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これは下記のブログを月ごとにまとめたものです。

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2018/3/1 米最高裁、地裁によるDACA制度撤廃の一時差し止め命令の最高裁判断を求めた政権側の要請を却下 

カリフォルニア州の連邦地裁は2018年1月9日、子供の頃に親に連れられ入国した不法移民の強制送還を免除する制度の撤廃について、一時差し止めを命じた。

これについてトランプ政権は、控訴裁を飛ばして最高裁の判断を求めていたが、米連邦最高裁は2月26日、トランプ政権の訴えを退けた。

救済措置は打ち切りが3月5日に迫っていたが、カリフォルニア州の連邦地裁による一時差し止め命令は効力が全米に及ぶため、司法手続きや議会での対応が続く間は引き続き有効となる。


米国のセッションズ司法長官は2017年9月5日、幼少時に親と米国に不法入国した若者 (「ドリーマー」)に滞在許可を与える制度(DACA)を撤廃すると発表した。
対象者の在留資格は2018年3月までは保護されるが、新たな申請は認めない。

制度が、議会を通った法律ではなく、大統領令で決まったことが問題であるため、議会に代替の法律をつくる猶予を与えた

2017/9/6    新たな不法移民問題

カリフォルニア州の連邦地裁は2018年1月9日、「ドリーマー」の強制送還を免除する制度の撤廃について、一時差し止めを命じた。

3月に撤廃期限が迫っており、対象者は全米で80万人に上るとされ、カリフォルニア大学などが「学生らの損失に直面している」などとして、撤回を求めて提訴していた。

判事は制度の対象になったことがない人の新たな申請を受ける必要はないが、更新には対応するよう命じた。効力は全米に及ぶ。

USCIS(米国市民権・移民業務局)は1月にDACAの更新申請受付を再開した。

トランプ政権は、リベラルな判断で知られるサンフランシスコの連邦巡回控訴裁(9th Circuit)では敗訴する可能性が高いとみて、控訴裁を飛ばして、保守系判事が多数を占める最高裁の判断を仰ぐという極めて異例の対応を取った。

最高裁は2月26日、最高裁が判断する前に、下級審で審議をせよとして政権の要請を拒否した。もともと、下級審を飛ばして最高裁に判断を求めるのは極めて異例である。
この結果、連邦地裁の判断が生き、3月5日の期限切れは無くなった。また、それまでに法律を通さねばという議会への圧力も緩和される。

トランプ大統領は2月26日、最高裁のこの判断を嘆いた。

サンフランシスコの連邦巡回控訴裁(9th Circuit)ほど悪いものはない。政府相手の裁判では負け、負け、負けだ。最後は最高裁で勝つのに。

今後、9th Circuitの控訴裁では、大統領の言う通り、政府側が負けることとなると思われ、それから最高裁への上告、審議となる。

暫くはDACAは継続する。

また、本件は議会を通った法律ではなく、大統領令で決まったことが問題であるため、議会がこれに関する法律を通せば、訴訟は意味を無くす。
(但し、下記の通り、議会は昨年来、野党
民主党予算成立に協力する条件として、ドリーマーに滞在許可を与える制度を続けるよう主張しているが、目途は立っていない

ーーー

米国では連邦予算は今回も2017年10月1日の年度開始までに決まらず、つなぎ予算でスタートした。それも何度も延長した。

12月8日までの暫定予算でスタート次に12月22日までのつなぎ予算を通し、さらに2018年1月19日まで、また、2月8日までのつなぎ予算を可決した

トランプ大統領は、メキシコ国境の壁の建設を強く求めている。他方、民主党は予算成立に協力する条件として、幼少期に親と一緒に不法入国した若者(ドリーマー)に滞在許可を与える制度を続けるよう主張している。

米上院は2月8日のつなぎ予算期限までに対応ができず、政府機関は再度の閉鎖となった。

最終的には、直後に両院で期間2年の予算合意、債務上限を1年間停止することと3月23日までの暫定予算を含む法案を通し、政府機関の一部閉鎖は数時間で終了した。

新たに、3月23日までに本予算を通すことが必要となった。

2018/2/10   米国政府機関、再度の閉鎖、数時間後に予算合意で解除

 

DACA終了を3月5日に控え、上院は超党派で法案を準備した。ドリーマーに滞在許可を与える代わりに、大統領の求めるメキシコとの壁のけんせつに250億ドルを認めるというものである。

しかし、この法案は審議に入る投票(Cloture Motion)でフィリバスターを避けるための60票の賛成が得られず、廃案となった。

投票結果:

  共和党 民主党 無所属 合計
賛成 8 44 2 54
反対 42 3   45
棄権 1     1
合計 51 47 2 100

本法案については、大統領は正当な移民を抑えるという点が含まれていないため、仮に法案が通っても、拒否権を発動するとしていた。


2018/3/2 サウジアラムコのインド進出計画 

サウジのKhalid al-Falihエネルギー相(Saudi Aramco会長兼務)は最近、訪問中のインドで、Saudi Aramco がインド西部の計画中の大製油所への参加と既存のインドの製油所への出資を検討していると述べた。

Saudi Aramcoは既に、インド西部Maharashtra州の海岸部 Tavsal 村 Ratnagiriで計画中の年産60百万トン、280億ドルの製油所計画への参加を前提に、設計ベースやプレFS を協議するという契約に調印済みであるとしている。Aramcoはまた、インドの既存の製油所(複数)への出資や、既存製油所の増強への参加の機会を探っていると述べた。

インドの石油・天然ガス相は、2017年10月のインタビューで、AramcoがMaharashtra州の60百万トンの製油所と、Hindustan Petroleum Corporation Limited (HPCL)が Rajasthan州で開発する年産9百万トンの製油所に関心を持っていると述べている。

「今日はエネルギー相として来ているが、石油やエネルギーでの提携にとどまらず、石油化学、肥料、発電計画についても期待している」と述べた。石油を超えて、インドとの関係を深めたいとしている。

インドの石油・天然ガス相は、サウジのエネルギー相の訪印中にMaharashtra州の製油所の問題と、インド東南部のAndhra Pradesh 州で計画中の50億ドルの石油化学コンプレックスが話題になったと述べた。

中東の業界紙はさきに、Saudi Aramco がインドでの石化事業を検討し、JV交渉を行っていると報じていた。

サウジはイラクに次ぐインドへの原油供給国で、インドの需要の1/5 弱を供給している。

付記 

Saudi Aramcoは4月11日、インド側3社のコンソーシアム“Ratnagiri Refinery and Petrochemicals Ltd.” (RRPCL)との間でMOUを締結したと発表した。

Maharashtra州Ratnagiri に大規模石油精製・石油化学コンプレックスを建設する。製油所は日量120万バレル(60百万トン/年)の原油を処理する。

ーーー

Maharashtra州Tavsal 村 Ratnagiriの製油所計画 はインド国営の石油会社が計画しているもので、Indian Oil Corp. (IOC) が50%、Bharat Petroleum Corp. (BPCL) とHindustan Petroleum Corp. (HPCL) が各25%を出資する。

220億ドルを投資し、第1期 40 百万トン、第2期 20 百万トンで60 百万トンの製油所を建設する。石油、ディーゼル、LPG、航空燃料、石化原料を生産する計画で、2022年のスタートを目指している。

しかし、政府が土地の取得を行っているが、村民が反対し難航している。現地では原発計画についても8年間反対し、潰している。

 

インドの石油・天然ガス相が触れた石油化学コンプレックス計画は、Visakhapatnamと Kakinadaの間のNakkapalli に計画されているもので、Hindustan Petroleum Corporation Limited (HPCL)がGail その他と協力して推進している。.

   


2018/3/3 トランプ大統領、鉄鋼とアルミに追加関税、日本も対象

トランプ米大統領は3月1日、鉄鋼とアルミニウムの輸入増が安全保障上の脅威になっているとして輸入制限を発動する方針を表明した。

ホワイトハウスに鉄鋼やアルミ業界のトップを10人以上集め、その席で、鉄鋼には25%、アルミには10%の追加関税をかけると述べた。期間については長期間だとした。来週正式に命令にサインする。

対象は全ての国からの輸入で、大統領は、もしどこかの国を免除すれば、全ての国が同様の扱いを求めるため、どの国も免除したくないと述べた。

「我が国が他の国々から如何にひどく扱われているか、国民は知らない。正直言って、彼らは我が国の鉄鋼産業をつぶし、アルミ産業をつぶし、他の産業をつぶした」と述べた。

大統領はtwitter で 、「これ以上はやらせない。自由でフェアでスマートな貿易を望む」と呟いた。

Our Steel and Aluminum industries (and many others) have been decimated by decades of unfair trade and bad policy with countries from around the world.

We must not let our country, companies and workers be taken advantage of any longer. We want free, fair and SMART TRADE!

本件の法的レビューは完了しておらず、アドバイザーはまだ、いろいろなオプションを議論しており、全面的か(その場合、EUやカナダなど同盟国にも及ぶ)、対象国をしぼるかについて意見は大きく分かれているとされる。

厳しい対応は大統領の公約ではあるが、相手国の報復で貿易戦争になる可能性がある。外国政府や多国籍企業やペンタゴンは、全ての国への追加関税は経済及び安保のつながりを壊すことになるとして反対してきた。

しかし、大統領が公言したため、変更はないと思われる。

既報の通り、WTO協定では、加盟国が安保を理由に輸入制限を取ることを例外として認めている。

ただし定義が曖昧で、拡大解釈して乱用される恐れがあり、WTOを形骸化させかねず、現在の自由貿易体制を揺るがす懸念がある。

中国などの対応が注目される。

ーーー

米商務省は2月16日、鉄鋼製品とアルミニウム (鍛造品及び未加品)の輸入増が安全保障上の脅威になっているとして、トランプ大統領に輸入制限の実施を提言したと発表した。
1962年通商拡大法232条に基づくもの。

鉄鋼については3つの選択肢を勧告した。

1   すべての国からの輸入に最低24%の追加関税をかける。
2   下記 12カ国に最低53%の関税をかける。
  中国、ブラジル、コスタリカ、エジプト、インド、マレーシア、韓国、ロシア、南ア、タイ、トルコ、ベトナム
その他の国全てには2017年実績と同じ輸入量割当を設ける。
3   すべての国に2017年実績の63%に相当する輸入割当を設ける。

アルミについても3つの選択肢を勧告した。

1   すべての国からの輸入に7.7%関税
2   中国、香港、ロシア、ベネズエラ、ベトナムの5カ国・地域に23.6%の関税をかけ、他の全ての国には2017年実績と同じ輸入量割当を設ける。
3   すべての国に2017年実績の86.7%に相当する輸入割当を設ける。

2018/2/19 米商務省、鉄鋼・アルミの輸入制限を提言 

今回、いずれについても、すべての国からの輸入に追加関税をかける選択肢を採用する。

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これとは別に、米商務省は2月27日、中国から輸入するアルミホイルに反ダンピング関税と補助金相殺関税を課す方針を発表した。

2017年3月に業界から調査の要請があり、調査をしてきたが、中国製アルミホイルの一部が不当に安い価格で販売されており、製造業者は中国政府の補助金を受けていると認定した。

米国際貿易委員会(ITC)が国内産業に悪影響を与えていると判断すれば、4月にも発動する。

2016年の中国からのアルミホイルの輸入は389百万ドル。

税率は反ダンピング関税が48.64%〜106.09%、相殺関税が17.14%〜80.97%となっている。

詳細:https://enforcement.trade.gov/download/factsheets/factsheet-prc-aluminum-foil-ad-cvd-final-022718.pdf

 


2018/3/5  米ゼロックス、大株主が再び提訴 

 
Xerox の大株主Darwin Deason は3月2日、Xeroxを相手取り、新たな取締役を推薦する権利を求める訴訟をニューヨーク州の裁判所 (Supreme Court of the State of New York County of New York) 起こした。

Xeroxは本年1月31日に富士フィルムによる買収を発表した。この時点で、Xeroxが敵対的買収で株式の30%を売却する場合、アジア太平洋の360億ドルの市場でのXeroxの知的財産権と製造権を富士フィルムに渡すという企業買収防衛策としての重要資産の売却条項(“crown jewel” lock-up right)の存在も初めて明らかにされた。

2018/2/1  富士フィルム、米国Xerox Corporationを買収

これ以降Darwin Deasonは、Xeroxの筆頭株主で「物言う株主」として知られる著名投資家のCarl Icahnと共同で買収反対の運動を続けている。

Darwin Deasonは2月13日、富士フィルムによるXerox買収は不正だとして、差し止めを求める訴えをニューヨーク州の裁判所に起こした。

“Crown jewel” lock-up rightは Xeroxの戦略の柔軟性を制限するもので、実質的に今回の富士フィルムへの売却は17年前に株主に知らされずに決められていたことになり、不正行為であり、取締役は受託者としての義務に違反し たとして、裁判所に対し、この取引を中止し、既存のJV契約を終了することを求めた。

2018/2/15  富士フイルムによる買収、Xerox大株主が差し止め提訴  

Darwin Deasonは2月末に、反対の手段として、今春の株主総会で全取締役の候補を推挙する権利を求めたが、会社側は候補の推挙の期限の2017年12月11日が既に過ぎているとして、これを拒否した。

今回、これを不服とし、12月11日の推挙期限を延ばすことを求め訴訟を起こした。期限は過ぎてはいるが、Xeroxの取締役会はその後に株主にとって重要な一連の決定をしたとしている。

Carl Icahn と Darwin Deasonは同日、Xerox株主に対する公開状を発表した。

今週の初めに Darwin Deasonは会社側に、株主が全取締役候補を推挙することを認めるよう求めた。特に、12月11日の締め切りの6週間以上も過ぎるまで、“Crown jewel” lock-up の存在を17年間も明らかにしなかったことを理由としている。

しかし会社側は昨日、この要求を拒否した。このためDarwin Deasonは株主が全取締役候補を推挙する権利を求めて訴訟を行った。

会社側は失敗を続けている。“Crown jewel” lock-up の存在などを開示しなかった。富士ゼロックスの経理スキャンダルに適切に対応しなかった。今回も取締役推挙の期限問題で小手先の対応をした。
推挙期限の延期という第3位の株主の明らかに正当な要求を拒否することは、会社側の責任を認めようとしないこと以外にない。

これらに対して、Xeroxの株主の直面する質問は:
富士フィルムが会社の50.1%を支配して事態がよくなるだろうか?
少数株主になった場合、事態がよくなると期待できるのか?

Xerox株主が会社の支配権を取り戻す必要性の理由は沢山あるが、主な理由は取締役会が事実を曖昧にしてきたことだ。「強い少数株主保護」などと言っているが、富士フィルムを信用できない。
何故、競争相手に支配される会社で少数株主に甘んじなければならないのか。

会社側の主張する合併のメリットの計算は間違いだ。 Barclaysの最新のレポートでも疑問視している。

希望は戦略ではない(Hope is not a strategy)。拡張を希望するだけでは駄目だ。シナジーを希望するだけでは駄目だ。富士ゼロックスの経理スキャンダルがXeroxに更なる負担をもたらさないと希望するだけでは駄目だ。富士フィルムが支配権を持った時に我々をフェアに扱うと希望するだけでは駄目だ。これまで統合でうまくやる能力を持たなかった2社が一緒になって成果を生みだすことを希望するだけでは駄目だ。

希望的観測ではなく、現実に基づいた戦略が必要である。来る数週間、これこそが我々が考える必要がある点である。


2018/3/6 米国の輸入鉄鋼・アルミへの追加関税方針で貿易摩擦拡大も 

トランプ米大統領は3月1日、鉄鋼とアルミニウムの輸入増が安全保障上の脅威になっているとして輸入制限を発動する方針を表明した。

鉄鋼には25%、アルミには10%の追加関税で、期間については長期間だとした。対象は全ての国からの輸入で、大統領は、もしどこかの国を免除すれば、全ての国が同様の扱いを求めるため、どの国も免除したくないと述べた。

ナバロ通商製造業政策局長は3月4日、鉄鋼・アルミニウム製品の輸入制限について「(企業が)事業を継続できるよう、特例として例外措置の手続きが行われる」と述べた。「現時点では国単位での例外措置はない」とも語り、国単位ではなく、国内調達が難しいケースなどで、一部製品の例外化を検討するとみられる。

日本メーカーが製造する強度の高い軽量鋼材など特定製品の例外を認める可能性がある。

また、内容の法的審査が必要なため、「今週の終わりか、遅くとも翌週になる」として、発表がずれ込む可能性を示唆した。

2018/3/3 トランプ大統領、鉄鋼とアルミに追加関税、日本も対象

 

この問題については、各国・地域から反対の声が上がっている。

カナダのトルドー首相は「統合された市場にもたらす混乱は大きくて深刻だ」と警告した。米国の輸入制限は「受け入れられない」と述べ、対抗措置を示唆した。

米国の鉄鋼・アルミの最大の輸入国はカナダである。(米商務省発表資料より)

   

付記

大統領は3月5日、難航しているNAFTA交渉にからめ、呟いた。

カナダとメキシコに対し大きな貿易赤字がある。NAFTAは米国にとり悪い取引だ。企業が海外に移り、職が失われた。
鉄鋼とアルミの追加関税は、新しい、フェアなNAFTA協定がサインされた場合のみに免除される。カナダは制限の厳しい農業でも譲るべきだ。
メキシコは麻薬の米国への流入を阻止すべきだ。

米国を守るために米国の鉄鋼を守る必要がある。米国第一だ!

We have large trade deficits with Mexico and Canada.
NAFTA, which is under renegotiation right now, has been a bad deal for U.S.A.
Massive relocation of companies & jobs.

Tariffs on Steel and Aluminum will only come off if new & fair NAFTA agreement is signed. Also, Canada must.....treat our farmers much better. Highly restrictive.
Mexico must do much more on stopping drugs from pouring into the U.S. They have not done what needs to be done. Millions of people addicted and dying.

To protect our Country we must protect American Steel! #AMERICA FIRST

中国の全国人民代表大会の報道官は3月4日、「米側と貿易戦争は望まない」とする一方、「中国の利益を損なう行為を座視しない」と述べ、米側を強くけん制した。

李告強首相は全人代の「政府活動報告」のなかで、「保護貿易主義に反対し、自らの合法的な権益を断固として守る」と強調した。

米商務省は鉄鋼、アルミそれぞれについて、3つの選択肢を提示した。

このうち、特定国に高関税をかける案では、いずれも中国が対象に含まれている。(最大手のカナダは含まれていない)

 鉄鋼:
中国、ブラジル、コスタリカ、エジプト、インド、マレーシア、韓国、ロシア、南ア、タイ、トルコ、ベトナム

   アルミ:中国、香港、ロシア、ベネズエラ、ベトナム

鉄鋼の場合、中国は粗鋼生産能力では世界の53%を占め、圧倒的第一位だが、米国の中国からの輸入量は極めて少ない。
Trump大統領は、中国が米国に迂回輸出しているとみる。安価な中国品の流入で、アジアや欧州の製品が押し出され、米国に流れ込んでおり、また、中国製品の一部が韓国、台湾などで加工され、米国に輸出されているとみる。


EU 28カ国は米政権の関税に対し単一経済圏として対応する。

米国の輸入では、鉄鋼ではドイツが8位、オランダが13位、イタリーが14位、スペインが16位となっている。
アルミでは、ドイツが6位、フランスが9位となっている。

欧州委員会はトランプ米大統領がこれに署名をすれば、28億ユーロ規模の米輸入製品に対する報復措置に動く方針 で、3月7日の欧州委員会の定例会合で対象製品などを固め、加盟国に提案する。
鉄鋼製品に加え、鉄鋼以外の工業品、農産品の3分野で、25%程度の輸入関税を課すことの検討に入った。

ユンケル欧州委員長は3月2日、報復関税の対象に検討する米製品として、 オートバイのHarley-Davidsonやバーボン・ウイスキー、Levi'sのジーンズといった代表的な米ブランドを例示した。

米国の輸入制限がWTOのルールに違反するとして他国と共同提訴したり、米国の輸入制限で余剰になった鉄鋼の流入が急増するのを防ぐために緊急輸入制限(セーフガード)を発動したりする選択肢も検討している。


EUの報復措置案に対しては、Trump大統領は早速、反応した。

Twitterで、EUが既に高い関税をさらに増やすなら、米国に自由に入ってきている彼らの自動車に関税をかけるだけだとした。
EUが米国製の自動車などをEU 内で売ることを不可能にしているとし、「大きな貿易不均衡だ!」としている。

If the E.U. wants to further increase their already massive tariffs and barriers on U.S. companies doing business there, we will simply apply a Tax on their Cars which freely pour into the U.S.
They make it impossible for our cars (and more) to sell there. Big trade imbalance!

前日にはこうも呟いている。

 相手が50%の関税をかけ、米国がゼロなら、公平ではない。間もなく報復関税を始める。同じ関税をかける。

When a country Taxes our products coming in at, say, 50%, and we Tax the same product coming into our country at ZERO, not fair or smart.
We will soon be starting RECIPROCAL TAXES so that we will charge the same thing as they charge us.
$800 Billion Trade Deficit-have no choice!

 

報復が更なる報復を呼ぶという悪循環に陥る恐れもある。

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大統領は輸入制限を発動する方針の表明時に twitter で 、米国の鉄鋼、アルミ、その他多くの産業が何十年にもわたり世界中の国の不公正取引でやられてきたと述べ、「これ以上はやらせない。自由でフェアでスマートな貿易を望む」と呟いた。

Our Steel and Aluminum industries (and many others) have been decimated by decades of unfair trade and bad policy with countries from around the world.

We must not let our country, companies and workers be taken advantage of any longer. We want free, fair and SMART TRADE!

When a country (USA) is losing many billions of dollars on trade with virtually every country it does business with, trade wars are good, and easy to win.
Example, when we are down $100 billion with a certain country and they get cute, don’t trade anymore-we win big. It’s easy!

 国と労働者を守る必要がある。鉄が無くなれば国が無くなる。

We must protect our country and our workers.
Our steel industry is in bad shape. IF YOU DON’T HAVE STEEL, YOU DON’T HAVE A COUNTRY!

  米国はこれまでの非常に馬鹿げた貿易政策のため、年8000億ドルの貿易赤字だ。仕事と富が他国に移っている。我々のリーダーの行動は笑いものになっている。 これからは違うぞ!

The United States has an $800 Billion Dollar Yearly Trade Deficit because of our “very stupid” trade deals and policies.
Our jobs and wealth are being given to other countries that have taken advantage of us for years.
They laugh at what fools our leaders have been.
No more!

 

2018/3/7 ExxonMobil、ロシアのRosneftとのJVを解消 

ExxonMobilはこのたび、当局への届け出で、米国がロシアへの制裁を拡大したのに伴い、昨年後半にRosneftとのパートナーシップを止めることを決定したと明らかにした。

撤退に伴う税引後の損失は約2億ドルと少ないが、潜在的にオイルリッチのロシア領北極圏での採掘の希望を打ち砕くこととなり、Exxonの会長兼CEOであったRex Tillerson現国務長官の遺産を抹消することとなる。

ーーー

Tillersonは2011年に北極圏での掘削を期待し、Rosneftとの契約に調印した。Exxonの技術・経験と、Rosneftのこの地域で持つ権利を結びつけるものである。

Rosneftは2011年にBPとのグローバルな戦略的提携が破綻した後、BPに代わる提携先を探していたが、2011年8月30日にRosneftとExxonMobilは両社が北極海と黒海の開発、技術協力、米国その他での共同事業の実施で合意したと発表した。

両社はこれに先立ち、黒海の海底油田の開発で合意しているが、これを包含した。

2011/9/1 Rosneft、石油開発でExxonMobil と提携
 

Rosneft とExxonMobilは2013年6月、2011年に締結した戦略的協力協定の進展状況を発表した。両社は2012年4月16日、戦略的協力協定を実施する契約を締結した。 

1)黒海と北極海(Kara Sea)開発のJV

2つのJV、黒海(Tuapse Block)のTuapsemorneftegaz SARL、Kara SeaのKarmorneftegaz SARLが設立され、活動を開始する。
ともに、Rosneftが66.67%、ExxonMobilが33.33%を出資する。

これらの開発資金は合計で32億ドル以上とみなされており、大半はExxonMobilが負担する。

2)北海の7ブロック追加

本年2月、両社は戦略的協力の範囲を拡大、北海の7つのブロックを追加した。ロシア領北海のChukchi Sea、Laptev Sea、Kara Seaの鉱区で、約60万平方kmに及ぶ。

近くJVを設立する。

3)西シベリアのタイトオイル開発

西シベリアでタイトオイルを開発するJVの設立を準備中。

Rosneft が51%、ExxonMobil が49%出資する。

4)ロシア極東でLNGプラント建設

2013年末までにLNGプラントの立地、天然ガス液化技術、運営形態を決定する。
現在のところ、プラントはサハリン1に建設する見込み。

Rosneft のSechin社長は、サハリン1計画に30%出資するサハリン石油ガス開発(SODECO;石油公団・伊藤忠・丸紅等のJV)や同じく20%出資するインドのONGC Videshを参加させる可能性があると述べた。
また、
生産能力は年500万トンを想定しており、既にこれを上回る購入希望があるという。

Rosneft は6月21日、丸紅及びサハリン石油ガス開発(SODECO)との間でLNG供給の覚書(Heads on Agreement)に調印した。
丸紅に年間125万トン、SODECOに100万トンを供給する。

これらに加え、両社は6月11日に、Arctic Research Centerの設立と、世界中の他の地域で技術を共同利用する契約に調印した。

Arctic Research Centerの出資比率はRosneftが 66.67%、ExxonMobil が33.33%で、第一段階の費用200百万ドルはExxonMobilが負担する。第二段階の250百万ドルは両社が折半する。

2013/6/24 Rosneft とExxonMobil、戦略的協力関係を促進 

ーーー

しかしながら、ロシアによるウクライナ侵入、クリミヤ半島併合を受け、米国は2014年に制裁に踏み切った。

既存のエネルギー関連の取引には影響を与えないが、Rosneft のCEOのIgor Sechin との事業を全て禁止した。

Exxonは制裁の例外扱いを申請したが、認められなかった。米財務省は昨年、ExxonがSechin との新しい契約に調印したとして200万ドルの罰金を科した。(Exxonは不当として訴訟)

米国は2017年に、2016年の米大統領選挙に不当に介入したとして、ロシアへの制裁を拡大した。

Tillerson国務長官は、ロシアがウクライナ政策を元に戻し、クリミヤを返却するまでは制裁を続けると強硬である。

ここにきて、ExxonMobil はRosneftとのパートナーシップの解消に踏み切った。

これに対し、Rosneftは、将来 Exxonがプロジェクトに復帰するのを期待するとしている。


なお、両社はサハリン-1計画に参加しているが、ExxonとRosneftは、今回のExxonの撤退はこの計画には影響を与えないとしている。

事業主体 ・エクソンネフテガス社
 (米、エクソン・モービル子会社、オペレーター、30%)
・サハリン石油ガス開発(株)(通称:SODECO)
 (日、石油公団・伊藤忠・丸紅等 出資30%)
・ONGCヴィデッシュ社(インド、20%)
・サハリンモルネフテガス・シェルフ社(ロシア、11.5%)
・ロスネフチ・アストラ社(ロシア 8.5%)
投 資 額 約120億ドル以上
開発鉱区 オドプト、チャイヴォ、アルクトン・ダギ
推定可採
埋 蔵 量
@石油    約23億バレル
A天然ガス 約4,850億立方メートル


<石油>サハリン島を東西に横断し大陸側に至るパイプラインで運搬、そこからタンカーで日本等へ輸出
 

<ガス>日本へは、北海道の内陸の一部(石狩平野)を経由する海底パイプラインにより運搬する予定であったが、
パイプライン敷設が漁業補償問題で進んでいないほか、最大需要家になるとみられた東京電力も購入に難色を示したため、この計画は白紙となった。
エクソンは中国と交渉。

  2006/8/31 サハリン原油の初購入
 


2018/3/8 ベルギー、原発事故に備え、1100万人にヨウ素剤無料配布、老朽原発を停止せず

ベルギー政府は3月5日、老朽化が進む同国の原子力発電所で事故が発生した場合に備え、国民約1100万人に無料配布するヨウ素錠剤の薬局への配送を始めた。政府は1箱10錠入りのヨウ素錠剤を450万箱発注している。

政府は同時に、正式国語であるフランス語、オランダ語、ドイツ語でのWebside を開設し、もしもの場合にどう行動するかを知らせ始めた。

(トップページの翻訳)

原子力事故で何をすべきか知っていますか?

原子力事故が発生した場合の対処方法を知っていますか?この質問に対する回答が明確でない場合は、www.nuklearrisiko.be にアクセスすることをお勧めします。このウェブサイトは、原子力事故の可能性を市民に知らせる「原子力リスク」キャンペーンの一環です。

自分を守るための最も重要なヒント:

    
安全を見つけよう:建物に入り、内部に留まる。
    
できるだけ窓を閉じ、通気孔を密閉してください。
    
メディアの推奨事項に従ってください。

 

(ヨウ素剤の項)

放射能ヨウ素は原子力事故で放出される可能性がある。 気道や汚染された食物を通して、体内に入ることがあります。 甲状腺はこのヨウ素を吸収し、 "内部からの放射線"をもたらす。 がんや他の病気のリスクが大幅に上昇します。

適切な時期に安定または非放射性のヨウ素を採取することによって、甲状腺はすでにヨウ素で飽和しているので、放射性ヨウ素の吸収が停止します。 しかし、ヨウ素錠剤は、他の放射性物質に対する保護を提供していない。 このため、できるだけ早く閉鎖された部屋に移動する必要があります。

ベルギー政府は、これらはあくまで予防的措置であり、「具体的な危険」はないとしている。

ベルギーの原発は老朽化が進んでおり、過去数年、潤滑油が漏出したり、原子炉容器にひびが見つかったりするなど問題が相次いだ。
人為的な不正操作によって原子炉の運転が停止する事件もあったが、未解決のままとなっている。

こうした事態を受け、近年、国内のみならず近隣のオランダ、ルクセンブルク、ドイツでも、ベルギーの原発に対する懸念が高まっていた。

オランダ政府は2年前、ベルギーとの国境近くに住む国民のため数百万錠のヨウ素剤を発注した。

2016年にはドイツやルクセンブルグが老朽化原発の停止を要求したが、ベルギー政府は応じていない。

 

ベルギーの稼働中の原発は下記の7基で、フランスのエネルギー大手GDF Suez 傘下のベルギー電力大手Electrabelが運用する。

原発 万kW 運転開始 運転停止
Doel  1 43.3 1974 2015→2025
2 43.3 1975 2015→2025
3 100.6 1982 2022
4 100.8 1985 2025
Tihange 1 96.2 1975 2015→2025
2 100.8 1982 2023
3 105.4 1985 2025

ベルギーは2025年までに国内の原発を段階的に全廃する原則を盛り込んだ脱原発法を制定している。

Doel原発の1、2号機、Tihange1号機は建造から40年が経過しているため、2015年の閉鎖が一度確定していた。

しかし、ベルギーでは代替エネルギーの確保が遅れ、電力供給不安が発生していることから、2009年10月に、事業者が再生エネルギー研究・開発へ資金提供することなどを条件に10年間延長された。

ドイツの環境相は2016年4月20日、ベルギー政府に対し、国境に近い南部Tiange 原発2号機と北部Doel原発3号機の運転停止と詳細な検査を求めた。2日後にはルクセンブルク政府も同調した。

2基はいずれも1980年代初めの稼働で、2012年夏の定期検査で原子炉圧力容器の内側に多数の微細なひび割れが見つかった。ベルギー連邦原子力管理庁は2015年2月、ひび割れは2基で計1万6千カ所以上あり、最大で18センチに達していると発表した。炉内で生じた水素が原因とみられるという。

しかし、ベルギー原子力管理庁はドイツなどの要請に「国際的な安全基準を満たしており、運転停止する必要はない」と反発、強気の姿勢を崩さなかった。

 

2017年6月25日、Tihange 原発2号機などを巡り、周辺住民ら 5万人超(主催者発表)が手をつなぎ、Tihange 原発前から Liege、オランダのMaastricht を経てドイツ西部Aachen に至る3カ国にまたがる約90キロの「人間の鎖」(上の地図参照)をつくり「危険な原発」の即時閉鎖を訴えた。
 

2017/7/1 ベルギー、原発閉鎖へ5万人の「鎖」 

 



2018/3/9   トランプ大統領、鉄鋼・アルミの輸入制限発動を命令

トランプ大統領は3月8日午後、鉄鋼とアルミニウムに輸入制限の発動を命じる文書に署名した。

 https://www.whitehouse.gov/presidential-actions/presidential-proclamation-adjusting-imports-steel-united-states/

それぞれ25%、10%の関税を課す。
15日後に発効する。
全ての国に適用するが、カナダとメキシコは当面猶予する。

オーストラリアも除外対象候補として挙げた。日本については触れていない。

署名前の閣議で、「我々は非常にフレキシブルだ。我々には友人もおれば、長年にわたり我々を利用し続けてきた敵もいる」と述べた。

今回の命令は、いくつかの国を除外するようになっており、国ごとに税率を変えたり、適切と思う国をリストに加えたり、リストから除外する権限を大統領に与えていると述べた。

カナダとメキシコについては、鉄鋼とアルミについての大統領の懸念を晴らす変化を話し合うまでペンディングとし、除外の期限はつけていない。

大統領は3月5日、難航しているNAFTA交渉にからめ、呟いた。

カナダとメキシコに対し大きな貿易赤字がある。NAFTAは米国にとり悪い取引だ。企業が海外に移り、職が失われた。
鉄鋼とアルミの追加関税は、新しい、フェアなNAFTA協定がサインされた場合のみに免除される。カナダは制限の厳しい農業でも譲るべきだ。
メキシコは麻薬の米国への流入を阻止すべきだ。

米国を守るために米国の鉄鋼を守る必要がある。米国第一だ!

We have large trade deficits with Mexico and Canada.
NAFTA, which is under renegotiation right now, has been a bad deal for U.S.A.
Massive relocation of companies & jobs.

Tariffs on Steel and Aluminum will only come off if new & fair NAFTA agreement is signed. Also, Canada must.....treat our farmers much better. Highly restrictive.
Mexico must do much more on stopping drugs from pouring into the U.S. They have not done what needs to be done. Millions of people addicted and dying.

To protect our Country we must protect American Steel! #AMERICA FIRST

大統領は、NAFTAで合意できず、彼らが合意しないためにフェアなNAFTAを廃止するなら、カナダとメキシコにも関税をかけると述べた。

しかし、担当者は今回、永久に除外するかどうかは安全保障の問題が重要であるとしている。

その他の国・地域から申請があれば、米国の安全保障や経済的利益の観点から審査し、適用免除の是非を判断する。

大統領はオーストラリアについても、除外の例として挙げた。米国とオーストラリアとの貿易収支が黒字であることを理由としている。

付記 大統領は豪首相との会談後、オーストラリアを適用除外する方向であると呟いた。

Spoke to PM TurnbullMalcolm of Australia.
He is committed to having a very fair and reciprocal military and trade relationship.
Working very quickly on a security agreement so we don’t have to impose steel or aluminum tariffs on our ally, the great nation of Australia!

ーーー

トランプ大統領は3月1日の輸入制限発動方針の表明時に、対象は全ての国からの輸入で、もし、どこかの国を免除すれば、全ての国が同様の扱いを求めるため、どの国も免除したくないと述べた。

しかし、サンダース米大統領報道官は3月7日、鉄鋼とアルミニウムへの輸入制限について「カナダやメキシコを除外する可能性がある。他の国も安全保障に基づき国単位、ケース・バイ・ケースで考える」と述べ、国によっては関税の対象から外す可能性を示唆した。

 

2018/3/3 トランプ大統領、鉄鋼とアルミに追加関税、日本も対象

2018/3/6 米国の輸入鉄鋼・アルミへの追加関税方針で貿易摩擦拡大も

ーーー

米アルミニウム協会は3月6日、Heidi Brock会長のトランプ大統領宛ての書簡を公開、全世界を対象とする関税に反対する考えを述べた。

大統領宛て書簡

まず、アルミニウム協会メンバーの114社と713千人の従業員を代表し、政府がアルミ業界に関心を示してくれたことに感謝した上で、全世界を対象とする関税が米国のアルミ生産と雇用に与える影響を深く憂慮すると述べた。

そのうえで、現在の米国のアルミ産業が直面する深刻な問題に対応するため、代替案を提案している。

1)  中国の過剰能力対策

直ちに中国と政府間交渉を行い、一次アルミ及び半加工分野での慢性的過剰能力に対処する。

2) 相手国を絞った関税

中国及び、関税を回避したり迂回輸出をした歴史のある国に的を絞り、中国の過剰能力に対応

3) 重要な貿易相手を除外

市場経済として機能している重要な貿易相手(カナダ、EUを含む)との摩擦を避ける。

4) アルミ産業の全バリューチェーンの維持

米国のアルミ産業の中流部分、下流部分の雇用を失うことを避けるため、国内のバリューチェーン全体のニーズを見る。(輸入品の使用が必要な業種もある?)

5) 輸入監視システム

米国に輸入されるアルミ及びアルミ製品をモニターし、より透明性を与える。

 

関税だけでは中国の過剰能力をどうしようもなく、逆にルールに従っている貿易相手とのサプライチェーンを傷つけることとなると主張し、関税がアルミ産業全体の雇用の97%(米国の中流及び下流セクションにいる)を逆に傷つけることとなるとしている。

中国からの輸入は問題であるが、米国の他の貿易相手からのアルミやアルミ製品の輸入には何もアンフェアなものはないとする。

書簡では最後に、これらの点を勘案してほしいと要望している。

商務省発表資料では米国の一次アルミの状況は次の通り。

米国の鉄鋼・アルミの最大の輸入国はカナダである。(米商務省発表資料より)

 

 


2018/3/10 中国の青島双星、韓国のクムホタイヤを買収 

中国の青島双星(Qingdao Doublestar )は3月5日、親会社のDoublestar Groupが経営難の韓国第二のタイヤメーカー 錦湖(Kumho)タイヤの株式の45%を6463億ウォン(約6億米ドル)で買収する契約にサインしたことを明らかにした。

韓国産業銀行(Korea Development Bank)を筆頭とするKumho Tire の債権団は2017年1月、保有するKumho 株(42%) を譲渡する優先交渉権を双星に付与した。譲渡額は9550億ウォンだった 。
だが、双星がKumhoの経営悪化を理由に買収価格を約16% 引き下げるよう提案するなどしたため、9月に交渉が決裂した 。

しかし、これに代わる買い手が見つからなかった模様で、産業銀行は2018年3月2日、下記のKumho Tire の経営再建案を発表した。

Kumho Tire が実施する総額6463億ウォン規模の第三者割当増資を双星が引き受けるというもの。
この双星の株式取得額は、双星が昨秋要求した金額より低い。韓国国内に買い手が見つからなかったためとみられる。
中韓両国の外交関係が改善に向かっていることも影響した可能性がある。

再建案は双星に従業員の3年間の雇用保証と、最大2000億ウォンの設備投資などを求めた。

双星はこの案を呑んだとみられる。この結果、双星が45%を握る筆頭株主となり、産業銀行を中心とする債権団の持ち株比率は42%から23%に下がる。

韓国では、Hankook Tire(韓国タイヤ)が国内シェア46%で1位で、Kumho Tireは36%で2位で、その他メーカーが18%となっている。

青島双星は中国の国有企業Doublestar Groupが1996年に設立した。従来は靴や衣服の製造販売を手がけていたが、2002年からタイヤの生産や販売を開始した。
青島に生産拠点を有しており、乗用車用タイヤやトラック用タイヤ、農業機械用タイヤの生産を行っている。「DoubleStar」 のブランドで世界で展開している。 

2015年の売上高でKumho Tireは14位の26億6300万ドル、Qingdao Doublestarは34位で7億4080万ドルで、両社の売上高を合わせると、10位のZhongce Rubber Group(中策ゴム)の33億9530万ドルを抜き、中国メーカーとしてはトップとなる。

付記

Kumho Tireの労使は3月30日夜、中国同業の青島双星による買収計画を受け入れることを決めた。

Kumhoの銀行債権団は、30日までに労使が受け入れない場合、計画を白紙化する意向だった。労組は最後まで抵抗したが、韓国政府から合意を強く促され、土壇場で受け入れを決めた。

ーーー

Kumho Tireは1960年に、光州タクシーを基盤に、三養(サムヤン)タイヤ工業として設立され た。

1963年に小型乗用車用タイヤを生産開始した。米国 Uniroyal と技術提携した。

1970年には関連会社として韓国合成ゴムを設立した。これは後に錦湖石油化学となった。

三養タイヤは1984年にクムホ産業と合併し、クムホとし、1996年にはクムホタイヤとなったが、1999年にクムホ建設を傘下に入れ、クムホ産業となった。

2003年にタイヤ部門がスピンオフし、Kumho Tireとなった。

その間、クムホグループは1988年にアシアナ航空を設立している。

また、2006年には大宇建設を買収した。

大宇建設 は1963年の設立後、現代建設と双璧を成す韓国のゼネコンとして成長した。

その後、1990年代のアジア通貨危機を経て大宇財閥が解体される中で、 銀行管理下に置かれた。

しかし、2000年代初頭に韓国内外のプロジェクトの安値受注を行うことにより、単体としての企業業績を急上昇させ注目を浴びた。

大宇建設はその後経営が悪化し、2009年に売却することとなったが、この売却交渉が決裂、大宇建設は2009年12月30日、事業再生法によるワークアウトを申請し、経営破たんした。
クムホ・アシアナグループから離脱し、韓国産業銀行の管理下に置かれた。

クムホ産業は大宇建設の4兆ウォンの債務保証をしており、クムホタイヤは賃金支給を翌月に先送りするほどの状態で、大宇建設と同日の12月30日、いずれもワークアウトを申請した。

債権団4分の3以上の賛成で、2社のワークアウトは進行され、経営権は債権団に移った。

錦湖石油化学、アシアナ航空は自立協約(日本における会社分割制度)を利用し、クムホグループから外れた。

 


2018/3/12 TPP-11 に署名 

米国を除く TPP 参加11カ国は3月8日午後、チリのサンティアゴで新協定「TPP 11」に署名した。これを受け、各国は国内手続きに入る。採択した閣僚声明では「迅速に発効させるために国内手続きを完了する決意」と強調した。

正式名称は包括的及び先進的なTPP」(CPTPP: Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnership)で、世界のGDPの13%、貿易額の15%を占める。

なお、現時点で、韓国、台湾、インドネシア、タイ、フィリッピン、コロンビア、英国がTPP-11に関心を示している。

 

付記 

5月18日午後の衆院本会議で与党などの賛成多数で可決した。TPP11関連法案は野党5党が担当の茂木経済財政・再生相への不信任決議案を衆院に提出したため、衆院内閣委員会の審議が中断し、採決を見送った。

メキシコでは上院が批准権を持つが、上院は4月24日、賛成73、反対24、棄権4で新協定を承認した。

付記

6月13日午前の参院本会議で賛成多数で可決、承認された。今国会で審議中のTPP11関連法案も成立すれば、TPP11の国内手続きが完了する。

ーーー

TPP 参加12カ国は2016年2月4日、ニュージーランドの最大都市オークランドで協定文に署名した。

日本は2017年1月20日(Trump大統領の就任日)に、閣議決定を経て、協定の国内手続の完了をニュージーランドに通報した。
ニュージーランドは2017年5月11日、手続きを完了した。(2国目)

参加12カ国は10月5日の閣僚会合で、協定を発効する条件として、
・すべての参加国が署名後2年以内に議会での批准手続きを終えるか、
・2年以内に参加国すべてが手続きを終了できなかった場合、TPP全体のGDPの85%以上を占める、少なくとも6か国が批准手続きを終えることと決めた。

発効には合計GDPの85%以上が必要なため、米国(60.4%)と日本(17.7%) の批准は必須となる。

2015/10/13   TPP の発効条件   

その米国のDonald Trump 次期米大統領は2016年11月21日、ビデオメッセージを発表し、2017年1月20日の就任初日に「環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)から脱退する意志を表明する」と宣言した。

2016/11/23   Trump 次期米大統領、「就任初日にTPP離脱通告」を確認

Trump大統領は2017年1月23日、TPPからの離脱を宣言、米通商代表部(USTR)は1月30日、TPPからの離脱を参加各国に書簡で正式に伝達した。

Presidential Memorandum on January 23, 2017
 
Presidential Memorandum Regarding Withdrawal of the United States from the Trans-Pacific Partnership Negotiations and Agreement

  ・TPPから永久に離脱する。(再交渉の可能性も明確に否定)
  ・米国の産業を振興し、労働者を保護し、賃金を上昇させる 2国間貿易交渉を始める。

これにより、参加12カ国の名目GDPの85%以上の6か国の批准による発効は不可能となった。

その後、日本が中心となり、米国を除く11カ国での交渉を行った。

米国を除くTPP署名11カ国は2017年11月11日、新協定(TPP 11)について大筋合意の詳細な内容を発表した。

一連の交渉では「凍結項目」の取り扱いが最大の焦点となった。

各国が米国に配慮し譲歩を余儀なくされた計60項目超を米国が復帰するまで「凍結」するよう要求したが、調整の結果、最終的に20項目の凍結が決まった。
このうち11項目は医薬品の開発データの保護期間など知的財産分野だった。

農産物などの輸入関税の撤廃・削減などは変更せず。
 また、繊維で関税撤廃・削減の対象を厳しく制限する原産地規則に関する項目も含まれなかった。

・4項目は継続協議(2018年1月に下記の通り解決)

マレーシア:国有企業の優遇策の制限
ブルネイ:石炭産業のサービス投資ルール
カナダ:文化保護のための国内企業優遇
ベトナム:労働の紛争処理 

・ 農産物の緊急輸入制限(セーフガード)の発動基準などは発効後に見直し可能

・ 新協定は11カ国が署名後、6カ国の国内承認手続き完了してから60日後に発効
  (元の協定にあった「参加国のGDP総額の85%以上」という条件は削除した。)

・ 新協定の正式名称は「包括的および先進的なTPP」(CPTPP: Comprehensive and Progressive Agreement for Trans-Pacific Partnership

2017/11/17 TPP 11 と RCEP

米国を除く環太平洋パートナーシップ協定(TPP)参加11カ国は2018年1月23日、前日に続いて首席交渉官会合を東京都内で開き、11カ国による新たな協定(TPP 11)の正式合意にあたる署名式を3月8日にチリで開催することで合意した。

継続協議の4項目のうち、
マレーシアとブルネイは「凍結」で決定 (「凍結」は22項目に)
カナダとベトナムは、各国との間でルールの適用を一定期間猶予する内容のサイドレター(補足文書)を交わすことで決着した。

2018/1/27   カナダ、TPP 11 署名

ーーー

新協定では今後の新規加盟国の扱いについて、前文で「この協定への加入を歓迎する」と表明している。
そのうえで、新たに加入する際の条件として第5条で「締約国が合意する条件に従うこと」と規定している。

現時点で、韓国、台湾、インドネシア、タイ、フィリッピン、コロンビア、英国がTPP-11に関心を示している。

米国でも、TPP離脱で農産物、畜産物などで豪州、カナダ、ニュージーランドなどに市場を奪われる懸念が強い。

トランプ大統領は2018年2月23日、豪首相との会談後の記者会見で、
TPPは「米国にとって良くない協定」と改めて批判、米国にとって良い内容になれば復帰すると表明したが、多国間よりも2国間の協定を優先する立場も示した。

仮に米国が新協定に参加する意向を示した場合は、すべての締約国の合意を得なければ、事実上加入できない仕組みになっている。

茂木経済再生担当大臣は、「TPPは、極めて高い水準であるとともに、各国のさまざまな利益を調節した、いわばガラス細工のような協定だ。一部だけを取り出して再交渉する、修正するということは極めて困難だ。ただアメリカの考えも機会を見て聞いてみたいと思っている」と述べた。

なお、米国のTPPへの復帰の見込みが無くなった場合には、締約国が協定内容の見直しを要請できるとする「見直し条項」が加えられている。

日本が参加国を対象に設定した乳製品などの輸入枠は、米国の参加を前提とした規模であった。

 


2018/3/12   鉄鋼とアルミニウムの輸入制限問題、大統領のつぶやき

鉄鋼とアルミの輸入関税は3月15日に発動される。

大統領によると、今回の命令は、いくつかの国を除外するようになっており、国ごとに税率を変えたり、適切と思う国をリストに加えたり、リストから除外する権限を大統領に与えている。

大統領の「つぶやき」から大統領の考え方を探る。

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基本

トランプ大統領は3月8日午後、鉄鋼とアルミニウムに輸入制限の発動を命じる文書に署名したが、その前に、「真の友人で、貿易と軍事で米をフェアに扱う国は弾力的に扱う」と呟いた。

We have to protect & build our Steel and Aluminum Industries while at the same time showing great flexibility and cooperation toward those that are real friends and treat us fairly on both trade and the military.


カナダとメキシコ:
発表では、鉄鋼とアルミについての大統領の懸念を晴らす変化を話し合うまでペンディングとし、除外の期限はつけていない。

3月5日の呟きでは、NAFTA問題の解決を条件にするとした。(その後、報道官は「安全保障に基づく」とした。)

We have large trade deficits with Mexico and Canada. NAFTA, which is under renegotiation right now, has been a bad deal for U.S.A. Massive relocation of companies & jobs.

Tariffs on Steel and Aluminum will only come off if new & fair NAFTA agreement is signed.

Also, Canada must treat our farmers much better. Highly restrictive.
Mexico must do much more on stopping drugs from pouring into the U.S. They have not done what needs to be done. Millions of people addicted and dying.

To protect our Country we must protect American Steel! #AMERICA FIRST

 

豪州については、適用除外を匂わせていたが、訪米中のMalcolm Turnbull 豪首相と会談し、適用除外を検討するとした。

米国は対豪で貿易黒字である。(2017年 輸出 246億ドル、輸入 101億ドル、収支 145億ドル黒字)

Spoke to PM TurnbullMalcolm of Australia.

He is committed to having a very fair and reciprocal military and trade relationship.
Working very quickly on a security agreement so we don’t have to impose steel or aluminum tariffs on our ally, the great nation of Australia!

 
日本

安倍首相と電話会談、対日貿易赤字(1000億ドル)を問題視している。

Spoke to Prime Minister Abe of Japan, who is very enthusiastic about talks with North Korea.

Also discussing opening up Japan to much better trade with the U.S.
Currently have a massive $100 Billion Trade Deficit. Not fair or sustainable. It will all work out!

EU  

米国品への関税、障壁を問題視し、米国品への関税引き下げを要求、自動車への関税も示唆

The European Union, wonderful countries who treat the U.S. very badly on trade, are complaining about the tariffs on Steel & Aluminum.

If they drop their horrific barriers & tariffs on U.S. products going in, we will likewise drop ours. Big Deficit. If not, we Tax Cars etc. FAIR!


 

2018/3/13  エーザイと米 Merck 、エーザイの抗がん剤「レンビマ®」のがん領域における戦略的提携に合意

エーザイと米 Merck は3月8日、エーザイ創製の抗がん剤、経口チロシンキナーゼ阻害剤「レンビマ」(一般名:レンバチニブメシル酸塩)を全世界で共同開発・共同販促する戦略的提携について合意したと発表した。

両社は、「レンビマ」の単剤療法、ならびにMerck の抗PD-1抗体「キイトルーダ®」(一般名:ペムブロリズマブ)との併用療法における、共同開発と共同販促を行う。

エーザイでは、抗PD-1抗体「キイトルーダ」を有するメルクとの提携で、これまで治癒が見込めなかった難治性がんに対しても、新たな選択肢を提供することができるとしている。

Merck も、エーザイと共に、現在の適応症に対する「レンビマ」の価値を最大限に引き出すとともに、「キイトルーダ」との併用により、さらに幅広い種類のがんに対する追加承認をめざ すとしている。

ーーー

レンビマについて:

細胞には、「細胞増殖に関わるシグナル伝達」が存在し、この機構に関わる重要な因子として、チロシンキナーゼが知られている。

チロシンキナーゼには、血管の増殖に関わる因子のVEGF(血管内皮細胞増殖因子)、細胞の増殖を促したり血管を新たに作ったりする因子のFGF(線維芽細胞増殖因子)、組織の修復や細胞増殖に関わるPDGF(血小板由来増殖因子)」などがある。

がん細胞ではこの機構が活発になっているため、チロシンキナーゼを阻害すれば、がん細胞による無秩序な増殖を抑制できる。
(正常細胞ではがん細胞ほどチロシンキナーゼが活発ではないため、がん細胞に対して選択的に毒性を与えることができる。)

このような考えにより、血管伸長や細胞増殖などに関わるチロシンキナーゼ(VEGF、FGF、PDGFなど)を阻害することで、抗がん作用を示す薬がレンビマである。


キイトルーダについて:

癌細胞は、免疫細胞からの攻撃を逃れるために、PD-L1 というタンパク質を出し、これが免疫細胞のPD-1 に結合すると、免疫細胞の働きが抑制される。

これらの「免疫チェックポイント」を阻害して、免疫細胞に癌細胞を攻撃させるのが、免疫チェックポイント阻害薬である。

Merckの「キイトルーダ®」は小野薬品のオプジーボと同じ抗PD-1抗体である。

  機能 承認 開発中
抗PD-1抗体 免疫細胞のPD-1に結合し、PD-1と癌細胞のPD-L1の結合を防止 オプジーボ(小野薬品/BMS)
キイトルーダ(米Merck)
 
抗PD-L1抗体 癌細胞のPD-L1に結合し、PD-1とPD-L1の結合を防止   Roche/中外製薬
AstraZeneca
独Merck
/Pfyzer
抗CTLA-4抗体 免疫細胞のCTLA-4に結合し、CTLA-4と樹状細胞のB7の結合を防止 ヤーボイ(BMS/小野薬品)
 
AstraZeneca


2016/11/30 オプジーボと競合する米メルクの癌免疫薬承認へ

 

ーーー

レンビマの開発状況と、今後の計画は下記の通りで、両社は、現在取得している適応に加え今後取得をめざす適応において、全世界の患者アクセスを促進する。

エーザイ 甲状腺がん 単剤療法 50か国以上で承認取得
腎細胞がん(二次治療) エベロリムス(免疫抑制剤・抗癌剤)との併用療法 40か国以上で承認取得
肝細胞がん(一次治療) 単剤療法 日本、米国、欧州、中国などにおいて承認申請
腎細胞がん(一次治療) エベロリムス or キイトルーダとの併用療法 フェーズV試験進行中
キイトルーダとの併用療法はFDAからブレイクスルーセラピーの指定(承認プロセス短縮)
共同開発 6がん種(子宮内膜がん、非小細胞肺がん、肝細胞がん、頭頸部がん、膀胱がん、メラノーマ)における治療歴に応じた11の適応取得を目的とした臨床試験に加え、複数のがん種に対するバスケット型試験を開始


レンビマに関する売上高はエーザイが計上し、開発およびマーケティング費用ならびに粗利益を両社で折半する。

ーザイは本提携で下記の金額を受領する。

一時金 9.5億ドル 契約一時金  3億ドル
オプション権一時金 6.5億ドル(2020年度までに年次ごと)
研究開発費償還 4.5億ドル  
マイルストン 最大43.6億ドル 開発マイルストン 最大3.85億ドル 承認取得時
販売マイルストン 最大39.7億ドル
合計 最大57.6億ドル  


エーザイによる売上高、損益の予想は次の通り。


 

ーーー

米Merckは、米国とカナダ以外では社名を MSD としている。ドイツのMerck KGaA とは別会社である。

Merck KGaA の起源は1668年にフランクフルトの南のダルムシュタットでフリ−ドリッヒ・ヤコブ・メルクがエンゼル薬局を創業したことに始まり、現在では 28カ国、62地域に自社工場を展開するまでになっている。

1891年、メルク一族のジョ−ジ・メルクが米国に子会社 Merck & Co.を設立した。
この会社は第一次世界大戦で敵国企業の子会社として米国政府に接収され、1917年に独立した。接収後は両社は別会社である。


2018/3/14    米大統領、BroadcomによるQualcomm買収禁止命令 

トランプ米大統領は3月12日、シンガポールに本社を置く通信用半導体大手Broadcom Limitedによる米Qualcomm Incorporatedの買収を禁じる命令を出した。

https://www.whitehouse.gov/presidential-actions/presidential-order-regarding-proposed-takeover-qualcomm-incorporated-broadcom-limited/

外国企業による米国企業への投資を審査する対米外国投資委員会(CFIUS:Committee on Foreign Investment in the United States)の勧告に基づく。
Qualcommは国防総省と取引があり、米国が中国などと競う次世代通信規格の「5G」でも規格の策定や半導体供給で中心的な役割を果たしている。

シンガポールに本拠を置く Broadcom が米国の安全保障を妨げる行為をすると信じさせる十分な証拠があるとし、次のことを命じた。

・今回の買収及び将来の直接間接の同様の買収を禁止
・BroadcomがQualcommの買収を進めるために指名したQualcommの取締役候補の立候補を禁止
・両社は直ちに、永遠に、この買収交渉を終了し、CFIUSにその旨を連絡する。

BroadcomはQualcommに敵対的買収を仕掛けており、Qualcommの株主総会では、6人の取締役を、Qualcommの買収を求めるBroadcomが指名する候補と入れ替えるかどうかを投票することとなっていた。

Broadcomはシンガポール法人ではあるが、実質は米国法人であると主張、米国に本拠を移す議題を株主総会にかけており、買収は米国法人になってから行うとしている。

付記 3月23日のBroadcom株主総会で本社を米国に移す議案が承認された。


今回の買収では、大統領の命令に先立ちCFIUSが懸念を示していた。
CFIUS はQualcomm を5G wireless 技術の開発で米国の貴重な財産であるとみている。
短期収益と株主資本主義を重視する
Broadcomが買収すれば、研究開発が滞り、次世代移動通信システム開発で中国の華為技術(Huawei Technologi)などに遅れる恐れがあると懸念した。

3月4日には買収の米国の安全保障への影響を調査するため、Qualcommが2日後の3月6日に予定していた取締役選任の株主総会を1カ月延ばすよう要請した。

半導体業界のアナリストは「Broadcomと華為技術の企業としての近さも警戒された」と指摘する。

Broadcomは3月12日、「Qualcommの買収が安全保障上の懸念を引き起こすという点に強く異を唱える」との声明を出した。

付記

Broadcomは3月14日、不満だが命令に従うと発表した。

Qualcomm は3月17日、同社の創業者の一人 Irwin Mark Jacobsの息子で2014年3月まで同社のCEOをしていたPaul E. Jacobsが同社の買収を検討している旨通知してきたと発表した。

報道では、同氏は長期での開発投資を重視する企業文化を守るため買収を検討しているとされ、同氏が孫正義会長兼社長と親しいことから、ソフトバンクグループが資金の出し手候補として浮上している。
Qualcommはソフトバンクの10兆円ファンド
SoftBank Vision Fundに出資している。

1985年7月にDr. Irwin Jacobsの書斎に7人の実業家が集まり、テレコミュニケーション分野で “Quality Communications” を作ることを決め、Qualcomm を設立した。

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Qualcomm, Inc. は、アメリカの移動体通信の通信技術および半導体の設計開発を行う企業である。

1985年に設立され、CDMA方式携帯電話の実用化に成功して成長を遂げた。

当初は携帯電話端末と通信設備の部門を併せ持っていたが、その後、携帯電話端末部門は京セラに、通信設備部門はスウェーデンのEricssonに売却された。

CDMA携帯電話用チップでは、ほぼ独占に近いマーケットシェアを保持している。

ファブレスメーカーであり、半導体の製造は委託している。

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中国の国家発展改革委員会(NRDC)は2015年2月10日、米半導体大手のQualcomm60.88億人民元(975 百万ドル)の罰金支払いを命じた。中国の独禁法違反では、過去最大の制裁金となる。

NRDCは、主に下記の点を問題とし、「Qualcommの違法行為は悪質で長期にわたり、極めて重大だ。ただちにやめるよう命じた」としている。

(1)不公平な高額の特許使用料を徴収していた。
(2)正当な理由なく、モバイル通信で標準的に必要としない特許の使用料を抱き合わせで販売した。
(3)半導体チップの販売において不合理な条件を押しつけた。

2015/2/14 中国、独禁法違反でQualcomm975 百万ドルの罰金 


Broadcom Ltd.は、無線およびブロードバンド通信向けの半導体製品などを製造販売する企業であるが、2つの段階がある。

当初のBroadcomは1991年に創業された。世界各地の15カ国以上で事業を展開し、約1.1万人を雇用、2009年にフォーチュン500にランクインした。

2016年2月に、Hewlett-PackardやAgilent Technologiesの半導体部門を起源とするAvago TechnologiesがBroadcomを370億ドル(現金170億ドルとAvago株式200億ドル)で買収し、Avago Technologiesは社名をBroadcom Ltd.に改称した。現在のBroadcomは、当初のBroadcomを含めた元のAvago Technologiesである。

Avago Technologiesは法人税率の低いシンガポールを本社にしており、現在のBroadcom もシンガポール法人となる。
President &CEOはHock E. Tan 氏。

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Broadcomは2017年11月6日、Qualcommに対し1030億ドルの非友好的買収案を提示したと発表した。債務を含めると買収総額は1300億ドルとなる。

Broadcomは2016年に2社統合の可能性を打診している。今回は発表前の通知はしていない。

買収が実現すれば、通信用半導体大手2社の統合となり、スマートフォン技術への事業拡大を進めるIntelを追撃することになる。

これに対し、Qualcommは提示額が低過ぎるとして、拒否した。

Broadcomは2018年2月に、約1200億ドルでの新たな買収提案を行ったが、Qualcommはこれも拒否した。
今回の提案がクアルコムの企業価値を著しく過小評価するだけでなく、受け入れ難い高水準のリスクを伴うとした。買収が反トラスト法に抵触しかねない問題も懸念した。

Broadcomは独自のQualcomm取締役候補を擁立し、3月6日の株主総会で取締役を入れ替えて、買収を受け入れさせることとし、両社で委任状争奪戦の様相を見せた。

Broadcomは2017年12月に投資ファンドと組んで、3月の株主総会で選出する11人の取締役候補を発表した。

2018年2月13日、新たな取締役案について当初の11人から6人に減らすと発表した。買収提案を受け入れ、Broadcomに賛同し続けてくれる候補に絞り込んだ。
Qualcomm株主向けの資料も公開し、近年の業績や株価の低迷を指摘して、Broadcomによる買収を支持する取締役を選ぶよう呼びかけた。

QualcommはBroadcommとの交渉の裏で秘密裏にCFIUSに調査依頼を行った。

前述の通り、CFIUSは3月4日に、買収の米国の安全保障への影響を調査するため、Qualcommが2日後の3月6日に予定していた取締役選任の株主総会を1カ月延ばすよう要請、Qualcommはこれに従い、延期した。

これを受け、Qualcommは3月5日、登記上の本社はシンガポールだが、本拠地はカリフォルニア州にあり、役員はほとんどが米国人で、株式の大半は米国の機関投資家が保有しているとし、5月までに登記上の本社を米国に移転すると発表した。そのうえで、Qaulcommが秘密裏にCFIUSに調査依頼をしたことを批判した。

3月12日には、5月に予定していた本社移転を4月初めに前倒しすることを表明、5Gや次世代通信技術の研究開発を維持することや、防衛などに関わる事業を売却しないことも約束した。

しかし、トランプ米大統領は3月12日、買収を禁じる命令を出した。

CFIUSの勧告は、外国企業による米国企業への投資の審査に基づくものである。Qualcommは米国法人になる予定で、米国法人として買収するとしており、本来は審査対象とならない筈である。

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米大統領がCFIUSの異議に基づいて買収を阻止したのは5件目。トランプ氏としては就任以来2件目となる。

最初は 1990年2 月にGeorge Bush大統領が行ったもので、China National Aero-Technology Import and Export Corp(中国宇宙航空技術輸出入公司)による航空機部品メーカーのMAMCO Manufacturing, Inc.の買収である。

オバマ大統領は2012年9月28日、「国の安全保障に関わる」として、中国の三一重工系企業Ralls Corp. によるオレゴン州の米海軍施設近くの風力発電企業4社の買収と所有を禁止し、本年取得した所有権を放棄することを求めた。

2012/10/4  オバマ大統領、米国内での中国企業の風力発電買収を阻止 

しかし、これについては、2015年11月4日、三一重工と米国政府の間で全面和解に至った。
外国投資委員会(CFIUS)はRallsが買収した他の風力発電事業が国の安全保障上で問題がないことを認め、将来の更なる投資を歓迎する。

2015/11/10 中国の三一重工、米国での風力発電買収阻止事件で米政府と和解、実質勝利

オバマ米大統領は2016年12月2日、中国の福建芯片投資基金による半導体製造装置メーカーのドイツのAixtron のカリフォルニア州の子会社 Aixtron Inc の買収を禁止すると発表した。軍事利用が可能な技術が対象に含まれ、米国の安全保障の脅威になると判断した。

2016/12/7 米政府、中国企業による独社の米子会社買収を禁止 

トランプ米大統領は2017年9月13日、中国系投資ファンドCanyon Bridge Capital Partners による米半導体メーカー Lattice Semiconductor の買収を阻止する命令を出した。

2017/9/18     米、中国系ファンドによる半導体メーカー買収阻止

今回が5件目である。George Bushが1回、Obamaが2回、Trumpが2回である。

 


2018/3/15 DowDupont の新体制とLiveris 会長兼CEOの引退 

DowDuPontは2017年9月1日、The Dow Chemical Company とE.I. du Pont de Nemours & Company が合併が2017年8月31日に完了したと発表した。

統合会社 DowDuPont の株式は9月1日付でNew York Stock Exchange に上場された。(会社略号“DWDP”)

Dow株主は1株当たり新株1株を、DuPont 株主は1.282株を受け取る。

取締役は両社から8人ずつが選ばれた。

DowのAndrew Liveris会長兼CEOがDowDuPontのExecutive Chairman に、DuPont のCEOの Ed BreenがCEOに就任した。

2017/9/5 DowDuPont 合併完了

両社は2015年12月、統合会社発足後の18カ月以内に農業関連、汎用化学品、高機能化学品の3社に分割・独立させる計画を明らかにしていた。

分離する3つの会社の事業についてDowの大株主が反対したため、2017年9月12日に見直しを完了した。

2017/9/16 DowDuPont、新組織の見直し完了

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DowDuPont は2018年2月26日、今後分離する3つの事業会社の社名を発表した。

DowDuPont は3月12日、Andrew N. Liveris 会長兼CEOが4月1日付で退任すると発表した。7月1日には取締役からも退任する。

後任の会長(Executive Chairman of the Board of DowDuPont)にはDowDuPontの社外取締役の共同トップ(co-Lead Independent Director)であるJeff Fettig(Whirlpool のCEO)が就任する。

Liveris会長は、「過去14年間で Dow をcyclical な化学品製造会社から科学によって、イノベーションを行い、世界の問題を解決する会社に変貌させた。積極的にR&Dに投資し、事業態様を根本的に変える一方で、我々の伝統と価値を守ってきた。変貌が完成し、新たな成長段階に移ることとなり、退任する時が来たと考えた」と述べた。

Liveris会長は当初、2017年夏に引退するとしていたが、物言う株主からの異議で統合・分割作業が長引くとみて、引退を延期し、DowDuPontのExecutive Chairman に就任した。


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