日本とアジアの石油化学の現状その他を、各社のホームページや新聞雑誌情報を基にまとめ
た個人のデータベースです。


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2004/6/3 住友化学

情報電子材料分野における事業の「選択と集中」について
http://www.sumitomo-chem.co.jp/japanese/gnews/news_pdf/20040603_1.pdf


(1)事業再編に関しましては、
@
液晶ポリマーの愛媛工場の生産能力(現行3,000トン/年、この他にグループ会社である田岡化学工業鰍ノ1,000トン/年の能力を持つ)を漸次引き上げ、2006〜2007年に現行能力の倍である6,000トン体制を確立いたします。

A一方、長らく継続してきた半導体封止材用
オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂事業(生産能力7,500トン/年)について、本年10月をもって同業界のリーディングカンパニーの1社である長春人造樹脂廠股*有限公司(本社台湾・台北市)へ事業譲渡し、同社に当社技術等を全面的に継承することといたしました。

 

(3)光学機能性フィルムの研究を充実し、部材や加工技術の開発スピードをさらに加速させるとともに、顧客志向の研究開発を一層効率的に進めるべく、2005年春を目途に当社愛媛工場敷地内に新研究棟を設立することといたしました。

 


2004/6/14 中国・ASEANニュース速報

【台湾】長春、住化の封止材用樹脂事業を買収
http://www.e-plastics.gr.jp/japanese/nna_news/news/news0406_3/04061405.htm

住友化学は3日付の「情報電子材料分野における事業の『選択と集中』について」と題されたプレスリリースで、同事業の長春グループへの譲渡を明らかにしていた。それによると、年産7,500トン規模の半導体封止(パッケージング)材用オルソクレゾールノボラック(OCN)型エポキシ樹脂事業を今年2004年10月、長春グループの長春人造樹脂廠に譲渡し、技術も全面的に継承させる。

林董事長はまた、
住友化学と英メリゾールの南アフリカにおける合弁会社、住化メリゾール(SMRSA、2001年設立)の買収も行うことを明らかにした。住友化学が同合弁会社に出資する株式80%を取得する。OCN樹脂分野に進出し、生産チェーンをさらに強固なものにするのが狙いとみられる。

長春グループと住友化学は、
高雄県大寮郷の大発工業区に住友培科を設立し、日月光半導体(アドバンスト・セミコンダクター・エンジニアリング=ASE)やシリコンウエア・プレシジョン・インダストリー(SPIL)にパッケージング材料を供給してきた。今回、住友化学は、長春グループの研究開発(R&D)能力を高く評価し、「選択と集中」の方針の下、自ら譲渡を申し出てきたようだ。

 


日本経済新聞 2004/7/19           発表

中国に液晶材料新工場 住友化学、来年夏に稼働

 
住友化学工業は中国江蘇省無錫市に液晶表示装置(LCD)材料の新工場を建設する。偏光フィルムと導光板の生産ラインを設け、2005年に稼働させる。シャープなど同市に進出している有力顧客の需要拡大を見越して迅速な供給体制を整える。

 住友化学は今月末に全額出資子会社「住化電子材料科技(無錫)」(資本金900万ドル=約10億円)を設立。来年夏には同市内の約40万平方メートルの敷地に、月産能力1000万枚の偏光フィルム工場と、年産能力5千トンの導光板工場を完成させる。

 住化は、
上海の全額出資子会社でも偏光フィルムの製品化工程を手掛けているが、敷地が手狭で.労賃も上昇しているため、無錫を主力拠点に育成する。導光板の海外生産は初めてとなる。


2004年7月20日 住友化学

中国無錫市における情報電子材料拠点の設立について
http://www.sumitomo-chem.co.jp/japanese/gnews/news_pdf/20040720_1.pdf

 住友化学はこのほど、中華人民共和国江蘇省無錫市に「住化電子材料科技(無錫)有限公司」を設立し、情報電子材料の新工場を建設することといたしました。

 新会社の概要は以下の通りです。

1.会社名   住化電子材料科技(無錫)有限公司
2.設立   ‘04年7月末
3.資本金   当初9百万ドル(10億円邦貨相当)
3年以内に漸次73百万ドル(80億円邦貨相当)まで増資の予定
4.設備能力   第一期(‘05年夏)
 導光板     5,000トン/年
 偏光フィルム 10百万枚/月
第二期(‘06年夏)以降(数字は第一期を含む累計)
 導光板     10,000トン/年
 偏光フィルム 35百万枚/月
5.人員   約300名(‘05年夏)
6.社長   宮竹賢一

 


日本経済新聞 2005/1/20     発表

住友化学 液晶関連に100億円投資 カラーフイルター台湾に新工場


 台湾で生産するのは携帯電話向けに需要が伸びている「第二世代」と呼ばれる小型液晶パネル用のカラーフィルター。約50億円を投じて、台北郊外の新竹科学工業園内に月産5万枚の工場を9月に完成させる。需要家である台湾の大手液晶パネルメーカーの既設クリーンルームを利用するため、建設費を40億円程度節減できるという。
 韓国では今夏までに大型テレビ用カラーフィルターを生産している平沢市内の2工場の月産能力を、現在の合計12万枚から16万枚に引き上げる。カラーフィルター用材料などを生産している韓国・益山市の生産拠点には約5億円を投資し、4月までに次世代の液晶に使う材料を開発する研究所を設立する。
 日本では液晶部材生産拠点の愛媛工場に約45億円を投資する。4月までに次世代の液晶用偏光フィルム開発などを手掛ける研究所を設けるほか、今秋までに偏光フィルムの塗工工場や品質管理センターも新設する。


2005年1月20日 住友化学

情報電子化学部門の拡充について
http://www.sumitomo-chem.co.jp/japanese/gnews/news_pdf/20050120_1.pdf

(T)カラーフィルター
(1)住華科技股.有限公司(台湾)において、新工場を建設
  場所:新竹科学工業園区
  能力:5万枚/月(第二世代サイズ)
  完成:2005年9月
  投資額:約50億円

(2)韓国・東友STI鰍フ能力増強
 現在、当社は韓国に2つの第五世代カラーフィルター工場を持ち、生産能力は合計12万枚/月ですが、生産性の向上ならびにボトルネック解消のための少額投資により、本年夏頃までに合計16万枚/月まで生産能力を増強を実施いたします。これにより、コスト競争力の向上と将来の需要増加に対応いたします。

(U)偏光フィルム
(1) 能力増強・拠点拡充
 当社は現在、韓国、台湾においてそれぞれ第二期工場を建設中ですが、本年3月にこれらが相次いで完成いたします。これにより、当社の合計生産能力は、既存の15百万m2/年から26百万m2/年へ大幅に増加します。これらの能力拡大は、今後、伸長が期待される大型テレビ用途への供給に対応するものです。
 また、需要が急速に拡大している中国市場に対応するために現在、無錫に製品化工程の工場を建設中で、本年7月に完工いたします。さらに、中小型品のカラー化が進展する中で需要の伸びが著しい中国華南地区での生産拠点を確保するために、近く香港に新会社を設立する準備を進めています。

@ 情報電子化学品研究所(光学製品)
 現在、大阪と愛媛に分散している研究員を統合すると共に、人員の拡充、研究機器の充実を図るために、愛媛工場内大江地区のフィルム工場に隣接して研究所の新棟を建設中です。
  完工:2005年4月
  投資額:10億円

A 品質管理センターと塗工工場の新設および新生産管理システムの導入
  完工時期:本年秋までに順次
  総投資額:約30億円


(V)東友ファインケム研究所新設
 韓国東友ファインケム(株)益山工場に新たに研究所を建設中であり、液晶材料(顔料レジスト、エッチャント)や半導体用フォトレジスト(主としてKrF),液晶用レジストの研究開発の拡充を図ります。
  完工:2005年4月
  投資額:約5億円


2005/5/16 住友化学

住友化学、ダウから高分子有機EL用材料事業を買収
http://www.sumitomo-chem.co.jp/japanese/gnews/news_pdf/20050516_1.pdf

 住友化学は、米国ダウ・ケミカル社から高分子有機EL用材料事業を買収いたしました。当社はダウ社の高分子有機EL用材料「LUMATION」に関する知的財産および技術を全て承継いたします。

 


2005年9月1日 住友化学

大型液晶テレビ用偏光フィルム設備増設
http://www.sumitomo-chem.co.jp/japanese/gnews/news_pdf/20050901_1.pdf

 住友化学はこのほど、急増する大型液晶テレビ用偏光フィルムの需要に対応するため、日本と韓国においてそれぞれ1系列600万u/年と2系列1,200万u/年の合計1,800万u/年の大幅な設備増設を実施することを決定いたしました。

 本設備完成後は、当社の偏光フィルムの生産能力は
現有の日本(800万u/年)、韓国(800万u/年)、台湾(800万u/年)の能力と合わせて合計4,200万u/年となり、急増するフィルムの需要に対応し、需要家の安定供給に対する要望に応える生産体制を整えてまいります。

《設備増強の概要》
1. 設備能力
   愛媛工場          1系列 600万u/年
   韓国(東友ファインケム) 2系列 600万u/年 計1,200万u/年

2. 完成時期
   愛媛工場 06年 8月
   韓国(東友ファインケム) 06年 5月(1系列目)、06年10月(2系列目)


2005年10月31日 Chemnet Tokyo               CDT発表

住友化学が高分子有機EL材料の生産へ
英CDTと11月にも折半会社を設立

 住友化学は薄型デスプレイ用に成長が期待されている高分子有機EL(エレクトロルミネッセンス)の発光材料を大阪で生産することになった。英CDT(ケンブリッチ デスプレイ テクノロジー)と折半で合弁会社を11月にも設立する。新会社の社名はSumationで、本社は東京。日本と英国に研究所をもち、製造は住化大阪工場に委託する。

 高分子有機ELの発光材料は世界でダウ、コビオン、住化の3社が手がけてきたが、
ダウはすでに住化に製造技術を売却しており、今後は日欧2社が取り組むことになる。

 低分子有機EL材料ではさる10月、出光興産が青色発光で、輝度半減寿命2万3,000時間(従来の2.3倍)を達成している。住化は筑波研究所でこれまでにEL材料の生産を行っているので、ユーザーとの折衝は年内にも始めたい意向である。


Covion(コビオン)

コビオン社(Covion Organic Semiconductors GmbH)はドイツ フランクフルトに位置し、 1999年4月に設立された
AveciaとCelanese Venturesとのジョイントベンチャー(合弁企業体)です。
コビオン社は有機ELディスプレイやオプトエレクトリック市場に対し高機能性材料の設計、 製造及び供給を行います。


2005/10/19 CDT 

ANNOUNCEMENT OF NEW 'SUMATION' JOINT VENTURE FOR POLYMER OLED MATERIAL SUPPLY
http://www.cdtltd.co.uk/press/current_press_releases/408.asp

Cambridge Display Technology (CDT) and Sumitomo Chemical have announced the name of their proposed joint venture operation: the company will be called Sumation KK. Sumation(TM) will develop and supply advanced polymer OLED (P-OLED) materials and formulated inks for use in commercial P-OLED display and lighting applications.

The intention to form Sumation was announced in May this year, and completion is expected around the end of October.

Sumation will be based in Tokyo, with R & D in Japan and the UK, and materials will be produced on behalf of Sumation by Sumitomo Chemical at their plant in Osaka, Japan, taking advantage of Sumitomo's extensive experience in fine chemicals manufacture.


2005119日 住友化学

液晶ポリマー関連米国ベンチャーへ出資
http://www.sumitomo-chem.co.jp/japanese/gnews/news_pdf/20051109_2.pdf

住友化学は、液晶ポリマー(以下LCP)による中空パッケージ事業(以下「LCP中空パッケージ」)のベンチャー企業であるクウォンタム・リープ・パッケージング社(Quantum Leap Packaging Inc.、本社:米国マサチューセッツ州、以下QLP社)が新規に発行する株式を購入し、同社へ出資することといたしました。出資額は20百万米ドルで、同社発行済み株式の20.7%の株式を保有することになります。


2005119

住化電子材料科技(無錫)有限公司の設備増強について
http://www.sumitomo-chem.co.jp/japanese/gnews/news_pdf/20051109_3.pdf


偏光フィルムの無錫での製品化能力は、今回の増強後、中小型では現状比約
2.5倍の50百万枚/(2インチ換算)、液晶テレビ用大型品では同じく約8倍の1.6百万枚/(32インチ換算)の能力となります。また、液晶テレビ用拡散板工場(能力5千d/年)については、現在、第一系列を建設中であり、稼動開始を2006年2月に予定していますが、第二系列(能力5千d/年)を新設することにしたもので、2006年春の完成を予定しています。


日本経済新聞 2006/3/2        発表

住友化学 液晶素材生産能力3倍 
 中国に工場、日韓も増強 500億円投資、日東電工を追撃

 日韓で建設中の3ライン(合計年産1800万平方メートル)にさらに4ライン(同3400万平方メートル)を新設する。4ラインが完成する07年夏時点の生産能力は年7600万平方メートルに達する。

愛媛県新居浜市の工場には1ラインを新設してシャープの増産に対応。韓国平沢市の工場では2ラインを追加し、同国で液晶パネルを共同生産するサムスン電子とソニーなどへの供給能力を高める。
 
中国の工場は江蘇省無錫市に新設。1ラインを稼働させる。シャープなどは中国での需要拡大をにらみ、同国での液晶テレビの組み立てを拡大。

 同杜は偏光フィルムで世界2位の25%のシェアを持ち、積極的な投資で首位の日東電工を追撃する構え。シェア50%の日東電工は偏光フィルムなどに約1千億円を投資する計画を2月に打ち出しており、住友化学も昨年9月の3ライン新設決定からわずか半年で追加投資を決めた。

偏光フィルム
 360度の全方向に振動する光のうち、すだれのように一定方向に振動する光だけを通過させる機能を持つ。後部のバックライトに発光させ、個々の液晶の向きを変えることで画面上の細かな明暗を調整する液晶テレビに欠かせない部材。バックライトの手前と画面前面の2カ所に使う。
 日東電工と住友化学のほかに
サンリッツ(東京・板橋)、ポラテクノ台湾オブティマックスが生産。液晶テレビを生産する韓国LGグループも内製している。視野角を広げる位相差フィルムなどとともに「光学フィルム」とも呼ばれる。

サンリッツ:旧称 三立電機株式会社 日本における偏光板パイオニア企業
        http://www.sanritz-corp.co.jp/

ポラテクノ 日本化薬と有沢製作所折半出資で液晶表示用偏光フィルム等を製造
        http://www.polatechno.co.jp/

Optimax  力特光電科技
        http://www.optimax.com.tw/English/index.asp


2006年3月2日 住友化学

大型液晶テレビ用偏光フィルム設備増設
http://www.chem-t.com/fax/images/tmp_file1_1141262649.pdf


《設備増強の概要》
1. 設備能力
   愛媛工場 1系列 850万u/年
   韓国 2系列 850万u/年 計1,700万u/年
    (東友ファインケム梶j
   中国 1系列 850万u/年
    (住化電子材料科技(無錫)有限公司)

2. 完成時期
   愛媛工場    07年 6月
   韓国       07年 6〜7月
    (東友ファインケム梶j
   中国       07年 7月
   (住化電子材料科技(無錫)有限公司)


2006/3/14 住友化学

プリントヘッド用超高輝度有機EL材料をセイコーエプソン株式会社と共同開発
http://www.sumitomo-chem.co.jp/japanese/gnews/news_pdf/20060314_2.pdf

 住友化学は、セイコーエプソン株式会社(以下、「セイコーエプソン」)との共同開発により、有機ELを光源とするプリントヘッド用の超高輝度高分子発光材料の開発に成功しました。
 現在、印刷機やプリンタ等に用いられている電子写真方式のプリント技術では、レーザー方式およびLED方式が一般的ですが、当社が開発した超高輝度高分子発光材料とセイコーエプソンのプリント技術、およびディスプレイ技術の融合により、新たに有機EL方式による書込み技術を実現しました。この有機EL方式は、ガラス基板上に直接有機EL材料を塗布するという工程により、光源を単一基板に直線性をもって形成するため、正確な位置に正確な光量の光を照射することが可能となり、均一な画像を形成する事ができるというメリットに加え、プリントヘッドの薄型化・小型化が可能であると考えています。
 当社は、長年にわたり表示材料技術および導電性ポリマー技術を蓄積してまいりました。昨年5月にダウ・ケミカル社からディスプレイ用高分子有機EL用材料(Lumation(R))の事業を買収し、また11月には英国のケンブリッジ・ディスプレー・テクノロジー社と有機EL材料の開発、生産および販売を行う合弁会社を設立し、ディスプレイや照明器具用途などの高輝度発光材料の開発を一層強化しております。今回の共同開発は、当社の持つ技術の新たな展開の一つと考えており、今後成長が期待できるこの分野においても研究開発を加速してまいります。


2006年8月7日 住友化学

ポーランドにおける情報電子材料拠点の設立について

 住友化学株式会社(以下、住友化学)はこのほど、ポーランド北部トルン市郊外に「Sumika Electronic Materials Poland Sp. Z o.o.」を設立し、情報電子材料の新工場を建設することを決定いたしました。

有力顧客であるシャープ株式会社が進出しているポーランド北部(トルン市郊外)のポモルスカ経済特区内に新工場を建設

 新会社の概要は以下の通りです。
 1.会社名 Sumika Electronic Materials Poland Sp. Z o.o.
 2.設 立 2006年8月下旬(予定)
 3.所在地 ポーランド共和国ポモルスカ県トルン市ヴィソミッツア郡
 4.土 地 約200千u(将来の拡張分含む)
 5.設備能力 第1期
     偏光フィルム 500千セット/月(37インチ換算)
     拡散板 5千トン/年
 6.生産開始 2007年夏(予定)
 7.人 員 当初約250名
       400名程度迄逐次増員の予定


日本経済新聞 2007/7/10

液晶テレビ向けデジタル素材 住化、東欧生産上積み
 ポーランド新工場 来夏、年1万トンに

 住友化学はポーランドでの液晶テレビ向け主要素材「拡散板」の生産計画を上方修正する。今年11月に
年5千トン規模の新工場が稼働するが、約15億円を追加投資して生産量を年1万トンに引き上げる。欧州でブラウン管から薄型テレビヘの買い替えが進み、シャープなど家電各社が東欧生産を拡大しているのに対応する。住化は拡散板で4割強の世界シェアを握る。成長市場で供給体制を整え首位固めを狙う。

 薄型テレビの価格下落で拡散板を含むデジタル素材の採算は全般に悪化している。住化は事業収益を改善するため、様々な機能を盛り込み高い利幅を確保できる拡散板を開発中で、ポーランドの第2ラインは新型拡散板の量産にも対応できるよう設計する。

 


2007/7/31 住友化学

Cambridge Display Technology Inc.社の完全子会社化について

 住友化学は、本日、高分子有機ELのデバイス開発のパイオニアであるCambridge Display Technology Inc.社(以下「CDT社」)を買収し、住友化学の完全子会社とすることで、CDT社と合意いたしました。買収予定金額は約285百万米ドルです。画面高品位テレビをはじめとする本格的有機ELディスプレイの早期の事業化に向けて一層注力してまいります。

【参考:CDT社について】
社名   Cambridge Display Technology Inc.
本店所在地   米国 デラウエア州(米国ナスダック上場)
事業拠点   英国 ケンブリッジ市近郊
創業   1999年
払込資本   285百万米ドル(2006年12月末)
発行済株式数   21.6百万株(2007年7月末)
売上高  8百万米ドル(2006年12月期)
CEO   Dr.David Fyfe
従業員   約130人


2011/5/9 住友化学 

次世代タッチセンサーパネル製造設備の新設について

 住友化学は、次世代タイプのタッチセンサーパネル製造設備を、当社電子材料事業の韓国拠点である東友ファインケムに設置することを決定し、このほど建設工事に着手いたしました。投資規模は、第一フェーズとして約2,500億Won、日本円で約190億円を予定しています。
 タッチセンサーパネルは、最近脚光を浴びているスマートフォンやタブレットPCなどにおいて、表示性能を左右する重要な部材です。今後は既存の用途に加えて、電子黒板、教育用スレート端末、ナビゲーション表示材などのいろいろな用途に幅広く採用されることが予想されています。
 また、今回設備を新設するタッチセンサーパネルは、映像の美しさや操作の簡便性、省エネ性能、軽さなどの特徴が市場で高い評価を受けている有機ELパネルを対象とした次世代タイプとしています。
 同タイプのタッチセンサーパネルの製造については、液晶表示材料で使用されるカラーフィルターと共通するプロセスがあり、当社がこれまで長年にわたって蓄積してきたカラーフィルター製造に関するノウハウを有効に活用することが可能です。さらに、主要納入先となる予定の三星モバイルディスプレイ社は、中小型タイプの低分子有機EL表示デバイスで世界の先頭を走っており、同社と協力することで、高水準の製造技術の確立を目指しております。
 一方で、住友化学は、大型TV等の表示材料として期待されている高分子有機EL材料の開発にも注力しており、将来的には、大型の有機EL表示材料向けタッチセンサーパネルの展開も視野に入れて本事業の拡大を目指してまいります。

<今回投資額の概要>
1.製 品 次世代タッチセンサーパネル
2.立 地 大韓民国 平沢市 東友ファインケム工場内
3.投資額 第一フェーズとして2,500億Won(約190億円)
4.能 力 公表せず
5.完成時期 2011年4Q 量産開始 2012年1Q 

   2011/4/22  有機ELの早期事業化に向けた組織改正

ーーー

2011/5/8  日本経済新聞 

住友化学、タッチパネル参入 スマートフォン向け
 韓国に新工場、サムスンに供給

住友化学はスマートフォン(高機能携帯電話)に使うタッチパネル市場に参入する。韓国に約200億円を投じて、新工場を建設し、2012年に生産を開始。製品は全量、サムスングループに供給する。液晶よりも高精細な有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)と組み合わせた視認性の高いタッチパネルを世界に先駆けて供給する。

 タッチパネルは画面に指で触れてページをめくったり、画像を拡大したりできる。住友化学は液晶パネルに不可欠なフィルムや発色材料の大手で、そのノウハウを生かして透明度が高く画面の応答速度が速いタッチパネルの開発に成功した。

 ガラスの表面に指の動きを感知する微細な回路をつくり、サムスンに供給する。新工場は韓国京畿道にある住友化学子会社の敷地内に建設する。すでに着工しており、12年1〜3月の稼働予定。初年度150億円の売上高を目指す。

 サムスンのスマートフォンは画面に有機ELパネルを使っているのが特徴。有機ELは自ら発光するため、液晶のように後ろから照らす光源が不 要で消費電力も少ない。米アップルの「iPhone」に対抗して昨年発売した「ギャラクシーS」は、世界で累計1400万台以上を出荷す るヒット商品になった。

 サムスンはこれまでタッチパネルを内製するほか台湾企業などから調達しているもよう。住友化学から高機能タッチパネルを安定調達し、他のスマートフォンとの違いを鮮明にする戦略だ。

 住友化学は携帯電話や薄型テレビのパネル用部材など情報電子化学部門の売上高を13年3月期までの3年間で5割増の約4000億円にする計画。米調査会社ディスプレイサーチは世界のタッチパネル市場が16年に、10年比で2倍強の149億ドル(約1兆2000億円)になると予測する。


日本経済新聞 2011/11/20

有機ELで新材料、住友化学 大画面テレビ向け量産

 住友化学は大画面の有機EL(エレクトロ・ルミネッセンス)パネルを低コストで生産できる新タイプの発光材料を開発した。
2012年初めから世界に先駆けて量産する。液晶パネルより高精細で消費電力が少ないなどの利点がある有機ELは、従来の製造法では大型化が難しかった。新しい発光材料は液晶テレビから有機ELテレビヘの世代交代を進めるきっかけとなる可能性がある。
 住友化学は大阪工場に新タイブの発光材料の量産設備を年内に建設し、12年初めから稼働させる。投資額は数十億円のもよう。発光層となる有機化合物や発光効率を高める補助材料を40型のテレビ換算で年400万〜500万台分生産する。製品は日本や韓国、台湾などのパネルメーカーに供給する。
 パネルの色彩などを左右する中核素材である発光材料は現在、「低分子」と呼ぶタイプの材料が主流。品質は安定しているが、大型のパネル生産には不向きとされ、有機ELは現時点ではスマートフオン(高機能携帯電話=スマホ)など小さな画面への利用にとどまっている。
 住友化学が量産するのは「高分子」と呼ぶタイプ。材料をインク状にして簡単に印刷できるため、40型以上の大画面パネルの量産も容易になる。発光材料をパネルに加工するコストが低分子タイプに比べ最大で半減できる。実用化の壁となってきた発光材料の寿命についても、必要な水準を達成できたとみて競合他杜に先駆けて量産に踏み切る。
 米調査会社のディスプレイサーチによると、有機ELパネルの16年の世界市場は10年比で13.6倍の約214億ドル。液晶パネル分野の5分の1程度の規模だが成長性は高い。一方、液晶パネル市場は液晶テレビの先進国での需要一巡や価格下落で、16年の市場規模は10年比14%増にとどまる。
 


2022年10月03日

化合物半導体材料事業における新体制発足のお知らせ  
〜サイオクス事業部および茨城工場の新設〜

住友化学はかねてお知らせの通り、10月1日付で100%子会社の株式会社サイオクス(Sciocs)を吸収合併し、情報電子化学部門内に「サイオクス事業部」および「茨城工場」を新設しました。経営資源を集中かつ弾力的に投入しながら、成長が期待される次世代パワー半導体用の大口径GaN(窒化ガリウム)基板など化合物半導体材料の事業強化を図ります。

住友化学は、2015年に日立金属株式会社から化合物半導体材料事業を買収し、サイオクスを設立しました。サイオクスでは、高度な結晶形成技術と機動性を活かし、GaAs(ガリウム砒素)/GaNエピウエハや光半導体用GaN基板の拡大に加え、新規分野としてパワー半導体用GaN基板、鉛フリー圧電薄膜、ダイヤモンド電極などの開発、事業化を進めてきました。化合物半導体分野は、昨今需要が増加している5G高速通信向けに加えて、データセンターサーバーや電気自動車などを用途として次世代パワー半導体市場の拡大が期待されています。こうしたことから、当社は、既存、新規の両分野で大規模な生産体制の整備やより革新的な製造プロセスの構築が不可欠であると判断し、化合物半導体材料事業を新しいステージで運営することを決めました。

住友化学グループは、米国アリゾナ州の子会社である住友化学アドバンストテクノロジーズにおいても、化合物半導体材料の開発、製造、販売を行っています。近年、米国では最先端技術分野で化合物半導体をはじめとする高性能製品に対するさまざまな需要が生まれており、今回の吸収合併を機に、グローバルでの連携を一段と強固なものとし、拡大が見込まれる市場のニーズに応えてまいります。

ーーーーーーーーーーー

2015年2月3日 住友化学 

日立金属の化合物半導体材料事業を買収

住友化学は、本日、日立金属の化合物半導体材料事業を買収することについて、同社と合意いたしました。買収の時期は本年4月1日を予定しています。

住友化学は、今回の買収により、日立金属の窒化ガリウム(GaN)基板・エピウエハ、ガリウムヒ素(GaAs)エピウエハ等に係る事業を取得します。GaN基板・エピウエハにおいて、日立金属は先駆者の一社で、最先端の技術レベルに位置しています。当社としては、市場が本格的に立ち上がり始めた電子・光学部品用途では事業拡大を図り、パワーデバイス用途の早期事業化にも注力してまいります。さらに、日立金属のリソースおよび同社の優れた量産技術を当社の技術と融合することで、現在当社が開発に取り組んでいる次世代GaNエピウエハの事業化も加速します。一方で、当社がすでに事業化しているGaAsエピウエハについては、それぞれのリソースを活用し事業基盤を強化します。

複数の元素を材料とする化合物半導体は、シリコンなどの単元素の半導体に比べて電子移動速度が速く、高速・高周波動作、受発光等の優れた特性があり、スマートフォン向け材料等の電子部品用途やLED等の光学部品用途をはじめ、産業の各分野に広く使われています。電力効率の向上により省エネルギー社会を実現する次世代パワーデバイス用途は、将来的に需要が大幅に拡大することが期待されています。

住友化学は、情報電子化学部門の長期事業ポートフォリオで、次世代パワーデバイス向け化合物半導体材料を有望分野と位置付けており、今回の買収を通じて事業を一層強化し、同分野におけるリーディング・カンパニーを目指してまいります。

日立金属が高砂工場(茨城県日立市)に持つ窒化ガリウム(GaN)基板・エピウエハ、ガリウムヒ素(GaAs)エピウエハ等の設備、技術、従業員などを取得する。日立金属の同事業の売上高は合わせて年間約40億円。
買収金額などの条件は非開示。2015年4月1日付で買収の予定。


2022/10/6 日経クロステック/日経エレクトロニクス

住友化学がパワー半導体を狙いGaN基板量産へ、24年度に4インチ

 住友化学は、窒化ガリウム(GaN)基板を手掛ける完全子会社サイオクスを2022年10月1日付けで吸収合併した。住友化学の情報電子化学部門に組み込むことで、研究開発のスピードアップを図る。同社は半導体レーザー(LD)用GaN基板でトップシェアを持つが、今後は縦型GaNパワー半導体に用途を広げていく。

 目下の目標は、2024年度の4インチ基板の本格量産だ。データセンター用サーバー電源、再生可能エネルギー、電気自動車(EV)などをターゲット市場にみる。2026年ごろに6インチ基板も実用化し、2032年までに関連事業(元々サイオクスが開発していたGaN以外の事業)と合わせて300億円の売上規模を目指す。

GaNはSiCより高耐圧・高周波

 縦型GaNパワー半導体は、現在実用化されているGaN製品と異なる次世代パワーデバイスである。現在の「横型(GaN on Si)」は、シリコン(Si)基板上にGaNデバイスを構築する。このタイプは素子表面のみに電流が流れるため、電流の通り道が狭く、基本的に大きな電力を扱えない。一方で縦型(GaN on GaN)、すなわちGaN基板上にGaNデバイスを構築する今回のタイプは、素子全体に電流を流せる。

GaN単結晶基板の開発

したがって、縦型は大電力を扱うことができ、幅広い機器に汎用的に用いることができる。大電流を必要としないLDでは、縦型GaNが製品化されてきたが、大電流を流すパワー半導体は主に後述する結晶欠陥の問題から製品化が遅れていた。

 縦型GaNは、次世代パワー半導体筆頭の炭化ケイ素(SiC)を上回るポテンシャルがある。「耐圧(絶縁破壊電圧)」と「周波数(飽和電子速度)」がたけており、デバイスの電力損失を低減できるためだ。加えて、素子の省面積化にもつながる。例えば縦型GaNパワーデバイスを開発中の米NexGen Power Systemsは、SiCデバイスと比べてダイサイズが約1/4.5になると公表している。

ただし、実用化や研究開発の面でGaNはSiCに後れをとっている。高品質なGaN単結晶をつくるのが難しいためだ。現状、「転位」と呼ばれる結晶内の欠陥の密度は、一般に103〜107/cm2と、SiやSiCよりも高い。転位があると、そこから電流が漏れ出してデバイス特性を悪化させてしまう。そのため、Si基板を使う横型の方が先行している。ただ今後はパワー半導体用途の需要が見込まれるため、各社は基板の高品質化を急いでいる。

 住友化学は、窒化ガリウム(GaN)基板を手掛ける完全子会社サイオクスを2022年10月1日付けで吸収合併した。住友化学の情報電子化学部門に組み込むことで、研究開発のスピードアップを図る。同社は半導体レーザー(LD)用GaN基板でトップシェアを持つが、今後は縦型GaNパワー半導体に用途を広げていく。


2015 年6 月10 日

リチウムイオン二次電池用セパレータの生産能力を倍増

住友化学は、リチウムイオン二次電池用セパレータ(商標名「ペルヴィオ® PERVIO」)の生産能力を2 倍強に引き上げることを決定しました。既存の大江工場(愛媛県新居浜市)の生産能力を来年春までに約1.3 倍に増強するとともに、韓国の当社子会社内に工場を新設します。
韓国の新工場は2017 年から量産開始予定です。

リチウムイオン二次電池は、電気自動車やスマートフォンの高機能化や軽量化、長時間使用などのニーズに応じて、一段の高容量化と、安全性の両立が求められています。当社の「ペルヴィオ®」は、ポリオレフィン基材にアラミド樹脂で耐熱層を形成することにより電池の安全性確保に寄与する点が特長で、パナソニック株式会社の円筒形リチウムイオン二次電池への採用を通じて、主に車載用途で採用されています。

近年、消費者の環境保護に対する意識の高まりや、厳しさを増す環境規制などを背景に、自動車メーカー各社が電気自動車を相次いで市場投入しており、リチウムイオン二次電池の車載用途の需要が拡大しています。住友化学はこれに対応し、段階的に「ペルヴィオ®」の生産能力を引き上げてきましたが、一段の需要の拡大が見込まれるため、既存の大江工場の能力を増強する一方で、分散立地による安定供給体制の構築や将来の拡張余地などを考慮し、韓国の当社子会社に新工場を設置することとしました。

住友化学は、「環境・エネルギー」分野を次世代事業開発における重点の一つと位置づけており、効率的なエネルギー利用を支える電池関連部材については、「ペルヴィオ®」をベースとした事業クラスターの確立を目指し、革新的な技術開発および事業の強化を進めてまいります。

(日経)

住友化学はリチウムイオン電池の主要部材のひとつ、セパレーター(絶縁材)の工場を韓国に新設する。80億〜90億円を投じて2017年にも稼働させる。足元ではウォン高が進むが、自動車部品の関税撤廃を目指す米韓自由貿易協定(FTA)を活用し、電気自動車(EV)用電池の部材で存在感を高める。パナソニックと米EV大手テスラ・モーターズが米国で建設する車載電池の工場に出荷する見通しだ。

住友化学が韓国でセパレーターを生産するのは初めて。生産能力は年7千万平方メートルと、世界需要の約1割にあたる。原料調達や生産のインフラが整い、電子部品材料の工場に拡張余地もあったため韓国生産を決めた。

これに先立ち、16年春までに大江工場(愛媛県新居浜市)の能力を3割引き上げる。日韓合計の投資額は約100億円。セパレーターの生産能力は17年に年1億8千万平方メートルと現行の2倍に拡大する。日本と韓国で為替や関税、生産コストなど国際競争力を見極めた上で輸出に振り向ける。

セパレーターは電池の正極と負極を絶縁する部材。住友化学の製品は表面に樹脂膜を形成し、耐熱性や安全性を高めているのが特徴だ。セパレーター全体で同社の世界シェアは5〜10%だが、車載電池に限れば3割超を占めるとみられる。

EV市場ではテスラの台頭に加え、中国や欧州の環境規制強化で世界的に販売が伸びる見通し。車載用リチウムイオン電池の市場は20年に現在の3倍以上に規模が拡大するとの推計もある。

素材各社はEV市場の広がりを見据え、リチウムイオン電池部材の生産拡大に動いている。セパレーター首位の旭化成は3位の米ポリポア・インターナショナルの買収を決め、東レは韓国で生産能力を高める。負極材では日立化成や昭和電工が能力増強を検討し、住友金属鉱山は正極材原料の増産を決めた。

住友化学は昨年、セパレーターの生産能力を20年に現行に比べ3倍に引き上げる方針を打ち出していた。17年にまず2倍に引き上げ、その後の需要をにらみながら再増強に動く可能性がある。

 

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2014 年4 月25 日

住友化学は、大江工場(愛媛県新居浜市)のリチウムイオン二次電池用セパレータ(当社商標名「ペルヴィオ®」)の生産能力を、2014 年春には現状比約1.7 倍、同年秋には同1.9倍と順次引き上げ、2015 年春までに従来比約2.3 倍に増強いたします。
 

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リチウムイオン二次電池は、シート状の正極と負極、その間にショートを起こさないよう電気絶縁性を備えたセパレータを挟み込んだ構造となっています。住友化学はセパレータと正極材について事業展開を進めています。

住友化学では、先端テクノロジーの数々を自動車用リチウムイオン二次電池に投入し、その高性能化に貢献しています。従来のセパレータに比べ優れた耐熱性を確保できる耐熱セパレータ「ペルヴィオ」、世界的に供給が不足しているレアメタルのコバルトを使用しない正極材「エナヴィオ」、環境負荷を抑え、優れた結着性能を有する電極用バインダーは、すでに高い評価を得ており、その他の部材についても研究開発が進行中です。


2016/8/31

二次電池用正極材料事業会社の第三者割当増資の引受け(子会社化)について

住友化学は、二次電池用正極材料の製造・販売を行う田中化学研究所と資本業務提携契約を締結し、同社が第三者割当増資により発行する株式を引受けることに合意しました。
これにより、同社に対する住友化学の持株比率を50.1%に引き上げます。

田中化学は、スマートフォン、ノートパソコンなどに用いられる高性能小型二次電池(リチウムイオン二次電池、ニッケル水素二次電池等)や、ハイブリッド自動車、電気自動車などの環境対応車の基幹部品である中大型二次電池などの主要原材料である正極材料事業を展開しています。

住友化学は、2013年に田中化学に出資し、車載向け高容量正極材料の共同開発を開始しました。その後、2015年には持株比率を14.81%に引き上げ、関係を深めてきました。

今回、これまでの共同開発が順調に進捗していること、および今後の環境対応車市場の成長とともにリチウムイオン二次電池市場が中長期的に大きく成長すると期待されることを踏まえ、将来を見据えて資本業務提携関係を一層強化することに合意しました。
 

住友化学は、今後、田中化学との共同開発を加速させるとともに、当社グループのグローバルな商流等を生かして、同社とのシナジーをこれまで以上に発揮してまいります。

 

<田中化学の概要>

会社名:株式会社田中化学研究所
設立年月:1957年12月
所在地:福井県福井市
事業内容:
  @二次電池用正極材料の製造・販売
  A触媒原料の製造・販売
  Bその他無機化学製品の製造・販売
従業員数:175名(2016年3月末現在)
社長:田中 保

 

住友化学、田中化学を子会社化 65億円で増資引き受け
 

アジア勢との競争に巻き込まれて業績が低迷する田中化学の資本を増強し、新たな電池材料の開発や営業活動で協力しやすくする。

田中化学は電池の主要部材の一つである「正極材」を手がけており、売上高は152億円。中国勢の台頭が著しいパソコンや電動工具向けが主力のため、2012年3月期から5期連続で営業赤字が続いている。単独で設備投資や研究開発費を積み増すことが難しくなってきており、今回の増資を決めた。

住友化学は電池の発火を防ぐ「絶縁体」をはじめ、電気自動車で使うリチウムイオン電池の部材に力を注いでいる。2013年に田中化学に出資して車載電池向け正極材の共同開発を始め、2015年には筆頭株主となった。出資比率を引き上げて子会社化することで、研究開発に弾みを付ける。


 



2019
417日                         Zymergenの全貌

住友化学とZymergen、再生可能な資源を用いた高機能材料の開発で提携

住友化学と米国のバイオ技術スタートアップ企業であるZymergenは、このたび、新しい高機能材料の開発に向けた複数年の業務提携に合意しました。

この協業を通じて、両社は、先端産業において高度化する顧客のニーズに対応するための新規材料開発に取り組みます 。

電子機器メーカーや消費者は、洗練されたディスプレイと新たな機能を備え た、より小さくて軽い、そしてエネルギー効率に優れた安価なデバイスを求めており、今日その需要はますます高まっています。そのため、電子機器メーカーはこれらの次世代電子機器向けの新しい材料を探索していますが、材料開発にあたっては、コストや製造技術面から、来の石油化学以外の手法も取り入れる必要が生じています。

Zymergen社は、AIやロボットによるオートメーションラボ、最先端のゲノミクスが融合した技術基盤を有し ており 、生物学的手法を通じた 持続可能で再生可能な新規化合物を創出することができます。

住友化学は、マーケットインのサプライチェーンの構築を通じて、主要な電機メーカーに高品質なエレクトロニクス材料を供給しています。

革新的技術を持つザイマージェン社と、高い素材開発力を有し、エレクトロニクス分野におけるリーディングサプライヤーである住友化学が協力することで、価格競争力と優れた特性を備える高機能材料の開発が可能と なり、エレクトロニクス分野などのさらなる発展につながると確信しています

両社が開発を予定する高機能材料は、ディスプレイ用の光学フィルム、傷に強いハードコート材料、フレキシブル基板向け材料、接着剤などが挙げられます。これらの新規材料は、次世代の高機能製品を生み出すための一助と考えています

Zymergenの製品部門責任者、リチャード・ピータースは次のように述べています。「私たちは住友化学とパートナーを組むことを光栄に思います。そして、この協力関係は、エレクトロニクス分野での真のイノベーションを引き起こす大きな駆動力になると考えています。なぜなら、生物学を駆使したポリマーなどの新規材料探索を得意とするZymergenと、ユニークな切り口で厳しい市場ニーズに応えてきた住友化学が、それぞれの長所を最大限に生かした取り組みだからです」

住友化学の副社長執行役員である上田博は、次のように述べています。「住友化学の化学技術とZymergen社が得意とする生物学ならではの多様な分子への専門知識を組み合わせることで、顧客のニーズを満足する高性能な材料開発が可能になると考えていますすなわち、分子生物学を通じて、従来の手法では不可能だった、信頼性が高く、費用対効果に優れた性能をお客さまへ提供することができるでしょう」

住友化学とZymergen社は、エレクトロニクス分野にとどまらず、さまざまな産業分野において「不可能を可能にする」高機能材料の開発を進めてまいります。

Zymergenについて

世界経済フォーラムのテクノロジーパイオニアにも選出された世界初の分子製造テクノロジーを有する企業です。機械学習やロボットによるオートメーション化、そして生物工学を駆使した従来とは抜本的に異なる手法で、農業から化学品や基礎原料、医薬品に至るまで、あらゆる産業において、新規分子の発見や材料の性能向上に携わり、世界中のFortune 1000企業や主要企業に価値をもたらしています。

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Zymergenの全貌

米国西海岸のEmeryville市に拠点を置くZymergenは2013年設立で、大規模自動化をベースとする化学品生産微生物の育種の開発を推進している。

著名なバイオ化学品ベンチャーであるAmyris, Inc.のメンバーであったZach Serber氏とJed Dean氏が中心となって立ち上げたベンチャーである。

Zymergenは、微生物育種の自動化のためのロボットなどの設備を設置するために、2015年6月にシリーズAの投資資金として約44百万ドルを調達した。この設備を用いて、スペシャリティー化学品や医療分野の製品からコモディティー化学品に至るまで、種々のバイオ化学品を生産する微生物の育種を進めている。

新微生物開発のPDCAサイクルにロボット化と機械学習化を組み込むことで開発を高速化し、2013年創業にも関わらず既にDARPAやFortune500企業が顧客となり、売上高は数億ドルに達したとの報道もある。

Our platform integrates automation, machine learning, and genomics to rapidly accelerate the pace of scientific advancement. This atheoretic approach leverages machine learning to navigate the genomic search space to make discoveries far beyond the capacity of human intuition.

Apple ディレクター 「AppleがZymergen打倒を目指して1億ドルを費やしたとしても、絶対に実現できない」

 

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ソフトバンクらが136億円注ぐ「バイオテク企業」Zymergenの全貌

遺伝子を組み替えて微生物を生産する技術を持ったバイオテク企業には、投資家たちが熱い視線を注いでいる。この分野のリーディング企業であるZymergenは、このほど巨額の資金調達を実施したことを明らかにした。

カリフォルニア州エメリービルにあるZymergenの研究所に防護服を着て入ると、ロボットたちが絶え間なく遺伝子を組み替え、生産した微生物の特性をテストしている光景を目にする。Zymergenが顧客から受ける依頼は、食べ物の味の向上からステルス爆撃機のコーティング強化まで多岐に亘る。Zymergenの特徴は、微生物の開発プロセスを無人化していることで、その実態は半分がロボット企業で、半分がソフトウェア企業といったところだ。

Zymergenのジョシュ・ホフマンCEOは、同社と他の研究所の差について「グーグルがアルゴリズムによって検索技術を自動化し、一気にヤフーを追い抜いた状況に似ている」と説明する。

Zymergenの顧客にはFortune 500の企業や、アメリカ国防総省の機関であるDARPA(国防高等研究計画局)などが含まれ、顧客の規模や質でも競合企業に大きな差をつけている。同社はさらにリードを広げるべく、シリーズBで孫正義率いるソフトバンクなどから1億3,000万ドル(約136億円)を調達したことを明らかにした。このラウンドには、他にもData Collective and True VenturesやTrue Venturesなどの既存投資家たちが参加した。今回の出資を機に、ソフトバンクのマネージングディレクターであるディープ・ニシャールと、前米国エネルギー長官のスティーブン・チューがZymergenの取締役に就任した。

Zymergenによると、チューは同社への参画に当たってどの投資家よりも入念に精査をしたという。Zymergenに感じた最大の魅力は、同社が開発した技術がヘルスケアや農業、工業、軍需産業などに転用でき、技術が使われるほどノウハウが蓄積され、同業他社に対して優位性を構築できる点だ。「アップルがZymergenの打倒を目指して1億ドルを費やしたとしても、絶対に実現できない。それは、アップルが人員を雇い、Zymergenの技術が模倣できるようになる頃には、Zymergenがはるか先を行っているからだ」とData Collectiveのマネージングディレクター、マット・オッコは話す。

顧客には米国防総省DARPAも

Zymergenは知的財産に関わる機密情報を扱っているため、顧客名を公開していないが、ホフマンによると各分野で世界トップクラスの企業が多く含まれ、その大半はリピート顧客だという。彼らはZymergenに多額の報酬を支払っているが、自社開発すればその3倍から5倍もの費用が掛かるという。「我々の提供価値は、高い経済性ということに尽きる」とホフマンは言う。

Zymergenが公にできる数少ない顧客がDARPAだ。DARPAは、橋や戦闘機などの鉄部塗装における耐久性を高めたり、ウェアラブルデバイスの開発に必要なポリイミド薄膜を製造するために、Zymergen に360種類もの新たな微粒子の開発を依頼している。「これまでにない素材を開発する上で我々のテクノロジーは大いなる可能性を秘めている」とホフマンは話す。

Zymergenは2015年6月に4,400万ドル(約46億円)を調達して以来、社員数は50人から200人に急増し、売上高も4倍に増えて数億ドル規模に達するとみられる。Zymergen の取締役を務めるData Collectiveのオッコによると、顧客数も4倍以上に増加したという。

オッコは、Zymergenへの投資はベンチャーキャピリストとして一度経験できるかどうかというくらいの勝利だという。Data Collectiveが自社のリミテッドパートナーに投資の運用成績を報告した際、普段は寡黙な彼らがZymergenの成長性を知った途端に興奮しだし、同社の企業価値が低すぎるとオッコを攻めたてたという。

今回のZymergenの調達額はシリーズBとしては異例の規模だ。特に同社は2013年に創業されたばかりであり、成長性の高いスタートアップでも通常はもっと遅いラウンドで到達する額だ。Zymergenは、生産体制の強化を図ったり、災害対策のために異なる地震帯に新施設を建設することに資金を充てる予定だという。

「我々のボトルネックは生産キャパシティであり、需要はいくらでもある」とホフマンは言う。今後は、既存の技術を新たなセクターに応用し、これまでと異なる素材の開発に取り組む予定だという。「我々は野心的な目標を掲げながら、ビジネスの結果に対しては謙虚な姿勢で臨みたい」とホフマンは話す。

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ソフトバンク、米バイオ企業Zymergenへの450億円投資主導

米新興バイオ企業Zymergenは微生物の遺伝子を操作する効率を高める人工知能(AI)搭載ロボットを開発することで、フォーチュン500企業が販売する農作物・工業製品を改良し、これらの企業の利益拡大に寄与した。

だが、ソフトバンクグループの「ビジョン・ファンド」が創業5年のZymergenに再び投資したのは、同社の独自事業が理由だ。ビジョン・ファンドはZymergenへの4億ドル(約450億円)の投資ラウンドを主導。米ゴールドマン・サックス・グループや韓国のハンファ資産運用などが新たに出資した。

ソフトバンクのシニアマネジングパートナーでZymergenの取締役でもあるディープ・ニシャール氏は、Zymergenは「新たな素材を考え出している」と述べ、イヌハッカにヒントを得た虫よけやサンゴ礁に被害を与えない日焼け止めなどの同社が考案した製品を例に挙げた。これらの製品については限定的にヒトを対象とした試験が既に行われている。

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What we do:

We replace the hypothesis-driven method with a systematic test-everything approach that lets the data speak for itself

The Zymergen approach brings together data science, automation, and biology.
Our proprietary platform makes strain optimization as reliable and predictable as other engineering processes.

 

Strain Improvement & Development

We use our technology platform to optimize strains in order to improve economics for our customers.

At Zymergen, we engineer biology predictably, reliably and to a level of performance previously unattainable through traditional R&D. We work with Fortune 500 companies that span industries, including chemical and materials, agriculture, and healthcare.

IMPROVING EXISTING PROCESSES

Zymergen works with our customers to improve the economics of existing industrial fermentation products.

Our platform enables us to build improvements into their existing production strains within their existing manufacturing processes.
We augment our customers’ capabilities and help them get more out of their existing capital assets.
Zymergen has a track record of improving capital utilization for customers’ existing products, accelerating time-to-market for new products, and delivering significant cost reductions for both.

New Product Development

    Materials Science Innovation

Our platform enables rapid materials science innovation utilizing chemicals available from biology

Advanced Materials Development

 

 

 

 

 

 

 

Our platform offers the capability to create unique specialty materials.
Zymergen can develop novel molecules that impart unique material properties not previously possible using traditional methods.
We are partnering with proven innovators across industries to develop these novel products.

Our areas of focus include:

  • Specialty Materials for Electronics and Industrial Applications
  • Aerospace
  • Defense
  • Flavors and Fragrances
  • Healthcare and Pharmaceuticals
  • Home and Industrial Cleaning
  • Personal Care Products

2019年07月01日 

住友化学とフランスのイゾルグ、有機光ダイオードの開発で提携

住友化学とイゾルグ(Isorg)は、このたび、有機光ダイオード(OPD)を用いたスマートフォン用の指紋センサーおよび有機CMOSイメージセンサーの開発において提携する契約を締結しました。

本契約は、有機半導体材料の開発で世界をリードする住友化学と、OPD技術を用いたデバイスや大面積イメージセンサーを世界に先駆けて開発したイゾルグ社が、2013年にスタートさせた協力関係をより深化させることを目的としたものです。住友化学は、指紋センサーや有機CMOSセンサー用のOPD材料を製造し、イゾルグ社に供給するとともに、同社の生産技術とマーケティングについて支援します。イゾルグ社は、パネルメーカーの協力を得て、これらセンサーの量産化を目指します。

このたびの住友化学とイゾルグ社の提携により生み出される指紋センサーは、軽量かつ薄膜で、塗布プロセスで製造できるため、大面積化が容易といった特長を有します。大面積の指紋センサーをスマートフォンの画面全体に組み込むことで、画面上のどの場所でも複数の指紋を検出・認証することが可能となり、利便性とセキュリティの向上が期待できます。また、有機CMOSセンサーは、住友化学のOPD材料が通常の可視光だけではなく、高感度に近赤外線の検出も可能なため、近赤外線用の高性能なカメラにも応用できます。両社は、これらのセンサーがセキュリティ、自動車、診断、家電用途などにおいても幅広く使用されるものと期待しています。

住友化学の副社長執行役員である上田博は、次のように述べています。「イゾルグ社とのパートナーシップにより、これまで困難であったスマートフォンの全画面指紋認証や有機CMOSセンサーの実用化に大きく前進します。当社は、新たな成長機会を捉えるべく材料の開発と工業化に取り組みます」

イゾルグ社の設立メンバーの一人でCEOのジャニーヴ・ゴメスは、次のように述べています。「今回、住友化学とともに指紋センサーおよび有機CMOSセンサーの開発ができることを大変光栄に思います。同社が持つリーダーシップ、海外拠点、そして、卓越した技術により、当社の顧客はより高品質な製品が得られるでしょう。私たちは顧客の要望に応えながら製品設計や用途開発を進められることを楽しみにしています」

住友化学とイゾルグ社は、顧客のニーズを満たす製品をいち早く提供できるよう、実用化に向けた取り組みを進めてまいります。

イゾルグ社(Isorg)について

イゾルグ社は、広域光検出器やイメージセンサー用の有機・プリントエレクトロニクスを世界に先駆けて開発した企業です。さまざまな形状や形状要素を認識する、高性能の次世代3次元イメージセンサーを提供します。フレキシブルなイメージセンサーは、医療機器、IDセキュリティ、アクセス制御、IoT、家電などに応用されており、バイオメトリクスなどの用途では、初の高解像度(500 dpi)でフレキシブルな大型プラスチック指紋センサーを開発しています。2010年に設立され、フランスの新エネルギー技術とナノマテリアルの主要なイノベーションセンターであるCEA-Litenと提携しています。2014年には800万ユーロのシリーズB資金調達ラウンドが行われ、その後、2018年には2400万ユーロの資金調達がなされています。

ISORG is the pioneering company in Organic and Printed Electronics devices for large-area photodetectors and image sensors with a paradigm shift in the industry.
 


2019/7/30 

住友化学、偏光板メーカーのサンリッツに出資

住友化学は本年7月、偏光板メーカーのサンリッツ(富山県下新川郡)に出資しグループ会社化した。株式の過半を保有した。

サンリッツは車載用に使われる耐久性の高い偏光板を得意とする。スマートフォン用などで高いシェアを持つ住友化学は、車載用を強化する。

住友化学は、スマホ向けでは液晶用の異形加工と呼ぶフィルム加工の難易度が高い付加価値品や有機EL用をいち早く開発・投入しているほか、テレビ向けでも大型用でシェアを伸ばすなど強みを発揮させている。今後、ディスプレイの大型化や異形デザイン化が進み高成長が見込まれる車載用を拡充することで、偏光板市場でのポジションを一段と高める。

 

株式会社サンリッツ SANRITZ CORPORATION

事業内容 液晶表示用他、各種プラスチック偏光板の研究開発および製造販売

歴史

1939年 通信機用変圧器製造のため、東京都台東区に日本変圧器工業を設立
1945年 三立電機と改称
1989年 株式会社サンリッツと改称

子会社 SANRITZ KOREA CORPORATION


2021年08月24日 住友化学 

愛媛工場と韓国で半導体用高純度ケミカルの生産能力を増強

住友化学は、このたび、半導体用高純度ケミカルの製造ラインを増設し、生産能力を強化することといたしました。愛媛工場(愛媛県新居浜市)で高純度硫酸の生産能力を約2倍に引き上げるほか、当社100%子会社である東友ファインケムの益山工場(大韓民国全羅北道益山市)では、高純度アンモニア水の生産能力を約4割増強します。新製造ラインの稼働開始について、愛媛工場は2024年度上期を、東友ファインケムは23年度下期を予定しています。

住友化学は、半導体用高純度ケミカルについて、1978年に千葉工場(千葉県市原市)で硫酸や硝酸などの生産を開始して以降、愛媛工場では91年に硫酸の生産を始め、現在は日本・韓国・中国で事業を展開しています。半導体製造で精密洗浄などに用いられる高純度ケミカルは、その製造工程で金属や有機物などの異物が半導体の品質・歩留まりを低下させないよう、不純物をppt(parts per trillion=1兆分の1)レベルまで低減する超高純度化技術が求められます。当社の製品は、生産から輸送までの徹底した不純物排除によりそうした厳しい要求を満たしていることに加え、微小不純物分析技術に基づく品質保証体制を確立していることから、品質安定性に強みを有しています。また、顧客の先端製造ラインへの長年の納入実績や、需要増加に対応した機動的な供給体制整備により、国内外の半導体メーカーから高い評価を受けています。

韓国では東友ファインケムが平澤工場と益山工場の2拠点で事業を展開し、中国では住化電子材料科技(西安)有限公司および住化電子材料科技(常州)有限公司が製造・販売を行い、顧客の工場立地に根ざした供給体制をグローバルに構築しています。

半導体デバイス市場は、第5世代移動通信システム(5G)対応スマートフォンの普及に加え、ライフスタイルの変化に伴うパソコンやデータセンター関連機器の需要増加を背景に伸長を続けており、その製造工程に不可欠な高純度ケミカルの需要は今後も堅調な拡大が見込まれます。旺盛な半導体需要に対して、今回の愛媛工場および東友ファインケムでの生産能力増強により、安定供給を果たしていく考えです。

住友化学は、経営として取り組む重要課題(マテリアリティ)の一つに「ICTの技術革新への貢献」を掲げています。引き続き、高品質な製品の安定供給を継続し、Society5.0に代表されるスマート社会やスマートモビリティの実現に欠かせない半導体産業の発展に貢献してまいります。

東友ファインケムの概要

会社名

Dongwoo Fine-Chem Co., Ltd.

本社所在地 大韓民国京畿道平澤市
代表者  仁鎬
設立年月 1991年12月
事業内容 半導体用プロセスケミカル、フォトレジスト、光学機能性フィルム、カラーフィルター、タッチセンサーなどの研究、製造、販売

 


2021 8 31 住友化学 

先端プロセス向け半導体フォトレジストの生産体制グローバルに強化


住友化学は、このたび、最先端プロセス向けフォトレジストの生産体制を強化することといたしました。
大阪工場(大阪市此花区)で、液浸
ArF(フッ化アルゴン)および EUV(極端紫外線)フォトレジストの製造ラインを増設するほか、
当社
100%子会社である東友ファインケムの益山工場(大韓民国全羅北道益山市)に、液浸ArF フォトレジストの製造プラントを新設します。
稼働開
始について、大阪工場は
2023 年度上期を、東友ファインケムは24 年度上期を予定しています。

フォトレジストは、半導体製造プロセスにおける回路パターン形成に使用される感光性樹脂です。
住友化学は、各種ファインケミカル事業で培った有機合成技術をベースに高度な製品設計・評価技術を確立し、大阪工場を中核にタイムリーな顧客対応力などを生かして事業を拡大してきました。
その中でも、微細 加工を要する最先端プロセスで主として使用される液浸
ArF フォトレジストは、性能優位性と品質安定性により世界的に高いシェアを占めています。東友ファインケムは、線幅の広いプロセス向けのi 線・KrF(フッ化クリプトン)フォトレジストの製造拠点として、20 年以上にわたり生産活動を続けています。

住友化学は、
19 年度以降、第5 世代移動通信システム(5G)の本格商用化などを背景とした最先端プロセス向けフォトレジストの需要拡大を見据え、大阪工場で段階的な生産能力増強や、クリーンルームの建設などによる開発・評価体制の強化を進めてきました。半導体市場は、データ通信の高速化や大容量化により今後も継続的な拡大が見込まれるため、今回、大阪工場での製造ライン増設に加え、事業継続計画(BCP)の観点も踏まえて、東友ファインケムへの製造プラントの新設を決定しました。これらにより、当社グループの最先端プロセス向けフォトレジストの生産能力は、24 年度に19 年度比で約2.5 倍となります。

これからも、旺盛な半導体需要に応えるべく機動
的かつ積極的な供給体制の整備を進め、市場のニーズに沿った高品質な製品を安定供給することで、フォトレジスト事業の規模拡大を目指します。


住友化学は、経営として取り組む重要課題(マテリアリティ)の一つに「
ICT の技術革新への貢献」を掲げています。引き続き、フォトレジストをはじめとする半導体材料事業の成長を通じて、Society5.0 に代表されるスマート社会やスマートモビリティの実現に欠かせない半導体産業の発展に貢献してまいります。


<東友ファインケムの概要>

会社名
Dongwoo Fine-Chem Co., Ltd.
本社
所在地 大韓民国京畿道平
設立年月 1991 12
事業内容
半導体用プロセスケミカル、フォトレジスト、光学機能性フィルム、カラーフィルター、タッチセンサーなど研究、製造、販売