2010/4/28

和解による仮処分申立事件の解決について

東京地方裁判所において、当社がアース製薬に対して申し立てておりました仮処分事件につき、本日、裁判所の和解が成立いたしましたので、下記のとおりお知らせいたします。

このたび裁判所より和解の勧告を受け、以下の本和解の内容が履行されることにより当社製品である「どこでもベープNo.1 NEO」とアース製薬の「おそとでノーマットV130」とがお客様から識別でき、両製品を誤認混同して購入される事態を回避することが期待できること、知的財産権に関する一連の訴訟を通じて当社の知的財産に関する姿勢が認められたこと、紛争の長期化による影響等を考慮した結果、当社はアース製薬と和解し、上記仮処分申立事件を終結させることとなりました。

本和解の内容

本和解は、アース製薬の携帯型電池式虫よけ器と当社の携帯型電池式蚊取り器のパッケージを変更することを主な内容とするものであります。当社といたしましては、本和解により、お客様が当社製品とアース製薬の製品とを誤認混同されることを回避することができると考えており、本和解に満足しております。

 

2009/7/17 フマキラー

アース製薬に対する製造、販売等の差止め請求の仮処分命令申立について

当社は平成21年7月17日、アース製薬に対して、不正競争防止法に基づき、アース製薬が製造・販売する携帯型電池式虫よけ器「おそとでノーマットV130」の製造、販売等の差止めを求めて、東京地方裁判所に仮処分命令の申立をいたしました。
当社の製造・販売する「どこでもベープNo.1 NEO」は、ユーザーの年齢層や男女差を問わず、どこでも誰でも手軽に、安全に使用することができる製品として、積極的に「使いやすさ」プラス「おしゃれ心」を追求した商品開発に取り組んだ結果、平成18年の販売開始以来、累計250万台を超える販売実績をもつ携帯型電池式蚊取り器(医薬部外品)です。付属のストレッチベルトを本体器具に取り付けることにより、腕に巻いて使用でき、腕時計のような概観を有する携帯型電池式蚊取り器としての顕著な特徴を有しています。
「おそとでノーマットV130」は、虫よけ器(雑貨)であるところ、商品の形態など、当社の「どこでもベープNo.1 NEO」と極めて類似した商品であること等を理由として、今回の申立を行ったものです。

 アース製薬は同日、フマキラーの商品を模倣した事実は一切ないとして、裁判で争う姿勢を示した。また現在販売中の「おそとでノーマットV130」について、 顧客が購入する際になんら支障はないとしている。

 「何をもって不正競争防止法に抵触するというのか理解に苦しむ。最終的には当社の言い分が通るだろう」
 アースの大塚達也社長は8月4日の平成21年6月中間決算会見で、フマキラーが先月17日に起こした訴訟に不快感をあらわにした。

 なお、アース製薬はフマキラー株を買い増しており、2008年9月末には同社株の10.05%(議決権ベース)を保有する筆頭株主になっている。これに 先立つ2008年1月にはアース製薬がフマキラーに非公式な経営統合を打診したと報じられた。その際フマキラーは、具体的な提案は受けておらず、統合を検討したことはないとの声明を出していた。   2009年4月時点で11.11%

 

 2008/7

アース製薬は2008年7月14日、同社の携帯用虫よけ器の特許権が侵害されたとしてフマキラーに対する特許侵害訴訟を東京地裁に提起した。

アースは、フマキラーの「どこでもベープNo.1」など2商品が、アースの、今年2月登録となった 特許第4083781号「携帯用害虫防除装置」を侵害しているとして、製造と販売の禁止を求めている。同特許は、電池式ファンの気流で薬剤を気化させる携帯用害虫防除装置で、使用者が装置を身につけ起立した状態で、上下の排気口から体に沿って薬剤を含んだ気流が放出されることを特徴としている。

アースの、同特許の技術を用いた「蚊に効くおそとでノーマット」は2000年から、フマキラーの「どこでもベープNo.1」は2004年から、それぞれ 販売されている。

アースは、同特許登録後の5月にフマキラー対して、製造販売の中止を求める警告書を送付したが、フマキラーから「特許権の侵害はない」と返答されたことから、提訴に踏み切ったという。
 

アース製薬が2000年から販売している「蚊に効くおそとで ノーマット」。
訴状などによると、中のファンで薬剤を上下に行き渡らせる仕組みは、
2008年に特許を取得したもので、フマキラーが2004年に発表し人気の「どこでもベープNo.1」など2商品も、基本の仕組みは同じと主張した。

---
2009/8

携帯型虫よけ器の特許権を侵害されたとして、アース製薬がフマキラーを相手に製品の製造・販売差し止めを求めた訴訟で、東京地裁は8月31日、請求を棄却 した。

アースは昨年7月、フマキラーの「どこでもベープNo.1」など2種について、自社製品の「蚊に効くおそとでノーマット」の殺虫剤を上下方向に 放出する装置の特許を侵害したとして提訴していた。請求棄却を受け、アースは「判決文を確認し、弁護士と相談して対応を検討する」とコメントしている。

両社の間ではフマキラーも今年7月、アースの携帯型虫よけ器の製造・販売の差し止めを求める仮処分を東京地裁に申し立てている。
              


2011年09月29日 化学工業日報 

アース製薬 蚊取り線香、タイに全面生産移管

 アース製薬は、蚊取り線香の生産拠点を日本からタイへ全面的に移管する。バンコク郊外に約2億円を投じて新工場を建設。調合、打ち抜き、乾燥、包装など蚊取り線香の一貫製造体制を構築し、来年4月から日本向けに輸出する。
 同社が海外で蚊取り線香を生産するのは初めて。人件費や生産コストが安く、メリットが大きいと判断した。生産体制を見直してコスト競争力を高め、国内市場でさらなるシェア拡大を図る。
 タイで生産を始めるのは蚊取り線香「アース渦巻香」。現地子会社のアースケミカル(タイランド)で殺鼠剤を製造していた第2工場を建て替え、このほど本格稼働を開始した。

ARS CHEMICAL (THAILAND) CO.,LTD.

所在地 25 Bangkok Insurance/Y.W.C.A Bldg. 30th Fl., South Sathorn Road, Tungmahamek, Sathorn, Bangkok 10120 Thailand
設立年月日 1984年6月15日
代表取締役社長 川村 芳範
資本金 1億7,000万バーツ
事業内容 殺虫剤、日用品の製造、販売、輸出入
URL http://www.ars.co.th/