日本経済新聞 2002/10/21

燃料タンク用樹脂 化学各社が増産 自動車軽量化に対応

 日本ポリオレフィンは現在、大分工場(大分市)で耐衝撃性などに優れるタンク用ポリエチレンを年約8千トンを生産しているが、2005−07年をめどに3万ー5万トンに増やす。

 クラレは来年夏をめどにガス遮断性樹脂「EVOH」を生産するベルギー・アントワープ工場に百億円を投資して年産能力を2万4千トンに倍増する。

 同樹脂では日本合成化学工業も百億円強を投じて英国に工場を建設中。


2003/2/05 クラレ                     増強工事完了

欧州における「エバール」生産設備の現地工事着手について

 当社はEVOH樹脂(当社商標:「エバール」)の世界的な需要拡大に対応するため、このたび
エバールヨーロッパ社(ベルギー)において年産12,000トンの生産設備増設(2004年第3四半期完工予定)の現地工事に着手しましたのでお知らせ致します。

 「エバール」は1972年、当社が世界で初めて工業化した機能性樹脂で、合成樹脂の中では卓越した気体遮断性を持っています。その特性を生かし、食品包装材分野をはじめ、自動車ガソリンタンクなど非食品分野でも用途開発が進み、日・米・欧を中心に年率10%以上の市場拡大を続けています。
 現在、当社は岡山事業所(岡山市)、エバルカ社(米テキサス州)、エバールヨーロッパ社(ベルギー)の3拠点で合計45,000トンの生産設備を有しますが、これを上回る需要の伸びが見込まれることから、今般現地工事に着手するものです。

 このたびの増設プラントは、多銘柄化に対応するとともに、環境に配慮した新プロセスを採用します。これにより大気中への有機揮発分の排出を大幅に削減するほか、排水BOD値の低減など環境負荷の抑制を実現します。


【エバールヨーロッパ社での設備投資の概要】

  場   所 ベルギーフランダース州アントワープ
  生産能力 現 状   年産  12,000トン    
      今回着工   年産+12,000トン   着工:03年2月
        年産  24,000トン   完工:04年第3四半期予定
  設備投資額 約85億円        

【参考資料】

1.EVOH樹脂の需要量(当社推定)  単位:万トン

  2002年度 2007年度
北米・中南米   3.1   5.0
欧州   2.0   3.5
日本・アジア他   1.3   2.5
合計   6.4  11.0
     
2.「エバール」の主な用途とその比率
  マヨネーズ・ケチャップなどの食品包装材   70%
  ガソリンタンクなど、非食品包装材   30%
       
3.「エバール」の地域別生産能力
  クラレ岡山事業所(岡山市)   10,000t  
  エバルカ社(米テキサス州)   23,000t  
  エバールヨーロッパ社(ベルギー)   12,000t  計45,000t
   
4.エバールヨーロッパ社の概要
(1)正式名称 :EVALE UROPE N.V.
(2)本社 :ベルギーフランダース州アントワープ
(3)生産能力 :年産12,000トン
(4)社長 :秦順之
(5)資本金 :2,975万ユーロ
   
5.エバルカ社の概要
(1)正式名称 :EVAL COMPANY OF AMERICA
(2)本社 :米国テキサス州ヒューストン
(3)生産能力 :年産23,000トン
(4)社長 :NobuyaTomita
(5)資本金 :415万US$

 


2004年10月20日 クラレ

欧州における「エバール」生産設備の増強工事完了について

 当社は
エバールヨーロッパ社(EVAL EUROPE N.V.:ベルギー)にて進めていました、EVOH樹脂(当社商標:「エバール」)の生産設備の増強工事(+年産12,000トン)が完了しましたのでお知らせいたします。(増強後生産能力:年産24,000トン)
 「エバール」は当社が1972 年に世界で初めて開発・事業化した高機能性樹脂で、プラスチックとしては最高レベルのガスバリア性(汎用ポリエチレンの約10,000倍)を有します。優れた気体遮断性を生かし、食品の保存性に優れた包装材料や、軽量化や成形加工を容易にしながら燃料ガスの排出規制に対応できるため、自動車ガソリンタンクへの採用が急速に広がっています。さらに、床暖房用パイプなど住宅・生活関連分野なども伸長しています。
 現在「エバール」の需要は日本・米国・欧州を中心に年率10%以上の拡大を続けていますが、このたびの増設により欧州のみならず、生活スタイルの変化により今後需要の拡大が見込める中近東、南アフリカなどの市場にも拡大を図る予定です。
 また、今回の増設にあわせて、より環境に配慮した生産プロセスを採用しました。
当社は現在、エバールヨーロッパ社のほかに岡山事業所(岡山県:年産10,000トン)、エバールアメリカ社(EVAL COMPANY OF AMERICA:アメリカ:年産23,000トン)の生産設備を有していますが、このたびのエバールヨーロッパ社の増設により、日・米・欧の3極で年産合計57,000トンの生産体制になります。
 また、当社は今回のエバールヨーロッパ社の増設に続き、現在進行中のエバールアメリカ社の増設(+24,000トン)により、2006年度には年産合計81,000トンの生産能力に拡大します。

「エバール」生産能力  *2004年10月時点(千トン/年)

  *現状 増設計画 完工予定 増設後
エバールヨーロッパ社   24       24
岡山   10       10
エバ−ルアメリカ社   23  +24 2006年3月   47 
合計   57  +24     81

 「エバール」事業は、現在進行している当社の中期経営計画“G-21”の中で、世界の中で独自性・競争力を発揮する“基幹事業”の1つと位置付け、拡大を図っています。
 今後とも当社は、独創性の高い技術で新製品の開発に努め、バリア関連事業領域でのグローバルリーダーの地位を確固たるものにしていきます。

参考資料
1. EVOH樹脂の需要量(当社推定)
  

2.「エバール」の主な特長
 ・高い気体(酸素)遮断性(通常のポリエチレンの約10,000倍)
 ・優れた耐有機溶剤性
 ・塩素などを含まないため、ダイオキシンなどの有毒物が発生する恐れがない

3.「エバール」の主な用途とその比率
  食品包装材  70%
    (マヨネーズ・ケチャップ・茶葉・ジュース・フルーツ・生肉・加工肉など)
  非食品包装材  30%
    (ガソリンタンク・床暖房用パイプ・冷蔵庫の真空断熱板など)

4.エバールヨーロッパ社の概要
 @ 正式名称:EVAL EUROPE N.V.
 A 本社:ベルギーフランダース州アントワープ
 B 生産能力:年産24,000トン
 C 社長:秦順之
 D 資本金:2,970万EURO


2001/6/14 クラレ発表         上記により実施時期変更                                     
<エバール>事業の海外での増設について

当社は、世界的に続いているEVOH樹脂(当社商標:<エバール>)の需要拡大に対応するため、
エバールヨーロッパ社(ベルギー)年産12,000トンの設備増設後生産能力:年産24,000トン・2003年第3四半期完工予定・投資額:85億円)を増設します。

<エバール>は当社が世界で初めて開発した機能性樹脂で、その優れた気体遮断性を生かし、1972年の生産開始以来、食品包装材分野を中心に事業を拡大させてきました。また近年では自動車のガソリンタンクなど、非食品分野へも用途を拡大させており、当樹脂の需要は日米欧を中心に年率10%以上の拡大を続けています。現在、当社は岡山事業所(岡山県
岡山市・生産能力:年産10,000トン)、エバルカ社(米国・生産能力:年産23,000トン)、及びエバールヨーロッパ社(ベルギー・生産能力:年産12,000トン)と日米欧で合計45,000トンの生産設備を有していますが、このままでは拡大を続ける需要に対応できないため、このたびの増設を決定しました。

<エバール>事業は、本年4月より始まった中期経営計画“G-21”の中で、当社が世界の中で独自性を発揮し、拡大を図る“基幹事業”のひとつとして位置付けられています。また<エバール>は“戦略領域”として注力していく分野の中の“エコフレンドリー領域”における中核製品であり、当社が目指す“独自技術によるエコフレンドリー企業”というコンセプトを具現化する事業と言えることから、このたびの増設では環境により配慮するため、生産プロセスの改良も加えています。

また当社は近い将来、エバルカ社(米国)で増設(年産12,000〜24,000トン)することも視野に入れています。今後、欧米それぞれで<エバール>事業の拡大を図り、当社の発展につなげていきます。

エバールヨーロッパ社での設備投資の概要

1. 場所   ベルギー フランダース州 アントワープ
2. 生産能力   現   状 年産  12,000トン  
今回決定分 年産 +12,000トン (02年1月着工・03年第3四半期完工予定)
年産  24,000トン  
3. 設備投資額   85億円

(参考資料)
1.EVOH樹脂の需要量(当社推定) 単位:万トン

  /

2000年度

2005年度

北米・中南米

2.7

4.5

欧州

1.5

3.0

日本・アジア他

1.3

2.0

合計

5.5

9.5

2.<エバール>の主な特長

・高い気体(酸素)遮断性(通常のポリエチレンの約7,000倍)
・優れた耐有機溶剤性
・塩素などを含まないため、ダイオキシンなどの有毒物が発生する恐れがない

3.<エバール>の主な用途とその比率

マヨネーズ・ケチャップなどの食品包装材  75%
ガソリンタンクなど、非食品包装材  25%

4.エバールヨーロッパ社の概要

1.正式名称  EVAL EUROPE N.V. クラレ100%
2.本  社   ベルギー フランダース州 アントワープ
3.生産能力  年産12,000トン
4.社  長   秦 順之
5.資本金    12億BEF

5.エバルカ社の概要

1.正式名称  EVAL COMPANY OF AMERICA  クラレ100%
2.本  社   米国 イリノイ州 ライル
3.生産能力  年産23,000トン
4.社  長   Thomas.W.McHugh
5.資本金    415万US$


1997/7/24 クラレ

「エバール」樹脂の新工場の建設について

 当社は、EVOH樹脂(=エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂、当社商標「エバール」)世界戦略の一環として、
ベルギー・アントワープに年産10,000トン規模の新工場を建設し、1999年秋に稼働させることを決定しました。
 「エバール」樹脂はプラスチックの中で最も高いガスバリア性(酸素等の気体遮断性)を有し、加工性にも優れていることから、食品包装の素材を主体に全世界で需要が着実に伸びてきました。特に近年、環境問題への関心の高まりによる食品包装容器の省材料化に応える素材として、また燃焼処理時に有毒ガスを発生しない、環境に優しい素材として先進国を中心に需要が急増しています。
 他方、自動車分野においても、燃費の向上、スペースの有効利用のニーズから、ガソリンタンクのプラスチック化が欧米を中心に進み、大気汚染規制強化の面からガソリン揮発分の蒸発・発散を抑えるバリア材が求められる中で、「エバール」樹脂がプラスチックタンクに最適な素材として、米国自動車メーカー・ビッグスリーに採用され、急速な拡大が期待されています。このように、食品包装用途のみならず新規用途においても開発が着実に進んでおり、需要は今後3年間に世界で約30%伸びるものと予測しています。
 今回のベルギー・アントワープでの新工場の建設は、こうした急速な需要増の中でも最も伸長の著しい欧州需要に対応するものです。当社は既にドイツに販売会社並びに技術開発センターを1995年に設立しており、新工場の完成によって、日米同様、欧州においても生産・開発・販売の三位一体となった事業体制を整備することができ、当社の市場対応力がより一層強化されます。この結果、ユーザーとの共同開発の促進等、市場に密着した迅速な対応が可能となり、高成長が見込まれる欧州市場の需要拡大を加速化できると同時に、東欧、ロシアにおいても市場ニーズに的確かつタイムリーに対応できるものと考えています。
 EVOH樹脂の世界のトップメーカーである当社は、今後、日本・米国・欧州の三極を有機的に結んだグローバルな事業運営を通じて、「エバール」樹脂事業の一層の拡大を図る所存です。

<新工場建設の概要>

1.建設場所 :ベルギー・アントワープ
2.生産能力 :10,000トン/年
 
<ご参考>現有設備能力
当社岡山工場(岡山市) 
米国エバルカ社      
      計         
10,000トン/年            
21,000トン/年
31,000トン/年
*エバルカ社は当社100%出資子会社
  本社はイリノイ州ライル、工場はテキサス州パサデナ。
   
3.設備投資額 :約 8,500万ドル
4.稼働時期 :1999年秋
5.新工場の運営方式 :製造・販売・開発機能をフル装備した現地法人(当社出資100%)として
 運営する予定です。

2002年7月 クラレ

米国での研究開発拠点の設置について
(リサーチ&テクニカルセンター建設)
    
http://www.kuraray.co.jp/press/2002/0710/press.html

 当社は、拡大を続ける米国における各事業、及び全社的な研究開発機能の強化を図るため、EVOH樹脂<エバール>・熱可塑性エラストマー<セプトン>の開発及び、全社的な研究開発の拠点としてリサーチ&テクニカルセンターを設置することを決定しました。

 将来はポバールやオプトスクリーンなど、米国で展開する当社の他事業の研究開発機能も加え、米国における当社研究開発の一大拠点として拡充していく予定です。

 当社は<適地生産・適地販売>を海外進出時の基本にしていますが、研究開発についても同様に、“現地のテーマは現地が中心”に、さらには“現地の開発は現地の人で”を基本として進めています。その方針の下、米国では1993年にエバルカ社にテクニカルセンターを設立し、日本と分業・連携を図りながら研究開発を行っていました。その中で、自動車用プラスチック製ガソリンタンクに用いる<エバール>の開発を進め、米国での事業拡大に繋げるとともに、当分野の開発では、日欧を牽引する役割を果たし、<エバール>の主要用途として育成しています。

 また、建設工事を進めていた
熱可塑性エラストマー<セプトン>の米国工場(エバルカ社近隣に立地)が本年8月に稼働します。当事業にとって米国向けは1/3を占めており、現地における新規用途開発・新製品開発がこれまで以上に重要になっています。

 一方全社的な研究開発においても、米国における情報収集や市場調査・評価などの面で、研究開発を加速化させるためには現地に拠点を持つことの意義が高まっています。さらに本年4月から導入したカンパニー制により、各事業の研究開発が各カンパニーの管理下で行われることから、現地での研究開発支援と横串機能の強化が必要になっています。

 これらの点から、<エバール><セプトン>の製品開発機能に、コーポレートの研究開発機能を新たに加え、米国で3つの機能を有するリサーチ&テクニカルセンターを設置することにしました。

1.リサーチ&テクニカルセンターの概要

1. 場  所   テキサス州 パサディナ(エバルカ社 敷地内)
2. 建  物   新設2階建て 延べ床面積:約2,200m2
(全体では既設1,200m2と合わせ3,400m2となる)
3. 竣工時期   03年秋
4. 投資額   850万US$(約10億円)
5. 人員数   03年  23人(内、日本人駐在4人)
05年 約30人(内、日本人駐在4人)
(運営上、各組織は
  <エバール>:エバルカ社、
  <セプトン>:セプカ社、
  コーポレート:クラレアメリカ社に所属)

2.目的

   米国におけるコーポレート研究開発の拠点構築、情報活動・市場開発活動の拡充と日本および他地域における研究開発活動とのシナジー強化
   <エバール><セプトン>の研究開発に対するコーポレート支援と横串機能の強化
   拠点を集約することによるインフラ等のロスの排除、及び執務スペースを共有することによる情報の共有化、シナジーの追求
   
3.役割
   米国における<エバール><セプトン>の新規用途開発、及びそれに向けた新製品開発。米国顧客向けの技術サービス。
 米国における<エバール><セプトン>以外の新規市場開発、情報収集など

(ご参考)

クラレアメリカ(KURARAY AMERICA, INC.)

社長 : 牧 博三
本社所在地 : ニューヨーク
資本金 : 8,702千US$
社員数 : 27人
事業内容 : オプトスクリーン・歯科材料など、<エバール><セプトン>以外のクラレ製品の販売
   
エバルカ(EVAL COMPANY OF AMERICA)
   
社長 : Nobuya Tomita
本社所在地 : テキサス州 パサディナ
資本金 : 4,150千US$
社員数 : 95人
事業内容 : EVOH樹脂<エバール>の製造販売
   
セプカ(SEPTON COMPANY OF AMERICA)
   
社長 : 水野 雅夫
本社所在地 : テキサス州 パサディナ
資本金 : 35,000千US$
社員数 : 46人
事業内容 : 熱可塑性エラストマー<セプトン>の製造販売

1999/1/29 クラレ

新規水溶性樹脂”RSポリマー”の事業展開について

 当社は独自の合成技術を駆使して
新規水溶性樹脂“RSポリマー”を開発し、既に中条工場(新潟県中条町)においてパイロット設備が稼働中ですが、本生産設備を岡山工場に建設し、2000年1月から生産を開始します。

1.ポバール、「エバール」とは
   ポバール(ポリビニルアルコール樹脂)は、当社が世界で初めて工業化した水溶性合成樹脂です。水溶性、接着性、乳化性などの特性を持ち、繊維用糊剤、紙加工剤、接着剤などに幅広い用途を持ちます。当社はポバールで世界の約30%のシェアを持つトップメーカーです。
 また
「エバール」(EVOH樹脂)も当社が世界で初めて工業化した機能性樹脂です。酸素・炭酸ガス等の気体遮断性(ガスバリヤー性)が非常に優れており、この特性を生かした食品包材用途、非食品用途に使用されています。当社はEVOH樹脂市場において世界の約70%のシェアを占めています。
   
2.”RSポリマー”とは
   ポバールとEVOH樹脂の特性を兼ね備えた水溶性樹脂で、次の1〜4のような特性を有しており、広範囲な用途展開が可能な新規樹脂です
   
  1. 耐水性・ガスバリヤー(気体遮断)性
    “RSポリマー”は水に溶けますが、一旦乾いて固まると耐水性、バリヤー性を持ちます。例えば“RSポリマー”を使用したエマルジョン(例 木工用接着剤)で接着した製品は、温水につけても剥がれないレベルに耐水性が向上します。また“RSポリマー”の水溶液を紙やフイルムなどに塗布すると、耐水性に加えオイル、有機溶剤、各種ガスなどのバリヤー性能を与え、改質、性能アップに大きく寄与します。
   
  2.低温における水溶液の粘度安定性
    水に溶かして使用する場合、水溶液の経時的粘度変化(ゲル化問題)から開放されるなど、使用時の作業性が向上します。
   
  3.溶融成形性
    溶融性と水溶性を併せ持つことから、水溶性を必要とする成形物用途(例フイルム、シート、インジェクション容器など)への展開が可能となります。
   
  4.生分解性
    生分解性が良好なことから排水規制の強化、負荷増大に対し容易に対処可能で、特に繊維糊剤などの用途において効果を発揮します。

3.“RSポリマー”の事業計画
 (1) 現有のパイロット設備

立地      :中条工場(新潟県中条町)
生産能力   :年産 800トン
生産開始時期:1996年2月

 (2) 本生産プラント

立地      :岡山工場(岡山市海岸通1−2−1、工場長:取締役 中野達也)
生産能力   :
年産 10,000トン
建設開始時期:1998年11月
稼働開始時期:2000年1月
設備投資額  :約10億円

 (3) 販売構想

現時点では国内販売が先行していますが、本設備の稼働開始次第、大きな潜在需要が見込める輸出市場での拡大を図るべく、海外へのサンプルワークを推進しています。

販売目標 2000年度 10億円
       2002年度 30億円
       2005年度 50億円


2001/9/13 日本合成化学

英国におけるソアノールプラントの建設決定について        体制強化
(当社子会社の新たな事業の開始に関するお知らせ)

 当社は、平成13 年9 月13 日開催の取締役会において、当社の英国子会社(NIPPON GOHSEI UK Ltd.)の新たな事業の開始について決議いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。

1.事業開始の趣旨
   当社はNIPPON GOHSEI UK 社において生産能力 15,000 d/年のソアノール(エチレンビニルアルコール共重合樹脂:EVOH )プラントを英国ヨークシャーハンバー地域(Hull )のBPケミカル社(BP )工場敷地内に建設することを決議いたしました。これにより年率15%の伸びが予想される欧州域内での旺盛な需要に対応し、併せて現在の欧州における販売・R&D 体制を強化いたします。
 本 プラントはEVOH の原料である
酢酸ビニルモノマー(VAM )を隣接するBP の新VAMプラントから調達することや、各種用役等のサービスもBP から提供される等の優位性があり、さらに日米で培った技術に加え、新技術を投入することにより、建設費の削減と品質の向上を見込んでおります。
2 .NIPPON GOHSEI UK の概要
(1)商 号   NIPPON GOHSEI UK Ltd..
(2)代表者   取締役社長 平井良明(当社常務取締役)
(3)所在地   35 Vine Street London EC3N 2AA
(4)設立年月日   平成13 年3 月16 日
(5)資本の額   稼働開始時 38,000,000 ポンド(約65 億円)
(6)株主構成および所有割合   日本合成化学工業株式会社 100%所有

3 .新たな事業の内容 ソアノールの製造、販売、開発。

  製造設備の概要
  (1)建設場所   英国ヨークシャーハンバー地域(Hull)のBP の工場敷地内
  (2)生産能力    15 、000 d/年
  (3)設備投資額   約US$95million (約115 億円)
       
4 .新たな事業の開始時期(予定)
    建設開始   平成13年12月
    稼働開始   平成15 年秋
       
5 .今後の見通し
   EVOH は従来、高度な酸素バリヤー性と環境への配慮から、塩素系樹脂やアルミニウムに代わる食品包装材料として需要を伸ばして参りました。欧州統合が進展すると共に東欧圏などの新しい市場も広がり、既存の顧客もこれに併せて設備増強を行いつつあります。さらに近年、ガソリンに対するバリア性から自動車用樹脂製タンク用途も大きく需要を伸ばしております。
 以上のように、欧州市場での需要は高い伸びが期待され、本プラントは営業運転開始後3 年強でフル操業を予定しており、今後、市場の拡大にあわせた設備増強も視野に入れております。
 当社は今回の欧州生産拠点設立に引き続き、グローバルな生産・販売体制の拡大・強化を進めてまいります。

 


2000/12/1

EVOH新工場 英国立地で検討

  当社は、英国ヨークシャーハンバー地域(Hull)のBPケミカルの工場敷地内に絞って、生産能力15,000 t/yのソアノール(エチレンビニルアルコール共重合樹脂:EVOH)の工場建設の検討を進めております。当社は、現在の欧州における販売・R&D体制を強化すると同時に、このプラント建設により、年15%の伸びが予想される欧州域内での旺盛な需要に対応する考えです。

 当社は、欧州におけるその他の潜在的な候補地もまた検討いたしましたが、さらに詳細なFSを進めるために最適なロケーションとして、原料供給面での優位性と英国政府からの援助の両面から同地区を選択いたしました。この地域には主要な石油化学コンビナートが位置しており、そうした地の利もまたこのサイトをより魅力あるものにしております。  この新プラントはEVOHの原料である酢酸ビニルモノマー(VAM)及びエチレンの調達性に優れております。BPケミカルは現在このサイトで、2001年の完工を目指して
新規に250,000 t/yのVAMプラントを建設中であります。また、最近完工したパイプラインからエチレンが容易に入手できます。

 当社は、
世界では2社しか製造技術を有さないこのEVOHと、PVOH(ポリビニルアルコール)をコア製品とする70年以上の歴史を有する化学会社であります。 EVOHは従来、高度な酸素バリアー性と環境への配慮から、塩素系樹脂やアルミニウムに代わる食品包装材料として需要を伸ばしてまいりましたが、近年、ガソリンに対するバリア性から、自動車用樹脂製タンク用途も大きく需要を伸ばしております。

 当社は、日米で培った技術に加え新技術を投入することで、建設費の大幅な削減を図るつもりです。本計画は2001年3月に最終決定し、計画許可を現地で取得後、直ちにプラント建設を開始する予定です。

 本計画完成時の当社の生産能力は、
欧3極の合計で現在の30,000 t/yが45,000 t/yとなります。当社は今後も需要のある市場での供給体制の整備を進めてまいります。


NOLTEX L.L.C. 米国テキサス州
  ソアノール(エチレン・ビニルアルコール共重合樹脂、EVOH)の製造・販売

1994年(平成6年)   ソアノールの事業の米国展開をはかり、テキサス州ヒューストンの プラントをデュポン社より買収し、NOLTEX L.L.C.を合弁で設立

http://www.noltexllc.com/abt.htm

 Noltex was formed in June of 1994 as a Joint Venture between Nippon Gohsei (U.S.A.) Co., Ltd. (a fully owned subsidiary of Japan's Nippon Synthetic Chemical Industry Company Co., Ltd.) and Mitsubishi Chemical America, Inc.(a fully owned subsidiary of Japan's Mitsubishi Chemical Corporation).
 Noltex purchased the idled Du Pont EVOH manufacturing facilities in La Porte, Texas, following Du Pont's failed attempts to produce an effective EVOH barrier resin. Noltex began production of Soarnol resin in early 1996 after retrofitting the first of our plant's production lines with Nippon Gohsei technology.
 In its first full year of production, Noltex produced roughly 40% more EVOH resin than its predecessor had planned for.
 Earlier this year Noltex completed a retrofit of our second production line, and immediately brought it on line.
 Our plant now services the needs of the North and South American, and the European markets, with a total annual production capacity of 18,000 metric tons. This additional capacity has allowed Noltex to expand our EVOH product line to include specialty Soarnol grades in order to better meet the increased demand for this unique gas barrier resin.
 In addition to a steadily increasing demand in traditional food packaging applications, new markets (such as plastic vehicle fuel tanks and the nascent plastic beer bottle) will also be served by this expanded production capability. Although our plant is already one of the largest of its kind in the world, Noltex is now planning to increase its current capacity by 20%, through implementation of a proactive "de-bottlenecking" program.
 Noltex continues to expand our capacity, and our horizons, in order to meet the needs of a continually evolving market place and, a rapidly changing world.
 Soarnol is distributed in NAFTA markets ( U.S., Canada and Mexico ) exclusively through Soarus, LLC.


2002/12/26 Chemnet Tokyo 

日本合成化学、英国ソアノール稼働体制強化

 日本合成化学は
26日、英国でのソアノール(エチレンビニルアルコール共重合樹脂;EVOH)プラントの稼働に向け、200311日付で販売、技術サービス体制の強化を図ると次のように発表した。

(1) 本社組織を改正し、水島事業所内に設置されている「加工技術開発センター」を独立組織とし、マーケットに対して、よりタイムリーに機動力が発揮できる体制にする。
(2) 2003年秋の英国の新プラント稼働にあわせ、ドイツ・デュッセルドルフにあるニッポンゴウセイヨーロッパ社に、カスタマーサービスセンターを設置した。
(3) 現在25%出資している英国販売会社、ブリティッシュ トレーダーズ&シッパーズ社の株式のうち、同社の親会社であるイースタン・プロデュースインベストメント社の持分75%ををニッポンゴウセイUKが取得、031月には実質100%子会社とする。

 


2000/6/19 三菱ガス化学、大日本インキ化学

三菱ガス化学、大日本インキ化学 ホルマリン事業を統廃合

 三菱ガス化学と大日本インキ化学は、ホルマリン事業の効率化を目指して、今後の事業の強化を図るために、
20013月末に三菱ガス化学の東京工場(東京都葛飾区)のホルマリンプラント(生産能力:120千トン/)を停止させ、両社折半出資会社である日本ホルマリン工業(代表取締役社長:青木次郎)の千葉工場(大日本インキ化学千葉工場内)に生産を全量 シフトさせることにより、関東地区でのホルマリンプラントの統合・集約することを決定した。

 これを受けて、日本ホルマリン工業は、千葉工場のホルマリンプラントの一部増設工事を実施し、
200012月末までに生産能力を現在の54千トンから86千トン/年に増強する。また同社は、美川工場(大日本インキ化学美川工場内)のホルマリンプラント(生産能力:29千トン/年)について、20013月末に停止させることを決定しており、この停止により大日本インキ化学美川工場のホルマリン消費分については、三菱ガス化学新潟工場より供給を受ける。
 この一連の動きは、三菱ガス化学、大日本インキ化学グル−プのホルマリンプラントの集約化と稼働率向上を実現して、プラント運営及び物流を効率化することにより、ホルマリン事業の収益改善を図ることを目的としている。

 一方、国内ホルマリン需要数量は、
1990年の146万トンをピ−クに減少方向に転じており、1999年は125万トンになっている。用途別 に見ても、ホルマリン誘導品であるユリア・メラミン系接着剤向け数量は、ピ−ク時の400千トンから1999240千トンに減少し、フェノ−ル樹脂向け数量 も同様に、ピ−ク時の113千トンから199973千トンに減少しているのに対して、POMMDI等の比較的に新しい需要分野が増加し総需要を支えてきたのが、近年の実態である。今後については二次製品であるホルマリン誘導品の国際化が進み、各用途別 の需要減が一層進むものと想定され、国内ホルマリン需要数量は、120万トン/年程度で推移すると予想されている。
 三菱ガス化学グル−プとしては、ホルマリン事業を取り巻く厳しい経済環境の中、ホルマリンプラントの全国的な集約化による収益改善を目指し、積極的に生産受委託・業務提携等を進めていく方針である。


化学工業日報 2000/10/18

三菱ガス化学、新潟でホルマリンを6000トン増強

 三菱ガス化学は、2001年6月に新潟工業所でボトルネック解消によりホルマリン能力を6000トン増強し、年産6万6000トンに引き上げる。同社は今年度、ホルマリン事業の効率化を目的に生産設備の統廃合を実施している。新潟工業所の増強は同社が出資している日本ホルマリン工業・美川工場(石川県)の生産停止にともなうもので、同工場から供給していた大日本インキ化学工業(DIC)消費分を新潟工業所から出荷する。


化学工業日報 2000/7/25

三井化学−広栄化学、ホルマリン相互融通で合意

 三井化学と広栄化学工業は24日、ホルマリンの生産受委託を実施することで合意に達し、2001年7月をめどに実施すると発表した。これに合わせて両社では設備廃棄に踏み切る方針で、三井化学は茂原工場(千葉県)の2系列9万トン、広栄化学は大阪工場の4万トンを休止、合計13万トンを廃棄する計画。ホルマリンは主力需要であった合板用接着剤向けが減少の一途をたどり、年間125万トン(99年度実績)の需要規模に縮小しているのに対し、設備能力は164万トンと設備過剰が指摘されていた。このため再編成が急務となっており、すでにこの6月には三菱ガス化学と大日本インキ化学工業が設備統廃合で年産11万7000トンの設備を廃棄することを明らかにしていた。今回の三井化学−広栄化学の設備廃棄で三井、三菱ガス化、住友化学グループのサプライヤートップスリーが相次いで設備削減を実施することになり、需給バランスは大幅に改善へ向かうことになりそうだ。

 


1999/2/8 日本触媒発表

無水フタル酸設備の休止

 日本触媒(社長:会田健二)は、本年3月末を以て姫路製造所(兵庫県姫路市)にある年産能力4万4,000トンの無水フタル酸製造設備を休止します。なお、販売は従来通り継続し、無水フタル酸は原則的に
新日鐵化学株式会社から手当てします。

 無水フタル酸は、可塑剤や塗料、不飽和ポリエステル樹脂などに使用されていますが、アジア地域における需給ギャップの拡大が続くなかで、昨今の景気低迷による需要減退などもあり、無水フタル酸を取り巻く環境は非常に厳しくなっています。このような状況下、当社は、無水フタル酸事業を再検討した結果、このたびの生産休止を決定しました。


1997/4/8 三菱ガス化学

スクラップ&ビルドによる生産能力増強
   無水フタル酸、世界第2位へ  8万トン/年→10万トン/年

 三菱ガス化学株式会社(本社: 東京、社長: 大平晃、以下MGCと略す)は水島工場(岡山県倉敷市、加藤泰久工場長)の無水フタル酸製造設備の能力を、スクラップ&ビルドにより現行8万トン/年から10万トン/年に増強することを決定しました。
 投資額は30億円弱、完成は97年8月末の予定です。
 また、将来的には11万トン/年に能力増する予定です。

 MGCは、現在、水島工場において無水フタル酸製造設備を2系列保有していますが、今回増強する1系列は建設以来すでに25年を経過し、スクラップ&ビルドの対応が必要となっていました。
 本増強は単なる設備更新ではなく、
WACKER触媒を用いたVON-HEYDENプロセス法による最新技術を採用することで、無水フタル酸の原料であるオルソキシレンの高濃度化と製造プロセスの合理化を実現します。これにより、MGCの無水フタル酸は、国際的なコスト競争力を持つこととなります。
また、本増強の完成時点で、MGCの無水フタル酸製造設備は単一工場としては世界第2位 の規模となります。

注 製造は日本フタリック工業
    
 三菱ガス化学/大日本インキ化学JV
      水島工場  
      製造品目:無水フタル酸、フマール酸、無水マレイン酸


化学工業日報  2000/5/12

新日鉄化学、無水フタル酸の採算安定へ国内供給に重点

 新日鉄化学は無水フタル酸事業の採算安定を目的に、国内市場の基盤固めに乗り出す。同社は昨年3月にプラントを休止した
日本触媒へ供給を開始したのに続き、今年4月には三井化学から同事業の営業譲渡を受けた。この2件の契約により計3万トン強の納入先を国内市場で確保したことになり、事業収益体質の強化を図る。同社はもともと輸出比率が高く、年産8万トンの生産能力に対しピーク時は半分近くを中国に向けていた。今期は価格が安定している国内市場へのシフトを強め、能力の75%に当たる6万トンを販売する計画。


化学工業日報 2005年2月10日

川崎化成、フタル酸生産能力を半減へ

 川崎化成工業は、無水フタル酸の生産体制を再編する。年4万5000トン能力の1系列を停止し、総能力を半減する方向で検討を進めており、きょう10日にも最終的な意思決定を図る方向を固めた。今年秋にも実施する見込み。キノン系誘導品や液状ポリエステルなど高付加価値型の新規事業の拡大にめどをつけつつあるなか、汎用型事業での効率化を促進することによって収益体質を強化する。無水フタル酸の生産に関しては、シーケム、三菱ガス化学も縮小策を打ち出しており、川崎化成の系列停止がこれに加われば、国内の供給地図が一挙に塗り変わることになる。


Platts 2002/5/27

Japan's Mitsui to boost QAFAC methanol offtake volume

 Japan's Mitsui & Co is to increase its methanol off-take quantity from Qatar Fuel Additive Co (QAFAC) from July 2003 to roughly 300,000 mt/yr from the current volume of less than 100,000 mt/yr, sources close to QAFAC said Monday. Mitsui would become the official methanol marketing arm for Qatar General Petroleum Corp, which is a major share holder of QAFAC with a 50% stake, sources said. A Mitsui official declined to specify details of the deal, and noted, "we have not signed am official contract yet." Mitsui's increased off-take volume would be in line with a similar increase in QGPC's off-take from QAFAC.
 The new agreement between QGPC and Mitsui would re-draw the distribution map for QAFAC. Currently, Taiwan's Chinese Petroleum Corp is the largest off-taker of methanol from QAFAC (around 240,000 mt/yr), followed by Taiwan's Lee Chang Yung Chemical Industry Corp (180,000 mt/yr), QGPC (100,000mt/yr), and Vitol (80,000 mt/yr). Mitsui currently offtakes methanol indirectly from QAFAC by marketing 90,000-100,000 mt/yr of CPC's 240,000 mt/yr allocation. However, from July 2003, QGPC would triple its offtake quantity to 300,000 mt/yr, forcing other off- takers, such as CPC and LCY, to cut their contract volumes in half. In the case of CPC, it would be reduced to 120,000 mt/yr and LCY's offtake quantity would be cut to 90,000 mt/yr.
 Whether Mitsui continues to have a contract with CPC is an open question, but "if CPC continues to give 100,000mt per year-- which is highly possible--that would boost Mitusi's handling quantity to 400,000 mt/yr," a source close to QAFAC commented. As a result of the changes in QAFAC's off-take distribution, CPC and LCY would need to seek other methanol suppliers to fulfill their contracts with their costumers, as they have only enough quantity to support their own downstream production. CPC uses its methanol allocation to support an MTBE unit while LCY runs an acetic acid plant and a formaldyhide unit. QAFAC has a 830,000 mt/yr methanol plant, which supports a 610,000 mt/yr MTBE unit. QAFAC is a joint venture among the following parties: QGPC 50%, CPC owned 20%, LCY 15%, and International Octane 15%.


化学工業日報 2002/5/31

三菱レイヨン、中国でMA・DMFを生産

 三菱レイヨンは、中国でメチルアミン(MA)および誘導品のジメチルフォルムアマイド(DMF)を生産する。上海など華東地区にMA年2万5000トンおよびDMF3万トンの設備を新設するもので、2003年度中の稼働を目指し近く着工する見通しだ。現地企業を含め合弁での投資が有力。DMFは主に人工皮革や電子材料の溶剤として使われる。世界の加工基地となっている中国が伸びており、現在12万トンの市場規模で、今後も2ケタ近い伸びが見込まれている。国内では三菱ガス化学や欧米、韓国企業がアジア市場で競合関係にあるが、原料MAからの一貫でいち早く現地生産に乗り出し、コスト競争力の強化とシェア拡大を図る。


2001/5/31 三菱ガス化学  

三菱ガス化学 尿素製造を停止し、三井化学に全量 生産委託

 三菱ガス化学(代表取締役社長:大平晃)は、尿素事業の抜本的な立直し策として、2002 年3 月に新潟工場の尿素製造(生産能力:198 千トン/年)の停止を決定し、2002 年4 月より三井化学(代表取締役社長:中西宏幸)と尿素見合数量の原料アンモニア持込条件で、販売数量全量の尿素製造を委託することに合意した。
 現在、三菱ガス化学は工業用・肥料用併せて80 千トン/年の尿素を生産・販売しているが、メラミン等の大型自消製品を持たない当社にとってプラント稼働率も低く、長年に亘って不採算事業になっており、尿素製造の停止を含めた事業の抜本的な立直し策を従来より検討していた。 その中で、三井化学との尿素委託製造の話が合意に至り、新潟工場の尿素製造を停止し、三井化学へ販売数量全量の尿素製造を委託することになった。 尚、三菱ガス化学は、現行ユ−ザ−に対し、継続して尿素を販売する。
 一方、国内の尿素生産数量は、1972 年に12 社・15 工場で3,457 千トン生産していたが、その後需要減少、価格低下、輸入品の台頭等の影響により、2000 年度(2000.4 〜2001.3)には4社・4工場で629千トンと大幅に減少している。 2000 年度の国内尿素需要数量は、895 千トンであり、輸入品数量が266 千トン、国内品数量は629 千トンとなっている。
 三菱ガス化学が尿素製造を停止し、三井化学に尿素製造を委託することにより、
国内の尿素造メ−カ−は三井化学(生産能力:369 千トン/年)、三菱化学(生産能力:252 千トン/年)、日産化学工業(生産能力:154 千トン/年)の3 社・3 工場のみとなる。
 今後についても、肥料用尿素は農業従事者の減少と高齢化、減反等による作付面積の減少、緩行性肥料と輸入化成肥料の普及等による需要減少が確実に進み、工業用尿素も低迷する国内景気と回復しない国際市況の影響により、大口用途の接着剤向け等が減少し、逆に尿素の輸入品数量増加により、国内生産数量の減少はますます進む状況が続くと想定している。
 三菱ガス化学は、昨年、中期経営計画「MGC 進化21 」を発表し、カンパニ−制の下、事業の「選択と集中」を進めている。 尿素を扱っているのは、三菱ガス化学天然ガス系化学品カンパニ−であるが、同カンパニ−においては、本件は、昨年の大日本インキ化学とのホルマリン事業の統合に続く大型案件となる。