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2010/11/10  TPP参加と農業問題 

政府は11月9日の閣議で、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)について、国内の環境整備を早急に進めるとともに、関係国との協議を開始するとした、包括的経済連携に関する基本方針を決定した。

菅首相は、「世界の国々が国を開き自由な貿易圏を形成しているなかで、わが国はこの潮流から取り残されつつあるという危機感を抱いている。平成の開国は、国民の生活を必ずプラ スにする」と述べた。

基本方針概要は以下の通り。

TPPは情報収集を進めながら対応し、国内の環境整備を早急に進めるとともに、関係国との協議を開始する。

・アジア太平洋自由貿易圏(EFAAP)実現に向けた閣僚会合を開催する。

・農業、労働力の移動などの分野で国内改革を先行的に推進する。

・持続可能な力強い農業を育てるため、総理大臣を議長とする農業構造改革推進本部を設置し、来年6月をめどに基本方針を決定する。

・関税措置などのあり方を見直し、透明性の高い納税者負担制度への移行を検討する。

・非関税障壁撤廃に向け、行政刷新会議で11年3月までに規制改革の具体的方針を決定する。

・看護士、介護福祉士などの海外の移動に関し、検討グループを設置、11年6月までに基本方針を策定する。

TPP(環太平洋パートナーシップ協定)は、他に規定がある場合を除いて、発効と同時に他の締約国の原産品に対する全ての関税を撤廃すると規定している。

これまで、「GDPの1.5%の一次産業を守るため、98.5%のかなりの部分が犠牲となっている」とする外務省、経産省などと、主要農産物19品目の関税を完全撤廃すれば(農業支援策なしのケースで)、農業生産は3.7兆円減少し、雇用は340万人減、カロリーベース自給率は40%から14%に落ち込むとする農水省が対立していた。

  TPPとこれまでの議論については、2010/10/23 チリ共和国のトピックスー太平洋戦争・FTA先進国・TPP

 

付記 

「TPP亡国論のウソ」:「農業の守り方を間違った」 高木勇樹・元農林水産事務次官

  2011/11/7 番外編 記事紹介 

ーーー

韓国は米国との間でFTAを締結したが(未発効)、農業については以下の通りとした。

      牛肉(15年で)・豚肉(最長10年で)関税引き下げ
      
コメは対象外
      米国産オレンジの関税を9月〜2月は50%を維持、他は30%に

本年締結の韓国・EUFTAでは
  EU産ワインは、直ちに関税撤廃
  EU産豚肉に対する関税は、冷蔵肉全体とバラ肉冷凍肉は10年以内に、
  その他の部位の冷凍肉は5年以内に撤廃。
  但し、韓国のコメ市場は開放しない。
  トウガラシ、ニンニク、タマネギも「主要調味料」として関税を据え置く。

韓国政府は、韓米FTAの締結を受け、農業部門の被害を補償し、農業の競争力を強化するため、2008年から10年間で、20兆4000億ウォンを支援することを決めた。
2013年までに、従来の「農業・農村の中長期投・融資計画」により、12兆1000億ウォンを調達し、2014年から17年までに8兆3000億ウォンを追加で確保する計画。

2007年4月に政府間交渉をまとめた盧武絃前大統領は、農民支援や農業改革策を講じただけでなく、自ら先頭に立って農民らの猛烈な反発を正面突破した。

対米交渉チームとは別に反対派の説得チームを編成し、公聴会などを「合計200回以上」も開催。政府交渉の前後には各農業団体代表者に対し、方針や結果を細かく説明した。
政府は新聞広告などを使って反対意見に対応し、反対論を徐々に収めていった。

付記

韓国の東亜日報によると、米国が最近、韓国政府に「環太平洋パートナーシップ協定(TPP)」の参加を正式に要請した。

韓国政府の高官は12月17日、「米国がTPPに対する積極的な参加を要請してきた。韓国は、これに対してひとまず『検討する』という前向きなシグナルを送った」と明らかにした。韓米FTAの早期批准への対米圧迫カードとして活用する。

韓国は米国、EUとFTAを締結、更に、チリ、シンガポール、欧州自由貿易連合、ASEAN10ヵ国、インドの国と地域との間でFTAを締結している。

ーーー

日本の場合、将来の農業をどうするのかのビジョンがないのが問題である。

1995年にコメ輸入が一部自由化された際、政府は6年で計6兆円超の対策費を計上したが、土木事業などに使われ農業の構造改革にはつながらなかった。

今は財政難に加え、「巨額の対策費をつぎ込んでも、農業が強くなる保証はない」(民主党議員)。

先ず、将来ビジョンを確立することが必要である。

河野太郎氏は11月8日のブログ「ごまめの歯ぎしり」で、「始めよう、農政改革」として、以下の通り述べている。

地元のJAとの農政勉強会。

カロリーベースの食糧自給率などというまったくのデタラメを政策目標に掲げているような農政では、日本の農業は改革できないと力説する。

こんなことをしている農水省なんか潰してしまって経産省の第一次産業局にでも農政を任せる方がよっぽど農業を強くできる。

食糧自給率などというまやかしをやめ、農業生産額、農業所得、農作物の輸出を増やすことを目標に掲げ、流通やマーケティングを強化しながら農業を強くすべきだ。そのためにJAはできることを最大限にやるべきだ。

都市近郊農業の場合、最大の問題は農地だ。この土地で将来もずっと農業をやっていくのか、どこかの時点でその土地を開発するのかという踏ん切りが必要だ。もしその土地で、農業をずっと続けていくならば、固定資産税の減免や相続税の対象から外す、その代わりに売却益は一切得られないという扱いが必要だ。

大地と一体でなければ農地ではないという扱いも根本から変えなければならないし、農業をするために必要な農地以外の土地の扱いもきちんと農地と一体で考えなければならない。

TPPやFTAへの参加は避けられないし、むしろ積極的にルール作りに最初から関わるべきだと訴える。逃げてばかりの農水省の政策を根本から変えて、農業の構造改革を始める必要がある。

都市近郊農業こそ、まず最初に変わっていけるはずだ。

東京大学大学院農学生命科学研究科の川島博之准教授の著書「食料自給率の罠 輸出が日本の農業を強くする」は上の河野氏の主張を理論的に詳細に説明している。

カロリーベース自給率は陰謀
  輸入食料の85%は贅沢品

・食料の海外依存でも、不測の事態は起こり得ない。

   (仮に輸入が止まる場合、石油も、化学肥料のうち全量輸入のカリと燐酸も止まることとなる。)

・穀物は安く、利益を出すには規模拡大しかないが、地方の人口が多い日本では規模拡大はできない。

   日本は1戸当たり面積が米国の1/100。
   米国並みの農業にするには農家100戸を1戸にまとめることが必要だが、
     安い価格で農地を売らない。   
     人口減で「村」がつぶれる。(農協も不要、選挙地盤もなくなる)  

   仮に集約できても、生活水準の高さなどから、タイなどには負ける。

   結論:自給率を高めるのは無理

・広い土地を必要としない農業は有望 
  農業における選択と集中(守るべき分野と強くする分野)

・オランダの例
  安い穀物を全量輸入、高価な農産品を輸出し、農業貿易収支で黒字。

 


2010/11/11  注目企業の9月中間決算ー4  宇部興産、クラレ、東レ、日本ゼオン  

各社とも、「セグメント情報等の開示に関する会計基準」を適用し、セグメント区分を見直した。

「マネジメント・アプローチ」と呼ばれる方法で、企業が経営者の意思決定や業績評価に使用する情報に基づいてセグメント情報を開示することとなった。
必ずしも製品区分別ではないため、従来よりも企業間の比較が難しくなる。

ーーー

宇部興産

ラクタムチェーンと機能品(リチウムイオン電池用電解液・セパレーターなど)が好調。

単位:億円 (配当:円)
  売上高  営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
08/9中間 372,124 27,132 23,553   14,445 0.0  
09/9中間 256,279 7,123 2,511 -74 0.0  
10/9中間 294,656 16,730 13,714 7,603 0.0  
増減 38,377 9,607 11,203 7,677  
             
10/3 549,556 27,595 18,995 8,217 0.0 4.0
11/3 613,000 36,000 28,500 17,000 0.0 5.0

従来、医薬品は機能品・ファインセグメントに含まれていたが、本年4月の医薬品事業部新設に伴い、分離した。
2010年3月期は新区分に置き直した。

営業損益対比                                                         億円
  10/3   09/9 10/9 差異 主なもの 差異内訳   11/3
価格差 数量差 固定費差 その他
化成品・樹脂   47   -23 56   79 ラクタムチェーン 66 47 19 -11 24   140
機能品・ファイン 32   11 41 30 機能性材料 27 -23 57 -12 8   184
医薬 37   22 14 -8   -8 5 -4 -1   24
建設資材 61   14 29 15 建材・生石灰 11 2 10 -1 4   65
機械・金属成形 44   17 11 -6 機械 -10 -5 -1 -2 2   22
エネルギー・環境 43   21 12 -8 石炭 -5, 電力 -4 1 4 -1 -12   32
その他 9   3 4 1   1 1 -1 0   8
全社 -1   2 -2 -5   0 0 -1 -4   -15
合計 275   71 167 96   15 94 -33 20   360
化成品・樹脂 カプロラクタム、ナイロン樹脂、工業薬品、合成ゴム等
機能品・ファイン ファインケミカル、機能性材料等
医薬 医薬品原体・中間体
建設資材 セメント、クリンカー、生コンクリート、建設資材製品、
カルシア・マグネシア、機能性無機材料等
機械・金属成形 一般産業用機械、橋梁、アルミホイール等
エネルギー・環境 石炭の輸入、販売、コールセンターの運営、
電力卸供給事業(IPP)を含む電力供給事業

ーーー

クラレ

上期として営業利益、営業利益率が過去最高。

樹脂・化学品ともに年初想定以上の業績で、繊維も回復基調。
  アジア(特に中国)市場の伸び、欧州現地生産事業の競争力向上
  液晶材料調整の影響は限定的、固定費削減効果

年度では営業損益は前年比215億円の増益を予想。増配。

単位:億円 (配当:円)
  売上高  営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
08/9中間 209,319 23,273 22,251   13,407 12.0  
09/9中間 157,065 9,758 9,409 5,221 8.0  
10/9中間 180,775 25,461 24,995 13,913 13.0  
増減 23,710 15,703 15,586 8,692 5.0  
             
10/3 332,880 30,451 28,925 16,315 8.0 8.0
11/3 365,000 52,000 50,000 28,500 13.0 14.0

営業損益対比                億円
  09/9中 10/9中 差異   11/3予
樹脂 169 252    83   505
化学品 -13 34 47   90
繊維 -16 0 16   -5
トレーディング 7 15 8   30
その他 19 24 5   45
全社 -69 -72 -3   -145
合計 97 254 157   520

新区分

樹脂 ポバール、PVB、エバール等の機能樹脂、フィルム
化学品 メタクリル樹脂、イソプレン関連製品、ジェネスタ、メディカル関連製品
繊維 合成繊維、人工皮革、不織布等
トレーディング  合繊、人工皮革等の加工・販売、グループ製品販売

旧区分

化成品・樹脂 ポバール、EVOH 樹脂「エバール」、メタアクリル樹脂、熱可塑性エラストマー
繊維 ビニロン、ポリエステル、人工皮革「クラリーノ」、不織布事業
機能材料・
メディカル他
オプト事業(プロジェクションテレビ用スクリーン)、
メディカル事業(歯科材料、コンタクトレンズ、医療器材)
機能性材料(耐熱性樹脂「ジェネスタ」、大孔径中空糸膜)
クラレケミカル滑性炭事業、その他

ーーー

東レ

環境エンジニアリングを除き、増収増益となった。数量増の影響が大きい。

単位:億円 (配当:円)
  売上高  営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
08/9中間 800,865 30,295 27,497   10,532 5.0  
09/9中間 617,928 5,493 -2,678 -6,320 2.5  
10/9中間 733,377 42,520 40,464 24,919 2.5  
増減 115,449 37,027 43,142 31,239  
             
10/3 1,359,631 40,107 9,006 -14,158 2.5 2.5
11/3  1,530,000 83,000 76,000 42,000 2.5 2.5

営業損益対比                           億円
  10/3   09/9中 10/9中 差異   11/3
繊維 163   28 136   108   275
プラスチック・ケミカル 116   36 121 85   210
情報・通信機器   250   74 213 139   380
炭素繊維複合材料 -53   -10 12 23   10
環境・エンジニアリング 39   -3 -15 -12   40
ライフサイエンス 27   6 33 28   60
その他 9   1 4 3   15
全社 -149   -76 -78 -3   -160
合計 402   55 425 370   830

差異理由
  数量差  +507
  石化原料由来製品のコストアップ
-187、同値上げ +126、<ネット -61
  石化原料由来製品以外の価格変動(ネット) 
-55
  その他費用 
-20
  
合計 +370旧セグメントで「ライフサイエンスその他」となっていたのを、「ライフサイエンス」と「その他」に区分。
これまで配賦していた本社研究費等を配賦せず、本社費とした。

繊維 ナイロン・ポリエステル・アクリル等の糸・綿・紡績糸及び織編物、不織布、
人工皮革、アパレル製品
プラスチック・ケミカル ナイロン・ABS・PBT・PPS等の樹脂及び樹脂成形品、ポリオレフィンフォーム、
ポリエステル・ポリプロピレン・PPS等のフィルム及びフィルム加工品、
合成繊維・プラスチック原料、ゼオライト触媒、医・農薬原料等のファインケミカル、動物薬
(但し、下記「情報通信材料・機器事業」に含まれるフィルム・樹脂製品を除く。)
情報通信材料・機器 情報通信関連フィルム・樹脂製品、電子回路・半導体関連材料、
液晶用カラーフィルター及び同関連材料、
プラズマディスプレイパネル用材料、磁気記録材料、印写材料、情報通信関連機器
炭素繊維複合材料 炭素繊維・同複合材料及び同成形品
環境・エンジニアリング 総合エンジニアリング、マンション、産業機械類、環境関連機器、
水処理用機能膜及び同機器、
住宅・建築・土木材料
ライフサイエンス 医薬品、医療製品

ーーー

日本ゼオン

各セグメントとも、前年同期の赤字から黒字に転換。特に合成ゴム、ラテックスの増益が大きい。

単位:億円 (配当:円)
  売上高  営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
08/9中間 156,585 10,012 10,492   4,785 6.0  
09/9中間 102,704 -1,717 -1,981 -1,400 0.0  
10/9中間 135,018 18,780 17,154 9,114 4.0  
増減 32,314 20,497 19,135 10,514 4.0  
             
10/3 225,878 9,319 9,448 5,020 0.0 6.0
11/3 263,000 28,800 26,800 14,900 4.0 4.0

営業損益対比                     億円
  10/3   09/9 10/9 差異   11/3
エラストマー素材    93   -7 139 146   217
高機能材料 3   -6 45 52   66
その他 -3   -4 3 7   5
全社 0   0 1 0   0
合計 93   -17 188 205   288

損益差異内訳
 数量差 131、売価差 121、為替 
-33
 原料・原価 
-26、本社費等 -12、コストダウン 24

エラストマー素材 合成ゴム、合成ラテックス、
化成品(C5石油樹脂、熱可塑性エラストマー等)
高機能材料 化学品(合成香料、有機合成薬品等)、
情報材料(電子材料、トナー関連製品等)、
高機能樹脂(シクロオレフィンポリマー樹脂、シクロオレフィンポリマー成型品)
その他 RIM配合液、RIM成形品、医療器材、ブタジエン抽出技術等、
塩ビコンパウンド、包装物流資材、住宅資材、その他

 

 

 


2010/11/12 米韓FTA協議、決裂 

米国と韓国による自由貿易協定(FTA)の改定交渉は11月11日、最終合意に到達できず決裂した。

米国と韓国の自由貿易協定(FTA)締結交渉は2007年4月2日、期限切れ直前に妥結した。

自動車、農業分野は下記の通りとなっている。

◇自動車
  韓国=輸入関税(8%)即時撤廃
      排気量基準自動車税を現行5段階から3段階に簡素化
      自動車特別消費税を発効後3年以内に5%以下に単一化
  米国=3000cc以下の乗用車関税(2.5%)を直ちに撤廃
       3000cc超の乗用車は3年で関税撤廃
      ピックアップトラック(25%)は10年で関税撤廃

◇農業
  
韓国=牛肉(15年で)・豚肉(最長10年で)関税引き下げ
      
コメは対象外
      米国産オレンジの関税を9月〜2月は50%を維持、他は30%に。

2007/4/4 米韓FTA妥結 

しかし、米国で反対が強く、現時点でもこの協定は批准されていない。

ところが、本年7月の韓国・EUのFTA妥結(10月6日調印)を受け、米国でもムードが変わってきた。
オバマ米大統領は、「11月のソウルG20首脳会議までに韓国と実務協議を行い、履行法律案を議会に提出したい」と述べた。

このため、争点を話し合うための通産相会議が11月8日からソウルの外交通商部の庁舎で行われていた。

自動車と牛肉が問題となり、自動車については韓国側がある程度の妥協を行ったが、米国が更に要求したため、韓国側は、協定の大幅な修正が避けられないなら、韓国側に不利に妥結された医薬品や農業分野で米側の譲歩を引き出す方向に方針を変え、「反対給付」を求めた。

牛肉については、米国側は米国産牛肉の輸入範囲を「生後30ヶ月以上」にも拡大すること、検疫条件を緩和することを要求した。
これについては、韓国側はこの問題についてはFTAに関係なく、交渉の対象外で、絶対に譲歩できないとしたが、米国側が更に求めたため、韓国政府は「それならこれ以上、交渉を進めるわけにはいかない」と強気の態度を示し、空気は急激に冷え込んだ。

韓国の李明博大統領は、オバマ米大統領との共同記者会見で「われわれは、詳細な問題を解決するためさらに時間が必要だということで一致した。貿易担当閣僚に対し、できる限り早急にお互いに受け入れ可能な合意点を見つけ出すよう求めた」と語った。
オバマ大統領は、さらなる交渉を経てFTAが成立することを確信している、と述べた。

ーーー

米国側の要求と韓国側の対応は以下の通り。

自動車については以下の要求を行った。

1) 韓国の自動車燃費規制、温室効果ガス排出規制の緩和
   
  韓国のグリーン成長委員会が2009年7月、2015年までに自動車の平均燃費目標を1リットル当たり17kmに設定、米国は、5年以内に平均燃費目標を1リットル当たり15kmとする米国政府の計画に比べ、韓国の基準は厳しすぎるとし、米国産自動車についてのみ、これを緩和することを要求した。

韓国政府は、2015年から1リットル当たり17kmに強化される燃費基準を、「年間販売台数1000台未満」の車についてのみ例外を認める方針だが、米国は更に修正を要求した。
韓国政府は、「販売台数1万台以下」へと適用対象を変更することを検討したが、米国はさらなる譲歩を求めた。

また、米国は、メーカーが自主的に自動車の安全性を認証する制度の適用範囲を、現在の「年間6500台未満」から「1万台未満」へと拡大するよう求めた。
(これについては、韓国政府は「無理な要求だ」として応じなかった。)

   
2) 韓国産ピックアップトラックの関税廃止問題
   
  FTAでは韓国産ピックアップトラックに米国が課している関税(25%)10年かけて廃止するとなっているが、米側はこれを15年以上とするよう要求。

韓国はこれを認める意向であった。

   
3 韓国の輸出用自動車に使用される輸入部品の関税払戻し問題
   
  FTAでは規定はないが(関税払戻し是認)、米側は関税払戻しを5%に制限するよう要求。

韓国は中国などから部品を輸入し完成品を輸出する場合、部品輸入については関税を払い戻している。
韓国と
EUFTA交渉では、EU側は韓国・EU間FTAの利益が第三国に向かいかねないとして、これに反対したが、最終的に、「協定発効5年後から、韓国産自動車の輸入部品使用割合が重大な変化のレベルにまで高まれば、関税の払い戻し額を5%に制限する」と定められた。

米側はこの適用を求めた。

これについても、韓国は受け入れる意向であった。

韓国政府は、自動車分野で一歩譲歩する代わりに、農業分野で一部品目の関税撤廃時期を先送りすることを求め、米国側からの譲歩を引き出した。また、米国が専門職ビザ1万5000人分を韓国に割り当てるとした2007年の合意の早期実施を求め、米国側から前向きな回答を得た。

牛肉については、米国産牛肉の輸入範囲を「生後30ヶ月以上」にも拡大すること、検疫条件を緩和することを要求した。

2006年9月に韓国政府が3条件を設定して米国産牛肉の輸入が再開した。
1) 生後30ヶ月以下の牛であること
2) 脳、脊髄、腸、骨が除かれていること
3) 韓国が認める特定の施設からのみ輸出すること

韓国側はこの問題についてはFTAに関係なく、交渉の対象外で、絶対に譲歩できないとした。
これは、米国側の「自動車分野で韓国側からさらなる譲歩を引き出す戦略」によるものとみられていた。

しかし、米国側はFTAを発効させるには議会批准が必要なだけに、有力議員からの要望を無視することは難しく、交渉では米国側が絶えずこの問題を持ち出したという。

韓国政府関係者は、「米国産自動車の韓国市場進出拡大の米国側の要求の下限ラインが、韓国が受け入れ可能な上限ラインを上回っている」と話した。

カーク通商代表部代表も、韓米首脳会談の直後、米国の記者団に、「かなりの部分を自動車問題の調整に割いた。米国関係者は、米国の自動車産業のために、市場アクセスの不均衡を解消しなければならないと感じた」と話した。

最終的に、11日のオバマ米大統領と李明博大統領の首脳会談で合意に至らなかった。

米議会は議事日基準で最高90日間、FTA履行関連法律案を審議した後、議決するようになっており、早ければ来年下半期には、韓米FTAが正式に発効されるものと見られていた。

−−−

韓国とEUは106、自由貿易協定(FTA)の締結で正式署名している。
2011年7月1日に発効する見通し。

    2010/10/12  韓国とEU、自由貿易協定締結


2010/11/13  注目企業の9月中間決算ー5  帝人、ダイセル、日本触媒  

各社とも、「セグメント情報等の開示に関する会計基準」を適用し、セグメント区分を見直した。

「マネジメント・アプローチ」と呼ばれる方法で、企業が経営者の意思決定や業績評価に使用する情報に基づいてセグメント情報を開示することとなった。
必ずしも製品区分別ではないため、従来よりも企業間の比較が難しくなる。

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帝人

需要回復と構造改革の効果発現により、化成品事業を中心に素材事業が大幅な増益。

アラミド繊維は各分野で需要回復、炭素繊維も需要回復基調。
ポリエステル繊維も、これまでの抜本対策や固定費削減等の構造改革の効果の発現、自動車用途を中心に需要の回復などで、黒字化。

単位:億円 (配当:円)
  売上高  営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
08/9中間 489,871 15,070 8,915   415 3.0  
09/9中間 360,192 2,784 -3,618 -25,783 0.0  
10/9中間 399,869 20,511 20,492 11,546 2.0  
増減 39,677 17,727 24,110 37,329 2.0  
             
10/3 765,840 13,435 2,085 -35,683 0.0 2.0
11/3 820,000 42,000 42,000 21,000 2.0 2.0

営業損益対比                        億円
  10/3   09/9中 10/9中 差異   11/3
高機能繊維 -77   -43 12 54   30
ポリエステル繊維 -54   -20 -0 20   10
化成品 89   10 109 100   210
医薬医療 243   125 118 -7   230
流通・リテイル 34   10 19 9   45
その他 26   7 9 2   30
全社 -127   -61 -62 -1   -135
合計   134   28 205   177   420

新セグメント

高機能繊維 アラミド繊維の糸・綿・織編物等の製造・販売
人工皮革の製造・販売
炭素繊維製品の製造・販売
ポリエステル繊維 ポリエステル繊維の糸・綿・紡績糸・加工糸・不織布及び織編物の製造・販売
ポリエステル原料の製造・販売
化成品 樹脂事業:ポリカーボネート樹脂等の樹脂・樹脂製品の製造・販売
フィルム事業:ポリエステルフィルム等の製造・販売
医薬医療事業 医薬品・在宅医療機器の製造・販売
在宅医療サービス等
流通・リテイル 繊維製品の企画・販売

旧セグメント

合成繊維 パラアラミド繊維、炭素繊維、PEN繊維
ポリエステル繊維
化 成 品 ポリカーボネート、PENフィルム、PEN樹脂
ポリエステルフィルム、ポリエステル樹脂
医薬医療 医薬医療
流通・リテイル 流通・リテイル
IT IT

ーーー

ダイセル化学工業

販売数量の増加、設備稼働率の向上などで増益。合成樹脂の増益が大きい。

単位:億円 (配当:円)
  売上高  営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
08/9中間 209,201 16,939 16,736   8,877 4.0  
09/9中間 143,684 5,115 4,735 2,129 4.0  
10/9中間 180,902 20,851 19,779 7,747 4.0  
増減 37,218 15,736 15,044 5,618    
             
10/3 320,243 20,856 19,993 11,069 4.0  
11/3 357,000 34,000 32,000 17,500 4.0 4.0

営業損益対比                 億円
  10/3   09/9中 10/9中 差異
セルロース   121   57 77    20
有機合成 59   22 40 19
合成樹脂 53   -1 87 88
火工品 48   10 34 24
その他 8   2 7 6
全社 -80   -40 -37 2
合計 209   51 209 157
セルロース セルロースを原料とする酢酸セルロース及びたばこフィルター用トウ等
有機合成事業 各種の有機化学品及び光学異性体分離カラム等の関連製品
合成樹脂事業 エンジニアリングプラスチックを始めとする各種樹脂素材及び樹脂加工品等
火工品事業 火薬工学技術をベースとした自動車用安全部品及び防衛関連製品

ーーー

日本触媒

アクリル酸、酸化エチレンの生産能力増強等により固定費が増加したが、生産・販売数量の増加や一部製品のスプレッド拡大等が寄与し、増益となった。

単位:億円 (配当:円)
  売上高  営業損益 経常損益 当期損益   配当
中間 期末
08/9中間 172,088 5,820 7,154   2,054 8.5  
09/9中間 113,598 5,893 6,554 3,963 7.0  
10/9中間 138,109 13,458 13,392 7,487 10.0  
増減 24,511 7,565 6,838 3,524 3.0  
             
10/3 244,317 13,881 14,934 10,832 7.0 7.0
11/3 280,000 23,500 23,500 15,500 10.0 10.0

営業損益対比         億円
  10/3   09/9 10/9 差異
基礎化学品   53   22 60    38
機能性化学品 92   41 59 19
環境・触媒 -6   -4 15 18
全社 0   0 1 0
合計 139   59 135 76
基礎化学品 アクリル酸、アクリル酸エステル、酸化エチレン、エチレングリコール、
エタノールアミン、高級アルコール、グリコールエーテル等
機能性化学品 高吸水性樹脂、医薬中間原料、コンクリート混和剤用ポリマー、電子情報材料、よう素、
無水マレイン酸、粘接着剤・塗料用樹脂、樹脂成形品、粘着加工品等
環境・触媒 自動車触媒、脱硝触媒、ダイオキシン類分解触媒、プロセス触媒、排ガス処理装置、燃料電池材料等

 


2010/11/15  チッソ、事業再編計画の認可申請 

チッソは11月12日、水俣病被害者救済特別措置法(特措法)に基づき、同社を補償部門と事業部門に分社化する「事業再編計画」の認可を松本龍環境相に申請した。

分社化の時期を「来年3月が目標」としている。
当面は事業会社からの配当で被害者補償や債務返済を行う。

将来的にチッソが事業会社株を売却し、得た利益を補償や返済にあてる想定だが、事業会社を被害補償から切り離した上でチッソが清算される可能性があり、被害者側には「原因企業が消滅する」との反発がある。

松本環境相は同社の後藤舜吉会長に対し、地元が懸念している患者補償の継続と地域振興に取り組むよう求めた。

特措法については 2009/7/3 水俣病救済法案、衆院を通過、来週成立の見通し

チッソは認定患者への補償などで2010年度末の債務超過は1548億円に達する見通し。

2010/4/16 水俣病「救済措置の方針」を閣議決定 及び下の表

環境省は7月6日、水俣病特別措置法に基づき、チッソの分社化に向けた手続きの一環として、同社を「特定事業者」に指定し、通知した。

2010/7/6 チッソ を「特定事業者」に指定

本年初めに、分社化について「10月1日を目標に社内の体制を整える」 との方針を示したことが分かり、問題となった。

2010/1/11 チッソ会長、「10月分社化目指す」

 

付記

チッソは12月15日、「事業再編計画」が認可を取得したと発表した。

事業部門を引き継ぐ「新会社」の社名など具体的な内容は未発表。設立は同社の創業日が1月12日(1906年、曾木電気)であるところから、2011年1 月12日付とする案が有力。業績が好調な液晶などの事業部門を分離し子会社化することになる。
事業開始は2011年4月1日の予定。

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チッソは1月12日付で「事業再編計画」に基づく、新会社「JNC株式会社」を設立する。
資本金は150百万円で、チッソの100%出資。JNCは
Japan New Chissoから。

新会社は今後、3月末をめどに親会社から機能材料分野、化学品分野及び加工品分野などの事業継続に必要な土地や設備などの財産譲渡を受ける。

ーーー

事業再編計画の概要は以下の通り。

(前文)
同社は特措法に基づく環境大臣からの一時金支給に関する同意要請に同意しており、解決を図ることとしている。
そのためには事業体制の抜本的再構築、経営の一層の効率化、次世代事業の早期創出の体制整備を行い、更なる収益力強化、事業価値向上を図ることが必須であり、この事業再編計画を策定した。
本計画で事業会社の株式の譲渡を進めるものではなく、いかなる場合も認定患者の補償責任完遂、被害者救済を行う。

1. 事業会社
  商号:非公表
  資本の額:3億円(資本金1.5億円、準備金1.5億円)
  設立:認可後速やかに
   
2. 事業譲渡
チッソが営む機能材料分野、化学品分野及び加工品分野等の事業活動を継続するために必要な土地、設備など有形・無形の事業財産を事業会社に譲渡する。

特措法規定に基づく法人税に係る課税の特例の適用を申告し、株式評価額から事業譲渡に係る純資産価額を控除した金額に達するまで、期限切れ繰越欠損金(1209億円)を損金の額に算入する。
(譲渡益の課税を避け、患者補償、公的債務返済、一時金の支給に充てる)

事業の譲受先となる事業会社の株式をチッソが全て所有し、譲渡後もチッソが事業会社の経営、財産を管理、監督する。
   
3. 株式の引き受け
事業譲渡の対価として事業会社が新たに発行する全株式を引き受ける。
 増加資本金:310億円、増加資本準備金:270〜310億円

 事業譲渡額:580億円〜620億円

   
4. 事業譲渡時期
  2011年3月目標
   
5. 現在のチッソをホールディングカンパニーと位置づけ、補償継続、一時金支給、公的債務返済、地域における水俣病対策に適切に貢献しつつ、事業会社の経営を監督する。
   
6. 事業譲渡時における事業会社の株式の評価額
 1950〜2350億円と評価

  第三者機関の評価
  DCF法       1942〜2390億円
  類似企業比較法 1994〜2261億円
   
7. チッソは事業会社からの配当金により、補償と借入金返済を行う。
    チッソの資金計画は以下の通り。

 

8.利益水準と設備投資計画

地元には水俣から離れるのではないかとの懸念があるが、水俣に280億円の投資をするとしている。

 


2010/11/16  BP原油流出事故の現状

White Houseの原油流出事故調査委員会The National Commission on the BP Deepwater Horizon Oil Spill )は118日、事故に関して、これまでのところ、BPがコストカットのために意図的に安全性を犠牲にしたという証拠はないと述べた。

この場合にはBPには重大な過失はないこととなり、Clean Water Actによる罰金が少なくなるほか、Anadarkoや三井石油開発への求償問題に影響する。

Clean Water Actでは原油の流出量1バレルに対して、1,100ドルの罰金が決められている。
但し、重大な過失による場合は、罰金は4,300ドルとなる。

流出量が300万バレルとしても、過失無しの場合で罰金は33億ドル、重大な過失があるとされれば、129億ドルとなる。(500万バレルの場合、55億ドルと215億ドル)

2010/8/2  BP、油井完全封鎖へ

しかし、石油関係のアナリストは、業界内ではBPが手抜きをしたと見られているとしている。

Anadarko1112日(上記発表の後)に投資家説明会を開催したが、同社は6月からの主張を維持し、原油流出は避けられたもので、BPの無謀な決定、行動の直接の結果であると主張した。

三井石油開発は、11月2日時点において累計で1,898百万米ドルの請求書を受領していることを明らかにしている。
同社は、今回の事故に関する事実関係・背景について多くの調査が現在も進行中であり、現時点で支払い義務を負うことになるか否かは明らかでな いため、BPが求める支払いを留保してきたとし、これらの状況が続く間は、BPに対する支払いを留保し続けることになろうと予想しているとしている。

米国での報道によると、三井石油開発の香川社長が11月10日に、この事業に投資しているMOEX Offshore 2007 LLCは有限責任会社であり、同社の支払能力を超えた場合には、同社を破産させるため、三井石油開発への影響は限定的であると述べたとされる。

三井石油開発は三井物産が69.91%、政府(経済産業大臣)が20.03%を出資しており、三井物産の今後の米国での活動などを考えると、この主張を推し進めるのは無理であろう。

BPは被害への補償のため、油濁法の損害賠償限度額の権利を放棄している。

2010/10/20 BP、メキシコ湾原油流出事故で油濁法の損害賠償限度額の権利放棄を言明

三井物産では、鉱業権の評価損として21億円のほか、これまでの探鉱費用を費用処理しているが、BPからの求償分については、事故の原因究明などについて複数の調査が進行中で不確定要素もあるとして、債務の計上はしていない。


2010/11/17 2010年9月中間決算対比

中間決算がほぼ出揃った。

各社とも前年上期の損益を上回っているが、前々年との対比ではまちまちである。

(医薬メーカーは 2010/11/4 注目企業の9月中間決算ー2 医薬メーカー

   
   
   

当期損益については、既報の通り、信越化学と三菱ケミカルで逆転しているが、住友化学も経常損益と比較し、異常に少ない。

理由は以下の通り。

  営業損益 経常損益 特別損益 税引前 税金 税金還付 税引後 少数株主 当期損益
信越化学 761 812 0 812   287 -107 632 9 623
三菱ケミカル 1,114 1,064 -125 939 280   659 220 440
住友化学 530 521 -296 225 109   116 91 25
本年の特殊処理
 信越: 移転価格課税に対する日米相互協議の合意により、10,663百万円の過年度法人税等戻し入れがあった。
   
 住友: 本年4月に豪州農薬メーカー Nufarm20%出資したが、同社の時価が大きく下落したため、 
のれん相当額を一時償却し、特別損失287億円を計上した。
  (これは仮計上で、2011年3月末に時価が戻れば、取り消される。)
   
少数株主持分
 信越: 連結子会社はほぼ全てが100%子会社で、連結損益≒当期損益
   
 2社: 田辺三菱製薬、大日本住友製薬など、収益企業が100%子会社でないため、少数株主持分の控除分が大きい。
   
*連結決算では、売上高〜経常損益〜税金は連結子会社の数値を100%連結し、
  当期損益で連結子会社の税引後損益の少数株主持分を控除する。
  なお、持分法子会社(出資比率15%以上)については、税引後の持分を営業外損益に加える。

          

 


2010/11/17 中国、19月のレアアース輸出量が年間枠を超過 

中国商務省の姚堅報道官は1116日の記者会見で、今年19月のレアアースの輸出量が32,200トンに達したことを明らかにした。

中国政府は今年のレアアースの年間輸出枠を前年比約
4割減の約3万トン(30,258トン)に設定しており、9月までの輸出量が年間輸出枠を超過したことを示した。平均輸出価格は14,800ドル/トン。

輸出許可枠
  2009 2010 削減率
上期  25千トン  22千トン  
下期 25千トン 8千トン 7割 
年間 50千トン 30千トン 4割 

レアアースの対日輸出が中国の税関で滞っている問題で、11月13日の大畠経産相との会談で中国国家発展改革委員会の張平主任(閣僚級)が、税関検査を効率的かつ迅速に行うよう指示したことを明らかにし、近く改善するとの見通しを示した。
しかし、9月末時点で輸出許可枠を超過しているため、今後の輸出は認められないと思われる。

内訳は以下の通りで、日本向けは全体の50%を占めるとともに、前年比で167%もの増となっている。

  19月輸出量 比率 前年同期比
日本向け  16,000トン  49.8%  +167%
米国向け 6,200トン 19%  +5.5%
その他 10,000トン 31%   
合計 32,200トン 100%   

報道官は、レアアースの開発、輸出、生産の規制強化に関して、環境面の懸念からであると強調した。

中国は
2010年の輸出枠を前年比で4割カットしたが、開発は25%、生産能力は23%削減した。
加えて、レアアースの輸出税を
1525%加え、41種のレアアース加工製品の輸出を禁止した。

日本や米国からはWTOのルールに違反するとの声が出ているが、報道官は、中国はこれまで、環境保護の圧力が高まり、資源枯渇の恐れがあるのに、レアアースの輸出を続けてきたとし、「中国の規制は、開発、生産、輸出の全プロセスで取られており、WTOのルールに沿っている」と述べ、来年も輸出許可枠を減らす考えを示唆した。

商務部は11月初めに、2011年の大幅な輸出枠の削減は否定している。

ーーー

日本の在ジュネーブ国際機関代表部が、中国によるレアアース対日輸出が滞っている問題を
10月のWTO会合で取り上げる準備をしていたところ、外務省が「待った」をかけ、発言を自粛していたことが分かった。

発言自粛には、日中関係のさらなる悪化で日本企業へのダメージが広がるのを防ぐとともに、当時横浜でのAPEC首脳会議を控え、胡錦濤国家主席との首脳会談に影響が及ぶのを避ける意図があったとみられる。


2010/11/18 タイのIndorama、米国と中国でポリエステル等の工場を買収 

タイのIndorama Venturesは1112日、 Invistaから南カロライナ州SpartanburgPETとポリエステルステープルの工場と、メキシコ子会社Grupo Artevaの同事業を買収すると発表した。

買収資産は以下の通り。
 
1. Spartanburg 工場
 
 PETSpecialty PolymersFibersFilm の製造設備(能力 470千トン)

 2. メキシコ子会社Grupo Arteva 及びその子会社の事業
  
PETSpecialty PolymersFiber の製造設備(能力 535千トン)

買収金額は流動資産、債務を含め、合計で現金で420百万米ドル。
(設備が
229百万ドル、流動資産が174百万ドルで、残りが債務の引継ぎ)

1112日に調印しており、買収完了は2011の第1四半期を予定している。

付記

Indorama Ventures128日、2つの買収契約に調印した。

対象 能力 売り手
SK Eurochem(ポーランド)のPET事業 PET chip 140千トン SK Chemicals
PT SK KERISPET事業 PET Chips/Polyester Filament Yarn
  160千トン
SK Syntec(インドネシア)
SK Chemicals子会社)
PT SK Fiberのポリエステル事業 Polyester Filament Yarn 36千トン

付記

Indorama Ventures2012年2月、Clear Lake, TexasにEO/EGの設備を持つOld World のパートナーシップの100%を買収した。

Product Capacity
 (tons)
EO 435,000
   
最終製品  
Purified EO 204,000
MEG 358,000
DEG 64,000
TEG 6,400

Old World はPEOをAlcohol Ethoxylatesに加工する委託契約を結んでいる。

Old Worldは1999年12月にCelanese AGからClear Lake のEO/EGプラントを買収した。

ーーー

Indorama Group 1974年にMohan Lal Lohia ML Lohia) によりインドで設立され、インド、インドネシア、タイなどでPTAPET、ポリエステルなどの事業を拡大した。

ML Lohia は事業を3人の息子に分割した。長男 OP Lohiaはインド、次男 SP Lohia はインドネシア、三男 Aloke Lohia はタイを受け継いだ。同じような事業を行っているが、それぞれが独立して事業を行っている。 

付記  2010/11/20 インドネシアとインドのIndoramaの現状

Indorama Ventures三男 Aloke Lohia が引き継いだ会社(その後、Alokeが株を手放し、上場)で、現状は以下の通り。(単位:千トン)

    PTA PET ポリエステル  
Polymer 繊維
タイ Rayong 700        
Map Ta Phut 540 108 144    
Nakhon Pathom       100 2008Tuntexを買収
Lopburi   180      
タイ合計  1,240   288 144   100  
英国 Workington   155     2008Eastmanから買収
オランダ Rotterdam 360 200    
リトアニア Klaipeda   198     2006Orion Global PET設立
イタリア Ottana 190 150     Ottana Energia との50/50JV
2010
7月、EquipolymersDow/PIC)から買収
欧州合計 550 703      
USA Asheboro   225     2003StarPet買収(当初116千トン)
Decatur   432     AlphaPet 2009年稼動
米国合計   657      
総合計 1,790 1,648 144 100  

米国では先ず、Asheboro, North Carolina にあるPETメーカー StarPet Inc. を買収した。(能力116千トン)

その後、米国でAlphaPet Inc.を設立し、432千トンのPET工場を建設した。

会社名:AlphaPet Inc.
立地:Decatur, Ala.
能力:432,000 tons
技術:new generation Uhde Inventa-Fischer Melt to Resin (MTR) technology
原料:隣接するBPのパラキシレン/PTA工場からPTAを購入
完成:
2009

2007/4/14 タイのIndorama Polymers、北米でPET工場新設へ

今回の買収で、Indoramaは、ラテンアメリカへの進出、特殊PETファイバー市場への進出、R&D能力の向上、既存プラントとの統合、生産のフレキシビリティ増大のメリットを得て、世界のPETのリーダーとなる。

EastmanIndorama等との競合でPETの売価是正は難しいとし、PET事業と関連の設備と技術を、メキシコ最大の企業の1つのAlfa S.A.B. de C.Vの石化・合繊事業であるAlpekの子会社 DAK Americas, LLCに売却する契約を締結した。

2010/10/29 Eastman ChemicalPET事業をメキシコ企業に売却 

なお、Invista Wilmington, N.C.のポリマー&レジン工場と欧州のポリマー&レジン事業、及び知的財産は保持する。

Invista DuPont の繊維部門であったが、2004年に Koch Industries 42億ドルで買収した。

ーーー

Indorama 11月11日、広東Shinda UHMWPEから広東省開平市にあるPETポリマーとポリエステルポリマーの工場を買収すると発表した。工場の能力は406千トン。

同社は中国に100%子会社を設立し、中国進出への足がかりとする。

Guangdong Shinda UHMWPE Fiber Co.はポリエステルチップの最大の企業の一つ。
このほかに
年産5千トンの超高分子量ポリエチレンUHMWPE)ファイバー工場を建設している。

超高分子量ポリエチレンは、エンジニアリングプラスチックの一種で、非常に高い耐衝撃性と強度を持ち、耐切創性、耐摩耗性、耐薬品性にも 優れている。主として繊維やテープなどの形状で使用され、その特性を生かして、強化プラスチックをはじめ、防護・防弾・防刃製品、ロープ、ネット、医療 分野など、幅広い用途への展開が可能とされる。

帝人は11月10日、UHMWPEファイバーへの参入を発表した。
オランダ・エメン市にあるテイジン・アラミドB.V.工場内に生産設備を建設し、2011 年後半より商業生産を開始する。 


2010/11/19 中国の消費者物価指数アップ

11月15日付けの中国網は、中国のあるネットフォーラムの「今年の中国を漢字一字で表すと何という字か?」というアンケートで、トップがであったと報じた。

は「高くなる」という意味で、あるユーザーがこの字を選んだ理由は以下の通り。

「今年は全ての物が値上がりした。飛行機に乗れば燃料チャージは値上がりするし、車を運転すればガソリン代も高くなった。ニンニク、大豆、生姜なども値上がり。しかしおかしなことに給料は上がらない。そのため物価が上がって何も買えなくなってしまった」

2007年にもこの字が選ばれたが、その時はガソリン値上がりが大問題となっていた。
今年は、これに加え、ニンニクや大豆、生姜、リンゴなどの農産品も高くなった。

ーーー

中国の国家統計局は11月11日、今年10月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比で4.4%上昇し、過去25カ月間で最大の伸び率を示したと発表した。2008年9月の4.6%以来、約2年ぶりの高い伸びとなった。

今年1月から10月までの間のCPIは前年同期比で3%増だった。
政府は物価上昇率の年間目標値を3%に設定しているが、4カ月連続でこれを上回り、インフレ圧力が鮮明になった。
中国政府は既に、インフレ率の年間目標達成が難しくなったことを認めている。

10月の4.4%のうち、食品価格は10.1%、非食品価格は1.6%とそれぞれ上昇した。中国のCPI算定では、食料品が対象商品の3分の1を占めている。
食料品価格は、6月は5.7%増、7月6.8%増、8月は7.5%増、9月に8%増だった。

商務部によると、11月上旬、全国36の主要都市で18種類の野菜の平均卸売価格が昨年より62.4%、年初より11.3%上昇した。

商務部市場運行司では、野菜価格高騰の原因について、次のように説明した。

1.   異常気象の影響
    春に気温が低く、北部地域の野菜の生産量や品質、市場に出回る時期に影響が出た。雨季には、南部地域と北部地域の一部が豪雨や洪水などに見舞われ、野菜の成長、収穫及び輸送に困難が出た。
     
2.   コストの増加
    今年に入ってから、農業用ディーゼルオイル、農業用フィルム、農薬などの価格が上昇し、労働コストも上昇し、流通業の従業員の給与は2割増となった。
     
3.   野菜の需要増
    国民の食品消費における野菜の割合が絶えず上昇し、2009年の野菜消費量は2001年より24%増加し、6億200万トンに達した。
     
4.   価格の吊り上げ要素
    2009年上半期以降、ニンニクやしょうがなどの価格が吊り上げられ、11月上旬のニンニクの価格は前年同期比95.8%上昇、しょうがは89.5%上昇した。
     
5.   農産品の国際価格上昇
    大口農産品の国際価格が全面的に上昇、これがある程度、中国にも影響を及ぼしている。
     

国家統計局マクロ経済分析チームは初期的な分析で、今回の物価上昇の主な原因としては次の5つを挙げている。

(1)輸入品の値上がり
(2)一部産品の需給不均衡
(3)コストの上昇
   主要原材料、労務費、環境保護・省エネなど
(4)構造調整
   工業製品価格(比較的速い上昇)と農産物の価格差は日増しに拡大していたが、
   需要増が農産物の価格上昇による格差解消を促した。
(5)流動性の過剰
   外貨準備高が大量に増加し、ベースマネーの拡大と流動性過剰が生じ、物価の上昇を促した。

中国政府は食品価格の上昇抑制に向けて今後数週間に価格統制や投機の取り締まりなど一連の対策を導入する計画。

国家発展改革委員会(NRDC)と地方政府が一連の措置を検討しており、価格統制、消費者への補助金、買い占めや価格吊り上げの取り締まりに加え、地方行政のトップが一部食品の価格に責任を持つ制度などが選択肢に挙がっている。
また、とうもろこしや綿への投機は厳重に罰する方針という。

ある関係筋は「過度に急速な食品の値上がりをはじめ、物価上昇は中国が現在直面している大きな経済問題だ」と述べ、検討されている政策は物価上昇の勢いを抑えることを目的とし、複数組み合わせて導入されると指摘した。

付記

中国国務院は11月19日、高騰する物価の抑制に向け、農産物の増産や流通コストの低減など16項目からなる緊急対策を発表した。
  
http://www.gov.cn/zwgk/2010-11/20/content_1749484.htm

方針には農産物の生産、供給の安定化、生産コストの低減、一時的な補助金などを含む。

食料を含む生活必需品に対して、政府が必要に応じ価格統制を実施する方針を盛り込んだ。
地方政府や各省庁は農産物の生産を高め、供給を確保し、異常な需要をチェックし、違法値上げを罰するよう指示した。

野菜生産地への財政支援などで食料の増産を促すほか、政府が備蓄している食料の放出を急ぐ。
12月1日から農産物を積んだトラックの高速道路料金を免除するなど、流通コストの引き下げを図る。

中国は先月、2年10カ月ぶりに利上げを実施、本格的な金融引き締め局面に入っているが、インフレ圧力は和らいでいない。

中国は人民元の上昇を抑えるため、元売りドル買いの為替介入を続け、市場に大量の人民元を放出してきた。

中国の中央銀行である中国人民銀行はG20サミットを控えた6月19日、「人民元相場の弾力性を強化する」との声明を発表、 2008年8月から固定していた人民元を再び管理フロート制に戻した。
毎日発表する基準値に対し、±0.5%の変動を認めるもの。

しかし、Big Mac指数では現在のレートは48%の元安となっているが、11月11日の終値6.6257元が最高で、これは6月18日比で2.94%のアップに過ぎない。(11日に一時 6.6173人民元の過去最高を記録したが、これは3.06%のアップ)

政府が介入を自粛し、人民元の上昇を容認することがインフレ抑制にもつながるが、胡錦濤国家主席は11月13日、APEC首脳会議に合わせて横浜市で開催されたCEOサミットで演説し、人民元問題について「穏やかに人民元為替レートメカニズム改革を推進する」と表明した。

人民元の急上昇が、輸出産業に大きな打撃を与え、失業による社会不安定を招くことを恐れてのもの。

付記

中国人民銀行(中央銀行)は11月19日、預金準備率を0.5%引き上げると発表した。
預金準備率引き上げの発表は11月10日の0.5%に続き、今年5度目。11月29日から適用される。

更に12月10日に、預金準備率を20日から0.5%引き上げると発表した。本年6度目。大手行の預金準備率は過去最高の18.5%となる。

ーーー

そんななかで、広州日報は広州市で10年値上がりしていないものを挙げている。
1)路線バス:ガソリン代が1リットル1元以下(現在6.8元)だった14年前から2元のまま
2)公園:80%が無料化
3)新聞:10年前と同じ1元のまま
4)食品:袋入りの醤油や料理酒、普通の塩は10年前と同じ1袋1
1.2元
5)宝くじ:2元で500万元(但し税引後では大都市だとちょっとした3LDKくらいしか買えない)
6)電子製品:パソコンやデジカメ、携帯電話などの電子製品はここ10年で大幅に値下がり
7)電話代とインターネット代:ほぼ半額に
8)車:一般家庭に普及


2010/11/20 韓国、チリのリチウム鉱区確保 

韓国がチリのAtacama塩湖地区のリチウム鉱区の持ち分30%を確保した。

三星物産と韓国鉱物資源公社は11月15日、エラスリスグループのエネルギー部門子会社のコピアポ社との間で、アカタマ高地にあるミスティー湖で進められているMinera NX UNO プロジェクトの株30%を1億9千万ドルで買収する契約を締結した。
三星物産が18%、韓国鉱物資源公社が12%を引き受ける。

世界最大生産会社のチリのSQMが保有するアカタマ塩湖中央部の外郭地域が開発対象。

三星物産社長は「3年前にプロジェクトが行われるという情報を知り、株式を確保するために交渉を行ってきた結果、契約にまで達した」、「その過程で日本企業との競争も激しかった」と述べた。

世界のリチウム鉱の2007年の生産量と埋蔵量は以下の通り。(含有リチウム換算)
  http://www.jetro.go.jp/world/cs_america/cl/stats/pdf/lithium.pdf

  生産量 確認可採
  埋蔵量
確認埋蔵量
チリ  9,400トン  3,000千トン  3,000千トン
ボリビア   ー   −  5,400
ブラジル   240   190   910
アルゼンチン  3,000   na   na
中国  3,000   540  1,100
米国  非公表   38   410
カナダ   710   180   360
ポルトガル   320   na   na
ロシア  2,200   na   na
ジンバブエ   600   23   27
合計  25,000  4,100  11,000

チリではアタカマ塩湖の塩水(底の岩塩と表面の塩の固まりの中間に塩水層がある)を汲み上げ、プールで天日乾燥し、アタカマ塩湖から200キロ離れたアントファガスタ港湾都市で炭酸リチウムを生産している。

チリ鉱業化学会社(SQM)とドイツのChemetallのチリ現地法人が生産しており、前者がアタカマ塩湖鉱区10ヵ所のうち9ヵ所の利権を所有している。

2001年10月にカナダのPotash Corporation of SaskatchewanSQM株の18.3%を買収し、2004年に37.5%にまで引き上げている。

韓国が確保した鉱区の規模は60万km2で、鉱物公社側は、初期には年間2万トン、設備を増やせば年間4万トンまで生産できると見通している。

新しく設立される合弁会社は、来年からアタカマ塩湖西部地域に精製施設を建設、2014年にはアントファガスタ市近隣に生産工場を建設し、本格的なリチウム生産に入る計画。年2万トンの炭酸リチウム販売権は全量、韓国企業が保有する。
昨年の韓国の需要量(5140万トン)の4倍に近い規模。  

金信鍾鉱物資源公社社長はこの日、「段階的に施設を拡充し、年4万トン規模まで生産を増やす計画」とし「すでに 株式を確保したアルゼンチン鉱区の年6000トンと合せれば、今後10年間は国内にリチウムを安定的に供給できる体制が整った」と述べた。

鉱物公社は、GSカルテックス、LG商社とともにアルゼンチン北部のオンブレ・ムエルト(Hombre Muerto)塩湖のリチウム鉱区開発事業の持ち分30%も確保している。

2010/6/11  韓国鉱物公社、アルゼンチンのリチウム開発に参加

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 残りの激戦地はボリビアのウユニ塩湖。

ボリビアのモラレス大統領が8月25日、2泊3日の予定で韓国を国賓訪問した。
イ・ミョンバク大統領とモラレス大統領は26日、青瓦台(大統領府)で会談し、ボリビア西部のウユニ湖のリチウムを抽出するための研究を共同で行うことで一致し、両政府の間でリチウム抽出研究開発および事業化協力のための了解覚書を交わした。

公社関係者は「8月末までに報告する1次研究結果を基礎に商用化研究を進行し、事業性が確認されればボリビアでリチウム工場の設立を推進する予定」と説明した。

2010/8/27 韓国とボリビア、リチウム開発で覚書

独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は11月10日、同国鉱山公社と研究開発に関する覚書に署名したと発表した。

住友商事、三菱商事などと共同で塩水からのリチウム抽出試験に協力する
試験は来年初めから1年半程度、ボリビア側がウユニ塩湖畔に建設中のパイロットプラントで実施する。日本勢が開発した技術でリチウムを抽出・精製し、電池などに使われる炭酸リチウムの生産に取り組む。

 

ボリビアのピメンテル鉱業・金属相は11月16日、日本経済新聞に対し、同国でのリチウム開発計画について、外資への権益売却は考えず自力で開発・生産を進める意向を明らかにした。2014年にリチウムイオン電池の国内生産を始める計画も表明、「電池に加工しての輸出が原則」とし、世界から技術供与を求めると述べた。

発言のポイント:
・リチウムの抽出技術を確立した。
 2011年から実証施設で少量生産(年間480トン)に着手、2013〜14年に3万トン規模の商業生産を行う。
・並行してリチウムイオン電池生産に4億ドルを投資、2014年に生産を開始する。
 世界から技術供与を求める。

別途、リチウムの共同開発のパートナー国の選定については、国内のリチウムイオン電池の生産が条件となると明言した。


2010/11/20 インドネシアとインドのIndoramaの現状

さきに、タイのIndorama Venturesの状況を説明した。

2010/11/18 タイのIndorama、米国と中国でポリエステル等の工場を買収 

Indorama Group 1974年にMohan Lal Lohia ML Lohia) によりインドで設立され、インド、インドネシア、タイなどでPTAPET、ポリエステルなどの事業を拡大した。

ML Lohia は事業を3人の息子に分割した。長男 OP Lohiaはインド、次男 SP Lohia はインドネシア、三男 Aloke Lohia はタイを受け継いだ。同じような事業を行っているが、それぞれが独立して事業を行っている。


インドネシアの
Indorama Corporation とインドのIndo Rama Synthetics (India)の現状は以下の通り。

1)Indorama Corporation ( in Indonesia )

分野 社名 製品 能力
Polyester Fiber & Filaments PT. Indorama Synthetics Indonesia Fibers, Yarns and Chips 280,000 tons
Spun Yarns (PT. Indorama Synthetics) Indonesia Polyester, Viscose,
Cotton (including Organic), Acrylic
 194K Spindles
Indorama Iplik Sanayi Ve Ticaret Turkey Polyester, Viscose, Cotton 31K Spindles
ISIN Lanka (Pvt) Sri Lanka Viscose, Cotton 29K Spindles
Indorama Shebin Textiles Egypt Polyester, Viscose, Cotton, Acrylic 196K Spindles
Total     450K Spindles
Fabric (PT. Indorama Synthetics) Indonesia Grey Fabric 24 million m
Dyed & PFD 42 million m
Petrochemicals Eleme Petrochemicals Nigeria HDPE & LLDPE 240,000 tons
PP 95,000 tons
Power (PT. Indorama Synthetics) Indonesia Power Generation 60 MW
Medical Gloves PT.Medisafe Technologies Indonesia Natural Rubberand Synthetic Gloves 840 million pcs
Real Estate P.T. Kalindo Deka Griya Indonesia Construction Activity  
P.T. Kalindo Irama Griya Indonesia    

2)Indo Rama Synthetics (India) Ltd.

立地:Butibori in Maharashtra

製品&能力

製品 能力  
Polyester Staple Fibre  263,550トン  
Polyester Filament Yarn 259,000トン  
Draw Texturised Yarn 43,800トン  
Polyester Chips 87,500トン  
     
電力 82.5MW diesel generating 52.5 MW
石炭co-gen 30 MWtotal 40MW)l

 


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