2010/3/19 毎日新聞

温室効果ガス削減:環境省がロードマップ 販売7割、環境車に

 温室効果ガスを2020年までに1990年比25%減、2050年までに80%減を目指した環境省の行程表原案が18日、明らかになった。自転車専用レーンを 現状の2.5倍に増やすなど、5分野で目指す施策を挙げている。小沢鋭仁環境相は19日の専門家会合での議論などを参考に行程表を公表するが、根拠や実現性で議論を呼びそうだ。

 原案では、住宅・建築物▽自動車▽地域づくり▽ものづくり(産業)▽エネルギー供給−−の5分野に目標や導入すべき施策を時系列で列挙した。

 それによると、25%削減を国内対策で実施する場合、住宅・建築物分野では、二酸化炭素を出さないゼロエミッション住宅を目指し2020年までに家庭用太陽光発電を3600万キロワット(2005年114万キロワット)に拡大する。住宅エコポイント制度や太陽光発電の固定価格買い取り制度を継続する。

 自動車分野では、2020年までに乗用車の販売台数の7割を、ハイブリッド車などの環境対応車にする。

 地域づくりでは、公共交通を柱にした街づくりを進めるほか、車の移動などに伴う排出を減らすため、駅周辺への居住を促す。2030年までに自転車専用レーンを現状の2万キロから5万キロに拡大。路面電車や高速輸送システムも現状の240キロから1500キロに増やす。

  2010 2015 2020 2030 2050
住宅・構築物 既存住宅・建築物の省エネ化推進 ゼロエミッション住宅の普及開始 住宅の太陽光発電3600万kw 新築住宅でゼロエミッション住宅100% 既存住宅も含めすべて
ゼロエミッション
自動車     乗用車販売のうち環境対応車7割   燃料電池自動車の普及
地域づくり 公共交通エコポイント導入    
全輸送機関の排出量見える化 業務用移動によるCO2排出量の公表義務付け
歩道・自転車道の整備 自転車レーン5万km  
ものづくり   地球温暖化対策税、国内排出量取引など
  製品の製造から廃棄までの排出量・削減効果などの算定・報告・公表
エネルギー供給     再生可能エネルギーを1次エネルギーの10%以上に   再生可能エネルギー導入量を1.4億〜1.6億klに

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2010/3/20 日本経済新聞

主要分野の排出削減目標
 上段:2020年排出量 百万トン
 下段:2005年比削減率

  真水25% 真水15% 対策
住宅・建築物 224
  45%
279
  32%
環境基準が現行の最高基準を達成
照明効率80%に引き上げ
自動車 135
  40%
149
  34%
乗用車燃費を13%向上
電気自動車新車675千台、ハイブリッド車120万台
鉄道・船舶・航空 25
  22%
32
   0%
 
ものづくり(産業) 383
  16%
402
  12%
 

原子力発電稼働率を最大で88%に引き上げ