日本とアジアの石油化学の現状その他を、各社のホームページや新聞雑誌情報を基にまとめ
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(住友化学 社史より)

マウント プレザント ケミカル社の設立 

当社が塩化ビニル樹脂製造技術を輸出したことのあるアメリカのストウファーケミカル社がこれらの条件に適合することから、同社と交渉した結果、合弁でスミチオンを製造するために1975年6月5日、マウント プレザント ケミカル社(Mount Pleasant Chemical Co.)を設立した。

マウント・プレザント社の解散

MPCCの失敗の原因はスミチオンそのものにあった。

日本ではパラチオンが急性毒性の強さから1971年に登録が失効し、スミチオンの販売が伸びた。

スミチオンは原料がメタクレゾールで、パラチオン原料のフェノールに比べ、非常にコスト高であった。
(混合クレゾールからパラクレゾールを分離するためにはBHTの製造が必要。当初計画はクレゾール、BHT、スミチオン全体を米国で生産する計画であったが、最終的にはメタクレゾールを輸出した。)

効力は同じのため低毒性ということがどれだけ評価されるかにかかった。
日本での経験から米国でもパラチオンに比して毒性の低いスミチオンが使用されると予想したが、実際に米国では無人の畑で空中散布するため、1990年代初めまで使用が認められた。このため農業用の登録が取得できないままに終わった。


その後

その後Stauffer社はチーズボローポンズ社に買収されたが、同社はStaufferをユニリバーに売却、ユニリバーはこれを分離してスペシャルティ部門はアクゾに、その他部門はICIに売却し、名門Staufferはアッと言う間になくなった。

1989年11月 ICIと三井東圧のJVのImage Polymers設立の発表があった。
マウント プレザント ケミカルの解散後、プラントはStaufferが買い取り、塩漬けにしていたが、ICIはこのプラントを Image Polymersのトナー製造工場として使用することとした。

 ICI はその後、Image Polymersの持分を Avecia に売却した。現在は同社は Aveciaと三井化学のJVとなっている。