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これは下記のブログを月ごとにまとめたものです。

最新分は  http://blog.knak.jp


2012/9/17  「革新的エネルギー・環境戦略」 

政府のエネルギー・環境会議は9月14日、「革新的エネルギー・環境戦略」を決定した。
http://www.npu.go.jp/policy/policy09/pdf/20120914/20120914_1.pdf

「震災前、エネルギー社会の在り方として「原子力」への依存度を高めることを柱として、安定供給の確保を目指し、地球温暖化問題の依存度を探索してきた。
今回の事故の深刻な現実を直視し、事故の教訓に深く学ぶことを通じて、政府は、これまで進めてきた国家のエネルギー戦略を、白紙から見直すべきであると確信するに至った。」

ーーー

政府は3つのシナリオを考えた。

当初は原発ゼロは考えていなかったが、原発反対の声に押され、民主党主導でゼロに転換した。

しかし、2030年ではなく、「2030年代にゼロ」と曖昧にした。

また、原発ゼロでは核燃料リサイクルは不要となり、再処理工場は未完成だが再処理を前提に使用済み核燃料を預かる青森県と六ケ所村がすぐにもその返還を求める動きを見せたことから、核燃料リサイクルは続けるという矛盾した計画となった。

そもそも、再処理工場が動いたとしても最大処理能力は年800トンに過ぎず、再処理工場内のプールは満杯のため、遅かれ早かれ、各原発での使用済み核燃料の保管が出来なくなり、地中に直接埋める「直接処分」をしなければ行き詰る。
「直接処分」には多くの問題があり、これから研究するという段階。

核燃料リサイクルを前提にした日米原子力協定の問題もある。

また、原発停止による電力料アップは必至であり、財界からは大きな反対が出ている。

ーーー

政府は目標達成に向け、再生可能エネルギー拡大の工程表や、新たな温暖化対策を年末までに決める。

なお、「グリーンエネルギー拡大の状況、国民生活・経済活動に与える影響、国際的なエネルギー環境情勢、原子力や原子力行政に対する国民の信頼の度合い、使用済み核燃料の処理に関する自治体の理解と協力の状況、国際社会との関係などの点について、検証を行い、不断に見直していく」として おり、将来の変更の余地を残した。

野田首相は、「見通せない将来について、あまりに確定的なことを決めてしまうのは、むしろ無責任だ」と説明した。

「革新的エネルギー・環境戦略」は、省エネルギー・再生可能エネルギーといったグリーンエネルギーを最大限に引き上げることを通じて、原発依存度を減らし、化石燃料依存度を抑制することを基本方針とし、次の三本柱を掲げる。

1.原発に依存しない社会の一日も早い実現
2.グリーンエネルギー革命の実現
3.エネルギーの安定供給

三本柱の実現のため、電力システム改革を断行
省エネルギー、再生可能エネルギーの拡大は、地球温暖化対策の着実な実施に直結
    

1.原発に依存しない社会の一日も早い実現

2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入
(その過程で安全性が確認された原発は、重要電源として活用)

@ 40年運転制限制を厳格に適用
A 原子力規制委員会の安全確認を得たもののみ、再稼働
B 原発の新設・増設は行わない。

枝野経産相は9月15日、Jパワーの大間原発(進捗率38%)と中国電力の島根原発3号機(93.6%)の建設継続を容認する考えを表明した。〔「2030年代の原発ゼロ」目標と矛盾〕
東電・東通原発1号機(進捗率9.7%)については、再開は認められないとの考えを示した。

  5つの政策

1) 核燃料サイクル政策

国際的責務を果たしつつ、引き続き従来の方針に従い再処理事業に取り組みながら、政府として責任を持って議論

当面以下を先行
直接処分の研究に着手
・「もんじゅ」は廃棄物の減容、有害度の低減等を目指した研究を行う。
  年限を区切った研究計画を策定・実行し、成果確認の上、研究を終了
使用済み核燃料の処理技術、専焼炉等の研究開発を推進
・バックエンド(原子炉の廃炉費用や放射性廃棄物の処理、核燃料サイクルなど)に関する事業を国も責任を持つ
・国が関連自治体や電力消費地域と協議する場を設置

2) 人材や技術の維持・強化

3) 国際社会との連携

4) 立地地域対策の強化

5) 原子力事業対策と原子力損害賠償制度

2.グリーンエネルギー革命の実現

発表内容をまとめると、2030年では再生エネルギーは30%となる。(億kWh)

  2010年 2015年 2020年 2030年 2030年代
 最終
発電量 11,000        
節電

  ー

-250 -500 -1,100  
ネット発電量 11,000 10,750 10,500 9,900 9,900
(成長ケース) (11,000) (11,100) (11,200) (10,000)  
           
原子力 26% 2,860 9,350 8,700 70% 6,900 0% 0
化石燃料 63% 6,930 65% 6,435
再生エネルギー 10% 1,100 1,400 1,800 30% 3,000 35% 3,465
(うち水力) (8%) (850) (900) (1,000) (11%) (1,100)    
( 水力以外) (2%) (250) (500) (800) (19%) (1,900)    

   

 1) 節電・省エネルギー

                                                               *  HEMS=Home Energy Management System

2) 再生可能エネルギー


3.エネルギーの安定供給

火力発電の高度利用
コジェネなど熱の高度利用
次世代寝ルギー関連技術 
   メタンハイドレート、水素ネットワーク、CCS(二酸化炭素回収)など
安定的かつ安価な化石燃料等の確保及び供給

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読売新聞社説  エネルギー選択 「原発ゼロ」は戦略に値しない

産経新聞 「主張」 原発ゼロ政策 即時撤回して「25%超」に 世界で孤立し責任果たせぬ

 


2012/9/18  ドイツ憲法裁、欧州安定メカニズムを承認 

ドイツ憲法裁判所は9月12日、一定条件の下で欧州安定メカニズム(ESM)と欧州財政協定の批准を認める判断を下した。

付記 欧州安定メカニズム(ESM)は10月8日、初の理事会を開催、正式に発足した。

Moodysは10月8日、ESMの長期信用格付けを、最上級の「Aaa」、見通しを「ネガティブ(弱含み)」にしたと発表した。

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2012年2月、ESM創設条約が署名された。当初の予定を1年繰り上げ、2012年7月発効を目指した。

当初の最大融資能力は、7,000億ユーロの応募資本(800億ユーロの資本金と6,200億ユーロの請求払資本)によって得られる5,000億ユーロ (払込資本金/融資額は15%以上とする)

EU27カ国は3月30日、コペンハーゲンでユーロ圏財務相会合を開き、債務危機に対応するための安全網全体の規模(2013年7月以降)を現在の案の5,000億ユーロから8,000億ユーロ(約88兆円)に拡大することで合意した。

但し、8,000億ユーロの内訳は本年7月に発足する(予定であった)欧州版IMFの欧州安定メカニズム(ESM)の5,000億ユーロに、既に実施済み又は実施予定のものを加えたもの。

2012/4/2 ユーロ圏、金融安全網 8,000億ユーロに拡大で合意 

ドイツ議会は6月29日、深夜近くまで及んだ審議でEU財政協定と欧州安定化メカニズム(ESM)を上下両院とも3分の2の賛成で承認した。

しかし、これに反対する学者や議員、一般国民など3万7千人が、国民の税金がESMを通じて南欧諸国に流れる とし、ESMや欧州財政協定は違憲だとして憲法裁判所に提訴した。
とりわけESMに関する訴えでは、主権がドイツからEUへ不法に移管されるとして批判した。

ガウク大統領は、憲法裁判所が承認するまで署名しない方針を示した。

このため、ESMの発足はドイツの憲法裁判所の承認待ちとなっていた。
ユーロ圏17カ国でドイツ以外は批准している。)

ーーー

今回、憲法裁は、「どの危機対策がドイツと欧州のために良いことか現時点では断言できない」と指摘し、「それを判断するのは有権者から選ばれた政治家だ」と述べた。さらに、「憲法裁は危機対策が有効か検証する機関ではない」とも説明した。

「訴えはおおむね正当な理由を欠く」として退け、憲法違反にならないとの判断を下したが、2つの条件を課した。

1)ESMに対するドイツの負担金の上限を1900億ユーロとし、将来的にこれを超える場合には、下院による事前承認が必要と指摘した。

応募資本合計 7000億ユーロx27.15%(ドイツ負担比率)

2)ESMに関する決定の機密保持を盛り込んだESM条約の条項について
  「上下両院への包括的な情報提供を妨げるものであってはならない」との判断を下した。

ショイブレ独財務相は、上記の2点について補足などの形でESM条約に盛り込み、数週間以内にもESMは稼動できるとの見方を示した。
ユーログループのユンケル議長は、10月8日にESMの初回理事会を開く方針を明らかにした。

ーーー

ESMの概要

安全網規模:8000億ユーロ(ESM 5000億ユーロ+実施済 約3000億ユーロ)

ESMは7,000億ユーロの応募資本(800億ユーロの資本金と6,200億ユーロの請求払資本)をテコにESM債の発行などで金融市場から調達する 。

払込資本金/融資額は15%以上とすると決められており、800億ユーロの資本金で、5,000億ユーロが最大融資能力となる 。
ユーロ圏17カ国は800億ユーロの資本金を分割払いにする。

現在の予定では以下の通り。

資本金払込 金額 累積融資能力 払込/融資
2012年下期  320億ユーロ   2100億ユーロ 15.2%
2013年7月 320億ユーロ 4200億ユーロ 15.2%
2014年上期 160億ユーロ 5000億ユーロ 16.0%
合計 800億ユーロ    

各国の出資比率は以下の通り。

Austria 2.78%
Belgium 3.48%
Cyprus 0.20%
Estonia 0.19%
Finland 1.80%
France 20.39%
Germany 27.15%
Greece 2.82%
Ireland 1.59%
Italy 17.91%
Luxembourg 0.25%
Malta 0.07%
Netherlands 5.72%
Portugal 2.51%
Slovakia 0.82%
Slovenia 0.43%
Spain 11.90%

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EUの欧州委員会は9月12日、ユーロ圏の銀行を一括して規制する銀行監督一元化案を正式に発表した。
欧州中央銀行(ECB)が2013年初めから、段階的に域内の銀行を監督対象にしていく。

2013年7月には大手銀行を、2014年1月からは域内の全銀行を対象とする計画。

現状では欧州安定メカニズム(ESM)は銀行に直接投資することは出来ず、各国に融資し、国が銀行に投資する。
このため、各国の債務が増えることとなる。

銀行監督一元化が出来れば、企業への直接投資に道を開くこととなる。


2012/9/19 コスモ石油、「アスファルト漏洩事故調査委員会」報告 

コスモ石油は9月14日、 千葉製油所で6月28日に発生した屋外タンクからのアスファルト流出事故について「事故調査委員会」の報告を発表した。

6月28日午前7時18分頃、タンクが破裂してアスファルト 437キロリットル(15℃換算)が 漏洩し、一部が海上に流出した。

海上への流出量は約72キロリットル(15℃換算)、海上へ流出したアスファルトはオイルフェンス内に留まって回収したが、この内約2キロリットルがオイルフェンスの外に漏洩したと推定。

ーーー

千葉製油所は東日本大震災でLPGタンクの火災・爆発事故が起き、法令違反(緊急遮断弁3基をピンで「開」状態で固定していた)も発覚した。

2011/8/6 コスモ石油千葉製油所火災爆発事故の原因

2011/7/2 経産省、東日本大震災の火災事故でコスモ石油に行政処分 

今春に一時的に生産を再開したが、トラブルや今回の事故などで再び停止したままとなっている。記者会見した松村取締役は、「再開時期は見通せない」と述べた。
停止1カ月あたりで15億〜30億円のコスト押し上げ要因になる。

同社は2013年7月の坂出製油所の閉鎖を決めたばかり。

2012/8/30  エネルギー供給構造高度化法、進展 

ーーー

アスファルトタンク (505番タンク、容量:1,000キロリットル)は1967年に製造・設置され、10年ごとに検査することになっていたが、2007年の調査を見送ったため、1996年を最後に検査されていない状態が続いていた。

しかし、2011年3月の東日本大震災で同製油所の石油タンクが爆発、炎上する事故があったため、同製油所はすべてのタンクの稼働を停止させ、安全検査を実施。今回のタンクは2011年10月に約15年ぶりに検査された。
屋根板に腐食開孔があり、開孔部については、応急処置した。

今回、同タンクの点検および腐食開孔部の補修を目的に、常温であったアスファルトを6月14日から加温し、他のアスファルトタンクに移送する準備をしていた。

事故発生の直前にアスファルトタンク上部の通気口から多量の水蒸気が目撃され、事故発生時には鈍い破裂音が確認されている。
 

「アスファルト漏洩事故調査委員会」によると、事故原因は以下の通り。

(1)本タンクの屋根板が外面腐食により相当期間開孔し、雨水が浸入する状態になっていたこと

検査計画の策定および確認の手順に不備があり、本タンク屋根板の検査が適切に実施されず、屋根板が腐食により開孔した。

(2)本タンク内部に水が浸入した状態で本アスファルトを常温から加温したこと

本タンク屋根板の腐食開孔部については、応急処置を行っていたため、「本タンク内に水が浸入していたとしても少量であり、加温中に蒸発する。」と判断した。

(推定)
外面腐食による開孔部から雨水がタンク内に混入したが、タンク内のアスファルトは製品アスファルト(1.02〜1.04g/cm3) を生産する際のブレンド材として使用するもので、水よりも密度が小さい(0.97g/cm3)ため、水はアスファルト内に沈み込んだ。
タンクは通常170℃を保持しているが、精製装置の稼働停止に伴い1年以上常温期間があったため蒸発せず)

今回、加温によりその水が沸騰し、水蒸気によってアスファルトが上部へ押し上げられ、タンク上部が開口し、水蒸気とともにアスファルトが流出した。

(3)本アスファルトの海上流出を防ぐ体制が不十分であったこと

アスファルトタンクの敷地に囲いを設置していたほか、本アスファルトが漏洩してもアスファルトタンクの敷地内に留まる量の在庫運用を計画していた。

計画実行の前段階である移送作業の準備中に今回のアスファルト漏洩事故が発生し、本アスファルトの一部が囲いを越えて近くの排水溝に流入したため、海上へ流出した。

アスファルトタンクの敷地内にある油水分離槽の入口弁が開状態であったため、本アスファルトの一部が排水溝に流入し、海上に流出した。

再発防止策

(1)の再発防止策

アスファルトタンク屋根板の寿命予測を厳格に実施し、補修基準に達する前に検査を実施する計画を策定
検査履歴を整備し、保全計画が遺漏なく管理されるよう、より具体的な「手順・要領・役割分担」を策定

(2)の再発防止策

アスファルトタンク内に水がある状態で加温する危険性について、運転管理基準等に反映、周知・教育を徹底
今後常温まで冷却された本アスファルトを再加温する際には、水の沸点を超えない運用とし、他のタンクへ移送

(3)の再発防止策

油水分離槽等の設置目的および運用方法を周知徹底
万が一、本アスファルトが漏洩してもアスファルトタンクの敷地内に留まる容量で在庫運用を実施
アスファルトが海上に流出させないよう対策を実施

アスファルトタンクの敷地内に人がいた際に同様な事象が発生した場合でも、速やかに避難できるように歩廊を増設


2012/9/20 「革新的エネルギー・環境戦略」 迷走? 

政府は9月19日の閣議で、2030年代に原発ゼロを目指すことなどを盛り込んだ「革新的エネルギー・環境戦略」自体の閣議決定を見送った。

2012/9/17 「革新的エネルギー・環境戦略」 

閣議決定した文章は次の通りで、新戦略自体は参考文書というあいまいな扱いにした。

今後のエネルギー・環境政策については『革新的エネルギー・環境戦略』を踏まえて、関係自治体や国際社会等と責任ある議論を行い、国民の理解を得つつ柔軟性を持って不断の検証と見直しを行いながら遂行する。

閣議決定の文章そのものには、2030年代にゼロにするという表現は入っていない。

古川元久国家戦略担当相は閣議後の会見で、これについて、「実際の政策決定プロセスを見据えたもので、内容を変えたわけではない」と強調。そのうえで「確かな方向性に向けて足元から一つ一つ具体的な政策を詰めていくことが極めて重要で、それが最終的に2030年代に原発ゼロが可能になる状況を作っていくものになる」との認識を示した。

脱原発を打ち出した戦略に反発を強める経団連などの経済界や原発関連施設立地の自治体、米国などに配慮し、政策の調整の余地を残すためとみられる。

閣議決定の効力は、原則としてその後の内閣にも及ぶというのが従来からの取扱いとなっている。
(新たな閣議決定により前の閣議決定に必要な変更等を行うことは可能)

閣議決定見送りにより、次の内閣への拘束力はなくなった。

ーーー

具体的な案件についての閣僚の発言は以下の通りで、矛盾もみられる。

1)40年運転制限制の厳格適用

藤村官房長官は9月18日の記者会見で、40年以上経過している日本原子力発電敦賀原発1号機と関西電力美浜原発1、2号機を廃炉にする方針を示した。

敦賀1号機、美浜1、2号機について「原則に基づいてやる。廃炉にされます」と語った。
実際に廃炉にするかどうかの判断は、9月19日に発足する原子力規制委員会に委ねられる。

このほか、東京電力福島第一1号機が40年以上経過しているが、1〜4号機は既に4月19日付で「廃止」されている。
数年以内に40年に達する原発は下表を参照。

原子力規制委員会が9月19日に発足した。
田中委員長は運転開始から40年を超える原発の稼働延長について「相当困難と思っている」と述べた。

原発の再稼働について「ストレステストの評価の前に、防災の基準を作ることが前提となる。ストレステストは一つの政治的な方策で、とらわれることはない」と慎重な姿勢を示した。

2)建設中の原発の扱い

藤村修官房長官は18日午前の記者会見で、現在建設中のJパワーの大間原子力発電所と、中国電力の島根原発3号機について「設置許可を取り消すということではない」と明言した。
稼働させるかどうかは「原子力規制委員会が独立の立場から安全性を確認していく」と指摘した。

枝野経産相は9月15日、Jパワーの大間原発(進捗率38%)と中国電力の島根原発3号機(93.6%)の建設継続を容認する考えを表明した。
東電・東通原発1号機(進捗率9.7%)については、再開は認められないとの考えを示した。

「革新的エネルギー・環境戦略」では、以下の通りとしている。
   2030年代に原発稼働ゼロを可能とするよう、あらゆる政策資源を投入

   @ 40年運転制限制を厳格に適用
   A 原子力規制委員会の安全確認を得たもののみ、再稼働
   B 原発の新設・増設は行わない。

このうち、既に建設を開始している2つについては、「原発の新設」に当たらないとしたもの。

しかし、仮に来年に運転を開始したとしても、(40年運転制限では)2050年代まで稼働できるため、新戦略の「30年代の原発ゼロ」目標と矛盾する。(遅くとも2039年にゼロにする場合、たった26年で停めることとなり、採算面からあり得ないこととなる。)

3)「もんじゅ」

日本原子力研究開発機構の高速増殖原型炉「もんじゅ」については、
  「もんじゅ」は廃棄物の減容、有害度の低減等を目指した研究を行う。
  年限を区切った研究計画を策定・実行し、成果確認の上、研究を終了。
となっている。

「もんじゅ」はMOX燃料(プルトニウム・ウラン混合酸化物)を使用し、消費した量以上の燃料を生み出すことのできる高速増殖炉の実用化のための原型炉。

1995年にナトリウム漏洩による火災事故を起こし、2010年5月に2年後の本格運転を目指して運転を再開したが、同年8月の炉内中継装置落下事故により停止中。

平野文部科学相は18日に福井県庁で西川一誠知事と会談し、「もんじゅ」の取り扱いについて、「従来の取り組みから変更しているつもりはない」との方針を説明した。「廃棄物の減量などは副次的な目的」と強調した。

一時は研究炉にし、高速増殖炉実用化をやめることも検討されたが、結局は元通りということになる。

ーーー

原発の状況は以下の通り。(2012/9 時点)

超党派の国会議員の「原発ゼロの会」は6月28日、全国の原発50基を経過年数や地盤の状況、周辺人口などで採点した「原発危険度ランキング」を発表した。その
危険度順位別に並べた。 (総合ポイントが高いほど危険)
    
2012/6/29 原発危険度ランキング (2012/9)

 
は即時廃炉にすべき24基

原子炉 事業者 形式 能力
万kw
運転開始 40年
まで
年数

総合
ポイント

  備考
敦賀1号 原電 BWR
(Mark
-I)
35.7 1970/3/14 0 12.00 直下活断層の可能性大 40年運転制限
1 大飯1号 関電 PWR 117.5 1979/3/27   7 10.75    
大飯2号 関電 PWR 117.5 1979/12/5 7 10.75    
美浜2号 関電 PWR 50.0 1972/7/25  0 10.45 非常用炉心冷却装置作動実績
(1991)
40年運転制限
3 美浜1号 関電 PWR 34.0 1970/11/28   0 10.35   40年運転制限
浜岡4号 中部 BWR 113.7 1993/9/3   9.70 要請停止中(東海地震震源域)  
浜岡3号 中部 BWR 110.0 1987/8/28   9.45
浜岡5号 中部 ABWR 138.0 2005/1/28   9.45
4 美浜3号 関電 PWR 82.6 1976/3/15 4 9.45    
5 島根1号 中国 BWR
(Mark-I)
46.0 1974/3/29 2 9.30    
6 高浜1号 関電 PWR 82.6 1974/11/14   2 9.05    
島根2号 中国 BWR 82.0 1989/2/10   9.05    
柏崎
刈羽4号
東電 BWR 110.0 1994/8/11   8.80 被災(中越沖地震)  
8 高浜2号 関電 PWR 82.6 1975/11/14  3 8.55    
柏崎
刈羽2号
東電 BWR 110.0 1990/9/28   8.45 被災(中越沖地震)  
敦賀2号 原電 PWR 116.0 1987/7/25   8.25 直下活断層の可能性大  
柏崎
刈羽3号
東電 BWR 110.0 1993/8/11   8.20 被災(中越沖地震)  
東海2号 原電 BWR 110.0 1978/11/28 6 8.00 被災(東日本大地震)  
女川1号 東北 BWR
(Mark
-I)
52.4 1984/6/1     7.65 被災(東日本大地震)  
柏崎
刈羽6号
東電 ABWR 110.0 1996/11/7   7.60 被災(中越沖地震)  
柏崎
刈羽1号
東電 BWR 110.0 1985/9/18   7.55 被災(中越沖地震)  
福島T
5号
東電 BWR
(Mark
-I)
78.4 1978/4/18 6 7.50 被災(東日本大地震)  
柏崎
刈羽5号
東電 BWR 110.0 1990/4 /10   7.45 被災(中越沖地震)  
柏崎
刈羽7号
東電 ABWR 135.6 1997/7/2   7.20 被災(中越沖地震)  
女川2号 東北 BWR 82.5 1995/7/28   7.00 被災(東日本大地震)  
福島T
6号
東電 BWR 110.0 1979/10/24 7 6.90 被災(東日本大地震)  
9 志賀1号 北陸 BWR 54.0 1993/7/30   6.70    
福島U
1号
東電 BWR 110.0 1982/4/20   6.45 被災(東日本大地震)  
10 高浜3号 関電 PWR 87.0 1985/1/17     6.40    
高浜4号 関電 PWR 87.0 1985/6/5     6.40    
福島U
2号
東電 BWR 110.0 1984/2/3   6.05 被災(東日本大地震)  
福島U
3号
東電 BWR 110.0 1985/6/21   6.05 被災(東日本大地震)  
福島U
4号
東電 BWR 110.0 1987/8/25   6.05 被災(東日本大地震)  
女川3号 東北 BWR 82.5 2002/1/30   5.95 被災(東日本大地震)  
12 志賀2号 北陸 ABWR 135.8 2006/3/15   5.85    
大飯3号 関電 PWR 118.0 1991/12/18     5.85   再稼働    7/9フル
大飯4号 関電 PWR 118.0 1993/2/2   5.85   再稼働 7/25フル
東通1号 東北 BWR 110.0 2005/12/8   5.75 被災(東日本大地震)  
15 泊3号 北海 PWR 91.2 2009/12/22     5.75    
16 伊方1号 四国 PWR 56.6 1977/9/30   5 5.60    
17 泊1号 北海 PWR 57.9 1989/6/22      5.55    
18 玄海1号 九電 PWR 55.9 1975/10/15   3 5.25    
19 泊2号 北海 PWR 57.9 1991/4/12     5.20    
20 伊方3号 四国 PWR 89.0 1994/12/15     4.20    
21 川内1号 九電 PWR 89.0 1984/7/4   3.90    
22 川内2号 九電 PWR 89.0 1985/11/28     3.70    
23 伊方2号 四国 PWR 56.6 1982/3/19     3.45    
玄海2号 九電 PWR 55.9 1981/3/30   9 3.45    
25 玄海3号 九電 PWR 118.0 1994/3/18     2.85    
26 玄海4号 九電 PWR 118.0 1997/7/25     2.75    
福島T
 1号
東電 BWR
(Mark
-I)
46.0 1971/3/26 0   2012年4月19日付で「廃止」
 2号 78.4 1974/7/18 2  
 3号 78.4 1976/3/27 4  
 4号 78.4 1978/10/12 6  

稼働・休止合計

        54基 - 4基 うち稼働中 2基
  高速増殖炉 
もんじゅ
            休止中 従来計画通り
  大間 Jパワー     ABWR     建設中 建設継続
  島根3号 中国      ABWR     建設中 建設継続
  東通1号 東 電     ABWR     建設中   ?

     PWR:加圧水型、BWR:沸騰水型、ABWR(Advanced BWR):改良型沸騰水型
     BWRのうち、格納容器がMark-1型は問題とされている。

         


2012/9/21    武田薬品工業のロシア医薬品生産工場完成  

武田薬品は9月12日、ロシアのヤロスラブリ(Yaroslavl)に建設していた医薬品の生産工場が完成し たと発表した。
本格稼動は2014年を予定している。

ロシアの医薬品市場は2011年には147億ドルとなり、世界で11番目の市場規模にまで成長した。
2016年には 250億ドルになると見込まれている(2012年から2016年までの年平均成長率が約11%)

武田薬品では同期間に市場を上回る約15%の売上高の年平均成長率を見込んでいる。

Yaroslavl はモスクワの北東 280kmにある。

総工費は約7,500万ユーロで、生産品目はロシアでのニーズが高い主力製品 Actovegin(脳・末梢循環障害改善剤)、Cardiomagnyl(心血管疾患予防剤)、Calcium tablets(骨粗鬆症治療剤) で、 生産能力は年間 アンプル製剤9,000万本、固形製剤20億錠以上となっている。

2009年のロシアでの死因の57%が心血管疾患(脳血管障害、高血圧など)で、癌は15%。

同社のロシアの拠点は以下の通り。

ーーー

武田薬品は2011年9月30日にスイスのNycomed A/Sを96億ユーロ(株式価値+純負債ベース)で買収し、同日付で100%子会社とした。

2005-10年の世界の医薬品市場成長の約半分は新興国の成長によるが、Nycomedは新興国(ロシア、中国、ブラジル、トルコ、メキシコ、他)で前年比約30%の成長を実現している。

Nycomed 地域別売上高

武田薬品は買収のメリットの一つに、
「医薬品市場の成長を牽引する新興国における事業拡大」を挙げている。

2010年ベース新興国向け売上高は武田が 178億円だが、Nycomed は1,248億円で、合計は一挙に 1,426億円になる。  

2011/5/23 武田薬品、Nycomed社を買収

買収時のNycomedの製造拠点は以下の通りで、今回のロシアのYaroslavl 工場は同社が2009年9月に建設を決め、2010年に建設を開始したもの。

Contract
 Manufacturing sites
Production
sites
Site
under construction
Joint
Ventures
Austria / Linz
Belgium / Brussels
Brazil / Jaguariúna
Germany / Oranienburg
Germany / Singen
Norway / Elverum
Mexico / Naucalpan
Poland / Łyskowice
Norway / Asker
Denmark / Roskilde
Denmark / Hobro
Estonia / Põlva
Argentina / B.A.
Russia / Yaroslavl India / Mumbai-Vashi
(
Zydus NYCOMED Healthcare)
 ZydusのJV相手の
 ALTANA Pharma を買収

China / Guangdon
( Techpool Bio-Pharma )
 2010年 51.34%を買収


ーーー

武田薬品は8月28日に「新興国事業ミーティング」を開催した。

プレゼンテーション資料:
    ナイコメッド社買収をふまえたグローバルでの事業機会の活用
         - 新興国市場におけるタケダの戦略
         http://www.takeda.co.jp/pdf/usr/default/EMG_Full_J_120829HP_52766_2.pdf

 


2012/9/22 韓国三星グループが節酒キャンペーン 

三星グループは、創業以来最大規模となる「飲酒文化改善キャンペーン」を実施、グループ内の全ての組織と連携し、不適切な飲酒を人事に反映していく。韓国各紙が報じた。

「酒を飲めなければ成功はない」、「酒席を避けるのはひきょうだ」、「酒は組織生活に必須だ」という誤った飲酒文化のままでは超一流企業として残れないと判断し、厳しい節酒キャンペーンを行うことにした。

飲酒の悪習を確実に変え、これからは「サムスンで酒が飲めなければ出世できない」などと言われないようにする、今後は会社の飲み会で飲酒による事件や事故が発生した場合、当事者だけでなく飲み会を開いた部署長の責任も問うつもりだと説明している。

また来年1月からは、全系列会社での新入・中途社員教育と役員養成教育で、節酒に関する講義を必須科目に指定するという。
キャンペーンの効果をさらに上げるため、年末までに全社員に「節酒誓約書」を書かせるほか、社内にアルコール相談センターも設ける。

WHOが定めた暴飲基準(一度の飲み会で男性は焼酎7杯、女性は5杯以上)を内部で適用する方針で、次の3つを飲酒の三大悪習と規定し、関連企業全体にタブー事項として周知した。

「罰酒」:飲み会に遅れた社員に罰として酒を飲ませる
「サバル酒」:サバルと呼ばれる大きな器にお酒を注ぎ、チームワークのためとして、数人が飲み合う行為
「一気飲み」:お酒を一気に飲み干す

ーーー

2004年、サムスンの李健熙会長は内部会議で、「世界の一流企業の中で、朝から酒のにおいをぷんぷんさせながら出勤する社員がこれほど多い企業はない」と話し、「爆弾酒をやめるように」と指示した。

原爆酒:ジョッキに注いだビールの中に、ウイスキーを入れたショットグラスを入れる。
水爆酒:ジョッキに注いだウイスキーの中に、ビール入れたショットグラスを入れる。

李会長のこの発言の直後、サムスンでは大々的な暴飲・爆弾酒禁止キャンペーンが展開されたが、節酒運動は長続きしなかった。
飲酒も業務能力の一部と見なす社会的ムードに押され、うやむやになった。

今回は、「以前のような勧告にとどまらず、人事制度にまで絡め、飲み過ぎの習慣を正さなければ、出世も危うくなるという認識を植え付けたい」としている。

ーーー

専門家は「サラリーマンの飲酒文化が変わらなければ、韓国の飲酒文化そのものを変えることはできない」と指摘する。

企業の多くが志望者に対し、履歴書に飲酒が可能かどうか、あるいは酒量について記載するよう求めている。
採用時の面接が酒の席で行われる。
社員に禁煙を強制する企業は徐々に増加しているが、酒の節制を勧める企業はない。


2012/9/22   ビールを飲んで、筋肉老化防止

ビールの原料、ホップに含まれる成分に筋肉の萎縮や老化を抑える効果があることを、徳島大大学院の寺尾純二教授(食品機能学)らの研究チームが発見し、米科学誌PLOS ONE電子版で発表した。
     http://www.plosone.org/article/info%3Adoi%2F10.1371%2Fjournal.pone.0045048

ホップの効能は昔から知られており、鎮静作用や食欲増進作用を持つ複数の機能性物質があるとされる。
今回調べた成分もその一つで、ビールの製造過程や腸に吸収されるときに増加する。

座骨神経を切除して筋肉が減っていく状態にしたマウスを使った実験で、ホップに含まれるフラボノイド化合物が入った餌を与えたところ、筋肉量の低下が抑制された。
プレニル化されたフラボノイドの方が、そうでないフラボノイドよりも、まひした脚の細胞に約10倍多く蓄積し、効果を示しやすいことも確かめた。

このフラボノイド化合物プレニル化フラボノイド の 8-Prenylnaringenin (8-PN)で、ビールの製造過程やビールを飲んだ人間の腸内で生成される。

ホップ特有のフラボノイドのキサントフモール(Xanthohumol)は、抗菌活性をはじめ数多くの生理活性をもっていることが報告されてい る。

キサントフモールは、ビールの製造過程で大部分がイソキサントフモールに変化する。
これが、脱メチル反応や、体内での微生物の代謝作用で8-PNとなる。

8-Prenylnaringeninはナリンゲニン(Naringenin)をプレニル化したものだが、プレニル化が何故 効果を生むのかは不明という。

 

実験でマウスが1日に摂取した量は、体重50キロの人間で換算すると、ホップの乾燥粉末では毎日1キログラム、この成分を1リットル中最大 0.2mg 含む海外産ビールで 83リットル〜2万リットルに相当する。

寺尾教授は「実験では約20日間、大量に与えたが、人間の場合、過剰摂取は必要ない。長期にわたる習慣的なビール摂取でも、筋肉の老化防止効果が期待できる」とし、プレニル化フラボノイドを豊富に含む健康飲料や薬の開発が期待できると話している。


2012/9/24  iPS細胞技術に関する特許が日本、米国で成立

京都大学iPS細胞研究所は9月18日、iPS細胞基本技術に関する特許が、日本で1件、米国で3件、新たに成立したと発表した。
この4件のうち、米国特許2件はすでに特許登録されており、残りの2件も、数ヶ月以内に特許登録される予定。

これらの特許4件が成立したことにより、日米両国において、iPS細胞研究や薬剤候補物質のスクリーニングなどの応用研究に、多くの企業が安心して取り組むことができる環境の構築に貢献できると考えているとしている。

ーーー

日本で成立した特許1件は、iPS細胞研究所(CiRA)の研究グループが世界で初めて樹立した人工多能性幹細胞(iPS細胞)の基本技術に関するもの。
今回の特許は、4件目の日本特許となる。

特許請求の範囲:

(A) 特定のOctファミリー遺伝子、Klfファミリー遺伝子、Mycファミリー遺伝子およびSoxファミリー遺伝子を体細胞に導入する、iPS細胞の製造方法
(ただし、初期化される体細胞において、前記遺伝子のいずれかが発現している場合には、その遺伝子は導入する遺伝子から除いてもよい)
(B) 特定のOctファミリー遺伝子、Klfファミリー遺伝子およびSoxファミリー遺伝子が導入された体細胞を、増殖因子bFGFの存在下で培養する、iPS細胞の製造方法
(ただし、初期化される体細胞において、前記遺伝子のいずれかが発現している場合には、その遺伝子は導入する遺伝子から除いてもよい)
(C) 前記(A)または(B)に記載の製造方法によりiPS細胞を製造し、分化誘導する、分化細胞を製造する方法


過去に成立していた日本特許3件では、いずれも導入遺伝子がOct3/4, Sox2, Klf4またはOct3/4, Sox2, Klf4, c-Mycに限定されていた。
今回成立した特許では、導入遺伝子が特定のファミリー遺伝子まで広く認められた。

更に、その特定の初期化遺伝子が体細胞において発現している場合は、その遺伝子を除く初期化遺伝子を導入する方法も含めて成立した。

本特許は、上記で挙げたファミリー遺伝子を用いたiPS細胞の作製方法に加え、iPS細胞の作製および分化誘導の一連の工程により作製された分化細胞を用いた薬剤候補物質スクリーニング等まで、広範囲に権利が及ぶもので、日本国内でのiPS細胞技術を用いた医療応用の研究開発に拍車がかかることが期待できるとしている。


ーーー

米国で成立した特許3件のうち1件は、山中教授のグループが開発した技術に関する特許で、残りの2件は、2011年1月27日付けで、米国のバイオベンチャー企業iPierian社から京都大学に譲渡された特許。

今回の No.4 とiPierian社のNo.5 は、いずれもiPS細胞作製基本技術に関する特許で、作製方法が類似していたため、米国でインターフェアランス( 先発明主義による発明日の争い)に入る可能性があった特許出願で、iPierian社が保有していた米国特許が、京都大学に譲渡されたため、係争が回避された。

No.5は、No.4 のiPS細胞作製方法に、さらに特定の低分子化合物(特定の酵素の阻害剤)を加えた「選択発明」として成立した。

No.6は、Oct3/4, Klf4,Sox2の3遺伝子を含有するiPS細胞から分化させた細胞を、薬剤候補物質等のスクリーニングに使用できるという特許。

2011/2/3  京都大学、米社からiPS細胞関連特許を譲り受け

米国では、これまでに3件のiPS細胞に関する基本技術特許を成立させており、新たに成立した特許を加えると、合計6件の米国特許を取得したことになる。

京大は2011年8月11日、山中伸弥教授らが開発した新型万能細胞(iPS細胞)の作製技術に関する特許(特許番号8,048,999)が米国で成立したと発表した。

2011/8/15  京大のiPS細胞特許、米で成立

京大は2011年11月24日、iPS細胞に関する特許について、4つの遺伝子を用いてiPS細胞を作製する方法に関する米国特許(特許番号8,058,065)が11月15日に成立したと発表した。

京都大学iPS細胞研究所は2012年5月14日、山中伸弥教授らのグループによるiPS細胞の製造方法と分化誘導方法に関する特許(8,129,187)が、3月6日に米国で成立したと発表した。これは京都大学が米国で保有する3件目のiPS細胞関連特許となる。

2012/5/22 米国で3件目のiPS特許成立、iPS研究の現状

 


2012/9/25  2012年 Ig Nobel 賞に日本人の「スピーチジャマー」

2012年の Ig Nobel 賞の授賞式が9月20日、米マサチューセッツ州ケンブリッジのハーバード大で行われた。

迷惑を顧みず話し続ける人の話を妨害する装置「スピーチジャマー(SpeechJammer)」を開発した、産業技術総合研究所研究員の栗原一貴氏と科学技術振興機構研究員の塚田浩二氏の2人が「音響賞」を受賞した。

スピーチジャマーは、話し続ける人に対して、その人の音声をわずかな時間をおいて送り返す仕組み。そうすると、発話者はうまく話すことができなくなるという。

スピーチジャマー」は妨害を意味する英語のjam と日本語の「邪魔」を掛けた。

話している人の声をマイクで拾い、約0.2秒後に指向性スピーカーで声を本人に送り返す仕組み。
普段、声は出すのと同時に自分にも聞こえるが、少し遅れて聞こえるようにすると、なぜかうまく話せなくなることが分かっており、この現象を応用した。
スピーカーからの声は最大で約30メートルまで届くという。

日本人はこれまで、2005年までに11件、2007-2011年に1件ずつ計5件、合計16件の研究でイグ・ノーベル賞を受賞している。

2006/10/13 ノーベル賞とイグ・ノーベル賞
2007/10/8  2007年イグ・ノーベル賞
2008/10/4  2008年イグ・ノーベル賞
2009/10/3 
2009年イグ・ノーベル賞
2010/10/7  2010年ノーベル化学賞とイグ・ノーベル賞
2011/10/1  2011年度イグノーベル賞 

日本人の受賞はこれで17件となる。

本年の各賞の受賞者とその内容は以下のとおり。

心理学賞 Anita Eerland and Rolf Zwaan (蘭)and Tulio Guadalupe (ペルー、露、蘭)
体を左に傾けるとエッフェル塔がより小さく見える。「姿勢評価調査」(“Posture-Modulated Estimation.”)
論文:http://pss.sagepub.com/content/early/2011/11/23/0956797611420731.abstract 
平和賞 The SKN Company(露)
古い弾薬を人造ダイヤモンドに転換する技術
ホームページでの説明:http://www.skn-nd.ru/history_en.html
音響学賞
 
栗原一貴、塚田浩二
SpeechJammerの開発
論文:http://arxiv.org/abs/1202.6106

日本語論文:http://www.wiss.org/WISS2010Proceedings/PDF/P14.pdf
神経科学 Craig Bennett, Abigail Baird, Michael Miller, and George Wolford (米) 
脳科学者は複雑な器具と簡単な統計を使って、どこででも脳の活動を理解できることを実証
(死んだ鮭にMRIスキャナーを当て、テスト)
論文:http://prefrontal.org/files/posters/Bennett-Salmon-2009.pdf
化学賞 Johan Pettersson(スウェーデン)
スウェーデンのAnderslövという町のいくつかの家で、髪の毛が緑色になる理由を解明
論文:http://www.thelocal.se/37994/20111217/
文学賞 US Government General Accountability Office,
報告書:"Actions Needed to Evaluate the Impact of Efforts to Estimate Costs of Reports and Studies"
物理学賞 Joseph Keller (米), and Raymond Goldstein (米、英), Patrick Warren, and Robin Ball (英)
女性の髪形のポニーテールの動きとバランスを計算した研究
論文:http://epubs.siam.org/doi/abs/10.1137/090760477
流体力学賞 Rouslan Krechetnikov (米、露、加)and Hans Mayer (米)
「コーヒーを飲みながら歩くと、何故こぼれるのか?」 液体スロッシング現象の力学の研究
スロッシング現象は揺れの周期によって波が大きくなる現象)
論文:http://pre.aps.org/abstract/PRE/v85/i4/e046117
生体構造賞 Frans de Waal (蘭、米)and Jennifer Pokorny (米)
チンパンジーは自分達の後頭部の写真から、他のチンパンジーを個別に見分けることが出来ることの発見
論文:http://www.emory.edu/LIVING_LINKS/pdf_attachments/FacesBehinds2008.pdf
医学賞 Emmanuel Ben-Soussan and Michel Antonietti (仏)
大腸内視鏡検査で患者を怒らせない方法
論文:http://www.wjgnet.com/1007-9327/13/5295.pdf

 


2012/9/26  公取委、電力3部門の分離を提言 

公正取引委員会は9月21日、電力会社が一体運営している発電、送配電と小売りの3部門を、分社化などの形で切り離すよう求めた報告書 「電力市場における競争の在り方について」を発表した。
  http://www.jftc.go.jp/pressrelease/12.september/12092101.pdf

ーーー  

2012年4月3日の閣議で、「エネルギー分野における規制・制度改革に係る方針」が決められた。
 http://www.cao.go.jp/sasshin/kisei-seido/publication/240403/item240403.pdf

これに基づき、各省庁は割り当てられた項目について検討を行うこととされた。

公取委関連は以下の通り。

エネルギー分野における規制・制度改革に係る方針
番号 事項名 規制・制度改革の内容 実施時期 所管省庁
73 電力市場における
競争活性化策の
検討
@(市場支配力)
@公正取引委員会においては、一般電気事業者の市
場支配力
及び新電力のシェアが伸びていない状況も踏まえて、
経済産業省における検討の状況も勘案しつつ、
電力市場における競争実態の把握・分析を行い、
検討し、競争政策上の考え方について結論を得る。
@平成24
年度検討・
結論
A平成23
年度検討
開始、結論
を得次第
措置
@公正取引
委員会
A経済産業省においては、電力市場における競争の
活性化策について、電力システム改革全体の中で、予
断なく総合的に検討を進める。
A経済産業
74 電力市場における
競争活性化策の
検討
A(供給区域)
@公正取引委員会においては、一般電気事業者間の
供給区域を越えた競争が起きていない状況や、
需要家の全国レベルでの一括受電契約が進まない状況も踏まえて、
経済産業省における検討の状況も勘案しつつ、
電力市場における競争実態の把握・分析を行い、
検討し、競争政策上の考え方について結論を得る。
@平成24
年度検討・
結論
A平成23
年度検討
開始、結論
を得次第
措置
@公正取引
委員会
A経済産業省においては、電力市場における競争の
活性化策について、電力システム改革全体の中で、予
断なく総合的に検討を進める。
A経済産業

ーーー

公取委は電力市場の現状について調査を行うとともに、競争政策の観点から検討を行い、考え方を整理した。
公取委によると、主な「現状と問題点」は以下の通り。

小売分野
新電力のシェアは約3.5%と小さい(自由化分野)。特に産業用におけるシェアが業務用に比して小さい。
新電力は、変動費用の高い電力を電源としており 、夜間の電力使用量が大きい需要家との関係等で有利な料金の設定や大量の電力の安定的な供給が困難
高圧の需要家は数が多く、また、小規模な需要家が多いことから、営業及び顧客の管理に費用が掛かる
一方、一般電気事業者(以下 電力会社)による供給区域外への供給事例は1件のみである。
自社の供給区域内の需要への対応に最適化しており、営業範囲を拡大するインセンティブがない
連系線及び周波数変換装置の容量の制約
   
発電・卸売分野
新電力は電力の大半を自家発業者等に依存している。また、新電力は変動費用の高い電源のウエイトが大きい。
新電力は、変動費用の低い発電所の新規建設が困難である。
発電設備の償却期間が長いこと等から、公営企業体を含む自家発業者等は、長期契約によって電力会社に電力を供給している。
電力会社は、新電力と競合していることから、新電力に電力を供給するインセンティブがない。
卸電力取引所は、流動性が小さいなど、新電力が電力調達先として依存することができない。
   
送配電分野
託送料金について、算定方法が規制され、電力会社において会計分離もなされているが、
外部からは、電力会社が過大な託送料金を設定することにより新電力を不利に扱うインセンティブがあるようにみえる。
電力会社は自己の小売部門に係る実際のインバランスを把握しておらず、一定量をインバランス相当量とみなして、託送収支を計上している。 (公平でない)
 

同時同量義務とインバランスに伴う負担:
新電力の発電した電力は、電力会社の送電網に「託送」し、契約したメーカーや自治体などの顧客に送られる。電力はためられないため、需要と供給を一致させる必要があり、電力会社は新電力に対して30分間の需給の総量がプラスマイナス3%以内の同時同量義務を課している。
不足した場合は地域の電力会社が不足分を補い、新電力が料金を支払う義務を負う。


競争政策上の考え方に基づく提言




(1) 電力会社の発電・卸売部門と小売部門の分離

新電力に対する電力供給者である発電・卸売部門
新電力と競争関係に立つ小売部門を分離して、別個の取引主体とすることが考えられる。

電力会社が新電力への電力供給を行うインセンティブを確保

分離された発電・卸売部門が、自社グループ内の小売部門の競争事業者に対して差別的な取扱いを行った場合には、独禁法に違反する可能性。

(2) 電力会社の送配電部門の分離

送配電網を発電・卸売部門及び小売部門から分離

電力会社の送配電網は、新電力を含め、電力供給に関わる事業者が共通して利用する設備であるから、利用者に対する開放性・中立性・ 無差別性を確保することが必要。

独占の弊害に対応するため、託送料金の水準については一定の規制が必要

同時同量義務とインバランスに伴う負担は、競争関係にある電力会社と新電力の間で公平でなければならない。
(電力会社も実際のインバランスの量に基づいたインバランス料金を負担する)

(3) インフラの整備

(1) 連系線・周波数変換装置の増強 
   行政機関等の中立的な立場からの一定の介入・規制も必要

(2) 卸電力取引所の活性化
   参加者にとって更に使い勝手の良い商品設計や取引ルールの見直し

(3) スマートメーターの仕様等
   小売事業者間の競争が阻害されることのないような制度設計

(4) 小売分野における交渉力格差の考慮

(1) 複数の小規模な需要家による電気事業者との一括交渉
   中小規模の事業者が構成する事業者団体による電力調達に係る一括交渉は独占禁止法上問題とならないと考える。

(2) デフォルト・サービス約款の策定・公表の義務付け等
   最低限の取引条件を定めた約款(デフォルト・サービス約款)の策定と公表を義務付けし、
   それよりも需要家にとって不利な条件での契約を禁止することが考えられる。


2012/9/27 公取委、EPSブロックの製造・販売業者に排除措置命令及び課徴金納付命令  

公取委は9月24日、EPSブロックの製造業者及び販売業者に対し、排除措置命令及び課徴金納付命令を行った。

「EPSブロック」は、「EPS工法」で使用される発泡スチロールブロックをいう。
「EPS工法」とは、発泡スチロールブロックを、主として、軟弱地盤上の盛土、擁壁、橋台背面の裏込め材としての盛土、地すべり地の盛土、道路拡幅盛土としての盛土、両直型の盛土及び埋設構造物の埋め戻しの盛土として建設工事に使用する工法をいう。

例:ダウ化工 ホームページから

 

公取委によると、各社は官公庁等から発注されたEPSブロックについて、
建設コンサルタント業者に対し設計協力を行った者のうち、EPS工法採用工事に採用されたEPSブロックの使用に係る部分の図面を作成した者を受注予定者とする旨の合意をした。
他の業者は、営業活動を自粛したり、見積依頼があった場合は受注予定者よりも高い価格を提示するか、見積りを断ること等により、特定EPSブロックの取引分野における競争を実質的に制限していた。

EPSブロックは災害復旧に使われることから、公取委は2011年5月、東日本大震災の復旧工事が本格化する前に立ち入り検査に入った。
公取委は「談合を未然に防止する効果があった」としている。

対象事業者数と課徴金額は以下の通り。

  事業者名 排除措置
命令
課徴金
納付命令
課徴金額
 (千円)
1 積水化成品工業 76,180
2 ダウ化工 42,960
3 ジェイエスピー 27,400
4 カネカフォームプラスチックス - 25,240
5 太陽工業 10,980
6 アキレス 9,340
7 積水化成品北海道 6,490
8 カネカケンテック 3,490
9 北海道カネパール - -

  - 

  合 計 202,080
   
カネカフォームプラスチックス(旧称 カネパールサービス)は、2010年10月にカネカケンテックにEPSブロック事業を承継させた。
北海道カネパールは2007年5月にカネパールサービスにEPSブロック事業を承継させた。
  両社とも、以後、同事業を営んでいない。

付記
公取委は2013年1月23日、下記5社の請求を受け、審判を開始すると発表した。
 排除措置&課徴金:積水化成品工業、ジェイエスピー、積水化成品北海道、カネカケンテック 
 課徴金のみ:カネカフォームプラスチックス

このうち、積水化成品は7月31日に、公取委から課徴金納付命令書案を受領したとし、第1四半期決算で387百万円の特別損失計上を発表した。
しかし、最終的に同社の課徴金は子会社の積水化成品北海道の分を含め 82百万円となったため、特別損失を305百万円減額する。

積水化成品工業は最終的に製造業ではなく卸売業として認定されたため、課徴金の算定方法が変わり減額された模様。

課徴金額の計算

課徴金額=(カルテル実行期間中の対象商品の売上高)x(課徴金算定率)

課徴金算定率

  大企業 中小企業
製造業ほか 10% 4%
小売業 3% 1.2%
卸売業 2% 1%

それぞれ、早期解消割引、再度違反割り増し、主導的役割割り増し、(再度+主導)割り増しがある。

積水化成品は10%の380,900千円が2%の76,180千円となった。(-304,720千円)


2012/9/28  豊田通商、アルゼンチンでリチウム開発に参加

豊田通商は9月26日、アルゼンチン・オラロス塩湖(Olaroz塩湖)のリチウム資源開発会社の株式25%を取得する旨決定したと発表した。

日本企業として初めてリチウム開発プロジェクトに出資した企業となる。

豊田通商は2010年1月19日、豪州 Orocobre Limited と、アルゼンチンのOlaroz塩湖でのリチウム資源開発のための事業化調査を約する覚書を締結した。
事業化調査の結果をもとに、共同出資会社を設立し2012年より生産を開始する予定で、2014年には、炭酸リチウム年間15,000トン、塩化カリウム年間36,000トンの生産を目指す。

2009/5/5 韓国鉱物資源公社、ボリビアでリチウム鉱開発へ の付記

今般、アルゼンチン・Jujuy州より開発許認可・採掘権取得を受け、資源開発会社を設立し、その株式25%を取得する。

豪州 Orocobreと豊田通商が持株会社を設立し、Project会社の91.5%を普通株で所有する。
(豊田通商はこれを通じ、Project会社の25%を所有することとなる。)

現地Jujuy州政府鉱業公社(JEMSE)が種類株8.5%を所有するが、経営への関与はしない 。

2012年10月に、オラロス塩湖からかん水を汲み上げ精製する工場建設に着工し、2014年2月から生産を開始する予定で、炭酸リチウム年間17,500トンの生産を目指す。

 

総事業費用の69.8%をDebt, 30.2%をEquityで調達する予定。
当該プロジェクトの開発資金の一部(約192百万ドル)は、みずほコーポレート銀行より融資を受ける予定で、この借入の約82%(約158百万ドル)に対する債務については、石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)の債務保証の付与が決定されている。    

 

なお、豊田通商は当該プロジェクトの生産物である炭酸リチウムの100%販売代理権の取得も予定しており、将来に向けてリチウムの上流から下流までのサプライチェーン構築を目指す。

 

 

南米でのリチウム開発については 2009/5/5 韓国鉱物資源公社、ボリビアでリチウム鉱開発へ

 

最大のボリビアについては、韓国知識経済部が6月19日に、韓国の企業連合が、日本、フランス、中国を抜いて、リチウム関連事業権を獲得したことを明らかにしている。

2012/6/27  韓国がボリビアでのリチウム事業権獲得 


2012/9/29 「革新的エネルギー・環境戦略」 迷走? 続き 

政府は9月19日の閣議で、2030年代に原発ゼロを目指すことなどを盛り込んだ「革新的エネルギー・環境戦略」自体の閣議決定を見送った。

2012/9/20 「革新的エネルギー・環境戦略」 迷走?

原発問題について、発言が相次いでいる。
各紙の報道から、まとめてみた。

野田首相

 再稼働可否判断

規制委が安全基準をしっかりまとめたうえで、それに基づいて判断する。これがルールになっている。
政治が介入して何かを言うと独立性を損なってしまう。

(規制委員長は「政府の問題」としており、この方がリーズナブル)

付記

規制委の田中俊一委員長は10月3日、再稼働について、「電力需給や経済的な観点を含めた稼働の判断、地元への説得や合意形成は事業者かエネルギー政策を担当する省庁があたるべきだ」とし、政府か電力会社に判断する責任があると主張した。4人の委員も同意し、規制委の正式な見解として公表した。
「政治からいろんな意見が出てくる可能性はあるが、けじめは付けた方がいい」と指摘、規制委は政治的な圧力を受けずに独立を保つ考えを示した。

藤村修官房長官は同日、「地元の理解を求めるのはまずは事業者」と指摘し、政府は再稼働の判断に直接関与しない考えを示した。

ーーー

藤村官房長官

 建設中の原発

大間原発と島根原発3号機について設置許可を取り消すということではない。
稼働させるかどうかは、原子力規制委員会が独立の立場から安全性を確認していく。

 40年運転制限

敦賀1号機、美浜1、2号機について原則に基づいてやる。廃炉にされます。

ーーー

枝野経産相

 核燃料サイクル

使用済み核燃料がすでに存在する事実は変えられない。
青森県六ケ所村など自治体との約束や、プルトニウムの管理など国際社会との関係もある。

矛盾を解決できるようにあらゆる政策努力を傾ける。

  再稼働 (9/28)

規制委員会が安全確認し、地元自治体の了解を得れば、重要電源として活用する。(政治判断入れず)
(政府の判断なしで、地元自治体が簡単に了解するだろうか?)

 建設中の原発

大間原発と島根原発3号機は建設継続を容認

東電東通1号は、東電が賠償や福島第一の廃炉に取り組んでいることから、議論できる段階にない。

 原発の新規着工

(9月19日)
 新たに建設を許可するのは新増設しない原則に反する。

(9月21日)
 原則を適用する基本線はぶれないが、地域ごとの要望や事情を丁寧に精査をしたうえで結論を申し上げるべきだ。 

 建設を認めない場合には、原発に代わる地域振興策を新たに講じる。
   政府の政策が変わったため、立地自治体が交付金をまったく受け取れなくなるのは適切ではない。

ーーー

原子力規制委員会 田中俊一委員長

 原発

原発は人類が生きる上で大事な技術。

原発のリスクはゼロではない。科学技術がリスクゼロ、という世界はどの社会にもない。 

 大飯原発3、4号機稼働の「暫定基準」

政治的な判断があったと思う。夏の電力需給を考えての判断だったと思う。
暫定基準は法律的に決められたプロセスではなく、政治的なものだから、それにとらわれることはない。
暫定基準が十分かどうかは今後検討したい。

 再稼働

ストレステストは審査しない。
地震と津波に限定した想定がこれでいいのかは議論がある。参考資料であって、こだわることはない。

ストレステスト2次評価は不要(内容は新基準に盛り込む)

来年7月中旬までに新たな安全基準を法制化し、それに基づいて再稼働の可否を判断

避難計画などの整備を重視 
  防災体制がきちんとしていないと、国民の納得はいただけない。
  防災対策ができていない状態での再稼働は、あり得ない。

安全性の評価手法については、国際標準の「確率論的安全評価(PSA)」を重視。
   「想定外」の過酷事態も起きうることを前提に、炉心損傷の確率を見積もる手法

           ↓

(9/26)
新しい安全基準の骨格を今年度末までにまとめる。その時点で基準を満たす原発の再稼働を考えたい。

原子炉を長く止めればトラブルが起きやすいのは承知している。
耐震性を高める補修工事などをすでに終えた原発については、早く安全性を判断できる。

電力需給まで判断すると、規制委が何をやっているか分からなくなる。安全性に特化して判断する。

再稼働を判断する前提条件
@原発事故が起きた際の対策指針

規制委は10月に今の指針を改定、住民の避難区域の拡大などを盛り込む。
原発周辺の自治体は規制委が出した指針をもとに、来年3月までに独自の地域防災計画を作る。

A暫定基準に代わる新しい安全基準

新しい安全基準の骨格を今年度末までにまとめる。

 

 再稼働可否判断

法的には、防災の責任は規制委ではなく県や国にある。

再稼働の科学技術的な判断は規制委がやるが、
原発運転の是非は社会的、政治的判断を伴う。規制委が再稼働を認めた原発を動かすかどうかは政府、政治の問題。

稼働した大飯原発の2基は、国が政治判断として福井県やおおい町と相談して決めたことなので、すぐに止めることはしない 。

 活断層

大飯原発は敷地内の断層が活断層である可能性が指摘されているが、規制委も今後調査し、地震学が専門の島崎邦彦委員を中心に評価する。
新たな調査で活断層の影響があると判断されれば、稼働を認めず、廃炉を求める。

 40年運転制限

40年たった原子炉を、最新の安全基準を満たすように改造するのは大変だ。40年を超えて運転するのは、非常に高いハードルだが、それを甘くしたら規制の根幹が揺らいでしまう 。

 原発の新規着工

新増設をどうするかは、規制委が判断することではない。新増設の申請があり、安全性の判断を求められれば審査をする。

 原発ゼロ

ゼロにするかなどの政策的な判断はしない。結果的に安全上問題があれば、40年を待たずにダメになるかもしれないし、40年を超えても、最新の知見を反映させるバックフィットを満たしていればOKを出す。

ーーー

Jパワー(電源開発)は9月28日、東日本大震災後に中断していた大間原発の建設工事を再開する方針を明らかにした。

完成した原発を稼働させるには原子力規制委員会の許認可が必要だが、工事再開には国の認可はいらない。

距離的に近い北海道や函館市などは強く反対。特に、津軽海峡を挟んで大間原発と向き合う函館市は、建設が再開されれば、法的措置で対抗する可能性を示唆している。

ーーー

日本の原子力発電所の状況は以下の通り。(2012/9 現在)

既稼働(「もんじゅ」除く) 54基-4基(福島第一の4基は廃止)、うち稼働中 2基
原発ゼロの会」の即時廃炉要求 50基中、24基
建設中 3基
計画中 9基

 
廃止
 
原発ゼロの会が即時廃炉要求
 
建設中、
 
計画中
発電所名
運転開始 型式 40年
まで
年数
能力
(万KW)
稼働中 原発ゼロの会
危険順
ポイントほど危険
備考
順位 point 理由
北海道電力
 泊
@ 1989/6/22   PWR   57.9   17 5.55   耐震性再調査
A 1991/4/12   PWR   57.9   19 5.20  
B 2009/12/22  PWR   91.2   15 5.75  
Jパワー
 大間
    建設中 ABWR   138.3         建設継続へ
東北電力
 東通
@ 2005/12/8  BWR
(Mark-I 改)
  110.0   廃24 5.75 被災  
A計画中 ABWR   138.5         地元同意はまだ
東京電力
東通
@建設中 ABWR   138.5         建設 pending
A計画中 ABWR   138.5          
東北電力
 浪江・小高
 計画中 BWR   82.5         町議会誘致撤回
東北電力
 女川
@ 1984/6/1   BWR
(Mark
-I)
  52.4   廃11 7.65 被災  
A 1995/7/28 BWR
(Mark-I 改)
  82.5   廃17 7.00  
B 2002/1/30 BWR
(Mark-I 改)
  82.5   廃23 5.95  
東京電力
 福島第一
@ 1971/3/26  BWR
(Mark
-I)
0 46.0       廃止
12/4/19
 
A 1974/7/18  BWR
(Mark
-I)
2 78.4        
B 1976/3/27  BWR
(Mark
-I)
4 78.4        
C 1978/10/12 BWR
(Mark
-I)
6 78.4        
D 1978/4/18 BWR
(Mark
-I)
6 78.4   廃14 7.50 被災  
E 1979/10/24 BWR
(Mark-U)
7 110.0   廃18 6.90  
東京電力
 福島第二
@ 1982/4/20 BWR
(Mark-U)
  110.0   廃19 6.45 被災  
A 1984/2/3 BWR
(Mark-U改)
  110.0   廃20 6.05  
B 1985/6/21 BWR
(Mark-U改)
  110.0   廃21 6.05  
C 1987/8/25 BWR
(Mark-U改)
  110.0   廃22 6.05  
日本原子力
 東海
A 1978/11/28 BWR 6 110.0   廃10 8.00 被災 耐震性再調査
東京電力
 柏崎刈羽
@ 1985/9/18 BWR
(Mark-U)
  110.0   廃13 7.55 中越沖
地震
被災
耐震性再調査
A 1990/9/28 BWR
(Mark-U改)
  110.0   廃7 8.45
B 1993/8/11 BWR
(Mark-U改)
  110.0   廃9 8.20
C 1994/8/11 BWR
(Mark-U改)
  110.0   廃6 8.80
D 1990/4/10 BWR
(Mark-U改)
  110.0   廃15 7.45
E 1996/11/7 ABWR   135.6   廃12 7.60
F 1997/7/2 ABWR   135.6   廃16 7.20
中部電力
 浜岡
B 1987/8/28 BWR
(Mark-I 改)
  110.0   廃5 9.45 東海地震震源地  
C 1993/9/3 BWR
(Mark-I 改)
  113.7   廃4 9.70  
D 2005/1/18 ABWR   138.0   廃5 9.45  
E 計画中 ABWR   138.0      

中電、運転開始時期記載を削除

北陸電力
 志賀
@ 1993/7/30 BWR
(Mark-I改)
  54.0   9 6.70   耐震性再調査
A 2006/3/15 ABWR   135.8   12 5.85  
日本原子力
 敦賀
@ 1970/3/14 BWR
(Mark
-I)
0 35.7   廃1 12.00

直下
活断層

40年 活断層
調査
A 1987/7/25  PWR   116.0   廃8 8.25  
B 計画中 APWR   153.8        
C 計画中 APWR   153.8        
関西電力
 美浜
@ 1970/11/28 PWR 0 34.0   3     40年
耐震性再調査
A 1972/7/25 PWR 0 50.0   廃2 10.45

非常用
冷却装置
作動

B 1976/3/15 PWR 4 82.6   4 9.45    
関西電力
 大飯
@ 1979/3/27 PWR 7 117.5   1 10.75     活断層
調査
A 1979/12/5 PWR 7 117.5   1 10.75    
B 1991/12/18 PWR   118.0 13 5.85   7/9フル
C 1993/2/2 PWR   118.0 14 5.85   7/25フル
関西電力
 高浜
@ 1974/11/14 PWR 2 82.6   6 9.05    
A 1975/11/14 PWR 3 82.6   8 8.55    
B 1985/1/17 PWR   87.0   10 6.40    
C 1985/6/5 PWR   87.0   11 6.40    
中国電力
 島根
@ 1974/3/29 BWR
(Mark-I)
2 46.0   5 9.30  

耐震性再調査

A 1989/2/10 BWR
(Mark-I改)
  82.0   5 9.05  
B 建設中 ABWR   137.3         建設継続へ
中国電力
 上関
@ 計画中 ABWR   137.3        

妨害禁止命令
埋立免許失効

A 計画中 ABWR   137.3        
四国電力
 伊方
@ 1977/9/30 PWR 5 56.6   16 5.60   耐震性再調査
A 1982/3/19 PWR   56.6        
B 1994/12/15 PWR   89.0   20 4.20    
九州電力
 玄海
@ 1975/10/15 PWR 3 55.9   18 5.25    
A 1981/3/30 PWR 9 55.9   24 3.45    
B 1994/3/18 PWR   118.0   25 2.85    
C 1997/7/25 PWR   118.0   26 2.75    
九州電力
 川内
@ 1984/7/4 PWR   89.0   21 3.90    
A 1985/11/28 PWR   89.0   22 3.70    
B 計画中 APWR   159.0          
 
高速増殖炉
 もんじゅ
停止中               耐震性再調査

PWR:加圧水型、APWR(Advanced PWR) :改良型加圧水型
BWR:
沸騰水型、
ABWR(Advanced BWR):改良型沸騰水型
 BWRのうち、格納容器がMark-1型は問題とされている。


2012/9/29  人民元、最高値更新

9月28日の上海外国為替市場の人民元相場は、対ドルで反発し、一時、1ドル=6.2835人民元を記録した。これは1994年に中国当局が国内の外国為替市場(中国外貨取引センター)を設立して以降の最高値となる。終値も6.2849元で、最高値となった。

米連邦準備理事会による量的緩和第3弾(QE3)に伴う、世界的なドル安圧力の高まりも背景にあるとされる。

終値は2010年6月18日(弾力化前)と比し、8.61%の上昇となる。

最近の動きは次の通りで、中国は本年4月16日から1日の変動幅を従来の0.5%から1.0%に変更したが、その後、5月頃から下降に転じた。
しかし、7月25日に6.3885元となった後、上昇に転じた。

9月28日の終値は基準値の0.88%高となった。

上海外為市場は国慶節休暇で 9月30日から10月7日まで休場する。


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