2008/4/17 旭硝子

北米板ガラス事業の構造改革について

 旭硝子株式会社(本社:東京、社長:石村和彦)は、今般、北米板ガラス事業について、事業環境の急速な変化に対応し、本年4月から12月にかけて
フロートガラス生産拠点(3工場)及び建築向けコーティングライン(2工場)での生産を停止するとともに、建築用加工ガラス事業を売却することを決定しました。
 今後は、高成長が期待される太陽電池用ガラスや、自動車用ガラス素板、及び建築用の付加価値製品に経営資源を集中します。

 当社は、北米板ガラス事業について、2006年からマネジメントの刷新による収益改善プロジェクトに取り組み、これまで当社子会社であるAGCフラットガラス・ノースアメリカ社(以下、AFNAという。)の
シナミンソン工場閉鎖などを実施してきましたが、北米の板ガラス市場は、住宅用ガラスが大きな割合を占めているため、近年の住宅市場の減速により、供給過多の状況が続いています。現状のAFNAの収益構造は競合他社との差別化が難しい汎用品のフロートガラスに過度に依存していることに加えて、原燃材料費高騰によるコスト上昇により、当社の北米板ガラス事業の採算は悪化している状況です。

地域・事業マトリックス 2007年                          単位:億円
  日本 アジア アメリカ ヨーロッパ 消去 合計
売上高 営業
利益
売上高 営業
利益
売上高 営業
利益
売上高 営業
利益
売上高 営業
利益
売上高 営業
利益

ガラス

2,792

68

949

63

1,475

-77

3,966

588

-521

-8

8,660

637

電子・ ディスプレイ

3,666

770

2,805

483

277

5

206

2

-2,303

-78

4,652

1,182

化学

2,189

80

877

48

166

-1

132

-5

-170

2

3,194

124

その他

835

36

60

3

4

-6

5

0

-28

-2

876

32

消去

-473

4

2

-1

-3

0

-6

1

-90

2

-569

0

合計

9,010

 957

4,692

 595

1,919

 -79

4,303

 586

 -3,111

 -85

16,812

 1,975

 一方、地球環境やエネルギー問題を背景に、今後、太陽電池市場がグローバル全体において年率40%で急成長することが予想されており、北米においても太陽電池用ガラスの需要の拡大が見込まれるとともに、自動車用ガラス素板や建築用の付加価値製品の需要も安定的に推移する見通しです。
 このような状況の下、当社は、北米板ガラス事業について、
太陽電池用ガラス、自動車用ガラス素板、及び建築用の付加価値製品の3つの分野にフォーカスするととともに、ガラスの需給バランスや生産設備の稼働状況の改善を図るため、AFNAのビクタービル工場、セント・オーガスチン工場、及びグリーンランド第1工場でのフロートガラスの生産を停止することとしました。この3工場の生産停止により、北米における当社のガラス生産能力は約40%削減されます。
 また、市場規模に比べ過剰な生産能力を有している建築向けコーティングラインについて、AFNAのビクタービル工場、及びハンプトン工場での生産を停止し、商業ビル用・住宅用の生産拠点をアビンドン工場に集約することとしました。さらに、建築用加工ガラス事業を売却することにより、高付加価値なガラスの生産とコーティング事業に特化していきます。
 この新しい生産体制により、AFNAにおける経営資源とマネジメント力を、お客様のご要望にお応えするための製品開発や、コスト・品質改善に集中させることができます。
 当社は、今後もグループの経営資源とガラス生産技術を投入し、北米板ガラス市場に対して高付加価値製品を提供していきます。なお、今回の構造改革に伴い、2008年度第2四半期に特別損失が約135億円発生する見込みですが、2008年12月期の業績予想に既に織り込み済であり、業績予想の修正はありません。

<ご参考>
1.AGCフラットガラス・ノースアメリカ社の概要
(1) 所在地 アメリカ ジョージア州
(2) 代表者 ブラッド・キッターマン
(3) 生産品目 建築用板ガラス、自動車用ガラス素板、太陽電池用ガラス
(4) 資本金 959百万USドル
(5) 出資比率 AGCアメリカ:100%(AGCアメリカは旭硝子の100%子会社)
(6) 生産拠点 北米にフロートガラス7拠点(今回フロートガラスの生産を停止する3工場を含む)、型板ガラス2拠点
(7) 従業員数 約4000名

2.ビクタービル工場(フロート)の概要
(1) 所在地 アメリカ カリフォルニア州
(2) 生産品目 建築用板ガラス
(3) 従業員数 225名

3.セント・オーガスチン工場の概要
(1) 所在地 カナダ ケベック州
(2) 生産品目 建築用板ガラス
(3) 従業員数 240名

4.グリーンランド第1工場の概要
(1) 所在地 アメリカ テネシー州
(2) 生産品目 建築用板ガラス
(3) 従業員数 250名

5.ビクタービル工場(コーティング)の概要
(1) 所在地 アメリカ カリフォルニア州
(2) 生産品目 Low−Eガラス
(3) 従業員数 40名

6.ハンプトン工場の概要
(4) 所在地 アメリカ アイオワ州
(5) 生産品目 Low−Eガラス
(6) 従業員数 56名


2007年2月5日 旭硝子

北米の板ガラス生産拠点(シナミンソン工場)の閉鎖を決定

旭硝子株式会社(本社:東京、社長:門松正宏)は、2005年から3年間の中期経営計画 “JIKKO-2007” の重点施策の1つとして北米地域の収益改善を掲げ、板ガラス事業についてもコスト削減等の施策を検討してきましたが、今般、AFGインダストリーズ社シナミンソン工場を閉鎖することを決定しました。
北米における板ガラス市場は、住宅用ガラスが大きな割合を占めているため住宅市場の減速の影響を強く受け、供給過多の状況が続いています。加えて、天然ガスなどの原燃材料費高騰によるコスト上昇のため、当社の北米板ガラス事業の採算は悪化している状況です。
当社は、北米板ガラス事業について、カナダの建築加工拠点の閉鎖や設備の自動化など諸施策を実行するとともに、2006年からはマネジメントの刷新により収益改善プロジェクトに取り組んでいます。その一環として、今般、需給バランスや生産設備の稼働状況の改善を図るため、特に採算が悪化しており、汎用品であるフロートガラスを生産しているAFGインダストリーズ社シナミンソン工場を閉鎖することとしました。これにより、北米における当社の板ガラス生産能力は約10%削減されます。
当社は、北米における板ガラス事業について今後もベンチマーキング等によるコスト削減及び付加価値製品の事業拡大を進めるとともに、収益改善のための必要な施策を継続していきます。

<ご参考>
1.AFGインダストリーズ社の概要
(1) 所在地 アメリカ ジョージア州
(2) 代表者 ブラッド・キッターマン
(3) 生産品目 建築用板ガラス、自動車用素板ガラス
(4) 資本金 553百万USドル
(5) 出資比率 旭硝子100%
(6) 生産拠点 北米に8拠点(シナミンソン工場含む)
(7) 従業員数 約4600人

2.AFGインダストリーズ社シナミンソン工場の概要
(1) 所在地 アメリカ ニュージャージー州
(2) 生産品目 クリアフロートガラス
(3) 敷地面積 約24万u
(4) 従業員数 約200人