日本とアジアの石油化学の現状その他を、各社のホームページや新聞雑誌情報を基にまとめ
た個人のデータベースです。


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日本経済新聞 2003/8/8

高温超電導体 実用化競う 線材加工に成功、応用段階に
 新幹線 変圧器軽量化で振動低減
 送電線 古河電工が500メートル級開発へ


鉄道総合研究所は1、2年後をメドに高温超電導線材を利用した車両用変圧器を試作し実際の車両を使った実験を始める。

高温超電導線材に関する各社の主な取り組み
▽フジクラ   イットリウム系で長さ100bを実現(送電線向けなど)
▽昭和電線電纜       中部電力と共同で、ビスマス系で1平方ミリb当たり13キロアンペアの電流を実現(電力貯蔵装置に利用)
▽古河電気工業   ビスマス系で500bの送電線開発に着手
▽住友電気工業   ホルミウムを使った高温超電導線材の量産技術を開発(送電線向けなど)

日本経済新聞 2003/7/22

高温超電導線で量産技術 送電損失が半減 住友電工


住友電気工業は、電気抵抗がゼロになる次世代の高温超電導線の量産技術を開発した。送電線に応用すれば、現在の銅線に比べて電力の損失を約半分に減らせる。


日本経済新聞 2004/5/10              発表

住友電工 超伝導の電線量産 コス卜大幅減送電能力 130倍

 国内電線最大手の住友電気工業は世界各国が実用化を競っている「高温超電導技術」を初めて事業化する。
 住友電工は今回、鉛や亜鉛の副産物として生産されるビスマスや銅を使った高温超電導材料で、一度に1千メートルまでの長さの超電導線を商用生産できる技術を確立、大阪製作所(大阪市此花区)内に量産設備を整えた。従来は、実験段階でも200メートルが限界だった。

超伝導技術の実用化の流れ

1911年   オランダの研究者が超電導現象を発見
  86年   米IBMの研冤者が高温超電導物質を発見
    東大のグループが高温超電導物質の確認と構造解明に成功
  88年   金属材料技術研(日本)で零下163度での超電導に成功
  93年   モスクワ州立大で同139度での超電導に成功
  97年   山梨県でリニアモーターカーの走行実験開始
2001年   日本の超電導工学研究所やフジクラなどが高温超電導電線の簡易な
製造法開発(事業化はまだ)
  04年   住友電工が高温超電導電線を初めて事業化、量産へ

2004年5月10日 住友電気工業

革新的な高温超電導線材の開発と超電導線材ビジネスの本格開始について
http://www.sei.co.jp/news/press/04/prs339_s.html

 当社は、革新的なプロセス開発により、ビスマス系高温超電導線材の飛躍的な品質向上と生産性の大幅な向上を同時に達成しました。今後高温超電導線材を全世界に供給できる体制を早急に構築し、夢の技術と考えられていた高温超電導をビジネスの舞台に引き上げます。

 当社は、1986年に高温超電導材料が発見されてから、エネルギーやエレクトロニクスの分野でこの材料が革命的な働きをすると考え、高温超電導材料の線材化や薄膜化の開発を進めてきました。今回革新的なプロセスで開発、量産化に成功したビスマス系高温超電導線材は次の特徴があります。

品質面 【1】 臨界電流を30%以上向上(従来100A→今回130A)
    【2】 機械強度50%以上向上
生産性 【1】 1,000m以上の長尺化
    【2】 歩留り 4倍以上

 


朝日新聞 2006/3/11

住友電工、「超伝導」送電線を年内にも発売

 
住友電気工業は、低温で電気抵抗がゼロになる「超伝導現象」を応用した送電用ケーブルを年内にも発売する。送電線の老朽化が進む米国を有望な市場とみて、5月からニューヨーク州のオルバニー市で世界初の送電実用試験を開始。成功を確認できた段階で発売に踏み切る。契約が取れれば、送電線としては世界初の商用利用になる。