2007年5月16日  田辺製薬/三菱ウェルファーマ

田辺三菱製薬株式会社の企業理念と目指す姿、シンボルマークおよび経営目標等の策定について
http://www.tanabe.co.jp/newsrelease/2007/20070516.pdf

 田辺製薬株式会社(代表取締役社長 葉山 夏樹、以下「田辺製薬」)と三菱ウェルファーマ株式会社(代表取締役社長 小峰 健嗣、以下「三菱ウェルファーマ」)は、両社それぞれの定時株主総会(田辺製薬6 月26 日、三菱ウェルファーマ6 月22 日開催予定)の承認を前提に、本年10 月1 日に合併し、田辺三菱製薬株式会社(以下「田辺三菱製薬」)として発足する予定です。
 今般、田辺三菱製薬の企業理念と目指す姿、シンボルマークおよび経営目標等を策定しましたので、お知らせします。

 説明会資料

 

 


2009/3/24

田辺三菱製薬、試験データ改ざん  承認取り下げ、自主回収へ

田辺三菱製薬は3月24日、連結子会社のバイファと共同開発し、バイファが製造、田辺三菱製薬が販売している遺伝子組換え人血清アルブミン製剤で試験データの差し替えが行われていた事実が判明したため、製造販売承認を取下げ、自主回収を行うと発表した。

問題となったのは、献血による人の血液からつくられるアルブミン製剤の代替として開発された遺伝子組換え人血清アルブミン製剤「メドウェイ注5%」で、2007年10月に製造販売承認を取得、2008年5月より販売している。違反が確認されていない「メドウェイ注25%」についても、同一製造所で同一時期に実生産バリデーションが実施された製剤でもあり、自主回収の措置をとる。

昨年末にバイファ社より、承認事項一部変更承認申請について、試験データの差し替え行為に 関する報告があった。
これを契機にその他の試験項目も含めて詳細な調査を行った結果、製造販売承認取得に係る医薬品GMP調査のため、実際に製造して検証する際に、試験データの差し替えが行われていた事実が判明したもの。

製剤のアレルギー性を調べるためマウスを使った試験を実施。その際に、不純物が含まれる反応を示すデータが出たにもかからず、良好な試験データと差し替えたという。データの差し替えには品質管理責任者を含め計5人の職員がかかわっていたとみられている。

昨年5月に発売以降、約800人に使用されたが、健康被害の報告もないという。

厚生労働省は今後、立ち入り検査するなどし、厳正に対応するとしている。

バイファは1996年に遺伝子組換えアルブミンの開発・製造のため、ミドリ十字の100%子会社として設立され、2001年にニッショー(現ニプロ)が 49%出資した。

ディスポーザブル医療器具の大手で、人工腎臓用器具分野での強い基盤を持つニッショーの資本参加により、遺伝子組換えアルブミンの技術をいかした血漿代用剤以外の新規用途の開発や、新規血液浄化システムの開発、その他血漿蛋白製剤に関する遺伝子組換え技術の研究開発の推進 が図れ、将来におけるバイファの事業展開の可能性を一層広げることができるものと考えた。

毎日新聞

田辺三菱によると、バイファはこの製剤の承認に向けて05〜07年に実施したラットの実験で、5回にわたりアレルギー抗体反応で一部陽性が出たデータを、すべて陰性のデータに差し替えた。また昨年5月に一部承認変更を申請した際は薬の安定性を保つ成分の含有量試験の数値が測定の不手際で正しく出なかったにもかかわらず、問題がないように装っていた。

捏造はそれぞれ別の職員が行い、職員は「上司の品質管理責任者の指示だった」と話しているという。

厚生労働省で会見した小峰副社長は「出荷時には改めてアレルギー検査をしており、品質に問題なく健康被害もない。生産体制の監視を徹底し、製造再開を目指したい」と話した。

厚生労働省の薬事・食品衛生審議会医薬品第二部会は7月25日開かれ、三菱ウェルファーマと製造子会社のバイファ(北海道千歳市)の2社がそれぞれ申請していた人血清アルブミン(遺伝子組換え)製剤の承認を了承した。

 「アルブミンの喪失およびアルブミン合成低下による低アルブミン血症、出血性ショック」を効能・効果とする。人血漿由来ではなく、遺伝子組換えのアルブミン製剤を医薬品として承認するのは世界で初めて。海外では医薬品添加物用途で販売している国がある。

 遺伝子組換えのため、人血漿由来による感染症のリスクはないが、製造に使用している「ピキア酵母」を原因とするアレルギーやアナフィラキシー様症状が臨床試験で見られている。そのため、ピキア酵母の抗体を調べる検査をし、原則、陰性患者に投与する。

 承認条件ではないが、厚労省は市販後に1万人程度の患者を登録した市販後調査の実施を指示する方針。再審査機関は8年間。薬事分科会でも審議する。

 販売名は、三菱ウェルファーマが「rHSA原液アルビースト注25%」「同5%」、バイファが「rHSA-原液バイファアルブレック注25%」「同5%」、両社は「アルブレック注」に1本化して販売する方針。

平成19年7月27日付「日刊薬業」より

従来のアルブミン製剤は人の血漿を原料としており、日本ではその半数を輸入に頼っていた。新発売された「メドウェイ」は、人血漿を用いず、遺伝子組換え技 術を使ってピキア酵母Pichia pastoris で産生、精製した製剤で、高純度の人血清アルブミンの大量製造と供給が可能となった。また、製造工程でウイルスやプリオン等の感染性 物質混入の恐れある動物由来原料を使っていないため、感染リスクが少ないというメリットがある。

 血清中のアルブミンは、血液の膠質浸透圧の80%を維持し、アルブミン1gで20mLの水分を保持している。アルブミン製剤では、こうしたアルブミンの 機能を期待して(1)出血性ショックなどに対して血漿膠質浸透圧を維持して循環血漿量を確保すること、(2)体腔内液や組織間液を血管内に移行させること で治療抵抗性の重度の浮腫を治療すること――を目的に使用される。

 従来のアルブミン製剤は、ヒトの血漿を原料としており、日本ではその 半数を海外からの輸入に頼っていた。国内では、日本赤十字社が献血で集めた血液を原料に生産しているが、献血量が減少している昨今、将来的な安定供給が危 ぶまれている。また、現在の処理技術では、未知のウイルス等の感染の可能性を完全に否定できないなど、安全性確保の面でも問題が残されている。

アルブミンは血漿タンパクの中で、血管内に水を保持する働きが最大です。 この事により、私たちの血管中の血液量や体内での水分の量を調整する重要な働き (血液の浸透圧の維持)をしています。 血液中のアルブミンが低下すると、血管内の血液の量が少なくなったり、血管外(お腹や肺など)に 水が溜まったりします。 また、アルブミンは脂肪酸やホルモン、薬物など様々な物質と結合して、 必要な部位にこれらを運搬する働き(各種物質との結合と運搬)もしています。

アルブミンは、成人の場合アミノ酸を原料として肝臓で一日に6g〜12g作られ、血液中に入ります。 またアルブミンは、体重1kgあたり4〜5gが体内に貯蔵されています。 体重60kgの成人では、240〜300gのアルブミンが存在することになります。 その約40%が血管内に、残り60%が血管外(細胞や組織間液中)に分布しています。 そして、血管内と血管外のアルブミンは相互に交換しながらバランスを保っており、 私たちの血漿中のアルブミン濃度は通常4.4〜5%に保たれています。 14〜18日間(半減期)体内で働いた後、アルブミンの多くは筋肉や皮膚において分解されます。

<「メドウェイ注」の製品概要>

販売名 メドウェイ注25%、メドウェイ注5%
一般名 人血清アルブミン(遺伝子組換え)
効能・効果 アルブミンの喪失(熱傷、ネフローゼ症候群など)及びアルブミン合成低下
(肝硬変症など)による低アルブミン血症、出血性ショック
用法・用量
メドウェイ注25%
通常成人1回50mL〔人血清アルブミン(遺伝子組換え)として12.5g〕を緩徐に静脈内注射又は点滴静脈内注射する。
なお、年齢、症状、体重により適宜増減する。
メドウェイ注5%
通常成人1回250mL〔人血清アルブミン(遺伝子組換え)として12.5g〕を緩徐に静脈内注射又は点滴静脈内注射する。
なお、年齢、症状、体重により適宜増減する。
特長
1) 遺伝子組換え技術を用い大量製造を可能とした人血清アルブミン製剤です。
2) 構造・組成、物理的化学的性質等に関して血漿由来人血清アルブミン製剤との間に差が認められず、同等です。
3) 製造過程においてウイルス、プリオン等の感染性物質混入のおそれがある動物由来材料を使用していません。
4) 肝硬変による腹水患者を対象とした血漿由来人血清アルブミン製剤との比較試験の結果、血清アルブミン濃度の上昇値について同等性が検証されました。
製造販売元 田辺三菱製薬株式会社
プロモーション提携 株式会社ベネシス
製造承認日 2007年10月19日
薬価収載日 2008年4月18日
薬価基準 25%50mL 1瓶 9,602円、5%250mL 1瓶 9,602円


2011/6/17 田辺三菱/日本赤十字 

日本赤十字社と田辺三菱製薬株式会社の血漿分画事業の統合の検討開始に関する基本合意について

 本日、田辺三菱製薬株式会社(本社:大阪市中央区、代表取締役社長 土屋 裕弘)と日本赤十字社(本社:東京都港区、社長 近衛 忠W)とは、田辺三菱製薬株式会社取締役会および、日本赤十字社理事会の承認の下、平成24年4月1日を目途として、田辺三菱製薬株式会社の完全子会社 で、血漿分画製剤の製造販売会社である株式会社ベネシス日本赤十字社の血漿分画事業部門との統合に向けた検討を開始することに合意しましたのでお知らせ いたします。

日本赤十字社は、1952年の議員立法による日本赤十字社法による認可法人

1.事業統合の趣旨および目的
 我が国では、血液製剤の安全性の向上、安定供給の確保等によって、国民の保健衛生の向上に資することを目的として、平成15年7月に「安全な血液製剤の 安定供給の確保等に関する法律」(血液法)が施行されています。本法律では倫理性、国際的公平性の観点に立脚し、その基本理念の一つとして
血液製剤の国内自給の確保と安定供給が定められています。さらに、世界保健機関が加盟国に対して国内自給の達成を目的とした国家的、効率的かつ持続可能な血液事業を求め るなど、国内自給達成が国際的な要請となっており、また、世界的な血液製剤の供給不足が生じた際に国民の生命身体を守るという安全保障の観点からも国内自 給達成が不可欠です。
 しかし、現状では、我が国における血漿分画製剤の国内自給は達成されておらず、特にアルブミン製剤については58.7%(平成22年)であり、国内製造 が全く行われていない製剤もあります。その主な理由としては、国内各メーカーの生産規模が全世界を市場とする海外競合メーカーに比べて小さく、製造コスト を含め事業の効率化にも限界があることなどが考えられます。

 このような状況の下、田辺三菱製薬株式会社と日本赤十字社とは、日本国内における血漿分画事業の安定的継続という国民の負託に応えるためには、血漿分画 事業の統合が大きな選択肢であることで一致し、その可能性を模索してまいりました。また、厚生労働省の薬事・食品衛生審議会薬事分科会血液事業部会(平成 23年3月8日開催)にて審議・了承された「血漿分画製剤の供給のあり方に関する検討会 中間報告」における提言内容も、これまでの両社の協議の方向性と整合することから、新法人の設立に向けた具体的な検討を開始することで基本合意に達しまし た。
 なお、この新法人設立は、スケールメリットを生かした経営によって生産段階および供給段階でのコストを低減し、事業の健全性を確保することによって、血液製剤の国内自給達成をめざすものであります。

2.事業統合の姿
 この度、田辺三菱製薬株式会社と日本赤十字社とが、互いの血漿分画事業を統合して設立する新法人は、献血者の善意に基づき無償で得られた血液を原料とし た血液製剤の国内自給の達成という公益性の高い目標のために取り組む、
営利を目的としない法人とします。また、血漿分画製剤の国内必要原料を一括して処理 できる能力を持つ大規模アルコール分画工場の新設を行い、効率的な生産体制によって血液製剤の国内製造における中核的役割を担うことをめざします。

免疫グロブリン製剤は血液中に含まれる免疫グロブリンG(抗体)というタンパク質を高純度に精製・濃縮した製剤で、ハーバード大学の Cohn 教授が開発した低温エタノール分画法(低温下でエタノー ル濃度、pH等を調整することにより血漿から、グロブリン、アルブミンなどの血漿タンパク質を次々に分離させていく工業的な方法)で血漿中の免疫グロブリンGを精製濃縮することで製造される。

3.基本合意の骨子
 (1)基本合意書の締結
    両社は本日、血漿分画事業の統合に向けて基本的な事項に関する合意書を締結いたしました。

 (2)事業統合に関する基本的な合意事項
  ア.統合の形態
   両社の血漿分画事業について、新法人が拠出又は事業譲渡を受ける方法による事業統合をめざします。

  イ.新法人名 検討中

  ウ.設立年月日 平成24年4月1日(予定)

  エ.事業内容 血漿分画製剤およびその関連品の製造販売ならびに頒布

  オ.所在地 本部:東京都(予定)

  カ.代表者 検討中

  キ.本統合による業績の規模
   両社血漿分画製剤売上高合算約370億円(平成21年度薬価ベース)

4.統合推進体制
 両社は、この経営統合を円滑かつ速やかに実現していくため、本日、統合推進委員会を発足させました。

5.その他
 開示すべき未決定の事項につきましては、今後、決定次第お知らせ致します。

ーーー

田辺製薬と合併前の三菱ウェルファーマは2002年10月に生物製剤製造部門を会社分割し、新設の「ベネシス」に承継させた。

 


2012/5/15  田辺三菱製薬

ファインケミカル事業の譲渡に関するお知らせ

 田辺三菱製薬株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:土屋 裕弘)は、現在、自社が行うファインケミカル事業のうち、医薬品原薬の製造および販売に係る事業をエーピーアイ コーポレーションに、食品に係る事業タイショー テクノスに譲渡し、ファインケミカル事業から撤退することとしましたので、お知らせいたします。
 なお、各々の事業の譲渡日は本年7月1日の予定です。また、本事業の譲渡に伴う当社業績への影響は軽微と予想しております。

 医薬品原薬事業を譲渡する予定の株式会社エーピーアイ コーポレーションは、株式会社三菱ケミカルホールディングスグループの事業会社の一つである三菱化学株式会社の連結子会社で、「スペシャリティケミカルズ分野の独創的開発企業として、世界の人々の生活の質の向上に貢献する」ことを経営理念として、ヘルスケア事業とファインケミカル事業をコアに積極的な事業展開を行っており、当社の医薬品原薬の製造および販売事業が加わることにより、大きな事業成長が期待されます。

 一方、食品事業を譲渡する予定の株式会社タイショー テクノスは、三井製糖株式会社の100%連結子会社で、「豊かで潤いのある食文化と快適な生活環境の実現に貢献します」を企業理念として、食品添加物と工業用防腐・防カビ剤等の製造および販売事業をコアに事業の拡大と持続的成長を図っており、当社の食品事業が加わることにより、成長の加速ならびに事業の拡大が期待されます。

 当社は、2011年度にスタートした「中期経営計画11-15 〜New Value Creation」の中で、アンメット・メディカル・ニーズ※1に応える新しい医薬品を創製し、グローバルに提供する経営基盤を構築することで、世界の多くの患者さんのQOLの向上に貢献しつづけるため、「新薬創製力の強化」「新製品を軸とした国内事業の躍進」「海外事業拡大への基盤構築」「事業・構造改革の加速化」の4つの戦略課題を設定し、その確実な実行を図っているところです。
 当社は、今般の事業譲渡を通じて、事業の再構築を行うことにより、医薬品事業への経営資源の集中化をより一層推進し、「新たな価値を創造しつづける企業」に変革してまいります。
 ※1:有効な治療法、医薬品がなく、未だに満たされない医療上のニーズ


(ご参考)
<株式会社エーピーアイ コーポレーション>
  本   社 大阪市中央区平野町2-4-9
東京本社 東京都中央区日本橋2-3-4日本橋プラザビル9階
  代 表 者 代表取締役社長 江村 泰一
  資 本 金 40億円
  売 上 高 29,284百万円(2011年3月期)
  事業内容 医薬原体、医薬中間体、治験薬製造受託、R&D受託、化成品、試薬等の製造販売
  従業員数 605名(2012年4月1日現在)
  株   主 三菱化学株式会社(52.3%)、田辺三菱製薬株式会社(47.7%)
  譲渡事業規模 医薬品原薬事業 約38億円(2011年3月期実績)

 
<株式会社タイショー テクノス>
  本   社 東京都中央区日本橋富沢町10-18
パシフィックマークス日本橋富沢町ビル7階
  代 表 者 代表取締役社長 伊藤 伸明
  資 本 金 9,750万円
  売 上 高 4,410百万円(2011年3月期)
  事業内容 食品添加物(保存料、日持向上剤、品質改良剤、天然系着色料等)、工業用防腐・
防カビ剤、食品工場用サニテーション薬剤の製造販売
  従業員数 90名(2012年4月1日現在)
  株   主 三井製糖株式会社(100%)
  譲渡事業規模 食品事業 約25億円(2011年3月期実績)

 

2013/7/12 田辺三菱製薬 

カナダ医薬品会社Medicago Inc.の株式取得(子会社化)に関するお知らせ

 当社は、本日、Philip Morris International Inc.(「PMI」)の子会社であるPhilip Morris Investments B.V.と共同で、Medicago Inc.の全株式を、カナダ法上認められている友好的企業買収手法であるプラン・オブ・アレンジメント(Plan of Arrangement*)により現金で取得することを、メディカゴ社取締役会と合意しましたので、お知らせいたします。

 本件買収は、本日より50日〜75日後に、メディカゴ社の株主総会で承認を受け、裁判所の許可を得た後に完了いたします。また、当社とPMIは、本件買収後のメディカゴ社を、当社とPhilip Morris Investments B.V.の合弁会社(持株比率60:40)として運営していくことについて合意しています。
 なお、本件に要する当社の買収費用は1株当たり1.16カナダドル、最大で総額179百万カナダドル(約169億円)を見込んでおります。

*Plan of Arrangementとは、被買収会社が行うカナダ会社法上の買収手続きです。被買収会社の取締役会決議を経て、株主承認決議及び裁判所の承認、その他の条件を満たすことにより成立する買収の手法で、被買収企業が主導して手続きを行う友好的な企業買収手法です。

1.株式の取得の理由

 当社は、2016年3月期を最終年度とする「中期経営計画11-15 〜New Value Creation」において、アンメット・メディカル・ニーズ*に応える新しい医薬品を創製し、グローバルに提供するための経営基盤の構築に取り組んでおり、その中で新規バイオロジクス技術の獲得を通じたワクチン領域への展開を謳っています。ワクチンは世界的に成長が期待されている領域であり、当社がグローバル市場への展開をめざす領域の一つと考えます。
 メディカゴ社は植物由来ウイルス様粒子(Virus Like Particle、「VLP」)技術を用いた新規ワクチンの研究開発に特化したバイオ医薬品会社であり、遺伝子操作によって植物の細胞内にVLPを生成させ、効率的に抽出・精製する独自技術を有しています。また、VLPは、ウイルスと同様の外部構造を持つ一方、遺伝子情報を持たないため、ワクチンとしての高い免疫獲得効果が期待されることに加え、体内でウイルスの増殖がなく安全性に優れる有望なワクチン技術として注目されています。

 当社は2011年9月にメディカゴ社の株式を6%取得しており、2012年2月には同社と VLP製造技術を用いた新規ワクチンの共同研究契約を締結し、「ロタウイルスVLPワクチン」などの共同研究を進めてまいりました。
 今般、当社は、メディカゴ社との共同研究を通じて同社のVLP技術を評価した結果、同技術は幅広い種類のワクチンを効率的に製造することが可能な有用性の高いものであり、同社買収により更なるパイプラインの強化を実現できるものと判断いたしました。
 今後は、メディカゴ社のVLP技術を活用して各種ワクチンの研究開発に取り組み、皆様の健康に貢献してまいりたいと考えております。
 なお、現在当社が展開しているワクチンビジネスにおける、一般財団法人阪大微生物病研究会との良好なパートナーシップは、引き続き維持してまいります。

*アンメット・メディカル・ニーズ:有効な治療法、医薬品がなく、未だに満たされない医療上のニーズ

2.当社とPhilip Morris Investments B.V.、メディカゴ社との関係について

 本件買収により、メディカゴ社が当社とPhilip Morris Investments B.V.との合弁会社となる中で、両社はメディカゴ社の技術を成熟化させ、優れたワクチンをグローバルに供給できるワクチン会社に育てることで合意しています。

3.本件買収後のメディカゴ社の運営について

 本件買収後、メディカゴ社の取締役会は、同社株式の過半数を持つ当社が指名した議長、当社及びPhilip Morris Investments B.V.から2名ずつ指名した4名の取締役で構成し、5名体制にて運営いたします。取締役会を除くメディカゴ社の経営体制は維持いたします。
 メディカゴ社は、従来通りVLPワクチンの研究開発及び製造に特化し、ケベック及びノースカロライナにある既存施設において、季節性インフルエンザワクチン及びパンデミックインフルエンザワクチンの開発を進めてまいります。

4.異動する子会社(メディカゴ社)の概要
(1)  名称   Medicago Inc.
(2)  所在地   カナダ・ケベック市
(3)  代表者の役職・氏名   President and CEO, Andrew J. Sheldon
(4)  事業内容   植物一過性発現VLP(Virus Like Particles)ワクチンの研究開発
(5)  資本金   117百万カナダドル
(6)  設立年月日   1997年7月17日
(7) 大株主及び持株比率  Philip Morris Investments B.V. (38.5%)
 田辺三菱製薬株式会社 (6.0%)
(8)  当社と当該会社 
 との間の関係 
 資本関係  当社は当該会社の発行済株式の6%を保有しています。なお、当社の関係者及び関係会社と当該会社の関係者及び関係会社の間には、特筆すべき資本関係はありません。
 人的関係  当社と当該会社との間には、記載すべき人的関係はありません。また、当社の関係者及び関係会社と当該会社の関係者及び関係会社の間には、特筆すべき人的関係はありません。
 取引関係  当社は、当該会社とワクチン共同研究契約を締結し、ロタウイルスVLPワクチンなどの共同研究を行っています。また、当社の親会社である株式会社三菱ケミカルホールディングスは、当該会社と植物を利用した次世代の蛋白質生産技術の開発に関する協業契約を締結し共同研究を行っています。
 関連当事者へ 
 の該当状況 
当該会社は、当社の関連当事者には該当しません。また、当該会社の関係者及び関係会社は、当社の関連当事者には該当しません。
(9) 当該会社の最近3年間の連結経営成績及び連結財務状態    (単位:千カナダドル)
決算期 2010年12月期 2011年12月期 2012年12月期
    連結純資産  △5,158 37,754 6,925
    連結総資産  21,313 80,394 49,334
    1株当たり連結純資産  △0.04 CAD 0.15 CAD 0.03 CAD
    連結売上高  109 187 5,540
    連結営業利益  △17,558 △21,195 △32,654
    連結経常利益  △17,558 △21,195 △32,654
    連結当期純利益  △16,484 △20,992 △32,654
    1株当たり連結当期純利益  △0.13 CAD △0.12 CAD △0.13 CAD
    1株当たり配当金  - - -

5.株式取得の相手先の概要

 メディカゴ社株式は現在、トロント証券取引所(カナダ)に上場等しており、本件買収は、プラン・オブ・アレンジメントの手法による手続きを通じて、メディカゴ社既存株主への対価を支払うことで、メディカゴ社の株式を全て(ただし、当社及びPhilip Morris Investments B.V.が既に所有している分を除く)取得します。

6.取得株式数、取得価額及び取得前後の所有株式の状況
(1) 異動前の所有株式数 15,385,000株
(議決権の数:15,385,000個)
(議決権所有割合:6.0%)
(2) 取得株式数 147,666,241株*
(議決権の数:147,666,241個)
(3) 取得価額 メディカゴ社の普通株式 171百万カナダドル*
(4) 異動後の所有株式数 163,051,241株*
(議決権の数:163,051,241個)
(議決権所有割合:60.0%)

7.日程

(1)  取締役会決議   平成25年7月12日
(2)  株式取得契約締結   平成25年7月12日
(3)  株式譲渡手続完了   平成25年9月(予定) 

8.今後の見通し

 本件買収が当社連結業績に与える影響につきましては、株式譲渡手続完了後、判明次第お知らせいたします。


(参考)
Philip Morris International Inc.概要
 名称   Philip Morris International Inc.
 本社所在地   米国・ニューヨーク州
 代表者の役職・氏名   Chairman and CEO, André Calantzopoulos
 事業内容   米国以外におけるたばこの製造販売
 売上高   77,393百万ドル(2012年度)

 

2016/9/6   田辺三菱製薬    

サンファーマ製品に関する販売提携のお知らせ

田辺三菱製薬は、11月1日より、インド(ムンバイ)に本社を構えるSun Pharmaの子会社であるサンファーマ株式会社の長期収載品14ブランドについて販売提携いたします。

サンファーマがノバルティス ファーマから製造販売承認を承継後、田辺三菱製薬は、サンファーマとの販売委受託契約に基づき、一定期間、長期収載品14ブランドの販売流通並びに医療関係者への適正使用情報の提供を行います。

Sun Pharmaは、2016年3月29日、ノバルティス ファーマが日本で販売する長期収載品14ブランドを取得し、日本市場に参入することを発表しました。取得額は2億9300万米ドル(約330億円/発表時の為替レート換算)。14ブランドの年間売上高は1億6000万米ドル(約180億円/発表時の為替レート換算)で、複数の疾患領域にわたっています。

Sun Pharmaの子会社であるサンファーマは、スイスのノバルティスとの契約に基づき、14ブランドの製造販売承認をノバルティス ファーマから承継する予定ですが、承継が完了するまでの期間はノバルティス ファーマが製品の流通を継続しています。また、サンファーマの承継後は日本国内のマーケティング・パートナーがサンファーマのラベルで製品を販売することをSun Pharmaが公表しています。

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March 29, 2016

Sun Pharma to Buy Japanese Brands From Novartis in $293 Million Deal

Sun Pharmaceutical Industries Ltd. said it had agreed to buy 14 prescription brands from Novartis AG in a $293 million cash deal that would expand the Indian company's footprint into Japan.

“This acquisition marks Sun Pharma's foray into the Japanese prescription market and provides us an opportunity to build a larger product portfolio in the future,” said Dilip Shanghvi, managing director of Sun Pharma.

Sun Pharma, based in Mumbai, and among the world's largest generic drug companies, said a wholly owned subsidiary would be acquiring the portfolio of 14 “established prescription brands.” The company, in a statement, said the brands tackle medical conditions across a variety of therapeutic areas, without offering specifics.

The brands have combined annualized revenue of about $160 million, according to Sun Pharma.

Under the terms of the agreements, Novartis will continue to distribute the brands pending transfer of all marketing authorizations to the Sun Pharma subsidiary. The acquired brands will be marketed under the Sun Pharma label by a local marketing partner, which also would be responsible for distribution.

Sun Pharma said it hopes to tap into the $73 billion pharmaceutical market in Japan, which it said represents more than 7% of the total $1 trillion global pharma market.


2016/11/7  田辺三菱製薬      

合弁会社設立に関する基本合意

一般財団法人 阪大微生物病研究会(BIKEN財団)と田辺三菱製薬は、BIKEN財団のワクチン製造事業を基盤とした合弁会社「株式会社BIKEN」を設立することに基本合意しましたので、お知らせいたします。

1.合弁会社設立の理由

BIKEN財団は、「優れたワクチンを通じて、世界中の大切な生命を守る」を創業以来の使命とし、80年以上にわたって、ワクチン専業メーカーとして様々な感染症予防ワクチンの研究開発に尽力し、数々の日本初のワクチンを創出してまいりました。また現在、製造販売元として、国内で最も多くの量のワクチンを供給していますが、昨今の感染症の発生動向やワクチンの供給状況等により、ワクチンのさらなる供給拡大が求められています。

田辺三菱製薬は、BIKEN財団が製造するワクチンの販売元として、50年以上にわたりBIKEN財団と相互連携してまいりました。今後も国内外で競争力のある高品質なワクチンを安定的に供給するために、株式会社BIKENの設立、その生産体制の強化に寄与したいと考えています。

BIKEN財団と田辺三菱製薬が今般新たに設立する合弁会社は、BIKEN財団のワクチン製造技術を基軸として、田辺三菱製薬の医薬品生産に関するシステムや管理手法等を融合し、生産基盤の強化を加速させることで、ワクチンのさらなる安定供給に貢献いたします。

株式会社BIKENとBIKEN財団は、ワクチンのスペシャリティ集団「BIKENグループ」として一丸となり、日本および世界の公衆衛生へのさらなる貢献をめざしてまいります。


2.合弁会社の概要
 BIKEN財団と田辺三菱製薬は、以下の事項に関して合意しています。他の具体的な内容については、今後両者協議の上で決定いたします。

(1) 名称 : 株式会社BIKEN
(2) 所在地 : 香川県観音寺市
(3) 事業内容 : ワクチンの製造
(4) 操業開始 : 2017年9月1日(予定)
(5) 資本金 : 未定
(6) 出資比率 : BIKEN財団 66.6%、田辺三菱製薬 33.4%
(7) 代表者 : 未定(BIKEN財団から派遣)
(8) 役員 : 取締役(BIKEN財団から4名、田辺三菱製薬から2名)
監査役(BIKEN財団から常勤1名、田辺三菱製薬から非常勤1名)
(9) 従業員 : 主としてBIKEN財団から生産関連職員(約500名)が出向
田辺三菱製薬から合弁会社の業務に必要な社員が出向


 

3. 基本合意の相手先
(1)一般財団法人阪大微生物病研究会

名称 一般財団法人阪大微生物病研究会
所在地 〒565-0871 大阪府吹田市山田丘3-1大阪大学内
代表者 理事長 山西 弘一
事業内容 微生物病に関する研究、ワクチン等の製造及び販売、学術研究への助成、臨床検査
基本財産 5億5万円
設立年月日 1934年(昭和9年)6月6日
職員数 823人(2016年9月末現在)
売上高 363億円(2015年度)
 

参考 2016/11/7 日東電工、世界初の革新的なワクチン投与のプラットフォーム構築



4.今後の予定
 2017年4月末の最終的な合意をめざし、今後、両者でさらに詳細について調査・協議してまいります。

5.田辺三菱製薬の業績に与える影響
 今後、業績に与える影響が見込まれる場合は、別途お知らせいたします。


2017/3/28 田辺三菱製薬    

ジェネリック医薬品事業等の会社分割及び子会社の異動に関するお知らせ

 当社は、本日開催の取締役会において、当社の保有するジェネリック医薬品事業及び長期収載品の一部について、製造販売承認を含む販売権、製造委受託契約、共同開発契約ほかの関連契約、在庫、商標権、著作権並びに安全管理情報のすべてを田辺製薬販売に吸収分割により承継させた上で、田辺製薬販売の全株式をニプロに譲渡することを決議しましたので、下記のとおりお知らせします。

ジェネリック薬品 51 成分(2017 年6月収載予定品目 2 成分を含む)、長期収載品26成分、オーソライズド・ジェネリック薬品1成分


本取引の目的
当社は2008年に販売会社としての田辺製薬販売を設立し、「品質」「安定供給」「情報提供」を信条に「リライアブルジェネリック」の標榜のもと、ジェネリック医薬品事業を行ってまいりました。
 昨今、日本におけるジェネリック医薬品市場は、政府による使用促進策の導入により2020年度には数量シェアの80%を占めるまで成長することが見込まれています。その一方で、同一品目に数十社が参入し競争が激化する等、将来に向けてますます事業環境の変化が予想されます。
 このような事業環境を踏まえて当社ジェネリック事業の最適化を検討した結果、市場での一層のシェア拡大と事業効率の向上が必須であり、自ら事業を継続するよりも、ジェネリック医薬品の豊富な開発経験と多様な生産体制を有するニプロに、ジェネリック医薬品事業及び長期収載品の一部を譲渡することで、医薬品の安定供給を効率的に継続できると判断いたしました。
 ニプロは、医薬品、医療機器、ファーマパッケージング(医療用包装材料)等の事業を展開している会社です。医薬品事業では、製造から販売までのサプライチェーンを強みとし、注射剤や経口剤、外用剤など多彩な医薬品を提供しております。また、当社のジェネリック医薬品や長期収載品の受託製造等で良好な関係を構築しております。
 これからも、田辺三菱製薬は、革新的な新薬の創製を通じて医療の未来を切り拓く取り組みを一層強化し、患者さんの健康に貢献してまいります。

 


2019/7/24  田辺三菱製薬 

NeuroDerm社の買収手続き開始の合意について

当社は、ニューロダーム(NeuroDerm Ltd.)の買収手続き開始について、本日NeuroDerm社と合意しましたので、下記の通りお知らせいたします。

今後、NeuroDerm社の株主総会での承認、およびその他法的手続きの完了を条件に、NeuroDerm社を存続会社とし、当社のイスラエル国における買収目的会社を消滅会社とする逆三角合併を行い 、NeuroDerm社は当社の完全子会社となる予定です。
なお、普通株式およびストックオプションを含む本買収の取得価額の総額は、約11億米ドル(約1,241億円)(一株あたり39.00米ドル)となる予定です。

1.買収の目的と背景

NeuroDerm社は、 パーキンソン病の治療薬に関して、新たな製剤研究や、医薬品と医療器具(デバイス)とを組み合わせる優れた技術開発力を有する医薬品企業です。現在、米国および欧州でフェーズ
3に移行し、2019年度に上市が見込まれるパーキンソン病治療薬「ND0612」を中心に開発を推進しています。

パーキンソン病の治療では、疾患の進行に伴い、代表的な治療薬であるレボドパ の血中濃度を適切にコントロールすることが重要です。

「ND0612」は、NeuroDerm社が有する製剤技術により、経口治療薬であるレボドパ および カルビドパの液剤化に世界で初めて成功し、それらを携帯ポンプにより24時間持続的に皮下注射する 製剤です。これによりレボドパ の血中濃度を一定にコントロールし、進行したパーキンソン病患者さんにおいて問題となる運動症状の改善が期待されています。

ドパミン(dopamine)は、中枢神経系に存在する神経伝達物質で、アドレナリン、ノルアドレナリンの前駆体でもある。
パーキンソン病では黒質線条体のドパミン神経が減少し筋固縮、振戦、無動などの運動症状が起こる。

パーキンソン病の病勢の進行を止める根本治療法はないものの、薬剤による対症療法が中心に行われている。ドパミン補充のため、L−ドーパ含有製剤レボドパ(ドパゾール、ドパストン)およびレボドパ・カルビドパ水和物(ネオドパストン、メネシット)やペルゴリド(ペルマックス)、ブロモクリプチン(パーロデル)などのドパミン受容体刺激薬の錠剤が臨床使用されている。中でもドパミンの前駆体であるレボドパは、脳内でドパミンに変換され、PD症状の軽減に高い有用性を持つと評価されている。

当社は、中期経営計画16-20「Open Up the Future」において、世界最大の医薬品市場である米国を中心に成長するため、自社販売による持続的成長基盤を早期に構築すること をめざしております。 その第一歩として、2017年8月に筋萎縮性側索硬化症(ALS)治療薬ラジカヴァの米国市場での販売開始を予定しております。
さらに、 今回のNeuroDerm社買収による「ND0612」の獲得により、中期経営計画の目標である2020年度まで の米国売上収益800億円の 達成が可能になると考えています。

医薬品とデバイスを組み合わせた神経疾患領域のパイプラインを拡充することで、アンメット・メディカル・ニーズに応える 革新的な医薬品を創製し、患者さんに貢献してまいります。

 

NeuroDerm社の概要
名称 NeuroDerm Ltd.
所在地 Rehovot, Israel
事業内容 中枢神経系治療薬(パーキンソン病等)の研究開発
設立 2003年3月18日
大株主 Scopia Capital Management LP and affiliates 16.6% Robert Taub 12.3% Uwe Wascher 11.4% Shmuel Cabilly 10.0% その他


 

ニューロダーム社の開発パイプライン
製品名 一般名 想定適応症 ステージ
ND0612 レボドパ/カルビドパ 持続皮下注投与ポンプ/パッチ製剤 パーキンソン病 (中等度/ 重症)  P3
ND0701 アポモルフィン 持続皮下注投与ポンプ パーキンソン病 (重症)  P2
ND0801 ニコチン 及びオピプラモール 経皮剤 中枢神経 系疾患に 伴う認知障害  P2

 

 

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2012年12月25日 大塚製薬
世界唯一の経皮吸収型ドパミンアゴニスト製剤「ニュープロ®パッチ」
パーキンソン病とレストレスレッグス症候群の適応症で日本での製造販売承認を取得

大塚製薬は、パーキンソン病およびレストレスレッグス症候群の治療薬として、「ニュープロパッチ」(一般名:ロチゴチン)の製造販売承認を2012年12月25日に取得しましたので、お知らせいたします。

経皮吸収型ドパミンアゴニスト製剤である「ニュープロパッチ」は、1日1回貼付するという簡便な投与方法で、薬剤が持続的に放出され、24時間血中濃度を一定に維持し、安定した効果が期待できます。

パーキンソン病は、国内に約14万人の患者さんがおり、4大症状(安静時振戦、固縮、無動、姿勢反射障害)*3を主症状とする特定の脳神経細胞群が徐々に減少してしまう原因不明の病気です。

病状の進行したパーキンソン病の患者さんは、薬剤を服用していてもその効果が切れる時間があり、例えば早朝に動きにくい、夜間寝付けないなどの症状が現れ苦しんでいます。「ニュープロパッチ」は、1日1回の貼付で24時間を通してその効果を維持し、患者さんや介助者の負担を軽減することが期待されます。

レストレスレッグス症候群は、主に脚に「異常な感覚」が生じることによって、じっとしていられなくなる慢性疾患です。この訴えは、ふくらはぎがむずむずする、足の内部がかゆい、ほてる、痛いなど患者さんによって様々です。レストレスレッグス症候群の患者さんは、就寝前に最も症状が現れやすいことにより入眠障害に陥ることが知られています。また、日中の安静時にも脚の不快感が生じることがあります。「ニュープロパッチ」は、1日を通して患者さんの症状を抑えることが期待されます。

大塚製薬は、2002年に日本国内における「ニュープロパッチ」の独占的開発・販売権をベルギーのUCB社から取得し、開発を行ってきました。海外ではNeupro®の製品名で、パーキンソン病で50カ国以上、レストレスレッグス症候群で30カ国以上の承認を得ています。

世界で唯一の経皮吸収型ドパミンアゴニスト製剤である「ニュープロパッチ」の承認により、大塚製薬はパーキンソン病およびレストレスレッグス症候群を抱える患者さんやそのご家族に貢献してまいります。


 

20191118  三菱ケミカルホールディングス 

田辺三菱製薬に対する公開買付けの開始に関するお知らせ

三菱ケミカルホールディングスは、本日、以下のとおり、田辺三菱製薬の普通株式を金融商品取引法に基づく公開買付けにより取得することを決いたしましたので、お知らせいたします。

1.買付け等の目的

(1)本公開買付けの概要

公開買付者は、本日現在、東京証券取引所市場第一部に上場している対象者の普通株式316,320,069株(所有割合56.39%)を所有しており、対象者を連結子会社としております。

この度、公開買付者は、日付で、会社法370条及び公開買付者定款第27条の規定に基づく取締役会決議に代わる書面決議により、対象者普通株式の全てを取得し、対象者を公開買付者の完全子会社とすることを目的とした取引一環として、本公開買付けを実施することを決定いたしました。

 以下  https://www.mitsubishichem-hd.co.jp/ir/pdf/00861/00955.pdf

 


2020/3/12  

カナダ子会社における新型コロナウイルス感染症への取組みについて

田辺三菱製薬は、このたび、子会社であるメディカゴが、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対応したウイルスの植物由来ウイルス様粒子(VLP)の作製に成功しましたので、お知らせいたします。
COVID-19のVLP作製は、ワクチンを開発するための第一歩であり、メディカゴは安全性と有効性に関する非臨床試験を実施しています。本非臨床試験が順調に進めば、ヒトでの臨床試験を2020年8月までに開始するために当局機関と協議したいとしています。

また、メディカゴはSARS-CoV-2(COVID-19の原因ウイルス)に対する抗体に関しても、自らの技術基盤を活用し、Laval University's Infectious Disease Research Centre (ラヴァル大学感染症研究センター:カナダ)と協力して研究を行っています。なお、本研究は、Canadian Institutes of Health Research (CIHR:カナダ健康研究所)から一部資金提供を受けています。

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2020/7/15 

カナダ子会社における新型コロナウイルス感染症への取組みについて
―VLPワクチンの第1相臨床試験を開始―

田辺三菱製薬は、連結子会社であるMedicago(本社:カナダ ケベック市)が、同社において開発を進めている新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防をめざした植物由来のウイルス様粒子(VLP:*Virus Like Particle:ウイルス様粒子)ワクチン(開発番号:MT-2766)に関する第1相臨床試験を開始した旨、発表したことをお知らせします。

田辺三菱製薬は2013年7月12日、Philip Morrisと共同で、カナダの医薬品会社 Medicago Inc.の全株式を取得することで同社取締役会と合意したと発表した。
両社は買収後のMedicagoを、田辺三菱60%、Philip Morris 40%のJVとして運営する。(→ 現在 67% vs 33%)

Medicagoは植物由来のウイルス様粒子(VLP:Virus Like Particle)技術を用いた新規ワクチンの研究開発に特化したバイオ医薬品会社で、遺伝子操作によって植物の細胞内にVLPを生成させ、効率的に抽出・精製する独自技術を有している。

2013/7/19     田辺三菱製薬、カナダ医薬品会社Medicagoを子会社化

2016/2/26 田辺三菱製薬、タバコの葉からインフルエンザワクチン

MT-2766の第1相臨床試験では、単剤、GSK社のアジュバントまたはDynavax社のアジュバントを添加したワクチンを、3用量のグループにわけて、21日間隔で2回接種し、安全性と免疫原性を評価します。

The Phase I clinical trial is a randomized, partially blinded study of 180 normal healthy subjects, male and female aged 18-55, and will evaluate dosages of 3.75, 7.5 or 15 micrograms of the recombinant Coronavirus Virus-Like Particle (CoVLP) vaccine candidate alone or with an adjuvant in a prime-boost regimen. Medicago will be testing its vaccine candidate with two adjuvants separately – GSK's proprietary pandemic adjuvant technology and Dynavax's CpG 1018™. An adjuvant can be of particular importance in a pandemic situation as it may boost the immune response and reduce the amount of antigen required per dose, allowing more vaccine doses to be produced and therefore contributing to protect the greatest number of people.

当社グループは、社会の皆さまに一日も早くお届けできるよう、MT-2766の開発を着実に推進し、喫緊の社会課題であるCOVID-19の感染予防により一層貢献してまいります。

VLPワクチンについて
ウイルス様粒子(Virus Like Particle)製造技術を用いた新規ワクチンです。VLPは、ウイルスと同様の外部構造を持ち、ワクチンとしての高い免疫獲得効果(有効性)が期待されることに加え、遺伝子情報を持たないため体内でウイルスの増殖がなく、安全性にも優れる有望なワクチン技術として注目されています。また、植物を使用したVLP製造技術により、短期間で大量生産が期待されます。


20211217 田辺三菱製薬

世界初の植物由来 COVID-19 ワクチン候補 MT-2766 カナダにおいて承認申請を実施

田辺三菱製薬は、連結子会社であるメディカゴ社(本社︓カナダ ケベック市)が、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の予防をめざして開発している植物由来のウイルス様粒子Virus Like ParticleVLP」)ワクチン(開発番号︓MT-2766)について、カナダにおいて承認申請を行ったことを発表しましたので、お知らせします。

なお、MT-2766 はグラクソスミスクライン社のパンデミックアジュバントを併用しています。

MT-2766 は、カナダにおいて本年 4 月よりローリングサブミッションの審査が開始されており、12 7日に発表した第 2/3 相臨床試験の第 3 相パートでの良好な結果をもとに、申請資料の最終部分として第 3 相パートのデータを提出しました。メディカゴ社は MT-2766 18 歳以上の健康成人に対する審査と承認を求めています。カナダで承認されれば、ヒト用 VLP ワクチンならびに COVID-19 ワクチンとして世界初の植物由来ワクチンとなります。また、冷蔵(2~8°C)での保存・流通が可能です。

日本においても、第
1/2 相臨床試験を本年 10 月から実施中であり、カナダ申請に用いたデータに日本の臨床試験結果を加えて、来春の承認申請をめざしています。今後、WHO、米国、英国への承認申請も行う予定です。また、今後、オミクロン株に対する MT-2766 の抗体反応を確認する試験を実施予定であり、その他、MT-2766mRNA ワクチン、アデノウイルスベクターワクチン既接種者に対するブースター試験を早期に実施できるよう検討を進めております。さらに小児への試験を予定しております。

当社グループは、中期経営計画 21-25 において、ワクチン領域を、中枢神経・免疫炎症領域とならぶ重点領域と位置付け、ワクチン領域においても新しいモダリティの開発に取り組んでいます。すなわち、新しいタイプのワクチンとなる植物由来 VLP ワクチンという新たな選択肢を届けることで、世界の最重要課題である感染症予防により一層貢献してまいります。
 

 

2023 2 3 日 

海外連結子会社 メディカゴ社の事業撤退に関するお知らせ


三菱ケミカルグループ
は、当社グループの田辺三菱製薬の連結子会社である Medicago Inc.(所在地:カナダ・ケベック市、社長:多田
俊文、以下「メディカゴ社」)の全事業から撤退することを決定しましたので、お知らせいたします。
 

1.撤退の理由
メディカゴ社は、植物由来ウイルス様粒子
(Virus Like Particle、以下「VLP)技術を用いた新規ワクチンの研究開発に特化したカナダのバイオ医薬品会社であり、2022 年2月には新型コロナウイルス感染症の予防を適応として開発してきた VLP ワクチン「COVIFENZ®」がカナダにおいて承認され、商用規模生産の移行に向け準備を進めてまいりました。

しかしながら、新型コロナウイルス感染症を取り巻く環境は大きく変化しており、現状の新型コロナウイルスワクチンの世界的な需要及び市場環境と、商用規模生産の移行への同社の課題を包括的に検討した結果、COVIFENZ®の商用化を断念するという結論に至りました。

また、メディカゴ社が保有する開発品の今後の事業化においても、更なる投資を継続的に行うことが困難であると判断し、当該事業から撤退し清算を進めることを決定いたしました。


2.メディカゴ社の概要

(1)名称
Medicago Inc.
(2)所在地
カナダ・ケベック市
(3)代表者の役職・氏名
社長 多田 俊文
(4)事業内容
植物由来 VLP 技術を用いたワクチンの研究開発
(5)設立年月日
1997 7 17
(6)大株主及び持株比率
田辺三菱製薬 100%

田辺三菱製薬は2013年7月12日、Philip Morrisと共同で、カナダのMedicago Inc.の全株式を取得することで同社取締役会と合意したと発表した。
両社は買収後のMedicagoを、田辺三菱60%、Philip Morris 40%のJVとして運営する。

2013/7/19 田辺三菱製薬、カナダ医薬品会社Medicagoを子会社化

報道では現在の出資比率は田辺三菱が79%、Philip Morrisが21%となっている。

Medicago Cuts Ties With Philip Morris → 田辺三菱製薬 100%

Medicago Cuts Ties With Philip Morris as WHO Rejects Plant-Based Covid Shot
 
Medicago Inc. severed ties with cigarette maker Philip Morris International Inc after the World Health Organization rejected the Canadian company's Covid-19 vaccine, according to a tobacco control body. 

Covifenz, the world's first plant-based Covid vaccine, was jointly developed by Medicago, which is owned by Mitsubishi Chemical, Philip Morris and Glaxo. The Canadian government, which provided $173 million in funding for its development, has cleared it for use.

“Tobacco corporations, vaccines and governments don't mix well and we applaud the expulsion of Philip Morris from the Medicago collaboration,” Les Hagen, the executive director of a not-for-profit organization ASH Canada, said in a statement Monday. 

Medicago's request for an emergency-use listing was denied earlier this year by the World Health Organization because of the links with tobacco industry. 

“We are relieved that Canadian governments have washed their hands of this unethical and embarrassing collaboration with a tobacco giant,” Hagen said. 

MedicagoはWHOに承認申請したが、WHOの関係者は2022年3月16日、Medicagoが開発した植物由来の新型コロナウイルスワクチンは、同社がタバコメーカーのPhilip Morrisからの出資(Philip Morris 21%)を受けていることを理由に、WHOの緊急使用承認を「受けられない可能性が非常に高い」と発表した。

タバコや武器会社との提携に関するWHOの「非常に厳しい」ポリシーに抵触する恐れがあるため、緊急使用承認が一時停止されているという。

Medicago はWHOへの申請を取り下げたと報じられている。

 

 

 


3.
今後の予定

メディカゴ社の
活動を大幅に縮小し、事業撤退に向けた活動を進めます。清算の手続きは、現地の法令に従って、順次実施する予定です。

 

4.業績への影響
本件における業績への影響については現在精査中であり、今後、公表すべき事項が発生し
た場合には速やかに公表いたします。