2009年1月7日 旭化成
 

東光(株)からの半導体事業の譲受け及び業務協力について
http://www.asahi-kasei.co.jp/asahi/jp/news/2008/el090107.html


 旭化成エレクトロニクス株式会社(本社:東京都千代田区 社長:鴻巣 誠、以下、「旭化成エレクトロニクス」)と東光株式会社(本社:東京都大田区 社長:川津原 茂、以下「東光」)は、東光の半導体事業を旭化成エレクトロニクスが段階的に譲受けること、及び電源関連製品の拡大・強化に関する業務協力について、本日 基本合意に至りましたのでお知らせします。
 旭化成エレクトロニクスは、世界をリードしているミックスドシグナルLSI(アナログ回路とデジタル回路を混載した大規模集積回路)事業に、今回譲受け る電源関連半導体事業が加わることで、製品の一層の付加価値向上、製品開発のスピードアップ、顧客ニーズに対応した製品・サービス提供、グローバルでの販 売拡大が可能となります。
 事業譲受けは、本年4月1日を予定しています。
1.背景と経緯
 電子部品事業は、デジタルIT機器の高機能化、小型化、低消費電力化が進む中、性能や機能をより高めたLSIが求められており、今後の発展が期待されています。
 旭化成グループでは、現在実行中の中期経営計画「Growth Action ? 2010」の中で、LSIや磁気センサーなどの電子部品事業を重点成長領域の一つと位置づけ、戦略的な資源投入による積極的な事業拡大を推進しています。 また、同事業を行っている旭化成エレクトロニクスは、ミックスドシグナルLSI事業を主体に家電及び携帯通信分野を中心に、高度なアナログ設計技術、低消 費電力、高精度を武器に世界市場をリードしています。
 旭化成エレクトロニクスでは、電子部品事業で今後さらなる事業規模拡大、競争力向上を実現するためには、新たなるIPコア(機能回路ブロック)やプロセ ス技術を取り込み、製品の付加価値を向上させることで、自動車をはじめとする様々な産業分野においてより高度な信号処理機能が求められる成長市場への展開 を推し進める必要があると考えており、これまでその方策を検討してきました。

 一方東光では、コイル応用事業と半導体事業を大きな柱としてこれまで事業運営をしてきました。特に、AV・携帯通信機・コンピュータ・車載電装などの市 場における、電源分野とRF分野で、コイル応用商品と半導体商品双方を提供することで、ユーザーより最適な特性・経済性・利便性の点で支持を得てきまし た。しかしながら、近年市場からは電源関連半導体のさらなる小型化、デジタル化、高効率化等の要求が厳しく、それらの要求を実現するために、新規回路設計 技術及びウェハープロセスの技術強化への経営資源投入が強く求められてきています。そのため、東光では中期的な視野のもと、他社との提携、事業ポートフォ リオの見直しを含め、個々の事業の発展を図るあらゆる方法を模索してきました。
 
2.目的
 旭化成エレクトロニクスは、東光の電源関連半導体にかかるIPコア及びプロセス技術が今後の自社の製品開発面でシナジーを発揮できること、また、欧米市 場で一層の事業拡大をしていく上で、東光の海外市場での取引実績を活用することが効果的であると判断し、昨年夏以降協議を重ねてきました。その結果、両社 のニーズが一致し今回の事業譲受け及び業務協力に至りました。今回の事業譲受けの目的は下記の通りです。
(1) 東光の保有するIPコアを取り込むことにより、より付加価値のある製品開発が可能になること。
(2) 東光の保有する中高耐圧のプロセスの活用が可能となること。
(3) 海外市場での販売拡大が推進できること。
(4) アナログ設計者の拡充が図れること。
 
3.事業譲受け及び業務協力の概要
  (1)譲受けの対象
    東光及び東光の関係会社の行っている半導体事業全般
 
  (2)譲受けの方法
  東光は、半導体に関する事業を会社分割(吸収分割)により東光が全額出資する半導体ウェハー製造会社である館山デバイス株式会社(本社:千葉県館山市 社長:伊与田久、以下「館山デバイス」)に移管します。
  旭化成エレクトロニクスは、上記事業移管後、館山デバイスの発行済株式の80%を東光より取得し、併せて社名を旭化成東光パワーデバイス株式会社(以下「新会社」)に変更します。
  旭化成エレクトロニクスは、上記事業移管から3年経過後に新会社の残りの発行済株式(20%)を東光より取得し、100%子会社とする予定です。
 
  (3)業務協力の概要
  東光が培ってきた顧客との取引関係をスムーズに承継するために、当初3年間については東光が新会社の半導体製品を、従来通り東光の営業ネットワークにて販売します。
  東光のコア事業であるコイルと、旭化成エレクトロニクスが譲受ける半導体製品の相乗効果を最大限発揮させるために、両社は新会社を通じ今後協力関係を継続していきます。
  新会社が今後スムーズに独立運営体制に移行するため、また旭化成エレクトロニクスの半導体事業との相乗効果を早期に発揮するために、東光は今後協力をしていきます。
       
<ご参考>
<旭化成エレクトロニクス株式会社>
  本 社 東京都千代田区神田神保町一丁目105番地
  代表者 代表取締役社長 鴻巣 誠
  資本金 30億円(2008年3月末日現在)
  設 立 2003年10月1日
  株 主 旭化成株式会社100%
  売上高 1,133億円(2008年3月期)
  従業員 2,603名(2008年3月末)
  事業内容 (電子部品事業)ミックスドシグナルLSI、磁気センサー、ファインパターン製品
(電子材料事業※)半導体バッファーコート材料(感光性ポリイミド)、ドライフィルムレジスト、ガラスクロス他
※電子材料事業については、本年4月1日に発足するエレクトロケミカル関連事業を行う新事業会社である旭化成イーマテリアルズ株式会社に移管予定です。
 
<東光株式会社>
  本 社 東京都大田区東雪谷二丁目1番17号
  代表者 代表取締役社長 川津原 茂
  資本金 164億4621万9300円(2008年3月末日現在)
  設 立 1955年8月9日
  売上高 588億円(2008年3月期連結決算)
  従業員 15,999名(2008年3月末)
  事業内容 コイル応用商品、固体積層商品、ユニット商品、半導体(レギュレータIC、LEDドライバIC、DC/DCコンバータ、ダイオード他)、セラミック製品
 
<館山デバイス株式会社>
  本 社 千葉県館山市山本1587番地
  代表者 代表取締役社長 伊与田 久
  資本金 1億円(2008年3月末日現在)
  設 立 1999年1月26日
  株 主 東光株式会社100%
  従業員 211名(2008年3月末)
  事業内容 半導体ウェハーの製造