日本とアジアの石油化学の現状その他を、各社のホームページや新聞雑誌情報を基にまとめ
た個人のデータベースです。


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三洋電機  世界最高のセル変換効率の「太陽光発電システム」を発売

         北米でHIT太陽電池モジュールの生産を開始


2002/8/8 三洋電機

量産レベルで世界最高
※1のセル変換効率18.5%の
190W HIT太陽電池モジュールを採用した「太陽光発電システム」を発売
  ー わずか16枚(19m2)で3kWシステムを実現 −
     
 http://www.sanyo.co.jp/koho/hypertext4/0208news-j/0808-2.html


三洋電機株式会社は、従来の17.3%を大幅に上回る18.5%(103.5mm角)という量産レベルでは世界最高
※1変換効率となるHIT太陽電池セルを用いた「190W HIT太陽電池モジュール(世界最高※1モジュール変換効率16.1%)」、及び本モジュールを採用した「太陽光発電システム」を10月1日より発売します。


2002/12/10 三洋電機

HIT太陽電池モジュールを北米で生産開始
   米国市場での占有率拡大へ
      
 http://www.sanyo.co.jp/koho/hypertext4/0212news-j/1210-1.html


三洋電機株式会社は、メキシコのモンテレーにある生産拠点の三洋エナジー(メキシコ)株式会社のモンテレー工場で、2003年夏より HIT太陽電池モジュールの生産を開始します。

北米で生産を開始することにより、三洋電機は北米市場をはじめとする海外市場へ拡販を推進し、更なる太陽電池事業の拡大を目指しています。

【モンテレー工場の概要】

  1)所在地   メキシコ合衆国 ヌエボ・レオン州 エスコベド市
  2)設立   2001年3月
  3)面積   敷地面積93,000m2 工場面積16,000m2
  4)従業員数   約880人 (2002年10月現在)
  5)事業内容   2次電池(リチウムイオン、ニッケル水素電池)の製造
       
  【三洋エナジー(メキシコ)の概要】
  1)会社名   三洋エナジー(メキシコ)株式会社
  SANYO Energy,S.A. de C.V.
  2)所在地   メキシコ合衆国 バハカリフォルニア州 ティファナ市
  Tijuana B.C., Baja California, Mexico
  3)設立   2002年1月
  4)資本金   50,000 Mex$
  5)代表者   社長:中谷吉信 (なかたに よしのぶ)
  6)事業内容   2次電池(リチウムイオン、ニッケル水素電池)の製造

 


京セラ    http://www.kc-solar.co.jp/frames/menu3.html  

1975 ●京セラが中心となり、JSEC(ジャパン・ソーラーエナジー)を設立。太陽電池の研究を開始。
1976 ●シリコンリボン結晶太陽電池を開発、生産開始
1980 ●滋賀八日市工場を設立し、本格的に太陽電池とその応用商品および太陽熱利用システムの研究・開発、製造を開始
●太陽エネルギー灯(街灯)を開発、販売開始(業界初)
1982 ●多結晶シリコン太陽電池の量産を開始
1985 ●サンシャイン計画に基づく委託研究開始
1989 ●多結晶シリコン太陽電池素子(15cm角)で世界最高の変換効率である14.5%を達成(15cm角では研究レベルにおいて1996年に17.1%が達成されるまで、常に世界最高の変換効率を維持。17.1%は現在も世界最高値)
1991 ●太陽電池年生産規模6MW体制確立(国内最大)
1993 ●単結晶シリコン太陽電池(10cm角)で世界最高の変換効率である19.5%を達成
●『住宅用ソーラー発電システム』を発売(業界初)
1995 ●多結晶シリコン太陽電池素子の大面積化(10cm角→15cm角)の量産技術を確立
1996 ●ソーラーエネルギー利用機器の販売・施工・サービス会社として株式会社京セラソーラーコーポレーションを設立
1997 ●太陽電池年生産規模36MW体制確立
1998 ●太陽電池の生産量世界No.1 ※「PV NEWS VOL.18 NO2 1999.2」データ

日本経済新聞 2002/9/17

京セラ 太陽電池7割増産

京セラは太陽電池パネルの年間生産量を2003年度に、現在の約7割増の100メガ(メガは100万)ワットに引き上げる。

中国や欧米などに発電システムの組み立て拠点新設も検討している。


2002/09/10 産業技術総合研究所

■有機色素増感太陽電池で変換効率7.5%の世界最高性能を達成
   −安価で高性能な有機色素太陽電池の実現に一歩近づく−
     
http://www.aist.go.jp/aist_j/press_release/pr2002/pr20020910/pr20020910.html

● ポイント

 色素増感太陽電池は安価で高性能な次世代型太陽電池として注目されているが、高性能化には、高価なRu(ルテニウム)を使用する錯体色素の使用が必須であった
 Ru錯体色素に代わる、安価で資源的制約のない有機色素の開発が切望されていた
 可視光から赤外光領域に吸収を有する新規のクマリン系色素増感酸化物半導体光電極を開発し、Ru錯体色素代替を実現
 新規クマリン色素を用いた色素増感酸化チタン太陽電池で、7.45%の太陽エネルギー変換効率を達成
 この変換効率はRu錯体色素並であり、アモルファスシリコン太陽電池とほぼ同等の性能を示しており、有機色素を用いた色素増感太陽電池で世界最高性能である

 

<概要>
 
独立行政法人産業技術総合研究所【理事長 吉川 弘之】(以下「産総研」という)光反応制御研究センター【センター長 荒川 裕則】の太陽光エネルギー変換チームと、株式会社 林原生物化学研究所【代表取締役 林原 健】(以下「林原生化研」という)の感光色素研究所【担当専務取締役 速水 正明】は共同で、可視光から赤外光領域までの広範囲に光を吸収をするクマリン系色素増感酸化物半導体光電極を開発し(特許出願中)、それを用いた色素増感酸化チタン太陽電池で、AM 1.5条件下で7.45%の太陽エネルギー変換効率を達成した。この変換効率はRu(ルテニウム)錯体色素並の性能であり、有機色素を用いた太陽電池ではこれまでの世界最高値である。これにより安価で高性能な有機色素太陽電池の実現が一歩近づくものと期待される。今後は、さらなる変換効率の向上をめざしつつ、実用化への技術的課題を探る予定である。
 本研究成果は、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)太陽光発電技術研究開発・革新的次世代太陽光発電システム技術研究開発の受託研究「高性能色素増感太陽電池技術の研究開発」の成果である。
 なお、本研究成果は、2002年9月12日に、東京工芸大学厚木キャンパス(厚木市飯山1583)で開催される 2002年電気化学秋季大会 で発表する予定。

<研究の背景>
 Ru錯体色素および酸化チタンナノ粒子から形成される多孔質薄膜光電極を用いた色素増感太陽電池(グレッツェル・セルと呼称される)は、安価に製造でき高性能を示すため、次世代型の太陽電池の一つとして注目を集めている。近年、国内外の研究機関において活発に研究開発がおこなわれており、最近では実験室レベルで7〜8%程度の太陽エネルギー変換効率が再現性よく得られるようになってきた。ただ、高性能化のために高価なRu金属を含む錯体色素が光増感剤として用いられてきているため、将来、光増感剤に大量のRu錯体色素を用いた場合、資源的な制約が問題となってくる。そこで、光増感剤にRuなどの貴金属を含まず、安価で資源的な制約のない有機色素を用いた高性能色素増感太陽電池の開発が望まれていた。さらに、有機色素は容易に交換できるため太陽電池光電極のリサイクル性が向上することや、様々な色を持つ有機色素を用いることにより、透明でカラフルなファッション性のある太陽電池を作製でき、窓板や室内用等多方面での使用が期待されている。

<研究の経緯>
 産総研・光反応制御研究センターと林原生化研・感光色素研究所は、これまでの共同研究で、色素増感太陽電池に使用するメロシアニンやシアニン色素などの有機色素光増感剤を開発し、それらを用いた高性能有機色素増感太陽電池を開発してきた。昨年、変換効率5.6%の比較的性能の高い色素を開発しているが、それらの太陽エネルギー変換効率は、従来のRu錯体色素を用いた太陽電池に比べて低いものであった。そこで、平成13年度からは、新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の太陽光発電技術研究開発・革新的次世代太陽光発電システム技術研究開発の受託研究「高性能色素増感太陽電池技術の研究開発」の一環として、高性能有機色素増感剤の開発を進め、高効率有機色素増感太陽電池の実現を目指してきた。その結果、400nmの可視光から820nmまでの赤外光領域の光を広く吸収し、光電変換できる新規クマリン系色素を用いた高性能光電極を設計・開発し、それらを用いることにより有機色素増感太陽電池の光電変換効率を大きく向上させることに成功した。

<研究の内容>
 今回、新たに開発した新規クマリン色素は、従来型のクマリン色素の骨格から、チオフェン環を含む共役二重結合系を拡張し、末端にシアノ基とカルボキシル基を有する。共役二重結合系の拡張や電子吸引基であるシアノ基とカルボキシル基の導入が色素の吸収波長の長波長化につながった。色素はカルボキシル基により酸化チタン半導体光電極の表面に化学固定されており、酸化チタン光電極との直接的な相互作用により、高効率な光誘起電子注入が可能となった。
 【図1】には、この色素を用いた酸化チタン太陽電池の外部量子収率の波長依存性を示した。図から明らかなように、この太陽電池は、紫外・可視・赤外領域である350nmから820nmの広い範囲の光を電流に変換できることがわかる。このうち、450nmから600nmの範囲での外部量子収率は、70%を越えており、基板に用いている透明導電性ガラスによる光吸収および散乱によるロスを考慮すると、この波長領域では、照射した光の約90%を電流に変換していることになり、この太陽電池の効率の高さを示している。
 また、【図2】に示したように、この太陽電池のAM1.5条件下での太陽エネルギー変換効率は、7.45%であった。この効率は、有機色素を用いた太陽電池で世界最高の値であり、従来のRu錯体色素を用いた太陽電池に匹敵するものである。さらに、既に実用化されているアモルファスシリコン太陽電池に近い効率となっている。この新規クマリン系色素増感酸化物半導体光電極の開発により、これまで低効率で実現性の乏しかった有機太陽電池の世界で、安価で高性能な有機色素太陽電池の実現に一歩近づくこととなった。

<今後の予定>
 色素構造の詳細な制御と酸化物半導体光電極や電解質の最適化により、さらに高性能化高効率化が期待できるため、引き続き研究開発を進める予定。また、実用化へ向けた耐久性、安定性等の課題についても着手する予定である。

<用語の説明>

クマリン系色素
 
  上図の構造を骨格とする色素の一群。用途として、色素レーザー材料等として用いられる。
   
AM1.5
  エアマス1.5 平均的な晴れた日に地球上に届く光量を規格化したもの。約1000 W/m2
   
色素増感太陽電池
  色素増感作用は、写真フィルムと同じ原理。可視光を吸収しない銀塩や酸化物半導体表面上に、色素を吸着させることにより可視光応答性をもたせる。この色素増感作用を太陽電池に応用したのが色素増感太陽電池である。
   
共役二重結合
  一つおきに二重結合でつながった炭素鎖。
   
外部量子収率
  太陽電池の場合、ある波長の光を太陽電池に照射したときに、その光を有効に電流に変換した効率。

 


日本経済新聞 2003/1/13

太陽電池各社 海外で発電装置生産 京セラは中国 需要拡大にらむ

京セラは天津市に現地企業と合弁会社を設立、八日市工場(滋賀県八日市市)で生産した太陽電池を輸出して現地でフレームや配線を取り付けてシステムとして組み立てる。

三洋電機は8月からメキシコで年間10メガワットの規模で装置の組み立てを開始し、北米市場で販売する。

シヤープも5月から米テネシー州で年間20メガワットの規模で発電システムの生産に乗り出す。


2003/1/20 第一工業製薬  参考 産業技術総合研究所 有機色素増感太陽電池

色素増感太陽電池の実用化について
   
http://www.mitsui.co.jp/tkabz/news/2003/030121b.html

第一工業製薬鰍ニ三井物産鰍ヘ、太陽電池などの研究開発を行う合弁会社「エレクセル株式会社」を設立し、このたび、先端技術を保有する国内外の大学・研究機関と連携し、次世代型の色素増感太陽電池の実用化に向けての開発に着手いたしました。


新会社概要

1.社名   エレクセル株式会社
2. 事業内容        太陽電池及びポリマー電池、またそれらの原材料の開発を行う。開発したデバイスの普及・供給のために、他社へのライセンス供与や共同事業会社を設立し事業展開を行う。
3.所在地   京都市下京区西七条東久保町55 第一工業製薬褐、究所内
4.設立   2002年11月7日
5.資本金   2億円
6.株主   第一工業製薬鰍U5%、三井物産鰍R5%
7,社長   大谷隆允(おおたにたかみつ)
8.社員数   11名

 


日刊工業新聞 2003/1/24

昭和シェル、CIS太陽光発電の変換効率13.4%に−世界最高

昭和シェル石油は薄膜の化合物半導体(CIS)太陽光発電で今年中に電気変換効率13.4%とCISで世界最高効率を塗り替えるめどがついたことを明らかにした。

 


日本経済新聞 2003/7/25                 関連

薄くて曲がる太陽電池 昭和電工が開発 服などに装着 携帯に充電も

昭和電工は軽くて折り曲げられ、様々な揚所に取り付けられる太陽電池を開発した。発電材料を薄い樹脂板に塗って作る。シート状の太陽電池を服に縫い付けて携帯電話に充電するなど、用途が大きく広がる。