2012/1/4 日本経済新聞

米エクソン、日本事業を縮小 東燃ゼネ株3割超売却

 米石油最大手エクソンモービルは、日本事業を縮小する方針を固めた。月内をメドに株式の過半を持つ石油精製子会社の東燃ゼネラル石油の株式の3割超を東燃ゼネに売却する方向で調整を進めている。売却額は千数百億〜2000億円とみられる。エクソンは日本で展開するガソリンスタンドのブランドは残し、日本への原油供給も継続するが、将来は販売機能の売却も検討する。

 日本は内需減少が続き、09年度には22年ぶりに燃料油全体の販売量は2億キロリットルを割り込んだ。自動車保有台数の減少や省燃費の環境対応車の普及で需要減は避けられない。エクソンはアジアの「下流」事業は石化製品を含め収益拡大が見込めるシンガポールと中国への投資に絞る。日本へは石油・天然ガス供給面で協力関係を続ける。

 エクソンは収益性の低い日本事業を段階的に縮小し、石油・天然ガス開発シフトを進める。エクソンが売却する株式は東燃ゼネが全額自社株買いすることで調整中。売却後のエクソンの出資比率は17%前後になる見通しだ。

 エクソンは全額出資のエクソンモービル有限会社(東京・港)を通じ、日本で事業を展開。東燃ゼネに50.02%出資し、「エッソ」「モービル」「ゼネラル」の約4000カ所の系列ガソリンスタンド(給油所)にガソリンや軽油などを販売している。

誤報 エクソン、ガソリンスタンド売却へ

 エクソンは数年間、自社で生産した原油の日本向け供給は続け、代表権を持つ取締役も派遣し続けるとみられる。今月中旬にも最終合意する見通しだ。

 

2012/1/4 東燃ゼネラル

 

  東燃 ゼネラル石油
1939 国策会社として設立  
1947    石油製品の販売、輸出入を目的として設立
1949 SVOC(スタンダード・バキュームオイル)と資本、技術、原油供給、販売提携  
SVOC(→モービル)が株式の51%を取得
1952    SVOCと石油製品の供給、委託販売契約を締結
1960 東燃化学を設立  
1963 米モービル石油と三井物産の合弁で極東石油工業設立  
1972 キグナス石油に資本参加(出資比率50%) 南西石油(沖縄)に資本参加
1979   Esso株式の47.5%を取得、合計49%に。
1980 東燃化学が日本ユニカーに参加(三菱レイヨンから肩代わり)
 日東化
学→三菱レイヨン→東燃化学 JV相手はUCC

 
1984   エッソ石油と業務提携
1997   Essoが株式を追加取得し、50.2%に。
1999    昭和シェル石油、エッソ石油との3社間で、製品出荷に係る相互委託契約
ExxontとMobilが合併、ExxonMobil 発足
2000 東燃ゼネラル石油(株)が発足
2002 エクソンモービル発足 (エッソ石油・モービル石油ほかが合併)、東燃ゼネラル石油の50.02%出資
2004 保有のキグナス石油株式を三愛石油に譲渡
2008 南西石油全保有株式をペトロブラスに売却
     


2009年 12月 15日 

米エクソンが天然ガス大手XTOを買収へ、業界再編期待高まる

  米石油大手エクソンモービルは、天然ガス生産大手XTOエナジーを株式交換で買収する。XTOの債務約100億ドルを含めた規模は410億ドル。両社が14日明らかにした。

 エクソンはXTO株1株につき普通株0.7098株を発行する。これはXTOの11日終値から約25%のプレミアムを上乗せした水準となる。

 ヒューストン・エナジー・パートナーズのファンドマネジャー、ジョン・オルソン氏は「今回の買収により、エクソンはこれまで有していなかった国内での勢いをいくぶん得ることになる」と述べた。

 買収のニュースを受けて、エクソンのような資金の潤沢な企業が有望資産を持つ規模の小さい企業の買収を展開するなか、エネルギーセクターの再編が進むとの見方が高まった。

 オッペンハイマーのアナリスト、ファデル・ゲイト氏は「このような(買収)案件は増えるだろう。これにより、天然ガス価格の変動への同業界の耐性が高まるだろう」と述べた。

 エクソンのレックス・ティラーソン最高経営責任者(CEO)は記者との電話会見で「天然ガスは主要エネルギー資源のなかで最も成長著しいと予想される。石油や石炭の伸びよりも大幅に速いペースとなるだろう」と述べた。

 買収によりエクソンの資源ベースは約10%増加するとした。

 また、ガーナ沖のジュビリー油田への投資計画に影響はないことを明らかにした。エクソンは同油田の権益を取得することで合意している。


2012年1月29日 東燃ゼネラル石油株式会社

エクソンモービル有限会社の持分の取得および
エクソン モービルコーポレーションとの新たな提携関係への移行に関するお知らせ

 東燃ゼネラル石油株式会社(以下「当社」)は、エクソンモービル有限会社(本社 東京都港区、代表取締役社長 ピー・ピー・デューコム)の持分の99%を平成24年6月に取得することといたしましたのでお知らせします。エクソンモービル有限会社は、Exxon Mobil Corporation(本社 米国テキサス州)が間接的にその持分の100%を所有する日本法人です。また、Exxon Mobil Corporationは、現時点において、同社を通じて当社の株式を保有しております。この持分取得と同時に、当社およびエクソンモービル有限会社(両社および当社の子会社を含めて以下「当社グループ」)は、Exxon Mobil Corporationと一定の資本関係を維持しつつ新たな提携関係に移行し、製販一体経営を実現いたします。
 日本の石油需要は近年減退傾向にあり、国内の事業環境は厳しさを増しております。当社グループは、製販一体の新体制により、こうした事業環境の変化に効率的に対応した戦略的投資などを実行することが可能になります。加えて、事業部門間のさらなる連携を図り経営効率を高め、日本の市場環境や需要の変化に応じたビジネス機会を追求し、一層の効率化と収益の拡大を目指します。
 Exxon Mobil Corporationは今後も当社の主要株主として留まり、当社グループは同社のブランド(「Esso」「Mobil」など)を日本国内において独占的に使用します。当社グループは、これらのブランドおよび「ゼネラル」ブランドの製品やサービスをお客様、代理店・特約店の皆様へ引き続き提供します。また、Exxon Mobil Corporationの石油精製および石油化学におけるテクノロジーや技術サポートを継続的に使用します。Mobil 1に代表される潤滑油事業では、同社との事業協力関係をさらに強化します。なお、シナジーカードなどのクレジットカードやロイヤルティープログラムなどの各種サービスにつきましても従前通り提供します。
当社は今後、エクソンモービル有限会社とともに、時代の変化とお客様のニーズに迅速に対応し、付加価値の高い製品およびサービスを提供します。これにより、株主価値の一層の向上に努め、エネルギーの安定供給責任を全うし、エネルギー企業として社会に貢献します。
 本取引に係る決議の概要は、下記のとおりです。

1. 本取引の概要
(1) 取締役会決議の概要
 当社は、本日開催の取締役会において、Exxon Mobil Corporationがその持分の100%を間接的に保有するエクソンモービル・アジア・インターナショナル・リミテッド・ライアビリティ・カンパニーSARL(以下「EMAI」)との間で、エクソンモービル有限会社持分の99%を取得することを目的とした持分譲渡契約を締結するとともに、これに伴いExxon Mobil Corporationとの新たな提携関係を定める各種の提携契約を同社の関係会社(以下「EMグループ会社」)との間で締結することを決議しました。本持分譲渡契約に基づくエクソンモービル有限会社持分の取得および本提携契約に基づくExxon Mobil Corporationとの業務提携の実行日は、平成24年6月1日を予定しております(これらの本持分取得と業務提携とを以下「本取引」と総称します。)。

(2) 本取引の背景および目的
 当社は、主として石油製品の精製・供給、「ゼネラル」ブランドによる石油製品の販売および石油化学事業を行っており、生産した製品の大半をエクソンモービル有限会社に販売しています。エクソンモービル有限会社は、当社および極東石油工業株式会社から石油製品等を購入し、「Esso」や「Mobil」のブランドでこれら石油製品等を販売しており、その他に、潤滑油および石油化学製品の販売を行っています(なお、極東石油工業の発行済株式総数の50.0%はエクソンモービル有限会社が保有しています。)。

また、エクソンモービル有限会社は平成23年12月末日現在、当社の総議決権の50.5%、発行済株式総数の50.02%を保有しており、当社グループはこれまでも緊密に連携し、株主価値を最大化することに注力しながら事業を展開してきました。
 従来、当社グループは、日本におけるExxon Mobil Corporationのグループの一員として、主として「Esso」、「Mobil」ブランドおよび当社固有の「ゼネラル」ブランドにより石油製品を販売するとともに、Exxon Mobil Corporationのグローバル戦略に沿って、その高い技術やノウハウを十二分に活用してきました。そして今後、さらなる日本の市場環境や需要の変化に対応するために、当社とExxon Mobil Corporationは従来の事業提携関係を見直し、より国内の実情に適合した戦略をとることのできる体制に移行することに合意しました。新体制では、今後の日本のマーケットを見据え、これまで以上に柔軟な投資をはじめとした事業展開が可能になると考えます。当社は、本取引において、エクソンモービル有限会社持分の99%を取得し、同社と当社の経営を実質的に一体化します。これにより、石油精製・供給、燃料販売、潤滑油・スペシャルティー、石油化学の4つの事業分野において、さらに競争力を向上させるため、新たな一歩を踏み出します。

 当社グループは、本取引を通じて下記を実現することを目指します。
i. より徹底した製販一体経営により事業部門間の連携を一層緊密にし、国内の事業環境の変化に即応できる効率的な経営を行います。
ii. 日本の事業環境に適した投資機会を検討し、さらなるコスト競争力の強化と収益機会の拡大を行います。また、国内における他業種との共同マーケティングなどを通じて石油製品の販売競争力を強化するとともに、石油コンビナートにおける他社との協業の高度化や、効果的な省エネルギー投資の実行を検討します。
iii. これらの施策を実行する基盤として、経営効率の高い石油販売事業を営むエクソンモービル有限会社の事業ポートフォリオを当社と組み合わせ、継続して安定した利益とキャッシュ・フローの創出を目指します。

(3) 本取引の内容
(i) 本持分取得の方式
当社は、平成24年6月1日(予定)に本持分譲渡契約に基づき、EMAIが保有する、エクソンモービル有限会社持分の99%を、3,020億円(注1) にて取得します。なお、エクソンモービル有限会社は、現在、当社の総議決権の50.5%を保有する親会社にあたりますが、かかる持分の取得時においては、親会社には該当しないこととなります。
(注1) ただし、本持分取得の実行前に下記の取引等によりエクソンモービル有限会社が受領した現金を加算する等の調整を行います。

 本持分取得の実行に先立って、エクソンモービル有限会社の下記i.〜iv.の事業および資産はEMグループ会社に譲渡されます。本取引後に当社がこれらの事業および資産を保有することはありません。
i. 当社株式80百万株
ii. 化学品事業の一部(ブチルゴム、スペシャルティーエラストマー、合成油、ポリオレフィン関連、触媒ライセンス)
iii. 国内においてブチルゴム事業を営む日本ブチル株式会社の株式の全て(同社発行済株式総数の50%部分)
iv. 韓国において潤滑油事業を営むMobil Korea Lube Oil Inc.の株式の全て(同社発行済株式総数の50%部分)

 上記i.の当社株式80百万株の譲渡に加えて、本持分取得の実行前にエクソンモービル有限会社が保有する当社株式約3百万株がEMグループ外の第三者に売却される予定です。その結果、本持分取得の実行日時点でのエクソンモービル有限会社による当社株式保有数は約200百万株となる予定です。
 また、本持分取得後には、エクソンモービル有限会社が保有する当社株式約200百万株については議決権が失われることから、当社の発行済株式のうち議決権を有する株式数は約360百万株となります。この結果、本持分取得後におけるExxon Mobil Corporationの当社に対する議決権の保有割合は約22%となり、Exxon Mobil Corporationは当社の主要株主として留まる見込みです。また、本持分取得の実行に先立って、エクソンモービル有限会社を合同会社に組織変更する予定です。

東燃ゼネラル株式 (百万株)
  現在 異動 異動後
議決権株    560   360  
 うちエクソンモービル 283 50.5%   -83 (200)  
   ExxonMobil      80 80 22%
   外部 277 49.5%  3 280 78%

本取引に関する、当社、エクソンモービル有限会社、Exxon Mobil Corporation等の資本関係を示した概略図は以下のとおりとなります。

従来の体制

今後の体制

    エクソンモービル→EMGマーケティング合同会社

  東燃化学→東燃化学合同会社
           東燃テクノロジー合同会社(持分の75%)
           東燃ゼネラル石油株式会社(持分の25%)

(ii) 当社グループとExxon Mobil Corporationとの提携内容
 本持分取得後においても、当社は、EMグループ会社との間で締結する本提携契約を通じて、引き続きExxon Mobil Corporationを緊密なビジネスパートナーとして事業を継続します。本提携契約の主な内容は以下のとおりです。

i. 当社グループによる、「Esso」および「Mobil」商標の日本国内における独占的な使用(「Express」および「Speedpass」を含みます)
ii. Mobil 1に代表される、潤滑油事業における事業協力関係
iii. 石油精製事業および石油化学事業における、Exxon Mobil Corporationによる継続的な技術提供
iv. 原油調達におけるExxon Mobil Corporationとの協力関係の継続
v. 化学品事業における製品商標の継続使用

 また、Exxon Mobil Corporationは、本取引の実行後においても、EMグループ会社を通じて当社株式80百万株を保有することを約しており、これに対して、当社は、かかる保有期間中、Exxon Mobil Corporationが推薦する2名を取締役候補者とすることを約しております。
 


2012年6月1日

エクソンモービル・ジャパングループは、新生東燃ゼネラルグループへ

東燃ゼネラル石油株式会社、EMGマーケティング合同会社(旧エクソンモービル有限会社)は、2012(平成24)年6月から日本資本を主体とする製販一体のグループ企業として運営されることとなりました。
およそ120年にわたる当グループの歴史を紐解き、今回の再編の意義をご説明いたします。

1893(明治26)年灯油の輸入販売のため、ソコニー(スタンダードオイル・カンパニー・オブ・ニューヨーク)は、横浜に日本初の支店を開設しました。灯油ランプが照明として使われていた時代のことです。同年、潤滑油の輸入販売のため、ヴァキュームオイルも横浜に日本支店を開設。同社の高品質な潤滑油と顧客への技術サービスは、その後日本の紡績産業を世界一の座に押し上げる原動力の一つとなりました。これらが、我が国におけるエッソ、モービルブランドでの石油製品販売の源流です。
一方、1939(昭和14)年、航空燃料、航空潤滑油という当時のハイテク石油製品製造のため、国内石油企業の共同出資により東亜燃料工業が設立されました。精製専業の同社は、高度成長期の1960(昭和35)年に、東燃石油化学を設立し、石油化学産業への進出も果たしました。
さらに第3の流れとして、戦後間もない1947(昭和22)年、財閥解体により三井物産燃料部は独立し、ゼネラル物産を設立。
後に、石油精製およびゼネラルブランドで石油製品販売を行う企業となりました。
こうした3つの流れは、2000(平成12)年7月に、エクソンモービル・ジャパングループとして1つに集約されました。
ただし、資本関係は、エクソンモービル100%出資会社のエクソンモービル有限会社と、東京証券取引所第一部上場企業で、エクソンモービル有限会社が50.02%出資する東燃ゼネラル石油という複雑な関係が続いていました。

そして、2012(平成24)年6月。東燃ゼネラル石油のもと、精製・販売が実質的に一体化した、新たな東燃ゼネラルグループが誕生することとなりました。グローバルな機能・事業別の縦割りの組織から、国内で完結する一体型組織へ。
外国資本が過半数の株式を所有するグループから、日本の資本が大半を握るグループへ。およそ120年の時を経て、最も効率的な経営を行う体制が整うこととなったのです。
エクソンモービル・ジャパングループ誕生から、私たちはグローバル企業とはいかなるものかを身をもって経験してきました。
そして、そこから得られたノウハウは、私たちの血となり肉となっています。そこに、日本の市場にマッチした経営を取りいれることで、今後はグローバルな知見をベースに、より迅速に市場ニーズへ対応していくことが可能となります。
世界最先端の技術、ノウハウを活用しつつ、日本の実情を踏まえた卓越したサービスとともに、石油製品・石油化学製品の安定供給に努めてまいります。新生東燃ゼネラルグループをよろしくお願い申しあげます。