2002/07/29 ディーエムイー開発                                                            
100t/d  DME直接合成パイロットプラントプロジェクトを開始
   −直接合成技術によるクリーンエネルギー
      DMEの大量・安価な製造技術本格開発に着手−


 
有限会社ディーエムイー開発は、ジメチルエーテル(DME)の直接合成技術の本格開発を国の補助事業として開始することになりました。
 本事業は、天然ガス等から製造する合成ガス(一酸化炭素、水素の混合ガス)から、100t/dのDMEを直接合成するパイロットプラントの運転研究をおこなうとともに、その成果を元に2,500t/d規模の商用プラントを想定したDME製造のフィージビリティスタディ(F/S)を実施し、DME直接合成技術の確立を図るものです。平成14、15年にかけパイロットプラントの設計・製作・建設と試運転をおこない、平成16年から平成18年に運転研究を実施する予定としております。パイロットプラントの運転は最長3ヶ月程度の連続運転を計5回実施し、開発技術の実証、商用プラント設計データの取得を行うことを考えております。
 プラントの設置場所は、NKKなどが中心となって5t/d DME直接合成大型ベンチプラントの運転研究が実施された、北海道釧路地区を予定しています。

 有限会社ディーエムイー開発は、
NKK、日本酸素株式会社、豊田通商株式会社、株式会社日立製作所、丸紅株式会社、出光興産株式会社、国際石油開発株式会社、トタルフィナエルフ、及びエルエヌジージャパン株式会社の9社が共同出資し、DME直接合成技術の商用化を目指して、技術開発を推進する事を目的として昨年12月に設立された研究法人です。

 DMEは、多様な炭化水素系原料からの製造が可能であるとともに、燃焼時に硫黄酸化物やばいじんが全く発生しないなどの環境負荷の低いクリーンエネルギーです。また、毒性が低く、ハンドリング性にも優れていることから、民生用燃料(LPG代替燃料)、輸送用燃料(ディーゼル自動車燃料・燃料電池自動車燃料)、発電用燃料(火力プラント・燃料電池燃料)および水素エネルギー源として幅広い利用が見込まれています。この直接合成法によるDME製造は、アジア地域に大量に埋蔵する未利用の低品位炭や、中小ガス田等を有効活用することを可能とし、資源面での制約が少ない新エネルギーとして、地球規模での環境負荷低減及びエネルギーセキュリテイー確保に寄与するものといえます。

 人口が多く、経済成長の著しいアジア地域においては、潜在的には、大きなDMEマーケットが予測されており、次世代新エネルギーとして実用化が期待されています。このような市場のニーズに応えて、今後、本事業によるDME直接合成製造技術の開発を強力に推し進め、DMEの早期実用化を目指します。


2002年2月5日

有限会社ディーエムイー開発の設立について
−直接合成技術によるクリーンエネルギーDMEの大量・安価な製造技術開発の推進−

 NKK、日本酸素株式会社、豊田通商株式会社、株式会社日立製作所、丸紅株式会社、出光興産株式会社、国際石油開発株式会社、トタルフィナエルフ、及びエルエヌジージャパン株式会社の9社は、このたび、DME直接合成技術の商用化を目指して、技術開発を推進する研究法人「有限会社ディーエムイー開発」を共同で設立いたしました。

 アジア地域を中心とした人口の急増と経済成長に伴うエネルギー需要の増加を背景に、21世紀にはエネルギー不足と環境問題が深刻化するとみられ、今後エネルギー安定供給、地球環境負荷低減が大きな課題となってきます。

 ジメチルエーテル(DME)は、多様な炭化水素系原料からの製造が可能であるとともに、燃焼時に硫黄酸化物やばいじんが全く発生しないなどの環境負荷の低いクリーンエネルギーです。また、毒性が低く、ハンドリング性にも優れていることから、民生用燃料(LPG代替燃料)、輸送用燃料(ディーゼル自動車燃料・燃料電池自動車燃料)、発電用燃料(火力プラント・燃料電池燃料)および水素エネルギー源として幅広い利用が見込まれています。この直接合成法によるDME製造は、アジア地域に大量に埋蔵する未利用の低品位炭や、中小ガス田等を有効活用することを可能とし、資源面での制約が少ない新エネルギーとして、地球規模での環境負荷低減及びエネルギーセキュリテイー確保に寄与するものといえます。

 今まで、NKKを中心としたグループは、経済産業省資源エネルギー庁からの支援のもと、DMEを大量かつ安価に製造する直接合成技術の確立を目指して、技術開発を進めてまいりました。1997年から2000年にかけての4年間では、(財)石炭利用総合センターと共同で
5t/d規模の大型ベンチプラントにより炭層メタン等を原料として、DMEの製造に成功しており、また、2001年度は、次の実証規模試験を目指した100t/d規模パイロットプラントの概念設計をNEDOから受託して検討を進めております。本研究法人は、DME直接合成技術の早期実用化に向け、今後、実証試験の実施と、さらなる効率化を目指した技術開発を推進します。

 潜在的なDMEのマーケットは、アジア地域だけでもLPG代替、発電燃料等として2010年で年間約1億トンの規模になるとの試算*)もあり、次世代新エネルギーとして実用化が期待されています。このような市場のニーズに応えて、本研究法人の設立に合意した各社を主体として、すでに、昨年10月に「ディーエムイーインターナショナル梶vを設立し、マーケティング活動を主体とした、直接合成法によるDME製造の事業化検討に着手しております。

 今後、事業化検討活動の推進と並行して、DME直接合成製造技術の開発を強力に推し進め、DMEの早期実用化を目指します。

*)2000年度NKK調べ

■新会社概要
1. 商号 : 有限会社ディーエムイー開発
       (英文名:DME Development Co.,Ltd.)

2. 所在地 : 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号(NKK本社内)

3. 資本金 : 330万円

4. 出資比率 :

NKK   62.12%
日本酸素株式会社   10.61%
豊田通商株式会社    6.06%
株式会社日立製作所    6.06%
丸紅株式会社    3.03%
出光興産株式会社    3.03%
国際石油開発株式会社    3.03%
トタルフィナエルフ    3.03%
エルエヌジージャパン株式会社    3.03%


5. 代表取締役 : 大野 陽太郎 NKK環境ソリューションセンター 主席

 


日刊工業新聞 2003/11/4

ディーエムイー開発、DME製造で実証プラント−釧路に完成

 JFEホールディングスが核となって設立している
ディーエムイー開発は、釧路市に日産100トンのDME(ジメチルエーテル)製造の実証プラントを19日に完成、04年初めから本格運転に入る。インドネシア、カタールで計画している実用化に向けた企業化調査(FS)も11月中に終了するが、実証プラントの運転データとユーザーの開拓も含め、最初の実用プラントを立地する決断は早くて04年中となる。

 DMEは天然ガス、石炭、バイオマスなどから得られ、硫黄酸化物の発生がゼロ。窒素酸化物やCO2の発生も極めて少ない。日本企業は2段法で三菱ガス化学連合が豪州で事業化を目指し調査継続中で、JFE連合は釧路で直接法での実証プラントを立ち上げた。すでにJFEは98年にDME車を実証、03年春からは東日本製鉄所でDMEバスも走行を始めている。


平成17年11月21日 東京電力/三菱化学/JFEホールディングス

ジメチルエーテル(DME)の利用技術に関する共同研究の実施について
http://www.tepco.co.jp/cc/press/05112101-j.html

 東京電力株式会社(本社:東京都千代田区 取締役社長:かつまた勝俣 つねひさ恒久)、三菱化学株式会社(本社:東京都港区 代表取締役社長:とみざわ冨澤 りゅういち龍一)、JFEホールディングス株式会社(本社:東京都千代田区 代表取締役社長(CEO):すど數土 ふみお文夫)の3社は、クリーンな次世代の新燃料として大きな期待が寄せられているジメチルエーテル(以下、DME)の利用技術について、共同研究を行うことに合意し、このたび、現地工事を開始いたしました。
 本研究は、平成18年2月より燃焼試験を開始し、平成19年3月末まで実施する予定です。

 DMEは、オゾン層破壊の懸念がないことからフロンの代替としてスプレー噴射剤等に利用されておりますが、天然ガスや石炭のほかバイオマス燃料など様々な原料から製造できることに加え、燃焼過程で黒煙や硫黄酸化物が発生しないなど、エネルギーセキュリティおよび環境の観点から、燃料としても注目されております。
 こうした中、3社は、三菱化学筑波事業所(茨城県牛久市)内に、DMEの貯蔵タンクや気化器等の設備を設置するとともに、同事業所内の既設の産業用ガスタービン発電設備とボイラ設備をDME焚き仕様に改造して、燃焼試験を実施し、運転性能、排ガス特性といった技術評価のほか、経済性についての評価を行います。
 また、本研究では、燃料ユーザーの視点に立ち、DMEを実際に使用するケースと同じ環境で試験を実施することにより、信頼性、安全性、運用・保守性など実用面での課題についても抽出いたします。

 本研究の実施にあたり、東京電力は、お客さま向けのエネルギーソリューションメニュー候補の一つとして総合的評価を行うことを目的として、研究計画の策定とガスタービン発電設備の燃料転換・性能評価試験研究を担当いたします。
 三菱化学は、試験場所の提供を行うとともに、ユーティリティー設備の運転技術を活かし、ボイラ設備の燃料転換・性能評価試験研究を担当いたします。
 JFEホールディングスは、従来よりDMEの製造技術開発(DME直接合成法)と利用技術開発を推進しており、本研究では、燃料の性状および輸送に関する研究を担当いたします。
 

【参考-1】

ジメチルエーテル(DME)の利用技術に関する共同研究の概要
1.研究期間 平成18年2月(燃焼試験開始)〜平成19年3月
2.研究場所 三菱化学株式会社筑波事業所
          所在地:茨城県牛久市東猯穴町1000
3.研究内容
 (1)産業用ガスタービン発電設備燃焼試験
 (2)小型貫流ボイラ設備燃焼試験
 (3)燃料の性状および輸送に関する実証研究

4.設備仕様
 ○貯蔵タンク
   形  式:横置円筒型 42トン
   設計圧力:1.77MPa
   設計温度:40℃
   ※高圧ガス保安法特定設備
 ○気化器
   型  式:蒸気多管式竪型
   気化能力:3.2トン/h
   使用圧力:1.7MPa
   ※高圧ガス保安法特定設備
 ○産業用ガスタービン発電設備
   型     式:排熱回収ボイラ付ガスタービン発電機
   最 大 出 力:4MW
   最大蒸気発生量:10t/h
 ○小型貫流ボイラ設備
   型    式:多管式貫流ボイラ
   最高使用圧力:1.96MPa
   定格蒸気発生量 :1.67t/h

【参考-2】

 
【参考-3】

ジメチルエーテルについて

1.特長


  注:セタン価:自己着火のしやすさを示すもので、ディーゼルエンジンの燃焼性指標に用いられる。

   <化学構造>

2.マルチソース/マルチユースなDME燃料