日本経済新聞 2008/9/2              発表    背景

塩野義、米中堅医薬を買収    
ScielePharma, Inc.
 自前の販売網構築 1500億円投じ完全子会社化

 塩野義製薬は1日、米ナスダック上場の中堅製薬会社、サイエル・ファーマを買収すると発表した。総額で14億2400万ドル(約1500億円)」を投じ、完全子会社にする。全米に約800人の従業員を持つサイエルを傘下に収め、世界最大の医薬品市場である米国での販売体制を強化する。


 製薬大手各社が新薬不足に悩むのに対し、塩野義は米国子会社を通じ抗肥満薬やアトピー性皮膚炎治療薬などの新薬候補物質を開発、2012年前後に発売を期待できる薬が3種類ある。武田薬品工業やエーザイが新薬候補物質を取り込む狙いで買収に巨額の資金を投じたのと違い、塩野義は米国での売り上げを最大化する販売網の構築を優先させる。

今年の主な大型M&A

発表
時期
買収企業 被買収企業 金額
2月 武田薬品工業 米アムジェン日本法人     900
4月 武田薬品工業 米ミレニアム・ファーマシューティカルズ    8,800
5月 大塚製薬 仏アルマ    1,200
6月 第一三共 印ランバクシー・ラボラトリーズ 最大 5,000
7月 TDK 独エプコス    2,000
8月 リコー 米アイコンオフィスソリューションズ    1,721
キリンホールデイングス 豪デアリーファーマーズ     840

(注)単位億円、企業名は発表時のもの、金額は会社発表数値をもとにし、一部日経推定を含む

 

特許切れ控え 海外に照準
 日本企業の国外M&A 世界的株安背景に急増

 


平成20年9月1日 塩野義製薬 

当社による米国医薬品会社 Sciele Pharma, Inc.買収について

 
 当社にとりまして、今回のサイエル社の買収は、米国における
販売体制の整備はもとより、米国でのプレゼンスを更に確立させ、自社開発品の価値を十分に実現し、今後の長期的な成長をより確実なものにするために重要な投資であると考えております。
塩野義製薬は今回の買収による効果を最大限に実現するために、シオノギUSAにおける既存の事業活動と共に、自社開発品を充実させ、海外での開発を今後さらに積極的に進めてまいります。

サイエル社の概要
(1) 商号 Sciele Pharma, Inc.
(2) 事業内容
 サイエル社は、循環・代謝領域、婦人科領域、小児科領域等に特化した、医療用医薬品におけるブランド製品の販売、マーケティング、研究開発の事業を展開する製薬企業です。同社は循環・代謝領域で高コレステロール血症、高血圧、高トリグリセライド血症、不安定狭心症、2型糖尿病に対する治療薬を、婦人科領域では女性および母子の健康を改善する製品を、小児科領域ではアレルギー、喘息、咳・風邪、注意欠陥多動性障害(ADHD)の治療薬をそれぞれ提供しています。
(3) 設立年 1992年
(4) 本社所在地 米国ジョージア州アトランタ
(5) 代表者 CEO and Director Patrick P. Fourteau
(6) 資本金 32千ドル(2008年6月30日現在)
(7) 発行済株式総数 普通株式31,640,148株(2008年7月28日現在)
(8) 決算期 12月期
(9) 従業員数 920名(2007年12月31日現在)


平成21年5月18日 塩野義製薬

Sciele Pharma, Inc.による米国医薬品会社 Victory Pharma, Inc.買収について

 塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、社長:手代木 功、以下「塩野義製薬」)の米国関連会社である
Sciele Pharma, Inc.(本社:米国ジョージア州アトランタ、CEO and Chairman:Patrick P. Fourteau、以下「サイエル社」)は、米国において疼痛とその関連疾患に対する治療薬の導入、開発および販売に特化した医薬事業を行っているVictory Pharma, Inc.(本社:米国カリフォルニア州サンディエゴ、President and CEO:Matt Heck、以下「Victory社」)との間で、Victory社を買収することについて合意しましたので、お知らせいたします。
 

【Victory社の概要】
 商号 Victory Pharma, Inc.
 事業内容 疼痛治療薬市場に特化したスペシャルティ・ファーマ
 創業 2004年
 代表者 President and CEO Matt Heck
 本社所在地 米国カリフォルニア州サンディエゴ
 従業員数 182名(MR120名、2009年5月1日現在)
 主要製品 NAPRELANR を中心とする疼痛治療薬
 売上高 年間57百万ドル(2008年)


平成21 年7 月10 日

Sciele Pharma, Inc.によるVictory Pharma, Inc.買収契約の解消について

塩野義製薬株式会社は、米国関連会社であるSciele Pharma, Inc.と米国Victory Pharma, Inc.が、両社間で締結した買収契約を解消することで双方共に合意しましたので、お知らせいたします。
今回の契約解消についての詳細は開示いたしませんが、本買収契約が締結された時点では予期し得ない事態が、買収契約締結後に生じたことによるものです。


平成21 年11 月16 日 塩野義製薬

Sciele Pharma, Inc.による米国医薬品会社Addrenex Pharmaceuticals, Inc.買収について

 塩野義製薬株式会社(本社:大阪市中央区、社長:手代木 功、以下「塩野義製薬」)の米国関連会社であるSciele Pharma, Inc.(本社:米国ジョージア州アトランタ、President and CEO:Patrick P. Fourteau、以下「サイエル社」)は、米国においてアドレナリン作動性疾患に対する治療薬の開発に特化した医薬事業を行っているAddrenex Pharmaceuticals, Inc. (本社:米国ノースカロライナ州ダラム、CEO:Moise A Khayrallah、以下「Addrenex 社」)との間で、Addrenex 社を買収することについて合意しましたので、お知らせいたします。
 本件におきましては、Addrenex 社の発行済み株式のうちサイエル社による所有分を除いた株式に対し、総額として約2900 万ドルが買収手続き完了時に現金で支払われます。
 サイエル社は、かねてよりAddrenex 社からClonicel(注意欠陥多動性障害治療薬)とJenloga XR(高血圧治療薬:クロニジンの1 日1 回投与製剤)およびADX-415(高血圧および血管運動性症状の治療薬)の3 つの製品を導入して開発をすすめており、Clonicel につきましては、本年10 月にFDA に承認申請済みです。
 本買収により、さらにサイエル社はAddrenex 社の有する中期ステージの2 つの開発品と、疼痛治療や循環器、皮膚科領域を含む多くの疾患領域をターゲットとした化合物ライブラリを入手することが可能になります。
 サイエル社のPatrick P. Fourteau President and CEO は、「サイエル社は、2 年以上に渡り良好なパートナー関係を構築してきたAddrenex 社の買収についてアナウンスできることを大変うれしく思います。Addrenex 社は非常に素晴らしい開発基盤に加え、サイエル社の製品ポートフォリオを一層拡大させるポテンシャルを持つ複数の開発品を有しています。」と述べています。

 Addrenex 社のMoise A Khayrallah CEO は、「サイエル社は、Addrenex 社のこれまでの成長に欠かせないパートナーであり、我々の成長を力強く後押ししてきました。この提携関係は両社の開発パイプラインを大きく拡大してきましたが、今回の買収により、サイエル社の製品ポートフォリオは益々拡大し、患者さまとそのご家族の皆さまからの大きな期待にお応えできるものと信じております。」と述べています。
 
 塩野義製薬は、循環器領域を含むメタボリックシンドローム、感染症ならびに疼痛領域を重点領域として、研究開発に積極的に取り組んでおります。今後もさらに、開発中の抗肥満薬や臨床開発を予定している化合物のグローバルな開発を一層加速させてまいります。
 また、今回の買収により、塩野義製薬とサイエル社は、日本・米国それぞれの地域における患者さまの治療に長期的な貢献ができるよう、積極的な活動を行ってまいります。
 なお、本買収案件におきましては、サイエル社の法務アドバイザーはPaul, Hastings, Janofsky & Walker が、またAddrenex 社のアドバイザーはHutchison Law Group とLeerink Swann LLC が務めております。

【Addrenex 社の概要】
商号  Addrenex Pharmaceuticals, Inc.
事業内容  アドレナリン作動性疾患(高血圧、注意欠陥多動性障害、血管運動性症状等)の治療薬開発に特化したスペシャルティ・ファーマ
創業  2006年
株式公開  非公開
代表者  Moise A Khayrallah(CEO)
本社所在地  米国ノースカロライナ州ダラム
従業員数  9名
売上高  年間1.7 百万ドル(2008 年)


2011年8月18日 塩野義製薬 

C&O Pharmaceutical Technology (Holdings) Limitedの株式取得および公開買付けの実施に関するお知らせ

 塩野義製薬は、2011年8月1日付けで、当社によるシンガポール証券取引所上場の中国製薬企業C&O Pharmaceutical Technology (Holdings) Limited の買収についてお知らせしておりましたが、筆頭株主であるLeo Star Development LimitedおよびGao Binの保有するC&O株式160,312,000株(発行済株式総数の約24.17%)の取得について一定の前提条件が満たされたため、2011年8月17日付けで当該株式を取得し、シンガポール買収合併コードに基づき、C&Oの子会社化を企図した公開買付けを実施することとなりましたので、お知らせいたします。なお、公開買付けの期間等につきましては、確定次第公表する予定です。

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2011年8月1日 塩野義製薬

中国製薬企業C&O Pharmaceutical Technology (Holdings) Limited買収について

 塩野義製薬は、シンガポール証券取引所上場の中国製薬企業C&O Pharmaceutical Technology (Holdings) Limited(設立:バミューダ諸島、副董事長兼総経理:Gao Bin、以下「C & O」)の筆頭株主であるLeo Star Development Limited(設立:英領バージンアイランド、以下「Leo Star」)およびGao Binとの間で、Leo StarおよびGao Binの保有するC&O株式193,480,000株(発行済株式総数の約29.17%)のうち160,312,000株(発行済株式総数の約24.17%)を取得することで合意いたしましたのでお知らせします。本件株式取得は、一定の前提条件が満たされること(または当該条件が塩野義製薬により放棄されること)を前提にしております。また、本件株式取得後、塩野義製薬は合意内容およびシンガポール買収合併コードに基づき、C&Oの子会社化を企図した公開買付けを実施いたします。本件株式取得およびその後の公開買付けにおける取得価額総額は、一株あたりの買付価格を0.50シンガポールドルとして、約219百万シンガポールドル(約143億円)となる予定です。
 なお、Gao Binは本件実施後もC&Oの副董事長兼総経理として経営に従事し、Leo Star経由で間接的に保有する残りのC&O株式(発行済株式総数の約5%)は在任期間に亘って継続保有される予定です。また、C&O発行済株式総数の約29%を保有する住友商事株式会社とは今後、協働して事業を推進してまいります。

1.C&O買収の目的
 当社は、2014年度を最終年度とする第3次中期経営計画において、アジアにおける開発・販売の拠点整備を積極的に進める方針を掲げております。なかでも中国は、世界第1位の人口、経済成長に伴う所得水準の上昇、高齢化の進展、医療保険加入者の増加などを背景に、医薬品需要の大幅な拡大が見込まれるため、有力な進出候補地域と位置づけてまいりました。
 C&Oは、中国において医薬品の研究開発、製造、輸入、販売を展開する製薬企業であり、阿莫霊(アモキシシリンカプセル)等のブランド力のある製品群を中国全土の30万軒の診療所・病院・薬局へ販売するネットワークを築いています。ディテール活動を重視した販売手法により、先進国から導入される新薬の販売にも力を入れており、これに対応した新薬開発、当局対応の経験、実績を有しています。C&Oが備えた機能と同社の経営方針は、当社が考える中国での事業展開の方向性と合致しており、当社の中国市場進出にあたり、C&Oの買収が最適な選択肢であると判断いたしました。
 シオノギグループにC&Oを加えることで、日本、米国に加え、これまで進出が遅れていた中国においても事業基盤を整えることができます。中国市場の成長を取り込むことは、第3次中期経営計画における業績目標はもとより、中長期での持続的成長において重要な核になると考えています。

2.公開買付け等の概要

公開買付け実施者 塩野義製薬株式会社
公開買付けの対象会社 C&O Pharmaceutical Technology (Holdings) Limited
1株あたりの買付価格 0.50シンガポールドル
対象株式数 277,506,000株(発行済株式総数の約41.83%)
 Leo Star & Gao Bin(塩野義買収)24.17%
 Gao Bin  5.00%
 住友商事 29.00
 合計 58.17%は対象外
買付けに要する資金 約139百万シンガポールドル(約91億円)
買付期間 Leo StarおよびGao Binからの株式取得についての諸条件が充足された時点で
公開買付けが開始される予定
成立条件 該当無し

※Leo Star、Gao Bin(塩野義製薬が取得する株式も含まれます)および住友商事株式会社の保有株式は除外されます(合計で発行済株式総数の約58.17%)。
また、公開買付期間中は、Leo Star、Gao Binおよび住友商事株式会社は、保有している対象株式を処分しない旨、各自表明しています。

3.C&Oの概要

商号 C&O Pharmaceutical Technology (Holdings) Limited
事業内容 中国において医薬品の研究開発、製造、輸入、販売を行う企業グループを経営
設立 2003年7月28日
2005年10月17日にシンガポール証券取引所に上場
所在地 香港
資本金 約166百万香港ドル
発行済株式総数 663,360,000株
大株主および持株比率 Leo Star:193,031,000株(29.10%)
Gao Bin:449,000株(0.07%)
住友商事:192,374,000株(29.00%)
決算期 6月期
業績(2010年度) 売上高 :約651百万香港ドル
営業利益:約202百万香港ドル

 


2012/10/29 塩野義

ViiV Healthcare Ltd との新たな枠組みに関するお知らせ

塩野義製薬と、英国ViiV Healthcare Ltdは、この度、HIV インテグレース阻害薬ドルテグラビル(一般名、塩野義製薬 開発番号:S-349572、以下、DTG)および関連製品(DTG、その他のインテグレース阻害薬S-265744 またはS-247303 を含有する合剤を含む)に関する新たな枠組みについて、最終契約を締結しましたのでお知らせいたします。

1. 新たな枠組みに至った理由

2001 年9 月、英国GlaxoSmithKline plc.(以下、GSK 社)と塩野義製薬は、両社の所有する複数の疾患領域における開発化合物を開発・販売することを目的とした合弁会社Shionogi-GSK Healthcare を設立し、後に、HIV インテグレース阻害薬に関する共同研究を開始しました。また、2009 年10 月、GSK 社と米国Pfizer 社は両社のHIV 治療薬を供出し、英国にViiV 社を設立(GSK 社持分:85%、Pfizer 社持分:15%)、GSK 社はShionogi-GSKHealthcare におけるその持分をViiV 社に譲渡したことから、合弁会社はShionogi-ViiV Healthcare(以下、JV)となりました。
この間、
@ 今後のHIV 治療では複数のメカニズムを持つ配合剤が主となることが予想され、インテグレース阻害薬のみをアセットとするJV では今後の展開に複雑な取扱いが必要となること
A 2008 年に米国における自社製品の販路獲得のために行ったSciele 社買収(後にShionogi Inc.に社名変更)により、上記合弁会社設立時に想定していたJV を足がかりとする米国販売拠点設立の必要性が低下したこと
B 上記 Shionogi Inc.の販売はプライマリケア領域がメインであり、高度な専門性が要求されるHIV 治療薬とは販売形態が違うこと
等の状況の変化が現れてきました。
これらを鑑みて、昨年末から新たな枠組みの議論を開始しました。
さらに、2010 年10 月から開始したDTG の4 つの第3 相臨床試験データに基づき、2012 年中にDTG の新薬承認申請を行う予定であり、この度の新たな枠組みの協議を進めました。

2. 新たな枠組みの内容等
(1) 新たな枠組みの内容
(ア) DTG および関連製品(DTG、その他のインテグレース阻害薬S-265744 またはS-247303を含有する合剤を含む)に関する権利(JV の50%持分)をViiV 社へ移転し、対価としてViiV 社の10%株式を取得する(JV 持分はViiV 社へ移転するが、知的財産は当社が継続して保持しライセンスする形態)。

(イ) 当社グループは、ViiV 社より10%株式に応じた配当を得ると共に、1 名の取締役指名権を保有する。
(ウ) 販売の枠組の変更にともない、当社はViiV 社よりDTG 及び関連製品の販売高に応じたロイヤリティー*を得る(ロイヤリティー料率は、平均10%台後半)。
*合剤に関しても原則、減額はなし。また、発売後一定期間は、販売額の一部につきロイヤリティー免除あり。

(2) 取得しているShionogi-ViiV Healthcare LP の持分
    譲渡前の所有割合 50.0%
    譲渡後の所有割合 0%

(3) 新たに株式交換により取得するViiV Healthcare Ltd.の株式
    取得前の所有株式数 0株(所有割合0%)
    取得株式数 1,112 株
    取得後の所有株式数 1,112 株(所有割合10.0%)

3. ViiV 社の概要
(1) 名称 ViiV Healthcare Limited
(2) 所在地 英国ロンドン
(3) 代表者の役職・氏名 Chief Executive Officer:Dr. Dominique Limet
(4) 事業内容 英国GSK社と米国Pfizer 社によって設立された、HIV/AIDS領域のスペシャリスト・カンパニーで、抗HIV 薬の研究、
                 開発、製造、販売を行っている
(5) 資本金 非開示(非上場のため)
(6) 設立年月日 2009年11 月3 日
(7) 大株主及び持株比率
   [本契約締結前]  GSK 社:85.0%、Pfizer 社:15.0%
   [本契約締結後]  GSK 社:76.5%、Pfizer 社:13.5%、当社:10.0%

(9) 当該会社の最近の事業年度における業績の動向(2009 年会社設立後)
           2010年12 月期       2011 年12 月期
   売上高 1,566 百万ポンド    1,569 百万ポンド
   営業利益 851 百万ポンド      824 百万ポンド

4. 日程
(1) 契約署名日 2012年10 月26 日(英国時間)
(2) 取引完了日(予定) 2012 年10 月31 日(英国時間)
 


2016 年2 月29 日  塩野義製薬 

インフルエンザ感染症治療薬S-033188 の提携に関するRoche 社とのライセンス契約締結について

塩野義製薬は、このたび、自社創製のインフルエンザ感染症治療薬S-033188の提携に関するライセンス契約をF. Hoffmann-La Roche Ltd. との間で締結しましたので、お知らせいたします。

2015/11/6  塩野義製薬、インフルエンザ新薬を開発、1回投与で治療

本薬は、インフルエンザ感染症治療薬として新規の作用機序となるキャップ依存性エンドヌクレアーゼ阻害*により、単回治療で、既存のノイラミニダーゼ阻害薬*に勝ることが、また同時に、既存薬に対する耐性ウイルスに対しても治療効果を示すことが期待されています。

2015年10月には厚生労働省より先駆け審査制度対象品目に指定され、現在、国内における第U相臨床試験の段階にあり、最速で2017年度内の国内申請を予定しております。
このたびの契約締結を受け、塩野義製薬は、日本と台湾を除く全世界におけるS-033188の開発をRoche社との提携下で進めてまいります。当社は、契約の締結に伴う一時金、ならびに今後の開発進展や承認取得などに応じたマイルストン、製品上市後の販売額に応じたロイヤリティーをRoche社より受け取ります。なお、米国においては、本薬を上市後に当社グループがRoche社と共同プロモーションする権利を留保しています。
インフルエンザ感染症は、インフルエンザウイルスを病原体とする急性の呼吸器感染症で、毎年冬季を中心に世界中で流行し、多数の患者の発生と高齢者の死亡、インフルエンザ脳症に代表される乳幼児における合併症等を引き起こします。Roche社は、インフルエンザ治療薬タミフル®のグローバルにおける開発及び販売による豊富な経験と実績、高い専門性をもっています。塩野義製薬は、Roche社との提携を通じ、患者さまとそのご家族に必要とされる画期的なインフルエンザ治療薬を一日でも早くお届けできるよう、努めてまいります。


2016/8/2 日経 

塩野義、特許切れ薬を共和薬品に売却

塩野義製薬は2日、インドの後発薬大手ルピン傘下の共和薬品工業に特許切れの医薬品を売却すると正式に発表した。売却額は154億円。対象となる医薬品は21製品で、12月1日付で共和薬品に販売権を移管する。塩野義は特許切れ医薬品を切り離すことで経営資源を新薬開発に集中する方針を固めており、今回の売却はその一環となる。

2007年10月、インドのLupin Limited共和薬品工業の株式の過半数を取得した。
Lupin は研究注力型のジェネリック企業で、プネ市に最先端の研究所を有し、抗結核薬及びセファロスポリン(抗感染症)、CVS(心血管系)のグローバル・リーダー。

特許切れ医薬品は「長期収載品」とも呼ばれる。塩野義の売上高に占める割合は現在20%前半だが、今回の売却で10%台まで低下するもようだ。

2017年3月期の連結業績には織り込み済みといい、純利益は前期比6%増の710億円、売上高は3%増の3180億円とする従来予想を据え置く。

同社が共和薬品に移管する長期収載品は睡眠誘導剤「リスミー」や抗うつ剤「スルモンチール」などの治療薬21製品で、薬価ベースでの年間売上高は94億円。18年3月期から医薬品の製造販売承認も共和薬品に移管していくという。


日経産業新聞 2017/9/19日付 

塩野義製薬「手代木流」で10年先も勝つ
インフル革新薬 ペプチドに布石

 世界で巨額買収が相次ぐ激動の製薬業界において、連結売上高が3000億円規模の塩野義製薬が屈指の好業績を続けている。すでに売上高営業利益率は30%を突破した。少し前まで「鳴かず飛ばず」とされた名門を復活させたのが手代木功社長だ。世界大手との巧みな提携などで自社開発の大型新薬を連発している。業界で「手代木マジック」と称される経営手腕を発揮し、小さくても勝ち続けられるのか。


 「独自の創薬技術を確立した企業でなければ、生き残れない。塩野義はこれからも全体の売上高に占める自社開発品の比率を50%以上に維持していく」――。手代木社長は周囲にこう宣言する。48歳の若さで社長に就任してから9年半、驚異的な利益率を上げても満足せず、将来を見据えて貪欲に手を打つ。

 新薬開発の成功確率は3万分の1とされる。自社開発品の比率は通常、業界大手でも2〜3割程度とされるが、塩野義では共同開発品を含めて6割強と圧倒的に高い。それゆえ、塩野義は武田薬品工業の5分の1以下の規模でも売上高営業利益率は3倍以上。研究開発費は年500億円程度ながら独自開発の新薬を連発できるのは手代木社長の経営手腕が大きい。


 象徴的な事例が来年春に世界で販売するインフルエンザ治療薬だ。手代木社長が研究開発本部長に就任した04年以降に掲げた「選択と集中」戦略で、当時は業界大手も注力しない感染症分野に経営資源を投入した成果だ。手代木社長の先見性により画期的な新薬が生まれることになった。

 スイスのロシュの「タミフル」が有名だが、細胞内からウイルスが出るのを抑えるだけで増殖は止められない。塩野義の新薬は増殖に必要な酵素の動きを阻害して止める。服用回数はタミフルの半分の1日1回だ。7月には最終的な臨床試験(治験)が成功した。

 手代木社長は「従来の治療薬にない仕組みの新薬だ。新たな成長の柱になる」と胸を張る。インフルエンザ治療薬はタミフルを筆頭に競合が多いが、いずれも塩野義のような効能はない。手代木社長が酵素に着目して現場を駆り立ててリスクある開発に挑ませた。

 さらに業界を驚かせたのは新薬の海外での販売権を、最大のライバルのはずのロシュに与えたことだ。業界では塩野義と最も密接な関係にある英グラクソ・スミスクライン(GSK)で決まりとみられていた。現在の塩野義の最大の稼ぎ頭は抗エイズウイルス(HIV)薬だが、手代木社長主導でGSKとの提携で開発できたからだ。

 ただ、手代木社長は蜜月のGSKにとってライバルのロシュの販売力などを評価し、冷徹に判断を下した。年間売上高500億円以上を狙える大型薬として成功させるためだった。

       2016/3/2   塩野義製薬、新規インフルエンザ治療薬の開発でRocheと提携 


 東京大学発ベンチャーのペプチドリームなどとの提携を仕掛けたことも業界関係者をうならせた。積水化学工業を含めて9月に共同出資で次世代医薬品の原薬製造会社「ペプチスター」を設立。ペプチドリームの技術は「特殊ペプチド」と呼ばれる化合物であり、高い効能と製造コストが割安な医薬品の原料となる。

  2017/8/10 東大発ベンチャー、塩野義、積水化学と次世代医薬品の受託製造会社設立

 最大の課題は量産技術の確立で、激しい開発競争が続く。それでも手代木社長は「特許を押さえ、量産技術の開発で先行できる可能性がある」と強気だ。これまで原薬技術は欧米の医薬大手に主導権を握られ、日本の製薬業界の収益力や開発力の弱さにつながった。



 塩野義では大型新薬の食道がんワクチン向けにペプチドの原薬の量産技術を長く開発してノウハウを蓄積してきた。昨年末にはペプチド分野のベンチャーのファンペップ(大阪府茨木市)とも提携。開発リスクも認識しながら、いつも通り電光石火の早業で今回の提携をまとめた。業界関係者は「手代木さんは10年先、20年先を見据えながら足元で着実に妙手を打ってくる」と語る。

 手代木社長は82年の入社後、米国駐在が長く海外企業との提携交渉などで活躍。99年には39歳という異例の若さで経営企画部長に就任し、5カ年の中期経営計画の策定を仕切った。最大のテーマは「営業力の塩野義」から「創薬型企業」への転進だが、社内外で「それは無理だろ」と冷ややかな声が続出したのも当然だった。

 当時の塩野義は業績不振が続き八方ふさがりだった。塩野義は初代塩野義三郎氏が1878年に大阪・道修町で薬種問屋を開いて以降、創業家主導の経営であり、再編という選択肢はない。「中興の祖」として53年から長くトップに君臨した塩野孝太郎氏が築いた最強の営業部隊で勝負できる時代は過ぎ、人件費が重荷だった。有力新薬候補もほとんどなかった。

 手代木社長は当時について「どうすれば生き残れるのか。頭にあるのはそれだけだった」と振り返る。その答えが「創薬型企業」だった。04年に常務として研究開発部門トップに就任し大改革を進めた。特に20近くあった研究領域を「感染症」など3つに絞り込んだ。現場は猛反発したが、「嫌なら代案を出してくれ」と何度も現場と話して納得させた。

 中期計画では感染症など注力する医療用医薬品以外の事業は相次ぎ切り離した。この結果、手代木氏が社長に就任する直前の08年3月期の連結売上高は2142億円。02年3月期のほぼ半分に激減するほどの荒療治だ。それでもGSKなどと共同開発する抗HIV薬などの開発は順調で、有力な新薬候補がそろいだした。無駄の排除など経営の改善も進み営業利益率は20%近くになった。



 その後、業界でささやかれたのが武田薬品と塩野義の合併説だ。13年ごろだが、当時の武田社長だった長谷川閑史氏が合併で塩野義の新薬候補に加え、後継者として手代木氏を狙っているという話が業界首脳たちの間で広がった。

 業界の重鎮によれば、結局は合併協議は条件が折り合わず白紙に戻ったという。ある製薬会社のトップも「両社の統合話が実現していたら、武田が本当に手ごわい会社になっていた」と語る。

2014/1/20 日本経済新聞 武田、幻の経営統合 外国人トップ誕生の真相

 手代木社長がこの20年近く改革に挑んだのは最大のドル箱の高脂血症薬「クレストール」が16年に特許切れになれば、会社の存続が危ういとの思いがあったからだ。その危機を乗り越えたのは世界の製薬大手との提携交渉を成功に導いた「手代木マジック」があったからだ。

 塩野義製薬の連結業績は2018年3月期の営業利益が過去最高の1125億円で、売上高利益率は33%に達する見通しだ。最大のけん引役はロイヤルティー収入の「HIVフランチャイズ」。16年3月期は405億円、17年3月期は733億円だが、18年3月期は1030億円と急増する。まるで魔法を使っているかのようだが、ここでも手代木功社長の巧妙な仕掛けがあった。

 HIVフランチャイズは塩野義と英グラクソ・スミスクライン(GSK)が01年に設立した米合弁会社で開発した「テビケイ」など抗HIV(エイズウイルス)薬のことだ。手代木氏が合弁事業を仕切り開発も順調だったが、09年に事件が起きた。GSKが米ファイザーと抗HIV薬の開発会社「ヴィーブヘルスケア」を共同で設立、塩野義との合弁会社株をそこに移したのだ。

 世界の二大製薬会社が手を組み、塩野義ははしごを外された格好だが、手代木社長は慌てずに妙手を打った。

 実は最初のGSKとの契約時に合弁会社のGSK持ち分を買い取れるコールオプションを盛り込ませていた。怒りにまかせてファイザーとの提携を邪魔できたが、逆に塩野義の持ち株をヴィーブに移して10%の株式取得を提案。ロイヤルティーも売上額の10%台後半という好条件を引き出した。交渉で買い取り権を巧みに使い、圧倒的に有利な条件を引き出した。

2012/11/2  塩野義製薬、HIV治療薬JVの枠組み変更

 日本の医薬品大手首脳も「株の取得なんて普通は思いつかない。GSKやファイザーと互角に渡り合えるとは驚きだ」と語る。塩野義はファイザーとGSKが抗HIV薬の販売を増やす中、経費をかけず、ロイヤルティー収入と年100億円以上の配当金を受け取る。今後も有力な新薬が相次ぎ登場するため、安定した収益を続けられる。

 塩野義の生命線とされた高脂血症薬「クレストール」でも16年の特許切れを前に手を打った。海外での販売権を与えた英アストラゼネカの業績が不振だった13年末、ロイヤルティーを下げる代わりに受け取り期間を16年から23年に延長させることを提案して合意した。

 塩野義にとって18年3月期のクレストールのロイヤルティー収入は前期比110億円減でも220億円の見通し。業界では特許切れ後の売り上げの激減を「パテント・クリフ(特許の崖)」という。クレストールでは「激減緩和措置」をとった。これも業界他社を驚かせた妙手だった。手代木社長は「クレストールの影響はクリフではなく、なだらかなヒル(丘)にできた」と胸を張った。

 手代木社長は最大の課題とされた米国事業でも手を打っており、「20年3月期には黒字化できる」見通しとなった。現地法人に任せるだけでなく、医薬品ごとに最適な提携先と契約を結んでおり、米国での販売拡大が見込めるからだ。

 ただ、将来にはリスクもある。特に収益の多くは自社の特許などを使った共同開発品によるロイヤルティー収入に依存する。18年3月期見通しは1450億円で、連結売上高の4割以上を占める。世界大手の多くに販売してもらい効率的に稼げている。

 それでも競合企業から画期的な新薬が登場したり、提携先が再編して戦略が異なれば、契約自体が見直される可能性がある。海外で自力で売れる力が乏しく、世界大手が飛びつく強い新薬を出し続けるしかない。
 


 


 塩野義の足元の新薬候補は充実している。新型インフルエンザ治療薬が代表例だが、最終段階の第3相の臨床試験(治験)には国内外で8製品もある。その前段階の第2相も新薬として発売できる可能性が比較的に高く、それも10製品ある。

 競合他社が数少ない弱点と指摘するのは治験の初期段階の第1相がわずか4製品に過ぎないことだ。この第1相を数多く抱えていることが将来の成長を左右する。世界の製薬大手は圧倒的に豊富な資金があるからベンチャー企業の買収などを含めて無駄な鉄砲でも無数に撃てるわけだ。

 手代木社長がペプチドリームなどとの提携を進めているのも、現段階では手薄な10年以上先を見据えてのことだ。特にペプチドリームの技術を活用すれば、原薬と特許の両方で、「中分子」と呼ばれる将来有望な医薬品領域で塩野義が世界のトップに立てる可能性もある。それも難しい開発を成功させるしかない。

 48歳で社長に就任した手代木社長もすでに57歳であり、来年には就任10年を迎える。まだまだ続けられる気力も体力もあり、大胆な提携などを仕掛けられる時間も残されている。ただ、開発戦略から世界大手との交渉まで辣腕を振るうだけにワンマン経営に陥るリスクもある。社内では後継者の育成を不安視する声も出ている。

 90年代には「終わった会社」とも揶揄(やゆ)された塩野義の復活は劇的だった。その奇跡を起こした魔法はいつまでも解けないのか。規模が小さくても、魔法使いがいなくても、強い企業であり続けられる仕組みを残すことが経営者として評価される手代木氏にとって今後、最大の責務になりそうだ。


2014/1/20 日本経済新聞 

武田、幻の経営統合 外国人トップ誕生の真相

 「院政への布石か」「社内のトラブルがきっかけか」――。次期社長に外国人経営者をスカウトした武田薬品工業のトップ人事を巡る臆測がやまない。真相は何か。背景を探ると、武田が人知れずライバル企業と進めていた経営統合交渉の破談が、仰天人事の引き金だった。

■「あの計画がご破算になったせい」

武田が次期社長に英グラクソ・スミスクライン(GSK)出身のクリストフ・ウェバー(47)を招くと発表した昨年11月末。直後から社内外で「サプライズ人事」と騒がれたが、武田と取引が長いメガバンク幹部は驚きもせず、武田社長の長谷川閑史(67)の心中を推し量った。

「外国人を社長に選んだ理由の1つは、あの計画がご破算になったせいかもしれない」

あの計画とは、武田と塩野義製薬との統合計画だった。
隠密で協議を進めていた中心人物は、武田側が長谷川、塩野義側が社長の手代木功(54)。
ある交渉関係者は、こう振り返る。

「昨年初夏には、2人の間で経営統合に大筋で合意していた。実務部隊も含めて細かい話を詰める段階に入ろうというところまで進んでいた」

武田にとって、塩野義との統合メリットは大きい。塩野義は売上高が3000億円足らずで国内9位にとどまるが、統合後の売上高は約2兆円。武田―塩野義連合はアステラス製薬など国内ライバルを突きはなすだけではない。世界10位の米イーライ・リリーとも肩を並べ、「世界のベスト10」入りが近づくという計算も働いた。

2人は統合会社の新たな経営体制について、長谷川が会長、手代木が社長に就任することでほぼ合意していたという。トップ人事では、売上高が武田の5分の1ほどで「のみ込まれる側」である塩野義に配慮した格好で、なんとか統合への道筋を付けようとした武田の熱意の表れだった。

関係者によると、この統合後の布陣には、もう一つの意味合いが込められていたという。長谷川は武田と塩野義が統合した後、塩野義の手代木を実質的な後継トップにしようとしていたのだ。塩野義という会社と手代木という経営者を手に入れられる一石二鳥のシナリオだった。


■塩野義にいた意中の人
手代木は東京大学薬学部出身。ネーティブ並みの英語を話すことで知られ、海外企業相手のM&A(合併・買収)の経験もある。長谷川、手代木ともに早朝から仕事をこなし、夕方には帰宅する欧米流の仕事スタイルで、生活リズムまで同じ。そんなところも2人は馬が合ったのかもしれない。

「手代木さんは、たいした人物だよ」――。ある長谷川の側近は、めったに他人をほめない長谷川の言葉に耳を疑ったこともあった。

ところが、2社の経営統合に「待った」がかかる。長谷川との協議がほぼ煮詰まったころ、塩野義の創業家出身で会長の塩野元三(67)に手代木が進捗を報告すると、反応は芳しくない。

「小さくても塩野義の名前でやっていきたい」
塩野は首を縦に振らず、統合シナリオは白紙に戻った。長谷川にとって塩野義との統合は経営者人生の総仕上げになるはずだったが、結局、世界に通用する巨大医薬品メーカーの座を手にすることはできなかった。

 


2018年6月14日 塩野義製薬 


新規抗うつ薬SAGE-217の導入に関するSage社とのライセンス契約締結について
 −日本、台湾、韓国での開発および販売に関する契約の締結−

塩野義製薬は、この度、Sage Therapeutics, Inc.(本社:米国マサチューセッツ州)との間で、新規抗うつ薬SAGE-217の日本、台湾、韓国での開発および販売に関する契約を締結しましたので、お知らせいたします。なお、本件は2018年5月9日に発表した戦略的事業投資の一環です。

うつ病は、脳の働きに何らかの問題が起きることで、生活の質(Quality of Life:QOL)の低下をきたす疾患です。これまでさまざまな抗うつ薬が発売され使われることでQOLを改善してきましたが、より安全かつ効果発現が早い治療薬が求められています。

SAGE-217は、既存の抗うつ薬とは異なる新規の作用機序を有する1日1回投与の 経口剤であり、シナプスおよびシナプス外のGABAA受容体に対する選択的ポジティブアロステリックモジュレーターです。
SAGE-217は、抑制系神経細胞に直接作用すると考えられており、効果発現が早いことが期待されています。現在、大うつ病性障害、産後うつ病、睡眠障害 、その他の気分障害および運動障害の適応でSage
社が開発を進めております。

SAGE-217は、 大うつ病性障害の適応症で は2018年2月にFDAよりブレークスルー・セラピー(画期的治療薬)に指定されており、 既に第II 相臨床 試験は完了 しております。
FDAとの合意の下、今年米国で第III相臨床試験が開始される予定です。

この度の契約締結により、当社はSAGE-217のうつ病・うつ状態を含む全ての疾患において、日本、台湾、韓国での独占的開発・販売権を獲得いたします。また、当社は、契約締結に伴う一時金として90百万ドル、今後の開発進展や製品上市後の販売額に応じたマイルストンを最大で合計485百万ドル、並びに販売額に応じて平均20%台のロイヤリティーをSage社に支払います。

塩野義製薬は「創薬型製薬企業として社会とともに成長し続ける」ことを経営目標として掲げた中期経営計画SGS2020の中で、「個人が生き生きとした社会創り」を当社が取り組むべき社会課題の一つにあげております。当社は、Sage社との提携を通じて、人々の健康を守るために必要なうつ病を含む精神・神経系疾患の治療薬を、世界中の患者さまにいち早くお届けできるよう、引き続き努力してまいります。

参考:
●Sage Therapeuticsについて
Sage社は中枢神経領域の疾患に対し、患者さまの人生をより良い方向に導くような新薬の開発に取り組んでいる製薬企業です。
中枢神経系におけるGABAA受容体NMDA受容体を標的とした新薬候補品群を有しています。
最も開発が進んでいるプログラムがSAGE-547(一般名:brexanolone)であり、これは静注製剤で産後うつ病を適応 症として第 III相臨床試験が完了し、FDAが承認に向け審査中です。
 Sage社はSAGE-217やSAGE-718などの新規化合物の開発も現在推進しております。

●SAGE-217の第 II相 臨床試験結果について
米国で実施された第II相 臨床試験では、18歳〜65歳の中等度から重度の大うつ病性障害患者89名を対象に プラセボ 群を対照とした比較試験を実施しました。
本試験において、SAGE-217は主要評価項目を達成しました。
プラセボ群と比較して、SAGE-217群では 、投薬14日目のHAM-D(ハミルトンうつ病評価尺度)17項目の総スコアがベースラインと比較して統計学的に有意に減少しました。
プラセボ群と比較して、SAGE-217群では 、初回の投薬の翌朝から4週目までのHAM-Dスコアが 統計学的に有意に減少し、その効果はフォローアップの6週目まで持続し、プラセボ群との差は さらに大きくなりました。
SAGE-217の忍容性は良好でした。
SAGE-217群で比較的よく見られた有害事象は、頭痛、めまい、吐き気 、傾眠でした。