JOLED、TCL CSOTと資本業務提携契約を締結  
第三者割当増資により200億円を調達し、テレビ向け大型有機ELディスプレイの共同開発を開始

 有機ELディスプレイ(OLED)を開発・製造・販売する株式会社JOLED(ジェイオーレッド)は、このたび、中国ハイテク企業TCL Tech傘下のディスプレイパネルメーカー、TCL華星光電技術有限公司(TCL China Star Optoelectronics Technology Co., Ltd.)と資本業務提携契約を締結しました。

本提携によりJOLEDは、華星光電日本を引受先とする第三者割当増資により200億円を調達するとともに、独自の印刷方式有機ELディスプレイ製造技術を活用し、TCL CSOTとテレビ向け大型有機ELディスプレイの共同開発を開始します。

これまで発表されているのは下記(単位:億円)のとおり。

  増資前 2018年出資 現物出資 2019/4出資
産業革新機構→INCJ 75%   200? 200
JDI 15%      
Sony 5%     55
NISSHA      
Panasonic 5%      
デンソー   300    
豊田通商   100    
住友化学   50    
SCREEN   20    
合計 470 200? 255

 

JOLEDは、2015年の設立以来、効率的な生産を可能とする印刷方式での有機ELディスプレイの研究開発を重ね、2017年に医療用モニター向け中型有機ELディスプレイ製品の出荷を開始しました。JOLEDは、中型ディスプレイを量産していくとともに、この度のTCL CSOTとの共同開発を通して、印刷技術の大型ディスプレイへの有効性を実証していきます。

JOLEDは、独自のRGB印刷方式有機ELディスプレイ製造技術をもって、有機EL分野において独自の地位を築き、先進のデバイスにより「ワクワク」と「感動」にあふれる世界を実現するというミッションに挑戦し続けます。

 

TCL華星光電技術有限公司について

TCL CSOTは半導体ディスプレイ技術と材料におけるもっとも革新的な企業のひとつです。中国とインドにおける、基板サイズG6からG11の、液晶、LTPS、有機EL、またその他の技術にまたがるディスプレイ製造設備への300億USドル近い投資により、ディスプレイ業界の有力企業としての地位を築いています。テレビとモバイル向けディスプレイパネルにおける世界第2位のパネルメーカーとして、TCL CSOTは革新技術とプロセスノウハウに更に専念し、インクジェット印刷、ミニ/マイクロLED、量子ドット、EL量子ドット、フレキシブルディスプレイ、ローラブルディスプレイなどによる、この上ない特別なディスプレイエクスペリエンスをお届けしていきます。

JOLEDについて

JOLEDは、有機ELディスプレイ並びにその部品、材料、製造装置および関連製品の研究・開発、生産・販売を行う会社です。JOLEDは、印刷方式による4K有機ELディスプレイ製品の生産を行う、世界で唯一の会社(2020年5月、当社調べ)であり、JOLED能美事業所に構築した生産ラインでは、2020年の量産開始を予定しています。JOLEDは、中型・高精細の有機ELディスプレイを、ハイエンドモニター向け、車載向け等に生産していくとともに、曲げられるフレキシブルディスプレイ、折り曲げできるフォルダブルディスプレイの実用化に向けた研究開発も進めています。

印刷方式 有機ELディスプレイについて

有機ELディスプレイ(OLED)は、高コントラストでソースに忠実な色再現性や高速応答性など、自発光型ならではの高い画質特性を有しています。さらに、薄型・軽量、曲げられるフレキシブル性などの長所を併せ持つことから、幅広い分野で新たな用途を創出する次世代ディスプレイとして注目を集めています。

有機ELディスプレイの製造方法のひとつである「印刷方式」は、有機EL材料を印刷により塗布・形成する技術で、生産工程がシンプルで多様な画面サイズに対応可能であることから、有機ELディスプレイ製造に革新をもたらす技術として期待されています。