2011/8/20  Taipei Times      2009/5/26 台湾の石化メーカーが中国でエチレンコンプレックスを計画

No plan to lift China naphtha cracker ban

The government has no plans to lift the ban on investments in naphtha cracking in China, even though four Taiwanese firms this week signed a letter of intent to cooperate with their Chinese counterparts, Vice Minister of Economic Affairs Hwang Jung-chiou (黃重球) said yesterday.

“There is no plan to lift the ban,” Hwang told a press conference held at the Chinese Nationalist Party (KMT) caucus office at the request of KMT lawmakers.

On Tuesday, Ho Tung Chemical Corp (和桐化學), China Petrochemical Development Corp (中石化:中国石油化学開発), USI Corp (台灣聚合化學品) and LCY Chemical Corp (李長榮化學) signed a pact with China Petrochemical Corp (中國石油化工集團), also known as Sinopec Group, and the Fujian Provincial Government.

The Taiwanese firms plan to invest a total of US$15 billion in Fujian’s Gulei Peninsula
古雷半島 in Zhangzhou 漳州市 to build a naphtha cracking plant with an annual refining capacity of 16 million tonnes of oil, producing 1.2 million tonnes of ethylene a year three years later.



The proposed Gulei project has yet to be approved by the ministry’s Investment Commission.

CPC Corp, Taiwan (CPC,台灣中油) vice president Lin Sheng-yi (林勝益) dismissed speculation that the move had anything to do with the government’s decision to reject Kuokuang Petrochemical Technology Co’s (國光石化) plan to build a naphtha cracker complex in Chunghua County.

Lin said Kuokuang Petrochemical Technology Co, an affiliate of stated-owned CPC, preferred to continue investing in this country, adding that the location would be determined by the end of the year.

Of the four companies that signed the letter of intent on the Gulei project, only Ho Tung Chemical has an interest in the Kuokuang project as it holds a 3 percent stake, Lin said.

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 2011年8月19日 NNA Asia

石化4大企業が大同団結:福建省古雷に一貫生産拠点[化学]

台湾の4大石化グループは17日、中国の同業最大手の中国石油化工(中石化)と共に中国・福建省古雷半島に石油化学製品の一貫生産拠点を構築すると発表した。投資額は45億米ドル(約3,440億円)で、石化産業による対中投資としては最大規模。ただ台湾政府は川上のナフサ分解プラントの中国投資を認めておらず、実現の可否が注目されている。

4社は台湾聚合化学品(USIファーイースト)、李長栄化学工業(栄化)、中国石油化学工業開発(中石化)、和桐化学。この計画を主導する台湾区石油化学工業同業公会(石化公会)の陳武雄理事長(和桐の創業者)がこのほど、4社の代表団を率いて北京市を訪問し、中国の中石化、福建省政府との間で一貫生産拠点の建設に向けた枠組み協議に調印した。

台湾側の投資は、陳理事長個人と4社が立ち上げる合弁会社「台商古雷石化(漳州)」が主導する。同社には台湾の別の石化企業2社も出資する見込み。中国側は中石化と福建省政府の合弁会社である福建煉油化工が参画し、計画全体を中台の折半出資で進める。

陳理事長によると、中国の第12次5カ年計画の商機を狙うため、年末にも始動し、3年内に稼働にこぎ着けたい考え。年産能力1,600万トンの製油所とエチレン120 万トンのナフサ分解プラントを建設する。さらに長春大連や国喬石油化学(グランド・パシフィック)などが川中〜川下の26工場を計画しており、サプライチェーン全体の投資額は150億米ドルに上るとみられている。

■背景に国光石化

4社が大同団結することによって対中投資に動いた背景には、国光石化科技の彰化県での大型石油化学プラントの建設計画が暗礁に乗り上げていることがある。

国光石化のプラント建設計画は今年4月に馬英九総統が支持しない方針を正式に表明したことで中止が決まり、政府の求める高度化・低炭素化に合致した産業構造の調整で検討中。計画を主導する台湾中油(中油)によると、投資規模を縮小し、彰濱工業区か台中港区で特殊化学品を生産する方向で調整しており、年末にも具体案が固まる見通し。

4社はいずれも中油とつながりの深い川下業者。これら企業が対中投資に動いたことで、中油が主導する国光石化のプラント計画に影響が出るとの見方もあるが、中油は「影響はない」と否定している。

■政府の認可が高い壁

ただこの投資計画は一筋縄ではいかない。実際の投資となれば経済部投資審議委員会(投審会)の認可が必要となるが、台湾政府は現時点で、川上のナフサ分解プラントの中国投資を認めていない。

4社が投資協議に調印したことで、解禁は秒読みとの観測も浮上しているが、同部は「投資が認められるのは石油精製と川中〜川下のみ」とした上で、法律に従って行動するよう業者に求めた。

政府は遅かれ早かれナフサ分解プラントの対中投資を解禁するとみられている。ただ来年初めに総統選挙を控えているため、年内に中台絡みの大きな政策変更をするのは難しいとの見方が強い。

 

古雷半島での投資品目

  万トン 投資
石油精製 1,600 JV
ナフサ分解 120 JV
EVA 20 台湾聚合化学品
PE 49.1 台湾聚合化学品
合成ゴム 14 李長栄
PP 63.4 李長栄
n-パラフィン 16.6 和桐
LAB 20 和桐

2011/8/18  経済日報

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当初案

次の台湾メーカー6社が80%を出資する。

 和桐化学(Ho Tung Chemical   Normal paraffin, Alkyl Benzene, LAS などのメーカー
 大連化学(Dairen Chemical   VAM、エチルアセテート、1,4ブタンジオールなどのメーカー
 李長栄(Lee Chang Yung Chemical   DME、アセトアルデヒド、MIBKMEKPPなどのメーカー、
(台湾ポリプロをバゼルから買収)
 長春人造樹脂(Chang Chun Plastic)   フォルムアルデヒド、PVA、その他のメーカー
 國喬石油化学(Grand Pacific Petrochemical   SMABSなどのメーカー
 台湾合成ゴム(TSRC   SBRBRTPEのメーカー

主な誘導品計画は次の通り。
 PP 400千トン
 SM 500千トン
 MTBE 160千トン
 MEK 60千トン
 VAM 350千トン
 NBR 30千トン
 

 


2011年4月25日 NNN Asia

国光石化のプラント計画凍結:馬総統が「不支持」表明[化学]

馬英九総統は、国光石化科技の大型石油化学プラント建設計画について、支持しない方針を正式に表明した。環境アセスメントをめぐり、地元住民との対立が続いていたが、計画決定から約6年を経て凍結が決まった。次は海外への移転が焦点となる。ただ、石化産業は域内総生産(GDP)の3分の1を占め、台湾経済の屋台骨を担うだけに経済成長や雇用への影響が懸念される。

馬英九総統は、国光石化に43%を出資する筆頭株主の台湾中油が、4月27日に予定される国光石化の株主総会で、彰化県での建設への不支持を明確に表明するよう、行政院に求めたことを明らかにした。

 
予定地 彰化県大城濱海区
大株主 中国石油
着工予定 2011/11
完工予定 2015/4
主要工場 ナフサ分解、製油所
誘導品約30プラント
 

大型石化プラント計画をめぐっては、21日の第5次環境影響評価専案小組で「条件付きで審査通過」「否決」の2案を作成し、来月の環境影響評価委員大会に結論を委ねるとしていた。

しかし馬総統は22日、最終的な結論を待たずに建設を支持しない方針を表明した。先日、建設予定地の彰化県を訪れた際に農民やカキ養殖業者がひざまずいて天に祈っている姿に心打たれたという。同地は「国家湿地自然公園」として開発するよう内政部に指示した。

総額9,000億台湾元(約2兆5,500億円)を超える大型投資計画が棚上げになったことで、経済への影響が懸念される。経済部工業局によると、石化関連産業の生産高は3兆3,000億元に上るとされ、今回の凍結決定はGDPを2ポイント押し下げる見通し。関連産業を含めると、計23万5,000人分の雇用機会が失われるとみられている。

■質的成長へかじ取り

これに対し馬総統は、「政府は石化産業の発展を放棄したわけではない。ただ産業構造や政策の方向性を再検討する必要がある」と反論し、これまでの量的成長から質的成長へとかじを切る方針を示した。

原材料を海外から輸入し、川中〜川下産業の高品質、高付加価値化を実現している日本の産業モデルを参考にする。基幹材料の技術を持つ日本企業を誘致することも視野に入れている。杜紫軍・工業局長は具体的な企業名は明かさなかったが、「リストは作成済み」と話している。

■域内での建設「不可能」

馬総統の会見を受けて、経済部の施顔祥部長は23日、「当初の予定地(2,000ヘクタール以上)と同規模の土地を域内で探すことは不可能」と説明した。これにより域内での建設は絶望的となった。次は海外への移転が焦点となる。施部長は先ごろマレーシアやインドネシアなどを候補先として挙げている。

■ナフサの対中投資緩和へ

一方で、国光石化の計画が凍結されたことで、域内では将来的なエチレン不足が懸念される。不足量は年間35万トンに上るとされ、施部長は中国でのナフサプラント投資規制を解禁する方針を表明。液晶パネル産業と同様、付帯条件付きとする方向で、今週から検討を始める。エチレン不足を解消するため、台湾への優先供給を大前提とするようだ。

国光石化の大株主である台湾中油(中油)は27日に株主総会を開き、海外へ移転するか否かも含め、最終的な結論を出す。

経済部の施部長は、エチレンの将来の供給不足を考慮し、ナフサ分解プラントの対中投資規制を緩和する方針を表明したものの、中国は、投資するにしても中国側が株式の過半数を握るよう規定している。この案件については中台間の協議が必要だが、政治リスクが高いとの懸念は根強い。

■台プラ寡占へ

馬総統の発表を受けた台湾区石化公会の陳武雄理事長は22日、「台湾プラスチックグループ以外の石化業者は、中油と共に競争の舞台から消える」と悲観的な見方を示した。

中油は当初、国光石化のプラント稼働により、2期合計でエチレン年産能力が240万トン増えると見込んでいた。しかし計画が凍結されたことに加え、第4、5ナフサプラントが順次稼働を終了するため、中油の年産能力は現在の108万トンから2025年には60万トンまで減少する見込み。

 プラント建設が計画された理由の一つに、中油の第5ナフサプラント(高雄市楠梓区、通称五軽)が15年に海外へ移転した後の、台湾域内へのエチレン供給を補う目的があった。

台湾国営の中国石油は高雄に日産 270千バレルの製油所と50万トンのエチレンコンプレックスを所有しているが、高雄の石油・石化基地は住民からの公害問題での苦情を受け、2015年までに閉鎖することが決まっている。
中国石油は、2006年1月に、同社43%出資誘導品各社との合弁会社 Kuokuang Petrochemical Technology Co 國光石化科技)を設立し、雲林に120億米ドルを投じて、日産30万バレルの製油所とエチレン120万トンを建設することを決めたが、政府認可取得、土地買収に失敗した。

2007/1/24 台湾の中国石油、中東進出か?

施顔祥経済部長によると、中油のエチレン供給量は現在年間108万トン。13年に予定される第3ナフサプラント(高雄市林園区、通称三軽)の設備更新によって150万トン規模への拡大が見込まれるものの、第5ナフサが移転すれば需要に対し直ちに50万トンの供給不足が生じるという。

 国光石化プラントの台湾での建設見送りが決まったため、中油は第5ナフサの海外移転が確定した場合、毎年35万トンを海外から台湾に輸送する必要が生じる。中油はこのため、高雄港洲際コンテナセンター第2期計画区で大林石化輸送・貯蔵センターを投資額600億元で建設し、台湾石化業者への供給拠点とすることを計画している。

これにより、中油系の川上メーカーは原材料不足に直面し、海外移転を余儀なくされるという。陳理事長は、「このままでは20〜30年後には台プラの寡占状態になる」と警鐘を鳴らす。

国光石化は製油所をはじめ、エチレンなど主要石化製品を生産する大型プラントで、民進党政権時代の05年に始動した。当初は雲林県での建設を予定していたが、環境アセスメントが難航し彰化県に移転。しかし環境保護団体や地元住民との対立が続いていた。23、24日付台湾各紙が伝えた。