2005年5月2日 富士通株式会社

磁気ディスク装置の不具合に関する訴訟の和解について
http://pr.fujitsu.com/jp/ir/materials/20050502.html

 当社は、2001年に発生しました磁気ディスク装置の不具合に関して、米国カリフォルニア州地方裁判所にて Cirrus Logic Inc.、Amkor Technology Inc.、住友ベークライト株式会社およびSumitomo Plastics America, Inc.を提訴していましたが、このたび、和解に関する基本合意が成立したので、お知らせします。

 なお、本和解による当社損益への影響は、連結、単独とも特別利益で
約146.8Mドル(約154億円)となる予定です。当期の業績予想については、第1四半期の状況等も考慮の上、検討します。

    うち住友ベークライト 45百万ドル

 今回の和解により富士通はSumitomo Plastics America社を除く3社から和解金を受け取り,2005年度第1四半期の決算で特別利益を計上する。計上する金額は約1億4680万米ドル(約154 億円)。一方で富士通は,支払いを停止していたコントローラLSIの製造委託に関する費用として2500万米ドルをCirrus Logic社に支払う。富士通によれば,支払い金額は同社が見込んでいた金額よりも減額されたため,差額も特別利益に盛り込んであるとする。


問題点

住友ベークライト社製のICパッケージのモールド材の不良に起因して,富士通のハードディスクに不良が頻発
  HDDコントローラLSIの製造元であるCirrus Logic社,
  Cirrus社からの請負でLSIを封止したAmkor社,
  封止材料の製造元の住友ベークライト社とそのアメリカの子会社

ICやLSIをモールドするエポキシ樹脂を難燃化するために添加したリンが吸湿により燐酸になり,パッケージのリードのメッキの銀がマイグレーションを起こしてリード間でショートを起こすというもの

もともと難燃剤としては臭素が使われていたが,塩素,臭素といったハロゲン系の元素を燃やすとダイオキシン系の有毒ガスが出ると言うことでハロゲンを使わないという動きが広がっており,これに応じて住友ベークライト社も材料をリンに変更

 


2005/5/9 住友ベークライト決算短針
http://www.sumibe.co.jp/account/pdf/17tanshin_1.pdf

後発事象
半導体封止用エポキシ樹脂成形材料を使用した一部のICパッケージ内でショートが発生するというクレームに関連して、当社または当社の子会社に対する5件の訴訟が米国で係属中でありますが、これらのうち2件の訴訟についていずれも平成17年4月に和解が成立いたしました。1件は
富士通株式会社との訴訟で和解金額は45百万米ドル(約48億円)、他の1件はSeagate Technology LLCとの訴訟で和解金額は 5百万米ドル(約 5億円)であります。


平成14年9月13日 住友ベークライト

ICパッケージ問題に対する弊社の見解
 
http://www.sumibe.co.jp/topics/ar36.html

  弊社はお客様数社から、難燃剤として無機燐含有のエポキシ樹脂封止材料を使用したICパッケージ内で、ショートが発生しているとの情報を受けております。この問題に関する弊社の見解は以下のとおりです。

1.  弊社はICメーカーの認定評価を受けて合格し、かつ材料仕様に適合した製品を納入してまいりました。従って弊社としましては、このICパッケージ問題に対し、材料メーカーとしての責任を果たしてきたと認識しております。
2.  弊社はお客様からICパッケージ問題発生の情報を受け、すぐにお客様と共 に調査を開始しましたが、問題の根本原因はまだ究明できていません。
3.  弊社がこれまでに知り得た情報では、無機燐含有のエポキシ樹脂封止材料総販売量に対するICパッケージ問題発生率は非常に低く、かつ限られた特定用途に集中しております。
4. 弊社封止材料は通常「ICメーカー」に納入されます。弊社は、ICメーカーから自社で開発したICパッケージに関する技術にもとづき弊社封止材料の認定評価を行った上で合否判定を行い、弊社封止材料を採用していただいてきたと理解しております。また弊社はお客様から個別のICパッケージおよび最終製品の具体的な用途・使用環境等の情報をいただける立場になく、事実いただいておりません。
5. 弊社はお客様優先の観点から、現在無機燐含有のエポキシ樹脂封止材料の生産、販売を中止し、代替材料をお客様に推奨しております。