2017年10月2日 日本触媒

中分子原薬合成施設建設のお知らせ

日本触媒は、中分子原薬合成施設の起工式を執り行い、2018年12月の完工に向けて建設を開始しますので、下記の通りお知らせいたします。
                                    
1. 背景および目的

日本触媒は平成26年度にスタートさせた長期経営計画「新生日本触媒2020」及び、平成29年度からの後半中期経営計画「新生日本触媒2020 NEXT」に基づき、健康・医療事業を始めとする新規事業の早期立ち上げ・新製品の速やかな上市を目指した取り組みを進めています。

健康・医療事業としては、次世代医薬品シーズの研究開発・臨床開発から製造受託に至る、一貫したサービスを提供する創薬支援事業の確立を目指しています。市場拡大が見込まれるペプチド医薬原薬、核酸医薬原薬、及びDDS分野の領域において革新的なシーズを保有する企業等との提携を進める一方、当該領域における医薬品原薬の製造機能を確立・強化するための方策について検討を行ってまいりました。

注1) アミノ酸を主要構成単位とする化合物でその生理活性作用(ホルモン様作用など)を医薬品として応用するもの。
注2) ヌクレオチドを構成成分とする医薬品で、癌や神経変性疾患、遺伝性疾患等の難治性疾患に対する革新的な医薬品として発展が期待されている。
注3) Drug Delivery Systemの略。

今回建設する中分子原薬合成施設は当該領域において国内有数の製造規模を有しております。2016年9月に完工した医薬合成研究室とあわせて、ペプチド医薬、核酸医薬の原薬についてmgスケールの小規模合成から年産kgスケールの合成までのGMPに準拠した製造が可能となります。これにより、当該領域における医薬原薬・治験薬の受託合成体制が整うこととなります。

2. 中分子原薬合成施設の概要

建設場所   日本触媒 吹田地区研究所内
対応法令等  日米欧三極GMP、PIC/S GMP
延床面積    約3,000m2
完工予定時期 2018年12月
稼働予定時期 2019年4月
主要設備   ペプチドおよび核酸医薬の固相および液相自動合成装置、大量分取精製装置、凍結乾燥機等の製造設備および品質試験関連分析装置類


3. 今後の見通し
 2017年度から2018年度までの業績予想には何ら影響を与えるものではありませんが、2019年度以降の業績については、上記設備を有効に活用し、創薬支援事業の実現・拡大に注力してまいります。


 

 

 

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2015.10.14
 
業務提携及び第三者割当増資の実施に関するお知らせ


日本触媒と糖鎖工学研究所は、両社共同で「糖鎖修飾ソマトスタチンアナログ」(「G-SRIF」)の共同開発を実施することで合意し、日本触媒は本合意に基づき、2015年10月8日の経営会議において、ペプチド原薬合成研究施設への設備投資を決議いたしました。
あわせて、日本触媒は2015年9月30日開催の取締役会において、糖鎖工学研究所は2015年10月13日の取締役会において、糖鎖工学研究所が実施する第三者割当増資を日本触媒が引き受けることを決議しました。日本触媒は糖鎖工学研究所の増資後の発行済株式総数の9.59%を取得する。 糖鎖工学研究所は、ヒト型糖鎖製造、糖鎖改変及び糖鎖修飾に関する独自のプラットホーム技術とそれらに関する分析技術を有しており、革新的なバイオ医薬品の創薬支援事業及び、低価格・高品質のバイオ医薬品の原薬提供を目指しております。 糖鎖工学研究所のパイプライン事業では、既に創生した医薬品開発候補の中にG-SRIFがあり、保有する他の医薬品開発候補シーズより先行して安全性確認を進めており、導出を目指した独自での臨床開発の準備をして参りました。
G-SRIFは、ヒト生体内に存在するソマトスタチンにヒト型糖鎖を付加させた、新規ソマトスタチン誘導体です。

 

ソマトスタチンは、生体内で成長因子の産生抑制を行います。アミノ酸改変され2型受容体に特異性の高い第一世代のソマトスタチンアナログ(一般名; Octreotide、商品名; sandostatine) は、年間売上高 1,500億円以上のブロックバスター薬になっています。一方、ソマトスタチンの受容体は5種類あることがわかっていますが、これまで、5種の受容体全てと親和性を保持した医薬品はありませんでした。 G-SRIFは、この全ての受容体との親和性を維持し、更に生体内動態も飛躍的に改善された次世代のソマトスタチンアナログです。また、5種の受容体の機能は未だ全容は解明されておらず、G-SRIFのようなマルチ親和能を有するソマトスタチンアナログは、新たな効能が期待されています。

この度、糖鎖工学研究所と日本触媒は、第一のステップとして先端巨大症を対象としたG-SRIFの共同臨床開発を行うこととなりました。

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2016.8.2   日本触媒、TAK-Circulatorと資本提携、核酸医薬に参入

2019年11月22日 日本触媒  

レナセラピューティクス株式会社の株式譲受(子会社化)のお知らせ

日本触媒は、レナセラピューティクス株式会社の株式の譲受を2019年11月21日に完了し、子会社と致しましたので、下記の通りお知らせ致します。

1. レナセラピューティクスについて

レナセラピューティクスは、東京医科歯科大学横田隆徳教授と大阪大学小比賀聡教授らが開発したヘテロ2本鎖核酸技術(Hetero Duplex Oligonucleotide:HDO技術)を創薬基盤技術とし、核酸医薬を早期に実用化することを目指して設立された東京医科歯科大学発のベンチャー企業です。

核酸医薬は、これまで治療が困難であった様々な疾患に対する次世代の医薬品として期待されていますが、投与後の血中安定性や副作用等の課題を有することが広く知られています。

HDO技術は、DNAとRNAからなる2本鎖にDDS(Drug Delivery System)機能を発現するリガンド分子を結合させた構造(図1)を有しており、核酸医薬のこれらの課題を克服する革新的な技術と期待されています。

HDO技術の高い可能性が認められ、レナセラピューティクスは2018年12月に核酸医薬開発の世界的なリーディングカンパニーであるIonis Pharmaceuticals,Inc.および国内製薬最大手の武田薬品工業と、HDO技術の非独占的ライセンス契約の締結を発表しました。

なお、日本触媒は2017年6月にHDO技術の開発支援と両社の関係強化を図って同社へ出資を行っております。

2017.6.30  レ

本触媒は、レナセラピューティクス株式会社が実施する第三者割当増資を引き受け、本日、出資金払込みが完了しました。

日本触媒はレナセラピューティクスの増資後の発行済株式総数の26.79%を取得。



2.本件取引の目的

日本触媒は、核酸、ペプチドといった中分子医薬およびDDSを重点領域として健康・医療事業に取り組んでいます。レナセラピューティクスを子会社化することにより核酸医薬のDDS技術の強化を図ります。

日本触媒からレナセラピューティクスへの事業支援を積極的に実施し、レナセラピューティクス、東京医科歯科大学、大阪大学との連携を通じて、HDO技術の実用化を推進して参ります。

日本触媒は、HDO核酸医薬の受託合成を担うことで、製薬企業等の顧客獲得を図り、原薬受託製造事業の拡大を目指します。

3. 本件取引の内容

(1) 株式譲渡の概要

日本触媒は、INCJおよび個人株主からレナセラピューティクスの株式を合計301,250株取得致しました。これにより、日本触媒の持株比率は本件取引前の26.7%から91.3%に増加し、レナセラピューティクスを子会社と致します。

譲渡人 : 譲受株式
株式会社INCJ : 221,250株(A種優先株200,000株、B種優先株21,250株)
複数個人株主 : 80,000株(普通株)



4. レナセラピューティクス株式会社の概要

(1) 企業概要
@ 名称     レナセラピューティクス株式会社
A 所在地     東京都千代田区大手町一丁目9番2号
B 事業内容 核酸医薬品の研究開発、製造及び販売等
C 資本金     100百万円
D 設立年月日 2015年1月15日
E 発行済株式総数 466,666株
F 決算期     12月期
G 従業員数 10名(2019年10月末時点)
H ウェブサイト https://www.renatherapeutics.com/

(2) 当社との関係(本件取引前時点)
@ 資本関係 B種優先株式125,000株を保有しています。
A 人的関係 社外取締役を派遣しております。
B 取引等の関係 ありません。

5. 今後の見通し
 日本触媒は本件取引のシナジーを最大限に発揮し、患者様に1日も早く核酸医薬をお届けするため、創薬支援事業の確立・発展を目指して更なる取り組みを続けて参ります。