シラン

三井化学/トクヤマ モノシランガス製造プロセスの共同開発

電気化学/エア・リキード 超高純度モノシランガスの能力増強

大陽日酸 太陽電池材料の新工場

大陽日酸 特殊材料ガス共同製造事業撤退

 


2008/9/11 三井化学/トクヤマ

モノシランガス製造プロセスの共同開発開始のお知らせ

 三井化学およびトクヤマは、モノシランガスSilane gas 製造プロセスの共同開発を行うことを合意しましたのでお知らせします。

 モノシランガスは、今後急激な需要の伸びが予想されている薄膜系太陽電池を始め、半導体、液晶などの各種電子デバイスの製造プロセスにおいて、シリコン膜、シリコン酸化膜形成用に用いられる特殊ガスです。
 三井化学は長年、モノシランガスの製造・販売におけるリーディングカンパニーとして、豊富な合成・分析の技術経験を生かし、当該製品を提供し、独自製造プロセス「合金法」を含めた幅広い製造プロセスの検討を行っておりました。一方トクヤマも、長年半導体に用いられる高品位ポリシリコンを始めとする、金属シリコンを出発原料とした豊富なシリコン原料系の製品群を有し、これらを提供するとともに得意とするシリコン原料製品の製造技術を活用すべく、モノシランガスの製造プロセスの検討を行っておりました。
 今回、両社の長年に渡る豊富な知見と高度な技術を融合させることで、モノシランガスの新規製造プロセスの開発を早期に達成するため、共同開発を行うことといたしました。
 共同開発技術完成後には、旺盛な需要が予想される太陽電池用途をはじめとするモノシランガス需要へ速やかに応えるべく、両社による早期の共同事業化を視野に入れております。

 三井化学は、今般、経済・環境・社会の3軸経営の確立と革新的な新技術の創出により新たな価値創造へ挑戦することを基本コンセプトとした、08年度を初年度とする4年間の新しい中期経営計画(08中計)を策定いたしました。モノシランガスが含まれる機能材料事業は、成長ドライバーたるべく高利益事業セクターとして、自動車材、IT材、エネルギー材の成長する3市場で、重点的な事業拡大を掲げております。この度、太陽電池用材料であるモノシランガスの製造プロセスの共同開発に取り組むことで、重点分野と位置づけたエネルギー市場分野での更なる成長を図って参ります。
 トクヤマは、今年創立90周年を迎え、更なる成長を目指すべく、「挑戦と変革」をキーワードとした100周年ビジョンを掲げ、第1ステップ「テイク・オフ」と位置づけた08年度を初年度とする3年間の中期経営計画を策定しました。「戦略的な成長事業の強化」を基本戦略の一つとし、その重点項目として環境・エネルギー、電子材料・部材の関連市場をターゲットとした「新規事業の創出」を掲げています。モノシランガスの製造プロセスの共同開発は、この新規事業創出の一環であり、特に需要の伸びが期待できる太陽電池向け材料としては、結晶系に加え、薄膜系の材料を揃えることで、同市場分野での成長を図って参ります。


2007/5/8 電気化学工業

超高純度モノシランガスの能力増強について

 電気化学工業(社長:川端世輝)とエア・リキードグループ(日本法人:日本エア・リキード株式会社、会長兼社長:Jean-Pierre DUPRIEU)は、当社青海工場内にあるデナールシラン株式会社(社長:川端世輝)で生産する超高純度モノシランガスの能力増強を決定いたしました。
 デナールシラン株式会社は1987年10月に
当社とエア・リキードグループとの合弁会社として設立され、今年で20年を迎えます。同社は超高純度が要求される半導体、液晶TFT、感光ドラムなどのデバイス製造用ガスとして用いられるモノシランガス製造のリーディングカンパニーとして市場をリードして参りました。近年、半導体、液晶TFTの市場の伸びに伴い、モノシランガスの需要は年率20%を超える大幅な増加となっています。さらに今後は、太陽電池用途への需要拡大も期待されております。
 このような状況のなか、当社では、現状年産300トンの能力を500トン以上に増強し、 2009年以降の需要に対応し供給責任を果たすことといたしました。

1.設備増強の概要
 事 業 所 電気化学工業青海工場内デナールシラン株式会社
 能 力 500トン/年以上(+200トン以上)
 完成時期 2008年11月予定
 投資総額 約48億円(エア・リキードグループでの関連設備も含む)

2.デナールシラン株式会社の概要
 商 号 デナールシラン株式会社 (DENAL SILANE Co., LTD)
 本社所在地 東京都中央区日本橋室町2−1−1
 代 表 者 川端世輝(代表取締役社長)
 設立年月 1987年10月
 事業内容 モノシラン、ジクロロシランの製造・販売


日本経済新聞 2008/12/27 

大陽日酸 太陽電池材料の新工場 200億円投資 国内に、独社と合弁

 工業ガス国内最大手の大陽日酸はドイツの化学大手と共同で、太陽電池材料の工場を国内に新設する。約200億円を投じ、2011年に生産を開始、日本や韓国などアジアの電機メーカーに販売する。世界的な景気後退で、従来の主要顧客である鉄鋼や石化メーカーは減産対応を強めているため、大陽日酸では太陽電池を成長分野とみて、大型投資に踏み切る。
 独エボニックデグサ
(フランクフルト)と組み、太陽電池や液晶パネル、半導体の絶縁材料となる「モノシランガス」を生産する。年間生産能力は千トン。同2千トン強を生産するノルウェーのリニューアブルエナジ一(REC)に次ぐ世界二位の生産規模となる見通し。大陽日酸はこれまで他社から仕入れて国内を中心に年300トン弱を販売しているが、工場新設で製販一貫体制を整え、海外販売も本格化する。工場の建設地は国内で選定中。


June 28, 2006 Degussa

Degussa Expands Silane Capacity - New Production Plant for Solar Silicon

Degussa AG, Düsseldorf, is significantly expanding its silane capacity with the construction of a monosilane plant in Rheinfelden, Germany. In a parallel project, Joint Solar Silicon GmbH & Co. KG (JSSI), Freiberg, a joint venture of Degussa AG (51 percent) and SolarWorld AG, Bonn, will be building a production plant also in Rheinfelden for manufacturing solar silicon from monosilane. The plant will be based on a proprietary manufacturing process that allows inexpensive industrial production of solar silicon from silane gas. Production will begin in 2008 starting with an annual capacity of 850 metric tons of solar silicon. The investment volume will range in the double-digit millions of euros.


September 24, 2008 REC

REC ASA - Scope change to further pursue silane gas market

REC has decided to change the scope of the new expansion project ("Plant IV") initially announced in April 2007. The decision was mainly driven by the favorable market conditions for silane gas and the internal need for silicon based on the final scope of the Singapore Phase I expansion. Additional silane volume will enable REC to potentially double the allocation to the merchant market by adding around 2,300 MT annually, while still securing all internal and external polysilicon commitments.   Over the last number of quarters, the improved attractiveness of the silane gas market has become more evident. From a market primarily driven by the demand from integrated circuits and flat panel displays, the market share of photovoltaics has increased fast and is expected to set the pace for future growth. In this segment, silane gas has historically mainly been used in the production of traditional wafer-based solar cells, but will in the future increasingly be influenced by the development in crystalline based thin-film market (i.e. amorphous- and tandem micro crystalline/amorphous-silicon). Further confirmation of this development was made in June 2008 when REC secured long-term agreements for the supply of silane gas to major gas distributors worth close to USD 1 billion (~NOK 5.5 billion), average sales price under these contracts was around 15% higher than current.

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平成24 年9 月28 日 大陽日酸 

特殊材料ガス共同製造事業撤退に伴う特別損失発生のお知らせ

 当社は、平成24 年9 月28 日開催の取締役会において、以下の通り、エボニック デグサ ジャパン株式会社(EDJ)とのモノシランガス共同製造事業から撤退することとし、それに伴い平成25 年3 月期第2 四半期累計期間に特別損失を計上することを決議いたしましたのでお知らせいたします。

1. 特別損失の計上について
1) 背景及び経緯
 当社は、国内外で液晶パネル、太陽電池、半導体などエレクトロニクス関連市場でのモノシランガスの旺盛な需要拡大見込みに対し、高品質維持、コスト競争力強化、安定供給体制の構築を通じて事業拡大を図る目的で、2009 年(平成21 年)4 月にEDJ とのモノシランガス共同製造事業計画に合意、三重県四日市市に共同製造工場を建設し2011 年(平成23 年)9 月より製品出荷を開始しました。
 この間、2008 年(平成20 年)秋の米国金融危機以降、世界的な景気の低迷を背景にエレクトロニクス関連市場での需要全般の冷え込みが続き、東日本大震災による電力供給懸念、歴史的な円高の影響などが相俟って、日本国内市場では需要拡大が見込まれた薄膜シリコン太陽電池、液晶パネルの製造が大幅に落ち込み、モノシランガスの製造・販売量も当初の計画を大幅に下回る状況となりました。
 一方、製造原価・経費の削減、中国を含むアジア市場での販売の拡大に全力で取り組んでまいりましたが、グローバル市場での需要低迷、供給能力過剰による市場価格の大幅な下落など市況悪化が更に進み、モノシランガス製造・販売事業の当面の収益改善の見込みは立たず、今般、共同製造事業から撤退することといたしました。

2) 特別損失の概要
 当社は、平成24 年9 月30 日付にて共同製造事業契約を解約し、同事業から撤退することでEDJ と合意しましたので、これに伴い、以下の特別損失を平成25 年3 月期第2 四半期累計期間に計上いたします。

A) 共同事業契約の早期解約に伴う解約金 約198 億円
B) 合弁会社(精製・品質保証を担う)の解散に伴う損失他 約 35 億円
 合計 約 233 億円
 

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日本経済新聞

大陽日酸、独社とのガス事業撤退 特損計上で社長辞任

 大陽日酸は28日、太陽電池や液晶の製造に使う特殊ガスについて、ドイツ化学大手との共同事業から撤退すると発表した。2011年秋に販売し始めたが市況の悪化が止まらず、将来も赤字解消が見込めない。川口恭史社長は業績悪化の責任を取って辞任する。
 このガスは「モノシランガス」と呼ばれ、太陽電池や液晶パネル、半導体の製造工程で使われる。独エボニックデグサが三重県に工場を建設。大陽日酸は10年間、決まった量を固定価格で引き取る共同事業だった。
 しかし、08年秋のリーマン・ショック後に需要が冷え込み価格が下落。現在の販売価格は計画の半額以下だ。太陽電池のなかでも主流ではない薄膜シリコン太陽電池向けが主な用途だったことも響いた。液晶関連市場の縮小も響いた。
 同社は13年3月期の連結最終損益がトントン(前期は212億円の黒字)になりそうだと発表。従来予想は174億円の黒字だった。今回の撤退で233億円の特別損失を12年4〜9月期に計上する。安定配当の観点から、配当は前期実績と同じ年12円との従来予想を据え置く。
 川口社長は10月1日付で引責辞任し、田辺信司専務が昇格する。田口博取締役相談役は会長に復帰する。さらに新体制で同日から1年間、田辺社長らの役員報酬を10〜20%削減する。