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これは下記のブログを月ごとにまとめたものです。
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2009/10/1 スペイン企業が四川省でシリコン事業

スペインと中国のJVのGanzi Atlantic Silicon Industry920日、四川省の甘孜(Ganziカンゼ)・チベット族自治州の州都・康定(Kangding :ダルツェンド)県で金属シリコンの第一期の起工式を行った。

報道によると、チンギスハンの34代末裔とされる大連在住のモンゴル族女性が、チンギスハンの陵墓がカンゼ・チベット族自治州にあると証言、現地調査で証言と一致する洞窟が確認された。

Ganzi Atlantic Silicon はスペインのFerroatlantica (Atlantic Ferroalloy)75%、現地のGanzi Shunda Silicon Industry25%出資する。

820百万ユーロを投じる事業は2期に分かれる。
第一期は金属シリコン
50千トンで、第二期は金属シリコン50千トンと太陽電池用ポリシリコン10千トンとなっている。
水力発電所も建設する。
5,600人の雇用が生まれる。

合計100千トンの金属シリコンと10千トンのポリシリコンプラントは2011年に完成するが、2013年の発電所完成後に本格商業生産を開始する。

20076月にスペインのカルロス国王が参加し「四川ースペイン経済交流」が開催され、その席でFerroatlanticaJuan Miguel Villar Mir 社長が四川省に世界最大の金属シリコン工場を建設すると発表、その後立地を探していた。(当時は能力150千トンとしていた)

本年4月に四川省成都市で開催された中国・スペインフォーラム第5回会合で調印された。

ーーー

Ferroatlantica はスペインの建設・エネルギーなどの総合事業大手Grupo Villar Mir に帰属する。
スペインに Cee、Dumbria、Sabon、Boo の4工場を持ち、金属シリコン、フェロシリコン、フェロマンガン等を製造販売している。

1998年にベネズエラのCVG-Fesilvenの80%を取得、社名を Ferroven に改称した。

Grupo Villar Mir2005年にPechiney Électrométallurgieとフランスの子会社Invensil 及び南アのシリコン精錬所を買収、 2006年にPechiney ÉlectrométallurgieFerro Pem と改称した。
フランスに
AnglefortChateau FeuilletLaudunLes ClavauxMontricherPierrefitte 6工場、南アにPolokwane工場を持つ。

現在のグループのこの事業関連の能力は以下の通り。(単位:トン)

  Ferro Atlantica Ferroven  Ferro Pem TOTAL
Silicon 40,000   183,000    223,000
Ferrosilicon 79,000 96,000 20,000 195,000
Silicomanganese 218,000     218,000
Ferromanganese 221,000 38,000   259,000
CaSi     18,000 18,000
Inoculants and nodulisants     69,000 69,000
Pulverised and Passived 10,000     10,000
Paste of electrodes 6,000 14,000   20,000
Microsilica (Silica Fume) 32,000 22,000 80,000 134,000

 

参考 日本の多結晶シリコンの状況

 


2009/10/2 AbbottSolvayの医薬品事業を買収

Abbott Laboratoriesは929日、Solvayの医薬品事業を現金45億ユーロで買収することで合意したと発表した。
これにより、
30億ドル以上の売上高が加わる。

Abbott 2008年の売上高は295億ドル(うち医薬品は167億ドル)で、神経系治療薬などが柱。主力製品の特許切れが今後相次ぐため、商品群の拡充を模索していた。

買収をテコにSolvayが得意とする循環器治療薬やホルモン治療薬を取り込む。東欧やアジアなどにSolvayが展開する販売網を使い、新興国での販売拡大を狙う。

取引条件は現金での45億ユーロの支払いのほか、2011年から2013年の期間に一定の目標を達した場合に追加で3億ユーロが支払われる。このほか、一定の債務が引き継がれるが、Solvay では4億ユーロとみており、Solvay側は52億ユーロの取引とみている。

なお、現在AbbottSolvayの高脂血症治療薬 fenofibrate の米国での販売権をもらってロイヤリティを払っているが、全世界の権利を引き継ぐ。

また、Solvayの年間5億ドルのR&D投資を引き継ぐこととなり、この後のAbbottの成長に資する。

Solvayは本年4月に外部報道を受け、医薬事業についていろいろのオプションを検討している旨の発表をしていた。

付記

Abbott20105月に以下の発表を行った。

1)インドのZydus Cadilaとの間でライセンス及び供給契約を締結、Zydus の製品(当面24品目で、更に40品目追加のオプション)をAbbottが強みを持つ15の新興市場で販売する。

2)インドのPiramal Healthcareから、インドのbranded generics(先発メーカーのブランドを承継)のリーダーであるHealthcare Solutions businessを買収。
対価は一時金
21.2億ドルプラス4年間毎年4億ドル支払い。
これにより、インドの医薬品市場で
No.1の地位を占める。

ーーー

Solvay の医薬品事業の2008年の業績は、売上高が2,699百万ユーロ、税、金利控除前経常損益(REBIT)は509百万ユーロとなっている。

医薬品事業の内容は以下の通り。(百万ユーロ)

分野 2008年
売上高
備考
Cardiometabolics 
 心臓血管分野
  812 2005年に買収したFournier Pharma 高脂血症治療薬fenofibrateが中心
Neuroscience 
 神経科学
  411 抗うつ薬 fluvoxamine
Parkinsons
病治療薬 DUODOPA
インフルエンザワクチン   137  
膵酵素   217  
消化器病治療薬   243  
男性及び女性ホルモン   648  
その他   231  

地域別

欧州  46%
NAFTA  40%
Mercosur   2%
アジア太平洋   8%
その他   4%

ーーー

Solvay 2008年実績は以下の通り。(百万ユーロ)

  Sales REBIT* 同左2007
Pharmaceuticals   2,699   509   457
Chemicals   3,096   238   345
Plastics   3,695   264   441
Corporate     -46  
Total   9,490   965  

 *REBITRecurrent Earnings (経常損益)Before Interest and Tax

医薬品事業は売上高で全社の28%を占める。
利子・税金控除前の経常損益では、2008年は特に化学品、合成樹脂の損益が悪化したため全社の53%を占める。この医薬品事業の売却理由として、同社は次のように説明している。

外部要因
 ・業界の急速な変化
   承認プロセスが複雑で費用がかかる
   医療コストに対する圧力、etc内部要因
 ・3部門全てで多額の投資が必要
 ・化学品、合成樹脂部門で持続可能性の改善が必要
 ・医薬部門は環境変化に対応するだけのサイズ以下

これらを検討した結果、Solvay事業(医薬及び非医薬)にとって医薬部門売却がベストと判断

検討した他のオプション(全て問題あり)
 ・現状維持 
 ・上場
 ・買収
 ・合併

http://www.solvaypress.com/static/wma/pdf/1/6/5/0/6/20090928_Presentation.pdf

Solvay では売却収入を化学品と合成樹脂部門での高付加価値分野、戦略計画に再投資するとしているが、それについては検討中としているのみである。

同社の化学品部門は4つに分かれる。
1)Minerals
   ・ソーダ灰、誘導品
   
Advanced Functional Minerals
2)Electrochemistry, fluorinated products
   ・苛性ソーダ、エピクロルヒドリン
   ・フッ素製品
3)Oxygen
   
Hydrogen peroxide
   
Persalts
4)Organic (Molecular Solutions)

合成樹脂部門は2つ。
1)
Specialties
    ・Specialty Polymers
      high and ultra-high performance polymers like fluorinated Polymers, elastomers and fluids, barrier materials,
      polyarylamides, polysulfones, high performance polyamides, liquid crystal polymers
    ・Inergy Automotive Systems (50/50 JV with Plastic Omnium)
2)Vinyls
    ・電解、VCMPVC、コンパウンド
    ・
Pipelife (50/50 JV with Wienerberger)

中規模の医薬事業が大変であることは事実だが、化学品、合成樹脂でどの分野に投資するのであろうか。
医薬事業の穴を埋められるだろうか。

 


2009/10/3 2009年イグ・ノーベル賞

2009年のイグ・ノーベル賞の授賞式が10月1日、ボストン近郊のハーバード大学で行われた。

パンダのフンから抽出したバクテリアを使って台所の生ゴミを分解し、9割減量する研究で、北里大学の田口文章名誉教授と共同研究の北里大の大学院生だった中国人留学生2人(宗国冨 Song Guofu、張光磊 Zhang Guanglei 両氏)が生物学賞を受賞した。

2007年は山本麻由さんが「牛糞からバニラの芳香成分 vanillin の抽出」で化学賞を受賞したが、本年はパンダのフンである。

パンダが消化しにくいササを主食にすることに注目、フンを生ゴミに入れたところ、通常の倍のスピードで分解したことから、パンダの体内に分解菌がいることを発見、この菌を分離し、生ゴミを分解して減量できることを実証した。

授賞式に出席した田口名誉教授は「パンダは見かけもユーモラスだが、ふんもほかの動物のふんとはかなり違う。主食のササがほとんど消化されずに出てくるので、実は悪臭はない。実験は面白い経験でした」と述べた。

「パンダから分離した耐熱性酵素群を産生する高温細菌による生ゴミ処理の試み」

To establish an efficient method for the microbial treatment of kitchen refuse, experiments were performed to isolate heat-stable multi-enzyme-producing thermophilic bacteria and to verify functional activities of the isolates for the complete decomposition of kitchen refuse.

Five Bacillus strains - B.amyloliquefaciens FTP148, B.amyloliquefaciens FTP2414, B.subtilis FTP237, B.Licheniformis FTP136, and B.licheniformis FTP2530 - were successfully isolated from feces of the Giant Panda.

Using a commercial waste-treatment device, kitchen refuse was treated with the five strains with the following results. When 1 kg per day was treated for 4 weeks, a total of 24 kg of mixed refuse consisting of green vegetables and fish remains as well as raw and/or fried potatoes was reduced to only 0.98 kg and a final digestive rate of 96% was obtained. It is noteworthy that the internal temperature of the compost mass reached a peak of 72.

These results indicate that the novel thermophilic bacterial strains isolated from Giant Panda feces may be useful for high-performance waste treatment.

(生物工学会誌 79(12) pp.463-469 2001/12/15

その他の受賞者は以下の通り。

獣医学賞 Catherine Douglas
Peter Rowlinson
(Newcastle University, UK)
名前をつけた乳牛の方が、名前のない乳牛よりも多くの乳を出すことを調べた。
平和賞      Stephan Bolliger
Steffen Ross
Lars Oesterhelweg
Michael Thali
Beat Kneubuehl
(University of Bern, Switzerland)
頭を殴るのに、ビールの入ったビール瓶か、空のビール瓶のどちらがよいかの研究。
経済学賞 破綻したアイスランドの4銀行
Kaupthing Bank, Landsbanki,
Glitnir Bank,
Central Bank of Iceland
)の役員
小銀行がいかにして急速に大銀行になるか、また、その逆の研究。
同様のことが国の経済にも当てはまることも調べた。
化学賞 Javier Morales
Miguel Ap
átiga
Victor M. Casta
ño
(Universidad Nacional Aut
ónoma de México)
液体、特にテキーラからのダイヤモンドの製法
薬学賞 Donald L. Unger
(USA)
指の関節炎の原因を調べるため、左手の指の関節を60年にわたり毎日、ポキッと鳴らした。(右手の指の関節は鳴らさず)
物理学賞 Katherine K. Whitcome
(University of Cincinnati)
Daniel E. Lieberman
(Harvard University)
Liza J. Shapiro
(University of Texas)
妊娠女性は何故 転倒しないのかの分析
文学賞 アイルランド警察 ポーランド語の「運転免許証」のPrawo Jazdyを人の名前と勘違いし、この名前で50枚以上の交通違反切符を切った。
公衆衛生賞 Elena N. Bodnar
Raphael C. Lee
Sandra Marijan
(USA)
緊急時に2つのガスマスクになるブラジャーの発明
1枚は本人用、他は近くにいる人用)
数学賞 Zimbabwe準備銀行頭取 1セントから100兆ドルまでの紙幣を発行し、国民に日常、小さな数字から膨大な数字までを扱えるようにした。

参考

2006/10/13 ノーベル賞とイグ・ノーベル賞
2007/10/8   2007年イグ・ノーベル賞
2008/10/4   2008年イグ・ノーベル賞

付記

公衆衛生賞のGas-Mask BraはTime 誌の2009の5つの最悪の発明の4位に選ばれた。

1位はオムロンが開発した笑顔をチェックするシステム「スマイルスキャン」。
接客サービスの向上などが狙いのシステムで、カメラ映像の中から顔を認識して「笑顔度」を0〜100%で測定する。オムロンによると、鉄道会社の駅員や病院の看護師らに利用が広がっている。

Time's 5 Worst Inventions:
1.
"Smile Checks"
2.
小説 "Pride and Prejudice and Zombies"
  Jane Austen の小説 Pride and Prejudice の登場人物と舞台だけを借りて、ゾンビアクションにした小説
3. 犬用のSnuggie
  (Snuggie:フリース素材のブランケットに袖が付いた今アメリカで超話題商品)
4. The Gas-Mask Bra
5.
自動的に生徒の作文を採点する英国で使われているコンピュータ。
  


2009/10/5 ダノン、ワハハに中国JVの持株売却

ダノンとワハハは9月30日、両社が友好的に和解したと発表した。

ダノンはワハハとのJVの51%の権利をワハハに売却する。売却代金は明らかにされていない。
中国政府の承認を得て実施する。
これに伴い、両社間の法的争いは全て終了する。

付記

和解後のため無意味となったが、同日の9月30日にストックホルム商工会議所は、ワハハ側が契約に違反し、ダノンに巨大な損害を与えたとの結論を出した。

売却代金が3億ユーロであるとの報道がなされたが、Danoneはコメントを拒否した。

ダノンのCEOは、「ダノンは1987年以来、中国に注力してきたが、更に活動を強める」と述べた。

ワハハの宗慶後会長は、「中国は開放されており、中国国民は寛大だ。中国企業は平等と相互利益の原則で世界の大企業と協力し、成長していくことを望んでいる」と述べた。

ーーー

フランスのダノンはヨーグルト等の新鮮乳製品で世界一、Evian、Volvic、Aqua 等のブランドの炭酸飲料水で世界一、ビスケットやCereal 製品で世界第二のメーカーである。

1996年にダノンと 全国人民代表大会の浙江省代表を務める有力者の一人で Forbes 誌で中国で23位の金持ちとされる宗慶後氏のワハハグループが49%、ダノン51%のJV 「杭州娃哈哈集団」を設立し、「娃哈哈(ワハハ)」ブランドの炭酸飲料水を売り出した。

1996/2/29   Wahaha Group Ltd DanoneJV契約締結
 
商標移転契約(WahahaブランドをJVに)、非競合契約、守秘契約を含む。
1996/3/28   中国で5つのJV設立で合意、宗慶後が会長に就任。その後JVは39社に。
     
2000年   Wahaha Group Ltd.が改組、杭州市政府が46%所有の会社に。
    6年間で独自に17社を設立し、Wahahaブランドで製品を販売。
     
2006年末   DanoneがWahahaに対し、これらの会社の51%の買収を提案(519百万ドル)、Wahahaが拒否(「安すぎる」)
     
2007/5/9   DanoneがJV契約に関する仲裁をストックホルム商工会議所に申請
(JV契約では仲裁はストックホルム商工会議所で行うこととなっている)
    Wahaha613日に杭州市の仲裁委員会に仲裁を要請。
     
2007/6/4   Danoneがロスアンジェルスの裁判所に訴訟、その後訴訟合戦。 

その後、商標移転契約を政府が承認しなかったことが明らかになった。ワハハ側はダノン側に伝えたとしている。
しかし商標移転契約が発効しなくても、競合禁止の契約は生きており、別会社でワハハブランドの製品を販売することは認められるものではない。

逆にワハハ側はダノンが競合禁止に違反していること、ダノン側の経営上の問題などを主張した。

過去の記事
  2007/6/15 仏食品メーカーのダノン、中国で「ブランド流用」で合弁企業と対立
  2007/7/12 ダノンとワハハの争い、更に深刻化
  2007/9/14 ニュースのその後 ダノンとワハハの争い
  2007/11/30 ダノンとワハハのその後
  2007/12/23 ダノンとワハハ、和解交渉へ
  2008/4/28 ダノン/ワハハのその後 ー 宗慶後会長の脱税事件

ーーー

明らかにダノン側の完敗である。
1996年に設立し、中国最大の飲料会社となったJVを中国側に渡すことになり、最初からやり直すこととなる。

Wahaha Group 杭州市政府が46%所有の会社になっており、会長の宗慶後は全国人民代表大会の浙江省代表を務める有力者の一人である。

今回の争いで、中国の企業や住民はDanoneに対し民族主義的な感情(「外国の悪魔」)を持った。

中国での訴訟や仲裁はワハハ側に圧倒的に有利である。

仮にダノンがストックホルムの仲裁で勝ったとしても、中国でボイコットを受けて事業が出来なくなる可能性が強い。
(現実に、多くの
JVのディストリビューターがJV製品の販売を止め始めた。)


敗因はJVのブランドを世界的に有名なダノンではなく、中国側パートナーのワハハにしたことである。
ブランドをダノンにしておけば、このような事態は起こらなかった筈である。

中国での事業の難しさを示す一つの例である。


2009/10/6  Sinochem、豪州農薬会社Nufarmを買収へ

中国中化集団公司(Sinochem)は9月28日、28億豪ドルでNufarmを買収する非拘束契約を締結した。先ずSinochem がdue diligenceを行い、その後、独占ベースの売買契約を締結し、株主及び両国当局の承認を得る。

Nufarm 2007115日に中国化工集団公司 (ChemChina)Blackstone Group 及び Fox Paine Management III, LLC からの26億米ドルでの買収提案を受けた。

コンソーシアムはその後、Nufarm との話し合いに基づき、due diligence を行なった。

しかしながら、コンソーシアムは交渉期限の同年1210日までに正式提案をすることが出来ないと通知し、その結果、交渉は打ち切られた。グローバルな信用収縮により、有利な借入ができなくなったのが理由とみられている。

2007/12/15 ChemChina 等の豪州の農薬会社Nufarm 買収交渉、破談

Sinochem はエネルギー、農業資材、化学品、ファイナンス、不動産をコア事業として展開する国営企業で、農業資材では肥料、農薬、種子を扱う中国最大の企業である。

Nufarmジェネリック農薬の大手で、特に豪州、欧州、北中南米に強みをもつ。

この買収はこの分野での研究開発、製造、販売、サービスのチェーンのグローバル企業になるというSinochemの戦略に合うものである。

付記

Nufarm12月21日、Sinochemが上記の非拘束契約を締結できないとし、112豪ドルでの買収を再提案したこ とを認めた。Nufarmの 取締役会はこれを慎重に審議し、この再提案を受けるのは株主の利益にとり最善とはいえないと判断した。

住友化学は2009年12月29日、豪州農薬会社 Nufarm Limited の発行済み株式の20%の取得ならびに同社と農薬事業の包括的な事業提携を行う方向で、基本的な枠組みを定めた覚書を締結したと発表した。

住友化学は2010年4月12日、20%取得を発表した。

2010/1/4 住友化学、豪州農薬メーカー Nufarm と包括的業務資本提携へ

ーーー

豪州では資源会社や鉱山権益の獲得に走る中国の動きに警戒感が広がっており、事実上の買収防衛に踏み切った。
外国投資審査委員会(
FIRB)は本年9月に、国内大手資源会社に対する外資の出資比率を15%未満に、鉱山開発などの新規案件で外資が地元資本と合弁会社などをつくる場合は50%未満に制限する方針を示した。 

西豪州にあるレアアース鉱 Mt Weld 鉱を開発する Lynas Corp. は本年5月、中国の国有非鉄大手、中国有色鉱業集団(China Nonferrous Metal Mining Co.)から252百万豪ドルの出資(マジョリティ)を受け入れることを決めた。
2009/5/16 中国、レアアースでも豪州に進出

豪州のForeign Investment Review Board924日、中国有色鉱業の出資を50%未満、取締役を50%未満にするよう要求、有色鉱業はこれを拒否し、撤退した。

本件について資源会社ではないため上記は該当しないが、豪州政府の対応が注目される。

ーーー

Sinochem国務院国有資産監督管理委員会の管理下の主要な国営企業の一つ。2009年の“Fortune Global 500”では170位にランクされている。

1950年設立で、農業資材、エネルギー、化学品、ファイナンス、不動産の5つのセグメントから成っている。
2008年の売上高は452億ドル、純損益は9.44億ドルである。

1)農業資材(肥料、農薬、種子)

・中国最大の肥料のサプライヤーで、中国に13箇所に工場を持ち、輸入品を含め2008年の販売数量は1,622万トンで、中国でのシェアは18%となっている。
子会社Sinofert (中化化肥)が中心となっている。

・農薬の2008年の売上高は70億人民元で、中国の農薬の輸入、輸出の最大の会社となっている。

2007年に旧化学工業省の下のファインケミカルの研究開発機関であった瀋陽化工研究院(SYRICI
)と合併した。
2008年には浙江石油化学の大株主となり、その子会社の浙江化工科技(南中国)を傘下に収め、SYRICI(北中国)と合わせ技術力を強化した。

2008年に瀋陽
New Pesticide Industrial Park の建設を開始した。

・種子では2007年に 中国種子集団(China National Seed Group)と合併した。

2)エネルギー

Sinochemは中国の国営石油会社4社の1社である。
(他は、
Petro China:中国石油天然ガス、Sinopec:中国石油化工、CNOOC :中国海洋石油)

元々国営の石油トレーディング企業であるが、探鉱開発,生産,精製まで一貫操業を行う会社を目指している。

E&PExploration & Productionについては、主に国外の油ガス田買収や製油所への資本参加等により参入を図る計画で、2000年に海外石油ガス田の探鉱開発を行う「中化石油勘探開発」を設立,2002年に2億500万米ドルでノルウェーの油田サービス会社Petroleum Geo-Serviceの子会社Atlantis社を買収し,オマーン,UAE,チュニジア等の石油ガス権益を取得した。

8月12日、同社はロンドンで上場しているEmerald Energy社の全株を5億3,200万ポンド(8億7,500万US ドル相当)で買収すると発表した。これにより、シリア、コロンビア、ペルーにおける石油・天然ガス事業に乗り出す。

3)Chemical

当初からのコア事業の1つで、主たる製品は、フッ素化学品、医薬品(原体、中間体を含む)、ゴム製品、石油化学原料などである。

鎮江奇美化工(Zhenjiang Chi Mei Chemical) は本年2月に江蘇省鎮江市で10万トンのABSプラントをスタートさせたが、同プラントの一部の機器は、Sinochemから購入した。

Sinochemは江蘇省太倉市で6万トンのABSと2万トンのPTMEGプラントの建設を計画したが、ABSについては計画を中止。現在太倉には、2万トンのPTMEGと2万トンのHFC-134a (フロン代替)がある。

2009/2/26  中国のABSメーカー


2008/10/7 タイの行政裁判所、ラヨンの76事業に凍結命令

タイ中央行政裁判所は9月29日、同国東部のラヨン県マプタプット地区で計画されている石油化学などの76事業、総投資額4000億バーツについて、ラヨンの住民とAnti-Global Warming Association による違憲の訴えの最終判決を下すまで一時凍結するようタイ政府に命じた。

裁判が長引けば外国直接投資や雇用、経済全体への悪影響が避けられないと見られ、タイ政府は10月2日、凍結命令の取り消しを最高行政裁に求めた。

付記

最高行政裁の結論が出るまで、操業は続けられる。

2007年発効のタイの現行憲法は地域の環境・健康に被害を与える恐れがある事業活動について、
▽環境・健康アセスメントの実施
▽公聴会の開催
▽ 環境・健康アセスメントを行う独立機関の設置――を義務付けている。

中央行政裁判所は今年3月、マプタプット地区で深刻な環境汚染が起きているとした原告住民 の訴えを認め、全域を公害防止地域に指定するようタイ環境委員会に命令。これを受け同地区の住民と環境保護団体がPTTなどの事業が憲法の要件を満たして いないとして行政裁に建設中止を求めていた。

対象となる事業には以下のものが含まれる。
 インドのAditya Berla Chemicals
(アジア7位のセメントメーカー)の3計画
 Bayerの2計画(ポリカーボネートか?)
 豪州のBluescope Steel
の計画
 
Siam Yamato Steel(Siam Cement と大和工業子会社ヤマトスチールほかのJV)の計画
 
MTP HPPO Manufacturing (DowSiam Cement JV)の計画

タイの外国企業商工会議所議長は、これにより商業生産開始が遅れたり、資金が引き上げられるのを恐れるとし、政府が問題にきちんと対応するよう求めた。
環境保護は理解するが、環境保護と同時に投資とのバランスが取れるよう、法律をよく見て欲しいとしている。

25のプロジェクトが対象となったPTTは不満の意を表明し、凍結命令取り消しが拒絶された場合、他の企業と対応を検討するとしている。

JETROバンコックは、1970-80年代に同様の問題に対応した日本政府の経験を参考にして欲しいとしている。

タイ商工会議所では裁判所の命令が投資者の信用を危険なほど揺るがしているとし、早急に解決しないと外資が逃げてしまうとしている。


2009/10/8  最近の欧州の独禁法の事例

1.100%子会社の違反に対する親会社への制裁金問題

欧州委員会は200412月に、BASFUCBAkzo Nobel の欧州3社と米国のBioproducts DuCoa、カナダのChinook の6社が、992年から1998年にわたって、家畜用のビタミンB4 (塩化コリン)で国際カルテル(価格、市場割当)を結んだとして欧州3社に制裁金を科した。

これに対し、欧州3社は第一審裁判所に控訴、2007年に判決があった。

BASFとUCBの主張は1992年から94年は国際カルテル、それ以降は欧州カルテルで別カルテルであり、前者は時効だとするもので、第一審裁判所はこれを認め、制裁金の計算をやり直した。(UCBは大幅減額、BASFは増額)

Akzo は子会社が行なったカルテルで親会社に制裁金を科すのはおかしいとしたが、判決はこれを却下した。このため、Akzoは上告した。

2007/12/14 欧州第一審裁判所がカルテルの制裁金を増額 

欧州の最高裁判所は9月10日、 「親会社は、自ら独禁法違反行為をしていなくとも、子会社の行為に責任を持つ」との委員会の主張を認め、Akzoの上告を却下した。

裁判所の判断は以下の通り。

重要なことは親会社が子会社と一つの経済体をつくっているかどうかである。

子会社の100%を保有している場合、親会社は子会社のポリシーに決定的な影響を与えている。子会社が日常の活動を独立して行っているというだけでは反論できない。

EUの独禁法では"undertakings(事業体"の活動が問題とされる。
親会社と子会社が一つの
undertakingsを形成しておれば、委員会は親会社に制裁金を科すことが出来る。
親会社が子会社のポリシーに決定的な影響を与えているということを示すためには、親会社が子会社の
100%を保有していることを示すだけでよい。

 

2.コンクリート用棒鋼カルテル事件
   裁判所で敗訴した事件で再度 制裁金

欧州委員会は9月30日、1989年12月から2000年5月までのコンクリート用棒鋼での価格カルテルでイタリアの8社に合計83百万ユーロの制裁金を科した。

本件は2002年12月、欧州委員会が当時の 欧州石炭鉄鋼共同体条約65(1)の違反で、同条約65 (4) (5)に基づき、制裁金を科した。

1951年にパリ条約が調印され、フランス、西ドイツ、イタリア、ベルギー、オ ランダ、ルクセンブルクが参加し欧州石炭鉄鋼共同体が設立された。

条約の第65 (1)ではundertakings(事業体)のカルテル行為を禁止している。

All agreements between , decisions by associations of undertakings and concerted practices tending directly or indirectly to prevent, restrict or distort normal competition within the common market shall be prohibited, and in particular those tending:

(a) to fix or determine prices;
(b) to restrict or control production, technical development or investment;
(c) to share markets, products, customers or sources of supply.

65 (4) (5)では手続きを決めている。

2002年にパリ条約が失効し、欧州石炭鉄鋼共同体の活動や資源は欧州共同体に吸収された。

EC条約では81条と82条で上記65 (1)の独禁法規定を引き継いでいる。
   
81条:競争制限の禁止
   
82条:独占的地位

しかし裁判所は、欧州石炭鉄鋼共同体条約が20027月に切れているため、同条約65 (4) (5)に基づいた制裁金命令は違法であるとし、敗訴となった。

欧州委員会は今回、当時の欧州石炭鉄鋼共同体条約 65(1)違反とし、旧法に置き換わったEC条約8182条執行手続きである7 (1)及び2003年のRegulation No 123 (2) に基づき、再度制裁金を科したもの。

同じ案件であるため、制裁金の額は(1社の少額の減額を除き)前回と同じである。

Neelie Kroes 委員(競争政策担当)は、「カルテル参加者は手続き面の理由で制裁金を逃れることは出来ないとの明確なメッセージを送った」と述べた。

 

3.変圧器カルテル

ECは10月7日、富士電機、日立、東芝を含む7社に変圧器カルテルで合計67,644千ユーロの制裁金を科したと発表した。

7社は1999年から2003年にかけて「紳士協定」を結び、日本メーカーは欧州に売らない、欧州メーカーは日本に売らないことを決めたというもの。年に1〜2回、アジアと欧州の高級ホテルで会合を開いていた。

     Leniency 制裁金
(Euro)
備考
減額(%) 減額(千Euro
Siemens (Germany)    100   33,360     0 カルテルを通知
ABB (Switzerland)      33,750 重犯で50%増し
ALSTOM SA(France)      16,000  
AREVA T&D SA (France)     18    2,970 うち 13,530
Fuji Electrics (Japan)     40    1,156   1,734  
Hitachi (Japan)     18     450   2,460  
Toshiba (Japan)      13,200  
合計      67,674  

付記

東芝は12月24日、「当社の調査では欧州競争法に違反する行為を行っていない」として欧州一般裁判所に提訴したと発表した。

欧州一般裁判所は2014年5月21日、これを却下した。

東芝は同年7月、欧州司法裁判所に上訴した。

付記

東芝は2016年1月20日、欧州司法裁判所から東芝の行為を認める判決を受領した。

 

ーーー

日本のメーカーが欧州で販売しないために制裁金を科せられたのは、これまでに送電設備(ガス絶縁開閉装置)カルテルがある。

   2007/1/26 EU、電力用ガス絶縁開閉装置のカルテルで1200億円の制裁金 


2009/10/9 公取委、外国事業者に排除措置命令と課徴金納付命令

公取委は10月7日、外国事業者を含むテレビ用ブラウン管の製造販売業者らに排除措置命令及び課徴金納付命令を出したと発表した。2007年11月に米国、EUと同時期に調査を開始したもの。

日本のブラウン管テレビ製造販売業者(オリオン電機、三洋電機、シャープ、日本ビクター、船井電機)の現地製造子会社等が購入するテレビ用ブラウン管について、遅くとも2003年5月ころまでに、2か月に1回程度、ミーティングを継続的に開催し、おおむね四半期ごとに次の四半期におけるその現地製造子会社等向け販売価格の各社が遵守すべき最低目標価格等を設定する旨を合意することにより、公共の利益に反して、特定ブラウン管の販売分野における競争を実質的に制限していた。

公取委が国際カルテルで海外企業に課徴金納付を命じたのは初めて。

外国法人間の取引では日本の独禁法は適用できないが、公取委は今回、日本の電機大手の親会社がブラウン管の購入価格などを交渉していたため、日本の親会社と現地製造子会社は一体だとして、日本の市場にも悪影響を及ぼしたと認定、同法が適用できると判断した。

    価格
決定
出荷   排除措置
命令
課徴金納付
命令
 
MT映像ディスプレイ     大阪府   ○   −  
 MT Picture Display (Malaysia) Sdn. Bhd. 子会社   Malaysia   −   650,830千円 清算手続き中
 PT. MT Picture Display Indonesia 子会社   Indonesia   −   580,270 清算手続き中
 MT Picture Display (Thailand) 子会社   Thailand   −   566,140 清算手続き中
Samsung SDI     Korea   ○   −  
 Samsung SDI (Malaysia) BERHAD 子会社   Malaysia   −  1,373,620  
LG Philips Displays Korea   Korea   −   151,380 事業譲渡
 P.T. LP Displays Indonesia     Indonesia   − *(10億円以上)
→ 
932,680
 
Chunghwa Picture Tubes     Taiwan   ー   − 自主申告
 Chunghwa Picture Tubes (Malaysia) Sdn Bhd. 子会社   Malaysia   ー   −  
Thai CRT   Thailand   −   − 解散消滅
合計          2  4,254,920  

◎印の5社が、共同して特定ブラウン管の最低目標価格等を設定し、日本のブラウン管テレビ製造販売業者と価格等の交渉を行い、各社の子会社等(○印)が指示を受けて、日本のブラウン管テレビ製造販売業者の現地製造子会社等に出荷していた。

付記 公取委発表(2010/3/29)

上記のうち命令書の送達を行うことができなかった3社に対し、3月27日までに公示送達により課徴金納付命令を行った。
(送達すべき書類を送達を受けるべき者にいつでも交付すべき旨を公正取引委員会の掲示場に掲示)

    価格
決定
出荷   排除措置
命令
課徴金納付
命令
Samsung SDI     Korea   ○   −
 Samsung SDI (Malaysia) BERHAD 子会社   Malaysia   −  1,373,620
 P.T. LP Displays Indonesia     Indonesia   −   932,680
             
総合計            4,254,920

付記

MT映像ディスプレイに対する排除措置命令、海外子会社3社に対する課徴金納付命令について、同社から審判請求が行われたため,公取委は2010年1月27日、審判手続開始を同社に通知した。

Samsung SDIに対する排除措置命令について、同社から審判請求が行われたため,公取委は2010年5月12日、審判手続開始を同社に通知した。

Samsung SDI(Malaysia) に対する課徴金納付命令について、同社から審判請求が行われたため,公取委は2010年7月26日、審判手続開始を同社に通知した。

付記 2015年5月22日審決

 MT映像ディスプレイ及びSamsung SDI
  
排除措置命令を取り消す。
   排除措置命令時までに独禁法違反の行為があり,当該排除措置命令時において既に当該行為がなくなっていると認められる。

 MT Picture Display (Malaysia) 、MT Picture Display (Thailand) 、Samsung SDI (Malaysia)
  
審判請求を棄却する。

付記 Samsung SDI (Malaysia)は審決の取消しを求めたが、東京高裁は2016年1月29日、請求を棄却した。

付記  

MT映像ディスプレイと海外子会社3社による価格カルテルに関する審決取消請求事件について、東京高裁は2016年4月13日、原告の請求を棄却した。
    2016/4/23  
日本企業の海外子会社による他の日本企業の海外子会社向けの価格カルテルで有罪 

ーーー

MT映像ディスプレイは旧 松下東芝映像ディスプレイ(松下/東芝JV)で、現在はパナソニックの100%子会社。

 MT Picture Display (Malaysia)は2007年10月に解散の決議を行い、同日付けで清算手続を開始。
 
PT. MT Picture Display Indonesia20079月に操業停止、同日付けで清算手続を開始。
 
MT Picture Display (Thailand) 20095月に解散決議を行い,同日付けで清算手続を開始。

LG Philips Displays Korea20097月に韓国のMeridian Solar & Displayにテレビ用ブラウン管の製造販売に係る事業を譲渡。

Thai CRT20076月に解散決議を行い、その後、消滅。

ーーー

Samsung 系2社は同日、公取委に国内代理人の解任を伝えたため、海外送達手続の完了まで命令の効力は発しない。

P.T. LP Displays Indonesiaには10億円以上の課徴金納付を命じる方針だが、同社は日本で代理人を選任しておらず、外交手続きにより意見申述・証拠提出の機会を付与するための手続を行っている。

注 [email protected]条3
公正取引委員会は、排除措置命令をしようとするときは、当該排除措置命令の名あて人となるべき者に対し、あらかじめ、意見を述べ、及び証拠を提出する機会を付与しなければならない。

◎印5社のうち、LGは事業譲渡、Chunghwaは自主申告、タイのメーカーは会社が解散したため、排除措置命令対象から外れた。

ーーー

パナソニックは以下の通り発表した。

MT映像ディスプレイ株式会社はブラウン管事業からの撤退を決定しておりますが、今回の排除措置命令および課徴金納付命令に関する公正取引委員会の判断については、これまでの独占禁止法の考え方並びに運用と異なる点もあることから、今後、審判請求も視野に入れて慎重に対応を検討してまいります。

付記

パナソニックは2009年11月6日、「公正取引委員会の判断はこれまでの独占禁止法の考え方ならびに運用と異なり、承服できるものでない」とし、審判請求を行った。

公取委は4社から審判請求が行われたため、審判手続を開始することとし、2010年1月27日、各社に通知した。

審判請求したのは、
 排除措置命令:MT映像ディスプレイ
 課徴金納付命令:
    
PT. MT Picture Display Indonesia
    MT Picture Display (Malaysia)
    MT Picture Display (Thailand)


2009/10/10 BASF、2013年までにアジアに20億ユーロ投資

BASFは9月29日、「アジア太平洋の2020年戦略」の概略を以下の通り発表した。

 ・2020年まで毎年、アジア太平洋化学市場よりも平均で2%ポイント高い成長を目指す。
 ・販売の70%は同地で生産する。
 ・最低5,000人を増員(15,000→20,000)
 ・2009-2013年で20億ユーロを投資
 ・効率改善で2012年までに年間1億ユーロの合理化

同社では地域市場の伸び率を4-5%と予想しており、2%ポイント高い成長により、2020年までに売上を倍増する。
新戦略では同地域で5つのキイとなる成長市場を狙う。

同社は既に中国、日本、韓国、マレーシア、インドなど15カ国に進出しているが、ベトナムや中国内陸部など急速に発展している地域にも積極的に進出を考える。

1)20億ユーロの投資(2009-2013年)には以下を含む。

 南京のシノペックとのJV・BASF-YPCの14億ドルの増設計画の50%持分
 重慶では
MDI 40万トン計画(2014年初めの商業運転を目指す)

2)5つのキイとなる市場

 自動車、建設、包装、ペイント・コーティング、医薬

 BASFの事業例:
   自動車軽量化のためのエンプラ、省エネ住宅のための断熱システムとコンクリート混和剤、
   生分解性包装資材、環境にやさしいペイント材料、医薬中間体

3)増員

 中国とインドに雇用を進めるためのリクルートセンターを設立した。
 特に中国とインドで2020年までにR&D要員を倍増する。
 (現在はアジア太平洋で15のR&D拠点で300人を雇用している)

 アジアのニーズに合わせた製品や使用方法、問題解決策を需要家と一体となって開発する。

4)合理化

 Site Optimization Project (工場最適化計画)により、デボトルネッキングや、
 他の製品や他の工場とのシナジー効果で能力を増やす。
 この投資は
1年以内に回収することを狙う。

 

参考  2006/7/10 BASFの中国戦略

 


2009/10/12 デュポン、利益回復に時間

デュポンは10月7日、証券取引委員会への報告の中で、2008年の利益水準に戻るのは早くても2012年になるとの見通しを発表した。

Vergnano副社長は前日の投資家への説明で、2008年の利益水準(前年比33%減)に戻るのに2.5年〜3年はかかると述べた。
2008年の同社の1株当たり利益は2.20ドルであったが、アナリストは2009年予想を1.82ドルとみている。

副社長によると、この予想には医薬部門の減益を折り込んでいる。

2008年の税引前損益36.5億ドルのうち、医薬部門は10.25億ドルと28%を占める。(2007年では19%)

                          単位:百万ドル
  2008年  2007
Net Sales   30,529   29,378
税引前損益   2,391   3,743
Net profit   2,007   2,988
     
税引前内訳    
Agriculture & Nutrition   1,087    894
Coatings & Color Technologies    326    840
Electronic & Communication Technologies    436    594
Performance Materials    128    626
Safety & Protection    829   1,199
Pharmaceuticals   1,025    949
Other    -181    -224
(小計)   (3,650)   (4,878)
Net exchange loss    -255    -85
Corporate expenses & net interest   -1,004   -1,050
合計   2,391   3,743

DuPont 1991年にMerck との50/50JVDuPont Merck Pharmaceutical を設立した。パーキンソン病の薬Sinemet(R)、心臓画像診断剤Cardiolite(R)、抗高血圧薬のCozaar(R)Cozaarチアジド系利尿剤 との合剤 Hyzaar(R)などが上市された。
Cozaar Hyzaar Merckで販売された。

1998年にDuPont DuPont MerckのMerck 持分を買収し、同社をDuPont Pharmaceuticals と改称した。その後、ヒト免疫不全ウィルス(HIV)用の薬としてSustiva (R) が上市された。

しかし、DuPont の力をもっても医薬事業で生き抜くのは難しく、販売減と、研究開発費・販売費の増大により、1999年から2000年に営業利益が半減した。

DuPont は2001年、世界の事業の構造改革を実施した。
4月に競争力を失ってきたポリエステルおよびナイロン工場の閉鎖を発表、3カ月後にはポリエステル事業の一部を売却した。

同年6月、
DuPont PharmaceuticalsBristol-Myers Squibbに売却するという決断をした。医薬品事業に必要な巨額投資は、同社にとっても、あまりにリスキーだったからである。

売却額は78億ドルで、税引き後利益は38億6,600万ドルであった。
但し、条件として、
Cozaar抗高血圧薬)と HyzaarCozaar利尿剤との合剤の権利は DuPont が維持し、Merckにライセンスした。
現在の「医薬部門」の利益はこの特許料である。

しかし、これらの医薬品の特許は9月にEUで失効、米国でも来年4月に失効する。

これに伴う利益の減少が大きい。

 


2009/10/13  三菱ガス化学、重慶のメタノール計画撤回

三菱ガス化学は中国・重慶市で計画していたメタノール合弁事業を白紙撤回する。10月7日の日本経済新聞が報じた。

原料の天然ガスの中国の価格が計画当初に比べて約2倍に高騰しており、価格や費用などの条件面で折り合わなかったという。

ーーー

当初の計画は、2005年上半期に三菱ガス化学 51%、重慶化医 49%出資で JV を設立し、投資額 2億ドルで年産85万トンのメタノール工場を建設するもので、2008年の建設完了を目指していた。

2004年8月に国家発展改革委員会(NDRC)から詳細事業化調査を行う正式許可を得て、FSを続けていた。

その後、状況が変わった。

国家発展改革委員会(NDRC)は2007年夏に、新しい天然ガス活用政策を発表した。830日から適用された。

天然ガスの利用は、都市ガス、産業ガス、発電、化学品の4つに分類され、都市ガス用の利用が最優先される一方、メタノール用の使用が禁止された。社会面、環境面、経済面を考えた選択としている。

メタノールについては、これから建設を開始する計画が禁止されるが、稼動中のものや建設完了のもの、ガスの供給契約を締結済みの建設中のものについては除外される。

2006年の中国のメタノールの生産量は 762万トンだが、メタノール能力のうち、7580%が石炭ベース、20%程度が天然ガスベースで、残り僅かがコークス炉ガスやオフガスとなっている。

他の石油化学や発電用も制限又は禁止された。例えば石炭が豊富な地域での天然ガスによる発電は禁止される。

また、パイプ輸送を進めるため、大規模、中規模のガス田でのLNG製造計画が禁止された。

重慶化医集団によると、JVの計画は2007年7月5日に事業実施の承認を取得した。
新しい天然ガス活用政策ではメタノールの新規計画は禁止となるが、
ガスの供給契約を締結済みの建設中のものについては除外されるため、本計画は禁止の対象にはならないとされた。

本計画の定礎式が2007年12月26日、副市長その他の出席のもと、重慶市の重慶ケミカルパークで行なわれた。

重慶化医によると、投資額は21億人民元(約290百万ドル)で、公称能力は年産85万トンだが、実能力は100万トンになるという。
2008年上半期に着工し、2010年の下半期のスタートを目指すとした。

しかし、三菱ガス化学側は何も発表しておらず、本事業をやるかどうかについて、まだ結論を出していないとした。

上記の天然ガス規制などに関連して(承認取り消しを恐れて)、中国側が実績つくりをした可能性もある。

2008/1/11  重慶ケミカルパークのメタノール事業

 

なお、三菱ガス化学では南京市の南京ケミカルパークにメタノール誘導品の子会社を持っている。

社名: 菱天(南京)精細化工 Lingtian (Nanjing) Fine Chemical Company Ltd.
出資:三菱ガス化学 85.1%
    伊藤忠ケミカルフロンティア 10.0%
    伊藤忠商事 4.9%

製品:ジメチルアミン、ジメチルホルムアミド(40千トン)及びジメチルアセトアミド(10千トン)

   
第二期計画として、トリメチロールプロパン

 


2009/10/14 ポリプロカルテルで高裁判決

2000年のポリプロカルテルについては、トクヤマ、出光興産、住友化学、サンアロマーの4社が2007年8月8日の審決を不満として東京高裁に審決取消を求めて提訴していたが、その判決が9月25日にあったことが、10月13日付けの公正取引委員会メールマガジンで明らかになった。

4社は
(1)本件審決は原告ら7社の間でポリプロピレンの販売価格の引上げに関する合意を行ったと認定しているが、そのような事実はなく、
(2)本件審決の事実認定は、引用する証拠自体が実験則や経験則に反しており、実質的な証拠がないなどとして、本件審決の取消しを求めた。

東京高裁は、本件審決の認定は、経験則、採証法則等に反するとはいえず、実質的証拠があって、本件審決が(上記)会合において本件合意(意思の連絡)が成立したと認めたことは合理的であるということができ、本件審決には、原告らの主張するような違法はなく、原告らの請求は理由がないとして、原告らの請求をいずれも棄却した。

判決文 http://snk.jftc.go.jp/JDS/data/pdf/H210925H19G09000035_/090925.pdf

このなかで、「意思の連絡」について、下記の通り述べている。

[email protected]条で禁止されている「不当な取引制限」すなわち「事業者が、他の事業者と共同して対価を引き上げる等相互に事業活動を拘束し、又は遂行することにより、一定の取引分野における競争を実質的に制限すること」(2条6項)にいう「共同して」に該当するというためには、複数事業者が対価を引き上げるに当たって、相互の間に「意思の連絡」があったと認められることが必要であると解される。
この「意思の連絡」とは、複数事業者間で相互に同内容又は同種の対価の引上げを実施することを認識ないし予測し、これと歩調をそろえる意思があることを意味し、一方の対価引上げを他方が単に認識、認容するのみでは足りないが、
事業者間相互で拘束し合うことを明示して合意することまでは必要でなく、相互に他の事業者の対価の引上げ行為を認識して、暗黙のうちに認容することで足りると解するのが相当である。(中略)
特定の事業者が、他の事業者との間で対価引上げ行為に関する情報交換をして、同一又はこれに準ずる行動に出たような場合には、その行動が他の事業者の行動と無関係に、取引市場における対価の競争に耐え得るとの独自の判断によって行われたことを示す特段の事情が認められない限り、これらの事業者の間に、強調的な行動をとることを期待し合う関係があり、上記の「意思の連絡」があるものと推認されるのもやむを得ないというべきである(以上につき、東芝ケミカル事件に関する前掲東京高裁平成7年9月25日判例参照)。なお、事業者としては、特段の事情の立証により上記の推認を破ることができるほか、
対価引上げに関する情報交換という不明朗な行為自体を避けさえすれば、上記の推認を受けないものである。

住友化学は14日、「主張が認められなかったことは残念だが、上告しないことにした」とのコメントを発表した。
残りの3社はいずれも「今後の方針を現在検討中」としているが、事態は収束の方向に向かうと見られる。

付記 

原告のうちトクヤマから上告及び上告受理申立てが行われ,現在係属中となっているが, それ以外の原告については,当該判決が確定した。

ーーー

本件の経緯は下記の通りで、公取委の立入検査(2000/5/30)から9年もかかっている。

2000 1 21 部長会で値上げの必要性について意見交換
    2 7 現状のPPの販売価格で採算が取れるナフサ価格の水準 17,000〜18,000円/kl で共通認識
(各社:共通認識はない)
    2 21 PPの値上げについて意見の一致をみず
    3 6 4月以降のナフサ価格の見通し 22,000から23,000円/klで一致
10円/kg目処の
引き上げで合意
(各社は「合意なし」と主張)
    3 17 各社の値上げの打出しの内容、対外発表時期等を確認
(各社:値上げ手続き後であり、事前合意がなくとも進捗状況の話はする)
    3 27 各社の責任分担ユーザーを取り決め
(各社:送別会の集まり。酒席で,各社が値上げ交渉に入っている中での難物ユーザーの名を挙げることは、カルテル合意
     の存在を前提としなくても行われ得る)
   4   (4/15〜5/1)各社の値上げ実施予定日 →課徴金計算始期
   5 30 公正取引委員会が立入検査   →前日が課徴金計算終期(2007/6/19 審決:日本ポリプロ、チッソ)
  9   チッソ、日本ポリケム、グランドポリマー 
 本件合意から離脱する旨等を他の各社に文書で通知→
課徴金計算終期(2003/3/31納付命令:三井化学
2001 5 30 公取委勧告
 

 拒否:住友化学、サンアロマー、出光石油化学(→出光興産)、トクヤマ
      
2001/6/27 審判開始決定
          9/12 第1回審判
      2006/8/4  第28回審判(審判手続終結)


 応諾:日本ポリケム
(→日本ポリプロ)、グランドポリマー(→三井化学)、チッソ

 ○日本ポリケム:
   勧告を厳粛に受け止めている

 ○グランドポリマー:
   ・
合意が成立など認識と異なる部分もあり、応諾するか否か苦慮
   ・まぎらわしい行為があったことも事実
   ・早く結論を出して欲しいという社員の気持にも配慮し、応諾
   ・認識と異なる点については上申書提出

 ○チッソ:
   早く事業に専念したいため
応諾

2003 3 31 応諾3社に課徴金納付命令
日本ポリケム  8億4517万円 →審判
三井化学
(グランドポリマー)
 7億6008万円 →応諾
チッソ  4億3513万円 →審判
2007 6 19 日本ポリプロ、チッソ審決
日本ポリプロ
(日本ポリケム)
 2億2087万円
チッソ  1億1662万円

課徴金計算終期の見直しで当初の命令より大幅減額

2007 8 8 勧告拒否4社に審決

  結論 独禁法違反あり(各社は否定しているが)

住友化学、サンアロマー 価格引き上げ合意の消滅の確認とその周知徹底等
出光興産、トクヤマ 格別の措置なし(PPの製造販売業を実質的に営んでいない)

その後、4社全てが東京高裁に控訴

2008 6 20 公取委、残り4社に対し課徴金納付命令

各社の課徴金は以下の通り。(青字が確定分)

  当初課徴金 審判課徴金 今回の命令
三井化学(グランドポリマー)  7億6008万円    
日本ポリケム  8億4517万円  2億2087万円  
チッソ  4億3513万円  1億1662万円  
出光興産      1億4215万円
住友化学      1億1716万円
サンアロマー         5097万円
トクヤマ         4781万円

公取委は8月29日、4社からの審判手続の開始請求を受け、審判を開始すると発表した。

2009 5 19 公取委、住友化学とトクヤマに対し、課徴金納付を命ずる審決
  2008/6/20命令 2009/5/19審決 付記
2009/10/30審決
付記
2010/2/24審決
出光興産  1億4215万円      1億4215万円
住友化学  1億1716万円  1億1716万円    
サンアロマー     5097万円       5097万円  
トクヤマ     4781万円     4779万円    

出光興産、サンアロマーは審判継続中

2009 9 25 東京高裁、審決取消請求事件で原告らの請求を棄却する判決

 


2009/10/15 中国独禁法による合併審査

2008年8月1日、中国の反壟断法(独占禁止法)が施行された。

合併・買収では以下の点を審査することとなっている。
 ・市場シェアや市場への支配力
   市場独占の判断基準=1社で5割、2社で2/3、3社で3/4以上のシェア 
 ・国民経済や消費者への影響
 ・
国家安全への影響(外資の場合)

1年2ヶ月が経過し、合併審査の実例が溜まった。

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本年1月26日、PfizerWyeth 680億ドルで買収すると発表した。

2009/1/27 PfizerWyeth を買収

中国商務部はこの買収の審査を行っていたが、929日の公告77号で、Pfizerの豚マイコプラズマ性肺炎ワクチン(RespisureRespisure One)の中国本土の事業の売却を条件に買収を承認した。

この分野でのシェアが49.4% (Pfizer 38%, Wyeth 11.4%)となり、2位のIntervet 18.35%をはるかに上回る。その他は10%未満。また、新規参入も難しいとする。

「赫氏指数」HHIHerfindahl-Hirschman Index) が336の増加で2,182となり、集中度が高まり、競争を制限するとしている。

Pfizer によるWyeth買収については、独禁法当局による承認は米国とカナダのみが残っているが、間もなく承認される見込みで、Pfizerでは第4四半期初めにも買収が実現するとみている。

動物薬に関しては、他の国の審査でも問題になった。

このため、PfizerWyeth921日、両社の動物薬事業の一部をBoehringer Ingelheimに売却する契約を締結した。

Wyethの動物薬事業のうち、牛や小動物のワクチンその他医薬品について、製品、Fort Dodge工場及び研究所、知的財産を売却する。
このほか、豪州の愛玩動物ワクチン、EUと南アの牛のワクチンなども売却する。

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米国の自動車部品メーカーDelphi1999年にGM社から分離・独立)は2005年10月にChapter 11を申請した。

再生計画の一部として、GMが米国の4工場と世界中のステアリング事業とを買収する。条件として、GMは10億ドル以上の債務を引き受けるとともに、20億ドルの債権を放棄する。また17.5億ドルを投資する予定。

中国商務部は、GMによるDelphiの中国のステアリング事業買収に関して審査をしていたが、9月28日、条件付でこれを承認した。

条件には以下のものが含まれる。

GMとDelphiが、Delphiの他の中国の需要家に関する情報を交換しないこと。
 (
GMによる秘密情報取得の防止)

・Delphiが他の中国の自動車メーカーに、差別なしに、部品を市価でタイムリーに供給を続けること。

商務部は競争上の懸念を2社と議論し、2社から解決案が出てきたとしている。

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このほか、既報の以下の例がある。

・ベルギーのビール会社 InBev によるAnheuser Busch 買収

  2008年11月 条件付承認

2008/12/1 中国の独禁法、初の海外での合併ケース

米コカ・コーラによる中国最大の果汁メーカー中国匯源果汁集団の買収

  2009年3月18日、不認可

2009/3/24  中国、コカ・コーラの果汁大手買収を承認せず  

・三菱レイヨンによるLucite International の買収

  2009年4月24日、条件付で承認

2009/4/25 中国商務部、条件付で三菱レイヨンのLucite International 買収を承認 

 

付記

・パナソニックの三洋電機買収

  本件は1カ月の初期審査の結果、実質審査に入り、8月14日、商務部が競争上の問題がある旨指摘
  双方は協議を持ったが合意に至らず、審査の60日の延長。
  その後、三度の双方協議を経て、ようやく問題解消措置について合意。
  2009年11月5日、以下の条件付で承認。

  問題は下記の3つの電池市場で、いずれについても関連地理的市場は世界市場とされた。(理由説明なし)
  中国域外の工場の売却を条件としたのは本件が初めて。

 1) 自動車用ニッケル水素電池 (合併で中国市場で77%のシェア)

パナソニックの茅ケ崎市の湘南工場の第三者への売却

付記
パナソニックは2011年2月1日、同工場のニッケル水素電池事業を中国の電池メーカー湖南科力遠新能源に売却すると発表した。特許を含む知的財産権を使用出来る契約。
受け皿会社に移管し、全株式を4千万元(約5億円)で売却する。

トヨタとの合弁のパナソニックEVエナジーへの出資比率を40%から19.5%に引き下げ、取締役指名権ほかの放棄、JVの社名からの「パナソニック」の除外

付記 2010年6月にプライムアースEVエナジーと改称

 2) コイン型リチウム二次電池(同上 62%のシェア)

三洋電機の鳥取県岩美町の鳥取工場の第三者への売却

付記 FDKに譲渡

 3) ニッケル水素電池(同上 46%のシェア)

三洋電機の群馬県高崎市の高崎工場の第三者への売却

付記 FDKに譲渡

又は、三洋電機の蘇州市の工場か、パナソニックの無錫市の工場の売却

  日本の公取委や米国、EUの当局からも同様の指摘を受けた。

パナソニックは2009年11月4日、公開買付け開始を発表したが、公正取引委員会その他海外の競争法当局による審査の過程で指摘を受けた競争法上の懸念を解消するため、以下の問題解消措置を講じるとしている。

@ 車載用ニッケル水素電池
   
パナソニックの車載用ニッケル水素電池に関する事業を第三者に譲渡する。
   
パナソニックEVエナジーの行う車載用ニッケル水素電池に関する事業に対する影響力排除のため、
中国商務部との間で合意したものを実施する。
   
A 円筒形リチウム一次電池及びコイン形リチウム二次電池

三洋の円筒形リチウム一次電池及びコイン形二次電池に関する事業並びにニカド電池用極板加工に関する事業の一部を、「三洋エナジー鳥取」に移し(その他の事業は三洋に移し)、全株式をFDK(富士通の連結子会社)に譲渡。

   
B 民生用ニッケル水素電池

三洋の民生用ニッケル水素電池事業を「三洋エナジートワイセル」に移し(その他の事業は三洋に移し)、全株式をFDKに譲渡。
   

 


2009/10/15 ダウ10,000ドル超え、WTI原油価格もアップ

10月14日のNew York ダウ工業株30種平均は大幅に反発し、前日比144.80ドル高の10,015.86ドルで終え、2008年10月3日(10325.38ドル)以来、約1年ぶりに1万ドルの大台を回復した。

14日のニューヨーク・マーカンタイル取引所の原油先物市場も、ドル安や景気回復期待を背景に5営業日続伸し、WTI原油の11月渡しが一時、1バレル75.53ドルまで上昇、終値も75.18ドルとなり、昨年1014以来の高値となった。

  WTI Dow  
2008/10    
1   98.53  10831.07
2 93.97 10482.85
3 93.88 10325.38
6 87.81 9955.50
7 90.06 9447.11
8 88.95 9258.10
9 86.59 8579.19
10 77.70 8451.19
13 81.19 9387.61
14 78.63 9310.99
15 74.54 8577.91
16 69.85 8979.26
17 71.85 8852.22
20 74.25 9265.43
     
2009/10    
13 74.15 9871.06
14 75.18 10015.86
 

東京市場でもドバイ原油は72.70ドル/バレル、ナフサは625ドル/トンと上昇した。

 


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