(2002.1.21. 宇部興産, 宇部サイコン )                                

ABS 樹脂事業の統合新会社概要について

宇部興産株式会社(社長:常見和正)とゼネラル・エレクトリック・カンパニーの合弁会社である宇部サイコン株式会社(社長:宮本利雄)は、三菱レイヨン株式会社(社長:皇芳之)との間で両社のABS 樹脂事業を統合することで合意し、新会社の設立にむけて準備を進めてまいりましたが、このほど概要がまとまりましたので、下記の通りお知らせ致します。

                    記
1 .新会社設立の背景

ABS 樹脂事業を取り巻く環境は、市場の国際化進展による競争激化と一層のコストダウン要請の高まりの中、抜本的な事業再構築が急務となっておりますが、宇部サイコンと三菱レイヨンの両社は、ABS 樹脂事業に関して、共に高付加価値製品を重視し、それぞれ安定した収益力を維持してきたこと、用途分野としても、宇部サイコンはOA 機器向けに、三菱レイヨンは車両向けに強みを持ち、補完的統合効果が大きいこと、製造面でも、統合により効率的な製造体制の構築が図れ、一層のコストダウンが見込まれること、などの理由から、事業統合により大きな効果が得られると判断いたしました。

2 .新会社設立の目的

統合新会社は、今後競争がますます激化するアジアのABS 樹脂業界の中で、将来に亘って勝ち組として生き残りを図るため、両社が強みとする技術やサービスを生かし、多様化するニーズに対応したソリューションを提供する「価値創造活動」を通じて、顧客と共に発展する会社を目指します。
また、両社の高い技術力並びに広範囲な製品群に加え、経営ノウハウ、マーケット展開力、技術開発力等、株主3 社(宇部興産、三菱レイヨン、GE )の経営資源を有効に活用することにより、e -ビジネスやリサイクルなど、新たなビジネス環境にも積極的に対応した事業展開を図ってまいります。

3 .新会社の概要

(1 )設立時期   2002 年4 月1 日
(2 )会 社 名   UMG ABS 株式会社
    (登記上はユーエムジー・エービーエス株式会社)
(3 )所 在 地   東京都中央区
(4 )社 長   宮本利雄(予定)
(5 )決 算 期   3 月

  


三菱レイヨン発表(2002/1/21)

会社の分割によるABS樹脂事業の分社化のお知らせ
http://www.mrc.co.jp/press/p02/020121.html

 三菱レイヨン株式会社(以下、三菱レイヨンという)は、平成13年10月29日にお知らせしました宇部興産株式会社(以下、宇部興産という)とゼネラル・エレクトリック・カンパニー(以下、GEという)の合弁会社である宇部サイコン株式会社(以下、宇部サイコンという)とのABS樹脂事業の統合と新会社設立に関して、平成14年1月21日開催の取締役会において、分割計画書を承認しましたのでお知らせいたします。

1.会社分割の目的 
 ABS樹脂事業を取り巻く環境は、市場の国際化進展による競争激化と一層のコストダウン要請の高まりの中、抜本的な事業再構築が急務となっておりました。
 こうした事業環境の下で、三菱レイヨンと宇部サイコンは、ABS樹脂事業に関して、共に高付加価値製品を重視し、それぞれ安定した収益力を維持してきたこと、用途分野としても、宇部サイコンはOA機器向けに、三菱レイヨンは車両向けに強みを持ち、補完的統合効果が大きいこと、製造面でも、統合により効率的な製造体制の構築が図れ、一層のコストダウンが見込まれること、などの理由から、事業統合により大きな効果が得られると判断いたしました。
 統合新会社は、今後競争がますます激化するアジアのABS樹脂業界の中で、将来に亘って勝ち組として生き残りを図るため、両社が強みとする技術やサービスを活かし、多様化するニーズに対応したソリューションを提供する「価値創造活動」を通じて、顧客と共に発展する会社を目指します。
 また、両社の高い技術力並びに広範囲な製品群に加え、経営ノウハウ、マーケット展開力、技術開発力等、株主3社(宇部興産、三菱レイヨン、GE)の経営資源を有効に活用することにより、e-ビジネスやリサイクルなど、新たなビジネス環境にも積極的に対応した事業展開を図っていきます。

2.会社分割の要旨 
 (1)分割の日程
   分割計画書承認 取締役会 平成14年1月21日
   分 割 計 画 書 調 印      平成14年1月21日
   分割計画書承認株主総会   平成14年2月14日(予定)
   分 割 期 日            平成14年4月1日(予定)
   分 割 登 記            平成14年4月1日(予定)

 (2)分割方式
   1.分割方式 

三菱レイヨン、宇部サイコンを分割会社とし、新たに設立するUMG ABS株式会社(登記上はユーエムジー・エービーエス株式会社と称する。以下、UMG ABSという)を承継会社とする共同新設分割です。
尚、三菱レイヨンは分社型、宇部サイコンは分割型(全部分割)にて本分割を行います。
また、三菱レイヨンは、商法374条ノ6第1項の規定により、商法374条第1項の株主総会による承認を得ずに本分割を行います。

   2. 当分割方式を採用した理由

従来からの会社設立、営業譲渡方式に比して、機動的に事業統合・新会社設立ができるため、当方式を採用しました。

  (3)株式の割当

三菱レイヨン、宇部サイコンは、それぞれの承継事業価値を評価した結果、0.51:1となりました。この算出結果を受け、UMG ABSが設立に際して発行する普通株式1,000株を、三菱レイヨンから承継する事業については三菱レイヨンに対し338株、宇部サイコンから承継する事業については、同社の株主である宇部興産、GE Japan Holdings Inc.(以下、ジー・イー・ジャパン・ホールディングスという)、三菱レイヨンに対しそれぞれ427株、146株、89株を割当交付することとしました。

  (4)分割交付金
    分割交付金の支払いはありません。

  (5)承継会社が承継する権利義務 

三菱レイヨン、宇部サイコンは、UMG ABSが承継事業を遂行する上で必要と判断される承継事業に関わる 資産、負債、知的財産権、各種契約の契約上の地位及び権利義務等について、UMG ABSに承継します。

 (6)債務履行の見込み  
   ・三菱レイヨン

本分割が三菱レイヨンの財務状況に及ぼす影響は極めて軽微であり、三菱レイヨンの本分割後の事業活動において同社の負担する債務の履行に支障を及ぼす事態の発生は、現在、予想されておりません。
よって、三菱レイヨンは、同社において分割期日以降に弁済期が到来する債務につき、履行の見込みがあるものと判断いたしました。

  ・宇部サイコン

本分割後の宇部サイコンの資産及び負債の予想簿価については、資産が負債を上回ります。また、本分割後の宇部サイコンにおいて同社の負担する債務の履行に支障を及ぼす事態の発生は、現在、予想されておりません。
 よって、宇部サイコンは、同社において分割期日以降に弁済期が到来する債務につき、履行の見込みがあるものと判断いたしました。

  ・UMG ABS

本分割により、UMG ABSが承継する資産の額から、承継する負債の額を控除した額は、分割期日において16億円を下回らないことが分割計画書において規定されております。また、本分割後のUMG ABSの事業活動において、同社の負担する債務の履行に支障を及ぼす事態の発生は、現在、予想されておりません。
よって、三菱レイヨン及び宇部サイコンは、UMG ABSにおいて分割期日以降に弁済期が到来する債務につき、履行の見込みがあるものと判断いたしました。

  (7)承継会社に新たに就任する役員

取締役社長 :宮本利雄
取締役副社長 :小野建三
取締役 :光井一彦、姥貝卓美、駒 明夫、杉原節哉、ウェイン・ヒューイット
監査役 :江原理郎、田山末広、山崎康江

      

3. 分割当事会社の概要 

分割会社  三菱レイヨン株式会社、宇部サイコン株式会社  略

承継会社


4. 分割する事業の内容 
(1) ABS樹脂事業の内容

分割会社 分割事業 内  容
三菱レイヨン ABS樹脂事業 ABS樹脂の製造・販売
宇部サイコン ABS樹脂の製造・販売

(2) ABS樹脂事業の経営成績  

  ABS樹脂事業
売上高(a)
売上高(b) 比 率(a/b) 決算期

三菱レイヨン

約150億円

2,420億円

6.2%

平成13年3月期

宇部サイコン

225億円

225億円

100%

平成12年12月期

(3)譲渡資産、負債の項目及び金額(平成14年4月1日 予定)
三菱レイヨン

資   産 負   債
項  目 帳簿価額 項  目 帳簿価額
売上債権たな卸資産
有形固定資産
その他の資産
 61億円 借入金その他負債  55億円

宇部サイコン

資   産 負   債
項  目 帳簿価額 項  目 帳簿価額
売上債権たな卸資産
有形固定資産
その他の資産
176億円 借入金その他負債 165億円

5. 分割後の分割会社の状況

・三菱レイヨン
 (商号、事業内容、本店所在地、代表者、資本金及び決算期は変更ありません。)
(1) 商号   三菱レイヨン株式会社
(2) 事業内容   化成品、合成樹脂、合成繊維、機能製品外の製造・販売
(3) 本店所在地   東京都港区港南一丁目6番41号
(4) 代表者   取締役社長 皇 芳之
(5) 資本金   53,229百万円
(6) 総資産   282,516百万円(5,565百万円)
    (注)( )内は分割による減少見込み分(平成14年4月1日予定)
(7) 決算期   3月31日
(8) 業績に与える影響
    分割期日が平成14年4月1日のため、当分割決議による
平成14年3月期の業績に与える影響はありません。
     
・宇部サイコン
(1) 商号   宇部サイコン株式会社
(2) 本店所在地   東京都港区芝浦一丁目2番1号
(3) 資本金   10百万円
(4) 分割後の予定   本分割により承継しない資産、負債を処分したのち清算する予定です。

日本経済新聞 2002/10/3

ABS樹脂 東レも事業統合参加 JSR・三菱化に合流検討

 東レ、JSR、三菱化学は2日、家電製品や自動車の部品に使う代表的な合成樹脂、ABS(アクリロニトリル・ブタジェン・スチレン)事業の統合を検討していることを明らかにした。実現すれば国内トップ、世界でも4位のメーカーが誕生する。
 

* @奇美実業(台湾)、Aゼネラル・エレクトリック(GE、米)、Bバイエル(独)