2002/11/14 Chemnet Tokyo

冨澤三菱化学社長「新経営方針」発表       発表

 三菱化学の冨澤龍一社長は14日、「革進ーPhase 1」と題する、新たな経営ヵ 年計画を発表した。前半の03-04年度を基盤整備、次の05-07年度を成長、飛躍 の時期と位置づけ、厳しい現状認識の中から課題や取り組みを整理し、5年後の 三菱化学グループのあるべき姿を描いた。  

 冨澤社長はまず、厳しい経営環境に置かれた理由として、事業構造の拡散や 財務体質の弱さなどを挙げ、「選択と集中が不十分だった」と反省、新計画では基盤整備強化のため、初めの2年間は
(1)ポートフォリオの見直し
(2)財務体質 の改善
(3)持続的成長に向けたR&TDへの資源投入、
に力を入れる。次に徹底した コストの削減とグループ総合力の強化を図ると説明した。  
 売上高構成比は、石化部門を今の35%から30%に、機能化学・機能材料は45%か ら40%に、ヘルスケアを20%から30%に引き上げる。営業利益は石化10-20%、機能 品30-35%、ヘルスケア50%となるよう質的転換を図る。  

 財務体質改善では、02-05年度の3年間に1,800億円の有利子負債削減を最優先 課題とする。さらに徹底したキャッシュフローマネジメントによる投資管理を 行うと強調した。02年3月末現在の有利子負債10,500億円は、05年3月末8,700億 円に減少する。  
 設備投資は03、04各年度1,000億円の予定。ポートフォリオを改革し、収益と 成長の見込める重点分野に集中的に投資していく方針だ。  
 石化事業については、今後とも「黒字が確保できる分野」「グローバル展開 可能な事業」に経営資源を投入していく。同社長は中国市場について「一時は 大きな投資をやるには、かなりのリスクがあると見ていたが、最近は、出ないリスクもあると考えるようになった」といい、中国での今後の展開を検討して いく方針を示した。


2002/11/14 三菱化学

経営方針策定に関するお知らせ

 当社は、5年後の姿をイメージしつつ、これからの2年間を成長・飛躍への準備期間として位置付け、当該期間の計画の大枠を示した経営方針「革進−Phase1」を別紙の通り策定しましたので、お知らせします。


2003/5/1 三菱化学

革進- Phase1(基盤整備)計画の概要

 弊社は、昨年11 月、以下内容の経営計画大綱を公表しておりますが、今般、この大綱に基づき、平成15年度及び16 年度2 期の実行計画として「革進- Phase1(基盤整備)計画」を策定しました。

経営計画大綱の概要(平成14 年11 月に公表済み)]

5年後(H19年度末)の姿を想定した上で、前半のH15年度、H16年度の2ケ年を徹底した基盤整備と今後の飛躍・成長への布石の期間と位置付けて、
(1 )事業ポートフォリオの改革 (2 )財務体質の改善 (3 )持続的成長のためのR &TD
(4 )徹底したコスト削減 (5 )グループ総合力の強化 を行う。
これらによる数値目標は以下の通りとする。
  @有利子負債削減 1,800 億円 (最優先課題) (ただしH14 年度を含めた3 ケ年)
    絶対額   10,500 億円 → 8,700 億円
    D/E Ratio   3.1         2.2
           (H14/3 末)   (H17/3 末)
A営業利益 1,000 億円以上 (H16 年度)
BROA(税前利益/総資産) 4 %以上 (H16 年度)

今般、策定し実行に移した「革進- Phase1(基盤整備)計画」は、上記経営計画大綱の(1 )〜(5 )の5 項目を、各セグメントとこれを構成する各社、各部及び各共通部門の実行計画として落とし込んだものであり、これらの実施状況を適宜モニタリングし必要に応じ本実行計画を追加変更することにより、数値目標の実現を図って参ります。

計画の遂行による年度毎の数値目標に関する見通し等は、下記の通りです。この内、H14 年度は実績値、H15 年度は業績予想値です。なお、H16 年度については、現時点での想定値で必要に応じ1 年後に見直す予定です。

1 .有利子負債削減 (億円)

    H14 年度
  (実績)
  H15 年度
  (予想)
  H16 年度
  (想定)
    累 計   (大綱時)

当期利益

 

214

 

240

 

300

 

750

(600)

減価償却

 

1,032

 

1,020

 

970

 

3,020

(3,000)

再編・再構築

 

362

 

450

 

90

 

900

(900)

非資金項目その他

 

189

 

10

 

190

 

390

(600)

(負債削減計)

 

(1,797)

 

(1,720)

 

(1,550)

 

(5,060)

 

運転資金増加

 

△188

 

0

 

0

 

△190

(0)

設備投資・投融資

 

1,091

 

1,110

 

1,030

 

3,230

(3,100)

 

配当

 

0

 

70

 

90

 

160

(200)

 

(負債増加計)

 

(903)

 

(1,180)

 

(1,120)

 

(3,200)

 

負債ネット削減額

 

894

 

540

 

430

 

1,860

(1,800)

有利子負債額   10,516 →   9,622   →  9,080  →   8,650
D/E Ratio        3.1       2.7        2.5        2.2
          (H 14/3 末) (H 15/3 末) (H 16/3 末) (H 17/3 末)

<再編・再構築内訳>

H14 年度:362 億円 ・・・ アドバンストカラーテック社再編(カラーフィルター事業)、三菱化学フォームプラスチッ ク
社再編(発泡樹脂事業)、農薬事業売却、PS 版事業売却等
H15 年度:450 億円 ・・・ 工業用ガス事業再編、アルファ社売却、エーアンドエムスチレン社再編、
ハードディスク事業売却等
H16 年度: 90 億円 ・・・ 三菱化学BCL 社上場等
     
<設備投資・投融資内訳>
(認可ベースでのH15 年度、H16 年度2 期合計額。ただし前表は資金ベース)
            

(2期合計)

  (主要な投資案件)

石化セグメン ト

 

500 億円

 

設備増強(国内外)、複数の中国案件等

機能化学セグメン ト 

400 億円      

 

イメージング事業増設、電池関係事業化、機能性樹脂事業強化、
食品機能材事業強化等

機能材料セグメン ト

250 億円

 

高機能化等

ヘルスケアセグメン ト  

550 億円

 

医薬関係工場・研究所統廃合、診断・検査事業強化等

サービスセグメン ト

 

250 億円

 

ナノテク関係強化、ユーティリティプラント合理化、生産革進活動等

合計

 

約2,000億円
(認可ベース)

 

(参考:H 14 年度の認可額は約800 億円)

2 .営業利益(億円、括弧内は売上高)とROA (税前利益/総資産)

    H14 年度(実績)   H15 年度(予想)   H16 年度(想定)

営業利益合計

 

920 (18,875)

 

920 (19,300)

 

1,050 (20,000)

 石化セグメン ト

 

206 (6,791)

 

180 (7,350)

 

300 (7,500)

 機能化学セグメン ト

 

305 (4,518)

 

250 (4,320)

 

270 (4,500)

 機能材料セグメン ト

 

108 (3,207)

 

140 (3,290)

 

170 (3,500)

 ヘルスケアセグメン ト

 

305 (3,200)

 

380 (2,940)

 

440 (3,000)

 サービスセグメン ト

 

99 (1,159)

 

90 (1,400)

 

90 (1,500)

 コーポレー ト

 

△103      

 

△120      

 

△120     

 (調整)

 

−      

 

−      

 

(△100)    

  ROA  

2.0 %

 

3.1 %

 

4.1 %

※ 生産革進活動の成果として、H16 年度においてH14 年度比230 億円の合理化効果を織り込ん
でいる。

3 .R&TD
 ・H14 年度実績 910 億円   H15 年度 940 億円   H16 年度 980 億円

 ・セグメント別内訳(H14 年度実績)


・コーポレートR &TD の自立化
  目的
   V  研究責務・成果の明確化、研究の重点化・加速化
   V  グループとしてのR &TD 共通基盤強化

  ¨ 社名   株式会社三菱化学科学技術研究センター  
  ¨ 発足   平成15 年7 月1 日(予定)  
  ¨ 本社   東京都千代田区  
  ¨ 社長   今成 真(いまなり・まこと)〔現三菱化学常務執行役員 CTO 〕  
  ¨ 資本金   25 .3 億円  
  ¨ 出資構成   三菱化学90 %、当社グループ主要会社10 %  
  ¨ 従業員数   約750 名(全員三菱化学からの出向)  
 

 


平成16年12月7日 三菱化学

弊社グループ中期経営計画「革進-Phase 2計画」の策定について
http://www.m-kagaku.co.jp/newsreleases/2004/20041207-1.html

 三菱化学株式会社(本社:東京都港区、社長:冨澤龍一)は、2002年秋にむこう5年間の経営計画大綱を策定し、本大綱に基づき2003年4月〜2005年3月の前半2ヵ年についての「革進-Phase 1計画」(以下「Phase 1」と省略)を推進しておりますが、この期間に引き続く2005年4月〜2008年3月の後半3ヵ年についての「革進-Phase 2計画」(以下「Phase 2」と省略)をこの程策定いたしました。
 Phase 1では、再編・再構築を主体としたポートフォリオ改革および財務体質の改善を最優先課題として経営基盤整備を進めて参りましたが、Phase 2においては、将来の弊社グループのより一層の成長・飛躍に向けた施策に軸足を移すこととし、成長させる事業を選別の上積極的・重点的に経営資源を投入していくことを柱とする経営計画を策定いたしました。
 また、グループの目指す方向性を共有して求心力・総合力の強化を図るとともに、社会に対してグループとしての経営姿勢・あり方をより明確にメッセージとして伝えていくことを目的として、Phase 2のスタートに合わせて三菱化学グループ理念を新たに制定いたしました。
 Phase 1の見通し及びPhase 2の概要(詳細は添付資料ご参照)は下記の通りでありますが、弊社といたしましては、Phase 2の着実な実行により、グループ全体として持続的に収益の向上を図っていく所存であります。

1. 「革進-Phase 1計画」の見通し
[計画概要]
  (1) 事業の拡散・脆弱な財務体質・低収益力等の経営諸課題克服に向けて、2003年〜2004年の2年間を徹底した経営基盤整備の期間と位置付け、
・再編・再構築を主体とするポートフォリオ改革
・財務体質改善
・持続的成長に向けたR&TD投資の堅持
・コスト削減の徹底
・グループ総合力の強化
等をテーマに諸施策を推進する。
  (2) 数値目標として、
@有利子負債の削減:1,800億円以上
  (2002年3月末:10,544億円から2005年3月末:8,700億円に削減)
A2005年3月期 営業利益:1,000億円以上
B2005年3月期 ROA(税前利益/総資産):4%以上
 を設定した。
       
  [成果見通し]
  (1) テーマの進捗
    事業の選択・重点化(再編・再構築)では、計画スタート時に約80あったビジネスユニット(BU)のうち約20BUを再編・再構築として抽出し、アライアンス/事業譲渡等により、ほぼ所要の施策を実施完了。
    R&TD面では、開発分野/テーマの重点化、開発の迅速化・効率化に向けた体制整備・分社化(2003年7月にコーポレートR&TDを行う「且O菱化学科学技術研究センター」を設立)等を推進しつつ、R&TDへの資源投入堅持を図った。
(研究開発費2002年度:910億円、2004年度:930億円(見込み))
    コスト削減では、各事業所・工場を中心に「生産革進活動」を展開し、原材料調達・製造・物流・販売等あらゆる面からの徹底した経費縮減、超安定プラント実現等を推進した。
(2002年度予算比230億円削減の目標に対して、約390億円(減価償却含む)の削減が達成できる見込み)
  (2) 数値目標について
    @有利子負債削減
      目標の1,800億円削減は、1年前倒しで2004年3月末に達成。2005年3月末では、7,700億円程度まで削減できる見込み。
    A営業利益
  2005年3月期 1,280億円の見込み
BROA(税前利益/総資産)
  2005年3月期 4.5%の見込み
       
2. 「革進-Phase 2計画」の概要
  (1) 期間: 2005年4月〜2008年3月の3ヵ年
       
  (2) 本3ヵ年の位置付け:三菱化学グループとして中長期の成長・飛躍のための事業戦略実行に積極的に取り組む期間。
       
  (3) 基本コンセプト:
    @ 成長とは、変化することによってより企業価値を高めることと位置付け、新商品化、新市場への展開を促進する。
    A 石油化学・機能商品・ヘルスケアの3分野を柱にして、それぞれにおいて事業の選択と集中を一層加速させて成長を実現する。
      i)  石化分野:成長を続けるアジア市場に対応して積極展開する。
      ii) 機能商品分野:新商品化を加速し、グループの新陳代謝を牽引する。
      iii) ヘルスケア分野:国内の医療環境変化に対応し、医薬事業の国際展開と新たな医療事業展開を図る。
       
  (4) 主要テーマ
    @ 成長戦略の遂行
自動車、情報電子/IT、環境/エネルギー、生活関連、ヘルスケアの重点市場領域において、
      i)
ii)

iii)
iv)
成長対象事業の選別、重点的資源投入
新商品化・新プロセス化・新ビジネスモデル化の推進
(機能商品分野における新商品化率 35%目標)
将来テーマの重点化、事業との連携強化によるR&TD推進
減価償却の枠に拘らない積極的・重点的な設備投資
(「革進-Phase 1計画」比 年当り20%増)
    A 経営基盤の強化
      i)

ii)
iii)
iv)
財務体質の改善
(成長戦略とのバランスを考慮しつつ必要な投資・施策を推進)
国内生産拠点の戦略的再編
生産革進の進化
人材の確保・育成の強化
    B グループ総合力の強化
グループワイドでの事業戦略・展開の強化、透明性・公平性向上等を基軸とし、純粋持株会社制への移行も視野に入れてグループ経営の深化を図る。
    C CSR(企業の社会的責任)の強化
現在三菱化学の各部門及びグループ各社において個々に推進しているが、グループとしてのCSRコンセプト・重点テーマ・推進体制等をPhase 2スタートまでに整理し、2005年4月からグループあげて総合的・積極的に取り組む。
       
  (5) 数値目標
2007年度(2008年3月期)収益目標
    営業利益:1,400億円以上
    ROA(税前利益/総資産):5.5%以上
    D/Eレシオ:1.5以下
       
    *売上高 2兆3千5百億円
       

 本説明会および本資料における見通しは、現時点で入手可能な情報により当社が判断したものです。実際の業績は様々なリスク要因や不確実な要素により、上記業績予想と大きく異なる可能性があります。当社グループは石化製品、炭素・無機製品、情報電子関連製品、医薬品、樹脂加工品等、非常に多岐に亘る事業を行っており、その業績は国内外の需要、為替、ナフサ・原油等の原燃料価格や調達数量、製品市況の動向、技術革新のスピード、薬価改定、製造物責任、訴訟、法規制等によって影響を受ける可能性があります。但し、業績に影響を及ぼす要素はこれらに限定されるものではありません。

3. グループ理念について

kagakuが未来をひらきます
Good"Chemistry"for Tomorrow

*ロゴマークの"kagaku"には、「化学」、「科学」、の意味を込めており、また、"g"を大きくしてグループの総合力を強調している。

  4つのKagakuマインド(宣言)

(1) 常に技術をみがき、お客様から信頼されるパートナーとなります。
(2) 自らを革進し続け、魅力ある価値を提供して世界の発展に貢献します。
(3) 地球環境との共生、安心・安全を基本とし、社会的責任を果たします。
(4) 透明で公正な文化のもと、互いを尊重し、いきいきと私たちの夢を実現していきます。