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2019/8/15 東芝メモリの4〜6月期、952億円の赤字

東芝メモリホールディングスが8月8日に発表した4〜6月期連結決算は、売上高は2,142億円、最終損益が952億円の赤字となった。

営業利益は989億円の赤字だった。これにはPangeaによる旧東芝メモリ買収に伴う固定資産・棚卸資産の取得金額の配分手続き(PPA=Purchase Price Allocation)の影響 285億円(損)と停電の影響344億円(損)を含む。

営業外損失として、借入金期限前返済、優先株期限前償還等で194億円の損失を計上した。

PPAでは、棚卸資産を1,388億円、固定資産を4,295億円 増加した。
棚卸資産については2019年3月期に全額コスト化した。
固定資産については2019年3月期に884億円を償却、残りは総額の95%まで、2022年3月期までに各年1,000億円程度償却する。

2019年3月期では、合計2,272億円を費用化した。当期損益は税効果で1,584億円の損失増となった。

 

2017年4月1日に東芝からメモリ事業を会社分割し(旧)東芝メモリが発足した。
2018年6月1日にBain Capitalを軸とする企業コンソーシアムにより組成される咳angeaが買収 、東芝メモリ鰍ニなった。 議決権は、東芝 40.2%、HOYA 9.9%、Bain Capital 49.9%である。

2019年10月1日付で社名を「キオクシア梶vに変更する。

2019/7/19 東芝メモリ、「キオクシア梶vに改称 

 

同社の決算推移は次の通り。(億円)

  旧東芝メモリ

東芝メモリ

2018/3月期 '18/4〜5 '18/6〜19/3 2019/3月期計   2019/1〜3 2019/4〜6
売上高 12,294 1,894 10,745 12,639 2,470 2,142
営業利益 4,568 704 459 1,163 -284 -989
 (うち一般) (4,568) (704) (2,731) (3,435) (  23) (-360)
 (PPA影響)     (-2,272) (-2,272) (-261) (-285)

(停電影響)

          (-344)
当期純利益 7,186 489 116 605 -193 -952

 2018/3月期の当期純利益には、法人税調整額▲3,346億円(益)を含む。

 

特殊要因を除いた営業利益が大幅に減少している。主力製品であるNAND(ナンド)型フラッシュメモリーの価格下落が続いているためである。

フラッシュメモリーの価格は、2016年後半から2017年にかけて急騰した。その結果、2017年9月に2兆円という価格で売却が成立した。

ところが2018年以降、メモリー価格は急落を続けてきた。

朝日新聞(2019/2/27)によると、東芝メモリの2018年7〜7月期に「30%台後半」だった利益率が、10〜12月期は「20%台半ば」に低下。2019年1〜3月期は営業利益がゼロに近い状態に落ち込みそうだという。
同社幹部は「昨年末から厳しい局面にある」と話す。

米中摩擦の激化で世界経済の先行きに不透明感が広がり、スマホの増産やデータセンターの増設などの投資が控えられていることが大きい。

2019年1〜3月期は営業利益がほぼゼロであったが、4〜6月期には実質で360億円の赤字となった。当面、事態が好転する気配は無い。


2019/8/15    トランプ政権、合法移民の永住権取得を制限へ 

米トランプ政権は8月12日、低所得者向けの公的医療保険 Medicaid や住宅補助、政府の食費補助(フードスタンプ)などの公的扶助を3年間で1年以上受け た低所得の合法移民について、ビザ(査証)の延長や永住権(グリーンカード)取得を制限する新規則を発表した。アメリカへの入国や滞在許可を得ることが一層難しくなるとみられる。

既に永住権をもつ人や難民申請中の人は対象外。

AP通信によると、年約54万人の申請者のうち約38万人が新規則の影響を受ける可能性がある。

移民規制を強めるトランプ政権で、非正規移民に加え、合法的に移住しようとする移民も、所得や能力で選別する姿勢を打ち出した。

今回の「公課規則」は、12日付けの連邦官報の中で公表された。10月15日から施行される。 妊婦や子ども、救急医療や災害支援などは対象外という。

政府は、「自給自足の理想型」を推し進めるとしている。

ホワイトハウスは、現行の規則は「自立性があり、我々の公的資金を圧迫しない」移民よりも、「家族との結びつき」がある移民をひいきしていると主張している。アメリカへ流入する移民の3分の2が、能力や実績よりも、家族に基づいて入国しているという。 また、その多くが公的扶助を受けているとする。

トランプ大統領は、「米国人の利益を守るため、移民には経済的に自立してもらう必要がある」と述べた。

1996年にClinton大統領が決めた方針では、外国人はその必要を満たすために公的資源に頼るべきでないとしており、以前からの方針であるとする。

https://www.whitehouse.gov/briefings-statements/president-donald-j-trump-ensuring-non-citizens-not-abuse-nations-public-benefit/

担当の市民権・移民局(Citizenship and Immigration Services)のKen Cuccinelli 局長代行は公共放送NPRの番組に出演、司会者から「自由の女神に刻まれているEmma Lazarusの詩句なかのの『疲れし者、貧しき者を我に与えよ』もアメリカの精神の一部であることに同意するか」と問われた。

Give me your tired, your poor,
Your huddled masses yearning to breathe free,
The wretched refuse of your teeming shore.
Send these, the homeless, tempest-tossed to me,
I lift my lamp beside the golden door!”

疲れ果て、貧しさにあえぎ、自由の息吹を求める群衆を、私に与えたまえ。
人生の高波に揉まれ、拒まれ続ける哀れな人々を。
戻る祖国なく、動乱に弄ばれた人々を、私のもとに送りたまえ。
私は希望の灯を掲げて照らそう、自由の国はここなのだと。(意訳 青山沙羅)

Cuccinelli 局長代行は、司会者の質問に「もちろんだ」と答え、続けて、こう述べた。
「疲れし者、貧しき者を我に与えよ――自分の2本の足で立つことができ、公的負担とならない者を

Give me your tired, your poor, who can stand on their own two feet and who will not become a public charge"

政権を批判する勢力からは「アメリカンドリームを否定し、米国の姿を変える行為だ」と反発の声が上がっている。

 

今回の措置は中南米からの不法移民に厳しい態度で臨むトランプ大統領の移民政策の延長線上にある。

対象となるのは合法的に滞在許可を得た移民ではあるが、市民権を取得した家族や親類を頼って渡米した低所得者を狙ったものであることは明らか である。

新規則が導入されれば、ビザが更新できなくなることを恐れ、病気になっても医療扶助などを諦める移民が増える可能性が高くなる。移民を支援する全国移民法センターは「合流しようとする移民の家族への罰を拡大するものだ」と非難し、法的手段を検討すると表明 した。

8月13日にはサンフランシスコ市と同郡、隣接するサンタクララ郡が差し止めを求めて訴訟を起こした。

8月14日には、ワシントン州、ニュージャージー州、ネバダ州、ニューメキシコ州など13州が、トランプ政権の新たな移民規制措置は「違法だ」として差し止めなどを求めワシントン州の連邦地裁に提訴した。

 

 


2019/8/16 Saudi Aramco、インドのRelianceの石油・化学関連事業へ出資

Saudi AramcoとインドのReliance Industriesは8月12日、AramcoがRelianceのOil-to-Chemicals 部門に出資する非拘束のLetter of Intent を結んだ。
今後、due diligence を行い、関係部門の承認を得て、来年3月までに確定させる。

Oil-to-Chemicals 部門は石油精製と石油化学と燃料のマーケティングの事業で、西海岸GujaratのJamnagar refining complex (精製能力 日量124万バレル)を含む。
燃料の卸事業については、下記の通り、BPとのJV(BPが49%)とすることを決めたため、JVの51%分が対象となる。

Oil-to-Chemicals 部門の事業価値を750億ドル(債務込み)と想定し、これの20%を取得する。150億ドルの投資となり、外国企業によるインドへの投資の最大のものの一つとなる。

支払は、契約の確定時に50%、1年後に25%、2年後に25%となっている。

Aramcoは過去25年以上にわたり、Relianceに原油を供給してきた。これまでにRelianceのJamnagar 製油所向けに約20億バレルの原油を供給してきた。同製油所は世界でも最大級の精油所で、石油精製から石油化学まで一貫したもの。

今回の投資により、AramcoはJamnagar 製油所に日量50万バレルの原油を供給する。これは、Relianceが現在購入している原油の倍以上である。

原油価格の低迷で収益が落ち込む中、石油部門の多角化を目指す。Aramcoはこれまで、中国や日本、韓国、米国などの石油精製事業や備蓄施設に出資しているが、燃料や石油化学製品需要が急速に伸びているインドへの出資はさほど行っていなかった。

Saudi Aramco は2018年6月、Abu Dhabi National Oil Company (Adnoc) と共同でインド西海岸での440億ドルの精油所建設計画に共同で投資する契約に調印したと発表した。
両社はそれぞれ25%出資する。

2018/7/7 アブダビ国営石油、Aramcoと組み、インドの石油精製・石油化学事業に出資

AramcoのCEOが昨年、ガソリンや燃料の生産能力を倍増したいと述べたが、少なくともそれ以降、インドでの製油所の獲得を目指していた。


一方、Relianceは最近、テレコミュニケーションなどへの投資が嵩んでおり、昨年12月末の借入金は320億ドルに達する。現在、借入金を減らすため、携帯電話基地局から石油・ガス田まで、売却を行っている。

「2021年3月までに実質無借金にする」としている。

Relianceは別途、燃料の卸事業(1400箇所のステーションと、30以上の空港での航空燃料事業)をBPとのJV(BPが49%)にすることを決め、BPから990百万ドルを受け取ると発表した。


今回、両社の思惑が一致した。

 

Jamnagar精油所は西海岸Gujaratにある。

1999年に日量660千バレルでスタートした。

2008年に増設し、1,240千バレル(年産5000万トン)になった。世界最大級である。

Fluidised Catalytic Cracker (FCC)、Coker、Alkylation、Paraxylene、Polypropylene や、Refinery offgas cracker、Petcoke gasification プラントなどを持つ。

PPについては、当初の3系列77万トンに、2006年に第4系列28万トンが加わり、新製油所には100万トンのプラントを新設した。

 

 

 


2019/8/17 ソフトバンクグループのFortress Investment Group、米全国紙 USA Today を買収 

Softbank Group が所有する Fortress Investment Group のGateHouse Media は8月6日、米全国紙 USA Today を発行するGannett を約14億ドルで買収し、統合することで合意した。

統合会社の社名はGannett で、GateHouse Mediaの株主が50.5%、残りをGannett の株主が所有する。

GateHouse Media は米国最大の地方紙発行社で、144の日刊紙、684のコミュニティ紙、569のwebsiteを有する。Gannett は全国紙のUSA Todayのほか、Detroit Free Press、Indiana Star、Arizona Republic などを持つ米国最大の新聞チェーン。統合により全国で263の日刊紙が新Gannett により発行されることとなる。

このところ、Google やFacebookに押され、広告収入の激減で多くの新聞が閉刊しており、USA Today も購読者が減り、コスト削減のためにニュース製作部門を縮小してきた。
統合により年間3億ドルのコストシナジーを見込む。

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ソフトバンクは2017年2月、世界的な規模で多角的にグローバル投資を行う世界有数の投資ファームのFortress Investment Groupを共同投資家とともに約33億米ドルで買収する契約を締結した。

この買収は2017年12月に完了したが、発表では、Fortressは現経営陣が独立して経営を行い、リーダーシップ、ビジネスモデル、ブランド、人材、プロセス、企業文化を維持していくとしている。

これについて、英Financial Timesは、対米外国投資委員会(CFIUS)から投資会社の業務運営への関与に制限を受けていたと報じた。ソフトバンクは業務に影響を及ぼすことが制限され、Fortressの所有にとどまっているという。

2018/8/17   米、対米投資の審査対象拡大
 

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参考

2013年8月、Amazonの創業者、CEOのJeff Bezos が、アメリカを代表する高級日刊紙、Washington Post を現金2億5,000万ドルで買収した。

Washington Post はKatharine Grahamが1969年以後、発行人から社長、そして会長を歴任した。

1970年代初頭、Bob Woodward とCarl Bernsteinによるウォーターゲート事件の追及で国際的な名声を獲得した。

Katharine の死後、息子のDonald Grahamが後を継ぎ、15年来の友人Jeff Bezos に譲渡した。

 

米出版・放送会社のMeredithは2017年11月、米出版大手Time, Inc を18億5千万ドルで買収すると発表した。

Time, Incはメディア・娯楽大手 Time Warner の出版部門が2014年に分離し、独立企業となった。Time誌のほか、Fortune、Sports Illustrated、Moneyなどの著名な雑誌の発行で知られる。

 

しかし、Meredithは2018年1月の買収完了に伴い、デジタルメディア事業の拡大に向け、メディア資産保有の見直しを行った。

Meredithは、Martha Stewart Living、Better Home and Garden、Family Circleなどの有名雑誌を所有している。同社はこれらのブランドが毎月、「ミレニアル世代の女性」の8割を含む1億7500万人の米国人に読まれているとしている。
「40歳以下の女性」という主力読者層にあわない経済やニュース誌などは切り離す「選択と集中」を進めた。

Meredithは2018年9月、ニュース雑誌 Time を、企業向けクラウド大手のセールスフォース・ドットコム(Salesforce.com)のCEOのMarc Benioff 夫妻に1億9000万ドルで売却すると発表した。Benioff 夫妻はTime誌のみを買収、編集業務には関わらない。

Meredithは2018年11月、経済誌 Fortuneをタイ人の実業家(財閥 Charoen Pokphand グループの一員)に1億5000万ドルで売却することで合意したと発表した。個人による投資で、財閥の事業とは別に運営する。

Meredithは2019年5月、Sports Illustrated を米エンターテインメント企業 Authentic Brands に1億1000万ドルで売却することで合意した、と発表した。

MeredithはMoney誌についても売却を検討してきたが、売却を諦め、デジタル版に変更する。雑誌としてはJune/July号が最終となる。


2019/8/19 米メディアCBSとバイアコムが合併合意

米メディア大手のCBSとVIACOMは8月13日、合併することで合意した。

統合会社はViacomCBSInc.となり、単純計算で売上高が280億ドルの巨大メディアとなる。

米国のTV視聴率では最大となる。

経営陣は、合併手続き完了後1〜2年以内に年5億ドルのコスト節減効果を見込んでいる。新会社の価値は約300億ドルと評価される。

 

1999年にVIACOMがCBS (Westinghouseが買収し、重電事業売却を前提にその名前を継いでいた)を買収して統合したが、2006年に分離した。

両社はここ数年間、再統合に向けた交渉を断続的に行っていた。

合併新会社は株式交換で合併し、2019年末にも手続きを終える見通し。

CBS株主が統合会社ViacomCBSInc.の61%を、VIACOM株主が39%を所有することとなるが、両社のマジョリティ株主はSumner Redstone とその娘の Shari  Redstoneの所有するNational Amusements Inc であり、

統合会社も同様である。

Sumner Redstone は96歳で、娘のShari  Redstoneが仕切ることとなる。

 

両社の歴史は次の通り。

1971 CBS Filmsがスピンオフ、VIACOM(VIdeo and Audio COMmunications)になる。

1986 Sumner RedstoneのNational AmusementsがVIACOMを34億ドルで買収

1994 VIACOMがパラマウント映画を99億ドルで買収

1995 WestinghouseがCBSを540百万ドルで買収

1997 Westinghouseが全重電事業売却を前提にCBSに改称

米国の重電メーカーのWestinghouse Electric は1990年代に深刻な経営危機に直面、再建請負人のCEOは1999年に電力システム部門をSiemensに売却、原子力部門をBritish Nuclear Fuelsに売却した。

Westinghouseは1995年に放送会社のCBSを買収しているが、重電事業全ての売却を前提に、1997年に社名をCBSに改称した。子会社にWestinghouseの商標の管理会社がある。

CBSは1999年にアメリカのメディアコングロマリットのViacomに買収された。

British Nuclear Fuelsが買収した原子力部門がWestinghouse Electric の商標を使用している。

東芝は2006年2月に英国原子燃料会社(British Nuclear Fuels) からWestinghouse Electric の全株式を54億ドルで買収する契約を締結した。

2017/1/30    東芝、原発事業を見直し

1999 VIACOMがCBSを370億 ドルで買収

2005 Viacomはこの2社の相乗効果に限界を感じ、会社を2分割 CBSとVIACOM

なお、Sumner RedstoneはNational Amusements Incのオーナー兼会長で、これを通し、彼と家族はCBSとVIACOMのマジョリティ株主である。

 



 
2019/8/20  トランプ大統領、「グリーンランド買いたい」

トランプ米大統領が デンマーク領のグリーンランドの買収について、買収の合法性に加えて、自治政府が存在する島を購入する場合の手続きについて調査するよう周辺に指示した。米紙が報じた。

数週間にわたって買収構想を持ち出しており、周辺は冗談なのか真意を測りかねているという。

米政権は中国が北極政策の一環としてグリーンランドに接近していることに警戒を強めている。国防総省は5月の報告書で、中国が衛星通信施設や空港の改良工事をグリーンランドに提案していると指摘 、軍事転用の可能性を懸念してきた。米国の安全保障に支障が出る可能性も懸念する。

米国は北部のThule に空軍基地を持っている。1951年の冷戦時に建設したもので、レーダーとモニター基地で600人の要員を置き、米国のグローバルな防衛システムの一つである。

グリーンランドの空域を中国が抑えることは、米軍にとって耐えがたいことである。

一部の専門家は、米のチューレ空軍基地が島から追い出されかねないと懸念する。

米国家経済会議(NEC)のクドロー委員長は8月18日のFOXニュースのインタビューで、デンマーク領グリーンランドの買収構想が政権内で浮上していると認めた。
天然資源が豊富な点などをあげて「要衝の地だ」と強調した。ロシアや中国が北極進出を強めていることを念頭にグリーンランド買収は米国の国益と合致するとの見方をにじませた。

1946年に当時のトルーマン大統領もグリーンランド買収に乗り出したと指摘した。トルーマン米大統領が1億ドルで買収をデンマークに打診したが拒否された。

トランプ大統領は9月2、3両日にデンマークを公式訪問し、フレデリクセン首相やマルグレーテ女王と対面する。

グリーンランド自治領政府は16日、声明を発表し「グリーンランドは当然ながら売り物ではない」と表明した。

デンマークのフレデリクセン首相は地元紙の取材に対し、「グリーンランドは売り物ではない。グリーンランドはグリーンランドのもの」「これが本気ではないことを強く望む」とコメントした。

 

付記

トランプ米大統領は8月20日、デンマークのフレデリクセン首相との会談を延期する意向を明らかにした。グリーンランド購入提案を首相が一蹴したため。

大統領はツイッターに、グリーンランドに建つトランプタワーの合成写真を載せ、"I promise not to do this to Greenland!” と述べた。

Denmark is a very special country with incredible people, but based on Prime Minister Mette Frederiksen’s comments, that she would have no interest in discussing the purchase of Greenland, I will be postponing our meeting scheduled in two weeks for another time.


 

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グリーンランドはデンマークの旧植民地で、1979年5月に自治政府が発足し高度な自治権を獲得した。現在はデンマーク本土、フェロー諸島と対等の立場でデンマーク王国を構成している。

2008年11月、グリーンランドで自治拡大を問う住民投票が行われ、承認され、2009年6月21日に施行された。
公用語をグリーンランド語と明記し、警察と司法、沿岸警備などの権限が中央政府から自治政府に移譲されることとなった。
また、これまで本国と二分していた地下資源収入について、7500万デンマーク・クローネまでを自治政府の取り分として、残りの超過分を本国と折半することが盛り込まれている。

エノクセン首相は「遠くない将来に完全独立が実現することを望む」と語った。

人口は約5万7,000人で、デンマーク人は12%に過ぎず、88%がエスキモー系の先住民族のKalaallit(広義のイヌイット)である。(カナダのイヌイットと区別して呼ばれる。)

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米国が懸念するように、中国はグリーンランドを狙っている。

中国政府は2018年1月、北極海の開発や利用に関する基本政策をまとめた「北極政策白書」を初公表した。北極海を通る航路を「氷上のシルクロード(Polar Silk Road)」と呼び、「一帯一路」と結びつける方針を示した。中国はグリーンランドをPolar Silk Roadの拠点とみなしている。

地球温暖化で船舶の通航や資源開発が容易になった北極海で権益拡大をめざす。

中国は白書で「北極圏に最も近い国の一つ」と位置づけ、経済や環境など幅広い分野で北極の利害関係国だと明示した。「中国はエネルギーの消費大国であり、北極海航路や資源開発は中国経済に大きく影響する」とし、権益確保に向けて積極的に関与する方針を示した。

具体的には「企業が北極海航路のインフラ建設や商業利用に参加することを奨励する」「企業が石油や天然ガス、鉱物資源の開発に参加することを支持する」と白書に盛り込んだ。

北極における持続可能な開発,環境保護といった共通の課題について協力等を促進することを目的とし、1996年のオタワ宣言に基づき、北極圏国8か国によってする「北極評議会」が設立され、議論を行っている。

メンバーは、カナダ,デンマーク,フィンランド,アイスランド,ノルウェー,ロシア,スウェーデン,米国の8カ国で、中国は日本や韓国などとともにオブザーバーとなっている。

中国はグリーンランドをPolar Silk Roadの拠点とみなしている。中国資本が島の主要産業に相次いで出資 している。

1) 資源

グリーンランド南端のKvanefjeldではウラニウムとレアアース(neodymium, dysprosium, and yttrium など)の採掘事業が進んでいる。

2016年に豪州企業のGreenland Mineralsが中国の盛和資源(Shenghe Resources)に12.5%の権利を与えた。2018年8月の覚書により、盛和資源が採掘したレアアースの製造、販売を主導する。

盛和資源は本年1月、中国核工業集団(CNNC)の子会社とレアアースの製造、販売のためのJVを設立した。Kvanefjeld鉱のウランとトリウム(原子番号90)からレアアースを分離する。

Greenland Mineralsと盛和資源は別の子会社 China Nuclear Hua Sheng Mining を設立する。Kvanefjeld鉱のウランとトリウムを中国に送り、中国でレアアースを分離加工する。

この事業については自治政府の野党から環境問題や中国の関与度合いなどに関して疑問が呈されており、実現には時間がかかるとみられている。

北端のCitronen Fjordでは豪州のIronbarkが中国企業とのJVで亜鉛採掘を行っている。

陸上原油・ガス田については、China National Petroleum Corp. (CNPC) とChina National Offshore Oil Corp. (CNOOC) がグリーンランド西部で調査が始まるブロックに関心を示している。

2) 空港整備計画

グリーンランドでは移動や輸送を空路に大きく依存している。島内のほとんどの空港は滑走路が短く、40席足らずのプロペラ機しか飛べない。
現在、国際空港は首都から遠く離れ、人口が500人のKangerlussuaq Airportであり、首都のNuukにはプロペラ機しか降りられない。

そのため自治政府は、推定6億ドルをかけて、大型ジェットが離着陸できる3つの国際空港の新設を検討している。(Nuuk と Ilulissatに新設、Kangerlussuaqの改装)

中国のインフラ大手の中国交通建設 (China Communications Construction Company)が 受注した。

デンマークと米国はこれに反対しているが、多数を占める Kalaallitは賛成している。

デンマーク政府は急遽1億ドル余りを自ら出資すると言い出した。島内に米空軍基地を抱えることから安全保障面で問題視し、米国の警戒にも配慮した。
この受け入れをめぐって政権与党は分裂し、議会は混乱したが、自治政府が最終的に受け入れを決めた 。

2019年6月、中国交通建設は撤退を決めた。


2019/8/21   米、Huawei 禁輸強化  

米商務省は8月19日、中国の華為技術(Huawei)への米国製品の禁輸措置を強化すると発表した。

米商務省は本年5月15日、安全保障上の懸念があるとして輸出を規制する外国企業のリスト(Entity List ) に華為技術(Huawei)を追加した 。米国製ハイテク部品などの事実上の禁輸措置である。

2019/5/16    米国、Huawei を対象に2施策

今回制裁回避を防ぐため関連会社46社を追加した。 これらの企業への米国製品の輸出は商務省の許可が必要で、今後も企業の申請は原則却下される。

Bureau of Industry and Securityによる発表

Huawei Technologies Co., Ltd. と別名 Shenzhen Huawei Technologies
子会社3社を別記 Huawei Digital Technologies (Suzhou)、Shanghai Huawei Technologies、Zhejiang Huawei Communications Technology
(以上は5/15の指定分を明確化したもの)

追加 27社
次の各国の子会社
Argentina、Australia、Bahrain、Belarus、China(3社)、Costa Rica、Cuba、Denmark、France、India、Indonesia、Italy (2社)、Kazakhstan,、Mexico、New Zealand、Panama、Portugal、Romania、Russia、South Africa、Sweden、Thailand、UK(2社)、

追加 中国の関係会社19社

 

なお、商務省は5月15日の当初の発表直後の5月20日、リスト記載企業に対して「一時的一般許可証」を発行した。

5月16日までに有効になった契約について、5月20日から90日間(8/19まで)に限り、携帯電話のソフトウェア更新やネットワークの保守・運用に必要な一部の取引を認めた。「現在Huawei 製のスマートフォンを使っている一般ユーザーと地方のブロードバンドネットワークのための運用継続を認めるもの」としている。

8月19日に期限の到来を受け、商務省は今回、この猶予措置を更に90日間、11月18日まで延ばす。

ロス商務長官は声明で「米消費者がHuawei 製品から離れるのを促す中、混乱を避けるためにもう少し時間が必要だ」と説明した。

 

トランプ大統領は6月末の会談で習近平国家主席の要請を受け、「安保に脅威とならない取引を認める」と制裁緩和を表明した。

しかし、トランプ大統領は8月18日、「Huaweiとは一切ビジネスをしたくない」と強調した。

制裁解除を求めてきた習近平指導部は反発するとみられる。

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米商務省は6月21日、輸出管理法に基づき安保上懸念がある企業を列挙したEntity List (規則 744.11(b) )にスーパーコンピューター大手5社とそれぞれのグループ会社を追加した。

商務省は、スパコンが「核爆発のシミュレーション」などの軍事目的に利用されていると指摘。無錫江南については、中国人民解放軍の傘下にある研究施設が所有者で「中国軍の近代化を使命としている」とした。

米商務省のBureau of Industry and Security (BIS) は8月13日、中国国有の原子力発電最大手、中国広核集団 とその子会社をEntity List (事実上の禁輸リスト)に加えると発表した。

米国の原子力技術を軍事転用しているとして、米国製品の販売を阻止する。原発は中国がハイテク産業育成策「中国製造2025」で掲げる重点分野 で、米政権は禁輸措置などを駆使して中国ハイテクへの締め付けを強めている。

2019/6/24 米、中国スパコン大手を禁輸対象に指定 及び 付記

 

 

 


2019/8/22  秋田の石炭火力 着工見送り

両社は県有地の秋田湾産業新拠点に出力65万キロワットの石炭火力発電所2基を建設する計画で、環境影響評価(アセスメント)の手続きは既に終えている。環境アセスの評価書では、着工時期を当初計画通り「2019年8月」と記載。2024年の運転開始を目指していた。

事業の実施に際しては、利用が可能な最良の技術(Best Available Technology:BAT)である超々臨界圧(USC)発電設備の導入により、電源の高効率化や低炭素化に貢献し、適切に環境設備を配置することで、硫黄酸化物や窒素酸化物、ばい塵の排出も抑制するとしていた。

 

【発電設備の完成予想図】

 

 

計画のアセスに対しては環境相が2018年9月、「CO2排出削減の具体的道筋が示されないまま容認されるべきではない」とする意見を経済産業相に提出。経産相はこれを踏まえ、一層のCO2排出削減に努めるよう勧告していた。

2018年9月28日 環境省

事業者である丸紅、関電エネルギーソリューションに対し、世界の潮流に逆行するような地球温暖化対策が不十分な石炭火力発電は、是認できなくなるおそれもあること等を踏まえ、

(1)石炭火力発電に係る環境保全面からの事業リスクが極めて高いことを改めて強く自覚し、2030年度及びそれ以降に向けた本事業に係る二酸化炭素排出削減の取組への対応の道筋が描けない場合には事業実施を再検討することを含め、あらゆる選択肢を勘案して検討すること、

(2)とりわけ、 本事業者については、現在高効率のガス火力等を有している本事業者のグループ会社等との共同実施により、2030年度までに同目標の達成を目指すとしているものの、引き続きその達成に向けた努力が必要不可欠であること、

(3)そのほか大気環境、水環境及び廃棄物に係る適切な環境保全措置の検討等を求めている。

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2018年10月30日 済産業大臣勧告

  • 石炭火力発電を巡る環境保全に係る国内外の状況を十分認識し、本事業を検討すること。
     
  • このような国内外の状況を踏まえた上でなお本事業を実施する場合には、ベンチマーク指標の目標を確実に達成するとともに、共同実施者を含む事業者全体として、2030年以降に向けて、更なる二酸化炭素排出削減を実現する見通しをもって、計画的に実施すること。
     
  • 本事業の工事の実施及び施設の供用に当たっては、二酸化炭素の排出削減対策をはじめ、排ガス処理設備の適切な運転管理及び騒音・振動の発生源対策等による大気環境の保全対策、排水の適正な処理及び管理による水環境の保全対策等の環境保全措置を適切に講ずること。
     
  • その他、大気環境、水環境、廃棄物等について勧告。

 

両社は環境保全対策を実施して計画を進める考えを示していた。

なお、2019/2/21付の日本経済新聞は、「関電・丸紅、秋田石炭火力見直し バイオマス転換も」というタイトルで以下のように報じたが、その後、両社の発表はない。

秋田市での大型石炭火力発電所の事業計画を見直す。石炭だけを燃料にする想定だったが、木質チップを混ぜるバイオマス混焼や液化天然ガス(LNG)への切り替えを軸に検討する。石炭火力は二酸化炭素(CO2)排出が多く、環境対策費がかさむ傾向にあり、大手各社の計画変更や撤回が続いている。


参考

中国電力とJFEスチールが共同出資した「千葉パワー」は2018年12月27日、千葉市のJFEスチール東日本製鉄所構内で計画していた石炭火力発電所「蘇我火力発電所」の建設を中止すると発表した。

出光興産、九州電力、ならびに東京ガスは1月31日、千葉県袖ケ浦市にある出光興産所有地を活用した千葉袖ケ浦エナジーの石炭火力発電所の共同開発を断念すると発表した。

2018/12/30 千葉の石炭火力計画中止 & 付記


電源開発、大阪瓦斯および宇部興産が出資する山口宇部パワーは2019年4月24日、宇部市西沖の山で進めてきた西沖の山発電所新設計画に関し、今後、計画変更を検討し、環境影響評価手続を休止すると発表した。大阪ガスが、本計画からの撤退を決定した。

これらは、今回の秋田計画と同様、全て超々臨界圧石炭火力計画である。

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この事業を関電とともに推進している丸紅は2018年9月18日、脱石炭火力発電の方針を発表している。

サステナビリティへの取組み方針に関するお知らせ
(石炭火力発電事業及び再生可能エネルギー発電事業について)

丸紅は、気候変動を人類共通の重要な課題と認識している。地球環境と社会との共存共栄を脅かす問題であり、早急に取組むべき課題であると考えている。

サステナビリティ経営推進の一環として、丸紅の石炭火力発電事業及び再生可能エネルギー発電事業に関する取組み方針を定めた。

1. 脱石炭火力発電へのプロセス

石炭火力発電事業によるネット発電容量を、2018年度末見通しの約3GWから2030年までに半減させる。また、新技術の導入等による保有資産の効率化、環境負荷軽減を積極的に推進する。

2. 新規石炭火力発電事業への取組み

新規石炭火力発電事業には原則として取組みません。

但し、BAT(Best Available Technology, 現時点では超々臨界圧発電方式)を採用し、国家政策に合致した案件については取組みを検討する場合もある。

3. 再生可能エネルギー発電事業への積極的な取組み

再生可能エネルギー発電事業の拡大に向け、再生可能エネルギー電源の比率を、ネット発電容量ベースで現在の約10%から2023年までに約20%へ拡大することを目指す。
 

秋田計画は超々臨界圧発電ではあるが、環境省意見などからみて、国家政策に合致したものではない。

 


2019/8/23   EvonikによるPeroxyChemの買収、FTCが反対

Evonik Industries は2018年11月、投資会社 One Equity Partnersとの間で、PeroxyChemを6億2,500万ドルで買収する契約を締結した。

PeroxyChemは過酸化水素(H2O2)と過酢酸(PAA)を製造するメーカー で、元はFMCの事業部門で FMC Global Peroxygens であった。

One Equity PartnersはJ.P. Morgan Chaseの一部門で、2014年3月にPeroxyChemを2億ドルで買収した。

過酸化水素と過酢酸はいずれも酸化剤であり、パルプ業界の漂白剤や食品加工の消毒剤として、また排水処理など、さまざまな分野で用いられてい る。

過酸化水素は半導体製造、医療用途や宇宙船開発技術など、ハイテク分野での利用が増えてい る。

PeroxyChemは 100年以上もさかのぼるルーツを持ち、フィラデルフィアに本社を構え、世界中で約600名を雇用しており、北米を中心に、ドイツ、スペイン、タイなどに合計8カ所の製造拠点を持っている。

Evonikも過酸化水素とその関連製品を何十年にもわたって製造してきた経験をも ち、世界各地に13の製造拠点を構え、世界で最大手のメーカーの一つである。

Evonik としては、両社の業務内容、ロジスティックス、製品ポートフォリオの拡大や新技術の開発などが相互補完関係にあるため、統合されたグローバルな事業全体において、2,000万ドル規模のシナジー効果を期待して おり、このシナジー効果は2022年までに完全に発揮できるとしていた。

 

関連当局の承認を条件に、2019年中頃に完了予定としていたが、Federal Trade Commission は8月2日、これをブロックした。審判開始決定書(Administrative Complaint) を出すとともに、最終決定がなされるまでの間、現状を維持するよう求める訴えを連邦地裁に提出した。

両社の統合が米国のPacific Northwest 地区と Southern and Central地区で競争を阻害するというもの。

FTCの主張は以下の通り。

過酸化水素は輸送費の面から、他の地区から運ぶということは考え難い。

Pacific Northwest 地区では、両社のほかに競争力を持つのはSolvayだけであり、統合会社のシェアは50%を超える。

Southern and Central地区では、Solvay、Arkema、Nouryonが存在するが、両社は二大メーカーで、販売量ではトップ3社のうちの2社であり、シェアは約50%である。

両地区で HHI(Herfindahl-Hirschman Index:業界内の全企業のそれぞれのシェアを二乗して足し合わせるもの)は2500をはるかに超え、違法である。

統合は2つの点で競争を害する。

市場は寡占で、談合の長い歴史を持っており、市場での調整の可能性が増す。
両市場ではこれまで需要家は両社の争いで値下がりのメリットを受けてきたが、新しい競合社が出る可能性、他社が増設する可能性は少ない。

買収による統合は、アンフェアな競争方法であり、FTC法に違反し、また、競争を著しく減らすことから、独禁法(Clayton Act)に違反する。

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注)Nouryon

オランダのAkzo Nobelは2018年3月、特殊化学品事業 のAkzo Nobel Specialty Chemicals を米投資会社Carlyle Groupとシンガポールの政府系投資会社GICの連合に売却すると発表した。 負債を含む売却総額は101億ユーロ。

買収された Akzo Nobel Specialty Chemicals は2018年10月、社名をNouryonに変更した。
スペシャリティケミカル事業の源流の一社である Noury & Van der Lande から採った。日本化薬とのJVの化薬アクゾは当初はNouryとのJVで、社名は化薬ヌーリーであった。


2019/8/23   Evonik、MMA事業の売却完了 

Evonikは8月1日、MMA事業の売却を7月31日に完了したと発表した。関係官庁の承認を得た。今後、Specialty Chemicals に集中する。

Specialty Chemicals への集中の一環として、PeroxyChemを6億2,500万ドルで買収する契約を締結したが、 別項の通り、FTCの反対を受けている。

Evonik は本年3月4日、MMA事業(Röhm GmbH)をAdvent International に30億ユーロで売却する契約を締結した。

世界中に18カ所のプラントを持ち、従業員は3900人。2016年から2018年までで年間売上高は18億ユーロ、年間のEBITDAは約3億5千万ユーロであった。

売却取引は、メタクリレート、アクリル製品およびCyplus社(シアン化ナトリウム)の各事業ライン、ならびにメタクリレート樹脂の事業活動の一部などが対象。PMMAPlexiglas のブランドでいろいろな分野で使用されている。

Evonikは、景気に影響されにくいスペシャルティケミカルへの注力を高めるという組織的な戦略の一環として、これらの事業の売却に踏み切った。

売却先のAdvent Internationalは米国のプライベート・エクイティ会社で、化学業界における経験が最も豊富な世界でも有数の金融投資機関。過去30年間で30を超える投資を行ってきた。

Bayer子会社H.C. Starck 、欧州PVCメーカー Vinnolit(のち、Westlake Chemicalに転売)など。

Evonikは売却収入をバランスシートの強化と成長分野への投資に充てるとしており、PeroxyChemの買収もその一つであった。

 

Advent International では、この事業を強化するとしており、工場の増強も行う。

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Evonik のMMA事業Röhm GmbHの元はドイツのRohm & Haasの事業である。Dowが買収した米国のRohm & Haasとも同根である。

1907年に2人のドイツ人、ケミストのRohmと実業家のHaasがドイツでRohm & Haasを設立した。

1909年にHaasが米国に移住してフィラデルフィアに支店を設立した。
第一次大戦でドイツ企業が接収されるのを避けてHaasが本社と縁を切って米国企業のRohm & Haasとした。
(Haasは戦後 Rohmにその持分の対価を払っている)

ドイツ本社はRohmと改称、1989年にHulsに買収された。

Hulsは1899年にDegussaと合併してDegussa-Hulsとなり、2001年にSKW Trostbergと合併してDegussaとなっ た。

Degussa親会社のRAG Beteiligungs-AGは2007年9月12日、グループを再編し、Evonik Industries に改称すると発表した。

Rohmは米国のCytexと50/50JVのCyroを米国に設立したが、現在は100%子会社となっている。
 

 



2019/8/24   Ineos、サッカーのOGC Nice を買収

フランスの競争当局は8月21日、英国のIneosによるニースのサッカーチームOGC Nice (Olympique Gymnaste Club de Nice Côte d'Azur) の買収を承認した。

元フランス代表でArsenal のMid Fielder のPatrick Vieiraが率いるOGC Nice は現在、フランスのLigue 1で2位である。

Jim Ratcliffe会長兼CEOは本年初めに1億ユーロでの買収提案を行ったとされる。

 

Jim Ratcliffeが20年間で築き上げた総資産は98億ドルにも及ぶという

Ineosは既にスイスのローザンヌを本拠地とするサッカーチーム Lausanne-Sportを所有している。(Ineos は節税のため、一時本社をスイスに移していた。)

Jim Ratcliffeは Manchester United FC のファンとして知られているが、2018年にロンドン西部チェルシー地域をホームタウンとする Chelsea FC を20億ポンドで買収するオファーを行い、拒絶された。

2018/6/16 Ineosの会長兼CEO Jim Ratcliffe の話題 


Jim Ratcliffeは本年5月に国際自転車競技連合の主催するUCIワールドツアーに参加する英国の自転車ロードレースのチームの Team Sky を衛星放送のSkyから買収し、Team Ineosと改称した。

「自転車競技は世界中で人気が高まっている素晴らしいスポーツだ。同様に健康維持にも役立つ他、環境問題や都市汚染を解決する手段として急激に人気を高めてきた。我々はこのようなトップチームを運営できることを嬉しく思っている」とコメントした。

2018年にはヨットレース最高峰、America's Cupに出場するために Team Ineos UKを立ち上げた。

 


2019/8/26 中国、米国製品750億ドル分に追加関税

トランプ大統領は8月1日、中国からの輸入品3千億ドル分を対象とする追加関税「第4弾」を9月1日に発動すると表明した。

2019/8/2 トランプ大統領、9月1日に対中関税第4弾 ツイートで表明 

米通商代表部(USTR)は8月13日、中国から輸入する約3000億ドルへの10%の追加関税について、詳細を発表した。

第4弾の関税自体は予定通り9月1日に発動するが、健康や安全、安全保障に関わる製品は除外する。また、スマートフォンやノートパソコン、玩具など特定品目の発動を12月15日に先送りする。

2019/8/14 米の対中関税第4弾、スマホなど12月15日に先送り   

中国はこれに対し報復措置を取るとしていたが、国務院関税税則委員会は8月24日、国務院の承認を経て、米国原産の5078の税目、約750億ドル分の製品に対し、10%と5%の追加関税をかけることを決定し、2019年9月1日午後0時01分、12月15日午後0時1分の2回に分けて発動すると発表した。

これまで中国は累計1100億ドルの米国製品の関税を引き上げた。最近の米国からの輸入は1300億ドル弱のため、新規に追加関税を課せられる品目は少ない。このため、今回はすでに追加関税を発動した商品にさらに上乗せするものも多い。

9月に追加関税をかけるのは原油、大豆、鋼板、化学製品など計1717品目、12月に発動するのは木材、自動車、織物など計3361品目で、税率はいずれも5%か10%である。

9月のリスト     http://www.gov.cn/xinwen/2019-08/24/5424152/files/acef73fcf6d2416f954e2960bb37f938.pdf

12月のリスト   http://www.gov.cn/xinwen/2019-08/24/5424152/files/57ee92fc87424a4993e515d6758e8713.pdf

これとは別に、これまで停止していた自動車向けの25%追加関税を2019年12月15日から復活させる。上記の通り、12月1日からは自動車にも追加関税が課せられるので、25%とこの分10%が一般税率(15%)に上乗せされることとなる。

中国は2018年7月6日から340億ドルの米国品に25%の追加関税を課したが、これに自動車が含まれていた。

2018年12月1日の米中首脳会談の合意に基づき、中国政府は米国から輸入する自動車に上乗せしていた25%の関税を来年1月から3カ月間、停止すると発表した。米国製自動車の関税はいまの40%から元の15%に戻る。

2018/12/18 中国、米自動車への報復関税を3カ月間停止 

国務院関税税則委員会は2019年4月1日より、米国で生産された自動車(25%) と自動車部品(5%)に対して引き続き追加関税の賦課を一時停止することを決定した。この措置の終了時期については別途発表するとしている。

今回、12月15日からこれを復活させる。自動車の場合、追加が10%のため、一般関税15%に当初の25%、今回の10%の合計35%が上乗せされ、50%になる。

中国の乗用車関税の推移:

  全体 対米国
当初 25% 25%
2018年5月 15%


 
15%
  2018年7月 対米追加関税 25% 40%
  2019年1月〜3月 対米追加関税免除 15%
  2019年4月1日より追加関税を一時停止 15%
  2019年12月15日以降  復活+追加10% 50%

 

中国の対米報復関税は下記の通り。

 

    現状   今回発表
@ 340億ドル






 
2018/7/6   25%


うち自動車
2019/1から停止→

 




(自動車)
2019/12/15 復活  
 

 

 



(自動車部品)2019/12/15 復活
       

 

 

5078の税目、約750億ドル 5% & 10%

 2019/9/1  
  原油、大豆、鋼板、化学製品など計1717品目

 2019/12/5 
  木材、自動車、織物など計3361品目

 

A 160億ドル
(累計 500億ドル)
2018/8/23 25%
B 600億ドル
 

 

(累計 1100億ドル)

A 2018/9/24   5%


うち部品
2019/4から停止→

 

B 2018/9/24   10%   
Bの一部 2019/6/1→ 20%
Bの一部     → 25%

 


2019/8/26 米国、中国の報復関税に更に対抗関税、米国企業に中国撤退を要求 

 

 中国が米国製品に対する追加報復関税を発表したことを受け、トランプ米大統領は8月23日、対中関税の新たな引き上げを発表した。さらに米企業に対し中国からの事業撤退も要求した。

トランプ大統領は、10月1日から、これまでに課している2500億ドル相当の中国製品に対する関税を現在の25%から30%に引き上げると表明した。

さらに中国製品3000億ドルに課す追加関税第4弾の税率も10%から15%に引き上げる。

2019/8/14 米の対中関税第4弾、スマホなど12月15日に先送り    


付記

トランプ米大統領は9月11日、2500億ドル分の中国製品に対する制裁関税の拡大を10月15日に先送りすると発表した。10月1日に税率を現在の25%から30%に引き上げる予定だった。
同日に中国が建国70周年を迎えるのにあたり、劉鶴副首相から要請を受けたという。硬軟織り交ぜて中国から譲歩を引き出す狙いとみられる。


ツイッター:

For many years China (and many other countries) has been taking advantage of the United States on Trade, Intellectual Property Theft, and much more.
Our Country has been losing HUNDREDS OF BILLIONS OF DOLLARS a year to China, with no end in sight 

Additionally, the remaining 300 BILLION DOLLARS of goods and products from China, that was being taxed from September 1st at 10%, will now be taxed at 15%. Thank you for your attention to this matter!


米国の中国製品への追加関税の全貌:
 

  現状 今回発表
@ 340億ドル   2018/7/6    25% 2019/10/1 30%
A 160億ドル 2018/8/23  25%
B 2000億ドル

計 2500億ドル
2018/9/24  10%
  ↓
2019/5/10  25%
C 3000億ドル 除外     300億ドル   
一般 1100億ドル 2019/9/1  10%  15%
消費財 1600億ドル 2019/12/15    10%

 

トランプ大統領は更に「われわれに中国は必要ない。率直に言えば、中国がいない方が状況はましだろう」と述べた。

Our Country has lost, stupidly, Trillions of Dollars with China over many years.
They have stolen our Intellectual Property at a rate of Hundreds of Billions of Dollars a year, & they want to continue.
I won’t let that happen!

We don’t need China and, frankly, would be far better off without them.
The vast amounts of money made and stolen by China from the United States, year after year, for decades, will and must STOP.

そして、米国企業に中国から撤退し、米国で生産するよう命じた。(大統領にその権限はない。)
 

Our great American companies are hereby ordered to immediately start looking for an alternative to China, including bringing your companies HOME and making your products in the USA.
I will be responding to China’s Tariffs this afternoon. This is a GREAT opportunity for the United States.


米国で乱用が問題となっているオピオイド鎮痛薬「Fentanyl 」についても、中国からの流入を阻止するため、宅配大手Fed ExやUPS、ネット通販大手Amazon、米郵政公社に対し配達を拒否するよう指示した。

Also, I am ordering all carriers, including Fed Ex, Amazon, UPS and the Post Office, to SEARCH FOR & REFUSE, all deliveries of Fentanyl from China (or anywhere else!).
Fentanyl kills 100,000 Americans a year. President Xi said this would stop - it didn’t.

Our Economy, because of our gains in the last 2 1/2 years, is MUCH larger than that of China. We will keep it that way!

 

 

 


2019/8/27  Bayer、Animal Health事業をElancoに売却 

Bayerは8月20日、米国の Elanco Animal Health との間でBayerのAnimal Health 事業を売却する契約を結んだと発表した。

売却額は76億米ドルで、うち53億ドルは現金で、残り23億ドルはElanco株で決済する。今後、独禁法当局の審査を経て、2020年央に取引を完了する。
Bayerは受け取ったElanco株式を時間をかけて売却する意向。


Bayerは2018年
6月7日に総額625億ドルのMonsanto 買収を完了した。

Bayerは11月29日、合理化策を発表した。今後の事業の方向を明確化するとともに、大規模な合理化を打ち出し、株式市場にアピールした。

合理化の内容は次の通りで、医療用医薬品と農業関連に専従する“ global leader in life sciences” を目指す。

競争力を強化し、2022年にはMonsanto買収に伴うシナジー(10.4億ユーロ)を含め、年間26億ユーロの貢献を見込む。

    合理化
コア
事業
Pharmaceuticals ・イノベーションの加速、社内R&Dのリストラ
・血友病事業:ドイツWuppertalの第[因子設備を使わず、
 米Berkeleyの組換え第[因子設備に集中
 
Consumer Health ・外部での開発が有利と思われる製品の切り離し
 スキンケア (Coppertone™)、フットケア (Dr. Scholl’s™) など
Crop Science ・Monsanto事業との統合
Animal Health ・処分を検討(やり方は今後決める)
Corporate  
Currenta (60%持分) ・処分を交渉する。→ 売却決定
合計  

2018/12/3 Bayer、大規模な合理化策を発表、人員整理 12,000人 
 

Animal Health については「処分を検討」としていた。今回、これを売却した。

Currentaについて:

Bayerはドイツに、Leverkusen、Dormagen、Krefeld-Uerdingenの3つのChempark を持つ。石油化学等が中心である。

Bayer AGと、Bayerから分離したLanxess AG が共同で使用しているため、Chemparkの運営(用役、環境、安全、保安、分析、教育、その他のサービス)をBayer 60%、Lanxess 40% のJVのCurrenta GmbHで行ってきた。このJVはChemparkの外の需要家にもサービスを提供している。

Bayer は2014年に、Life Science 事業(HealthCare と CropScience )に注力することとし、MaterialScience事業を別会社として上場させることを決め、2015年9月1日、Covestro として分離独立した。

2015/9/2    Bayer のMaterial Science 部門、Covestro として分離独立  

MaterialScience事業の分離で、今やこれらのChemparkの中でBayerが占める割合は大きく減少し、Currenta GmbH の60%を保有するのは正当化できないとし、「処分を交渉する」としていた。

Bayer (60%保有)とLanxess(40%保有)は2019年8月7日、3つのChemparkのオペレート企業のCurrenta を35億ユーロでMacquarie Infrastructure and Real Assets (MIRA) に売却することで合意した。

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Elanco は動物用医薬品メーカーで、1954年に米国のEli Lilly and Company の一部門として設立された。

Eli Lillyは2018年に数カ月にわたりエランコ事業の見直しを行い、同年7月、同社をスピンオフし、ヒト用の医薬品に専念することを決めた。

本年に入り、Eli Lilly は保有するElanco株式の80.2%Eli Lillyの普通株と交換した。これにより、37億ドルの売却益を計上した。
その後、残りの19.8%を一般に売却した。

Elanco Animal Health Incorporated は3月11日、完全独立企業になったと発表した。

今回のBayerのAnimal Health 事業の買収により、同分野で2位に浮上する。

 



2019/8/28 BASFによるSolvayのポリアミド事業買収、前進 

BASFは2017年9月、Solvayのポリアミド関連事業を買収することでSolvayと合意したと発表したが、欧州委員会は2018年6月27日、競争制限の恐れが強いとして本格調査を開始することを決定した。

欧州委員会の懸念を受け、BASFは2018年10月にSolvayの欧州のポリアミド事業のうちの一部を買収しない案を欧州委員会に提案した。Solvayはその部分を他社に売却する。

欧州委員会は1月18日、両社が提出した下記の条件を守ることを条件に、これを承認した。

Belle-Etoile and Valence (France)、Gorzow (Poland)、and Blanes (Spain)
これらは、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸塩ヘキサメチレンジアミン、ナイロン66ベースポリマー、ナイロン66エンプラ、ナイロン6 3D プリンティングパウダーを生産する。

2019/1/17 BASF、Solvayのポリアミド事業買収に注力

 

BASFとSolvayおよびドイツに本拠を置くエンジニアリングプラスチックのメーカーのDomo Chemicalsは8月14日、Domoが欧州委員会が売却を指定したSolvayのポリアミド事業を買収することで合意した。

Domoが買収するのは、SolvayのBelle-Etoile and Valence (France)、Gorzow (Poland)、及び Blanes (Spain) の工場で、これらは、ヘキサメチレンジアミン、アジピン酸塩ヘキサメチレンジアミン、ナイロン66ベースポリマー、ナイロン66エンプラ、ナイロン6 3D プリンティングパウダーを生産する。

SolvayはInvistaとの50/50JVのButachimieで原料のアジピン酸を生産している。Butachimie のSolvay持分はBASFに移るが、BASFとDomoはアジピン酸の供給のためのJVを設立する。

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BASFはSolvayの欧州以外の全世界のポリアミド関連事業(アジピン酸生産のJV Butachimieの50%持分を含む)を買収する。2019年末までに買収を完了することを目指している。

買収する工場は、ドイツ、フランス、中国、インド、韓国、ブラジル、メキシコの8つで、他に、韓国、中国、ブラジルの研究開発センター、アジアと北米・南米の6カ所の技術サポートセンターが移管される。

BASFの現金、負債を除いたベースの購入価格は13億ユーロとなっている。BASFが買収するSolvayの事業の2018年の売上は約10億ユーロであった。

2017年9月の買収合意時の同じベースの価格は16億ユーロであった。Domoが買収する欧州分が控除された。

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DOMO Chemicals はドイツに本拠を置き、世界中にナイロン6原料、ナイロン6レジン、エンジニアリング樹脂、肥料、包装用フィルムを供給する。

同社は買収により事業を拡大してきた。

1938年にDr. Paul Schlack が最初にカプロラクタムからナイロン6を合成、1942年にドイツのLeunaにカプロラクタム工場を建設した。Domoは1994年にこのLeuna工場を買収し、スタートした。

2002年にエンプラ事業に参入、2004年にドイツのPremnitzのPA2000の工場を買収した。

2013年にはイタリア (Arco)、米国 (Cartersville)、中国 (Jiaxing) に工場を持つAquafil Engineering Plastics を買収し、グローバル企業となった。

2014年にナイロン6の包装用フィルムのメーカーのイタリアの CFP Flexible Packaging SpAを買収した。

今回、Solvayの欧州事業を買収し、さらに事業を拡大する。

 


2019/8/29 米地裁、オピオイドの中毒蔓延をめぐりJohnson & Johnsonに制裁金572百万ドル 

オクラホマ州地方裁判所は8月26日、処方鎮痛剤などに含まれる麻薬性鎮痛薬オピオイドの中毒蔓延をめぐり、米製薬大手 Johnson & Johnson(J&J)に572百万ドルの制裁金を支払うよう命じた。J&Jは判決直後に、上告の意向を示した。

アメリカでは、オピオイド中毒をめぐり製薬会社や流通業者が何千件と訴追されている 。

オピオイド (Opioid) は、ケシから採取されるアルカロイドや、そこから合成された化合物、また体内に存在する内因性の化合物を指し、鎮痛、陶酔作用がある。

骨折や慢性疼痛、歯科治療で最もよく処方される「ヒドロコドン/アセトアミノフェン配合剤」「オキシコドン/アセトアミノフェン配合剤」「サボキソン」などのオピオイド鎮痛薬は、疼痛管理には非常に効果的だが、常習性があり、また薬剤の高用量の摂取では昏睡、呼吸抑制を引き起こす。

米疾病管理予防センター(CDC)によると、過量服薬による死亡の多くにオピオイドが関与しており、処方箋薬のオピオイドによる死亡は1999年から4倍に増加している。

過去20年で20万人の米国人が死んだオピオイド危機について、トランプ大統領は2017年に public health emergency と呼んだ。

トランプ米大統領と習近平中国・国家主席は2018年12月1日、Buenos Airesで夕食会形式で首脳会談を開 いた。

その席でトランプ大統領は習主席に中国から麻薬(強オピオイド)のFentanyl を輸出しないよう要請、習首席は規制物質とすることに同意した。

トランプ米大統領は8月23日、対中関税の新たな引き上げを発表した が、オピオイド鎮痛薬「Fentanyl 」についても、「習主席が輸出を止めると述べたのに、止まっていない」とし、中国からの流入を阻止するため、宅配大手Fed ExやUPS、ネット通販大手Amazon、米郵政公社に対し配達を拒否するよう指示した。

2019/8/26 米国、中国の報復関税に更に対抗関税、米国企業に中国撤退を要求

原告のオクラホマ州は、J&Jと鎮痛剤OxyContinのメーカーのPurdue Pharma及びイスラエルのTeva Pharmaceuticalの3社を訴えたが、Purdue Pharmaは3月に270百万ドル、Tevaも開廷に先立ち85百万ドルの和解金支払いで合意しており、J&Jだけが残っていた

7週間にわたった今回の陪審なしの裁判では州側の弁護士が、J&Jが何年にもわたって中毒性のある鎮痛剤のリスクを矮小化したマーケティングを展開し、自社利益を追求していたと指摘した。

弁護士はJ&Jをオピオイドの
中心(opioid kingpin)だと述べ、J&Jのマーケティングが医師による鎮痛剤の過剰処方につながり、これが公的不法妨害を引き起こし、オクラホマ州での中毒死を急増させたと述べた。

公的不法妨害(public nuisance)は、公衆の健康や公衆道徳を害する行為、あるいは共同社会の利益を害する迷惑行為のすべてを含む英米法の概念。

これに対し、J&Jは不正行為は行っていないと強く反論。マーケティングは科学的根拠に基づいており、「Duragesic」や「Nucynta」といった自社製品はオクラホマ州で処方されたオピオイド系鎮痛剤のほんの一部にすぎないと主張した。その上で、この訴訟はオクラホマ州の公的不法妨害法を「過激に」拡大解釈したものだと批判した。

Thad Balkman裁判長は判決で、J&Jが中毒性の高い処方鎮痛剤について事実誤認につながる形で宣伝し、「公的不法妨害」に寄与したことを、検察が立証したと認定した。

「こうした行為は何千人ものオクラホマ州民の安全と健康を脅かした。オクラホマの住民にとってオピオイド危機は差し迫った危機であり、脅威だ」と説明した。

 

なお、オクラホマ州と和解したPurdue Pharmaはオピオイド系鎮痛剤OxyContinの販売を巡る他の数千件に上る訴訟について和解を目指し、州司法長官を含む原告側と協議を進めていることを明らかにした。

Purdue Pharmaと同社オーナーのSackler 一族は和解の一環として100億−120億ドルを提示したと報じられている。

New York Times によると、Sackler 一族は同社の所有権を拠出するとともに、自らの30億ドルを拠出するとされる。同社を破産宣告し、“public beneficiary trust”にすることで、会社の利益を被害者に渡すという。

付記

Purdue Pharmaは9月15日、Chapter 11の適用をニューヨーク州の連邦裁判所に申請した。同社は一連の訴訟を巡る和解案の条件に基づいて再編を進めることを目指している。

同社はまた、24州と5つの米領のほか、2000超の市や郡などを代表する弁護士との間で、和解で暫定合意したと明らかにした。20を超える州は依然として和解案に反対している。


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米司法省は7月11日、英国の日用品メーカー Reckitt Benckiser Groupが、元の子会社のオピオイド中毒治療薬Suboxone にからむ問題の解決のため、14億ドルを支払うことで合意したと発表した。

Suboxoneの売上高の没収で647百万ドル、連邦政府と州政府との民事の和解で700百万ドル、FTCとの和解で50百万ドルとなっている。

今回の事件は、Reckitt Benckiser Groupの子会社が、米国が全力で取り組んでいるオピオイド危機を悪用して、利益を得たとされる。
販売手法が問題とされたもので、製品そのものが問題ではない。

訴状によると、同社は 舌下フィルム剤のSuboxone (Suboxone Film) を全国の医師、薬剤師、Medicaid 担当官に、実際には実証されていないのに、他の薬剤と比べて乱用性が少なく、より安全であると称して販売促進を行った。

また、患者に対してインターネットや電話で “Here to Help” と宣伝し、Indivior を売りつけた。法で認められている以上の多くの患者に、高濃度で、認められていないやり方でSuboxoneを処方することが分かっている医師を紹介していた。

また、小児科分野で懸念があるとして、Suboxoneの錠剤をやめると発表した。実際はFDAが錠剤のジェネリック品を承認するのを遅らせるのが目的であった。

この作戦は大成功で、数千人の中毒患者がSuboxone Filmを使用し、その結果、Medicaid programsのコストが増大した。

2019/7/15 英国の Reckitt Benckiser オピオイド中毒治療薬問題で米司法省に14億ドル支払い


2019/8/29 韓国最高裁、朴前大統領とサムスン電子副会長の二審判決破棄、差し戻し 

韓国大法院(最高裁)は8月29日午後2時から、前大統領の朴槿恵被告、朴被告の友人の崔順実被告、サムスングループの実質トップである李在鎔 ・サムスン電子副会長らがかかわった国政介入事件の上告審判決を言い渡した。

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朴槿恵前大統領の控訴審判決公判が2018年8月24日、ソウル高裁であり、懲役25年、罰金200億ウォンを言い渡した。

検察は朴被告がサムスングループの経営権継承を支援する見返りにサムスンから433億ウォンの賄賂を受け取ったなどとして、懲役30年、罰金1185億ウォンを求刑していた。

同高裁は崔被告にも懲役20年、罰金200億ウォンを言い渡した。一審判決より罰金が20億ウォン増えた。

2018/4/6  朴前大統領に懲役24年の実刑判決

朴槿恵前政権で起こった国政介入事件で朴前大統領と長年の知人の崔順実被告への贈賄罪などに問われ、一審で懲役5年の実刑判決を受けたサムスングループ経営トップのサムスン電子副会長、李在鎔被告らの控訴審判決公判が2018年2月5日開かれた。

ソウル高裁は地裁判決を破棄し、李被告に新たに懲役2年6カ月、執行猶予4年を言い渡した。李被告は約1年ぶりに釈放された。

2018/2/5 サムスントップ釈放 

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今回、最高裁は収賄罪などに問われた前大統領、朴槿恵被告の上告審のの懲役25年、罰金200億ウォンの実刑判決を破棄し、ソウル高裁に差し戻した。

最高裁は、朴被告の親友、崔順実被告への判決で、両被告は収賄の共犯関係にあったと指摘し、朴被告には収賄罪が成立すると判断した。

そのうえで、収賄罪の案件と別の罪の案件を分離しなかった点が法律違反に当たると判断した。公職選挙法上の賄賂の疑いと強要、職権乱用権利行使妨害の疑いは、分離して宣告必要があるが、下級審はすべての容疑をひとまとめにし、朴前大統領に懲役刑と罰金刑を宣告した。

最高裁は「公職選挙法によると、刑法に関わらず、大統領が在任中に職務に関して賄賂疑惑の犯罪を犯した場合、他の罪と分離して宣告しなければならない」とし、「原審は被告人に有罪と判断した特加法賄賂罪と他の罪について刑法38条を適用して一つ宣告された」と指摘、「最高裁が上告を棄却し、確定した部分を除いた残りの部分について再審理・判断しなければならない」との判断を示した。

また、朴被告は二審判決で李在鎔・サムスン電子副会長から受け取った賄賂額が約86億ウォンと認定されたが、李被告の判決では朴被告への贈賄額は約36億ウォンしか認めず、食い違っていた。

朴被告は起訴を「政治報復」と主張。一審途中から「裁判所への信頼はなくなった」として出廷を拒否してきた。
朴被告はこの日の起訴内容とは分離して審理された公職選挙法違反罪で懲役2年の実刑が確定しているほか、別の罪でも二審で懲役5年の実刑判決を受け、検察が上告している。

 

崔順実被告についても差し戻した。

 

李在鎔被告については、執行猶予付きの二審判決を破棄し、審理を高裁に差し戻した。

二審では、朴被告の収賄額は86億ウオンなのに李被告の贈賄額は36億ウオンとしたが、サムスンが購入した馬3頭の購入費を賄賂に含めるかどうかの差である。最高裁はこれも賄賂と認めた。
法律では、横領額が50億ウオンを超えると5年以上の懲役刑となっており、差戻し審で、李被告は量刑がより重くなる可能性、
再び実刑判決になる可能性がある。


2019/8/30     アムジェン、セルジーンの乾癬治療薬を買収  

米バイオ製薬大手Celgene Corporation は8月26日、乾癬、乾癬性関節炎、ベーチェット病の治療に用いられる同社のブロックバスター医薬品OTEZLA® (apremilast) を米医薬品メーカーのAmgenに現金 134億ドルで売却する契約を締結した。

Amgenは今回の取引で成長を続ける製品を手に入れることになる。OTEZLA® と関連の知的財産、その他を手に入れ、OTEZLAに従事する従業員も引き取る。

Amgenによれば、将来見込まれる税制優遇措置を考慮に入れた場合、取得額は112億ドルになる。

他方、CelgeneはOTEZLA® により、Bristol-Myers Squibbとの大型合併の実現に向けた道が開かれる。

Celgene はBristol-Myers Squibbとの740億ドル規模の合併計画でFTCの承認を得るため、同医薬品を売却する方針を6月に示していた。

 
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米製薬大手Bristol-Myers Squibbと米バイオ製薬大手Celgene Corporation  は1月3日、Bristol-Myers Squibbが現金と株式 約740億ドルでCelgene Corporationを買収する契約に調印したと発表した。
Celgene株主は1株につき現金50ドルとBristol 株1株を受け取る。

Celgeneは、癌や炎症・免疫性疾患領域における革新的な治療薬の研究・開発および販売を行ってい る。治験薬は、多発性骨髄腫(MM)、骨髄異形成症候群(MDS)、慢性リンパ性白血病(CLL)、非ホジキンリンパ腫(NHL)、すい臓癌、非小細胞肺がん、黒色腫を含む難治性の血液 癌および固形癌の患者を対象としている。
さらに、乾癬や乾癬性関節炎のような深刻な炎症性疾患の治療薬として、複数の化合物が評価されている。

Bristol-Myers Squibbはノーベル賞の本庶佑名誉教授のがん免疫治療薬オプジーボについて、日本、韓国、台湾以外で開発・商業化の権利を持つ。

2019/1/9  ブリストル・マイヤーズスクイブ、米バイオ製薬大手セルジーンを買収 

この合併計画に対し、連邦取引委員会(FTC)は、乾癬(psoriasis)治療薬について懸念を示した。
Celgeneの
乾癬治療薬 Otezlaは2018年10-12月期で448百万ドルの売り上げがあった。一方、Bristol-Myersも治療薬を開発しており、2018年9月に尋常性乾癬の中間臨床試験で良好な結果を発表している。

Bristol-Myers Squibbは4月15日、Celgene を買収する計画に関する株主投票で、承認に必要な賛成票を確保した。一部の株主は買収価額に懸念を示していた。

合併後の売上高は約400億ドルに達する見込みで、Celgene買収により、Bristolが開発を進める治験薬は多様化する。売上高全体に占める割合が大きい抗凝固薬「エリキュース」とがん免疫薬「オプジーボ」への依存度は低下する。
 

Bristol-Myersは6月25日、FTCとの合意に基づき、FTCの懸念を弱めるため、Celgeneの乾癬治療 薬 OTEZLA®を売却することを発表した。

今回、Celgene Corporation はOTEZLA® (apremilast) をAmgenに現金 134億ドルで売却する契約を締結した。
この契約は、Brystol-MyersとCelgeneの合併FTCが承認することを条件としている。

Brystol-Myersは買収の完了にこれまで想定していた以上の時間がかかることも明らかにした。新たな目標は2019年末か2020年初めで、従来目標の9月30日から先送りされた。

Bristol-Myers は OTEZLA 売却収入を借入金返済に充てる。

 


2019/8/30 英ジョンソン政権、異例の議会封じ 

英国のジョンソン首相が8月28日 、「合意なき離脱」の阻止を狙う英議会内の勢力を封じ込めるため、おきて破りの奇手に出た。

英国議会は7月26日から夏季休会で、次に議会が召集されるのは9月3日である。

ジョンソン首相は、仮にEUとの合意がなくとも、予定通り10月31日に離脱するとしている。各野党は連携を深め、合意なき離脱を防ぎ、離脱期限延長を首相に強いる決議を行う方向で結束、議会再開直後から政権との全面対決に臨む姿勢を鮮明にしていた。 野党は内閣不信任案提出も検討している。

現在、下院の総議席650のうち、投票するのは639だが、与党(保守党と民主統一党)は320議席となり、僅か1票差での過半数である。1人でも造反があれば不信任案は通る。

付記 9月3日、保守党の Phillip Lee 議員が自由民主党に鞍替えし、保守党は過半数を失った。

これに対し、首相官邸は8月28日、ジョンソン首相がエリザベス女王に9月9日の週から約1カ月間 の議会の一時閉会を要請したと発表した。閉会手続きには女王の許可が必要だが、女王はこれを許可し、次の再開日は10月14日となる。

10月14日に議会を再開しても10月17日にはEU首脳会議があり、議会は、議決や議論を行うための時間的余裕がないことになる。

野党議員からは「受け入れられない」、「議会に対するクーデター」など怒りの声が上がり、下院議長も「議会閉会は民主的手続きと議員の権利に反する行為だ」と批判した。

また、イギリス各地で抗議デモが開かれており、閉会の取り止めを求める署名にこれまで100万人以上が参加した。

ジョンソン政権は、5週間の閉会後もEU離脱について議論する時間は十分にあるとしている。

 


2019/8/31 米検察、自動運転技術盗用でグーグル元幹部を起訴


被告は有罪となれば、10年以上の懲役、25万ドルの罰金となる。

これについて被告側は、情報を盗んではいないと主張する。ダウンロードしたのは勤務中で、彼のチームは情報の利用を認められていた。これらの秘密情報はUberにも他の会社にも渡していないとしている。


当局の狙いはイノベーションと脱法の線引きがあいまいな側面もあったシリコンバレーの文化に警鐘を鳴らすことにある。

検察はウーバーを起訴はしなかったが、競争の名の下にグレーゾーンに踏み込んだとの疑念を暗に投げかけている。

検察は「人が会社を行き来することは自由だ。だが会社を去る時にポケットにモノをたくさん詰めることは許されない」との声明を出した。

 


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