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2010/5/1  フマキラーとアース製薬、携帯型電池式虫よけ器紛争で和解 

フマキラーとアース製薬は4月28日、フマキラーがアース製薬を対象に行っていた、製造、販売等の差止め請求の仮処分命令申立事件で和解した。東京地方裁判所による和解勧告を受け入れた。

問題製品はフマキラーの携帯型電池式蚊取り器「どこでもベープNo.1 NEO」と、アース製薬の「おそとでノーマットV130」。

両社の争いは、2008年7月にアース製薬が、同社の携帯用虫よけ器の特許権が侵害されたとしてフマキラーに対する特許侵害訴訟を東京地裁に提起したことで始まった。

アースの特許「携帯用害虫防除装置」は、電池式ファンの気流で薬剤を気化させる携帯用害虫防除装置で、使用者が装置を身につけ起立した状態で、上下の排気口から体に沿って薬剤を含んだ気流が放出されることを特徴としている。

アースは2000年から同特許の技術を用いた「蚊に効くおそとでノーマット」を販売しているが、フマキラーが2004年に販売開始した「どこでもベープ No.1」がこの特許を侵害しているというもの。

アース製薬はフマキラー対して、製造販売の中止を求める警告書を送付したが、フマキラーから「特許権の侵害はない」と返答されたことから、提訴に踏み切った。

2009年7月に、今度はフマキラーがアース製薬に対して、不正競争防止法に基づき、アース製薬が製造・販売する携帯型電池式虫よけ器「おそとでノーマットV130」の製造、販売等の差止めを求めて、東京地方裁判所に仮処分命令の申立を行った。

フマキラーの「どこでもベープNo.1 NEO」は、どこでも誰でも手軽に、安全に使用することができる製品として、「使いやすさ」プラス「おしゃれ心」を追求した商品開発に取り組んだ結果、累計250万台を超える販売実績をもつが、アース製薬の「おそとでノーマットV130」は、商品の形態など、極めて類似した商品としている。

需要家が両製品を誤認混同して購入することを懸念した。

これに対し、アース製薬は、フマキラーの商品を模倣した事実は一切ないとして、裁判で争う姿勢を示した。
アースの大塚達也社長は、「何をもって不正競争防止法に抵触するというのか理解に苦しむ。最終的には当社の言い分が通るだろう」
訴訟に不快感をあらわにした。

2009年8月、アース製薬が特許権を侵害されたとしてフマキラーを相手に製品の製造・販売差し止めを求めた訴訟で、東京地裁は請求を棄却 した。アース製薬の特許は公知例から容易に類推できると判断し、特許は無効とした。

今回の和解は、2009年7月にフマキラーがアース製薬に対して、不正競争防止法に基づき、「おそとでノーマットV130」の製造、販売等の差止めを求めて、東京地方裁判所に仮処分命令の申立を行った事件に関するもので、和解内容は、アース製薬とフマキラーがそれぞれの製品のパッケージを変更することを主な内容としている。

フマキラーでは、本和解により、需要家が両社の製品とを誤認混同することが回避できるとして、和解に満足しているとしている。

ーーー

なお、アース製薬はフマキラー株を買い増しており、20094での持株比率は11.1%で、筆頭株主となっている。

2008/1/23  アース製薬によるフマキラー株式購入

 


2010/5/1 水俣病犠牲者慰霊式 

水俣病犠牲者慰霊式が5月1日、熊本県水俣市で営まれ、歴代首相として初めて出席した鳩山首相は以下の通り、「祈りの言葉」を述べた。

ーーー

 水俣病犠牲者慰霊式に臨み、水俣病によって、かけがえのない命を失われた方々に対し、心から哀悼の意を表します。

 本日は、我が国の首相として初めて、水俣病犠牲者慰霊式に参列できましたこと感無量でございます。

 今、この地に立ち、水俣が生んだ明治の文豪徳冨蘆花が一幅の「生命(いのち)踊る油絵」とたたえた美しい海を見るに及んで、このすばらしい海を汚し、深刻な健康被害をもたらし、そして、差別・偏見・不和など地域全体のきずなを破壊してしまったことについて、思いを深く感ぜずにはいられません。

 熊本、鹿児島にとどまらず、さらに後年、新潟で第二の水俣病が引き起こされたことは、誠に痛恨の極みであります。こうして各地で、長きにわたる大変な苦しみの中でお亡くなりになられた方々、ご遺族の方々、地域に生じたあつれきに苦しまれた方々、また、今なお苦しみの中にある方々に対し、誠に申し訳ないという気持ちでいっぱいでございます。

 ここに、政府を代表して、かつて公害防止の責任を十分に果たすことができず、水俣病の被害の拡大を防止できなかった責任を認め、改めて衷心よりおわび申し上げます。国として、責任を持って被害者の方々への償いを全うしなければならないと、再度認識をいたしました。

 昭和31(1956)年5月1日、チッソの付属病院の野田医師が、水俣保健所に患者の発生を報告するべく飛び込んでいったのが、54年前の今日のことです。そして、昭和40(1965)年6月12日、新潟においても水俣病の患者の発生が発表されました。

 公式確認から54年という長い年月を経た今日に至るまで、水俣病問題の解決に関して様々な方々が努力されてまいりましたが、なお大きな課題が残されております。
特に、今日なお、救済を求めておられる方々が多くいらっしゃいます。ご高齢の方も大勢いらっしゃいます。

 こうした事態を放置できないことから、「水俣病被害者の救済及び水俣病問題の解決に関する特別措置法」が制定されました。

 鳩山内閣は、「いのちを守る政治」の具体化として、被害者団体や関係者と何度も話し合い、一心に解決を模索努力した結果、今般、「救済措置の方針」の制定に至りました。この上は、いのちを守るとの基本的な考えのもとに、水俣病被害者を迅速に、かつ、あたう限りすべて救済をいたします。

 万感の思いをこめて、本日、5月1日から、申請の受け付けを開始することを、表明させていただきます。

 また、裁判をしておられる方々とも和解できないかと、何度も話し合いを重ね、この度、ノーモア・ミナマタ訴訟原告団の方々と裁判所において基本的合意を成立させることができたことは、大きな成果であったと思います。

 しかしながら、水俣病問題がこれで終わるなどとは決して思ってはおりません。むしろ、今日のこの日を、新たな出発の日にしたいと思います。

 水俣病問題の解決のためには、すべての被害者の方々はもとより、地域の皆様が安心して暮らしていけることが何よりも大切であり、将来に向かって、地方公共団体と連携しながら、胎児性患者の方々を始めとする方々の医療・福祉や健康不安者の健康モニタリング、地域のきずなの修復・もやい直しを進めるとともに、環境対策に熱心に取り組むことで地域が発展し、成長するモデルを作り出せるよう、全力で取り組んでまいる決意でございます。そして、水俣病の教訓を世界に発信してまいります。

 私は、水俣病と同様の健康被害や環境破壊が、世界のいずれの国でも繰り返されることのないよう、国際的な水銀汚染の防止のための条約づくりに積極的に貢献していく所存です。このため、来年1月に開催される第2回の交渉会議を我が国において開催することといたします。

 さらに、最終的にこの条約の採択と署名を行うために2013年ごろ開催される外交会議についても我が国に招致することにより、「水俣条約」と名付け、水銀汚染の防止への取り組みを世界に誓いたいと思います。

 水俣病のような悲惨な経験を再び繰り返さないようにしていくことが大切でございます。

 国として、地方公共団体、事業者、国民の皆様とともに、いのちを守り、公害のない、持続可能な社会の実現に向けて、また、恵み豊かな自然環境を保全し、将来に継承したいくため、全力で取り組んでいくことを、ここにお誓い申し上げます。

 最後に、改めて、水俣病の犠牲となりお亡くなりになられましたすべての方々のご冥福をお祈り申し上げ、私の「祈りの言葉」とさせていただきます。

ーーー

4月16日に閣議決定された「水俣病被害者の救済及び水俣病問題の解決に関する特別措置法の救済措置の方針」に基づき、5月1日より、熊本県、鹿児島県、新潟県で給付の申請を受け付ける。

2010/4/16 水俣病「救済措置の方針」を閣議決定 

環境省のホームページに給付の申請についての詳細がある。
  
 http://www.env.go.jp/chemi/minamata/shinsei/index.html

付記 2012/2/3

水俣病特別措置法に基づく救済制度の申請期限について、細野豪志環境相は2月3日、正式2012年7月末で申請を区切ることを表明した。

2010年5月施行の特措法は、3年以内をめどに救済対象者を確定すると規定。判定手続きに最長9カ月ほどの期間を要することから、申請を今年7月末までと決めた。「7月末までの半年間は十分な期間であり、その間に十分告知していく方が被害者の救済につながる」としている

救済制度には受け付け開始以来、熊本、鹿児島、新潟の3県で、当初予測の3万人を超える約5万人が申請していた。

ーーー

付記

チッソは64日、「水俣病被害者の救済及び水俣病問題の解決に関する特別措置法」第8条に基づき、同法第4章の規定等の適用を受ける者として指定を受けるため、環境大臣に申請を行った。

第四章 公的支援を受けている関係事業者の経営形態の見直し

 


2010/5/3 注目企業の決算-1(信越化学)    

3月期決算の発表が始まった。

信越化学

前年比で大幅な減収、減益(営業損益半減)、
前々年比では更に減益となった。

各部門とも減益だが、塩ビと半導体が大幅減益となっている。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2008/3   13,764 2,871 3,000 1,836 40 50
2009/3 12,008 2,329 2,505 1,547 50 50
2010/3 9,168 1,172 1,270 839 50 50
前年比 -2,840 -1,157 -1,235 -709 0 0
(前々年比) (-4,595) (-1,699) (-1,730) (-997)    
2011/3 未定

営業損益対比(億円) 

  2008/3 2009/3 2010/3 前年比  
塩ビ系 315 367 174 -193 Shintech大幅減益 -188(下記)
シリコーン系 431 336 268 -68  
その他有機・無機 249 248 169 -79  
電子材料 1,621 1,122 395 -727 半導体シリコン価格が低迷(下記)
機能材料ほか 260 257 180 -77  
全社 -4 -2 -14 -12  
合計   2,872   2,329   1,172   -1,157  

 

信越半導体グループ(信越半導体、SEHアメリカ、SEHマレーシア、SEHヨーロッパ、SEH台湾)の経常損益推移は以下の通 り。

日本の業界統計では、300ミリウエハーの販売は2008/12〜2009/2は100万枚/月程度であったが、その後急速に回復、2009/9〜12は200万枚程度まで上昇しており、「数量についてはかつてのピーク水準に並ぶ状況。ただ、大きく落ち込んだ価格が戻っておらず、これをいかに修正していくかが今期の課題になる」としている。

シンテックは米国の住宅市場の低迷が続く中、世界中での拡販により高水準の稼動を継続したが、大幅な減益となった。

Shintech は12月決算。

同社はこれまで順調に業績を伸ばし、2007年には、サブプライム問題で米国の住宅着工件数が1993年以来14年ぶりの低さとなり、同業他社が稼働率を落とし大幅な減益や赤字に転落する中で、海外への拡販でフル操業を継続し、300億円を超える経常損益を確保した。

今回も、「世界中の顧客への拡販に努め、高水準の出荷を維持した」としており、その中での大幅減益(経常損益で -188億円)は気になる。

これについての詳しい説明はないが、これまでと大きく異なる点がある。

ルイジアナ州Plaquemineでの電解〜VCM〜PVC工場の第一期(VCM 50万トンと見合いの電解、PVC 30万トン)が2008年10月に稼動した。

同社は設立以来、ダウとの共存共栄体制をとってきた。
原料VCMは全量をダウから供給を受け、PVC価格が値下がりした場合、基準価格からの値下がり分の半分をダウが負担する仕組みと言われている。(値上がりの場合も同じ)
製品価格の値上がり益をフルに享受できない代わりに、大幅値下がり時にも負担損失は少なくて済む。

今回初めて、VCM所要量の一部を自社で供給し、その分については完全な自己採算となる。
(第二期のVCM 30万トンは2010年後半に稼動、第二工場のVCM 80万トンは2011年に稼動し、その時点ではPVCの全生産能力264万トンの60%を自給することとなる。)

本年4月に建設を開始した第二工場の能力は、VCM 80万トンと電解で投資金額は約1000億円とされており、これをベースにすれば第一期のうち、VCM(50万トン)と電解の建設費は600億円程度と見られる。

この償却負担などを考えると、少なくとも短期的にはVCMのコストはダウからの購入よりは高くなっている可能性が強い。

なお、米国の市況は以下の通り。(Westlake Chemical 資料)

  2008 2009 増減
PVC  57.0 c/lb  51.3 c/lb  -10%
エチレン  58.5 c/lb  33.9 c/lb  -42%
苛性ソーダ  687.5 $/short ton  394.6 $/short ton  -43%

電解プラントで塩素とともに副産する苛性ソーダの価格は前年比で43%も下がっており、これは実質的に塩素コストのほぼ同率のコストアップとなる。
但し、VCMのもう一つの原料のエチレン(塩素をほぼ 1:1 で使用)も42%の値下がりとなっているため、トータルではVCMの原料コストは前年比であまり変わらないこととなる。

このため、VCM自製分については、PVC値下がり損がそのまま残ることとなる。
(Shintech は輸出が多く、必ずしも全体が10%の値下がりではない。ダウからの購入VCMについては、ShintechがVCM自製を始めた現時点で共存共栄システムが継続しているのかどうか不明)

ルイジアナ州PlaquemineではPVC 30万トンも2008年10月に稼動しているが、2009年の売上高は前年比で578億円も減少している。
Shintech全体として「高水準の出荷を維持」しているが、フル操業ではなく、ある程度の減産損失もあると思われる。

 

なお信越化学では、現在は米国を中心に単価のアップを図っており、今年に入ってから徐々に価格修復が進んでいるとしている。


2010/5/4  米の原油流出、環境や漁業に影響

米南部ルイジアナ州沖のメキシコ湾で起きた原油の流出は事故から13日が過ぎた5月3日も止まらず、一部沿岸には油膜が漂着した。 環境破壊や漁業、観光業などへの影響が心配される。

4月20日夜10時頃、ルイジアナ州ベニス南東約84キロで掘削中の海洋掘削プラットフォームDeepwater Horizon rig で爆発事故があり、作業員11人が行方不明(死亡とみられる)、負傷者は17人おり、うち3人が重傷。爆発当時、施設には126人がいた。

Deepwater Horizon rig は半潜水型の移動式海洋掘削プラットフォームで、掘削量は1日当たり最大8000バレル。
R&B Falconが設計、 Hyundai Heavy Industriesが建設した。R&B Falconを買収したTransocean (140の掘削リグを所有する世界最大の沖合掘削請負会社)が所有し、20139月までBPにリースしている。本年1月から現在の場所で掘削が行われていた。

メキシコ湾の米海域では4月16日現在、55の掘削リグが稼働しているという。

リグは2日後に沈没、水深約1.5kmの海底までパイプでつながれていたが、パイプは破損し、パイプ3箇所から原油が噴出したままとなっている。
パイプの元には自動的に原油流出を止める噴出防止バルブ(
blow-out preventer)が備えられていたが、装置が稼動しなかった。

掘削中の油田はBPが65%、Anadarko Petroleum25%を所有している。

付記

BP Exploration and Production Inc.  65.0% (Operator
Anadarko E&P Company LP  22.5%
Anadarko Petroleum Corporation   2.5%
MOEX Offshore 2007 LLC  10.0%
 (三井石油開発の100%子会社のMOEX USA の子会社)

BPは対策として以下の案を考えているが、時間がかかりそうだ。

1)Robotic surgery
  
無人潜水艦(ROV)で噴出防止バルブを稼動させる。

2)Put a lid on it
  パイプの流出箇所にContainment Chamber を下ろし、漏れた原油を吸い上げる。

3)Plug it up (抜本策)
  
横から別の井戸を最初の井戸に向かって掘り、泥やコンクリートを流し込み、流出を止める。

付記  
BP発表(2010/5/5)
・折れたパイプの先端にロボットでバルブをつけるのに成功、ここからの漏れは止まった。
 (残り2箇所からの漏れは続く)
Containment Chamber 1個を現場に輸送、5日に下ろす。
   これまで経験のない深度であり、作業は難航している。
・別の井戸の掘削を2日に始めた。完成まで3ヶ月かかる。

付記
BP発表(2010/5/16)
水深5000フィート(約1500メートル)の損傷した油井から水上の船まで流出原油を吸い上げるRiser Insertion Tube
挿入に成功した。
吸い上げるのは流出原油の一部。「すべての流出原油を回収することはできないが、メキシコ湾に流出している原油の量を減らすための重要な一歩だ」。流出を完全に食い止める方法が見つかるまでの一時的な措置で2回目の試みで成功した。

来週にはゴムタイヤ片とゴルフボールの混合物を油井に吹き込み、泥とセメントで封をする「ジャンク・ショット」という呼ぶ方法を試す計画。

付記
BPは
5月26日、流出源の油井に泥を流し込みセメントでふたをする「Top Kill」作戦を開始した。
この手法は、遠隔制御の潜水艦型ロボットを使い、油井に密度の高い掘削泥水を注入した後、セメントでふさぐというもの。注入泥水が原油の流出を一時的に止め、セメントが固まって恒久的に油井を封じ込めるまで時間を稼ぐことができるという。

対策本部は5月29日、「トップキル作戦」が失敗したと発表した。

ーーー

原油の流出は事故から13日が過ぎた4月3日も止まらず、ルイジアナ州の一部にはすでに油膜が漂着、湿地の環境破壊や漁業などへの影響が心配される。
また今後、油膜が海流に乗ってメキシコ湾に面する各州に拡大する可能性があり、海岸が大きな観光資源でもあるフロリダ半島の東側でも不安が広がっている。

海洋大気局(NOAA)の推計によると、1日当たり80万リットル(5000バレル)の原油が流出。この状態が50日間強続けば、1989年の米史上最悪のアラスカ沖原油流出事故に匹敵することになる。

1989年3月24日、アラスカ州のValdez Oil Terminal からカリフォルニア州に向かっていたExxon Valdez 号が暗礁に乗り上げ、積載量の20%にあたる25万バレルの原油がプリンスウィリアム湾に流出した。

付記
米政府は5月27日、原油流出量を日量12千〜19千バレルと発表した。これまでの推定の2倍以上。
単純計算ではこれまでに42万〜66.5万バレルが油井から噴出、アラスカ沖原油流出事故をはるかに上回る。

4月30日までにルイジアナ、ミシシッピ、アラバマ、フロリダの各州は非常事態を宣言した。
海洋大気局は、事故現場に近いルイジアナ州などでの漁業を、少なくとも10日以上、禁止することを決めた。

クリーンアップや関連コストは少なくとも125億ドルとみられており、これはExxon Valdezの事故の際より80%多い。
BPは4月3日、クリーンアップのコストを負担すると発表した。

付記

原油流出が大西洋クロマグロの産卵の海域とほぼ重なっていることを、 米スタンフォード大などが5月28日発行の米科学誌プロスワンで発表した。

大西洋クロマグロは、地中海で産卵する群とメキシコ湾で産卵する群に分けられる。後者は毎年3〜6月にメキシコ湾に回遊してくる。やや水温の低い湾内の二つの海域に集中して回遊しているが、特に北東側の海域は原油が広がっている海域と重なっており、回遊のピー クは流出が始まった4〜5月だった。

クロマグロは海面付近で産卵するため、漂っている油膜で卵や稚魚が死滅する恐れがあり、原油の油滴を小さくして分解を促す薬剤の影響も心配される。

ーーー

オバマ大統領は3月31日、大西洋岸とメキシコ湾東部海岸、アラスカ北部海岸沖での石油・天然ガス探査を拡大する沖合い掘削に関する新方針を発表した。広範なエネルギー戦略の一環だとし、米議員らに対して温暖化ガスの抑制を目指す包括エネルギー・気候変動法案の可決を呼びかけ た。

大統領は、米国の競争力維持には輸入原油に依存した現状からの脱却が必要であり、そのためには原子力発電拡充などの一方で自国産原油の活用が不可欠だと強調。油田開発では、新技術を用いることで環境への影響を最小限にとどめると主張した。

しかし、今回の事故を受け、ホワイトハウスは4月30日、メキシコ湾の石油掘削施設で起きた原油流出事故の調査が実施されるまで、新たな地域での石油掘削は認めない方針を明らかにした。「何が起こったのか、回避可能な特殊要因があったのかが判明するまで今後も承認しない」としている。

付記

オバマ大統領は5月27日、新規の海底油田掘削許可を6ヶ月間凍結することを明らかにした。メキシコ湾の33地点で行われている試掘作業の停止も決定。

オバマ米大統領は2日午後、現地を視察した。

大統領は、対策を統括している沿岸警備隊の施設で被害状況や対策の方針について説明を受けたあと、「流出は止まっておらず、問題解決まで時間がかかる可能性はあるが、原油の流出を止めて事態が収拾されるまで、政府として全力を尽くす」と述べた。


2010/5/5 注目企業の決算-2(JSR、カネカ、出光興産)

JSR

前年比で減収、減益、減配。前々年比では大幅減益。

部門別には、エラストマーが大幅減益。多角化事業は前々年比で利益半減のまま。 

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2008/3    4,070 600 561 370 16 16
2009/3 3,525 303 311 140 16 16
2010/3 3,102 202 224 136 13 13
前年比 -423 -101 -87 -3 -3 -3
(前々年比) (-968) (-398) (-337) (-234)    
2011/3 3,470 380 395 250 16 16

営業損益対比(億円) 

  2008/3 2009/3 2010/3 前年比  
エラストマー 112 80 -5 -85 上期の需要の大幅な低迷、生産調整
エマルジョン 15 5 3 -2 需要の大幅減少
合成樹脂 30 13 -0 -13 需要の大幅減少、円高の影響
多角化事業 443 205 205 -0 需要低迷、円高の影響、戦略事業(*) コスト増加
合計 600 303 202 -101  

* 精密材料・加工、メディケア、環境・エネルギーの分野を「戦略事業」と設定し、推進体制を強化
  これに重点的な資源配分を行ない、同事業に関するコストが増加した。

ーーー

カネカ

前年比で減収、増益だが、前々年比では利益半減。減配。

部門別には多くが前年比増益となったが、ライフサイエンスとエレクトロニクスが減益。
エレクトロニクスは液晶関連は増益だが、太陽電池が赤字。

単位:億円 (配当:円)
  売上高 営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
2008/3    5,030 357 339 188 16 16
2009/3 4,496 76 58 -19 16 16
2010/3 4,125 175 163 84 13 13
前年比 -371 99 105 103 -3 -3
(前々年比) (-905) (-182) (-175) (-104)    
2011/3 4,500 230 210 110 16 16

営業損益対比(億円)

  2008/3 2009/3 2010/3 前年比  
化成品 52 -5 19 23 塩ビ:輸出市況回復で増益
機能性樹脂 120 30 88 58 MBS:製品差別化、コストダウン等で増益
発泡樹脂製品 -1 13 50 37 コストダウンで増益
食品 28 38 89 51 コストダウンや新製品の拡販で増益
ライフサイエンス 53 59 45 -14 競争激化での既存製品値下がりで減益
エレクトロニクス 91 -9 -69 -60 太陽電池:欧州の需要低迷と
 競争の激化に伴う値下がりで減益
合成繊維 66 12 15 3  
全社 -52 -62 -61 1  
合計 357 76 175 99  

ーーー

出光興産

石油製品事業は、景気低迷に伴い国内の燃料油需要が減少する中、減産を継続、合理化に取り組んだが、製品マージンが大幅に悪化したため、前年同期比で大幅な減益となった。
石油開発事業も原油価格下落により前年同期比で減益となった。

                            単位:億円
  売上高 営業損益 同左(在庫
影響除く)
経常損益 当期損益
2008年度   37,985     1,024 (  817)    893   33
2009年度   31,123     445 ( -229)    304    60
増減   -6,862    -579 (-1,046)   -589    27
 
営業損益                                       単位:億円
  2008年度 2009年度 増 減
一般 在庫
 影響
合計 一般 在庫
 影響
合計 一般 在庫
 影響
合計
石油製品    308 256   564  -517   613    96 -825   357   -468
石油化学製品 -167 -46 -213 22 56 78 189 102 291
石油開発 498   498 136   136 -362   -362
石炭・その他 178 -3 175 130 4 134 -48 7 -41
合 計 817 207 1,024 -229 673 444  -1,046 466 -580

たな卸資産の評価方法は、'08年度までは後入先出法、'09年度からは総平均法を採用。
「在庫影響」は、在庫評価及びたな卸資産簿価切下の影響を含む。

「在庫影響」のうち、後入先出法から総平均法への変更によるものが368億円。

国際財務報告基準(IFRS)では後入先出法が禁止されており、日本でも上場企業については2010年4月から廃止される。

同社によると、原油価格が1ドル/バレル上昇すれば、30億円の利益となる。
  石油製品 23億円(在庫評価益 28億円、精製用燃料費増加等 -5億円)
  石油開発  7億円
  合計    30億円


2010/5/6 「化学ビジョン研究会」報告書

経済産業省は4月21日、化学産業の競争力強化を検討してきた「化学ビジョン研究会」の報告書案を公表、4月30日に全文を公表した。
  
全文 http://www.meti.go.jp/press/20100430004/20100430004-3.pdf 
  
概要 http://www.meti.go.jp/press/20100430004/20100430004-2.pdf

今回、石油化学サブワーキンググループ報告書も発表されている。
   
http://www.meti.go.jp/press/20100430004/20100430004-5.pdf

経済産業省は2009年11月、化学産業について、その将来の方向性と官民の今後の取り組みについて検討するため、「化学ビジョン研究会」を発足すると発表した。

メンバーは東京大学大学院の橋本和仁教授を座長に、産学代表、有識者ら16人で構成、11月に現状と課題を議論、本年3月に作業ワーキンググループの検討経過を踏まえた中間段階の議論を行った。

 2009/11/19 「化学ビジョン研究会」 発足

報告書では先ず、「化学産業の現状」として、化学産業の発展、我が国化学産業の位置付けについて触れ、「化学産業を巡る環境変化」として、国際的な需要構造の変化、化学製品の国際的供給構造の変化、環境問題への対応の高まり、ビジネスモデルの変化、研究開発・人材育成を挙げた。

次に、「化学産業の課題と対応の方向性」として下記の4点をあげ、それぞれについて、「課題に対する具体的取組」を述べている。

化学産業の課題と対応の方向性 課題に対する具体的取組
国際展開
・競争力を有する原料国への展開
・これまでのハイエンド市場を大切にしながらも、
・中国、インド、ベトナムなどボリュームゾーン
 (ミドル〜ローエンド市場)の成長も取り込む
・内外一体的に事業展開を構想し、
 その中で国内、海外の拠点を位置付け
資源外交と連携した海外展開支援
 ・日本サウジアラビア産業協力クラスターによる協力
 ・ベネズエラとのエネルギー対話・石油化学WGの設置
 ・JBIC、NEXIなどによる金融支援
新興国のボリュームゾーンへの取組
 ・JETRO等を活用した情報提供などの支援の実施
新興国政府との政策対話等の強化
 ・AMEICC化学産業専門家会合
  (アセアンとの化学担当局長級会合)での共通認識醸成
 ・中国工業信息化部との政策対話の実施
我が国ビジネス環境のイコールフッティングの確保
高付加価値化
(ビジネスモデル・
企業間連携)
ビジネスモデルの変革
(素材供給者の地位から脱却)
高付加価値分野への転換
 ・製品開発のためのR&D支援
 ・川下と川上を結び付けるようなR&D支援
 ・システムの輸出支援
 (例:水ビジネスと水処理膜、メディカルサービスと医療素材)
国際標準・知的財産の活用
 ・工業会の体制強化
 ・工業会と連携した国際標準の重要性の普及・啓発
事業分野の選択と集中
 企業間の連携、事業部門の交換
  による競争力向上、
 競争劣位の分野からの撤退等
企業間連携の推進
事業連携のための環境整備
 ・独禁法の運用について、予見性を高める
 ・コンビナート連携事業の推進
 ・コンビナート内の石油化学企業間連携
 ・LLP(有限責任事業組合)の活用
サステイナビリティ
(環境・安全安心)
の向上
地球温暖化対策 化石資源からの転換
 ・バイオ原料からのプラスチック研究開発
 ・CO2を原料とする製品の研究開発
エネルギー効率の向上とベンチマークの設定
 ・省エネ法ベンチマーク設定セクタの追加
 ・省エネプロセスへの転換と技術開発
  (現在はエチレンとソーダの2品目)
LCA から見た貢献
 ・排出権取引等について、LCAを考慮した制度
国際貢献とオフセットクレジットの検討
 ・優れた省エネルギー技術による国際貢献について
  事業化可能性調査
化学物質管理 サプライチェーン一体となった化学物質安全管理への対応
化学物質管理制度のアジア標準化
 ・改正化審法の円滑な施行
 ・ERIA等を通じた化審法制度の普及
 ・アジア地域のキャパシティビルディング支援
技術力の向上 研究開発 Green Sustainable Chemistryの研究推進
化学分野における評価研究開発拠点の整備
 ・性能評価・安全評価の基盤整備(評価・計測)
 ・出口の明確な分野での性能評価支援
  (半導体材料、リチウムイオン電池材料等)
最高技術責任者(CTO)のコミュニケーションの深化
人材育成 化学人材の育成
留学生の積極的活用

ーーー

一見したところ、極めて常識的な見方に終始している。
こんなことで化学業界が生き残れると思っているのだろうか。

3月25日の第2回会合の議事要旨に、こんな驚くべき記載がある。

経営者が事業の絞り込みをもっと意識することが重要。
行政も、最終判断は各社ではあるが、こうした絞り込みが不可欠であるという情報を機会あるごとに提供していただきたい。

行政にこんなことを要請しないといけないような状況なのだろうか。

伊丹敬之・東京理科大学教授の「日本産業の化学化」論の方が明快である。

伊丹教授は約20年前に「日本の化学産業 なぜ世界に立ち遅れたのか」を書いたが、日本化学会の20092月号に「日本産業の化学化」という論説を書いている。
  
http://www.chemistry.or.jp/kaimu/ronsetsu/ronsetsu0902.pdf 

教授は、日本の産業が化学化しつつあるとする。

第一に、顧客のところで化学現象を再現するという「化学技術そのものへの需要の拡大」が起こっている。

象徴的な例が燃料電池で、これまでの電力供給は回転による電磁現象でコイルの周りで電流が発生するという物理学の原理を使ったものだが、燃料電池は水素と酸素の化学反応で水ができるプロセスでの電子の動きをベースに電力を生み出す化学の原理である。
産業の中心科学が物理学から化学へとシフトし ていくことを示唆している。

第二に、多くの化学素材が様々な消費財や産業財の中で、必須の部分として使われるということで、典型的に起きているのが、デジタル電子機器などの必須素材 としてのフィルター、導光板、偏向膜、レンズなどである。
化学材料がますます高機能、多機能化していくからこそ、第二の意味での産業の化学化が起きていく。

産業の化学化の可能性が大きいことの背景には、化学産業がある意味で環境対応産業という性格をもち始めていることとも関連している。

(三井化学などがCO2→メタノール→オレフィンの実証研究を行っているが) 化石燃料をはじめとする様々な炭素系物質を燃やすことによって発生する二酸化炭素の排出量あるいは大気中での蓄積量を減らすことに化学技術が使えるとすれば、それもまた地球環境の維持に貢献することになる。
電力産業や鉄鋼業の生産プロセスの根幹部分で
二酸化炭素放出削減のために化学反応を使うという意味で、電力産業や鉄鋼業の化学化ともいえる。

不要物価値化は、実は化学産業の歴史の本質で もあるように思われる。
・石油化学産業は石油からガソリンなどの燃料を作り出す際に出てくるナフサを原料とした。
・石炭化学も石炭からコークスを作り出す過程で出るタールという「不要物」を原料とした。
・空中窒素固定法でアンモニアを作る技術も空気中にタダで存在する窒素を原料とした。

Chemistry という言葉の語源は、Alchemy という錬金術を意味する言葉にある。それは、価値なきものと思われている不要物や廃棄物を価値あるものに変える、という化学反応の本質を暗示している。

本年2月の新化学国際シンポジウムの基調講演で伊丹教授が講演し、上記の「日本産業の化学化」を説明した上で、次のように述べている。
(以下、
西出徹雄・日本化学工業協会専務理事のChemnet Tokyo 記載の「随筆」から)

各産業の化学への依存性の高まりを考えれば、日本のイノベー ションと国際競争力を担うのは化学産業となる。
同時にその
イノベーションを担うのが化学企業となるか どうかは別の問題であること、化学産業自体は引き続き産業レベル、企業レベルでの問題を抱えていることも指摘した。

企業レベルでは、「可能性が広すぎるワナ」にはまらずに戦略を明確に絞り込みこむことができるか、特に化学素材企業から化学システム企業に転換できるか、川上に集中しすぎる人材配置を最終製品に近い部門へシフトできるか。
産業レベルでは、技術的合理性の高い産業構造へ再編し規模の確保と重複の無駄を排除できるか、川上・川下との産業の垣根の引き直しも きちんと実現できるか。

ーーー

日本の化学企業は、「ガラパゴス鎖国」状態から抜け出るため、石化コンプレックスを半減する方向に動かないと、共倒れになり、伊丹教授の述べるとおり、産業の化学化を他の業界に委ねることになりかねない。
コンビナート連携でのコストダウン程度では今や生き残れない。

 


2010/5/7 CO2の化学的固定化技術 

5月6日の記事の中の「日本産業の化学化」で、二酸化炭素放出削減のための化学反応使用に触れた。

三井化学は「温室効果ガス大幅削減に資する革新的プロセスの開発」を基本戦略のひとつとしている。

その具体的な取組みとして、工場等から排出されるCO2と水の光分解などから得られる水素からメタ ノールを合成し、その得られたメタノールから石化製品(オレフィン類、アロマ類等)を製造するという「CO2化学的固定化技術」の開発を進めている。

メタノールは通常、天然ガスのメタン成分から得られる一酸化炭素(CO)と水素から合成される。

中国では天然ガスからのメタノール生産が禁止され、石炭を原料とするメタノール生産が相次いでいる。
ダウも神華集団とのJVで、Coal to Methanol
332万トン、Methanol to Olefins 122万トン、及び誘導品生産の起工式を行っている。
  2009/11/10 
ダウと神華集団、陜西省で大規模石炭化学JVの起工式 

三井化学が実証に取り組んでいるプロセスはCOに替えて CO2を原料に用いるもので、化学、発電、鉄鋼プラントなどから大量に排出されるCO2を原料に用いることができる。

同社は、地球環境産業技術研究機構RITE)が1990年から1999年まで行った「化学的CO2固定化プロ ジェクト」に参加し、CO2と水素からメタノールを合成する高活性触媒の開発を続けてきた。

2008年、この工業化実現への第一歩として、CO2分離・濃縮及びメタノール合成工程を実用化技術として確立すべく、実証パイ ロット設備を建設することとした。

・ 設置場所 三井化学大阪工場
・ 設備能力 約100トン/年(メタノール換算)
・ 投資額 約15億円
・ 建設スケジュール 着工:2008年10月

実証試験プラントでは実際に工場から排出されるガスを原料とし、窒素酸化物(NOx)や硫黄酸化物(SOx)など、触媒には大敵のガスが含まれている。

CO2分離・濃縮は実用化技術を導入、水素については当面は購入または余剰水素の活用するが、大学との共同研究で革新的な水素製造技術開発にも着手した。

水の光分解のよる水素製造は、1967年に当時東京大学工学部助教授だった本多健一氏と大学院生の藤嶋昭氏による実験で成功し、「本多・藤嶋効果」として世界から注目された。
しかし現在のところ、分解効率は非常に低い。

三菱化学と東京大学も、水中に入れ日光に当てると水を分解し、水素を作る可視光型光触媒を開発した。

2009年5月三井化学大阪工場の実証試験プラントで、世界初となる工場の排気ガスに含まれるCO2を原料としたメタノールが合成された。

試験では140トンのC02から100トンのメタノールを作れるのを確認。生産に必要なエネルギーを差し引くと、約70トンのCO2排出を減らせる計算。

課題は生産コストの高さで、商用規模でも天然ガスから作るのに比べ約3倍かかるとされる。(2010/2/27 日経)
いくら環境重視といっても、これでは無理で、実用化にはまだ時間がかかりそうだ。

しかし、水の光分解のよる水素製造も含め、この技術が完成すれば、CO2を原料としたリサイクルシステムが完成し、石油ピーク問題温室効果ガス問題の同時解決となる。

付記

本記事に関してコメントをいただいた。

この話は経済性の問題以前にエネルギー関連の基礎理論(熱力学の入門レベル)の面からもナンセンスです。
利用した炭酸ガス以上に炭酸ガスを発生させるからです。

仮に太陽光発電を使うとしても、火力発電が残っている限り、増分的には火力発電による水の電気分解で水素を得て、これを使ってメタノールを作ることとなる。
この場合、使用する炭酸ガスよりも火力発電から発生する炭酸ガスが多いため、ナンセンスというもの。


2010/5/8 IPCC(気候変動に関する政府間パネル)問題の検証

地球温暖化の科学的な信頼性が揺らぐ中、4月30日に日本学術会議が初めて、この問題を公開の場で論議する会合を開いた。

日本学術会議 公開シンポジウム
 「IPCC(気候変動に関する政府間パネル)問題の検証と今後の科学の課題」

開催趣旨:
IPCC(気候変動に関する政府間パネル)をめぐる問題(所謂, Climate-gate, IPCC-gates)について、科学的観点から事実関係を明らかにし、その情報と認識を共有すること、そして、今後このような問題が生じないためのIPCC の科学的作業の在り方、社会と政策への情報提供の倫理性、科学者の行動規範などについて討議する。

講演
 「IPCC の意義と課題」  中島 映至 (東京大学 大気海洋研究所 教授)
 「氷河問題とIPCC 今日の課題」  西岡 秀三 (国立環境研究所 特別客員研究員)
 「科学問題としての温暖化をめぐる視点」  草野 完也 (名古屋大学 太陽地球環境研究所 教授)
 「IPCC と科学論的視点」  米本 昌平 (東京大学先端科学研究センター 特任教授)
パネルディスカッション
 「IPCC 問題が問いかけるもの:科学的作業、情報・倫理、科学者の行動規範」
   パネリスト 中島 映至 (東京大学 大気海洋研究所 教授、第三部会員)
          江守 正多 (国立環境研究所 温暖化リスク評価研究室長)
          草野 完也 (名古屋大学 太陽地球環境研究所 教授)
          安成 哲三 (名古屋大学 地球水循環研究センター 教授、第三部会員)
          伊藤 公紀 (横浜国立大学 大学院工学研究院 教授)
          米本 昌平 (東京大学先端科学研究センター 特任教授)

ーーー

アラスカ大学の福田正己 教授は、「どう見ても言い訳のシンポジウムだった」としている。

フリージャーナリストの岩上安身氏のツイッターによると、「この会議は、政治とマスコミに振り回される科学者の悲鳴と弁明の場でもあった。」

マスコミの代表として日経新聞の記者が発言し、「温暖化でキャンペーンを張ってきた手前、すぐには否定する記事は出せない、今日の会議をきっかけにして、少しずつ紙面の論調を軌道修正してゆくだろう」と述べたという。

5月4日の読売新聞社説は早速、次の通り述べている。

地球温暖化 科学的な根拠の検証が急務だ

地球温暖化の科学的な信頼性が揺らぐ中、日本の科学者を代表する日本学術会議が初めて、この問題を公開の場で論議する会合を開いた。

だが、会合では、専門家がそれぞれ自説を述べるだけで学術会議の見解は示されなかった。このまま終わらせてはならない。

取り上げられたのは、「気候変動に関する政府間パネル」(IPCC)が過去4回にわたってまとめてきた温暖化問題に関する科学報告書だ。次々に、根拠の怪しい記述が見つかっている。

報告書の作成には、日本人研究者も多数関与している。

しかも、この報告書は、日本をはじめ各国の温暖化対策の論拠にもなっている。学術会議自身、これをもとに、早急な温暖化対策を求める提言をしてきた。

どうして、根拠なき記述が盛り込まれたのか。国連も、国際的な科学者団体であるインターアカデミーカウンシル(IAC)に、IPCCの報告書作成の問題点を検証するよう依頼している。

国際的に多くの疑問が指摘されている以上、科学者集団として日本学術会議は、問題点を洗い直す検証作業が急務だろう。

IPCCは3〜4年後に新たな報告書をまとめる予定だ。学術会議は、報告書の信頼性を向上させるためにも、検証結果を積極的に提言していくべき だ。

現在の報告書に対し出ている疑問の多くは、温暖化による影響の評価に関する記述だ。

「ヒマラヤの氷河が2035年に消失する」「アフリカの穀物収穫が2020年に半減する」といった危機感を煽る内容で、対策の緊急性を訴えるため、各所で引用され、紹介されてきた。

しかし、環境団体の文書を参考にするなど、IPCCが報告書作成の際の基準としていた、科学的な審査を経た論文に基づくものではなかった。

欧米では問題が表面化して温暖化の科学予測に不信が広がり、対策を巡る議論も停滞している。

日本も、鳩山政権が温室効果ガスの排出量を2020年までに1990年比で25%削減する目標を掲げているが、ただでさえ厳しすぎると言われている。不満が一層広がりはしないか。

欧米では、危機感を煽るのではなく、率直に論議する動きが出ている。この10年、温室効果ガスは増える一方なのに気温は上がっていない矛盾を、温暖化問題で主導的な英国の研究者が公的に認めたのはその例だ。参考にしたい。

毎日新聞記者は「クライメートゲート事件はたいしたことの ない事件であり報道する価値がないと判断した」と回答したとしてブログで「論外」と揶揄されているが、同紙は5月7日の紙面で『疑惑 冷静に対処を』としてこれをとりあげた。

討論会については
「期待はずれだった。・・・専門家は自説を述べることに終始し、改善策について建設的な議論は乏しかった」とし、
「温暖化は政治、経済、社会に影響を与え、報告書の作成には日本人も中核でかかわった。『議論した』だけで終わらせず、再発防止策を提言して欲しい」としている。

但し、報道しなかったことに対し、次の言い訳をしている。
「この疑惑は、報道の扱いが難しい問題だった。理由は発覚した時期にある。09年12月の京都議定書後の温暖化対策を決める国際交渉の直前だった。実は気温データの信頼性は10年近く論争があり、大げさに取り上げるのは何者かに利用されることにならないかと感じた。データ操作以外にも『ヒマラヤ氷河が2035年に消失』は『2035年に5分の1に縮小』の誤りだったが、3000ページに及ぶ報告書のごく一部だ。ミスをどこまで重大視するのかは難しい。」

欧米では有力紙も地方紙も大々的に取り上げている。
「取り上げるのは何者かに利用されることにならないかと感じた」とするが、論争があるなかで、これを取り上げないのは、温暖化論を利することとなる。

ーーー

槌田敦元名城大学教授は4月22日、学術会議に対し、「人為的CO2温暖化説」対「温暖化自然原因説」の学術討論会開催を申し入れた。

http://www.tokyodaigaku.info/scj

 


2010/5/10  統一通貨ユーロの危機

ギリシャの財政危機が世界的な株価急落を引き起こし、通貨ユーロの下落を招いている。

ニューヨークではダウは4月26日に11,205.03ドルと2008年10月来の高値を付けたが、5月7日の終値は10,380.43ドルまで下がった。
これを受けて、WTI原油も(5月3日に一時87.15ドル/バレルと、これも2008年10月来の高値を付けたが)、5月7日には75.11ドルまで下がった。

ユーロは5月1日に125円であったのが、5月9日には117円まで下がっている。

EUのユーロ圏16カ国は5月7日夜の緊急首脳会議で、巨額の財政赤字を抱えるギリシャ向けの支援策を正式に承認するとともに、包括的な金融危機対策で合意した。
ユーロ導入国が国際金融市場から資金を調達するのが難しくなるのに備え、緊急支援の基金を創設。財政赤字削減や、投機抑制へ金融規制・監督の強化も急ぐ。

緊急首脳会議の合意内容は以下の通り。

・ギリシャ向け協調融資を正式承認、数日中に第1弾を実施
  2010〜2012年で1,100億ユーロ(ユーロ圏が800億ユーロ、IMFが300億ユーロ)
・ユーロ導入国の資金繰り難に備え、緊急支援の基金を創設
  欧州安定化メカニズム(ユーロ防衛基金)
    (付記)EUが5000億ユーロ(うち4400億ユーロはEU予算を担保に調達)
         IMFが別途、2500億ユーロを拠出
・欧州中央銀行(ECB)を含め、ユーロ圏安定へ最大限の手段を活用
    (付記)欧州中央銀行と欧州の各中央銀行は国債の買い入れを開始した。
・財政健全化加速へ必要な措置をとる
・EUの財政協定を強化、違反国に効果的な制裁の用意
  これまで制裁無し
・投機抑制へ金融規制・監督を強化

ギリシャ国会は5月6日、欧州諸国とIMFから3年間で総額1,100億ユーロの融資を受ける条件となる政府提出の財政再建関連法案を可決した。
法案には公務員給与や年金の削減、増税(
付加価値税は21%から23%に引上げられる)などが盛り込まれ、財政危機脱出のための荒療治といえる。

前日の5日には、これに反対するデモ隊の火炎瓶で3人の銀行員が亡くなる惨事が起こった。

付記

ドイツは5月19日に、他国との協議なしに、国債等の空売り禁止を決めた。
これを嫌った投資家が一斉にユーロやユーロ建て資産の売りに走り、世界同時株安に。
5月21日の日経平均は
9784円54銭。ダウ平均も21日に一時1万ドル割れ。

ーーー

今回の問題は、統一通貨ユーロに係る問題と、ギリシャ固有の問題から生じた。

200711日にブルガリアとルーマニアがEUに加盟し、加盟国は27カ国になった。

このうち、スロベニアが2007年1月に中・東欧諸国では初めて欧州単一通貨ユーロを導入、2008年1月にはキプロスとマルタが、20091月にはスロバキアが導入し、ユーロ導入国は16カ国となった。ギリシャは2001年に導入している。

2007/1/5 EU 加盟国、27カ国に

時期 ユーロ導入 その後
1952 フランス  * (1999)  
(西)ドイツ  * (1999)  
イタリア  * (1999)  
オランダ  * (1999)  
ベルギー  * (1999)  
ルクセンブルグ  * (1999)  
1973 英国  適用除外  
アイルランド  * (1999)  
デンマーク  適用除外 欧州為替相場メカニズム  
1981 ギリシャ  * (2001)  
1986 スペイン  * (1999)  
ポルトガル  * (1999)  
1995 オーストリア  * (1999)  
フィンランド  * (1999)  
スウェーデン  国民投票で反対  
2004 エストニア  欧州為替相場メカニズム 2011/1/1導入
ラトビア  欧州為替相場メカニズム 2012/3/4 ユーロ圏加盟申請を決定
リトアニア  欧州為替相場メカニズム  
ポーランド    
チェコ    
スロバキア  * (2009)  
ハンガリー    
スロベニア  * (2007)  
キプロス  * (2008)  
マルタ  * (2008)  
2007 ブルガリア    
ルーマニア    
合計  27カ国  16カ国  
欧州為替相場メカニズムはユーロと連動(変動幅±15%、デンマークは±2.25%)
  .
はPIIGS                                

付記
EUは2010年7月13日、エストニアのユーロ圏加盟を正式に承認した。
2011年1月1日にユーロを導入、加盟国は17カ国になる。
エストニアは財政赤字が少なく、ユーロ導入条件を満たしていると判断した。

この結果、ドイツやフランスなどの経済先進国と、東欧やPIIGS(ポルトガル、イタリア、アイルランド、ギリシャ、スペイン)などの財政状況がかなり悪化している国が同一の通貨ユーロを使用することとなっている。

同一の通貨を使用するため、特定の国の財政状況が悪くなっても、その国だけが通貨を切り下げることは出来ない。
(バルト3国はユーロを採用していないが、通貨をユーロに連動させているため、同じ問題を抱える)

また、金利率もユーロ圏全体で平均的な水準で決めるため、その国だけが上げたり下げたりすることが出来ない。
(スペインの問題は、サブプライムの前の時点では経済状況がよかったが、当時のユーロの金利がスペインにとっては実質マイナス金利となり、住宅バブルが発生、それが足を引っ張った)

このため、加盟国は経済問題の解決に金融政策を使えず、財政政策だけで対処せざるを得ない。これは極めて難しい。

この問題は当初から分かっており、EUはユーロ加盟の基準として「財政赤字をGDPの3%以内、政府債務残高を60%以内」とした。

ギリシャはユーロ導入の1999年時点ではEUに参加はしていたが、基準を満たさないとしてユーロ導入が認められなかった。
2000年6月、欧州理事会は「ギリシャは高い水準で持続的な収斂性を有しており、ユーロの導入に必要な状況になった」という理解に達し、2001年1月にユーロ導入が承認された。
この時、ギリシャが実際の 財政赤字を偽って欧州委員会に報告書を提出していたことが、2004 年11月に判明した。)

実際には現在では全加盟国がこの条件に違反した状態となっている。
これまで罰則がなかった。

(付記 当初、違反には制裁金などの罰則があったが、2003年に独仏両国が違反、ドイツは東独統合費用などを赤字から除外するよう強硬に主張、フランスも同調、2大国の規律破り容認で制裁制度は空文化した)

EU加盟国財政赤字予測 %
     2009  2010
ユーロ圏16カ国   6.3 6.6
 アイルランド   14.3 11.7
 ギリシャ   13.6 9.3
 フランス   7.5 8.0
 ドイツ   3.3 5.0
       
 イギリス   11.5 12.0
EU 27カ国   6.8 7.2

また、EUは加盟国に付加価値税を15%以上とすることを義務付けている。

国の体力が違うのにユーロという同一通貨を持つEUの構造問題が浮き彫りになった。

ーーー

ギリシャは多くの問題を抱えている。

先ず、ギリシャの産業は海運業と観光しかない。
世界的な不況の中、これらは急激に落ち込んでいる。

そのなかでギリシャは公務員比率が非常に高い。
ギリシャではこの30年、歳出規模が拡大、過大な公共投資が続いてきた。財政規模の拡大は、公的部門の肥大化を招いた。

ギリシャの人口は1100万人で、人口が同程度のオーストリアでは公務員が30万人ほどなのに対し、ギリシャでは110万人。
ギリシャでは左派と右派が交互に政権を取りあってきたが、政権党は知人や党を応援する人を能力に関係なく、どんどん公務員に採用してきた。

しかも、ギリシアでは1992年前に公務員になった人は、35年以上勤めて58歳で退職すると、最終給与の80%を年金として受け取ることができるという。法的な退職年齢を61歳から63歳に引き上げるという提案に対して、抗議のデモが起きている。

これに対し、ドイツでは少し前に法的な退職年齢を65歳から67歳に引き上げた。ドイツでは40年勤めて退職した後、最終給与の70%しか年金として受け取れない。

更に、課税対象から潜り抜けている闇経済の存在も大きく、GDPの30%以上とも報じられている。

この結果、財政は当然、赤字となる。

ギリシャは2001年にユーロ圏の一員となったが、財政赤字をGDPの3%以内」の基準を満たすことができず、実際はこの基準 を大幅に上回っていたのに統計数字を改竄することでユーロの一員となった。

昨年10月の政権交代後、前政権による財政赤字と債務の“粉飾”が明るみに出た。新政府は財政赤字のGDP比率を以下のように大幅に改定した。  

2008年 5.0%→ 7.7%
2009年 3.7%→12.7%

Goldman Sachs がギリシャ政府による財政赤字の実態隠しを助ける役割を果たしたと噂されている。

同社は2000年と2001年にギリシャ政府に対し、将来の空港税や宝くじ収入を担保に数十億ドルの資金を提供したが、これをローンではなく為替取引として記録されるようにしたため、財政赤字はGDPの3%以内になったという。

昨年12月に新首相は経済改革計画を発表した。

政府運営費削減、公務員新規採用凍結、海外プレスオフィス閉鎖、政府観光局海外事務所一部閉鎖、軍事費削減、公営企業役員給与削減、政府系銀行役員特別手当凍結、民間銀行役員特別手当に対する課税強化、ゼロベースからの予算査定、2011年からの3年予算の導入、脱税防止・歳入増大に向けた税制改革等

これにより、2010年財政赤字を対GDP比8.7%に抑え、 2013年には3%以下にする旨宣言した。

しかし、各国はこの12.7%の数字も改竄されていると見ている。

ギリシャは国債を発行してこの急場を切り抜けようとしているが、国債価格は暴落、10年物国債の利回りは5月5日現在で10%まで上がった。
S&Pは4月27日、ギリシャのソブリン格付けをBBB+から3段階引き下げ、ジャンク(投機的)等級となるBB+と し、アウトルック(見通し)は「ネガティブ」として一段の格下げの可能性を示した。

BB+ は他に、トルコ、フィリピン、ベトナムなど。
なお、スペインはAA+からAAに、ポルトガルはA+からA-に引き下げられた。

このままでは国債の買い手がなく、償還期限が来ても償還できず、デフォルトとなる可能性がある。
ドイツやフランスなどヨーロッパ主要国の金融機関は大量のギリシャ国債を保有しており、それが紙くず同然となれば金融機関の経営が大打撃を受ける。

更に、ギリシャに対する懸念が他のPIIGS諸国に波及していくと、EU全体の危機となる。

このため、上記の緊急首脳会議での包括的な金融危機対策となった。

しかし、このためには、ギリシャが財政再建関連法案を実施することが条件となる。

ドイツは当初、ギリシャ救済に反対し、「島を売ればよい」などの発言で物議をかもした。
多数の公務員が年金などでドイツよりもはるかに優遇されているままでの救済は世論が許さないとした。

財政再建関連法案に対してはギリシャ国民は猛反発しており、実現できるかどうかは不明である。

アジア金融危機の際にはIMFは韓国やインドネシアに対し厳しい政策を要求、インドネシアではこれに反発して暴動が起こり、スハルト政権を窮地に追い込んで潰してしまい、長い政治混乱と社会不安を引き起こした。

政権が国民の反発に負けて主要な財政改革で後退する兆候が明らかとなれば、ギリシャの債務再編やデフォルトの見通しが強まり、危機拡大のきっかけとなる恐れがある。

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余りにも国力が違う国々が単一通貨ユーロを採用し、危機時に通貨切り下げも金利引下げも出来ないというのは無理がある。

欧州統合に懐疑的なチェコのクラウス大統領は、「ギリシャ危機は通貨を4割り引き下げれば解決する」と述べ、危機の原因は自国通貨の切り下げができないユーロの仕組みにあると指摘したとされる。

強いユーロ圏と弱いユーロ圏に分けて、単一通貨ユーロを、第一ユーロと第二ユーロに分けるという案や、弱い国を切り離すと案が取りざたされている。(逆に、ドイツの離脱によるユーロ崩壊も市場でささやかれているという。)

付記

スペイン紙「エル・パイス」によると、ランスのサルコジ大統領が5月7日のEU首脳会議で、ドイツのメルケル首相に対し仏のユーロ圏離脱をちらつかせながら独にギリシャ支援実施を迫ったとのこと。

独は当初からギリシャ支援に消極的な姿勢を示していたため、サルコジ大統領は机を拳でたたきながら「ギリシャを救うためにはすべての国がそれぞれの手法で積極的に参加しなければならない。そうでなければ仏はユーロに対する態度を再考せざるを得ない」などと語ったとい う。
こうした各国の説得に応じ、独は最終的にギリシャ救済案に同意した。


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