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これは下記のブログを月ごとにまとめたものです。

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2023/1/4  
原発運転期間延長 

原子力発電所の運転期間について、政府は2022年12月22日のGX=グリーントランスフォーメーション実行会議で、実質的に上限の60年を超えて運転できるようにする基本方針を取りまとめた。

原子力について、以下のとおりとしている。

原子力は、出力が安定的であり自律性が高いという特徴を有しており、安定供給とカーボンニュートラル実現の両立に向け、脱炭素のベースロード電源としての重要な役割を担う。
このため、
2030年度電源構成に占める原子力比率 2022%の確実な達に向けて、安全最優先で再稼働を進める

将来にわたって持続的に原子力を活用するため、安全性の確保を大前提に、新たな安全メカニズムを組み込んだ次世代革新炉の開発・建設に取り組む。

地域の理解確保を大前提に、まずは廃止決定した炉の次世代革新炉への建て替えを対象として、六ヶ所再処理工場の竣工等のバックエンド問題の進展も踏まえつつ具体化を進めていく。
その他の開発・建設は、各地
域における再稼働状況や理解確保等の進展等、今後の状況を踏まえて検討していく。

既存の原子力発電所を可能な限り活用するため、「運転期間40年、延長を認める期間は20年」との制限を設けた上で、福島第一原発の事故後の長期停止期間を除外することで、60年を超える運転を可能にする新しい方針をとりまとめた。

再稼働を加速し、2030年にエネルギーにおける原子力の比率20〜22%実現を目指す。

また、安全性の確保や地域住民の理解を前提に、次世代革新炉の開発・建設に取り組む方針を示した。原発事故後、政府はこれまで原発の新増設や建て替えは「想定していない」としてきたが、この方針を大きく転換する。

 

経産省はこれに先立つ12月16日に総合資源エネルギー調査会の基本政策分科会で、原発活用策などについて最終的な方針を取りまとめた。 これが政府の基本方針に折り込まれた。

原発の運転期間については原則40年、最長60年とした現行のルールを維持しながら原発の安全審査などに伴う長期停止期間を運転期間に算入しないとする。
仮に10年間、原発が止まっていれば運転開始から最長で70年間稼働できることになる。

また、次世代原発の開発や建設についてはまずは廃炉が決まった原発を対象に建て替えを進めるとした。

これとは別に、原子力規制委員会は12月21日、原子力発電所の運転開始から30年以降10年以内ごとに繰り返し運転を認可する新ルール案を了承した。現行ルールを上回る「60年超」運転が可能になる。
一般からの意見公募や電力会社との意見交換を経て、現行ルールを定めた原子炉等規制法の改正案について来年の通常国会への提出を目指す。

現行ルールでは、運転開始から40年を迎える原発は、規制委の運転延長の審査に合格した場合に限り1回のみ最長20年の延長が認可される。また、これとは別に、運転開始から30年以降の原発は、10年ごとに「高経年化対策」も実施されている。

新ルールはこれらを一本化する内容で、規制委は電力会社に対し、施設の劣化を管理する長期計画の作成を義務づけ、安全性を確認すれば運転延長を繰り返し認可する。

福島原発事故以前の規制に戻すこととなる。

政府案は運転停止期間を除いて60年が限度だが、規制委の案では審査が通る限り、限度はない。今後調整 が必要である。

 

次世代原発については、GX=グリーントランスフォーメーション実行会議に提出された資料は下記の通り。

次世代革新炉についてはMETI 革新炉開発の技術ロードマップ 参照


原子力発電について、政府のGX実行会議のメンバーの経団連の十倉雅和会長は年頭向けインタビュー で、

「原発はある種のトランジション(移行期)の技術。ゆくゆくは核融合(発電)に行き着かなければ、人類の未来はない」と述べ、高レベル放射性廃棄物(核のごみ)が大量に出る原発からは将来的に脱却する必要があるとの認識を示した。

十倉会長2022年9月5日には次のように述べている経団連の発表)

〔岸田総理が、原発の新増設やリプレース、運転期間の延長を検討する考えを示したことについて問われ、〕

高く評価したい。今後、原発の活用促進に向け、特に、安全性と放射性廃棄物について国民の理解を得ていくことが重要である。国が前面に立ち、国民・地域住民に、原発の安全性を分かりやすく説明しながら、次世代革新炉の開発・建設を推進する必要がある。また、放射性廃棄物に関しては、核燃料サイクル・最終処分の確立が不可欠である。

 

「GX 実現に向けた基本方針」は下記の通り。

1) 徹底した省エネルギーの推進、製造業の構造転換(燃料・原料転換)

2) 再生可能エネルギーの主力電源化

脱炭素電源として重要な再生可能エネルギーの導入拡大に向けて、国民負担の抑制と地域との共生を図りながら、安全性(Safety)を大前提とし、自給率(Energy Security)、経済効率性(Economic Efficiency)、環境適合(Environment)を同時達成することをを大前提に、主力電源として最優先の原則で最大限導入拡大に取り組み、関係省庁・機関が密接に連携しながら、2030 年度の電源構成に占める再生可能エネルギー比率 3638の確実な達成を目指す。

3) 原子力の活用

4) 水素・アンモニアの導入促進

5) カーボンニュートラル実現に向けた電力・ガス市場整備

6) 資源確保に向けた資源外交など国の関与の強化

7) 蓄電産業

8) 資源循環

以下、各分野
 

本文 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/gx_jikkou_kaigi/dai5/siryou1.pdf

参考資料 https://www.cas.go.jp/jp/seisaku/gx_jikkou_kaigi/dai5/siryou2.pdf


2023/1/5  米国のインフレの見通し 

米FRBは新型コロナウイルス危機への対応として始めたゼロ金利を2022年3月に2年ぶりに解除、インフレ抑制に向けて大きな一歩を踏み出した。6月からは0.75%の利上げを4回連続で行った。

 
2018/12 2.25%〜2.50% +0.25%
2019/7

2.00%〜2.25%

-0.25%
2019/9

   1.75%〜2.00%

-0.25%
2019/10

1.50%〜1.75%

-0.25%
2020/3

1.00%〜1.25%

-0.50%
2020/3

0.00%〜0.25%

-1.00%
2022/3 0.25%〜0.50% +0.25%
2022/5 0.75%〜1.00% +0.50%
2022/6 1.50%〜1.75% +0.75%
2022/7 2.25%〜2.50% +0.75%
2022/9 3.00%〜3.25% +0.75%
2022/11 3.75%〜4.00% +0.75%
2022/12 4.25%〜4.50% +0.50%

金利アップの結果か、米国の11月のCPIは7.1%で、6月の9.1% (1981/11 以来の水準)から下落しつつある。


FRBの大幅利上げにより、インフレは今後、FRBの目標とする2%の水準までさがるであろうか。

下がらないであろうとする見方が2つある。

 

1つは「粘着インフレ 論」である。

米アトランタ連銀は毎月、粘着価格(Sticky-price)CPI と弾力価格(Flexible-price)CPI を発表している。

https://www.atlantafed.org/research/inflationproject/stickyprice

粘着価格(Sticky-price)CPI は、家賃や外食料金、 公共交通、医療関係など、あまり変化しないもの(平均して4.3ヶ月以上は変わらない)で、但し、いったん上昇し始めるとなかなか下がらない品目を集めた物価指標である。

逆に、弾力価格(Flexible-price)CPIはガソリン価格や新車価格、生鮮食品など振れやすい品目を集めた物価指標である。

CPIのうち、約70% が粘着価格(Sticky-price)CPI で、残りの約30%が弾力価格(Flexible-price)CPI に属するとされている。

 

最近の状況は下図の通り。

粘着価格(Sticky-price)CPI は長く2%台で推移していたが、2021/6に3%台、2022/1に4%台に上がり、その後上がり続けて11月は6.6%まで上昇、1982年の不況期以来、40年ぶりの高さとなった。

逆に弾力価格(Flexible-price)CPI は2021年初めから急増し、2022年3月には20.0%に達したが、その後は急落し、11月には9.9%になっている。

過去からの推移:

 

最近の米国の物価:CPI、PCE(個人消費支出)、PPI(卸売物価)の下落は弾力価格CPIの下落によるものである。

大きな部分を占める粘着価格(Sticky-price)CPI は上がり続けており、これらは、いったん上昇し始めるとなかなか下がらない品目である。
これにより、全体のCPIは高止まりするのではと見られる。

上図の連銀のグラフにみられるように、粘着価格CPIがピークを打ち、下がるまでには時間がかかる。今回もそうなるのではとの懸念がある。

今回、粘着価格が上昇しているのは、下記の理論が関係していると思われる。

ーーー

物価がさがらないとするもう一つの考えは、渡辺務 東京大学大学院経済学研究科教授の「世界インフレの謎」に示されている。

今回のインフレは、ロシアのウクライナ侵攻の前に起こった。原因は新型コロナの蔓延であると推測する。

これによる3つの事態で供給不足が起こったとみる。これにウクライナ問題が加わった。

各国の中央銀行はこれまで、需要過多によるインフレに対し、金利アップで対処してきた。金利アップで需要を抑えれば対応できた。

しかし、中央銀行は供給不足によるインフレには対応策を持たない。金利をアップすれば需要は抑えられるが、供給は増えない。

それでも、現在のFRBの対応のように金利を上げるしかないが、その結果、不況に陥るおそれもある。

 

いずれにせよ、金利を上げていけば早期にインフレが収まるとは期待できないと思われる。

 

なお、日本については、渡辺務著「世界インフレの謎」では「日本だけが苦しむ『2つの病』:デフレという慢性病急性インフレ」という1章を設けて説明している。

日本で金融引締をすれば、急性インフレは治すことができるが、長年の慢性デフレをさらに悪化させる。

変化の兆しは見えているが、@スタグネーションの到来か、A慢性デフレからの脱却か、の分かれ道にあるとしている。


2023/1/6  米、ねじれ議会スタート 、共和党の内部分裂で下院議長決まらず 

米国の新メンバーによる議会が1月3日にスタートした。

上院は民主党、下院は共和党が多数となるねじれ議会となる。

上院

  共和党 民主党 民主系
無所属
無所属 合計
選挙前 50 48 2   100
選挙後 49 48 2 1 100

50

 * 上院の議長は副大統領(民主党)    無所属は元民主党員

下院

  共和党 民主党 欠員 合計
選挙前 212 220 3 435
選挙後 222 212 1 435

 バージニア州の民主党 Donald McEachin が当選後の11月28日に死去した。当面 欠員で、2/21に特別選挙を実施する。


下院で多数党となった共和党が内部分裂している。

民主党Nancy Patricia Pelosi 下院議長の後任を決める下院での選挙は1月3日に実施された。

下院で多数派となった野党・共和党のKevin McCarthy 院内総務が当然、選ばれるはずであったが、彼の議長就任に反対する共和の一部議員が造反し、党内の足並みの乱れを露呈した。

1回目の投票結果は民主党のJeffries 院内総務が212票、共和党のMcCarthy が203票で、いずれも過半数となる218票に達せず、2回目、3回目も同様であった。4日に再開し、出席議員の過半数を得る候補が出るまで投票を繰り返す。

下院議長が1度の投票で選ばれなかったのは100年ぶり。

McCarthy 議員の選出に反対している勢力は共和党の保守強硬派の議員連盟「Freedom Caucus」のメンバーで、トランプ前大統領を支持する。McCarthy 議員が議長になったら、民主党との妥協に応じるのではないかと強硬な姿勢を崩さない。

Jim Jordan 議員は
議長職を望んでいないと発言し、2回目の投票から
McCarthy 議員に票を入れている。

McCarthy 議員は強硬派対策として、保守強硬派の説得に当たってきた。
議長解任動議の提出条件は会派の半数の賛成であるが、発言力を高めたい保守強硬派は議員1人でも提出できるよう規則変更を求めた。
McCarthy 議員は拒否していたが、議員5人での提出を認める妥協案を示して懐柔を図った。

1月4日、投票に先立ち、そのトランプ前大統領がマッカーシー氏を支持するよう共和党に結束を呼びかけたが、20人の共和党員が造反を続けた。

この日の3回の投票は全く同じで、前日に造反議員が投票したJim Jordan議員が議長職を望んでいないと発言したことから、2日目はByron Donalds 議員に投票した。

その結果、共和党のMcCarthy 議員は過半数の218票に達せず、この日も当選しなかった。

逆に民主党は、ペロシ前議長の後を継いだジェフリーズ院内総務が全議員の票を集め、団結を誇った。

  Candidate 1月3日 4日
1回目 2回目 3回目 4〜6回目
民主党 Hakeem Jeffries 212 48.8% 212 48.8% 212 48.8% 212 48.8%
共和党 Kevin McCarthy 203 46.8%  203 46.8% 202 46.5% 201 46.3%
Andy Biggs 10 2.3%            
Jim Jordan 6 1.4% 19 4.4% 20 4.6%    
Byron Donalds 1 0.2%         20 4.6%
Jim Banks 1 0.2%            
Lee Zeldin 1 0.2%            
棄権             1 0.3%
Total votes 434 100 % 434 100% 434 100% 434 100%
必要投票数(過半数) 218   218   218   217  


下院は1月5日正午(日本時間6日午前2時)に再度投票を行うことを決定した。

トランプ前大統領の説得にも応じない状況で、早急な解決は難しい。決まるまで何度も投票を繰り返すことになる。

また、新しい議長が選ばれても、予算や法案審議で同じような造反が起きかねない。

ねじれ議会でただでさえ、運営が難しいが、共和党内の混乱で、ますます難しくなる。

 

速報 1月5日も5回の投票で決まらなかった。

 

  Candidate 7回目 8回目 9回目 10回目 11回目
民主党 Hakeem Jeffries 212 212 212 212 212
共和党 Kevin McCarthy 201 201 200 200 200
Byron Donalds 19 17 17 13 12
Kevin Hern   2 3 7 7
Trump 前大統領 1     1
Total votes 433 433 432 432 432
棄権 1 2 2 2
必要投票数(過半数) 217 217 217 217 217
 

上院は1月23日まで休会中。

 

 

2023/1/7     ジャパンディスプレイ、中国製造子会社の売却完了

ジャパンディスプレイ(JDI)は2022年12月30日、中国の製造子会社Suzhou JDI Electronicsの全株譲渡が完了したと発表した。譲渡額は205億円を想定していたが、その後の資産増減などで267億3千万円に確定した。

譲渡に伴い、2023年3月期に、関係会社株式売却益約148億円を特別利益として、事業構造改善費用約35億円を特別損失としてそれぞれ計上する見込み。

同社は2022年10月にSuzhou JDI Electronicsの全株式を、現地Suzhou Dongshan Precision Manufacturing Co., Ltd.(DSBJ)に譲渡することを決めた。

資産内容の適正化やコスト競争力の強化、サプライチェーン(供給網)の多様化などが狙いとしている。


Suzhou JDI の当初の社名は
素尼移動顕示器(蘇州)で 、1996年に設立され、2012年7月にJDIが買収し、子会社とした。

JDIは全株式の売却後も引き続きSuzhou JDIに生産を委託し、固定費の軽減につなげる。譲渡先のDSBJはプリント基板、液晶モジュールの製造や金属精密加工などを手がける複合企業。

ーーー

JDIの当初の海外製造子会社は下記のとおりであった。

Suzhou JDI Electronics 江蘇省蘇州市 素尼移動顕示器(蘇州)を買収 今回売却完了
Nanox Philippines Philippines ナノックス(日本板硝子100%子会社)より、81%取得 存続
Kaohsiung Opto-Electronics 台湾 旧 高雄日立電子 Wistronに売却
Suzhou JDI Devices 江蘇省蘇州市 旧 日立顕示器件(蘇州) 中国企業に売却
Shenzhen JDI 広東省深圳市 旧 深圳日立賽格顕示器 中国企業に売却


Kaohsiung Opto-Electronics

JDIは2021年7月8日、液晶モジュールの設計・製造を手がける台湾子会社のKaohsiung Opto‐Electronics Inc.の全株式を、現地での製造委託先であるWistron Corporationのグループ企業に譲渡することを決めた。

資産圧縮の一環で、譲渡価額は暫定80億円、2021年10月に85億8200万円で確定、2021年12月1日付で譲渡が完了した。

譲渡先のWistronは世界的なEMS(電子機器の受託製造)企業で、同社とJDIはスマートフォン用ディスプレーのモジュール製造を長年委託する関係にある。

Suzhou JDI Devices)

JDIは2018年4月にSuzhou JDI Devices Inc.の全株式を、資本・人的・取引関係のない中国企業へ譲渡した。子会社整理損(株式売却損、従業員への経済補償金等):155億円以上

その後、譲渡関連債権の評価額を全額切り下げ、同額を事業構造改善費用として計上、以降、本債権の回収に向け債務者との協議を継続してきた。

その後、債務者と関係のある中国企業から本債権の一部を約20億円で譲り受ける旨の提案があり、2022年5月に譲渡契約を締結した。

Shenzhen JDI)

2018年4月に中国企業に売却

 


2023/1/7   米下院の議長選挙 、ようやく決着

米下院は多数派の共和党のKevin McCarthy 院内総務を議長に選ぶ投票が1月3日に行われたが、トランプ前大統領を支持する保守強硬派の議員連盟「Freedom Caucus」のメンバーが反対し、過半数を取れないまま、1月4日、5日と、合計11回の投票を行い、決まらないまま、6日に投票を続けた。

2023/1/6 米、ねじれ議会スタート 、共和党の内部分裂で下院議長決まらず   

下院では先ず議長を選び、10月の選挙で選ばれた全議員はその議長のもとで就任宣誓を行う。議長が決まらないため、まだ就任宣誓を行えないままである。

上院は1月23日まで休会中 のため、実際の議事進行には今のところ支障はない。

 

1月6日に投票が再開された。

これまで共和党の下院議員222人のうち、20人が造反に回っていた。昨日からの説得で、12回目で13人、13回目で14人が造反を取り下げ、マッカーシー氏に投票した。造反を続ける議員は6人に減った。

しかし、McCarthy議員は投票参加議員の過半数に3票不足した。

議会はいったん休会に入り、6日午後10時(日本時間7日正午)に再開することが決まった。

再開後の14回目の投票で、Kevin McCarthyはあと1票に迫ったが、駄目だった。このあと、休会に入った。


下院は1月7日未明、15回目の投票で、ようやく新議長に共和党の
Kevin McCarthy 院内総務を選出した。

造反する保守強硬派の6名は"present"(名前を呼ばれて「出席」と答えたまま、投票しない)で棄権し、民主党のHakeem Jeffries が終始、民主党全員が投票して212票、共和党のMcCathyが216票で、有効投票426の過半数214票を2票オーバーし、ようやく当選した。

棄権したのは、Lauren Boebert, Matt Gaetz, Andy Biggs, Eli Crane, Bob Good、Matt Rosendale の6人の共和党議員。

当初、保守強硬派の議員連盟「Freedom Caucus」のメンバーの20名が反対したが、13回目でうち14名がMcCathyの妥協案(下記)を受け入れて、賛成に回った。しかし、この6名は最後まで賛成に回らなかった。

共和党は下院で過半数を得たとはいえ、差は10票であり、「Freedom Caucus」のメンバーの30〜40名(とされる)が結果を左右することもあり得る。Kevin McCarthy 新議長は苦しい運営を余儀なくされる。

  Candidate 11回目   12回目 13回目 14回目 15回目
民主党 Hakeem Jeffries 212 211 212 212 212
共和党 Kevin McCarthy 200 213 214 216

216

Byron Donalds 12        
Kevin Hern 7 3      
Jim Jordan   4 6 2  
Andy Biggs       2  
Trump 前大統領 1        
Total votes 432 431 432 432 428
棄権 2 3 2 2 6
必要投票数(過半数) 217 216 217 217 214
Kevin McCarthy 不足票数 17 3 3 1 -

 

報道によれば、この間、McCathyは反対派の説得のため、多くの妥協をしてきた。 下記はその一部。

議長解任動議の提出条件は会派の半数の賛成であるが、 さきにMcCarthy 議員は議員5人での提出を認める妥協案を示して懐柔を図ったが、最終的に1人で動議を出せることを認めた。

本会議にかける議案を決定する強力な権限を持つ下院規則委員会に、フリーダム・コーカスからより多くの議員が参加することを認めた。

反対派議員が優先事項に挙げるいくつかの法案(委員の任期制限や国境保全の計画に関する提案など)を採決にかけることにも同意した。

 

なお、「Freedom Caucus」のメンバーの20名のほとんどが今回の選挙でトランプの推薦を受けている。しかし、トランプがマッカーシーを支持するよう共和党に結束を呼びかけたが、20人の共和党員が造反を続けた。

トランプ前大統領の影響力が弱まったのではとの見方がある。


2023/1/9 エーザイのアルツハイマー治療薬、FDAから迅速承認を取得 

エーザイとBiogenは1月7日、米国FDAアルツハイマー病の新薬の抗アミロイドβ(Aβ)プロトフィブリル抗体LECANEMAB開発コード:BAN2401、米国ブランド名:LEQEMBI™ 注射 100 mg/mL 溶液)について、アルツハイマー病の治療薬として、迅速承認した と発表した。

付記

エーザイは1月11日、「レカネマブ」について、欧州医薬品庁(EMA)に販売承認を申請したと発表した。2023年度中の承認を目指す。日本でも22年度中に承認を申請する。


付記

エーザイは1月16日、厚生労働省所管の医薬品医療機器総合機構(PMDA)に承認を申請したと発表した。

 

本承認は、LEQEMBI アルツハイマー病 特徴である脳内蓄積した Aβ プラーク減少効果した臨床第II相試験201 試験の結果に基づくもの 。

アルツハイマー型認知症は脳内にベータ・アミロイド(Aβ)が凝集し、中間体(Aβプロトフィブリル)が神経変性過程を誘発・促進すると示唆されている。

アルツハイマー病免疫療法には、Aβを投与して生体内でAβに対する免疫反応を惹起させるワクチン療法や、Aβをターゲットとしたモノクローナル抗体を投与する抗体療法がある。

LECANEMAB(BAN2401)は、アルツハイマー病に対する免疫療法剤創製を目的としたヒト化モノクローナル抗体で、ベータ・アミロイド(Aβ)を分解除去する。

エーザイとBiogen, Inc.は2022年11月30日、LECANEMAB(BAN2401)について、大規模なグローバル臨床第V相Clarity AD検証試験の結果を第15回アルツハイマー病臨床試験会議において発表した。

プラセボとの比較で認知機能の低下を27%抑制したことを報告した。

2022/9/29 エーザイ、アルツハイマー病の新薬で “症状悪化抑える効果確認”  


FDAは1992年から迅速承認(accelerated approval)プログラムを開始した。

重篤もしくは生命を脅かすような疾患を対象として、臨床上の有用性が予測できるようなサロゲート(代替)エンドポイントに基づいて医薬品を評価、承認するというもので、市販後に、臨床上の有用性を示すことのできる評価項目を用いて検証試験を実施するということが条件となっている。市販後の検証試験結果によっては、承認が取り消される。

本適応症は、LEQEMBI 治療により観察された Aβ プラーク減少づき、迅速承認の下で承認されており、検証試験により臨床的有用性を確認することが要件となっている。

エーザイは、最近発表した大規模なグローバル臨床第III相検証試験である Clarity AD 試験のデータを用い、フル承認に向けた生物製剤承認一部変更申請 FDA に対して1月7日に行った

内藤社長は「日本で一日も早く申請する」と述べた。「新薬の対象患者は2030年に約250万人にのぼる」と予想する。欧州や中国でも早期の実用化を目指しており、「2年目後半から3年目にかけての利益貢献を」目指している。

 

今回承認された LEQEMBI 適応症は、アルツハイマー病の治療で、軽度認知障害または軽度認知症患者において開始する必要がある。

上図の通り、LEQEMBIは脳内にベータ・アミロイド(Aβ)が凝集するのを防止する。
既に凝集し、中間体(Aβプロトフィブリル)が神経変性過程を誘発・促進した後では効果がない。

軽度認知障害または軽度認知症よりも早期または後期段階での治療開始に関する安全性と有効性データはない。症状が悪化すると使えない。

このため、患者に薬が使えるかどうかを確認するため、脳内のアミロライドベータの蓄積量を事前にPETや脳脊髄液(CSF)といった検査で調べる必要がある。

PET検査には数十万円かかる。CSFは麻酔をかけるため身体への負担が大きい。

普及にはしっかり診断できる専門医や施設が必要とされる。

 

LEQEMBI 米国での発売価格を年間 26,500 ドルに設定した。10 r/kg 推奨用量とし 2 週間に 1 点滴静注する。

正式に承認され、高齢者向け公的医療保険 Medicare の適用対象になれば、自己負担額は1日あたり14.5ドルになると推定している。

今後、日本で承認された場合は、公的保険診療になることが見込まれる。通常は米国よりも薬価が抑えられるが、それでも百万円単位になるとみられる。
患者の自己負担は、国の高額療養費制度があるため、70歳以上の一般所得層(年収156万〜約370万円)の場合は年14万4000円が上限になる。

ーーー

エーザイとBiogenは2014年3月に提携を開始した。

現状は次の通りで、アリセプトを除き、開発で提携している。

エーザイ アリセプト 〈提携対象外〉
(donepezil)
エーザイの杉本八郎博士らが開発
 
アルツハイマーでは、神経伝達物質のアセチルコリンが脳内で減少している。

アセチルコリンを分解するアセチルコリンエステラーゼの作用を阻害することで、アセチルコリンの濃度を高める。

新規ヒト化モノクローナル抗体
「BAN2401」
LECANEMAB  

今回FDAが迅速承認

2007/12 スウェーデンのBioArctic Neuroscience ABから全世界の研究・開発、製造、販売の独占ライセンスを受ける。 アルツハイマー病の原因と考えられるベータ・アミロイド成分を除去
βサイト切断酵素(BACE)阻害剤
elenbecestat「E2609」 
 
x試験中止
エーザイが創製

 

アミロイド前駆体タンパク質のβサイト切断酵素であるBACEを阻害することでβアミロイドの総量を低下させる。
Biogen 抗アミロイドβ(Aβ)抗体  
aducanumab
(ADUHELM)
 
→ 申請→FDA優先審査
 
2021/6/7 迅速承認→
監査部門に調査を要請
2021/12/22  厚労省 継続審議
 
Neurimmune社より共同開発およびライセンス契約締結のもとに導入 アミロイド斑(プラーク)は、アミロイドβ蛋白が蓄積したもので、アルツハイマー病患者の脳にみられる。

aducanumab 投与でアミロイドプラークのレベルを下げる

 

米食品医薬品局(FDA)は2021年6月7日、エーザイと Biogenが共同で開発するアルツハイマー型認知症治療薬候補ADUHELM(一般名:アデュカヌマブ)について、脳内アミロイドβプラークを減少させることにより、アルツハイマー病の病理に作用する初めてかつ唯一治療薬として迅速承認(accelerated approval)したと発表した。

従来の認知症薬とは異なり、認知機能の低下を長期的に抑制する機能を持つとして世界で初めて承認された。

2021/6/8   エーザイとバイオジェンのアルツハイマー新薬、米で承認


米厚生省のCenters for Medicare & Medicaid Services(CMS)は2022年4月7日、米Biogenがエーザイと共同開発したアルツハイマー病治療薬ADUHELM(一般名:アデュカヌマブ)のMedicare(高齢者・障害者向け医療保険制度)適用対象について、特定の臨床試験に参加する患者に制限する計画を最終決定した

これにより、アルツハイマー病患者の大半はADUHELMへのアクセスを事実上阻まれる。これの撤回を働き掛けていたBiogenにとり、今回の最終決定は打撃となった。

ただ、CMSの当局者は、将来の大規模試験で臨床的利点が明確に示され、米食品医薬品局(FDA)から完全な承認を得たアルツハイマー病治療薬については、Medicareの適用対象をより幅広くするとしている。

2022/4/11 バイオジェンのアルツハイマー薬、米 Medicareが給付対象を大幅制限  

 



2023/1/10 塩野義製薬、韓国で
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬 ゾコーバの新薬承認申請
 
塩野義製薬は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)治療薬エンシトレルビル フマル酸(ゾコーバ錠125 mg)について、韓国で、提携先である日東製薬(Ildong Pharmaceutical )を通じ「SARS-CoV-2による感染症」を適応として、1月3日に食品医薬品安全処に新薬の条件付き製造販売承認申請を行った。 

塩野義は中国でもゾコーバの承認申請に向け、規制当局に資料を提出している。

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日本の厚生労働省の薬事分科会などの合同会議は塩野義製薬が開発した新型コロナ飲み薬「ゾコーバ」の緊急承認を見送る判断を下していた。

塩野義は9月に最終段階の臨床試験(治験)のデータを公表した。軽症・中等症の患者が1日1回、5日間服用し、鼻水や発熱、せきなど5症状が消えるまでの時間が約8日から約7日に短縮することを示した。ウイルス量減少も報告した。

厚生労働省の専門家分科会は2022年11月22日、塩野義製薬が開発した新型コロナ飲み薬「ゾコーバ」の緊急承認を了承した。安全性を確認したほか、症状改善を早める有効性が推定できると判断した。
厚労省は同日、承認した。
軽症者に使える初の国産飲み薬となる。

2022/7/25  塩野義コロナ飲み薬、「緊急承認」見送り → 承認

「鼻水や発熱、せきなど5症状が消えるまでの時間が約8日から約7日に短縮する」という報道が誤解を生んだ。「たった1日の短縮なら意味がない」との趣旨の発言が多く出た。

「約8日から約7日に短縮する」というのは、5症状〔@倦怠感又は疲労感、A熱っぽさ又は発熱、B鼻水又は鼻づまり、C喉の痛み、D咳〕の全てが消える時間であり、 下図の通りウイルス量は早くに減少するため、多くの症状は早く消え、患者への効果は大きい。

投与により患者のウイルス量は4日目には大きく減少するため、感染防止上の効果は大きい。

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韓国のIldong Pharmaceutical と塩野義製薬は1980年代初めから40年間協力関係を維持している。 塩野義の抗生物質「フルマリン」や特発性肺線維症治療剤「ピレスパ」などの国内承認取得と生産を行い、今回の件で初めて臨床段階で協力することとなった。

Ildong Pharmaceutical は2021年11月に塩野義製薬とS-217622(ゾコーバ)の共同開発に着手した。食品医薬品安全処から臨床試験計画(IND)の承認を受け、両社共同で日本、韓国、シンガポール等で多国籍臨床(P23)を進め た。

塩野義製薬は2022年9月16日、日本を除くアジア諸国におけるゾコーバの独占的な開発・販売権を有している平安塩野義(香港)とIldong Pharmaceutical の間で、韓国におけるCOVID-19治療薬S-217622の緊急使用許可(EUA)申請、およびEUA下での政府購入交渉に関するサブライセンス契約を締結した。

Ildong Pharmaceutical は、日本を中心にアジアで実施している第2/3相臨床試験データをもとに、韓国内でのEUA申請および承認取得後の政府購入を目指し、政府当局との協議を進める。

また、一定の条件を満たす場合、Ildong Pharmaceutical は韓国における製造権の許諾を受け、塩野義製薬および平安塩野義香港の技術支援の下、韓国向け製品の製造を担う。Ildong Pharmaceutical はへの技術移管が完了するまでは、塩野義グループより製品を供給する。

平安塩野義(香港)は、塩野義と中国平安保険の合弁会社として2020年に設立された。主な事業として資本投資、知的財産ライセンスマネジメント、中国を含むアジア各国への製品輸出入業務を行う。(塩野義 51%:平安保険 49%)

2020/7/27 塩野義製薬、中国平安保険と合弁会社設立 


日本の厚生労働省の薬事分科会などの合同会議は塩野義製薬が開発した新型コロナ飲み薬「ゾコーバ」の緊急承認を見送る判断を下した。

この時点で、日本に先んじて韓国でIldong Pharmaceutical が承認申請する案も検討されたとされる。

結局、厚労省は11月22日に承認した。

韓国の疾病管理庁はこの直後にゾコーバの導入を検討していることを明らかにし ている。

疾病管理庁が緊急使用を要請する場合、製薬会社が通常の承認申請をしなくても、食品医薬品安全処が早急に審査し、使用の可否を決定する。

今回は、このルートを使わず、Ildong Pharmaceutical が承認申請した。
 


2023/1/11 韓国SK On のトルコの電池JV計画 白紙撤回へ 

韓国メディアによると、SK Innovationの電池子会社 のSK On がトルコでの電池合弁工場の建設計画を白紙撤回する見通しとなった。SK Onは「基本合意後の協議は長期化している。ただ(白紙撤回の)最終決定はしていない」とし、交渉が難航している状況は認めた。

米 Ford Motor とトルコ財閥の Koc Holdingの3社による合弁として2022年3月に基本合意した。その後は資金調達の不調や物価高などで3社の協議が進まなかったという。

世界的な物価高による建設コスト上昇と、先進国の金融引き締めで建設資金の確保が難しくなった。

SK onはFordとの合弁工場3カ所のほか、中国やハンガリーでも工場拡張を進めて おり、急激な生産能力増強に資金力が追い付いていない。

SK Innovationは2021年10月1日、電池事業を分社し、全額出資の「SKオン」(SK on)を設立した。EVの世界的な普及による需要急増に対応するため、電池事業を上場させて増産資金を確保する狙いがある。

当時は2022年中の新規株式公開(IPO)による大規模な資金調達を目指していたが、リスクマネーの先細りからIPOは延期を迫られた。2022年12月には親会社SK Innovationを引受先とする第三者割当増資で2兆ウォン(約2100億円)の投資資金を確保した 。

 

Ford はSKとの交渉が難航するなか、代案としてLG Energy Solutionにバッテリー合弁工場を提案し、関連協議を進めているとされる。 ただ、LG Energy Solution側はまだ関連協議が具体的に決まったことはないと明らかにした。

Fordはトルコ事業でLGと組む場合も、残りのプロジェクトではSK onとの協力を続ける。

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SK Innovationは2022年3月14日、SK onとFord Mortor、トルコ財閥大手Koc Holding の3社合弁でトルコのAnkara近郊に車載電池工場を建設すると発表した。

年間生産能力は30〜45ギガワット時(一般のEVで50万〜75万台分に相当)を想定しており、早ければ2025年に量産を始める。主に欧州のFord Groupの完成車工場に供給する。

新工場の投資金額は2000億〜3000億円規模にのぼるとみられ、3社の負担比率は今後詰めるという。

Ford は トルコ Koc Holding との合弁会社Ford Otosanを持ち、主に商用車を年間45万台ほど生産している。

SKとFord が米国での電池合弁を設立したのに続けて、トルコではKoc Holding を連合に加えて電池供給能力を高める。

(SKーFord の米国計画)

SK on とFordの合弁の米国の電気車用バッテリー生産会社「Blue Oval SK」が公式発足した。2022年7月14日に発表された。

Ford Motorは2021年9月27日、114億ドルを投資し、米国に電動ピックアップトラック F-150 Lightning Electric Truck の組立工場と、3つの電池工場を新設すると発表した。

3つの電池工場についてはFord とSK InnovationのJVのBlue Oval SKが建設、運営する。

バッテリー工場に両社がそれぞれ44億5000万ドルずつを投資し、組立工場にはFord単独で25億ドルを投資する。

テネシー州Stanton にBlue Oval Cityを建設する。電動ピックアップトラック「F-150 Lightning Electric Truck」の組立工場と、新JVのBlueOvalSKのリチウムイオン電池工場及び主要サプライヤーの拠点とリサイクル施設が建設される。投資額は56億ドル。

ケンタッキー州Glendale には58億ドルを投じてBlueOvalSK Battery Parkを建設する。新JVのBlueOvalSKが2つの電池工場をつくる。

電池工場の年間能力はテネシー工場が43GWh、ケンタッキー工場が86GWhで、合計129GWhとなる。フル稼働時にEV約220万台のバッテリーを供給できる。

2022/7/16  SKとFordのバッテリーJV 発足 

SK Innovationとしての米国での年産能力は、同社が単独で建設中の21.5GWh(2022年量産開始)と合わせ150.5GWhとなる。

 

この時点でのSKの欧州の電池計画はトルコを入れると77.5〜92.6SWh となる。

当時の世界の計画は下図の通り。


2023/1/12 韓国、大統領の鶴の一声で半導体業界への税制支援を拡大 
 

韓国政府は1月3日、「半導体などの税制支援強化策」を発表した。

政府はこれまで支援強化に消極的な立場だった。与党「国民の力」の半導体特別委員会は20%(大企業の場合)の税額控除を、最大野党「共に民主党」は10%の税額控除を主張したが、政府は韓国の半導体税制支援は主要国と比べても高水準だとの立場を崩さなかった。

その結果、国会は12月23日に、2023年から半導体の設備投資を行った大企業に対する税額控除を現行の6%から8%に引き上げる内容を盛り込んだ改正租税特例制限法を可決した。

しかし、12月30日に尹錫悦大統領が半導体など国家戦略産業に対する税制支援拡大を検討するよう指示すると、鶴の一声で方針転換した。

 

今回の「強化策」で、半導体施設に投資する大企業に対し、投資税額控除を従来の6%、昨年末の改正での8%から15%に引き上げる。
中小企業は現行の16%から25%に引き上げる。

これとは別に、本年に限り、企業の投資増加分(直前3年間の平均値比)に対して、追加の10%を控除する。

合わせると、半導体・バッテリー・ディスプレーなど国家戦略技術の設備投資を行った大企業は25%、中小企業は35%の税額控除を受けることができることとなる。

副総理兼企画財政部長官は、「半導体は、韓国経済の大切な中枢産業であり、大韓民国の未来競争力および国家安保、生存に直結する戦略資産だ」とし、「国家戦略産業のグローバル競争力の確保と共に、企業の全般的な投資心理を回復するための画期的な税制支援策を用意した」と明らかにした。

また、政府はこれ以外の投資に関し、2011年以降中止されていた臨時投資の税額控除を今年に限って再導入し、一般投資の税額控除率を1〜10%から3〜12%に、新成長・コア技術への投資は3〜12%から6〜18%にそれぞれ引き上げることにした。


今回の支援策は、今年1月1日からの投資分にさかのぼって適用できるよう立法を推進する。政府は関連法改正案を今月中にとりまとめ、最大限速やかに可決することを目標とする

国会の議決を必要とするが、国会での可決直後に、一転して、野党主張よりも多い税額控除案を出すことになるため、野党の反対も予想される。


2023/1/13    米下院、今後2年間の下院運営を規定する内部規則を採択  

米下院は多数派の共和党のKevin McCarthy 院内総務を議長に選ぶ投票を1月3日に行ったが、共和党の下院議員222人のうち、20人が造反に回 り、賛成が有効投票数の過半数に達せず、議長の選任ができなかった。

説得により12回目で13人、13回目で14人が造反を取り下げ、Kevin McCarthy 院内総務に投票した。造反を続ける議員は6人に減った。
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月7日未明、15回目の投票で、ようやく新議長に共和党のKevin McCarthy 院内総務を選出した。

造反する保守強硬派の6名は"present"(名前を呼ばれて「出席」と答えたまま、投票しない)で棄権し、共和党のMcCathyが216票で有効投票426の過半数214票を2票オーバーし、ようやく当選した。6人は最後まで賛成せず、棄権して有効投票数を減らすことでMcCarthy 院内総務の議長就任に至った。

この過程で、造反した保守強硬派の議員連盟「Freedom Caucus」のメンバーは、賛成・棄権の条件として自派の主張を次々とMcCarthy 院内総務に呑ませた。

野党の共和党は下院では 222 対212 で民主党から主導権を奪い取ったが、10票差という小差であることを利用し、共和党内では少数派である「Freedom Caucus」のメンバーが共和党首脳陣をおどすことで下院の主導権を握った形となる。今後の運営でも同じ手法をとると思われ、混乱が予想される。

2023/1/7   米下院の議長選挙 、ようやく決着   

 

共和党が主導する米下院は1月9日、今後2年間の下院運営を規定する「内部規則 」 (rules package)を採択した。

220対213の賛成多数で法案を承認した。共和党のTony Gonzalez議員は民主党の212人全員と共に反対票を投じた。もう1人の共和党議員は棄権した。

  共和党 民主党 合計 欠員
賛成 220   220  
反対 1 212 213  
棄権 1   1  
合計 222 212 434 1

この規則は今後2年間の下院運営を規定するもので、共和党右派強硬派がMcCarthyの議長選任就任の承認の条件として求めていた 多くの重要な譲歩が含まれている。

主な内容:

・ 1人の議員がいつでも議長(Kevin McCarthy )の解任を要求できるようになった。

        (従来は会派の半数の賛成、McCarthy 議員は議員5人での提出を認める妥協案を示して懐柔を図ったが、最終的に1人で動議を出せることを認めた。 「Freedom Caucus」が反対する案を通すなら、いつでも解任動議を出すとの脅しである。)

・ 新型コロナのため議員が議場にいなくても代理議員を通じて投票できる例外措置を終了した。

・ Trump前大統領のサポーターの議場乱入事件調査やTrump自身の捜査などで連邦司法当局を「武器化 (Weaponization)」したことを調査する特別委員会の設置

司法省はフロリダ州南部地区連邦地方裁判所が求める手続きにのっとり、8月8日にトランプ氏所有の邸宅「マール・ア・ラーゴ」を捜索し、文書を押収した。

共和党議員は民主党を非難し、「もう十分だ。司法省は容認しがたい状態まで政治を武器化した。共和党が下院を奪還した際には、われわれは直ちに監査を行う」とツイッターに投稿した。

・ ペンディングになっている法案は、国民及び議員がレビューする時間を与えるため、投票の72時間前に公表する。

・ 増税阻止、支出カット推進

増税には下院の3/5の賛成が必要(過半数の218票ではなく、261票の賛成が必要)
支出カットのための色々なルール

・ 経済に影響を与える法案についてはインフレへの影響を評価

・ 下院を、もっと分かりやすく、透明かつ効率的に

 

なお、下院はこれから各委員会の委員を選任するが、McCarthyは、本会議にかける議案を決定する強力な権限を持つ下院規則委員会にFreedom Caucus からより多くの議員が参加することを認めさせられた。

 


 

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