三菱化学　石油化学事業再編

三菱化学は12月8日、事業説明会を行い、以下の説明を行った。
http://www.mitsubishichem-hd.co.jp/ir/pdf/20111208-1.pdf

経営の課題
新中期経営計画「APTSIS 15」　初年度進捗概況
APTSIS　目標
APTSIS　事業トピックス
　

2015年の国内エチレン生産は500万トンまで縮小、その後も更なる縮小を懸念している。対策を前倒しで実施。

水島
　旭化成との一体運営とダウンサイジングによるフレキシビリティの拡大
鹿島
　構造改革と地域連携による競争力強化

ポスト産構法時代前期には三菱油化が手直し増設で鹿島で205千トン、四日市で271千トンの能力をもち、輸出価格の高騰で莫大な利益を上げた。（2年間で500億円といわれた。これを利用して時価発行増資を行い、エチレンを増設したのが、結果として同社の足を引っ張った。）

三菱化学は石化事業の最大の赤字のＰＳ，ＳＭ事業の立て直し対策としてＰＳでは1998年10月にA&Mスチレンを設立して旭化成と事業統合したが、ＳＭについては1999年秋に四日市のベンゼン２系列年２２万トン、ＥＢ同２９万トン、ＳＭ２系列同２７万トン（うち１系列９万トンは休止中）をスクラップ、鹿島では約２０億円を投資してＥＢを１６万トン増強して計４３万トンヘ、ＳＭは手直しで６万トン増の３９万トンに増強した。(2001年1月に四日市のエチレンを休止）

1994年、シンガポール2期計画が発表された。

シェルがPO/SMを新設した。
・社名：Seraya Chemicals Singapore
・出資＆引取比率：シェル 70%/三菱化学　30%
・立地：Seraya島
・能力：ＳＭ　290千トン
　　　　 ＰＯ　129千トン
（住友化学は日本でライオンデルとの合弁・日本オキシランでPO/SM事業を行っており、参加しなかった）

なお、シェルは第二期計画ではＢＡＳＦとＪＶを設立した。
・社名：ELLBA　Eastern
・出資：シェル 50%/BASF 50%
・能力：ＳＭ　550千トン
　　　　 ＰＯ　250千トン

三菱化学はこれを機会にSeraya Chemicalsの出資分をシェルに譲渡（シェル100%）、ＰＯ引取権をシェルに譲渡、２期分を含めたＳＭ３８万トンの引取権を確保している。　

三菱化学は2006年5月１１日、シンガポールの100％子会社である油化セラヤにおいて、シェルからのスチレンモノマー（ＳＭ）引取権を解消する方針を固めたことを明らかにした。原料価格高騰を受けスプレッドが悪化。将来的にも収益改善が見込めないと判断した。

　

三菱化学　事業再編

日本ポリプロ

三菱化学四日市のエチレン停止に伴い、2002年12月末で四日市工場の1系列37千トンを停止した。

鹿島工場で年産300千トンの大型ＰＰ設備を建設、2008年4月に商業運転を開始した。

この半分程度の既存設備を廃棄するとしていたが、スクラップ・アンド・ビルド計画の一環として、2009年3月末に川崎工場で2系列合計年産138千トン設備を休止した。

日本ポリプロは2011年、国内需要の大幅な落ち込みに対応し、コスト競争力を強化するため、5月に鹿島工場の90千トン、6月に五井工場の79千トン、計169千トンを停止した。