2003/3/12 味の素/三菱化学                           

植物由来の生分解性プラスチック原料の共同開発について

 三菱化学株式会社(本社:東京都千代田区、社長:冨澤 龍一。以下「三菱化学」という。)と味の素株式会社(本社:東京都中央区、社長:江頭 邦雄。以下「味の素」という。)は、この度、環境持続型生分解性プラスチック(グリーン・サスティナブル・プラスチック:商品名「GS-Pla」)の原料となる
コハク酸を、植物由来原料を用いて製造する技術について、2006年初頭の商業生産開始を目標に、本年4月から本格的に共同開発を実施することで合意しました。

 
コハク酸と1,4ブタンジオールを原料とする「GS-Pla」は、植物由来のプラスチックとして知られているポリ乳酸と比較して柔軟性の高い物性を有すること、現行プラスチックで用いられている全ての成形加工法への適応が可能なことが特徴です。三菱化学では本年4月から販売を予定しており、2006年には国内で3万トンの販売を計画しております。

 今回共同で開発する技術は、「GS-Pla」主原料の一つであるコハク酸を、でん粉などの植物由来原料から製造することを目的としております。植物由来の原料は、毎年再生可能な資源であり、かつ植物は大気から二酸化炭素を固定してできるため、プラスチック焼却による廃棄の場合でも発生する二酸化炭素は増加いたしません。さらに製造面においても二酸化炭素を吸収するプロセスでもあります。このように環境面で優れた特徴を持つ植物由来の原料を利用可能なものとするため、世界トップクラスの味の素の発酵技術及び三菱化学の化学品製造技術により、安価かつ地球環境に配慮した製造方法の確立を目指してまいります。
 
 廃棄物問題、温暖化問題の解決策の一つとして植物由来の原料を使用したプラスチック、生分解性を有するプラスチックに対する社会の関心は高まっております。今回の共同開発によって得られる成果は、原料段階からの環境負荷低減を実現することになり、より社会のニーズに合致したプラスチック材料が提供可能となります。三菱化学及び味の素は、さまざまなプラスチック原料について植物由来原料の利用可能性を検討しておりますが、この度合意した共同開発を推進し、具体化させることで、利便性の向上と環境負荷の低減とを両立させ、豊かな社会の実現に貢献してまいりたいと考えております。