2020年9月7日 シャープ株式会社

2020年9月7日 シャープ株式会社

世界初、プラズマクラスター技術で、空気中に浮遊する「新型コロナウイルス」の減少効果を実証

シャープは、長崎大学感染症共同研究拠点 安田二朗教授(兼 熱帯医学研究所教授)、同研究拠点 南保明日香教授(日本ウイルス学会理事)、および島根大学医学部 吉山裕規教授(日本ウイルス学会理事)と共同でプラズマクラスター技術搭載ウイルス試験装置を作成し、感染症研究の世界的権威である長崎大学の協力の下、空気中に浮遊する「新型コロナウイルス」にプラズマクラスターイオンを約30秒照射することにより、感染価 (感染性を持つウイルス粒子の数)が90%以上減少することを世界で初めて実証しました。

「新型コロナウイルス」は、2019年12月に発生が確認され、2020年8月には感染者数が世界で2,500万人、死者も84万人を超えている※5非常に感染力が強いウイルスで、喫緊の社会問題として様々な分野での早急な対策が求められています。

当社はプラズマクラスター技術について、2004年にコロナウイルス科の「ネココロナウイルス」に対する効果を実証、翌2005年には「新型コロナウイルス」と姉妹関係にある「SARSコロナウイルス(SARS-CoV)」に対する効果も実証しており、今回新たに、空気中に浮遊する「新型コロナウイルス」に対する効果を実証しました。

2005年6月6日

空気浄化技術として世界で初めて実証
プラズマクラスターイオンが浮遊 高病原性『H5N1型トリインフルエンザウイルス』にも効果

シャープは、ウイルス学の世界的権威であるロンドン大学医学・歯学部 ジョン・オックスフォード教授(Prof. John S. Oxford)が設立したGLP適合機関 Retroscreen Virologyと共同で、プラズマクラスターイオンが、致死率が高いとされる浮遊高病原性『H5N1型トリインフルエンザウイルス』の働きを99%低減することを実証しました。

多種多様な空気浄化技術の中で、同ウイルスへの効果を実証したのはプラズマクラスターイオンが世界で初めてです。

2000年に開発したプラズマクラスターイオン技術は、空気中にプラスとマイナスのイオンを放出して除菌を行う空気浄化技術です。当社はアカデミックマーケティングの考えに基づき、この5年間世界の学術研究機関と共同で、この技術が空気中に浮遊する細菌・カビ菌・ウイルス・アレルゲンなど全26種類の有害物質に効果があることを実証してきました。さらに2004年11月には「細菌の表面細胞膜のタンパク質を破壊し死滅させるメカニズム」を解明し、「表面にタンパク質を持つ広範囲の浮遊有害物質への効果」が期待できることを学術的に証明しました。

今回効果を確認したトリインフルエンザウイルスは、実際にヒトにも感染し被害をもたらしたウイルスを用いたものです。これにより新しく出現したウイルスにも効果があることを確認し、プラズマクラスターイオンの効能の分野をさらに拡大させることができました。

当社は今後発生が懸念される新型ウイルスへの不安低減に向け、プラズマクラスターイオン技術の進化と実証を重ねることにより、社会への貢献に向けた取り組みを進めてまいります。

 

当社は、2000年より約20年にわたりプラズマクラスター技術の効果を世界の第三者試験機関と共同で実証するアカデミックマーケティングを実施しており、これまで多数の第三者試験機関で「新型インフルエンザウイルス」「薬剤耐性細菌」「ダニアレルゲン」などの有害物質の作用抑制や、小児喘息患者の気管炎症レベルの低減効果などの臨床効果を実証。併せて、プラズマクラスターの安全性についても確認してまいりました。今後も、プラズマクラスター技術による様々な実証を進め、社会に貢献してまいります。

<長崎大学感染症共同研究拠点 教授 安田 二朗(やすだ じろう)氏のコメント>

付着したウイルスへの対策としては、アルコールや洗剤(界面活性剤)等の消毒薬が有効ですが、エアロゾル(マイクロ飛沫)を介した感染を想定した対策としてはマスク等の着用以外に有効策がありません。今回、プラズマクラスター技術が空気中に浮遊した状態の新型コロナウイルスを不活化することが実証されたことは、一般家庭だけでなく医療機関などの実空間で抗ウイルス効果を発揮する可能性があると期待されます。

 

実証試験の概要

●試験実施機関 : 長崎大学感染症共同研究拠点・熱帯医学研究所

●検証装置 : プラズマクラスター技術搭載ウイルス試験装置

●プラズマクラスターイオン濃度 : プラズマクラスターイオン発生装置付近 約1,000万個/cm3

●試験空間容積 : 約3L

対照試験 : 上記装置のプラズマクラスターイオン発生無しとの比較

●検証ウイルス : 新型コロナウイルス SARS-CoV-2

●試験方法

@ウイルス感染細胞から調製したウイルス液を噴霧。

A噴霧したウイルス液にプラズマクラスターイオンを照射後、回収。

B回収したウイルス液からウイルス感染価をプラーク法により算出。

* ウイルスに感染した細胞が溶解した際に、細胞溶解斑(プラーク)を形成することを利用した手法。 

●結果

表1.空気中に浮遊する新型コロナウイルスの減少効果  

 

プラズマクラスターイオンなし

プラズマクラスターイオンあり

減少率

感染性ウイルス数
(プラーク数)

1.76 × 104

1.54 × 103

91.3%

 

 

プラズマクラスター技術について

プラスイオン(H+(H2O)m)とマイナスイオン(O2-(H2O)n)を同時に空中へ放出し、浮遊する細菌・カビ・ウイルス・アレルゲンなどの表面で瞬間的にプラスイオンとマイナスイオンが結合して酸化力の非常に高いOH(水酸基)ラジカルとなり、化学反応により細菌などの表面のたんぱく質を分解して、その働きを抑制する独自の空気浄化技術です。

 

 

 

 

アカデミックマーケティングによる国内・海外での実証機関一覧

 

対象

実証機関

臨床試験による効果実証

東京大学大学院 医学系研究科 / (公財)パブリックヘルスリサーチセンター

中央大学理工学部 / 東京大学 医学部附属病院 臨床研究支援センター

(公財)動物臨床医学研究所

(株)総合医科学研究所

東京工科大学 応用生物学部

HARG治療センター / (株)ナショナルトラスト

ジョージア 国立結核病院

(株)電通サイエンスジャム

(株)リトルソフトウェア

鹿屋体育大学 スポーツ・人文応用社会科学系

ウイルス

(財)北里環境科学センター

韓国 ソウル大学

中国 上海市予防医学研究院

(学)北里研究所 北里大学メディカルセンター

イギリス レトロスクリーン・バイロロジー社

(株)食環境衛生研究所

インドネシア インドネシア大学

ベトナム ベトナム国家大学ハノイ校工科大学

ベトナム ホーチミン市パスツール研究所

長崎大学感染症共同研究拠点・熱帯医学研究所

アレルゲン

広島大学大学院 先端物質科学研究科

大阪市立大学大学院 医学研究科 分子病態学教室

カビ

(一財)石川県予防医学協会

ドイツ リューベック大学

ドイツ アーヘン応用科学大学 アートマン教授

(一財)日本食品分析センター

(株)食環境衛生研究所

中国 上海市予防医学研究院

(株)ビオスタ

千葉大学 真菌医学研究センター

細菌

(一財)石川県予防医学協会

中国 上海市予防医学研究院

(財)北里環境科学センター

(学)北里研究所 北里大学メディカルセンター

米国 ハーバード大学公衆衛生大学院 名誉教授メルビン・ファースト博士

(公財)動物臨床医学研究所

ドイツ リューベック大学

ドイツ アーヘン応用科学大学 アートマン教授

(一財)日本食品分析センター

(株)食環境衛生研究所

タイ 胸部疾病研究所

(株)ビオスタ

ニオイ・ペット臭

(一財)ボーケン品質評価機構

美肌

東京工科大学 応用生物学部

美髪

(株)サティス製薬

(有)シー・ティー・シージャパン

植物

静岡大学 農学部

有害化学物質

(株)住化分析センター

インド インド工科大学

ウイルス・カビ・細菌の
作用抑制効果メカニズム

ドイツ アーヘン応用科学大学 アートマン教授

アレルゲンの作用抑制効果
メカニズム

広島大学大学院 先端物質科学研究科

肌保湿(水分子コートの形成)
効果メカニズム

東北大学 電気通信研究所