日本とアジアの石油化学の現状その他を、各社のホームページや新聞雑誌情報を基にまとめ
た個人のデータベースです。

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Solutiaの新製法プラント 延期                                   Back

2002年版 「日本の石油化学工業」から 

新製法によるフェノール生産設備の建設      → 建設延期

JLMインダストリーズが参加              → 契約取消

ロシアのボレスコフ触媒研究所(Boreskov Institute of Catalysis:BIC)が開発した技術
  
ベンゼンとN2Oガス(笑気ガス)を直接酸化させ、一段でフェノールを生産
  (従来法は ベンゼン+プロピレン→フェノール+アセトン)

 


July 31, 2001 Solutia, JLM発表

SOLUTIA AND JLM INDUSTRIES, INC. END BENZENE TO PHENOL COMMERCIAL AGREEMENT
    http://www.jlmi.com/pressreleases/073101.html


 


2002/12/18 Chemnet Tokyo

TEC、ドイツ合弁企業から特殊ビスフェノール設備受注

 

本州化学工業と三井物産、ドイツ・バイエル3社の合弁会社であるハイビス社(Hi-Bis)
特殊ビスフェノール年産5,000トン設備


日本経済新聞 2004/8/8

「旧東独地域に化学プラント、東洋エンジが引き渡し。」

 
東洋エンジニアリングは6日までに、旧東独のザクセンアンハルト州で、本州化学工業、独化学大手バイエルなどの合弁会社「ハイ―ビス」に化学プラントを引き渡した。


2001/12/13 Bayer

Bayer: Joint Venture with Japanese companies Honshu and Mitsui
  Production facility for specialty bisphenols creates 35 new jobs in Bitterfeld
  Investment of around EUR 38 million / On stream at end of 2003
     http://www.bayer.co.jp/bgj/english/newsfiles/news/back-89_e.html




2003/1/20 三井化学

大阪工場フェノールプラント向け原料クメンの生産能力増強
     
 http://www.mitsui-chem.co.jp/

 

<クメン生産能力増強の概要>
 ◆生産能力増強 :+18万トン/年(10→28万トン/年)
 ◆工事・稼動時期:2004年夏期定修で工事を実施し、同年8月より稼動開始
 ◆総投資額:約20億円


*現在は東ソー四日市からキュメンを購入 

2005/7情報

現在、四日市で生産している東ソーのキュメンは三井化学には販売していません。
国内は0にちかくほぼ全部海外に販売しています。クムホ(韓国)が大口顧客の1つです。

  


April 4, 2003 Financial Times

Mitsui Chemicals plans to build phenol plant in China.

A 250,000 tonnes/y phenol plant is to be built by Mitsui Chemicals in Asia, probably China, during 2005-2006 increasing Mitsui's total phenol capacity to 1 M tonnes/y.

 


日本経済新聞 2004/3/26

三井化学 中国石化最大手と合弁              
発表
 高機能樹脂原料を生産 年内にも製販会社

 三井化学は中国最大の石化メーカー、中国石油化工集団と家電製品や光ディスクなどに使う高機能樹脂原料を合弁生産することで基本合意した。26日発表する。生産する製品分野では世界最大となる年産12万トン規模の一貫設備を上海に建設、2006年夏にも生産を始める。急拡大する中国の需要を獲得するため、輸出が中心だった戦略を転換する。


ミツイ・ビスフェノール・シンガポール株式会社(MBS)は第1、第2系列(共に能力7万t/年)と合わせて合計21万t/年のBPA生産能力を有し、アジア最大の生産拠点となりました。同時に三井化学のBPA生産能力は日本の21万t/年(日本ジーイープラスチックス含む)と合わせ、合計42万t/年となり、アジア最大メーカーのポジションを確固たるものとしました。
http://www.mitsui-chem.co.jp/whats/030129.htm

 


2004/03/26 三井化学

ビスフェノールA合弁に向けた本格検討の開始について
http://www.mitsui-chem.co.jp/whats/040326.pdf

 中国石油化工股■有限公司(以下 Sinopec Corp. 本社:中国北京市、総裁:王 基銘)と三井化学(本社:東京都港区、社長:中西 宏幸)は、この度、ビスフェノールAの合弁事業の具体化に向けて、本格的な検討を進めることに合意し、昨日(3月25日)意向書を締結しましたのでお知らせします。  



 新会社及び新プラント建設計画の現時点での構想は次の通りです。

    原料のフェノールについては、Sinopec Corp.傘下の上海高橋分公司が現在建設中のフェノール設備から、国際競争力ある価格で供給を受けることで合意しています。

ビスフェノールA合弁会社の社名及び資本金は未定です。
設立時期は04年12月、出資比率は両社50%/50%の均等出資です。
所在地は中国上海化学工業区(漕●)で、事業内容はビスフェノールAの製造・販売です。
プラント生産能力は12万トン/年、建設スケジュールは05年1月着工、06年7月完工を予定しております。

China Chemical Reporter 2005/10/21     意向書締結

Sinopec and Mitsui Join Hands in BPA Project

Sinopec Corp. and Mitsui Chemicals Inc. of Japan signed formally in Shanghai, China on October 15 to set up Shanghai Sinopec Gaoqiao Mitsui Chemical Co., Ltd. for the establishment of 120 000 t/a bisphenol A (BPA) production line. BPA is the major material for the production of epoxy resin and polycarbonate. 上海シノペック高橋三井化学

Sinopec Corp. and Mitsui Chemicals held a ceremony for the signing of the contract. With the total investment of RMB 100 million and the contract duration of 50 years, each of the two parties holds 50% equity in the joint venture.

Sinopec Corp. has a number of solely funded enterprises and joint ventures in Shanghai Chemical Industry Park, including a 200 000 tons/a phenol/acetone unit (高橋石化フェノール). Sinopec has always been planning to set up a BPA production line matching with the phenol/acetone unit to extend its products chain. Once the BPA project put into stream, it will use up almost all the products from 200 000 t/a phenol/acetone. After cautious consideration, Sinopec and Mitsui Chemicals made the decision to locate the BPA production joint venture in Shanghai Chemical Industry Park.


2006/4/4 三井化学

中国におけるビスフェノールA合弁会社設立について

三井化学株式会社と中国石油化工(以下
Sinopec Corp.)は、この度、ビスフェノールAを製造・販売する合弁会社を設立することに関し中国政府の認可を取得しましたのでお知らせします。
 両社は、国際競争が激化する事業環境下で、アジア最大のフェノール・ビスフェノールAのメーカーである三井化学と、中国で最大のフェノール生産能力を有する
Sinopec Copr. が誘導品のビスフェノールA分野で提携することで、更に競争力の強化が図れるとの共通認識に基づき、04325日に意向書を締結し、対等出資によるビスフェノールAに関する合弁会社の設立の本格的な検討を進めてきました。この度、中国政府の事業認可を取得しましたので、合弁会社を設立することとなったものであります。
 尚、両社は今後の協力関係の拡大について検討していくことで合意しています。

合弁会社及び新プラントの概要は次の通りです。
1.社名:上海石化三井化工有限公司
2.設立時期:
20064
3.総投資額:約
9億人民元(130億円)
        (三井化学
50%Sinopec Corp. 50%)
4.所在地:中国上海化学工業地区(ソウケイ)
5.事業内容:ビスフェノールAの製造・販売
6.生産能力:
12万トン/年(プロセスは最新のイオン交換樹脂法)
7.スケデュール:着工 
20068
           完工 
200710
8.原料フェノール:
Sinopec Corp.傘下の上海高橋分公司が昨年3月に稼動を開始したフェノール設備から、国際競争力ある価格で供給を受ける


2008/12/30 CCR

Sinopec Mitsui Starts up 120 000 T/A BPA Project

On December 16th, 2008 Shanghai Sinopec Mitsui Chemicals Co., Ltd. (Sinopec Mitsui) commenced the production of its 120 000 t/a bisphenol A (BPA) project at Shanghai Chemical Industry Park.


2004/12/22 新日鐵化学

フェノール・ビスフェノールAの合弁事業の解消について
http://release.nikkei.co.jp/detail.cfm?relID=89637&lindID=4

 新日鐵化学株式会社と三菱化学株式会社とは、2005年3月末をもって新日本フェノール株式会社及び新日本ビスフェノール株式会社におけるフェノール及びビスフェノールAの合弁事業を解消することに合意いたしました(新日本フェノール・新日本ビスフェノール両社の概要は別添資料ご参照)。

 新日鐵化学と三菱化学は、フェノール・ビスフェノールA事業の拡充及びポリカーボネート樹脂原料の調達を目的として、1989年9月に共同で新日本フェノール及び新日本ビスフェノールを設立し、1993年9月にフェノール設備(オランダDSM社の改良トルエン法)、ビスフェノールA設備の稼動を開始いたしました。

 しかしながら、近年新日本フェノールにおいては、フェノールの原料であるトルエンの価格高騰が継続するなど環境悪化により
コスト競争力上の課題を抱えることとなりました。鋭意コスト改善に取組んでまいりましたが抜本的改善の見通しが立たないため、2005年6月末を目処に設備を停止しフェノール製造を終了することといたします(なお、これに先立ち、同年3月末に合弁を解消し一旦新日鐵化学の100%子会社といたします)。またこれを機に新日本ビスフェノールの合弁についても解消することとし、今後は両社が独自にフェノール、ビスフェノールAの生産・供給体制を強化していくことといたしました。

 
新日本ビスフェノールにつきましては、新日鐵化学が2005年3月末をもって三菱化学の持分  24.3%を譲り受け、同社は新日鐵化学の100%子会社となります。

 新日鐵化学はあわせてこのたび韓国の
錦湖P&B化學株式会社(KPB)との提携を強化し、同社が現在建設中の最新鋭フェノール生産設備(増強後年産能力28万トン 2005年4月完工予定)からのフェノールおよびアセトンを主原料としてビスフェノールA事業を再構築・強化していくことといたしました。新日鐵化学は2000年7月にKPB社に出資し、日韓2つの生産拠点体制下でグローバルなフェノール・ビスフェノールA事業を展開してまいりました。今後はフェノール生産拠点をKPB社に集約一元化した上で、このたび新日鐵化学として供給力が強化される新日本ビスフェノールのビスフェノールA生産設備、並びに韓国におけるKPB社の同生産設備によりビスフェノールA事業を展開してまいります。今回の生産体制の再構築によりビスフェノールAは原料の効率的な調達と供給能力拡大とが実現され、事業が安定・強化されるのと同時に、同じくフェノールの川下商品である合成オルソクレゾールの事業構造も強化されることとなります。

 一方、三菱化学は、2003年7月に鹿島事業所においてフェノールの生産能力を年産18万トンから年産25万トンに、また2004年12月に黒崎事業所においてビスフェノールAの生産能力を年産10万トンから年産12万トンに引き上げるための生産設備の増強を行ない、独自にフェノール・ビスフェノールA事業の強化を図ってまいりました。三菱化学は、今後も、同事業を石化セグメントにおけるコア事業の一つと位置付け、更なる事業展開を図ってまいります。

別添
◆新日本フェノール株式会社
本社:東京都品川区西五反田7−21−11(新日鐵化学本社内)
工場:福岡県北九州市戸畑区大字中原先の浜46−80(新日鐵化学九州製造所内)
生産能力:フェノール年産12万トン(1991年3月完工)
社長:神永信一(新日鐵化学シニアエグゼクティブオフィサー化学品事業部長)
資本金:480百万円
出資:新日鐵化学87.5% 三菱化学化学12.5%
事業:フェノールの製造・販売

◆新日本ビスフェノール株式会社
本社:福岡県北九州市戸畑区大字中原先の浜46−80(新日鐵化学九州製造所内)
工場: 同上
生産能力:ビスフェノールA 年産10万トン(1991年3月完工)
社長:神永信一(新日鐵化学シニアエグゼクティブオフィサー化学品事業部長)
資本金:490百万円
出資:新日鐵化学75.7% 三菱化学24.3%
事業:ビスフェノールAの製造・販売
◆錦湖P&B化學株式会社

本社:大韓民国全羅南道麗水市華峙洞319
工場: 同上
生産能力:フェノール年産13万トンを28万トンへ増強(2005年4 月完工予定)
キュメン年産9万トンを42万トンへ増強(2005年4 月完工予定)
アセトン年産8万トンを17.2万トンへ増強(2005年4 月完工予定)
ビスフェノールA 年産13.5万トン(2002年12月能力増強工事完了)
社長:柳明烈
資本金:143,712 百万Won
出資:新日鐵化学21.8% 錦湖グループ他78.2%
事業:フェノールおよびビスフェノールAなどの製造・販売


2005/12/27 三井化学/出光興産

千葉フェノール(株)の生産能力増強について
http://www.mitsui-chem.co.jp/whats/2005_1227_1.htm

<増強計画の概要>
1. 合 弁 会 社 : 千葉フェノール株式会社
            (出資比率:三井化学 55%、出光興産 45%)
2. 増 強 内 容 : フェノール 3万トン/年増強(20→23万トン/年)
            アセトン 2万トン/年増強 (6→8万トン/年)
3. 工 事 内 容 : 既存プラントの改造
4. スケジュール : 着工 2006年1月
            完工 2006年4月


化学工業日報 2007/3/12

東ソー、四日市のキュメン生産能力3割増強

 東ソーは、四日市事業所のキュメン設備について、高性能触媒の導入により生産能力を現在の年産23万トンから同30万トンへ3割増強する。アジア市場におけるおう盛なフェノール需要の増大に応える。ま

キュメン:ベンゼン+プロピレン


日本経済新聞 2007/9/25

三井化学 PC樹脂原料 一貫生産 シンガポールに第2工場


 第二工場の生産能力はフェノールが年30万トン、BPAが年15万トン。生産したBPAは帝人化成をはじめとするPC樹脂メーカーなどに外販する。第二工場が稼働すると、日本などを含む総生産能力はフェノールが現在の33%増の年122万トン、BPAが64%増の年約72万トンに拡大する。


日本経済新聞 2008/8/15

三井化学 シンガポールで原料生産を倍増

 フェノールはプラスチック製品や医薬品、接着剤などの原料。新工場の投資額は明らかにしていないが、
生産能力は年25万ー30万トンとなる予定。

 また同日、シンガポール科学技術庁と共同で天然ガスの主成分であるメタンからフェノールなどの原料になるベンゼンと水素を製造する触媒を開発したとも発表した。同触媒技術を利用し、5年以内にベンゼンなどを試験生産、10年以内に商業化を目指す。

 


2008年12月03日 Chemnet Tokyo
 
新日石がキュメンプラントの稼動を開始
製品は全て欧州のPHメーカーに出荷の予定

  新日本石油は、1日から室蘭製油所でキュメンの製造プラントの本格操業を開始した。設備能力は年産17万トン。11月中旬にオンスペック操業に入って以降 の運転で長期にわたって安定稼動していける確認が得られたため営業運転入りしたもの。これによって同社のプロピレンの有効活用度はさらに向上することにな る見通し。

 同社の新規参入で日本国内におけるキュメンの製造企業は、既存の東ソー、三井化学、三菱化学を合わせて4社となった。うち三井化学と三菱化学は誘導品のPH(フェノール)との一貫生産体制を取っている。したがって、キュメン外販企業としては同社が国内では2社目となる。
 
 ただし同社の場合は、生産する製品の全てを欧州の大手PHメーカー向けに出荷していく計画。ドイツ・イネオス、スペイン・エルティサ等に安定的に振り向 けていける見通しがついているという。したがって、日本国内をはじめとしたアジア市場の需給バランスに及ぼす影響はほとんどないと見られている。

 

2009年1月30日 三井化学

アニリン事業からの撤退について

当社(社長:藤吉建二)は、このたび、アニリン事業からの撤退を決定致しましたので、下記のとおりお知らせ致します。

1.停止するアニリン設備の概要

(1)製造設備:当社市原工場内
(2)生産能力:66,000トン/年
(3)停止時期:2009年3月
(但し、販売からの撤退時期は2009年9月を目途とする)

2.事業撤退の背景

当社は基礎化学品事業本部、フェノール事業部において、フェノールの誘導品としてアニリン事業を展開しておりますが、近年、主用途でありますMDI分野においてアニリンの自製化が進展し販売数量が激減、事業採算は極めて厳しい状況となっております。
こうした状況に対応し、当社は中国向けの拡販及びあらゆる合理化・コストダウン等に取り組んでまいりましたが、事業を継続するための収益確保が困難と判断し、アニリン事業から撤退致します。

3.今後の見通し

現在、当社全フェノール需要のうち、アニリン向けが占める割合は1%です。当社は、今後、フェノールの主要誘導品であるビスフェノールA向けの拡大及びフェノール外販増により、フェノール事業全体を拡大させていく予定であり、本事業撤退による大きな影響はありません。
なお、当社100%子会社である三井化学ポリウレタンが大牟田工場で、全量MDI原料用として稼動しているアニリンプラントにつきましては、今後も稼動を継続させる予定です。

 


2010/12/14 化学工業日報

三井化学、ARS用の第2世代触媒を開発

 三井化学はアセトンリサイクルシステム(ARS)に用いる第2世代触媒を開発した。従来品に比べ反応温度を下げることができ、効率をあげることができる。省エネ、コストダウンを期待している。今後、触媒寿命などを確認したうえで、実用化を図る方針で、大阪工場で検討している
アセトン法イソプロピルアルコール(IPA)設備に導入したい考えだ。2013年に予定している定修で実施する。能力は6万トン。低コストで生産するIPAを事業化することで、フェノールチェーン全体の競争力を高める。

 アセトンはフェノール製造工程で副生するが、フェノールほどの需要の伸びがないため、フェノール増産のネックとなっている。
ARSはアセトンをIPAを経てプロピレンに誘導し、キュメン〜フェノールプロセスに戻すもの。三井化学は市原工場内の千葉フェノールに導入し、今期はフル操業が続いている。この結果、千葉、大阪、シンガポールの3拠点でフェノール92万トン、アセトン54万トンを生産しているが、うちアセトン14万トンをプロピレンに再生しており、アセトン販売量を40万トンにとどめる。

 同社は大阪工場にもARS導入を検討しており、13年の定修で実施する予定。プロピレンまで戻さず、IPAの段階で抜く方針で、効率を高めた第2世代触媒を用いることでコスト競争力の高いIPAを生産することが可能になる。能力は6万トンの想定。プロピレン法の既存設備(能力3万5000トン)は廃棄する。

三井化学フェノール 92万トン  2006/4/25 フェノール業界
その後SinopecとのJVで+37.5万トン  2009/11/4  三井化学、シノペックとの合弁事業の基本合意
 


2011年8月29日 三井化学     三井化学、大阪にアセトン法IPAプラント

三井化学 フェノール・チェーンの強化・拡大について
   -大阪工場アセトン法IPAプラントの新設-

 三井化学株式会社(社長:田中 稔一)は、フェノール・チェーン事業をグローバルに拡大させる競争優位5事業の1 つと位置付けています。
 その強化・拡大の一環として、大阪工場におけるプロピレン法IPA(イソプロピルアルコール)プラントを停止し、フェノール・チェーンで生産されるアセトンを原料とするアセトン法IPAプラントの新設を行なうこととしましたので、お知らせいたします。

<設備新設の概要>
1.対象製品 IPA(イソプロピルアルコール)
2.所在地 大阪工場(大阪府高石市)
3.新設能力 アセトン法 6.0万トン/年
         既存のプロピレン法 2.8万トン/年プラントは停止
4.製法 アセトン法
5.投資額 約30億円
6.スケジュール 2013年4月営業運転開始(予定)

旧法(プロピレン法):プロピレンと水を高温高圧下で水和し、粗イソプロピルアルコール水溶液を分離、精製
                           C3H6+H20 →C3H8O
新法(アセトン法):アセトンと水を気相反応 
                           C3H6O+H2 →C3H8O
プロピレン:不足
アセトン:フェノール生産で副生するが需要少なく、フェノール増産のネックに

         ベンゼン
プロピレンフェノールアセトン

アセトン→IPA→プロピレンも可能(アセトンリサイクルシステム

三井化学フェノール 92万トン  2006/4/25 フェノール業界
その後SinopecとのJVで+37.5万トン  2009/11/4  三井化学、シノペックとの合弁事業の基本合意

 IPAは塗料・インキ分野を中心に使用される基礎的な汎用溶剤であり、環境負荷の少ない溶剤として、アジア各国でGDPに連動した需要の伸張が見込まれています。
 しかしながら、従来の原料であるプロピレンは今後需給の逼迫が想定されており、不安定な供給、価格の影響を受けざるを得ない状況です。特に、石化原料のライトフィード化が進展している欧米においては、今後もプロピレン価格の高騰が継続する見通しであり、欧米メーカーのアジア向けIPA輸出は、大幅に減少する見込みです。
 このような状況下、当社はIPAの製造法を既存の「プロピレン法」から、独自開発した高活性触媒を使用した「アセトン法」へ転換することを決定しました。これにより、プロピレンの需給の影響を受けず、IPAを国内及びアジア市場に安定的に供給する体制を構築することが可能となります。
 今回のアセトン法IPAプラントの新設により、当社は競争力あるIPAを安定的に供給するメーカーとしてIPA顧客の信頼を獲得するとともに、フェノール・チェーンに新たな誘導品を加えることとなり、世界トップに向けたフェノール・チェーン事業の強化・拡大を図ることができるものと確信しております。


2014年04月11日  住友商事       2014/4/14 住友商事、CEPSA Quimica の上海のフェノール計画に参画

中国における石油化学品製造事業への参画について

住友商事は、スペインの大手石油化学会社であるCEPSA Química S.A.が中国で展開する予定の石油化学品製造事業へ参画いたします。

中国における自動車生産・販売はともに高水準の伸びを示しており、中国全土に広がるモータリゼーション化の波は、プラスチック市場をも拡大させています。
本事業は、自動車部品、電気部品等のプラスチック原料であるフェノールを年産25万トン、アセトンを年産15万トン、およびキュメンを年産36万トン製造する計画です。既に上海市南西部の石油化学工業区内に石油化学品製造工場の建設を進めており、2014年後半には操業を開始し、2014年末には本格稼働する予定です。
 
今後、住友商事およびセプサキミカ社が共同出資予定のCEPSA Química China,S.A.(本社:スペイン、社長:Fernando Iturrierta)を通じ、CEPSA CHEMICAL SHANGHAI CO.,LTD(本社:中国上海市、社長:Pierre Lahaie)が現地で事業を推進する予定です。出資比率はセプサキミカ社が75パーセント、住友商事が25パーセントです。住友商事は、セプサグループと約25年間の取引関係があり、この中国での合弁事業を機会に、更なる取引拡大を計画しています。

セプサキミカ社は、本事業が初めてのアジア進出となります。セプサキミカ社の高い製造技術力と、住友商事の中国での事業経営ノウハウとマーケティング力を組み合わせることで、中国における石油化学品の製造・販売基盤を確立してまいります。

(※1)フェノール:フェノール樹脂に代表されるプラスチックの他、医薬品や染料など各種化学品の原料として広く用いられています。
(※2)アセトン :アセトンは有機溶剤だけでなく、医薬品、アクリル樹脂等の原料として広く用いられています。
(※3)キュメン  :フェノール・アセトンの原料です。