産経ニュース　2007/12/21

三菱化学鹿島事業所火災、作業員４人と連絡とれず

　２１日午前１１時３５分ごろ、茨城県神栖市東和田の三菱化学鹿島事業所のコンビナート内のプラントで火災が発生、消防車７台が出動し、まもなく鎮火した。茨城県警などによると、作業員４人と連絡がとれなくなっており、確認を急いでいる。

　県警などによると、現場は同事業所東部地区（約１６０万平方メートル）の第２エチレンプラント内の分解炉地区。同事業所によると、ナフサを分解しエチレンなどを製造する地区だという。県警と消防で出火原因を調べている。

　同市では防災無線で、付近の住民に火災の発生を知らせる一方、有害物質などの影響はないなどと通報している。

　現場は、鹿島灘に面した鹿島臨海工業地帯の一角。第２エチレンプラントは平成４年１１月から稼働している。

2007.12.22

４人目の遺体発見　茨城の三菱化学工場火災

　茨城県神栖市の三菱化学鹿島事業所で発生した火災で、鹿島南部地区消防本部は２２日午前、焼け跡から４人目の遺体を発見した。火災が発生した同事業所「第２エチレンプラント」では、メンテナンス作業をしていた派遣社員４人の行方が分からなくなっており、茨城県警は遺体はこの４人とみて確認を急ぐとともに、同社関係者から事情を聴くなどして、出火原因を調べている。

　火災は２１日午前１１時３５分ごろに発生し、約１２時間後の午後１１時１０分ごろ、ようやく鎮火した。同日深夜までの捜索で３人の遺体を発見し、２２日午前９時前から捜索を再開していた。

　経済産業省と県消防防災課などは午前１０時から合同で立ち入り調査を実施。同プラントでは平成１２年と１６年にもナフサ漏れによる火災が発生しており、同社の防火体制に不備がなかったか調べている。

一度目の爆発の消火最中に二度目の大きな爆発、激しく黒煙と炎をあげるプラント＝午後1時40分

日本経済新聞　2007/12/22

三菱化学、化学各社に製品融通要請・26日以降、供給に支障も

　三菱化学は21日発生した鹿島事業所（茨城県神栖市）の火災事故を受け、海外を含め主要な化学メーカーに一斉に製品融通の要請を始めた。対象は石油化学の原料から樹脂まで化学製品の大半。石化コンビナートの心臓部である基幹設備が停止し、26日以降に全量供給できない恐れが出てきたため。小林喜光社長は21日、「生産再開にかなり時間がかかる」と停止の長期化を示唆。同社の業績だけでなく、顧客の生産・製品供給にも影響が出る可能性が出てきた。

　火災が起きた「第2分解炉」は、エチレンなど石化基礎原料の設備。エチレン生産能力は年47万6000トンと国内全体の6％、三菱化学の3割強を握る。停止に伴い、グループ会社の汎用樹脂ポリエチレンやポリプロピレンの設備も操業を停止。両樹脂とも国内生産の1割強を占める。ほかに、分解炉からパイプなどでつないでいる「川下」の他社プラントへの原料供給も影響が出ている。

主要生産能力

2007年9月30日現在　　単位：万トン/年

■石化セグメント