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これは下記のブログを月ごとにまとめたものです。

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2024/5/15  Hanwha Q Cells、米国の太陽光発電工場新設

韓国ハンファグループ傘下のHanwha Q Cellsは、2024年4月初めにジョージア州 Cartersville工場での太陽電池モジュールの生産を開始した。

すべて米国製のingots、wafers、cells、modulesを生産する"Solar Hub" で、2024年末にフル稼働すると、1日当たりのパネル生産量は4万6,700枚以上、年間8.4GWの生産能力を持つことになる。同社によると、これは130万世帯分の電力を賄う量のパネル生産能力に相当する。

原料であるシリコン(ケイ素)を加工したものが「Ingot」、これを薄く切ったものが「wafer」、太陽電池としての機能を持つ最小の単位を「Cell」と呼び、セルを複数組み合わせて屋外で利用できるように支持板(ガラス板など)、裏面材(バックシートなど)、アルミ枠などで保護・強化したものが「Module」 である。

Dalton工場は最終段階のModule組み立てだけであるが、Cartersvilleでは元のIngotから最終のModule組み立てまで、すべて米国製である。

Hanwha Global 部門は2022年3月、米国のポリシリコン生産会社 REC Silicon の12%を買収することを決めたと発表した。同日、Hanwha SolutionもREC Siliconの持分4.67%を追加購入したと明らかにした。これまでグループで16.67%を保有していたが、今回の取引で、筆頭株主となった。

RECシリコンはノルウェー・オスロ取引所に上場されるポリシリコン生産会社で、米国にだけ工場2つを保有している。ワシントン州のモーゼスレイク工場(年産 1万6000トン) は水力発電基盤のエコエネルギーを活用し、カーボン・フットプリントがほとんど残らない「クリーンポリシリコン」を生産する。モンタナ州ビュート工場では半導体向けポリシリコンを年間2000t 生産する。

数年間休眠状態だったモーゼスレイク工場は、2022年4月に復活した。

RECシリコンが製造したポリシリコンは、ジョージア州カーターズビルのハンファQセルズ新工場で利用される。  

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Hanwha Q Cellsは2023年1月、米国の太陽光発電史上最大といわれる25億ドル以上を投じるジョージア州Daltonの太陽電池モジュール製造施設拡大を発表した。

当初の能力1.7GWに対し、1.4GWと2GWの増設を行い、合計能力を5.1GWとした。1日当たり3万枚以上のパネルを生産している。

計画の一環として、アトランタ北西郊外のCartersvilleに新たな製造施設の建設を発表し、バイデン政権が進める気候変動対策に合致した投資として賞賛されていた。

同社の能力推移は下図の通り。

Hanwha Q Cellsは、米政府のインフレ抑制法(IRA)によって税額控除の恩恵も受ける。Cartersville工場だけで年内に1億4000万ドル (約1860億ウォン)の税額控除を受けることになる。来年、計画通り全ての製品を作り始めれば、税額控除規模は1兆ウォンに増える。
 

Q Cellsは2024年1月8日、マイクロソフトと戦略的提携を結び、8年間で12GWの太陽電池モジュールと設計・調達・建設(EPC)サービスを供給すると発表していた。マイクロソフト向け太陽電池モジュールは、今回生産が開始されたCartersville工場から供給する予定 。

Hanwha Q Cells はマイクロソフトとの8年間の戦略的アライアンスを発表した。この提携により、マイクロソフト社は世界最大級の再生可能エネルギーの購入企業となる。

Q Cells は、これまでで最大規模のモジュールおよび設計・調達・建設(EPC)サービスに関する協定を結び、8年間で12GWの太陽電池モジュールとEPCサービスをマイクロソフト社に供給する。この協定には、2023年1月に発表された2.5GWの太陽電池モジュールとEPCサービスに関する取り決めも含まれている。

両社は世界的なクリーンエネルギー経済の推進を目指している。マイクロソフトは、2025年までに電力消費量の100%を再生可能エネルギーで賄うことを宣言しており、ハンファQセルズは、完全な米国製の太陽光発電サプライチェーンとエネルギーのワンストップソリューションを提供することで、マイクロソフトの目標達成をサポートする。

また、Q Cellsは本年2月、太陽電池のリサイクル会社のSolar Cycleと提携、Q Cellsが米国で廃棄、所有、設置した太陽電池パネルをリサイクルすると発表した。

Q Cells のパネルから回収されるアルミニウム、銀、銅、シリコン、低鉄ガラスなどのリサイクル材料は、国内のサプライチェーンで再利用される。 SOLARCYCLE の特許技術は、ソーラー パネル モジュールの価値の 95% 以上を抽出する。これは、現在の業界標準の約 50% をはるかに上回る。

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ドイツの太陽電池メーカー大手のQ.Cellsは2012年4月2日、法的整理の手続きを申請すると発表した。

太陽電池ブームを追い風に2008年に世界シェア首位に立ったが、中国メーカーなどとの価格競争が激化し、赤字体質に陥っていた。

2012/4/6 太陽電池大手 Q-Cells 破綻

Q.Cellsは2012年8月26日、韓国のHanwha Groupから買収提案を受けたと発表した。

Q.Cells は8月29日、債権者集会で韓国のHanwha Groupへの事業売却が、参加者の過半数によって承認されたことを発表した。
従業員約1,550人のうち、1,250人を
Hanwha Groupが引き受け、また、Q-Cells の事業の大部分についてもHanwha Groupに移管される。

買収価格は、営業債務の引き受け部分(1〜5億ユーロ相当)と、キャッシュによって支払われる部分(数千万ユーロ)から成り、キャッシュ部分の金額は今後、Hanwha Groupが引き受ける追加債務の金額によって変動する。

新聞情報では、買収額は4千万ユーロで、2億74百万ユーロの負債も引き継ぐ。

2012年10月24日、買収が完了し、Hanwha Q.Cells GmbHが設立された。

2012/11/27 倒産したドイツの太陽光発電メーカーQ. Cells、韓国ハンファグループのHanwha Q.CELLSとして再生 


2024/5/15 米国、中国製EV関税など大幅引き上げ  

米国は5月14日、中国製EV関税などを大幅に引き上げると発表した。

同日発表したFact Sheetで次のように述べている。

バイデン大統領の経済計画は、アメリカの経済的将来と国家安全保障に不可欠な主要セクターで投資を支援し、良好な雇用を創出している。

一方、中国の技術移転、知的財産、革新に関する不公正な貿易慣行は、アメリカの企業と労働者を脅かしている。中国はまた、人工的に低価格の輸出品を世界市場に供給している。

中国の不公正な貿易慣行に対応し、それによって生じる損害を補償するために、バイデン大統領は本日、通商代表に対して、1974年の通商法のセクション301に基づいて中国からの180億ドル相当の輸入品に対する関税を引き上げるよう指示した。

「アメリカの労働者と企業は、公正な競争があれば誰にでも勝てる。しかし長い間、中国政府は公正でない、市場経済ではない手法を使ってきた。中国の強制技術移転と知的財産の窃盗は、技術、インフラ、エネルギー、医療に必要な重要な要素のグローバル生産の70、80、さらには90パーセントを支配しているアメリカの供給チェーンと経済安全保障にとって受け入れがたいリスクを生んでいる。さらに、これらの非市場政策と手法は、中国の過剰生産能力と輸出増加を招き、アメリカの労働者、企業、コミュニティに重大な害を与える恐れがある。

大統領はアメリカの労働者と企業を中国の不公正な貿易慣行から保護するための行動を取る。中国に技術移転、知的財産、革新に関する不公正な貿易慣行を廃止するよう促すため、大統領は鋼鉄、アルミニウム、半導体、電気自動車、バッテリー、重要鉱物、太陽電池、岸壁クレーン、医療製品などの戦略的セクター全般で関税を引き上げるよう指示した。」

これに対し、中国外務省の汪文斌報道官は14日の記者会見で「中国はWTOの協定に違反する一方的な関税の引き上げに一貫して反対しており、あらゆる必要な措置をとりみずからの正当な権益を守っていく」と述べ、対抗措置をとることを示唆した。

New Section 301による中国製品の輸入関税は下記の通り(主にChatGPTによる翻訳)

  現行 改正 時期 問題点と米国の対応策
Semiconductors 25% 50% 2025 中国の政策は、市場主導の企業による投資排除のリスクを伴う市場シェアの拡大と急速な生産能力拡大につながっている。今後3〜5年で、中国は特定のレガシー半導体ウエハの製造のためにオンラインになるほぼすべての新しい生産能力の約半分を占めると予想される。パンデミック中、供給チェーンの混乱、レガシーチップを含む製品の幅広い価格上昇が、自動車、家電製品、医療機器を含む様々な製品で過度な依存のリスクを強調した。  
CHIPS and Science法を通じて、バイデン大統領は、アメリカの半導体製造能力、研究、イノベーション、労働力に約530億ドルを投資している。これにより、アメリカの半導体製造能力が国内での製造能力を低下させた数十年にわたる非投資と海外移転に対抗するのに役立つ。
CHIPS and Science法には、半導体製造ファブリケーション施設の建設、近代化、拡張に直接的なインセンティブとして390億ドル、半導体企業に対する25%の投資税額控除が含まれている。
半導体に対する関税率引き上げは、これらの投資の持続可能性を促進するための重要な初期段階。
電気自動車 25% 100% 2024
中国の広範な補助金と市場原則に反する慣行が、過剰生産の重大なリスクをもたらしている。その結果、2022年から2023年にかけて、中国のEV輸出は70%増加し、他の地域での生産的な投資が危険にさらされている。EVに対する100%の関税率は、中国の不公正な貿易慣行からアメリカの製造業者を保護する。
政府は、電池製造や重要な鉱物の生産に対する事業税額控除、EVの採用に対する消費者税額控除、スマートスタンダード、連邦政府によるEV充電インフラの投資、EVおよび電池製造への供給を支援する助成金を通じて、強力なEV市場の開発を促進している。
電気自動車への関税率の引き上げは、これらの投資と雇用を、不当に価格設定された中国からの輸入から保護する。
バッテリー、バッテリー部品、および重要鉱物
中国は現在、特に重要鉱物の採掘、加工、精製などの上流ノードにおいて、EVバッテリー供給チェーンの一部セグメントの80%以上を支配している。
重要鉱物の採掘および精製能力の中国集中は、供給チェーンを脆弱にし、国家安全保障とクリーンエネルギー目標を危険にさらす。

米国およびグローバルな耐久性を改善するために、大統領は、十分な国内産業基盤を築くために米国全体に投資してきた。バイパーソンインフラ法、国防生産法、インフレ削減法を通じて、政権は、先進バッテリーおよびバッテリー材料の国内生産能力を拡大するために、約200億ドルを助成金と融資に投資してきた。インフレ削減法には、米国でのバッテリーおよびバッテリー材料の生産への投資を促進するための製造税額控除も含まれている。大統領はまた、American Battery Materials Initiativeを設立した。これにより、バッテリーとその原料の信頼性の高い強固な供給チェーンを確保するために、政府全体のアプローチが動員される。

注)
米財務省は5月3日、消費者が電気自動車(EV)を購入する際の税優遇の要件を従来案から緩和すると発表した。中国産の鉱物を使ったEVは2025年から優遇の対象外とするとしてきたが、黒鉛など一部鉱物については2027年からとし、メーカーに2年間の猶予期間を設けた。中国産の黒鉛などを使わずEV電池をつくるのは現時点で難しいからで、黒鉛はリチウムイオン電池の負極の中核材料で、供給の7割を中国に依存している。加工や精製の中国依存度も高い。
それにもかかわらず、今回、2026年から黒鉛の関税を引き上げる。
  ブログ 米国、EV税優遇の「中国産で対象外」のルール緩和 

  リチウムイオンEVバッテリー 7.5% 25% 2024
同 非EVバッテリー 7.5% 25% 2026
バッテリー部品 7.5% 25% 2024
天然黒鉛と永久磁石 0% 25% 2026
太陽電池
(モジュールに組み立てられているかどうかにかかわらず)
25% 50% 2024
この関税増加は、中国の政策に基づく過剰生産能力に対抗し、価格を抑制し、中国以外のソーラー容量の開発を阻害していることを防ぐもの。中国は不公正な手法を使い、グローバルソーラー供給チェーンの一部分で80〜90%以上を支配しようとしており、その現状維持を図っている。中国の政策と市場原則に反する慣行は、人工的に安価なソーラーモジュールとパネルを世界市場に氾濫させ、中国以外のソーラー製造への投資を阻害している。

政権は、米国のソーラー供給チェーンに歴史的な投資を行っており、これはソーラーセル技術の開発を支援した初期の米国政府による研究開発に基づいている。インフレ削減法は、ポリシリコン、ウエハ、セル、モジュール、裏シート材料を含むソーラー部品に対する供給側税制のインセンティブを提供し、ユーティリティ規模および住宅用ソーラーエネルギープロジェクトの展開を支援する税額控除、補助金、融資プログラムを提供している。大統領の「アメリカへの投資」政策の結果、ソーラー製造業者は既に、2030年までに年間数百万の家庭用パネルを供給するための米国製造能力を8倍に増やすことを計画しており、その投資額はすでに約170億ドルに上ることが発表されている。

岸壁クレーン(船から岸壁) 0% 25% 2024
米国政府は、信頼できるパートナーと共に岸壁クレーンを生産するための米国の産業能力を再構築することで、米国市民に対して引き続き成果を提供している。岸壁クレーンにかかる25%の関税率は、中国の不公正な貿易慣行によって市場が過度に集中している状況から米国製造業者を保護するのに役立つ。岸壁クレーンは、米国内外の重要な商品の連続した移動と流れを可能にする基盤となる重要なインフラで、政府は、米国の供給チェーンに影響を与える可能性のあるリスクを緩和するための措置を講じている。この措置は、大統領の「アメリカへの投資」政策を通じて米国の港湾インフラへの投資を進める取り組みに基づいている。この港湾安全イニシアチブには、米国に岸壁クレーン製造能力を戻すことが含まれており、米国の供給チェーンの安全を支えることに加えて、米国および世界中の港湾がクレーンやその他の重機を調達する際に信頼できるベンダーを利用することを奨励している。
医療製品      
これらの関税率の引き上げは、COVID-19パンデミック対応に不可欠であり、国内のすべての病院で毎日使用されている医療用品の強力な国内産業基盤を支え、維持するのに役立つ。連邦政府と民間セクターは、これらおよび他の医療製品の国内製造を構築するために大規模な投資を行っており、アメリカの医療従事者と患者が必要なときに重要な医療製品にアクセスできるようにしている。アメリカ企業は、市場に投入された安価な中国製品と競争するのに苦労しており、その品質が非常に低い場合もあり、医療従事者や患者の安全に懸念を引き起こす可能性がある。

今日の発表は、バイデン大統領が常にアメリカの労働者を支援するという決意を反映している。海外からの反競争的で不公正な慣行に直面した際には、大統領はアメリカの労働者と産業を保護するために必要なすべての手段を展開する。

  注射器と針 0% 50% 2024
呼吸器およびフェイスマスクなど 0〜7.5% 25% 2024
ラバー製医療用および手術用手袋 7.5% 25% 2026

 


2024/5/16 三井物産とShell、Total がUAEのLNG増設計画に参加か? 多分、No ! 

三井物産と英Shell、仏のTotalEnergy が、アラブ首長国連邦(UAE)のアブダビ国営石油(ADNOC)が新たに進めるLNG輸出事業について、権益取得に向け協議していると 本年4月に報じられた。事情に詳しい複数の関係者が明らかにした。

関係者によれば、3社は増設設備の権益に加え、LNGをそこから購入する契約の獲得を目指している。 ただし、ADNOCはプロジェクトを進めるに当たり、これら企業からの投資を必要としておらず、権益を売却しない決定もあり得るという。

これについて三井物産は、これは同社が発表したものではなく、また、現時点で同社として具体的に決定した事実はないとしている。

付記

三井物産は7月11日、事業パートナーと共に、アブダビ国営石油会社がアラブ首長国連邦ルワイス工業都市で推進するルワイスLNGプロジェクトの最終投資決断を行ったことを発表した。
在オランダの100%子会社MBK Investment Management Netherlands B.V.を通じ出資参画する予定。

本プロジェクトは、年間960万トンの生産能力を持ち生産開始時期は2028年を予定している中流液化事業となる。総開発費を主に構成するLNGプラント建設のEPC契約価格は約55億米ドル、MIM持分で約5.5億米ドルを予定している。

 原料ガスを圧縮するコンプレッサーの駆動に従来のガスタービンではなく電動モーターを採用する設計。

プロジェクト出資者概要

会社名

出資比率

Abu Dhabi National Oil Company(ADNOC) 60%
MBK Investment Management Netherlands B.V.(MIM) 10%
bp子会社 10%
Shell子会社 10%
TotalEnergies子会社 10%

 

既存の液化プラントを運営するADNOC LNGは1973年に設立された。ADNOCが70%、三井物産が15%、BPが10%、Totalが5%出資している。

液化プラントはAl Ruways沖合のDas Island にある。既存能力は年産600万トンで、1977年に出荷を開始した。

 

  Das Island 現状

 

LNGの増設計画では、当初 Fujairahが候補地となったが、その後、キャンセルされた。

2023年5月に新立地としてAl Ruways Industrial Cityが選ばれた。

480万トンが2系列で合計960万トンとなり、第一期と合わせると年産 1560万トンとなる。

2027年スタートの予定。

2024年3月にプラント建設の準備作業となる限定的着工指示(LNTP)を発行し、進展が見られた本年中に同事業に関する最終投資決定(FID)が行われる予定である。

 

ADNOCは最近、新しいLNG供給契約を次々に締結している。日本の石油資源開発とも(三井物産ではなく)ADNOCが直接契約している。

2024年3月に中国のENN Natural Gasの子会社であるENN LNG (シンガポール) とLNG供給契約を締結した。15年間の合意覚書に基づき、年間最低100万トンのLNGを供給する。

2023年8月17日、石油資源開発(Japex)にLNGを供給する5年間の契約を締結したと述べた。取引額は4億5,000万ドルから5億5,000万ドルと述べたが、LNGの量や出荷開始時期については明らかにしなかった。

2024年3月18日にドイツ国営会社「Securing Energy for Europe(SEFE)」の子会社と、15年間の液化天然ガス(LNG)長期契約を締結した。年間100万トンのLNGが2028年よりドイツに供給される。

2024年5月8日には、ドイツのエネルギー大手EnBWと、年間60万トン、15年間の液化天然ガス(LNG)供給契約を結んだと発表した。

 

各紙の今回の報道は、第一期の出資比率を前提に、第二期も3社が出資すると想定したものと思われるが、資金面や営業面からみても、今回、3社の出資を必要とする理由はADNOC側にはないと見られる。


2024/5/17 BHPグループによるAnglo Americanの買収提案

世界最大級の鉱業会社BHPグループが、107年の歴史を持つ同業のAnglo Americanに買収の可能性を打診した。

Anglo Americanは4月24日遅く、BHPから一方的で拘束力のない株式交換による事業統合の申し出を受け取ったと明らかにした。310億ポンド(388億ドル)の買収提案とされる。Anglo Americanによると、BHPの申し出は、Anglo Americanが南アフリカの白金および鉄鉱石部門をまず分離することが条件になる。


 

付記

BHPグループは5月29日、英同業のAnglo Americanの買収を断念したと明らかにした。買収に関連して、BHPがアングロに求めた事業分離を巡り、両社の意見が平行線をたどったことが主な理由。

BHPは買収額を引き上げるなど、計3度、法的拘束力のない提案を提示したが、Anglo American はいずれも拒否した。

最後まで折り合えなかったのがAnglo American に求めた事業分離で、BHPの狙いはAngloの銅事業だが、南アの鉄鉱石事業などはAngloに対し分離を求めた。

同日にはBHPが正式提案を示す期限の延長を求めたが、Angloが拒否した。


 

非公開情報を理由に複数の関係者が匿名で語ったところでは、BHPはロンドン市場に上場するAnglo American買収の可能性について最近評価を行ってきた。検討は初期段階であり、BHPが買収を進めると決めるか確実ではないとしている。

Anglo Americanは南米の大規模な銅事業を傘下に置き、業界の多くが同事業の拡大を目指す中で、鉱業大手の中でも特に買収の標的と長らく考えられてきた。しかし、複雑な構造と商品ミックス、特に南アへのエクスポージャーの大きさが潜在的買い手を遠ざけていた。Anglo Americanは世界のダイヤモンド市場で支配的な地位を築いてきたDe Beers も傘下に置く。

同社は、歴史の古い銅山から産出する低純度鉱石の問題などに直面する。生産する一部主要商品の価格下落を受け、Anglo Americanは 2023年の利益が急減し、配当引き下げを余儀なくされた。

Anglo Americanの株価は過去1年で12%下落し、時価総額は270億ポンド(約5兆2200億円)となった。ロンドンおよびシドニー市場に上場するBHPの時価総額は約1490億ドル(約23兆円)。


両社の歴史、概要は下記の通り。

  BHP Group Anglo American
歴史 2001年に豪州のBroken Hill Proprietary (BHP)と、南アで大規模に活動する英国のBilitonが合併し、BHP Billitonとして英、豪での二元上場会社となった。

2007年にRio Tinto買収を計画するが、2008年に断念
   
2008/11/27 BHP Billiton、Rio Tinto 買収を断念 

BHP Billitonは2015年にアルミ、石炭、マンガン、ニッケル、銀などの事業を分離し、South 32とした。      
   2014/12/10 BHP Billiton、分離会社の社名は "South32"

 

2018年11月にBHP Groupに改称(二元上場のまま)

BHPグループは2021年8月、石油・ガス事業を豪 Woodside Petroleumに売却すると発表した。
   
2021/8/19 BHPが石油・ガス事業から脱却

2022年1月 豪州上場のBHPが英国上場のBHP株を買収し、豪州上場に1本化 

主な鉱山資産には、ピルバラの鉄鉱石、エスコンディーダの銅が含まれる。

より多くのバッテリーグレードのニッケルを供給するためにニッケル事業を拡大中で、カナダのジャンセン鉱山の開発を通じてカリ市場にも参入している。

2023年度には銅鉱山会社Oz Mineralsも買収した。

1917年 南アフリカの金塊を採掘・販売するため、Anglo American Corporation of South Africaとして創業

1926年 ダイヤモンドの供給最大手のデビアス(De Beers)の株式を過半数取得。

1928年 現ザンビアのCopperbelt 地域で銅の採掘を開始、1971年終了

1942年 カナダのHudson Bay Mining and Smelting Co.を買収。

1995年 子会社Johannesburg Consolidated Investment Company をAmplats社(白金とダイヤモンド)、新JCI社(その他の鉱業)、Johnic社(工業部門)の3社に分割し、新JCI社とJohnic社の権益を黒人投資家へ譲渡

 白金とダイヤモンドの事業は、後に資本関係を結んでいるDe Beersへ移管

1998年 様々なグループの改編を機にロンドン証券取引所へ上場、社名をAngro American PLCとする。

両社の売上高と構成 

  BHP Group
(2023/6)
Anglo American
(2023/12)
売上高 538億ドル 307億ドル
鉄鉱石 248億ドル 80億ドル
160億ドル 74億ドル
石炭 109億ドル  
貴金属   67億ドル


 

ーーーーーー

Anglo Americanの取締役会は4月26日、BHPからの310億ポンド(388億ドル)の買収提案を拒否した。
「提案はAnglo Americanとその将来の見通しを著しく低く評価しているとの結論に至った。また、提案には、提案に固有の不確実性と複雑さ、および実行に伴う重大なリスクを考慮すれば、取締役会が高く魅力的でないと考えている構造が含まれている」としている。

Anglo American は「銅がポートフォリオの最大30%を占めており、銅や他の構造的に魅力的な製品のうまく進展し価値を増加させる成長オプションを有することで、Anglo Americanの株主がこれらのトレンドの全体的な影響が具体化されるにつれて著しい価値の向上に恩恵を受けると信じている」としている。

金属市場においては、ロンドン金属取引所での銅の3か月の終値は4月29日に1メトリックトン当たり10,135.50ドルの歴史的な高値を記録した。2月9日に見られた8,169ドルの安値からほぼ25%増加した。

Anglo Americanの拒否を受け、BHPは買収価額を340億ポンド(426.7億ドル)に引き上げたが、Anglo Americanは5月13日、これを再度拒否した。

Anglo American は5月14日、エネルギー転換の下で需要が高まっている銅事業に集中するため、収益性の低い石炭やニッケル、ダイヤモンド、プラチナなどの事業を売却するか切り離す大胆な合理化計画を発表した。鉄鉱石と銅、つまりエネルギー転換の鍵となる金属に特化したよりシンプルな企業構造を目指す。これらの再編を通じて17億ドルの経費節減が期待できるという。

BHPによる買収提案を拒否し、単独経営を維持するための方針とみられている。

 


2024/5/20 日産自動車、下請法勧告後も違反行為継続か?

公取委は3月7日、日産自動車に対し、下請代金支払遅延等防止法第4条第1項第3号(下請代金の減額の禁止)の規定に違反する行為が認められたとし、同社に勧告を行った。

それによると、同社はコスト削減目標を達成するため、2021年1月から2023年4月までの約2年間、部品メーカーなど下請け事業者36社に対し、一度決まった支払い代金から数%を「割戻金」として減額していた。

総額30億2368万円を減額しており、1社当たりの最高額は約11億円だった。

なお、日産は減額分をすでに下請け業者へ支払い、割戻金の運用も廃止したとしている。

2024/3/8 公取委、日産自動車に下請法に基づき勧告

日産自動車は5月9日、2023年度通期決算を発表した。 営業利益は前年比51%増の5687億円を記録した。

  2022年度通期 2023年度通期 増減(対前年)
売上高 10兆5,967 億円 12兆6,857億円 +2兆890億円
営業利益 3,771億円 5,687億円 +1,916億円
売上高営業利益率 % 3.6% 4.5% +0.9ポイント
経常利益 5,154億円 7,022億円 +1,867億円
当期純利益 2,219億円 4,266億円 +2,047億円


テレビ東京の「ワールドビジネスサテライト」
は翌10日の特集「The 追跡」で「日産不当な減額要請′p続かを報道した。日産の経営を揺るがすだけでなく、大企業と下請けの関係に一石を投ずる内容だった。

日産は中小の取引先企業36社に対し、違法な減額強要で公正取引委員会から再発防止の勧告を3月に受けていた。同番組がこの36社以外を独自取材すると、「減額の強要が変わらず続いている」実態が浮かび上がった。

公取委の3月の勧告は下記の通りで、36社だけでなく、すべての取引が下請法に違反しないことを求めている。

⑴ 日産自動車は、次の事項を取締役会の決議により確認すること。
 ア 前記2⑵の行為が下請法第4条第1項第3号の規定に違反するものであること
 イ 今後、下請事業者の責めに帰すべき理由がないのに、下請代金の額を減じないこと
⑵ 日産自動車は、今後、下請法に違反することがないよう、次の行為を行うなど経営責任者を中心とする社内遵法管理体制の整備のために必要な措置を講ずること。
 ア 法務担当者による下請法の遵守状況についての定期的な監査
 イ 役員及び発注担当者に対する下請法遵守のための定期的な研修
⑶ 日産自動車は、次の事項を自社の役員及び従業員に周知徹底すること。
 ア 減額した金額を下請事業者に支払ったこと
 イ 前記⑴及び⑵に基づいて採った措置
⑷ 日産自動車は、次の事項を取引先下請事業者に通知すること。
 ア 減額した金額を下請事業者に支払ったこと
 イ 前記⑴から⑶までに基づいて採った措置
⑸ 日産自動車は、前記⑴から⑷までに基づいて採った措置を速やかに公正取引委員会に報告すること。

番組は、日産の内田誠社長から違反行為は勧告後にやめたと言質をとっていた。

放送内容は下記の通り。いずれも公取委の勧告後の取材である。

1) 日産と約20年取引のある資本金3億円以下の中小企業A社社長のインタビュー

勧告後も「減額の強要が続いている」

減額要求はもう、毎回ある。半額というケースもあるし2割3割(引き)は当たり前に起きている。それに対してあらがえば切られてしまう。

勧告後の2024年4月の見積書に「原低率」が記載されている。
原価低減を何%するという意味合いで、「何%引きます」と自ら言うことは基本的にないので強要である。

しかも、「個別原低とは弊社より依頼したもの」と最初から書いてある。

われわれの意思で書いたという体で、「受け入れざるを得ない。いじめに遭っている人が手を挙げられないのと同じ。」

望まない原低率は数%から数十%に及ぶ。

2) 30年取引のあるB社営業担当のインタビュー

日産のメールに「この仕事が欲しいならこの金額以下でもう一回見積もりを出し直しなさい」とある。

「長い付き合いだからといっていつまでも仕事もらえると甘く見るなよ」と言われた。

どんどん価格を下げられていって見積もりを2回も3回も出して向こうが納得する金額まで強要されるというのが続いた。

つい先日の日産からのメール 「当社の目標は xxx円以下」

どれくらい低減させられる?の質問に、 

  ほぼ30%とか ひどいときは50%とかもある
  全然 適正でない。0か100なので、断ったら仕事が来なくなる。

 

番組は報道予定の番組内容を公取委の官房審議官にみてもらい、意見を聞いた。

1) A社のケース

こういうフォーマットで一方的に一律で「単価を引き下げなさい」という要請は、「買いたたき」に抵触する可能性がある。

買いたたきは下請法で禁止されている。

2) B社のケース

一般論だと、自分が思う価格の指し値なら交渉ができているのか、疑義が生じるのであまりよろしくない。

 

A社、B社の実態からは、日産自動車は公取委の勧告の(1)から(4)の項目のすべてを守っていないことになる。

 

「下請けに血の涙を流させてあげた利益」など放送直後からSNSに怒りの声が殺到した。「(広告主ゆえ)勇気がいったと思う」「他の局は追随できるのか」

当日の放送では、特集中にホンダのCMが流れた。日産のCMも放送最後で流れた。

ーーー

これについて、斎藤経産相は5月17日の閣議後記者会見で日産を厳しく批判した。「今回の報道内容につきましては、至急事実関係を調査し、報告するように求めています」「法令順守の観点のみならず、経済界を挙げて進めている価格転嫁に水を差すもの」としたうえで、「極めて遺憾」と厳しく批判した。

斎藤大臣は、日産からの報告内容をふまえて、今後の対応を検討するとしている。

経産省の幹部はテレビ東京の取材に対し、「ここで変わらなかったらいつ変わるのか、大きな山場だ」と述べ、経済界の賃上げ心理に水を差さないよう、日産に厳しい姿勢で臨むことを示唆した。


済同友会の新浪剛史代表幹事は5月14日の会見で以下のように述べた。

目下、(多くの)企業、とりわけ大企業が多重(下請け)構造において、いわゆる価格転嫁をしっかりと進めようと取り組んでいる中で、このような問題が起こっていること自体が大変な問題であり、経営陣として「知らなかった」では済まされない。

多くの企業が一緒になり、デフレ脱却(に向けて)、下請け(企業)による適正な価格転嫁を認めようと取り組んでいる中、こういう問題が起きていることは大変遺憾であり、企業の責任をどう示していくのか。

同じ経済界(にいる者)として、いかに(責任を果た)されるのかを注目している。その点では、企業はそれぞれ個々で(経営を行っている)が、(各社の経営が)社会にどのような意味を持つかという観点から(経営)責任を明確にしていただきたい。

社会的にこれまでは当たり前のように行ってきたとしても、時代の転換点を迎えて、(現在は)そうではない(社会に変化している)ことを分かっていない企業が存在することが大変遺憾である。

(適正な価格転嫁も受け入れられない)下請け(企業)の方々が意欲を持って部品を作ることは難しいだろうし、(その結果として)製品の質も悪くなると、消費者は買わなくなってくる。そのため、このようなことを行っている限り、株価などに表れる通り会社の価値は高まらないというのが結論である。

経営責任をどう取るのか、または、このような状況からどう脱却するのかを早期に明確(に示す必要がある)。トヨタ自動車のように(下請け)各社に対して(納入価格の)値上げを行いながら(製品を)供給している(例もある)ため、社会的責任を果たせない企業がどうあるべきかという点については、自ら処すべきであり、大変厳しく見るべきだと思っている。

これは経済同友会の事後の発表で、いろいろ補足しているが、新聞報道では次のようになっている。

経済同友会の新浪剛史代表幹事は5月14日の会見で、「大企業が下請け企業の価格転嫁を認めようと努力している時であり、大変遺憾だ。経営陣は知らなかったでは済まされない」と強い口調で述べ、経営責任の明確化を求めた。

新浪氏は「(こういう会社の)下請けが意欲を持っていい製品をつくろうと思いますか? そういうクルマを買おうと思いますか? だから会社の価値は上がらないし、株価を見ても上がっていない。それが結論です」と痛烈に批判した。

 

付記

日産の内田誠社長は5月23日、公取委から勧告を受けたあとも代金の引き下げを行っていた可能性があるとして外部の弁護士などによる調査を進めていることを明らかにした。

調査結果については1週間後をめどに公表するとしている。

一方、この問題を受けて日本自動車工業会は、法令順守の状況についてメーカー各社による緊急の自主点検を進めており、来月末までに結果をとりまとめるとしている。

 


2024/5/21 LINEヤフー問題

LINEヤフーで昨年に情報漏洩があった件で、総務省が、通信の秘密の保護及びサイバーセキュリティの確保の徹底を図るとともに、再発防止策等の必要な措置を講じ、その実施状況を報告するよう、文書による行政指導を行った。

そのなかで、情報漏えい元がLINEヤフーの親会社の1社の韓国NAVERの関係先であったことから、総務省は「行政指導」で「今の資本関係も含めて経営体制の見直しを検討」することを求めた。

これが韓国側で大きな問題となっている。韓国の野党やメディアは「韓国企業が日本で投資をして育て上げたLINEを日本政府が奪おうとしている」と批判のトーンを強めている。

韓国紙は「日本の総務省は法律ではない行政指導を通じて企業の経営権と関連した資本構造改善を要求するなど市場経済の原則を傷つける姿を見せた。日本政府がデータ主権確保に向け'ネイバー追い出し’に出たものとの疑いを自ら招いた 」と報じた。

日本国内でも、「外国企業の投資審査は、本来、その企業が新たに日本に進出を希望した際に行うべきもの。すでに投資をした外国企業に、あとから『株式を手放せ』『技術は残して日本から退場せよ』などと迫るのは中国がよくやるような話だ」との批判が出ている。

これが前例として認められると、世界各地で日本企業が犠牲になる可能性もありうる。

野党は尹錫悦政権批判を展開している。

韓国政府は5月10日、株式売却の圧迫に対して遺憾を表明し、「韓国企業に対する差別的で不当な措置に対しては断固として強力に対応していく」と明らかにした。 また、今回の行政指導は日韓両国が2003年に発効させた「日韓投資協定」に抵触するのではないかという主張も韓国側から提起されている。この協定は、日韓両政府とも、自国に投資をした相手国企業は自国企業と平等に扱うという「内国民待遇」を定めている。

林芳正官房長官が述べているように、「セキュリティーガバナンスの見直しにはさまざまな方策がありえる」「いずれにしても委託先管理が適切に機能する形となることが重要」だが、法律に基づかず、行政指導でJVの出資比率の変更まで求めたのは、明らかに行き過ぎである。

付記

尹錫悦大統領は5月26日に行われた日韓首脳会談で、LINEヤフー問題について取り上げ、「日本の総務省による行政指導は、ネイバーに持ち株を売却しろと要求したものではないと理解している」と話した。

その上で、外交問題ではないとの認識を示し、「懸案にならないように管理する必要がある」とも伝えた。

これに対し岸田総理は、行政指導について「重大な情報流出事故をうけ、ガバナンスの再検討を求めたものだ」と説明した。

ーーー

付記

LINEヤフーは3月と4月に総務省から行政指導を受け、再発防止策をまとめた2度目の報告書を7月1日、同省に提出した。

報告書について、松本剛明総務相は5日の閣議後記者会見で「問題の重大性を受け止め、速やかな対応を進めていると報告書から読み取れ、評価できる」と述べた。「指導事項の改善に向けた具体的な取り組みが示された。一部は実施、前倒しされたことを確認した」などと語った。 

一方、LINEヤフーと業務委託先の韓国IT大手ネイバーとの契約に関し、LINEヤフー側には委託した認識や契約がないにもかかわらず、ネイバー側が日本の利用者情報にアクセスできた事案もあったと明らかにした。

総務省は、LINEヤフーに対し、実質的な親会社でもあるネイバーとの資本関係の見直しも求めているが、報告書は「短期的な資本の移動は困難」としている。松本氏は「資本的関係の見直し自体が目的ではない」と強調しつつも、「利用者保護のため、セキュリティーガバナンスの確保策をしっかり確認したい」とクギを刺した。

ネイバーの崔秀妍代表が2日、韓国の国会科学技術情報放送通信委員会の会議に出席し、「短期的にLINEヤフー株を売却しないことにした」と発言するなど、LINEヤフー支配構造をめぐる交渉は長期化するとみられる。
 

ーーー

LINEヤフーは2023年11月27日、委託先企業への第三者による不正アクセスにより、ユーザー情報、取引先情報、従業員などに関する情報漏えいが判明したと発表した。該当情報は合計で最大約44万件に上る。

漏えいのうち最大30万2569件が「ユーザーに関する利用情報」。
そのうちLINE IDとは別に、内部でユーザーを識別する文字列にひも付く、サービス利用履歴などが4万9751件。
メッセージなど特定の人とのやり取りに関するような通信の秘密に該当する情報が2万2239件。

日本に限ると漏えいしたユーザー利用情報は最大12万9894件で、ユーザー識別子にひも付くサービス利用履歴が1万5454件、通信の秘密に該当する情報が8981件。

なお、口座情報やクレジットカード情報、LINEアプリにおけるトーク内容は含まれないとしている。

取引先に関する個人情報は最大8万6105件が該当。そのうち、取引先などの従業員の氏名、所属(会社・部署)、メールアドレスなどのセットは34件含まれており、他はメールアドレスのみだった。

LINEヤフーのグループや委託先などの従業員に関する個人情報(氏名、社員番号、メールアドレスなど)は最大5万1353件が該当。ドキュメント管理システム内の個人情報が6件、認証基盤システム内の従業員に関する個人情報が、LINEヤフーグループで3万409件、韓国NAVERグループで2万938件。

不正アクセスの経緯としては、LINEヤフーと韓国NAVER Cloudの両社から委託を受けている企業の従業員が所持するPCがマルウェアに感染。NAVER CloudとLINEヤフーの従業員情報を扱う共通の認証基盤で管理されている、旧LINEの社内システムネットワークへの接続を許可していたことから、NAVER Cloudのシステムを介して10月9日に不正アクセスが行われたという。

発覚は10月17日で、LINEヤフーのセキュリティ部門がシステムへの不審なアクセスを検知し調査を開始。27日に外部からの不正アクセスである可能性が高まったという。
同日中に不正アクセスに使用された可能性のある従業員のパスワードをリセットし、関係会社のシステムからLINEヤフーのサーバーに対するアクセスを順次遮断した。翌28日には従業員の社内システムへの再ログインを強制実施している。

今後LINEヤフーは、旧LINE環境の社内システムで共通化している認証基盤環境をNAVER Cloudと分離するとともに、ネットワークアクセス管理を一層強化。委託先の安全管理措置の是正に取り組むという。再発防止策として、計画の妥当性・有効性・客観性の担保を目的に、外部企業を交えた計画を策定するという。

ーーー

ソフトバンクと子会社のZホールディングス(2019/10/1 ヤフー鰍ゥら改称)、及び韓国のNaverと日本の子会社LINEの4社は、ZホールディングスとLINEの対等の精神に基づく経営統合で合意し、2019年11月19日に法的拘束力のない基本合意書を締結したと発表した。

公取委は2020年8月4日、「当事会社グループが申し出た措置を講じることを前提とすれば,一定の取引分野における競争を実質的に制限することとなるとはいえないと認められたので,当事会社グループに対し,排除措置命令を行わない旨の通知を行い,本件審査を終了した」と発表した。

ソフトバンク傘下のZホールディングス(ZHD)は2020年3月1日、LINEと経営統合し、新体制がスタートした。

LINEの商号は2月28日にAホールディングス(AHD)に変更された。ソフトバンクと韓国のネイバーはAHDを戦略的持ち株会社として位置付け、株式を50%ずつ保有する。

ZHDとLINEの統合は、親会社同士のソフトバンクとネイバーが出資するAHDが持ち株会社であるZHDの65%の株式を保有し、ZHD傘下の事業会社としてヤフーやLINEがぶら下がる形を取る。


     2019/11/20   ヤフーとLINEの統合

1997年11月4日に店頭市場に登録、2003年10月28日、東京証券取引所市場第一部に上場、2022年4月4日、プライム市場に移行した。

2023年10月1日にZホールディングスは新社名を「LINEヤフー」に決めた。 現在、ソフトバンクとNaverの50/50JVであるAホールディングスが64.5%を出資している。

ーーー

総務省において、LINEヤフーに対して、電気通信事業法の規定に基づく報告徴収を実施したところ、同社の安全管理措置・サイバーセキュリティ対策や業務委託先管理等に不備があったことが判明した。

総務省は2024年3月5日、LINEヤフーに対し、同社における上記の不正アクセスによる通信の秘密の漏えい事案に関し、通信の秘密の保護及びサイバーセキュリティの確保の徹底を図るとともに、再発防止策等の必要な措置を講じ、その実施状況を報告するよう、文書による行政指導を行った。

(1)本事案を踏まえた安全管理措置及び委託先管理の抜本的な見直し及び対策の強化
(2)親会社等を含むグループ全体でのセキュリティガバナンスの本質的な見直し及び強化
(3)利用者対応の徹底

そのうえで会社に対し、今の資本関係も含めて経営体制の見直しを検討し、ネイバーとともに50%出資する通信大手のソフトバンクに対しても、必要な働きかけをするよう求めた。総務省が行政指導で経営体制にまで踏み込む、異例の内容となっている(NHK報道)。

同年4月1日、同社から再発防止等に向けた取組に関する報告書の提出を受けたが、一定の応急的な対策については実施済みとのことであるものの、現時点で、安全管理措置及び委託先管理が十分なものとなったとは言い難く、また、親会社等を含むグループ全体でのセキュリティガバナンス体制の構築についても十分な見直しが行われる展望が必ずしも明らかとはいえない状況にあると考えられ、対策・検討を加速化する必要があるものと判断し、4月16日に以下の措置を講じるよう求めるとともに、措置の実施状況や実施計画について具体的かつ明確に報告するよう、行政指導を行った。

(1)本事案を踏まえた安全管理措置及び委託先管理の抜本的な見直し及び対策強化の加速化
(2)親会社等を含むグループ全体でのセキュリティガバナンスの本質的な見直しの検討の加速化
(3)取組内容に係る進捗状況の定期的な公表等を通じた利用者対応の徹底

総務省は資本関係の見直しを含めた対応策について、7月1日までの報告を求めている。

韓国のNaverは5月10日、LINEヤフーに出資する中間持ち株会社の株式を売却する可能性について初めて言及した。合弁相手であるソフトバンクと協議を進める考えを示した。
 

その後、5月8日に取締役の交代が発表され、退任予定取締役として、「LINEの父」と呼ばれる慎ジュンホChief Product Officerと、 桶谷拓Chief Strategy Officerが発表された。両名とも取締役退任後も、それぞれ CPO または CSO としての役割に専念する予定。

理由としては、「取締役会を独立社外取締役が過半数を占める構成へ変更するとともに、経営と執行の分離を進め、より一層ガバナンス強化を図るため」としているが、これで取締役全員が日本人となった。  

また、同日、LINEヤフーが、サービス・事業面も含めてネイバーとのほぼ全ての委託関font>t Golden Pass はエネルギー省から、FTA締結国向けには2012年に、非締結国向けには2017年に、20年間の輸出承認を受けている。

2019/2/9 千代田化工、米国 Golden Pass LNG輸出基地設計、調達、建設業務を受注 

ーーー

本プロジェクトは、2019 年に Zachry、CB&I (Chicago Bridge & Iron Company)  及び Chiyoda International が組成するジョイントベンチャーが Golden Pass LNG Terminal LLCから受注し、遂行してきた。

Golden Pass LNG、CB&I および  Chiyoda International は、これまで本プロジェクトの遂行体制に関して協議を続けており、3社は協調して引き続き本プロジェクトの完工に向けて工事を遂行していくことを確認している。

 Chiyoda International の主たる業務範囲である設計・調達業務は概ね完了しており、建設工事が進捗中で、プロジェクト全体の進捗率は、約75%まで達成している。

千代田化工は、米国Cameron LNGプロジェクトで大幅赤字を計上した。

  2019/5/9 代田化工建設、大幅赤字に、三菱商事が支援へ

このため、今回の契約では、ZachryCB&I が労働者の生産性など現地建設関連のリスクの責任を負うスキームとし千代田の負うスコープは基本的に設計と調達に限定した


2024/5/24 千代田化工と共同で Golden Pass LNG Terminal を建設中の米Zachry Industrial がChapter 11申請 

千代田化工建設は、米国テキサス州にて Golden Pass LNG プロジェクトを共同遂行している米国 Zachry Industrial が5月21 日に「Chapter11」を申し立て、法的再建手続きに入ることになったと発表した。

Zachry Industrial の chief restructuring officerは、裁判所に提出された宣誓供述書で、「財政困難の結果」が、2019年にGolden Pass LNG Terminal から受注したLNGプロジェクトによるものであると述べた。

 

付記  

工事はEPC(設計・調達・建設)という契約形態で大抵、契約額を上回った分は工事を担うプラント会社が負担する。Zachryが裁判所に提出した資料では、2022年半ばに全体で24億ドルの追加費用を見込む状況であった。Zachry は「工事を続ければ顧客が支払うと言われ、追加コストを負担していた」といい、今年5月21日にチャプター11の適用を申請した。

千代田は決算発表を延期、工事完成までの体制づくりを協議中。

同社の有価証券報告書ではJVに関し「パートナーに債務不履行や財政状態の悪化等が生じた場合、当社グループが経営上の連帯責任を負う」との記載がある。(以上、日経報道より)

ーーー

千代田化工建設は2019年2月6日、米国のZachry Group 及びCB&I (Chicago Bridge & Iron Company) と共同で、Golden Pass Products LLCから米国テキサス州 Sabine Passで計画されているLNG輸出基地の設計、調達、建設(EPC)業務を受注したと発表した。

当初の発表では、共同受注はMcDermott International となっている。

McDermott International は2018年に米建設会社CB&I (Chicago Bridge & Iron Company) を35億ドルで買収したが、その際に発生した債務が経営を苦しくし、2020年にChapter 11を申請した。
McDermott
International とCB&I は同年5月に統合した。


 

Golden Pass Products LLCはQatar Petroleumが70%、ExxonMobilが30%を出資する。

計画は、既存のGolden Pass LNG 輸入基地に天然ガス液化設備等を建設し、同基地を市場の状況に応じてLNGの輸入と輸出を行えるようにするものである。

既存のGolden Pass LNG 輸入基地は、Qatar Petroleum (70%)、ExxonMobil (17.6%) に加え ConocoPhillips (12.4%) が加わるJVである。
年間1560万トンの輸入LNG(天然ガス換算 日量20億立方フィート)を2つのバースで輸入し、ガス化する。2010年に完成した。

今回の計画は、年産520万トンの液化設備3基(合計能力 1,560万トン)を建設する。用役設備の増設や既存の輸入設備との連結、安全設備の拡充なども含める。パイプラインも拡充する。
ConocoPhillipsはこの事業には参加しない。

投資額は100億ドルで、2024年に運転を開始する予定。

Golden Pass はエネルギー省から、FTA締結国向けには2012年に、非締結国向けには2017年に、20年間の輸出承認を受けている。

2019/2/9 千代田化工、米国 Golden Pass LNG輸出基地設計、調達、建設業務を受注 

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本プロジェクトは、2019 年に Zachry、CB&I (Chicago Bridge & Iron Company) 及び Chiyoda International が組成するジョイントベンチャーが Golden Pass LNG Terminal LLCから受注し、遂行してきた。

Golden Pass LNG、CB&I および Chiyoda International は、これまで本プロジェクトの遂行体制に関して協議を続けており、3社は協調して引き続き本プロジェクトの完工に向けて工事を遂行していくことを確認している。

Chiyoda International の主たる業務範囲である設計・調達業務は概ね完了しており、建設工事が進捗中で、プロジェクト全体の進捗率は、約75%まで達成している。

千代田化工は、米国Cameron LNGプロジェクトで大幅赤字を計上した。

2019/5/9 代田化工建設、大幅赤字に、三菱商事が支援へ

このため、今回の契約では、ZachryCB&I が労働者の生産性など現地建設関連のリスクの責任を負うスキームとし千代田の負うスコープは基本的に設計と調達に限定した


2024/5/27  アルツハイマー病 発症前に血液で高精度で予測

東京大学大学院医学系研究科の新美芳樹特任准教授、岩坪威教授らのグループは、アルツハイマー病(AD)の脳に生じる最も重要な変化である アミロイドβ(Aβ)の蓄積を診断する PET 画像検査の結果を、超早期の段階において、これまでにない高い効率で予測することに成功した。

血液検査で発症前から診断できるようになれば、早期治療につながる。(PET検査は施設が限られており、費用も高く、早期診断には向かない。)

 

アルツハイマー病では、神経細胞の外側ではアミロイドβ(Aβ)が蓄積して老人班を形成し、神経細胞の中では「タウタンパク」が蓄積してタンパク質が糸くず状に変化したようなもの(神経原繊維変化)が見られるようになる。

 

2023年9月25日にエーザイのアルツハイマー病治療薬「レカネマブ」が正式に承認された。進行を遅らせる効果を証明した国内初の薬となる。

既存の認知症薬は神経の働きを活発にして症状の緩和を図るが、レカネマブは病気の原因となるAβを除去し、進行を抑えることを狙う。

この薬の対象は、軽度認知症と、認知症の前段階である軽度認知障害(MCI)の人で、壊れた神経細胞の再生は難しいため、症状が進んだ人は対象となっていない。

そのため、PET検査で対象かどうかを判断する必要があるが、PET検査の実施できる施設は限られており、費用も高い。他に脳脊髄液検査もあるが、一般的でない。

   なお、シスメックスは 微量の血液からAβの蓄積状態を調べる検査試薬について製造販売承認を取得

2023/8/23 厚労省の専門部会、エーザイのアルツハイマー治療薬「レカネマブ」の国内での製造販売承認を了承、近く承認へ

このため、より簡便な評価法への期待が高まっている。

過去30 年にわたり、血液を用いた AD 脳病理変化の推定は困難であったが、近年血液バイオマーカーの開発が加速し、AD 患者の血漿中に検出される Aβ やリン酸化タウなどの病因タンパク質の変化を測定することにより、PET 検査や脳脊髄液検査に匹敵する診断能力が得られる可能性が示されてきた。

しかし認知症期に先行する MCI 期や、さらに早い無症候期(プレクリニカル期)などの超早期段階における性能は十分に実証されておらず、さらに人種差の検討や、日本人における検討も十分に行われていなかった。

プレクリニカル(期)AD : 画像診断やバイオマーカーにより、脳にアミロイドβ蓄積などAD の病理学的変化の存在が推定されるが、認知機能は正常である状態をいう。

プロドローマル(期)=MCI 期AD : ADの病理学的変化があり、客観的にも物忘れなどの認知機能低下症状を認めるが、日常生活機能は保たれており、まだ認知症に至っていないと診断される時期。

研究グループは、Aβ の蓄積が始まっているが無症状であり、発症の前駆時期と考えられる「プレクリニカル期」や、認知機能の低下はあるが認知症に至っていないMCI 期の AD の人を診断・追跡し、予防・治療法の実現を目指す研究を 2019年から開始し、2024 年 4 月末の時点で、700 名の参加者に対してアミロイド PET スキャン、血液バイオマーカー測定等の検査を行ってきた。

今回、474 名の血液検体を対象に、測定結果や臨床データを組み合わせることにより、脳アミロイド検出の標準となる PET 画像の視覚的診断結果をどの程度正確に予測できるかを検討した。

その結果、Aβ と p-tau217(スレオニン 217 リン酸化タウ)血液バイオマーカーを組み合わせることにより、AD の超早期段階における脳 Aβ 蓄積の存在を高い精度で予測できることが分かった。

バイオマーカーで陽性の場合、PET検査で脳アミロイド蓄積がみつかり、陰性の場合は蓄積がなかった。

今後、簡便な臨床的評価と血液バイオマーカーの検査を組み合わせることによって、従来よりも効率的にプレクリニカル期 AD やプロドローマル AD の診断が可能となることを実証し、血液バイオマーカーの実用化と、抗 Aβ薬などを用いた AD の早期の予防・治療のさらなる実用に繋げてゆく。


2024/5/28 公取委、下請法運用基準を改正、コスト上昇時の価格据え置きは「買いたたき」

 

公正取引委員会は5月27日、人件費や原材料費が高騰する中、中小企業などが価格転嫁しやすくするため、下請法の運用基準を改正した。

大企業などがコストが上がっていることを把握しながら取引価格を据え置く行為を「買いたたき」と明記し、違反行為には指導や勧告など強い姿勢で臨み、取引慣行の改善を目指す。

ーーー

公正取引委員会は、「下請代金支払遅延等防止法に関する運用基準」を定めている。

公取委は2023年11月29日に「労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針」を公表した。

労務費の適切な転嫁のための価格交渉に関する指針(概要)

発注者として採るべき行動/求められる行動
【行動@:本社(経営トップ)の関与】
【行動A:発注者側からの定期的な協議の実施】
【行動B:説明・資料を求める場合は公表資料とすること】
【行動C:サプライチェーン全体での適切な価格転嫁を行うこと】
【行動D:要請があれば協議のテーブルにつくこと】
【行動E:必要に応じ考え方を提案すること】

受注者として採るべき行動/求められる行動
【行動@:相談窓口の活用】
【行動A:根拠とする資料】最低賃金の上昇率、春季労使交渉の妥結額やその上昇率などの公表資料を用いること。
【行動B:値上げ要請のタイミング】
【行動C:発注者から価格を提示されるのを待たずに自ら希望する額を提示】

発注者・受注者の双方が採るべき行動/求められる行動
【行動@:定期的なコミュニケーション】
【行動A:交渉記録の作成、発注者と受注者の双方での保管】
 

公取委は、これを踏まえ、下請法上の買いたたきの解釈・考え方が更に明確になるよう、下請法運用基準の改正を行うこととし、原案を本年4月1日に公表し、広く意見を募集した。

今回、提出された意見等を慎重に検討した結果、原案を維持し、以下の通り下請法運用基準を改正することとした。

改正箇所は、「親事業者の禁止行為」の「買いたたき」についてである。

買いたたきとは、「下請事業者の給付の内容と同種又は類似の内容の給付に対し通常支払われる対価に比し著しく低い下請代金の額を不当に定めること」で、

現行指針では、「通常の対価を把握することができないか又は困難である給付については、例えば、当該給付が従前の給付と同種又は類似のものである場合には、従前の給付に係る単価で計算された対価を通常の対価として取り扱う」としている。

これによれば、価格据え置きは禁止されていない。

これについて、下記の通り改正した。

次の額を「通常支払われる対価に比し著しく低い下請代金の額」として取り扱う。

従前の給付に係る単価で計算された対価に比し著しく低い下請代金の額

イ 当該給付に係る主なコスト(労務費、原材料価格、エネルギーコスト等)の著しい上昇を、例えば、最低賃金の上昇率、春季労使交渉の妥結額やその上昇率などの経済の実態が反映されていると考えられる公表資料から把握することができる場合において、据え置かれた下請代金の額

すなわち、コスト上昇が明らかな場合には、価格据え置きは買いたたきとなる。

 

ーーー

なお、本ブログではさきに 日産自動車、下請法勧告後も違反行為継続か? を書いた。

日産の内田誠社長は5月23日、公取委から勧告を受けたあとも代金の引き下げを行っていた可能性があるとして外部の弁護士などによる調査を進めていることを明らかにした。

調査結果については1週間後をめどに公表するとしている。

一方、この問題を受けて日本自動車工業会は、法令順守の状況についてメーカー各社による緊急の自主点検を進めており、来月末までに結果をとりまとめるとしている。

<自工会方針>
  • 原材料費/エネルギー費の上昇分について、適切なコスト増加分の全額転嫁を目指す
    労務費について、仕入先と十分に協議のうえ適正に価格転嫁
<取り組み>
  • 上記の方針を織り込んで、「適正取引の推進と生産性・付加価値向上に向けた自主行動計画」および実効性を高める「徹底プラン」を今月改訂・公表

 

 


2024/5/29 AstraZeneca、シンガポールに15億ドルの抗体薬物複合体(ADC)製造施設建設

 

AstraZeneca は5月20日、シンガポールに15億ドル規模の抗体薬物複合体(ADC)製造施設を建設する計画を発表した。

AstraZenecaがシンガポールで医薬品を生産するのは初めて。

同社にとって初めてのADC製造の全プロセスをカバーする施設となる。抗体の生産、化学療法薬とリンカーの合成、薬・リンカーの抗体への結合、完成したADC物質の充填といった多段階の製造プロセスを完全に統合する。

2024年末までに製造施設の設計と建設を開始し、2029年までに運用開始を目指す。

同社は第一三共及び中国系企業とADCの共同開発・商業化で戦略提携している。

ーーー

第一三共は2019年3月29日、抗がん剤でAstraZenecaと戦略的提携すると発表した。

同社が保有する抗体薬物複合体(antibody drug conjugate: ADC)のエンハーツ / トラスツズマブ デルクステカン(DS-8201)について、乳がん、胃がん、非小細胞肺がん及び大腸がんを含むHER2発現がんを対象としたグローバルな開発及び商業化契約を締結した。

抗体薬物複合体(ADC)は、抗体と薬物(低分子化合物)を適切なリンカーを介して結合させた薬剤で、がん細胞に発現している標的因子に結合する抗体を介して薬物をがん細胞へ直接届けることで、薬物の全身曝露を抑えつつがん細胞への攻撃力を高める。

本剤は、独自のリンカーを介して新規のトポイソメラーゼI 阻害剤(薬物)を抗HER2抗体に結合させた薬剤。抗HER2抗体とリンカー、ペイロード(トポイソメラーゼI 阻害剤)のすべてを自社技術で構築した。

トポイソメラーゼI 阻害剤は、癌細胞のDNAの2重らせん構造のうち1本を切断し、異常な細胞増殖を抑えることでがん細胞を殺す。

乳がんなどには、細胞の表面に、がん細胞に「増殖しろ」という指令を出す「HER2タンパク」をもっているものがあるが、トラスツズマブは、HER2タンパクの働きをブロックし,がん細胞の増殖を抑える。

2019/4/1 第一三共、抗がん剤でAstraZenecaと戦略的提携、最大で69億ドル受領  

第一三共は2020年7月27日、同社が保有するTROP2に対する抗体薬物複合体のDS-1062について、グローバルな開発及び商業化契約をAstraZenecaと締結したと発表した。

今回の提携で、第一三共とAstraZenecaは全世界(日本では第一三共が独占的権利)において、本剤の単剤療法及び併用療法を共同で開発し、商業化する。
第一三共は本剤の製造及び供給を担う。

前回はエンハーツ/DS-8201、今回はDS-1062である。

2020/7/29   第一三共、抗体薬物複合体の開発・商業化で AstraZeneca と2件目の提携   

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なお、第一三共は2023年10月20日、開発中の3つのADCの開発・販売で米Merck と提携したと発表した。

提携の対象は▽抗HER3ADCパトリツマブ デルクステカン▽抗B7-H3ADC「DS-7300」▽抗CDH6ADC「DS-6000」。

日本を除く全世界でメルクと共同で開発・商業化し、製造と供給は第一三共が担う。

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KYM BiosciencesKeymed Biosciences:康諾亞生物醫藥科技成都有限公司と 同じく中国のLepu Biopharma:樂普生物科技股份有限公司の関連会社によって設立されたJV)との間で胃がんの有望な治療ターゲットであるClaudin 18.2を標的とするファースト・イン・クラスの抗体薬物複合体(ADC)のCMG901について、独占的なグローバルライセンス契約を締結したことを発表した。

本ライセンス契約に基づき、AstraZenecaはグローバル規模でCMG901に関する研究、開発、製造および商業化を展開していく。

現在、胃がんを含むClaudin 18.2陽性固形がんの治療薬として、第I相臨床試験で評価を行っており、第I相試験の予備結果では、すべての用量で抗腫瘍活性の早期徴候が認められ、CMG901の有望な臨床プロファイルが示された。

AstraZenecaは、様々な腫瘍タイプや病期における消化器がんの治療に対して、複数の医薬品による広範な開発プログラムを展開している。胃がん、肝がん、胆道がん、食道がん、膵がんおよび結腸直腸がんの転帰の改善にコミットしている。

イミフィンジ(一般名:デュルバルマブ)は、化学療法(ゲムシタビンおよびシスプラチン)との併用療法が進行胆道がんの治療薬として、イジュドとの併用療法が切除不能な肝細胞癌の治療薬として、米国で承認されている。

イミフィンジは、イジュドなどとの併用療法で、現在、早期から後期がんまでを対象とした広範な開発プログラムにおいて、肝がん、食道がんおよび胃がんの治療薬として評価が行われている。

第一三共との提携によるエンハーツ(一般名:トラスツズマブ デルクステカン)はHER2を標的とした抗体薬物複合体で、HER2陽性の進行胃がんの治療薬として承認されており、現在、結腸直腸がんで試験を実施している。

リムパーザ(一般名:オラパリブ)はファースト・イン・クラスのPARP阻害剤であり、BRCA遺伝子変異陽性転移性膵がんの治療薬として承認されています。リムパーザは、アストラゼネカとMSD(米国およびカナダではMerck&Co., Inc.)が共同開発と商業化を行っている。


 

2024/5/30   米 Eli Lilly、肥満症薬を増産

米製薬大手Eli Lillyは5月24日、Lebanon, Indianaの新工場に53億ドルを追加投資すると発表した。欧米を中心に需要が高まる肥満症治療薬Zepbound® (tirzepatide) injection や、糖尿病薬Mounjaro® (tirzepatide) injectionの原薬を増産する。同拠点への投資総額は37億ドルから90億ドルに増える。

2023年に着工し、2026年末に医薬品製造を始める予定。

同社は2023年12月に米国で肥満症治療薬 Zepbound®を発売した。Zepbound®の有効成分tirzepatideは、2型糖尿病の成人患者の血糖値改善を助ける効能をもつMounjaro®としてすでに承認されており、肥満症治療薬として広く適応外処方されてきたが、FDAが新薬として2023年11月8日に承認した。

tirzepatideはグルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド(GIP)とグルカゴン様ペプチド-1(GLP-1)の二つの受容体に単一分子として作用する世界初の持続性GIP/GLP-1受容体作動薬で、本剤の構造は、天然GIPペプチド配列をベースとした単一分子だが、GLP-1受容体にも結合するように改変されており、選択的に長時間作用する。

Zepbound®の需要が拡大する一方で生産が追いつかず、Mounjaro®とともに品薄状態が続いている。

なお、日本では、日本イーライリリーと田辺三菱製薬が先日、肥満症に対するチルゼパチド(tirzepatide)について、日本イーライリリーが当局に承認申請済みであること、および両社で日本における販売提携を行うことを発表した。

両社の販売提携契約に基づき、同一化合物で2023年から両社にて販売提携を行っている「マンジャロ®皮下注」と同様に、本剤の製造販売承認は日本イーライリリーが取得し、承認取得後の流通・販売を田辺三菱製薬が行う。

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新タイプの肥満症治療薬の利用者が、米国を中心に世界で急増している。

先駆けとなったのが、デンマーク製薬大手Novo Nordisk Wegovy(ウゴービ )で、2021年に米国で承認された。もともと糖尿病(内臓脂肪の蓄積が主な原因)のために開発した薬(GLP-1受容体作動薬)を肥満症治療に応用したもので、食欲を抑制することでやせる効果があるとされる。日本では「セマグルチド(遺伝子組換え)」として2023年3月に承認された。

食事をとると小腸から分泌され、インスリンの分泌を促進する働きをもつホルモンをインクレチンといい、GIP(グルコース依存性インスリン分泌刺激ポリペプチド )とGLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)がある。
2型糖尿病に対する治療薬として注目されるのがGLP-1である。

GLP-1は、食事をとって血糖値が上がると、小腸にあるL細胞から分泌され、すい臓のβ 細胞表面にあるGLP-1の鍵穴 (受容体) にくっつき、β 細胞内からインスリンを分泌させる。GLP-1は、血糖値が高い場合にのみインスリンを分泌させる特徴がある。摂取した食物の胃からの排出を遅らせる作用や食欲を抑える作用などもある。

GIPも食欲を抑制するだけでなく、体内での糖分や脂肪の分解を改善する可能性がある。

Eli Lillyは昨年12月、同様の働きを持つ肥満症治療薬Zepboundを米市場に投入した。Amgen や Pfizerなど多くのメーカーが開発を急ぐ。

2024/4/15  新タイプの肥満症治療薬が急増

 


 

2024/5/31    小林製薬の紅麹問題 “工場内の青カビが培養段階で混入”か 

小林製薬の「紅麹」の成分を含むサプリメントを摂取した人が腎臓の病気などを発症した問題で、厚生労働省と国立医薬品食品衛生研究所は5月28日、「工場内の青カビが培養段階で混入して『プベルル酸』と他の2種類の化合物がつくられたと推定される」と公表した。

さらに、これらの化合物を投与する動物実験で、腎臓の組織への毒性が確認された。引き続き原因物質の特定を進める。

付記

武見厚生労働相は6月28日の記者会見で、小林製薬の「紅麹」原料を含む機能性表示食品による健康被害が疑われる死者が新たに76人判明したと明らかにした。これまで小林製薬は厚労省に、死者数は5人と報告していた。

死亡に関する相談が170事例あり、このうち94事例はサプリメントを摂取していないなど因果関係がないことが確認された。残る76事例について、小林製薬に速やかに報告するよう求めた。

なお、小林製薬は以前の5人のうち1件については紅麹関連の製品を摂取していなかったと説明している。

付記

厚生労働省は、製品を摂取したことがあり、その後亡くなったとして小林製薬が因果関係を調べているケースが、7月2日時点で81件あることを公表した。

 

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小林製薬の紅麹原料を含む機能性表示食品による健康被害を巡り、厚生労働省は3月29日、腎疾患の原因と推定される成分が「プベルル酸」の可能性があると同社が報告したと発表した。

小林製薬は3月29日、紅麹原料の一部のロットで検出された不明の「成分X」について、分子量150〜250の環状構造を有する化合物であり、これまでに、プべルル酸などいくつかの既知の化合物に絞り込んでいることを明らかにした。

プベルル酸puberulic acid)

1932年に Birkinshaw と Raistrick が糸状不完全菌類 Penicillium puberulum Bainier から産生されるC8H6O6の化学式を持つ化合物が存在することを報告し、これをプベルル酸と命名した。

  C8H6O6 (2,5-Dihydroxyterephthalic acid)

細菌の増殖を抑える抗生物質(抗菌薬)の特性を持つが、毒性が非常に高いという。 プベルル酸はマラリア原虫に対する効果も高く、関連物質は抗マラリア薬の候補として研究されている。

感染症の原因となるマラリア原虫に効果があることを突き止めていた北里大のチームは2017年、マウス5匹に注射した実験で4匹が死んだと報告。
しかし今回のサプリで問題となった腎臓への影響はわかっておらず、プベルル酸以外の物質が腎障害を引き起こした可能性も残る。

2024/3/30    紅麹関連情報 

これまでに5人が死亡、281人が入院している。

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厚労省の発表によると、小林製薬の大阪工場(昨年12月に閉鎖)と和歌山県紀の川市にある子会社の工場の両方に青カビが存在していたことが確認され、採取して培養したところ、被害が報告された製品からも検出されている「プベルル酸」がつくられた。

健康被害の訴えが集中している昨年6〜8月の製造分からは、プベルル酸以外に、二つの化合物も検出された。未知の2種類の化合物はいずれも小林製薬が「悪玉コレステロールの値を下げる効果がある」とうたった「モナコリンK」という成分に基本骨格が似ているという。

既知の天然化合物ではなく、うち一つは、紅こうじサプリの機能性成分「モナコリンK」が工場の青カビにより変化したものと推定されるという。もう一つの物質も、構造が類似していることから同様の仕組みで発生したとみられる。

2つの化合物の健康被害への影響はわかっておらず、今後、動物実験などを行う。


同社のサプリを巡っては摂取後に腎臓病になる人が相次いでいる。日本腎臓学会の調査では、腎臓にある尿細管の機能が低下する「ファンコーニ症候群」の患者も確認されている。

これまでプベルル酸び腎臓への影響はわかっていなかったが、健康被害の訴えがあったサプリと、プベルル酸のみをそれぞれラットに食べさせたところ、腎臓の一部に変性や壊死が見られた。

厚労省は「現時点で断定はできないが、プベルル酸が健康被害の原因の可能性がある」としている。
 

 

今回、確認された青カビについて、カビ毒に詳しい東京農業大学応用生物科学部の小西良子教授は次のように述べている。(NHK)

「工場などでよく見つかるものとは違う珍しいカビだ。厚生労働省などの発表内容を聞く限り、このカビが、紅麹が作る『モナコリンK』に対して働く酵素を持っていて、その働きでプベルル酸以外に2種類の化合物が生じたと考えられる。

2つの菌が一緒に培養されることで新しい化合物ができるのはカビの生産物にはよくあることで、それだけに菌を用いた製品を作る際には厳しい製造管理が求められる。

プベルル酸についてもほかの2種類の化合物についてもこれまで毒性に関する知見はなかったが、今後の研究で毒性が明らかになれば、カビ毒と認定されるかもしれない」

 

小林製薬は2016年にグンゼから事業譲渡を受けて紅麴原料の製造を大阪工場で始めた。グンゼは主に食品会社に素材を販売してきたが、成長が難しいとみて撤退を決めた。

小林製薬はそれまで麴を扱った経験はなかった。引き継いだ製造設備を大阪工場に移設、グンゼの技術を手順書に落とし込み、グンゼの同事業の従業員6人を引き受けて、紅麹原料の製造を開始した。譲渡に際し、グンゼから健康被害を引き起こすリスクがあるとは聞いていなかったとしている。

 


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