2011/6/12 日本経済新聞

LED照明 素材も活況

 素材や情報機器メーカーがLED(発光ダイオード)照明向けの投資を拡大する。住友化学は2012年夏までに100億円を投じて基盤原料の生産を倍増。コニカミノルタHDはLED照明事業に参入する。低消費電力と長寿命が特徴のLED照明は今夏の節電対策を急ぐ家庭や企業による需要が急増。これに伴い関連産業の裾野が広がっている。

 住友化学は愛媛工場に発光基板の原料となる「
高純度アルミナ」の新生産ラインを造り、年産1600トンから同3200トンに増やす。これによりSasol North Americaを抜き世界首位になる見通し。
 2013年度中にはさらに同1600トンのライン増設も検討する。電気自動車に搭載するリチウムイオン電池向けの被膜剤としての需要も見込む。
 三菱化学は2015年までにLEDの色を調整する
蛍光体の生産能力を約7倍に高める。小田原事業所での生産能力を現在の年6トンから40トンに引き上げるもので、投資額は30億〜40億円の見通し。
 昭和電工はLED素子を形成する
高純度アンモニアガスの生産能力を11年中に年3000トンから5000トンへと7割引き上げる。川崎工場と中国、台湾の3拠点に約10億円を投じ増強する。

 コニカミノルタでは子会社のコニカミノルタオプトが中国・上海の工場にLEDの光を均一に拡散させる導光板の新ラインを設けた。年1万個のLED照明モジュール(複合部品)の出荷を目指す。6月中に冷蔵ショーケース用として投入、その後オフィス用も検討する。13年度にLEDを中心とした照明関連事業で200億円規模の売上高を見込む。
 
LEDの仕組み

     
pn接合の半導体に電気を流すと、
p型正孔は−極へ、n型電子は+極へ動く。

接合面で+-が打ち消しあい、消滅。
その時にエネルギーが発生し、光となって放出される。

電気を直接光に変換するため効率がよい。