「石油コンビナート高度統合運営技術研究組合」(RING)  http://www.ring.or.jp/ 

                                      06年度事業計画   水島地区

「石油コンビナート高度統合運営技術研究組合」は、石油産業及び石油化学産業等の20社により平成12年5月に設立され、コンビナートの国際競争力強化と再生を目指して「コンビナート・ルネッサンス事業」を開始致しました。

 まず第1次研究開発事業として、平成12年度から14年度までの3カ年で、コンビナート内設備の共同運用による製品や原材料の最適融通等を高効率に行うことを可能とする高度統合運営技術開発を、全国5地区で行ってまいりました。

 引き続き第2次研究開発事業として、平成15年度から17年度までの3カ年の計画で、コンビナートにおける新たな環境負荷低減対策技術の確立、更なる合理化・高度化を図るための副生成物高度利用及びエネルギー統合回収・利用に関わる高度統合技術の開発を、全国5地区にて行っております。

組合員 2005年6月現在25社

旭化成ケミカルズ  出光興産  ヴイテック  大阪ガス  鹿島石油  コスモ石油  
山陽石油化学  ジャパンエナジー  昭和シェル石油  新日本石油  新日本石油精製
住友化学  大陽日酸  帝人ファイバー  東亜石油  東ソー  東燃ゼネラル石油
トクヤマ  徳山オイルクリーンセンター  日本ゼオン  日本ポリウレタン工業
丸善石油化学  三井化学  三井武田ケミカル  三菱化学

 

コンビナート・ルネッサンス事業の展開
1.はじめに
 近年、石油・石油化学産業を取り巻く経営環境は内外競争の激化により厳しい局面下にあり、各企業とも国際競争力強化の観点から生産性の抜本的強化により、強靭な経営基盤を確立することが急務となっている。しかしながら、一社単独での合理化には限界があることから、製油所や企業の枠組みを越えた、複数製油所間や石油化学等の異業種間における高度な一体的運営による競争力強化を図ることとした。このため、石油コンビナート高度統合運営技術研究組合(RING)は、これまでに例のない全く新しい概念での高度統合運営に関わる技術開発を、コンビナート・ルネッサンス事業として経済産業省からの補助金の交付を受けて2000年度から行っている。
2.第1次研究開発事業の実施(石油精製高度統合運営技術開発)
 石油精製や石油化学産業等の18社が参画した組合事業として、2000〜2002年度の3年間にわたり5地区のコンビナートで高度統合運営に関わる未利用資源の高度利用、情報通信技術を活用した製品や原材料の最適融通・最適制御のための生産・操業システム技術等の新たな技術開発を行ってきた。
 その結果、コンビナート高度統合運営に関わる全く新しい取り組みと世界にも類のない先端的な技術開発により、実用化に向けた各種の成果を得た。実証化がすべて完了した時点では、石油精製設備等のエネルギー使用量を10%削減、生産効率を5%以上向上させることができ、更にその成果の各コンビナートでの適用や産業界への波及が見込まれる。

3.第2次研究開発事業の展開(石油精製環境低負荷高度統合技術開発)
 産業競争力強化の面から、コンビナート内の連携の意義や有効性が認識されたことにより、更に高度統合化技術の追求並びにガス産業等異業種連携の拡大を軸に、環境負荷低減対策技術の確立および更なる合理化・高度化を図るためのコンビナート副生成物高度化、コンビナートにおけるエネルギー統合回収・利用等に関わる総合的な高度統合技術の開発を行うことにした。 2003〜2005年度の3年間の計画で、5地区の7つのテーマについて22社が参画し、先進的な研究開発事業を行っている。
4.今後の展望
 コンビナート・ルネッサンス事業の推進は、コンビナートの再生と新たな展開に大きな役割を果たすとともに、空洞化の激しい我が国の産業競争力の強化に大きく貢献していくものである。強靭な石油産業を中心としたコンビナートの国際競争力は国内製造業の競争力の基盤であり、高付加価値生産構造と生産効率向上に向けて、地球環境問題にも対応し、より広範囲な企業や地域での連携拡大による高度なインテグレーションを実現していくことを検討している。

 


2006年05月18日 Chemnet Tokyo

「RING・06年度計画」鹿島・千葉・水島3地域で推進

 
石油コンビナート高度統合運営技術研究組合(RING、理事長=小沢稔新日本石油精製社長)は18日、発足から第3次となる06年度事業計画を発表した。
 
 事業名は「石油精製高度機能融合技術開発事業」(RING・3)で、コンビナート域内の生産性向上を図るため、異業種・異企業間における高効率生産技術や高付加価値原料製造技術などを開発するのが目的。
 
 事業期間は06年ー09年度の4年間。事業対象となるのは鹿島、千葉、水島の3コンビナート地域で、石油精製6社と石油化学メーカー6社の計15社が参加する。総事業費は78億円。
 
 第1次計画(2000−02年度=5地域)がコンビナート内設備の共同運用・操業情報の共有化、生産管理技術の開発などを目的とし、第2次計画(03−05年度=7地域)では主として副生成物の高度利用を目指したのに対して、今回は開発テーマがさらに高度化した。地域ごとの開発テーマと参加企業は以下の通り。

【鹿島地区】「石油・石化原料統合効率生産技術開発」

 
コンデンセートをスプリッターにかけ、C5留分など他の副生成物と一括して脱硫し、芳香族やガソリン、エチレン、プロピレンの原料として効率的に利用する。参加企業は鹿島石油、三菱化学、JSR、鹿島アロマティックスの4社。
 

【千葉地区】「コンビナート副生成物・水素統合精製技術開発」

 コンビナート内で副生する
未利用C4留分を原料として高効率でプロピレンを生産する技術を開発する。また、全域の副生水素を集め、大規模に活用するための高純度回収技術、安定供給システムを開発する。参加企業は出光興産、コスモ石油、極東石油工業、三井化学、住友化学、丸善石油化学、大陽日酸の7社。
 

【水島地区】「コンビナート原料多様化最適供給技術開発」

 原料多様化のため
コンデンセートを精製処理し、エチレンやガソリン、芳香族生産のための原料として安定的に製造・供給する技術を開発する。参加企業は新日本石油精製、ジャパンエナジー、三菱化学、旭化成ケミカルズ、山陽石油化学の5社。