契約を締結。

2016年12月23日、Vivo Energyの持ち分20%をVitol Africa B.V.に250百万ドルで売却する契約を締結。

Shellは2011年2月に、Shellのアフリカ14か国の石油製品販売事業の80%をVitol and Helios Investment Partners に10億ドルで売却した。

今回、残りの20%を売却する。

2017年1月22日、SABIC とのJV SADAF の持ち分(50%) をSABIC に820百万ドルで売却する契約を締結。

2017年1月22日 Shell、サウジのSABIC とのJV持ち分をSABIC に売却 


2017/2/5 米連邦地裁、移民の入国一時禁止の大統領令の即時差し止め仮処分 

Trump大統領は1月27日、移民の入国を一時禁止する大統領令を出した。

 Executive Order
on January 27, 2017
   Executive Order: Protecting the Nation from Foreign Terrorist Entry into the United States

・移民国籍法 217(a)(12) と連邦法1187(a)(12)で規定した国(イラン、イラク、シリア、イエメン、リビア、スーダン、ソマリアの7か国へのビザ発給を90日間停止
・シリア難民受け入れを無期限停止、他国の難民受け入れも120日間停止
・全体の難民受け入れを年5万人に半減

これに対し、ワシントン州は1月30日、この大統領令は「人種や宗教による差別を助長し、違憲だ」として州政府としては初めて、大統領令の緊急停止を求めて連邦地裁に提訴した。

 

米西部ワシントン州シアトルの連邦地裁のJames L. Robart 判事は2月3日、「大統領令が雇用や教育、企業活動などに取り返しのつかない損害を生じさせている」として、一時差し止めを命じる仮処分の決定を出した。 判事は2003年12月に George W. Bush 大統領に任命された。

命令は全米に適用され、即時効力が及ぶ。

政府側は、一時停止命令は当該州に限定されるべきだと主張したのに対し、判事は、帰化についての統一ルール、移民法は一様に(uniformly)に施行するとの議会の指示があるとの理由で却下した。

審理の席で、判事は司法省の弁護士に、「大統領令にある7か国からの外国人が9/11以降に米国でテロ計画で逮捕されたことがあるか」、と質問、弁護士が「知らない」と答えると、「答えはノーだ。国はこれらの国から来る人々から米国を守る必要があるというが、それを立証できない」と述べた。

連邦地裁の差し止め命令を受け、米国務省は2月4日、声明を出し、約6万人に上る7カ国出身者のビザ取り消しを撤回し、有効なビザを所持していれば入国を認めるとの認識を示した。

航空各社は米当局からの通知を受け、入国禁止となっていた乗客の搭乗を再開した。

Trump大統領はこの決定に不満のTwitterを連発した。

“When a country is no longer able to say who can, and who cannot , come in & out, especially for reasons of safety & security - big trouble!”
     国が、安全と保安のために、出入国を管理できないなら、大問題だ。

“The opinion of this so-called judge, which essentially takes law-enforcement away from our country, is ridiculous and will be overturned!”
 米国から法の執行を取り上げるような「いわゆる」判事の意見は、ばかげており、ひっくり返す。

“What is our country coming to when a judge can halt a Homeland Security travel ban and anyone, even with bad intentions, can come into U.S.?”
 判事が入国禁止令を取り消し、悪意のあるものさえ入ってくるなら、この国はどうなる?

“Because the ban was lifted by a judge, many very bad and dangerous people may be pouring into our country. A terrible decision”
 判事が禁止令を取り消したため、悪い奴、危険な奴が入り込む。恐ろしい判決だ。

 

司法省は2月4日午後、上級審の控訴裁判所に決定の取り消しを申し立てることを通告した。正式な申し立ては理由書などとともに改めて提出する。

付記 

司法省は2月5日早朝、Ninth Circuit Court に連邦地方裁判所の仮処分の決定の効力を直ちに停止するよう求めた。しかし裁判所はこれを却下した。

 原告のワシントン州などに上訴への反論を、政府側にはこの反論に対する答弁資料を提出するよう指示した。

控訴裁の却下後のtwitter。

“Just cannot believe a judge would put our country in such peril. If something happens blame him and court system. People pouring in. Bad!”
  裁判所が我が国をこんなに危なくするなんて信じられない。なにか起こると、裁判所の責任だ。どんどん入ってくる。ひどい。

“I have instructed Homeland Security to check people coming into our country VERY CAREFULLY. The courts are making the job very difficult!”
  入国する奴らを非常に注意深くチェックするよう指示した。裁判所のために仕事が非常に難しくなる。

付記

サンフランシスコの連邦控訴裁判所は2月9日、7カ国からの入国を一時禁止する大統領令について、3人の判事の全員一致で、即時停止を命じた連邦地裁の仮処分を支持する判断を示した。

控訴裁は▽主張の説得力▽差し止めを維持した場合と取り消した場合の損害の有無▽主張の公益性−−を検討、
「差し止めが維持された場合に取り返しのつかない損害を生むということを、政権は示せなかった」と指摘した。

政権がテロリストの入国阻止を大統領令の理由に挙げてきた点については「政権側は7カ国の出身者が米国でテロを起こした証拠を示していない」と主張を退け、「国家の安全は重要だが、人々の旅行の自由や家族の分離の回避、差別からの解放という公益性より重要とまでは言えない」とした。

判決全文 https://www.nytimes.com/interactive/2017/02/09/us/document-Ninth-Circuit-s-Decision-on-Trump-s-Travel-Ban.html

これに対する大統領のtwitter
    “See you in court.  The security of our nation is at stake !”
      最高裁で会おう。我が国の安全は危機に瀕している!

 


2017/2/6 三菱重工、仏原子力大手Arevaの新会社に出資 

三菱重工業は2月3日、フランスの総合原子力メーカーであるArevaグループが設立する新会社に5%(250百万ユーロ)を出資することで大筋合意したと発表した。
日本原燃も5%出資する。

出資するのは、Arevaがウランの採掘、濃縮、転換や使用済み燃料の再処理を中核とする燃料サイクル事業を分社して新たに設立する会社 (仮称:NewCo)。

なお、三菱重工は仏電力公社が引き受けるArevaの原子力部門(Areva NP)への出資も検討している。

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2001年に発足したArevaはウランの採掘から原子炉の製造、核燃料の再処理まで、原発に関わる一連の分野を手掛ける総合原子力メーカーで、フランス政府が過半を出資する。

フランスの原子力政策はフランス原子力庁 (CEA) が主導し、 民間企業のFramatomeが原子炉プラントの製造を、CEA子会社のCogemaが核燃料製造を担当する分業体制であった。
2001年にFramatome はプラント需要低迷に危機を迎えていたドイツ Siemensの原子力部門を買収し、 更にCogema と統合し、Areva となった。

Framatomeと Siemensは1989年から欧州加圧水型原子炉(EPR)の開発で協力していた。

福島第一原発の事故で、欧州の一部の国が脱原発を決めたほか、日本の原発の再稼働が遅れてビジネス機会が減少、更にフィンランドの新型原発の建設で費用が膨らみ、2015年12月期まで5期連続の最終赤字を計上した。2014年には48億ユーロの赤字、2015年には20億ユーロの赤字となった。

フィンランドのオルキルオト原発3号機 はArevaが建設する160万kwの欧州加圧水型原子炉(EPR)で、2005年8月に建設が始まった。当初は2009年に開業予定であったが、 まだ完成していない。
EPRの特徴である二重封じ込め構造の構築にも時間を要しているとされる。

コストは41億ドルの予想が72億ドルに上昇、契約価格は固定されているので、費用の増加分は同社の利益を圧迫する。

Arevaの救済のため、フランス政府は抜本的な同社の構造改革を決めた。2017年に実行される。

仏電力公社(EDF)が原子炉製造を担う子会社 Areva NPの過半数を握る大株主になる。

但し、フィンランドのオルキルオト原発3号機については、Areva SA に残し、政府が責任をもって完成させる。

政府はAreva本体に資本注入して再建を支援する。

Arevaは2017年2月3日の株主総会で50億ユーロの増資を発表した。政府が45億ユーロ、三菱重工と日本原燃が合わせて5億ユーロ出資する。

燃料再処理部門を分社する(仮称 Newco)。 三菱重工と日本原燃はこれへの出資となる。

 

 

NewCoへの出資は中国の原発大手の中国核工業集団(CNNC)も交渉をしていたが破談になった。日本側より多い出資や取締役派遣を求め、フランス側が断ったとされる。安全保障の観点から米国や日本政府が強い懸念を伝えたともいわれる。

しかし、ArevaやEDFには中国の参加を求める声が強い。
今後の原発新設の大部分は中国であり、受注のために関係を良くしたい。またEDFの英国計画は中国との共同事業である。

英国のHinkley Point 原発計画には、中国広核集団(CGN) が33.5%を出資、残りをEDFが出資する。

EDFが英国のSizewell とBradwellで予定する新規原発建設計画にも中国が参画、後者については欧米で初めて中国製の原子炉を採用する。

 2015/10/28   中国、英国の原発に出資、中国製原発も導入  

このため、今後、中国が参加する可能性は強い。

ーーー

三菱重工は次のように述べている。

Arevaグループと原子力発電事業において長年の協力関係を有しており、1991年に燃料サイクル分野における合弁会社を設立して各種再処理関連機器を製造・販売しているほか、2007年にはArevaと当社の最新技術を融合した加圧水型(PWR)原子力発電プラントの開発に着手、電気出力110万キロワットの最新鋭PWRプラント「ATMEA1」を開発、トルコを始め世界各地での販売活動を展開しています。

当社はNewCoの事業拡大を通じたArevaグループの今後の成長戦略の実現を支援するとともに、従来以上の事業面・技術面での協力関係構築により、2015年10月に日仏両政府間において確認された両国政府および原子力産業界の連携強化にも重要な役割を果たし、原子力事業の世界的なバリューチェーンの強化を目指します。

一方、日本原燃は青森県六ケ所村の再処理工場の建設で、Arevaから全面的な技術協力を受けるなど両社の関係は深い。


日本側の出資には中国に対抗する意味もある。

しかし、各社が原発事業で莫大な赤字を計上し、撤退が続くなか、また、原発計画そのものが(中国やインドを除くと)取り止められるなか、新たに投資するリスクは大きい。
 


2017/2/7 Trump大統領、金融規制改革法の見直しに関する大統領令に署名 

Trump大統領は2月3日、金融規制改革法(ドッド・フランク法)の見直しに関する大統領令に署名した。

 Executive Order  Presidential Executive Order on Core Principles for Regulating the United States Financial System

大統領令では、 まず政権が米国の金融システムはこうあるべきだと考える基本原則(Core Principles)を列挙した。

(a) empower Americans to make independent financial decisions and informed choices in the marketplace, save for retirement, and build individual wealth;
  国民が財産管理で独自の決定、
情報に基づく選択ができること

(b) prevent taxpayer-funded bailouts;
  税金での救済策の禁止

(c) foster economic growth and vibrant financial markets through more rigorous regulatory impact analysis that addresses systemic risk and market failures, such as moral hazard and information asymmetry;
  システミックリスクや市場の失敗に対処する、より厳格な規制影響分析を通じて、経済成長と活力のある金融市場を育成

(d) enable American companies to be competitive with foreign firms in domestic and foreign markets;
  米企業が国内、海外で海外企業と競争しうること

(e) advance American interests in international financial regulatory negotiations and meetings;
  国際的な金融規制交渉で米国の利益を促進

(g) restore public accountability within Federal financial regulatory agencies and rationalize the Federal financial regulatory framework.
  金融監督機関の公的説明責任を回復し、金融規制フレームワークを合理化

そして財務長官に対し、 どの法律・規則が基本原則に沿っており、基本原則を推進するためどんな行動が取られているか、またどんな法律・規則が基本原則に沿っていないかについて120日以内に報告するよう求めている。

Trump氏は選挙期間中、ドッド・フランク法 (Dodd–Frank Wall Street Reform and Consumer Protection Act) の廃止を掲げており、公約の実現に向け一歩踏み出した。

2008年のLehman ショックを受け、オバマ前政権は2010年にドッド・フランク法を成立させた。
金融機関がリスクの高い取引に走って金融危機が起こったことから、金融機関への規制を強めた。

主な内容
・一部の大手金融機関を「金融システムで重要な金融機関(Systemically Important Financial Institutions)」に指定、厳しい監督下に置く
・銀行が自己資金でリスクの高い取引をおこなうことを禁じる(Volcker Rule)
・金融機関への特別検査(ストレステスト)の実施
・金融危機に事前に対処するための米金融安定化監督会議(
Financial Stability Oversight Council)の設立
・消費者・金融保護局(Consumer Financial Protection Bureau)を新設
 

金融業界からは、複雑な規制で膨大な作業が求められ、コストが増えるなどの不満がある。

米政府高官は、「ドッド・フランク法は政府の管理範囲を広げすぎた。一部は違憲のものもあるうえ、消費者保護につながらない新たな規制機関も生み出した」と批判し ている。

新政権には、Goldman Sachs などウォール街出身者が多く入って いる。

但し、同法の見直しは議会を通す必要があり、民主党の強い反発が予想される。

ーーー

大統領は2月3日、オバマ前政権が導入した「受託者規則」と呼ばれるルールの見直しを指示する大統領令を出した。

 Presidential Memorandum  Presidential Memorandum on Fiduciary Duty Rule

「受託者規則」は、金融機関が退職した個人の年金運用に助言する際、利用者保護を徹底することを求めるもので、2017年4月からの導入が決まっていた。

新ルール対応のコストや広告費などの負担が発生するほか、投資信託を勧めて手数料を得ると、条件次第では規制に背く可能性も指摘され、金融業界の反対が強かった。特にコスト圧力は中小の投資アドバイザーやブローカーを圧迫するとされる。

ホワイトハウス高官は、年金基金や投資会社の負担が重いとして「ルールは完全に過ちだ」と批判している。

大統領令では、政権のプライオリティとして、国民が財産管理で独自の決定をなしうることを挙げ、労働省に対して、「受託者規則」が国民が情報や助言を得るのに悪影響を与えるかどうかを調べ、もしそうなら、廃止または改正の案を発表することを求めている。

 



2017/2/8 LG Chem、カーボンナノチューブの本格量産 開始 

LG Chemは1月31日、約250億ウォン(約24億円)を投資して麗水工場に年産400トン規模の カーボンナノチューブ (CNT) 専用工場を構築して製品量産に入ったと明らかにした。

世界では中国のShenzhen SUSNの600トン、 中国系の米国企業 CNano Technologyの500トン、日本の昭和電工の500トンに次いで4位の生産能力 となる。

本年から電池用CNTの供給を始め、販売を徐々に増やし 、2018年末には工場を完全稼動させる。本年の生産量は100トンを計画している。

同社は2011年にCNTの技術開発に着手、2013年から20トン規模で試作を始めた。用途も含め250のパテントを取っているという。

今後、各種 IT 製品と電気自動車のリチウムイオンバッテリーの正極導電材での需要が増えるとみており、2019年の増設も検討している。

LG Chemでは2016年の世界の需要を824トンとみており、今後年率10%で伸び、2020年に1,335トンになるとみている。

北米、欧州、中国市場への進出を考えている。

 

ーーー

競合他社の状況は下記の通り。

1)Shenzhen SUSN Sinotech New Materials深圳市三顺中科新材料)

Shenzhen SUSN Fine Chemicals(深圳市三顺精细化工、3-エトキシプロピオン酸エチルのメーカー)の子会社で、2011年3月に設立された。中国科学院の技術サポートを受けている。

現在の能力は年産600トンとされる。

2) Cnano Technology(天奈公司

2007年にサンフランシスコ市に設立された。
経営者には中国系が多く、現在の社長・CEOはDr.
Tao Zheng。

工場は中国にある。
北京のCnano Technology (Beijing) Limited は2007年創業で、2009年にCNTの生産を開始した。当初の能力は年産200トンであったが、その後増設し、現在は年産500トン。

鎮江市のCnano (Zhenjiang) Technology Limited では導電性ペーストを生産している。年産能力は2,000トン。

3) 昭和電工

CNT 発見者の信州大学 遠藤守信教授の指導により1982年に開発を開始し、1996年には世界初となるカーボンナノチューブ量産設備を川崎事業所内に設置した。2007年には年産100トンに増強した。

その後、大分に工場を建設、2010年3月に年産400トンプラントを稼働させた。


2017/2/9  米貿易赤字 日本2位に 
 

米商務省は2月7日、2016年の貿易統計(通関ベース)を発表した。

米国のモノの貿易赤字は全体で7501億ドル(調整後のCensus basis.では7343億ドル)となった。

ドル高の影響で輸出が3.2%減少したが、資源安などの影響で輸入額が2.6%減った影響が大きい。
サービス収支は2478億ドルの大幅な黒字で、モノとサービスを合わせた収支は5023億ドルの赤字にとどまった。

  輸出 輸入 バランス
サービス 合計 サービス 合計 サービス 合計
2014 16,333 7,433 23,766 23,855 4,813 28,668 -7,522 2,620 -4,902
2015 15,103 7,509 22,612 22,729 4,887 27,615 -7,626 2,622 -5,004
2016 14,598 7,496 22,094 22,099 5,018 27,117 -7,501 2,478 -5,023

 

単位:億ドル
 
 

モノの貿易での対日赤字は689億ドルとなり、相手国別ではドイツを抜き、中国に次ぐ2位に浮上した。

単位:億ドル
相手国 2015年 2016年
輸出 輸入 バランス 順位 輸出 輸入 バランス 順位
中国 1,161 4,832 -3,672 1 1,158 4,628 -3,470 1
ドイツ 500 1,248 -749 2 494 1,142 -649 3
日本 624 1,314 -689 3 633 1,322 -689 2
メキシコ 2,357 2,964 -607 4 2,310 2,942 -632 4
合計 15,103 22,729 -7,626   14,598 22,099 -7,501  

これら4か国に対する米国の貿易赤字は全体の73%を占める。中国は全体の46%、日本は9%。

 

 

日本の場合は自動車関連が赤字の大半を占める。(689億ドルのうち、526億ドル)

日本メーカーは北米生産にシフトしているが、日本車の対米輸出は高級車が中心で、単価上昇が貿易赤字拡大の要因となった。

単位:億ドル
  輸出 輸入 バランス
乗用車 5 393 -388
トラック、バス、その他 0 7 -7
部品 16 147 -131
合計 21 547 -526

 

トランプ政権は日中独を通貨安誘導と批判しており、メキシコには北米自由貿易協定(NAFTA)を問題視している。

自動車についても、トヨタについて twitter でメキシコからの輸入を批判した。

トヨタの豊田社長は1月5日の経済3団体の新年祝賀パーティーで、メキシコ新工場について、「工場建設はひとたび決めた以上は雇用と地域への責任がある。現地に行く以上はそこで貢献したい。決断はしっかりやりながら、動き出してからは粘り強くやる」と述べ、現時点で見直す予定はないという考えを示した。

その直後に、Trump次期大統領は twitterでトヨタのメキシコを取り上げた。米国に工場をつくるか、それとも多額の国境税を払えとする。

"Toyota Motor said will build a new plant in Baja, Mexico, to build Corolla cars for U.S.
NO WAY!
Build plant in U.S. or pay big border tax."

これを受け、トヨタ自動車は1月9日、今後5年間で米国に100億ドル(約1兆1600億円)を投資すると発表した。デトロイトで同日開幕した北米国際自動車ショーの会場で、豊田章男社長が記者会見を開いて明らかにした。

豊田社長は米国で13万6000人を雇用し、過去60年間で220億ドルを投資したと説明した。100億ドルの新たな投資の使途に言及しなかった。雇用増についても触れていない。

Trump氏はトヨタの発表に対しては、何もつぶやいていない。雇用増を約束しなかったためではないかと言われている。

 


2017/2/10  インドネシアのニッケル、ボーキサイトの輸出承認、フィリッピンは多数のニッケル鉱山に閉鎖命令

インドネシアのエネルギー・鉱物資源省は1月12日、「ニッケルやボーキサイトの未加工鉱石について一定の条件を満たした場合に5年間の輸出を認める」と突然発表した。

インドネシアはニッケルの世界最大の産地だが、政府は付加価値の高い製錬業育成のため2014年から未加工鉱石を一律禁輸としていた。

今回、輸出再開で歳入増や雇用増を目指す方針に変えた。2月1日に施行される。

発表では、ニッケルとボーキサイトは、国内に設置した製錬所の能力の30%を利用すれば未加工鉱石の輸出を認める。国内で供給が需要を上回った際にも輸出を認める。但し、5年以内に自分の精錬所を建設する約束をすることを条件とした。

外資系企業に関しては10年以内に株式の51%を政府や国内企業に売却するなどの条件も付けた。

その後の説明内容は次の通り。

ニッケル鉱は平均で1〜3.5%を含有するが、低グレード品(含有量1.7% 以下)のみ輸出を認める。

精錬所の能力は現在、年1600万トン(うち低グレード品は1000万トン)。
全体の1600万トンの30%、480万トンの低グレード品を採掘者全体で国内精錬所に供給すれば、低グレード品を輸出できる。
この場合、2,3社が480万トンを供給さえすればよいこととなる。政府がサプライチェーンでの“traffic manager” として調整に当たる。

輸出できるのは、5年以内に精錬所を建設する約束をしたもののみ。

ボーキサイトについても、国内精錬所に30%の供給を義務付ける。
現在既に精錬所建設を進めているもののみに認める。少なくとも洗浄過程の建設を始めているものとし、最低含有量を42%としている。

政府は、6カ月ごとに建設の進展状況をチェックし、約束を果たさない場合はニッケルとボーキサイトの輸出ライセンスを取り消すとしている。

ーーー

 
インドネシア政府は2014年1月12日、国内での加工推進を目的とする未加工の鉱石の輸出禁止措置を導入した。

インドネシアで採掘された鉱石を国内で加工・精錬することを義務付ける「鉱物・石炭鉱業法」(2009年制定)に基づくもので、
加工製品の輸出増加を通じて、鉱物資源からの収益を長期的に拡大する狙いがある。

ただし、当局の間でも、未加工の鉱石の輸出禁止により、短期的には外貨収入が落ち込み、経常赤字が拡大し、通貨ルピーを圧迫する、大量の失業が発生するとの懸念があり、長時間の協議の末、加工・精錬を実施または計画している企業に2017年まで精鉱あるいは加工鉱石を輸出することを認めるという鉱物省の提案が採用された。2017年からは全ての企業が金属製品あるいは鉱石の精製品のみ輸出可能となる。

1) 加工・精錬を実施または計画している企業は2017年まで、銅、マンガン、鉛、亜鉛、鉄鉱石を輸出できる。
   
2) ニッケル鉱石とボーキサイトについては、国内に十分な数の製錬所があるため、輸出禁止措置
  (年間20億ドル以上の輸出が影響を受ける)
   
3) 石炭とスズの輸出は規制対象外
   

この当時、日本はニッケル鉱石の輸入 は、インドネシアが44%、フィリピンが32%、ニューカレドニアが24%であった。

2014/1/16 インドネシアが鉱石禁輸実施、直前に緩和

業界では当初、「すぐに撤回するだろう」との見立てもあったが、禁輸期間は長引いた。

フィリピンの環境規制の強化もあり、ニッケルは2016年に6年ぶりに世界で供給不足に陥った とされる。

今回の輸出解禁で、一部メディアは「世界のニッケル鉱石の供給力が14%上昇する」などと報じた。

但し、ニッケル価格は最大消費国の中国の景気減速などで低迷しており、インドネシアが輸出を再開すれば、国際価格をさらに押し下げる可能性がある とみられた。
(その後、下記のフィリッピンの鉱山閉鎖で、ニッケル価格は再度、上昇に転じた。)
 

また、低濃度のニッケル鉱石は精錬・加工にエネルギーが多く必要で、加工する中国などで公害悪化も懸念される。

銅、マンガン、鉛、亜鉛、鉄鉱石などの輸出は2017年まで認められていたが、国内での加工・精錬設備の建設は進んでいない。

今回、これらの輸出継続についてもいろいろな条件を付けている。

 

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フィリッピン政府は2月2日、公害対策のため、21のニッケル鉱山を含む23の鉱山の閉鎖を命じた。対象のニッケル鉱山は国全体のニッケル生産の約半分を占め、世界の供給の約10%を占めるとされる。
Nickel Asia Corpの鉱山も含まれる。

また、豪州のOceanagold Corpが運営するフィリッピン最大の金鉱山を含む5つの鉱山の停止も命じた。

環境天然資源相は、鉱山の損益より公共の福祉を優先すると述べた。大臣は、自ら視察して決めたとし、これらのうち15鉱山は水源地域にあると述べた。
Duterte大統領も同省の決定を支持している。

対象の鉱山は必要があれば訴訟の構えとしている。

Duterte大統領が2016年に大統領に選出された直後に、政府は鉱山が環境規制を無視しているのではないかとして全国調査を実施した。

その結果、フィリピン国内の鉱山の75%が環境基準に不適合と警告された。


2017/2/11 住友金属鉱山と住友商事、チリ銅鉱山開発で2年連続で減損損失計上 

住友金属鉱山と住友商事は2月7日、両社が参画するチリ共和国 Sierra Gorda銅鉱山開発プロジェクトで減損損失を計上すると発表した。

足元の操業実績や中・長期の銅価格の動向を踏まえて、長期事業計画の見直しを行った結果、保有する固定資産の回収可能価額まで減損損失を計上する。

両社は2016年3月期にも同じ理由で減損損失を計上している。

減損計上額は下記の通り。(億円)

合計
  2016/3月期 2017/3月期 合計
住友金属鉱山 689.41 799.26 1,488.67
住友商事 140.00 336.00 476.00
合計 829.41 1,135.26 1,964.67


両社は 70/30 のJVを通じて
Sierra Gorda銅鉱山の開発会社Sierra Gorda SCM に45% 出資している。

両社は2011年5月に、カナダの中堅鉱山会社Quadra FNX Mining Ltd.がチリ共和国に保有する大型銅-モリブデン鉱山案件であるSierra Gorda 銅鉱山開発プロジェクトに参画することで合意し、投資契約に調印した。

Quadra FNX Mining が100%保有していたが、両社で45%出資した。

2011年12月に世界第9位の銅開発会社であるポーランドのKGHM Polska Miedz S.A が33.4億ドルでQuadra FNX Miningを買収し、現在に至っている。

本プロジェクトは開発投資額29億ドルで、一部は国際協力銀行が中心のプロジェクトファイナンスで、残りを出資比率で出資・融資する。

平均年間生産量(含有金属量)は銅が22万トン、モリブデンが1万1千トン、金が2トンとされる。

 

両社の参加検討時点では、中国の経済成長を背景に銅価格が1トン当たり1万ドル程度と過去最高値を付けていた。

その後、価格は急落、現在やや持ち直しているが、両社の想定した価格には程遠い。

チリのカセロネス銅鉱山に関連し、JX金属は2016年3月期に約800億円の減損損失を計上、三井金属もは193億円の減損損失を計上した。


2017/2/13 三菱重工と日立、南アの火力発電プラント工事で争い

日立製作所は2月8日、南アフリカ共和国の火力発電プラントの工事で発生した損失負担を巡り、三菱重工業から約7,634億円の請求を受けたと発表した。
2016年3月に約3,790億円を求められていたが、請求額がほぼ倍に増えた。

付記

その後両社で協議してきたが、まとまらなかったとして三菱重工は7月31日、第三者に解決を委ねる仲裁の手続きを、日本商事仲裁協会に申し立てたと発表した。

支払いを求める金額は、精査した結果、さらに増え、7700億円余りになったとしている。

 

三菱重工業と日立製作所は2014年2月に両社の火力発電所のインフラ事業を統合し、三菱日立パワーシステムズを設立した。

東日本大震災の原発事故をきっかけとした原発の稼働停止により、この事業の主要顧客であった電力会社の経営が苦しくなったことのほか、大型のガスタービンの生産を得意とする三菱重工と中・小型のガスタービンの生産を得意とする日立がひとつになることで、コストを下げこの分野のライバル企業であるGEや Siemens と渡り合えるようにすることが上げられた。

出資比率は、三菱重工業 65%、日立製作所 35%

事業内容は、火力発電システム事業、地熱発電システム事業、環境装置事業、燃料電池事業、売電事業となっている。

問題となったのは、統合前に日立が受注した事業で、三菱日立パワーシステムズ(三菱が主体)が引き継いだ。

日立は2007年から2008年にかけて、南アフリカ共和国の電力会社であるEskom から、同社が建設するMedupi (メデュピ)発電所および Kusile (クシレ) 発電所向けに各6基、計12基の石炭火力発電プラント用ボイラー設備を総額約 5,700億円(当時は1ドル93円前後) で受注した。

1基あたりの発電出力は80万kWで、数カ月おきに順次ボイラー設備の据付を行う。
2012年にMedupi 発電所の初号機が運転を開始し、2016年ないしは2017年までに完了する予定であった。

既存の石炭火力発電プラントに比べ高い運転効率を実現、燃料消費を抑え、CO2の排出抑制と経済性の向上を図るとしていた。

本プロジェクトでは約6割を現地から調達、耐圧部や鉄骨を含む、ボイラーの主要な部品は南アフリカで製造され、1,400人以上の認定作業者を養成する。
また、現地の支援組織の協力のもと、技術的職業訓練を約300人に実施、これによって、発電所の建設が終了した後も、専門業務に就くことが可能になる。

しかし、1基目の運転開始が当初予定の2012年から2015年にずれ込むなど工期は大幅に遅れた。

この事業を三菱日立パワーシステムズが引き継ぐための契約では、

・効力発生日より前の事象に起因する偶発債務及び同日時点において既に発生済みの請求権については日立が責任を持ち、
・効力発生日以降の事業遂行については三菱日立パワーシステムズが責任を持つことを前提に、
・効力発生日時点に遡ったプロジェクト工程と収支見積の精緻化を行い、それに基づき最終譲渡価格を決定し、暫定価格との差額を調整する旨が合意されている。

この契約に基づき、三菱日立パワーシステムズは2016年3月に、日立に対し譲渡価格調整金等の一部として約3,790億円の支払いの請求を行った。
分割効力発生日時点において既に損失が見込まれたプロジェクトであり、受注条件などに問題があったとして、三菱日立パワーシステムズ発足後に発生した損失も日立が負担すべきだと主張した。

これに対し、日立は同年4月に、契約に基づく法的根拠に欠けるため請求に応じられない旨を回答した。

三菱日立パワーシステムズは2017年1月31日に、この譲渡価格調整金等の請求金額を約7,634億円に増額した請求を行った。

日立では、契約に基づく法的根拠に欠けるため請求に応じられないが、今後も協議を継続する意向としている。

ーーー

三菱重工業は逆に、カリフォルニア州でサンオノフレ原子力発電所をめぐり、66.67億米ドルの損害賠償の請求を受けている。

三菱重工が設計・製作した取替用蒸気発生器の欠陥についての三菱の責任を問うもので、この欠陥によって発電所は永久廃炉となり、損害が生じているとし、契約の保証義務違反等に基づき、損害賠償を求められたもの。

国際商業会議所の仲裁手続きが続いている。

2013/10/22 米国原発会社、三菱重工業の蒸気発生器の欠陥で仲裁申立て 


付記 3月14日、三菱重工の主張を取り入れた裁定

2017/3/14 三菱重工の米国サンオノフレ原子力発電所に係る仲裁の裁定


2017/2/14 韓国POSCO、リチウムを国内で生産 

韓国最大の製鉄会社POSCO(旧称 浦項総合製鉄)は2月7日、全羅南道の光陽製鉄所内に建設したリチウム生産工場の完成式典を行った。

現在のリチウム生産法は、塩水を自然蒸発させる方式で、抽出には12〜18ヵ月かかる。また、塩水に含有されたマグネシウムなどが不純物状態で残るため、再精製しなければならない。

これに対し、POSCOが同社傘下の浦項産業科学研究院(RIST)と共同で開発した「リチウム直接抽出技術」は、世界で初めて塩水に化学反応を起こしてリチウムを直接抽出するもの。

POSCOは2014年1月、カナダのリチウム会社Lithium Americas Corp. とCooperation Agreementを締結、Lithium Americas のアルゼンチン北部のJujuy州Cauchari 塩湖周辺に実証プラントを建設することとした。
2014年12月 にの年産200トン規模の実証プラントの完工式を行い、技術検証を開始した。

2014/12/27  韓国 POSCO、リチウム抽出技術の検証開始

今回、独自の技術開発に取り掛かってから7年 で、韓国で年間2,500トン規模の炭酸リチウムを生産する。これは、ノートパソコンのバッテリー 7,000万個を生産できる量という。

POSCOのリチウム抽出技術は、化学反応を通じて塩水からリン酸リチウムを抽出した後、炭酸リチウムに転換する工法で、 従来の自然蒸発式リチウム抽出法が平均12〜18ヶ月程度を要するのとは異なり、最短 8時間から最長1カ月以内に高純度のリチウムを抽出することができる。

リチウム回収率も、従来の工法は30〜40%に過ぎないが、POSCOは80%以上に引き上げた。リチウムの純度も99.9%以上に高めた。
また、どんな塩水でも処理でき、不純物の多いダーティな塩水でも処理できるのが特徴。従来法では邪魔になる含有マグネシウム、カルシウム、カリ、その他の回収、リサイクルが可能である。

従来法では必要な蒸発池が不要で、エコフレンドリーで、天候にも依存しない。

POSCOでは、「世界のバッテリー用炭酸リチウムの需要は2015年に66千トンと推定され、2025年には18万トン以上に増えるだろう 。光陽リチウム工場をはじめとして国内外に年4万トンの生産体制を構築し、グローバルなリチウム生産基地としての地位を確固たるものにする計画」としている。

POSCOでは今後、塩分含有量の高い塩湖を確保して、国内外炭酸リチウムの生産量を4万トンにまで拡大する。
 

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日本では2014年2月に日本原子力研究開発機構がリチウムの革新的な元素分離技術を確立したと発表している。

研究チームは、海水と薄い塩酸を用意し、その間に海水に溶けたリチウムだけを通すセラミックスを使った薄膜 (5センチ四方)と電極板を浸した。
海水側と塩酸側の電極板を導線でつなぐと導線に電流が流れ、30日間で 海水25リットルから約2mg の高純度リチウムを塩酸側に採取できた。
また、0.56ボルトの発電にも成功した。

従来の塩湖からの回収技術に比べ、短時間、省スペース、さらに、リチウム分離過程で電気等の外部エネルギー消費を要さない革新的技術であり、使用済リチウムイオン電池から回収されていないリチウムのリサイクルにも適応可能な技術で あるとしている。



2017/2/15     Dow とDuPont、合併承認を求め、事業売却を提案 

Dow とDuPontの合併については、EUの規制当局が慎重な姿勢を続けている。このため、両社は2月7日に更なる事業売却案を当局に提案した。

 

Dow Chemical と DuPontは2015年12月11日、対等で経営統合すると発表した。 それぞれの取締役会が満場一致で賛成した。

統合後の社名はDowDuPontで、統合後に無税スピンオフで Agriculture、Material Science、Specialty Products の3つの会社に分離し、それぞれ上場する。

2015/12/14   Dow と DuPont、経営統合を発表

EUの欧州委員会は2016年8月11日、Dow Chemical とDuPont の合併計画をめぐり、農薬 (Crop protection) や種子、特定の石油化学製品などの分野で市場の寡占を招く可能性があるとして、合併の是非を見極める 精密調査(in-depth probe)に着手したと発表した 。

両社は承認を得るため、2016年7月にある提案をしたが、EU当局は不十分であるとした。

調査期間は12月20日までとなっていたが、欧州委員会は9月初め、合併の詳細と、欧州の農業市場での競争への影響について、もっと資料が必要として調査を中断したが、10月3日、資料が得られたとし、調査を再開した。

2016/8/15 EU、Dow とDuPont の合併で調査開始


今回、Dowのスポークスマンは、DuPontのCrop protection 事業の一部(関連するR&Dを含む)と Dowのアクリル酸コポリマーとアイオノマー事業の売却を行う用意があると述べた。

それを受け、EUは両社の提案をレビューする期限 を4月4日まで延長した。

両社では合併を本年上期にまとめ、18か月後の3社への分割を予定している。

DuPontの Edward D. Breen CEOはDuPontの社内報で次のように述べた。

我々は欧州委員会に解決案を提案した。

この案はEUを満足させるもので、かつ、合併の戦略的な意義を維持するものと考える。

詳細は明らかにできないが、強力な競争相手を創出するために、DuPontのCrop Protection部門の一部とそのR&Dを1社に売却する案が含まれている。
また、Dowのアクリル酸コポリマーとアイオノマー事業の売却も含まれている。

合併の認可を得るため、規制当局と建設的に作業を続ける。成功すると信じている。

本年上期には合併できると期待している。

Dowはこの提案の一部を既に実施した。

Dowは2月2日、グローバルのエチレンアクリル酸(EAA) コポリマーとアイオノマー事業をSK Global Chemical に売却する契約を締結した。DowとDuPontの合併を条件としている。

DowはEAAコポリマーの主生産者で、Packaging and Specialty Plastics部門がPRIMACOR™ のブランドで販売している。

 

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EUの審査状況は下記の通り。


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