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2010/2/1 住宅版エコポイント制度創設

1月28日の参院本会議で7兆2千億円規模の追加経済対策を盛り込んだ2009年度第2次補正予算が可決、成立した。

2次補正予算は、国が休業手当を補てんする雇用調整助成金の支給要件緩和や、省エネ対策を施した住宅の新築や改築などを対象にした「住宅版エコポイント」制度創設、中小企業の資金繰り支援策などを盛り込んだ。

ーーー

2009年12月8日、「明日の安心と成長のための緊急経済対策」が閣議決定され、「住宅版エコポイント制度の創設」が盛り込まれた。

「住宅版エコポイント制度」は、国土交通省、経済産業省、環境省の三省合同事業として実施される。  

1.エコポイントの発行対象となる工事の期間

  対象開始 対象終了
エコリフォーム 2010/1/1以降着工、2010/1/28以降に工事完了、引渡 2010/12/31着工
エコ住宅の新築 2009/12/8以降着工、2010/1/28以降に工事完了、引渡し 2010/12/31着工

  2009/12/8 「明日の安心と成長のための緊急経済対策」の閣議決定
  2010/1/28 平成21年度第2次補正予算の成立

2.エコポイントの発行対象及び発行ポイント数

 
持家・借家、一戸建ての住宅・共同住宅等の別によらず、対象

 国からの補助を受けて窓や外壁等の断熱工事を行っている場合は対象外
 (高効率給湯器や太陽光発電設備等はポイント対象工事でないため、
  これらの補助を受けていても、エコポイント対象)

エコリフォーム
窓の断熱改修
(省エネ断熱基準適合)
1箇所当たりポイント
内窓設置
外窓交換
ガラス交換
2.8m2以上  18,000P 1.4m2以上  7,000P
1.6〜2.8m2  12,000P 0.8〜1.4m2  4,000P
0.2〜1.6m2   7,000P 0.1〜0.8m2  2,000P
外壁、屋根・天井又は床の断熱改修
 断熱性能が確認された断熱材
 (ノンフロン)を使用


外壁  100,000P
屋根・天井   30,000P
  50,000P
住宅区分、部位、断熱材ごとに最低使用量あり
バリアフリー改修

上記いずれかとの一体工事のみ
(これのみでは対象外)
手すり設置
 浴室、便所、洗面所、
 居室、廊下階段
それぞれの箇所数にかかわらず、
各 5,000P
段差解消
 出入り口、浴室、
 屋内
それぞれの箇所数にかかわらず、
各 5,000P
廊下幅等の拡張
 通路幅、出入り口幅
それぞれの箇所数にかかわらず、
各 25,000P
1戸あたり限度 50,000P
エコリフォーム限度額 1戸当たり 300,000ポイント
エコ住宅の新築 発行対象 
   A 
省エネ法に基づくトップランナー基準相当の住宅
      登録住宅性能評価機関等の第三者機関による証明 要

   B 省エネ基準を満たす外壁、窓等を有する木造住宅

発行エコポイント数  1戸あたり300,000ポイント

3.エコポイントの交換

ポイントの交換対象
 ・省エネ・環境配慮に優れた商品
 ・全国で使える商品券・プリペイドカード
 ・地域振興に資するもの(地域商品券、地域産品)
 ・環境寄附

 ・エコリフォームの即時交換
   当該エコリフォームを行う工事施工者が追加的に実施する工事の費用に充当できる

 ・エコ住宅の新築の即時交換
   当該新築工事を行う工事施工者が追加的に実施する工事の費用に充当できる

この住宅版エコポイントについては、家電と異なり、住宅新築増には余り効果はないとの見方がある。
家電の還元率は5〜10%であったが、住宅は限度が30万ポイント(30万円)で、新築が2000万円とすると1.5%に過ぎない。

リフォームに関しては、マンションなどでは居住者全体の賛成が必要で、短期間での実施は難しいと見られる。

ーーー

第2次補正予算の追加経済対策には、家電エコポイントを2010年12月末まで、エコカー補助金を2010年9月末まで延長することが盛り込まれている。

家電エコポイントは2009年5月15日から制度がスタート、2010年3月までの予定であった。

電子情報技術産業協会が1月26日発表した2009年の薄型テレビの国内出荷台数は、前年比40.4%増の13,626千台となり、過去最高を更新した。地上デジタル放送への完全移行を控えた買い替え需要に加え、政府のエコポイント制度による消費刺激 が寄与した。

今回の延長に際し、省エネ目標基準値を2012年度の数値に変更し、エコポイントの対象となるテレビは、より省エネ性能の高い製品に限定する。このため、薄型テレビの50%近くがエコポイント対象外になるとされている。

なお、省エネ効果の高いLED電球、電球形蛍光灯、充電式ニッケル水素電池などを即時交換対象商品として、商品交換を促進する。

エコカー補助金は2009年4月10日から2010年3月31日の新規登録車が対象であったが、これを2010年9月末まで延長する。


2010/2/2  2009年 中国の合成樹脂輸入

2009年の中国の輸入統計が発表された。

2008年は一部を除き前年を下回ったが、2009年は軒並み大きく増加している。
PE、PPはいずれも過去最高となった。
ABSは過去最高の2007年(2,173千トン)とほぼ同じ2,168千トンとなった。

PVCも2001年(1,916千トン)、2003年(1,759千トン)に次ぐ史上3位で、2004年以降の最高である。

輸入数量の大幅増加は「家電下郷」「汽車下郷」などの景気刺激策によるものと思われる。

そのなかで、PSのみ前年比マイナスで、数量も913千トンと、この10年で初めて100万トンを下回った。

下の表(単位:千トン)は各樹脂の主要輸入元の数量だが、重要な点がいくつかある。

  LD LL HD PP PS ABS   PVC
日本 118
(9%)
145
(7%)
184
(5%)
269
(6%)
31
(3%)
94
(4%)
408
(24%)
韓国 154 299 859 1,115 147 734 140
台湾 30 93 290 562 294 1,014 353
USA 97 318 496 493 3 13 303
サウジ 67 382 385 441 1 2 0
シンガポール 57 314 111 190 60 2 0
イラン 103 56 342 41 0 8 0
その他 724 593 1,191 1,050 377 301 511
合計 1,349 2,201 3,859 4,162 913 2,168 1,715
   
1) 日本からの輸入量が非常に少ない。
上の表の%は全輸入量に対する日本品の比率だが、PVCを除き、非常に少ない。
   
2) 韓国、台湾からの輸入がかなり多い。
この2国は生産量のかなりの部分を中国向けに依存している。
今後、中国の輸入が減少した場合、存亡の危機となり、日本に流入する可能性もある。
   
3) 米国品の急増
2009年に米国品が急増した。米国内の需要の減少を受け、中国に輸出した。
   
4) イラン品の流入
  これまでほとんどなかったが、2009年にPE、PPなどの大量輸出を行った。
イランも石油化学増設を続けている。
   
5) 上の表のほか、LDPEでロシア、カタール、PPでインド、ブラジルなどからの輸入が増えている。

シンガポールやサウジも石化の大増設を行っている。
世界中が中国市場を狙っており、競争の激化による価格下落が懸念される。
   
6) 中国での景気刺激策終了による需要の減少、大規模コンプレックス完成による生産の増加で輸入が減少した場合、大混乱が懸念される。
   

 


2010/2/3 Sunoco、ポリプロ事業をブラジルのBraskemに売却

米国の石油会社Sunocoは2月1日、子会社Sunoco ChemicalsのPP事業をブラジルの
Braskemに売却する契約を締結したと発表した。現金350百万ドルでの売却で、必要な承認を得て、3月末までに売却を完了する。

対象プラントはペンシルベニア州Marcus Hook、テキサス州La Porte、ウエストバージニア州Nealにある3つで、合計能力は95万トン、米国全体のPP能力の約13%を占める。PittsburghにあるR&Dセンターも売却する。
なお、Sunocoは昨年春にテキサス州Bayportの能力18万トンの工場を閉鎖している。

このうち、La PorteとNealは同社が2000年に三菱商事から買収した旧Aristech Chemical のプラント。
Marcus Hookは元はSunoco とBAR-L のJVの Epsilon Products のプラント。
閉鎖したBayportは2003年にEquistar Chemicals(その後Lyondell と合併、現在はLyondellBasell)から買収したプラント。

Aristech Chemical 化学品(フェノール、アセトン他)、ポリマー製品(ポリプロピレン他)の製造販売を行っていた。

1989年にHuntsmanAristech の買収を計画した。
Aristech はこれを拒否、一時は住友化学にもPPを分離してJVにする 提案もしたが、1990年に三菱商事が買収提案を行い、Huntsmanが買収を諦めたため、三菱商事による買収が確定した。買収額は850百万ドルだが借入金の引継ぎなどをいれると10億ドル以上となるといわれた。

当初同社には三菱化成、三菱油化、三菱瓦斯化学、三菱レーヨンが各4.48%出資して三菱グループ総力を挙げて取り組む姿勢を見せたが、その後、 三菱商事100%となった。

三菱商事は石油化学品事業の戦略において、北米の橋頭堡として位置づけてきたが、原料価格の上昇を製品価格に転嫁しきれず、採算が大幅に悪化し、売却した。

Sunocoは投資に見合う収益を上げられない事業売却により、売却資金を戦略分野に投資するとしている。
今回の売却で2億ドル弱の損失を計上する。

Sunoco は200812月にアナリスト説明会を開催したが、その中で、能力で北米3位のPP、北米1位のフェノールを含む化学品部門の売却を考えていることを明らかにしている。

2008/12/19 Sunoco化学品部門の売却を検討 

Sunoco ChemicalsはPPのほか、フェノール、アセトン、BTX、シクロヘキサン、ビスフェノールAなどを生産しているが、これらは今回は売却しない。

同社は2004年に無水フタル酸、オキソ、エステル、2-エチルヘキサノールなどの可塑剤事業をBASFに売却している。

Sunocoは独立系では最大の精油メーカーで、精油能力は日量675千バレル。ほかに、米国で年産367万トンの製鉄用コークス設備を持ち、ブラジルにも170万トンのコークス設備を持っている。

ーーー

Braskemは、この買収は世界最大の市場での今後の成長の基地となり、MexicoVenezuelaPeruでの新規計画と合わせグローバリゼーション戦略を補完するものになるとしている。

2009/11/17 Braskem、メキシコでProject Ethylene XXI を実施

2007/12/20 Braskem Venezuela 国営Pequiven、石化JV設立

2008/5/28  Braskem, Petrobras PetroPeru がペルーで石化計画

Braskemはこのたび、Petrobrasの石油化学部門と統合、PP能力を197万トンとしている。
(PEは304万トン、PVCは51万トン)

2010/1/25 BraskemPetrobrasの石油化学事業統合


2010/2/4 ダウとBASF、スチレン系事業売却へ

ダウは昨年7月にスチレン系事業の売却のため、売却対象の事業をまとめ、Styron, Inc と称する子会社にする考えを明らかにした。

CEOAndrew Liverisは、それにはSMPSABSSANポリカーボネートが含まれ、売却額を1020億ドルとみていると述べた。
同社は
2007年にChevron PhillipsとのSM/PSの50/50JVAmericas Styrenicsを設立し、米国と南米のPS工場を拠出したが、この持分も売却対象に含める。

これに対して、 Bain CapitalTPG Capital LPApollo Management LPRhoneどの投資会社が手を挙げた。
報道によると、韓国のロッテグループもこれに関心を示してる。

ダウは111日に、買い手候補をしぼるため、各社に買収の意向の確認を求めた。その結果、候補先にdue diligence のために資料を開示しているといわれている。第1四半期中の売却を狙っている。

なお、CEOAndrew Liverisは2月2日の第4四半期決算発表のインタビューで質問に答え、塩素/EDC/VCMについてもAsset Light戦略(=PVCメーカーとのJV)を検討する意向を明らかにした。発言は以下の通り。

ダウは長期的にはEDC/VCMを外販しない。信越とのパートナーシップは2011年(信越のルイジアナ州のVCM/PVC新工場の2期完成のことか?)には明らかに終了する。

ダウにはユーティリティ、インフラ、原料ガスなど、強みがある。
塩素の多くは、同じ立地にある機能性製品の事業に使用される。
しかし、クロルアルカリは資本集約的事業で、ダウの大規模設備は有利であり、PVC業界とのパートナーシップも探求する。塩素でもAsset Light戦略を行う積もりだ。

付記 2010/7/2 三井物産とダウ、合弁でテキサスで電解事業 

EO/EGはJV化を実施済みで、 Styrenicsも設立した。間もなくStyronも売却する。
PE、エチレンも現在、パートナー3候補とJVを交渉している。急がずじっくりやる。塩素はその次だ。

* PE、エチレンについては、噂では、クウェートの Petrochemicals Industries (PIC)に代わるダウの新しい提携先として、SABIC、Oman OilSaudi ArmacoAbu Dhabi's International Petroleum Investment が挙がっている。

2009/1/7 ダウ、「変身戦略」を続行

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BASFは20077月、スチレン事業一部の「戦略的な選択肢」を検討していることを発表した。
売却対象は、
SMPSABSSBS (スチレンブタジエンスチレンブロック共重合体)と、それらのコポリマー。
利益率が低く、原料の動向に左右されるコモディティからの離脱を狙った。

その後、売却準備を続けてきたが、全くまとまらなかった。

2008/8/20 BASF、スチレン系事業の売却準備 進める

ここにきて状況が変わってきた。投資会社に事業買収の動きが出てきた。

BASFではダウのやり方を真似しようとしている。

同社の売却対象事業は売上高が30億ユーロ(42億ドル)で、従業員は1600人。
売却高は
10億ユーロから15億ユーロになるとみられている。


2010/2/5 国税不服審判所、TDKの移転価格課税取り消し

TDKは2月1日、東京国税局の移転価格税制に基づく更正処分についての審査請求に関し、国税不服審判所長から裁決書を受領したと発表した。

不服審判所は約141億円の処分を取り消し、地方税や還付加算金を含め約94億円が還付される見込みで、同社は「当社の主張がほぼ認められた」としている。

同社は2005年6月、東京国税局から、1999年3月期から2003年3月期までの5 事業年度について、同社と同社海外子会社との間の取引の価格が独立企業間価格と異なるという判断により、移転価格税制に基づく更正処分の通知を受領した。

東京本社から香港やフィリピンの子会社にパソコンなどに使われる電子部品の材料を輸出していたが、この取引について国税局は、本社が本来得るべき収益を海外子会社に移していたと認定した。

更正の結果による所得増差額
は約213億円で、追徴税額は法人税、事業税及び住民税(本税及び付帯税を含む)で合計約120億円と試算された。

これに対し同社は、海外子会社との間の取引価格(移転価格)に関しては、第三者との取引価格を基準に取引段階、取引規模、市場、その他の差異を考慮した独立企業間価格の設定を行っており、これまで一貫して移転価格税制に真摯に対応し、適正な申告、納税を行ってきたとし、更正処分を納得のいくものではないとして、同年8月に異議申立書を提出した。

その後2年間にわたり口頭意見陳述の場を通じ、同社の主張の正当性を訴えたところ、2007年6月に国税局から原処分の一部、30億73百万円を取り消す異議決定書を受領した。地方税等も含めた納付済みの法人税等追徴税額のうち、16億87百万円が還付された。

しかし同社は、これをなお不服とし、残りの部分の全額の取り消しを求める審査請求書を東京国税不服審判所に対し提出した。

今回の裁決で、当初に指摘を受けた所得差額の大半が取り消されたことになる。

過去には、日興コーディアルグループの子会社が2004年に債券販売に絡んで追徴課税されたことについての審査請求で、国税不服審判所が追徴税約99億円を取り消した例がある。

ーーー

移転価格税制では独立企業間の価格はまず、「伝統的な取引基準法」で検討され、それが適用できない場合には「その他の方法」で検討する。

@ 伝統的な取引基準法

 ・独立価格比準法(CUP法)
   同種製品の独立企業間(日本→海外)の取引価格を検討
   (比較可能性の高い取引の選定が困難)

 ・再販売価格基準法(RP法)
    米国の比較可能な同業の財務データに基づいて販売会社がどの程度の売上利益率を計上しているかを検討
   (取扱製品の類似性が厳格に要求され、比較可能な同業の財務データの取得は困難) 

 ・原価基準法(CP法)
    日本の比較可能な同業の財務データに基づいて製造原価に対してどの程度利益の上乗せをしているかを検討
    (比較可能な同業の
売上総利益データの取得は困難)

A その他の方法
 ・利益分割法(PS法)
    連結ベースでの営業利益がどのような割合で日本本社ならびに米国販売子会社で分けられるかを検討

 ・取引単位営業利益法(TNMM法 平成16年度税制改正により導入)
    再販売価格基準法が売上総利益を見るため製品の類似性が要求されるが、こちらは
営業利益率を検
    (類似した子会社機能で類似した業界であれば、同種製品でなくとも営業利益率はほぼ一定という経済仮説)

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過去の例は以下の通り。前3者はまだ決着していない。

2006/6/29 武田薬品、移転価格税制に基づく更正 

2008/2/7 信越化学の移転価格課税

2008/5/1 ホンダの中国四輪車事業の移転価格税制問題

2008/12/4 三菱商事と三井物産の移転価格税制問題、解決

付記

東レは2010年4月21日、東京国税局より2003年度から2008年度の炭素繊維複合材料事業における同社と米国子会社およびフランス子会社との取引に関して、移転価格税制に基づく更正処分の通知を受ける見込みとなったため、52億円の法人税等を見積計上することを決定したと発表した。

速やかに当局に対し異議申立を行うと同時に、二重課税防止の観点から相互協議の申立も行う所存としている。


2010/2/6 シェル、ブラジルでバイオエタノールJV設立へ

シェルとブラジル最大砂糖・エタノール生産会社のCosan S.A.21日、ブラジルでエタノール、砂糖の生産と輸送燃料の供給、小売のための約120億ドルのJVを設立する覚書に調印したと発表した。
今後、実現に向け、交渉を続ける。

両社はJVに下記を拠出する。

Cosan Shell
サトウキビ圧搾設備

エタノール生産設備(現在20億リットル)

Co-generation(既存7基、建設中2基、建設予定3基)

ブラジルのガソリン流通施設

Ethanol 物流施設

エタノール商社の株式

借入金25億ドル

(潤滑油事業は含まず)

ブラジルのガソリン流通施設(航空燃料を含む)

Iogen Energy(セルロース系エタノール専門のバイオ企業)の50%持分

Codexis (バイオ触媒技術の開発会社)の14.7%の持分

現金 16.25億ドル(2年間で拠出)

(潤滑油事業は含まず)

JV はバイオエタノール年産能力20億リットルからスタートし、170億リットルを目指す。
更に、
Iogen EnergyCodexis の持分を含めることにより、次世代のバイオ燃料技術を確保する。
これにより、
JVはブラジルの燃料小売市場で主導的地位を占め、将来の発展を期す。

Cosan S.A.1936年設立で、ブラジルに23の製造設備を有している。

同社は砂糖とエタノールのブラジル最大のメーカーで、また、サトウキビの絞りかすを元にした発電でも世界最大である。
最近は農業用地取得と燃料の流通に乗り出し、再生可能エネルギーでの最初のフルの垂直統合メーカーとなった。

2008年には826百万ドルを投じて、Esso Brazilを買収、ExxonMobilブランドのSS(約1,500箇所)、ブラジル内主要空港の航空燃料販売拠点を入手、ブラジル第5位の燃料販売会社となった。

Iogen 1970年代に設立されたカナダのアルコールメーカーで、Shell Goldman SachsPetro-Canada、カナダ政府が出資しており、シェルと技術面で提携している。カナダ政府の諸機関とも提携している。
同社はセルロースを分解する高性能の酵素を使用し、麦わらを原料に1日
50トンのエタノールを生産しており、シェルと組んでカナダで世界で最初の商業生産プラント建設を計画している。

Codexis(米国)は2002年に設立されたクリーン・テクノロジーのサプライヤーで、酵素や微生物といった工業用生体触媒の開発を行なっている。
エネルギー産業においては次世代のバイオ燃料の実現に、製薬産業においてはヒト用治療薬の製造工程の費用対効果を向上させることを目的として、同社の技術が利用されている。

CodexisにはShellのほか、Bio*One CapitalChevron Technology VenturesCMEA CapitalGE EnergyPfizerなどが出資している。

同社は2009年4月、Codex(TM)生体触媒パネルの発売により日本の医薬品市場に参入することを発表した。
Codexパネルは生産性の向上とコストの低減とを目的とした製薬企業向けの製品で、同社独自の受注生産型生体触媒は製造工程の短縮、コスト削減、クリーン化を支援し、それによりヒト用治療薬の生産を促進する。

ShellCodexis は20093、次世代バイオ燃料の商業生産を促進するため、新しい触媒を開発する契約を締結した。
契約の一環として、
Codexis Shell 及びIogen Energyと密接に協力し、Iogenのセルロース系エタノール生産に使われる酵素の効率を高める。

 


 

2010/2/8  INEOS、フッ素化学品事業をメキシコのMexichem に売却  

INEOSグループは22日、フッ素化学品のINEOS FluorをメキシコのMexichemの子会社Mexichem Fluor に売却することで合意したと発表した。

INEOS Fluorは元はICIの事業(Klea部門)で、INEOSによる買収に伴い20011月に設立された。
(なお、
ICIのフッ素樹脂事業は旭硝子が買収している)

同社は幅広いフッ素化学品を供給している。

KLEAブランドのHFC (hydrofluororcarbons) CFCchlorofluorocarbon:フロン類)の代替品として開発された。
ZEPHEXブランドの高純度HFA (hydrofluoroalkanes) は医薬用噴射剤として開発された。
このほか、フッ素樹脂原料および
HCFC系フルオロカーボンを扱う。

INEOS Fluorは欧州、北米、アジアに製造基地を持ち、従業員は350人。

米国のルイジアナ州 St Gabriel 工場は最大のHFC 134a 製造基地で、199212月に生産を開始した。
欧州では英国の
Runcorn にプラントを持つ。
ここは世界最初の
HFC 134の商業生産プラント。
2001年にHFC134a HFC125 に、更に2006HFC125 に切り替えた。

日本の三原工場(イネオスケミカル)は帝人が受託製造しており、KLEA134aを成長率の高いアジア太平洋市場で販売している。

帝人とICIは1992年に代替フロン「クリー134a」の製造のためICI帝人フロロケミカルを設立し、帝人三原工場内にプラントを建設した。

ICIの本事業売却に伴い、帝人とICIはこのJVの全株式をINEOSに譲渡した。

INEOSは本事業について、利益は挙げているが、大規模石油化学に注力する同グループの主要部分ではないとしている。

同社は現在、再建中で、Grangemouth 製油所売却の交渉を続けている。

2009/7/20 Ineos、75億ユーロの借入契約条件変更に成功 

ーーー

Mexichem 1998年にQuímica Pennwalt Polímeros de Méxicoが合併して設立された。
フランスの
Elf Atochem とメキシコのGrupo Empresarial Privado Mexicanoが共同で所有したが、後者は1999年にCamesa Groupと合併し、2003年にTotalElf Atochem)の持株を買収し、メインの株主となった。

現在の同社の事業はビニルチェーンとフッ素チェーンの2つに分かれている。

1)ビニルチェーン 現在ラテンアメリカ最大の塩ビ樹脂、コンパウンド、塩ビパイプメーカー。

同社は2004年にメキシコ最大の塩ビレジン、コンパウンドメーカーのPrimexを買収した。
2006年に米国の塩ビコンパウンドメーカーBayshore Groupを買収。
2007年にはコロンビアの塩ビメーカーPETCOを買収、また、コロンビア最大の塩ビコンパウンドメーカーGeon Polímeros Andinosの株の50%を買収した。

付記

Mexichemは2012年2月、欧州の塩ビパイプメーカーWavinを531百万ユーロで買収した。

現在の体制(子会社)は以下の通り。

 ・Unión Minera del Sur
   地下のソルトドームからの塩水から塩を生産

 ・
Mexichem Derivados
   Coatzacoalcos Plant:塩素ガス、ソーダ、次亜塩素酸ソーダ
   
Santa Clara Plant:ソーダ、次亜塩素酸ソーダ、塩酸
   
El Salto Plant:ソーダ、次亜塩素酸ソーダ、塩酸

 ・Mexichem Resinas Vinílicas
   PVC(サス 650千トン、エマルジョン 75千トン、特殊品 30千トン)

 ・Petroquímica Colombiana
   PVC 400千トン

 ・Mexichem Colombia
   塩素系製品

 ・Mexichem Compuestos
   
Altamira plant: コンパウンド 60千トン
   
Tlaxcala Plant:コンパウンド 12千トン

 ・Bayshore (New Jersey, U.S.A.)
   PVCコンパウンド 20千トン

 ・Geon Andina Colombia
   
PVCPE、その他のコンパウンド 50千トン

 ・Amanco
   水道、電気、ガス用塩ビパイプ・継手、その他

2)フッ素チェーン

Mexichem2004年にQuímica Flúor を買収し、世界最大の蛍石埋蔵量を誇るCompania Minera Las Cuevasと統合してMexichem Fluorとし、フッ化水素酸の世界最大の垂直統合メーカーとなった。

 ・Mexichem Fluor - San Luis Potosí:
    世界最大の蛍石メーカー
    能力は
metallurgic gravel 350千トン、acid-grade concentrates280千トン
    北米、南米、欧州、日本に輸出

 ・Mexichem Flúor - Matamoros
    世界第二位のフッ化水素酸メーカー
    能力 
95千トン
    
98%を米国に輸出  

 


2010/2/9 「競争法コンプライアンス体制に関する研究会報告書」

経済産業省は1月29日、「競争法コンプライアンス体制に関する研究会報告書 〜国際的な競争法執行強化を踏まえた企業・事業者団体のカルテルに係る対応策〜」を公表した。

報告書概要 報告書本文

企業活動がグローバル化する一方、欧米等の各国競争法の執行強化が図られている。

経済産業省では、そのような状況を踏まえ、我が国企業及び事業者団体が競争法コンプライアンス体制を整備するにあたって、参考とし得る具体的な取組及び事例を提示するため、「競争法コンプライアンス体制に関する研究会」(座長:根岸哲甲南大学法科大学院教授)を計4回にわたり開催し、これを取りまとめた。

報告書のポイントは以下の通り。

我が国企業が競争法コンプライアンス体制を整備するに当たっては、「違反行為をしない」ことはもちろんのこと、「違反行為をしたと疑われる状況をできるだけ減らす」ことを念頭に置き、特に、以下の取組をすることが重要であると考えられる。

 @事業者団体活動を含む、競合他社との接触に関するルールの策定・実施
 A統計情報の提供・利用に関するルールの策定・実施
 B役職員に対する、競争法違反の危機感を持たせるような研修の実施

また、我が国事業者団体においては、競合他社同士が接触する機会を提供していることから、競争法上のリスクが少なからず存在することを認識した上で、特に以下の取組を行うことが重要であると考えられる。

 @会合の運営に関するルールの策定・実施
 A統計情報の収集・管理・提供に関するルールの策定・実施

付記

古河電工は2009年秋、社員証を作り替え、裏面に独占禁止法遵守4原則を書いた。

1 . 同業他社との間で、販売価格・数量等の情報交換を一切行わない。
2 . 独禁法違反の疑いのもたれる同業他社との面会は、他社からの要請があったとしても行わない。
3 . 業界団体等の会合において、談合・カルテルに該当するおそれのある行為が行われようとしたときは、それに参加しない旨を告げて、直ちに退席する。
4 . 同業他社の役職員との会合出席に関し、事前申請及び内容の事後報告を徹底する。

ーーー

欧米等の各国競争法の執行強化の例として、EUと米国の制裁金事件の上位を挙げている。

欧州委員会が課した制裁金額事件別上位10 件(〜09年12月)

順位 事件 制裁金額
(億ユーロ)
企業別順位  億ユーロ
1位 自動車ガラスカルテル事件(2008年)
 ※旭硝子及び日本板硝子現地法人が対象
 他に、
板ガラスカルテル
  13.8 BSaint-Gobain(仏)  9.0
HPilkington(英)     3.7
 (日本板硝子現地法人)
2位 天然ガス輸入カルテル事件(2009年)   11.1 CE.on(独)/GDF-Suez(仏) 各社5.5
3位 インテル(米)支配的地位の濫用(2009年)   10.6 @インテル(米) 10.6
4位 エレベータカルテル事件(2007年)
 ※三菱エレベータ現地法人が対象
   9.9 Eティッセンクルップ(独)4.8
5位 マイクロソフト(米)
 規制当局処分(2004 年3月)の不遵守(2回目)(2009年)
   9.0 Aマイクロソフト(米) 9.0
6位 ビタミンカルテル事件(2001年)
 ※武田薬品工業、第一製薬、エーザイが対象
   7.9 Fロシュ(スイス) 4.6
7位 ガス絶縁開閉設備カルテル事件(2007年)
 ※三菱電機、東芝、日立、富士電気、
   日本AEパワーシステムズが対象
   7.5 Gシーメンス(独) 4.0
8位 ろうそくカルテル(パラフィンワックス)事件(2008年)    6.8 ISasol(独)(南アフリカ) 3.2
9位 合成ゴムカルテル事件(2006年)    5.2  
10位 マイクロソフト(米)
 支配的地位の濫用(2004年)
   5.0 Dマイクロソフト(米) 5.0

日本企業順位

1位 YKK(ファスナーカルテル)(2007年)  1.5億ユーロ
2位 三菱電機(ガス絶縁開閉設備カルテル)(2007年)  1.2
3位 旭硝子(自動車用ガラスカルテル)(2008年)  1.1
4位 東芝(ガス絶縁開閉設備カルテル)(2007年)  0.9
5位 旭硝子(建築用板ガラスカルテル)(2007年)  0.7

(出所)欧州委員会ホームページ掲載情報に基づき経済産業省作成。

参考
ビタミンカルテル事件(当初は855.2百万ユーロ、2社減額)
 Hoffman-La Roche  462百万ユーロ
 
BASF  296.16→236.8
 Aventis 5.04
 Solvay Pharmaceuticals 9.1
 Merck 9.24
 武田薬品工[email protected]
 エーザイ  13.23
 第一工業製薬  23.4→18

米国でリジンカルテルを契機に摘発された。

ーーー

米司法省が科したカルテル罰金額世界企業上位10件(〜09年10月)

順位 企業 罰金額
(億ドル)
日本企業
1位 ロシュ(スイス)(ビタミンカルテル)(1999年)   5.0 D武田薬品工業(1999年) 0.7億ドル
2位 LGディスプレイ(韓)(液晶パネルカルテル)(2009年)   4.0 Aシャープ(2009年)  1.2
3位 エールフランス(仏)KLMロイヤル・ダッチ航空(蘭)
 (航空貨物カルテル)(2008年)
  3.5 B日本航空(2008年) 1.1
4位 大韓航空(韓)(航空旅客・貨物カルテル)(2007年)   3.0  
5位 英国航空(英)(航空旅客・貨物カルテル)(2007年)   3.0  
6位 サムスン・エレクトロニクス、サムスン・セミコンダクター(韓)
(DRAM カルテル)(2006年)
  3.0 Cエルピーダメモリ(2006年) 0.8
7位 BASF(独)(ビタミンカルテル)(1999年)   2.3  
8位 ハイニックス・セミコンダクター(韓)
 (DRAM カルテル)(2005年)
  1.9  
9位 インフォネン・テクノロジー(独)
 (DRAM カルテル)(2004年)
  1.6  
10 位 SGLカーボン(独)(黒鉛電極カルテル)(1999年)   1.4 @三菱商事(2001年) 1.3

(出所)司法省ホームページ掲載情報に基づき経済産業省作成。

参考
ビタミンカルテル

リジンカルテルを契機に摘発された。クエン酸カルテルに関するHoffman-LaRocheなどの調査でビタミンカルテルの存在が分かった。

米・スイス・独・日・加の計11社に総額9億1050万ドルの罰金
 武田薬品  72
万ドル
 エーザイ  40
万ドル
 第一工業製薬 25
万ドル
 Roche 500百万ドル 2008年時点で史上最高
 BASF 225百万ドル
 
Merck 14百万ドル
 
Degussa-Huls 13百万ドル
 
Lonza  10.5百万ドル

武田薬品は司法取引で調味料カルテル(味の素)についても供述し、調味料カルテルについて免責されるとともに、ビタミンカルテルでは法人に対する罰金のみとなった。

EUや米国では多額の罰金を科せられたが、これに対して日本の公取委は、2001年4月に独占禁止法第3条(不当な取引制限の禁止)と同第6条(特定の国際協定・契約の禁止)違反の疑いで第一製薬とエーザイに警告を出しただけ。

ーーー

黒鉛電極カルテル

これもリジンカルテルを契機に摘発された。

まず、直接参加社に罰金が課せられた。
 
SGL Carbon AG (Germany) 135百万ドル
 
UCAR International Inc. (USA)  110百万ドル
  昭和電工 
29百万ドル→32.5百万ドル(裁判官が独自の算式で修正)
  東海カーボン 
6百万ドル
 
SEC カーボン 4.8百万ドル
  日本カーボン 
2.5百万ドル
 
Carbide Graphite Group(米) 調査協力で免責

その後、三菱商事に134百万ドルの罰金が課せられた。

当時
50%を出資していた米電極メーカーのUCAR Internationalから相談を受けたり、会合の場所をつくったりして談合を手助けしたり、昭電、東海、SECの製品をカルテルで決まった価格で販売したとされる。
  
http://www.justice.gov/atr/public/press_releases/2001/8186.htm

三菱商事は控訴して争えば裁判が長引き、さらに罰金の金額が膨らむ恐れもあることなどから、支払いに合意した。

このほか、韓国と中国の執行状況の説明もある。

ーーー

問題は罰金額が大きいだけでない。

米国の場合、個人に対しても長期の禁固刑と多額の罰金が科せられる。
(日本企業で個人の罰金を会社が負担していたとして問題になったことがある)

上記報告書では、外国人も含めて、違反行為者に対する禁固刑の期間が長期化する傾向にあるとしている。

米国で外国人に科された禁固刑の平均期間
  2000年〜2005年は3年から4.6年
  2006年は6.9年
  2007年は12年にアップ。

マリーンホースカルテルではブリヂストン社員が有罪を認め、2年の禁固刑と8万ドルの罰金を科せられた。

2008/12/12 マリンホース国際カルテル事件で日本人に有罪判決 

日本人ではダイセルの若い担当者が防カビ剤のソルビン酸価格カルテルで3ヶ月の禁固刑に服したのに次ぐ2人目。

リジンカルテルでは情報提供の代償として、味の素と協和発酵の役員各1名が罰金を払っただけであったが、その後、罰則が強化され、ほとんどの事件で個人が起訴されている。

これまで日本人が2人だけなのは、摘発時点で米国におらず、逮捕されなかったためである。
1980年の日米犯罪人引渡条約では、両国でいずれも処罰の対象となり、両国の法律で死刑、無期懲役、1年以上の拘禁刑に当たる罪の場合は引渡しが可能となっているが、独禁法違反の場合には日本政府は該当せずとし、引渡しは行われない。

但し、米国法では時効の中断状態で、将来、米国に入国すれば逮捕される。米国でなくても、国によっては引渡条約により米国に引き渡される可能性がある。
起訴されている某氏によると、弁護士から「米国(サイパンやグアムも)と英連邦には絶対行くな、香港や中国などもどうなるか分からない」と言われたと。

マリーンカルテルの場合、現地で逮捕されたもの。

ダイセルの場合は若い担当者のため、海外へ行かない訳にはいかず、自ら渡米し、刑に服した。
米国司法省は、独禁法を有効に施行するという司法省の能力を示すものとして、「日本人で最初に服役」と誇らしげにこれを発表している。http://www.usdoj.gov/opa/pr/2004/August/04_at_543.htm

通常は役員が対象で、若い担当者が起訴されることはないが、この場合はチッソ(免責)が詳細な資料を提出し、それにより本人がカルテル実務を取り仕切っていたと判断されたといわれている。

ーーー

米国、EU、その他諸国の最近の動きについては、公取委ホームページに記載がある。
  http://www.jftc.go.jp/kokusai/kakougoki.html

 


2010/2/10 DuPont、セルロース系エタノールの高性能生産施設をオープン

DuPont Danisco Cellulosic Ethanol LLC (DDCE)は25日、テネシー州Vonoreでセルロース系エタノール実証施設の開所式を行った。
同社はDuPont とデンマークの食品材料メーカー DaniscoGenencor division との50/50JV で、トウモロコシの穂軸やスイッチグラスなどの農業残滓やバイオ作物を原料とするエタノールの商業生産を目指す。

参考 2008/5/9 木くずからバイオディーゼル

同施設では年間25万ガロン(約95万リットル)のエタノール製造が可能だが、狙いは大量生産用の技術を最適化することにある。

テネシー大学のバイオ燃料イニシアティブがセルロース系エタノールを精製するバイオリファイナリーの開発のパートナーとして同社を誘致した。

テネシー大学バイオ燃料イニシアティブは、テネシー大学研究財団所有の営利目的のGenera Energy LLC支援を受けて燃料開発のサプライチェーンを構築している。

ーーー

DDCE20085月にDuPont とデンマークの食品材料メーカー DaniscoGenencor division 50/50JV として設立された。

Daniscoデンマークに本部を置く機能性食品素材メーカーで、40ヶ国以上に9,700名の従業員を有する
製品には、乳化剤、安定剤、酵素、酸化坑止剤、カルチャー、機能性甘味料、機能性素材、食物繊維などがある。

Genencor事業部は業用酵素の開発と製造を担当、世界最大のバイオ技術会社の一つ。
革新的な酵素およびバイオソリューションについて、洗濯用洗剤から輸送燃料におよぶ多種多様な産業による環境への影響を軽減させるために、性能を改良し開発・販売を行っている。

最初の3年間に1億4000万ドルを投資する計画で、まずトウモロコシの茎や芯とサトウキビバガスを原材料とし、将来は、麦わら、様々なエネルギー作物、他のバイオマスを含む多数のリグノセルロース系原料をターゲットとする予定。

統合化されたセルロース系エタノール製造技術システムは以下の通り。

トウモロコシの茎葉部分の前処理
植物の幹からリグニンを分離して、含まれるセルロースが次工程で利用できるようにする。

DuPontが米エネルギー省のNational Renewable Energy Laboratory(NREL)との連携して開発した前処理工程技術を使用。
独自の温和なアルカリ条件プロセスで、他の前処理法よりも低い資本コストを実現した。

   
酵素加水分解プロセス。
セルロース系原料を発酵可能な糖に変換する。

Genencorバイオマスから糖類への高い変換率を可能にする酵素および生産基盤技術を使用。
先駆的な研究プログラムを推進し、酵素にかかるコストを30分の1に低減する強力な酵素複合体を開発、トウモロコシの茎葉部分やサトウキビバガスなどの様々なセルロース系基質を分解する時間、コストおよびフレキシビリティーに関する課題の克服に貢献。

   
DuPontNRELの連携によって開発された独自のEthanologen技術。
糖類を発酵して高い濃度のセルロース系エタノールを生成

エタノール生成細菌ザイモモナス菌(Zymomonas mobilis)に基づくもので、副産物を少量に押えて、原料に含まれた糖類を高効率でエタノールに変換する能力を有する。
   

 


2010/2/11 キリンとサントリーの統合交渉破談

キリンとサントリーは2月8日、経営統合の交渉を終了したと発表した。

 

経営統合の新聞報道は2009年7月になされたが、2009年初めに両社の社長が東京都内の料亭で昼食を共にし、「どちらからともなく」協力を持ち掛けたのがきっかけだったという。

キリンの中期経営計画(2009年10月26日発表)では、経営統合を進める背景として以下を挙げている。
  ・縮小する日本の酒類・飲料市場における事業基盤の更なる強化
  ・グローバルでの熾烈な競争への対応
  ・社会・環境・消費者等からの要請に応える企業体質の強化

統合により世界市場で欧米勢と互角に戦う力をつけるのが狙いであった。
統合会社は米飲料事業最大手のPepsicoや米総合食品大手のCraft Foodsと肩を並べる。

世界の主な食品メーカー 単位:億ドル
企業名 2008年
売上高
Nestle(スイス)   1,032
Unilever(英・蘭)   563
Pepsico(米)   432
Craft Foods(米)   422
キリン+サントリー   421
Coca Cola(米)   319
Tyson Foods(米)   268
キリン   254
Anheuser-Busch InBev (ベルギー)   211
Danone(仏)   199
サントリー   166
アサヒビール   161
Kellogg(米)   128
味の素   122
 毎日新聞(野村総研資料より) 
 なお、Craft Foods はクロレッツガムのCadbury(英)買収を決めた。

国内酒類・飲料でも圧倒的なシェアを握る。キリンとサントリーの国内ビール類飲料シェアは2位と3位。統合後はシェアで49.6%となり、37.8%で首位のアサヒビールを引き離す。
清涼飲料でもキリンは3位、サントリーが2位で合計31.4%と、20%台後半で首位の日本コカ・コーラグループを上回る。

ーーー

キリンは破談の原因を以下の通り説明している。

当社としては、統合新会社は、公開会社として経営していくことを前提に、経営の独立性・透明性が十分に担保されるべきと考えておりました。しかし、この点につきサントリー社との間で認識の相違があり、このまま統合交渉を継続しても、当社が目指す「グローバルリーディングカンパニー」として、国内外のお客様・従業員・株主をはじめとした全てのステークホルダーから理解・賛同を以って受け入れられる会社の姿を描くことが困難であると判断し、交渉を終了することを決定しました。

会見で社長は、「統合比率は最後の詰めの段階まで行っていない。それ以前に描いている会社の姿で合意できなかった」としている。

サントリーは以下の通り。

当社としては、統合新会社のあるべき姿を検討していくなかで、統合比率をはじめ、キリン社との間に認識の相違があり、今交渉において当社が追い求めている新会社の実現は難しいと判断し、交渉を終了することを決定しました。

社長は、「決裂理由は統合比率だ。最初からうちは50対50をベースにして統合しようということだった。問題はすべて統合比率に集約される」、「サントリーの経営は透明だ。何をもって透明性というのかは分からない。結局、(創業家が)サイレントマジョリティでいてほしいということと、いざとなればモノを言いますよというところの差ではないか」と述べた。

キリンは2月10日、加藤壹康社長が代表権のない会長に退き、三宅占二副社長が社長に昇格する人事を発表した。就任は3月26日の予定。サントリーとの統合交渉を断念したことを機に、人心の一新を図る。

2006年3月に就任した加藤社長は、協和発酵(現・協和発酵キリン)や豪州No.1の乳製品・果汁飲料会社National Foodsの買収(フィリピンのSan Miguelから)など国内外でM&Aを進めた。
2009年のビール類シェアで、9年ぶりに首位の座をアサヒビールから奪回した。

ーーー

問題はサントリーが非上場会社で、株式の89.33%を創業家の鳥井家と佐治家の資産管理会社「寿不動産」が保有することである。

創業者の次男が佐治家を継いだが、実質的には鳥井一族である。(敬称略、☆は故人)

寿不動産の株主はサントリー文化財団、サントリー音楽財団、サントリー生物有機科学研究所の3法人と一族19人。
純資産は279億5,400万円。

このため、統合比率がキリン1に対し、サントリーが0.6以上であれば、寿不動産が統合後の新会社で合併や定款変更など会社経営の重要案件について実質的な拒否権を持つ株式3分の1以上を保有することとなる。

昨年1月に大まかな統合条件を探った際の仮の算定比率はキリン1に対して0.78〜0.88で、寿不動産が1/3以上を握ることで「約束」をとりつけていたといわれている。

そうであれば、破談の原因として、キリン側に戦術ミスと、根本的な認識誤りがあったと思われる。

戦術ミスというのは、昨年11月下旬にキリン1 対サントリー0.5程度を提示したことである。
これでは寿不動産の新会社の株式は1/3を下回る。サントリー側はキリンが当初の対等の約束を破り、1/3以上という条件で一族をまとめた佐治社長の顔に泥を塗ったと激怒したとされる。

キリンはサントリーの企業価値をもう少し高く見積もっており、寿不動産が1/3強の株主となることを社内で確認しており、交渉のテクニックとして0.5を出したとのことだが、余りにも低すぎ、信頼関係で行われる統合交渉ではまずかったと言わざるを得ない。

その後、キリンは1対0.75程度まで歩み寄ったが、サントリーは1対0.9に固執した。
キリンの姿勢に反発したものと思われる。

もっと大きな問題は寿不動産が1/3超の株主となることの認識である。

両社は初期交渉で「経営へ口出しはしない」との条件で合意していたとされる。しかし、経営の重要事項の拒否権を持つ大株主が完全なSilent Majority で満足する筈がない。

寿不動産に1/3超の出資を認めることは、極論すれば、新会社は寿不動産の子会社となることを意味する。
日常業務には口出ししないとしても、新会社の方向等については大株主として発言するのは当然である。

サントリーは非上場の理由として以下を挙げている。これは鳥井家(寿不動産)の理念に基づく。
  酒の醸造には時間がかかり、短期的な利益を要求される株式公開に馴染まない
  株主に商品の味を左右されたくない
  事業収益を社会、顧客、従業員に還元するという「利益3分主義」を経営に生かし、直接的な利益に結びつかない文化事業、社会貢献事業に積極的に取り組む
(寿不動産株主の3法人:
サントリー文化財団サントリー音楽財団サントリー生物有機科学研究所はこの理念で設立され、配当収入が運営資金となる)

1963年に 業界最後発で参入したビール事業は、2007年まで40年以上も赤字が続いたが、事業を継続し、2008年に「プレミアム・モルツ」のヒットで一躍業界3位に浮上した。

同社は1990年に「青いバラ」の開発に着手、2004年に成功した。
2009年11月に「
SUNTORY blue rose APPLAUSE」を発売。

付記
キリンは2月18日、種苗生産技術で花卉、 野菜、馬鈴薯の事業を展開しているキリンアグリバイオとキリンアグ リバイオイーシをオランダのH2 Equity Partnersに売却したと発表した。

今回も鳥井家(寿不動産)の理念、考え方に基づく要請が行われた。

その一つが医薬事業の扱いである。

キリンは、2007年10月31日から協和発酵株式の公開買付けを行ない、協和がキリンファーマを完全子会社とした上で、2008年10月1日に協和発酵とキリンファーマは合併し、協和発酵キリンに改称した。

サントリーはキリンに対し、世界の医薬品大手に規模で劣る協和発酵キリンが競争に生き残るのは困難として、統合後数年以内の売却の確約を求めた。

サントリーも医薬部門を持っていたが、巨額の開発費がかかる医薬事業を止めることを決め、2003年1月にサントリー 34%/第一製薬 66% の第一サントリーファーマを設立してサントリーの医薬事業部門が従来行ってきた事業活動の全てを新会社に承継した。

2005年9月に第一製薬の100%子会社となり、第一アスビオファーマに改称した。
現在、第一三共の子会社として、アスビオファーマに改称している。

他方、キリンは医薬を酒類、飲料に続く収益源と位置づけており、意見の一致を見なかった。

サントリーの文化事業、社会貢献事業についても新会社では問題となろう。

これらを見ると、はっきりした理念を持ち、それを通すために非上場を続け、また、それでしっかりした実績を挙げてきたサントリーと、上場会社のキリンの「対等」の統合はそもそも無理筋であったといえる。

寿不動産に完全なSilent Majorityであることを期待したキリン側の認識の誤りである。
この合併が成功するためには、寿不動産の新会社での持株比率を1/3弱にすることをサントリーに呑ませるための案が必要であった。

付記

毎日新聞によると、サントリーは重要案件について株主総会前に寿不動産と事前調整することを明文化するように要求、キリンは「特定の大株主を例外扱いにはできない」と拒んだという。

ーーー

サントリーは2月9日、キリンホールディングスは2月10日に2009年12月期決算を発表した。

付記 参考としてアサヒビール(食品には薬品を含む)、サッポロの決算を追加

  サントリー   キリン   参考 アサヒビール   サッポロ
  百万円 前年比     百万円 前年比     百万円 前年比     百万円 前年比
売上高   1,550,719  102.5   2,278,473 98.9   1,472,468 100.7   387,534 93.5
 (うち酒類) (557,703)     (1,097,694)     (958,155)     (305,495)  
営業利益     83,544  102.8   128,435 88.0   82,777 87.6   12,895 87.8
経常利益     81,822  103.3   144,614 140.3   90,546 93.9   10,725 101.9
当期利益    32,666  101.9   49,172 61.3   47,644 105.8   4,535 59.4
                       
営業損益内訳                      
 飲料・食品    84,219 101.7   7,099 110.4   3,438 134.3   301 136.8
 酒類    20,073 126.6   102,800 93.5   78,879 86.9   8,176 95.0
 医薬品 ー      34,334 121.8   ー      ー   
 不動産事業 ー      ー      ー      7,524 98.8
 その他    4,270 85.3   3,854 21.1   889 88.4   -171 ー 
 全社   -25,018     -19,654     -430     -2,933  
 合計   83,544 102.8   128,435 88.0   82,777 87.6   12,895 87.8
                       
資本金   70,000     102,045     182,531     53,886  
純資産  455,638     1,198,869     577,702     118,590  

サントリーとキリン/アサヒで酒類の営業損益に大きな差があるのは、
原料費の比率が比較的低く、広告宣伝費など固定費の比率が高いため、売上高が大きいほど、営業損益が大きいと思われる。

なお、サントリーは2009年11月に仏飲料メーカー大手 Orangina SchweppesBlackstone GroupLion Capital から3000億円超で買収した。
Orangina Schweppesは、2001年にCadbury Schweppes Oranginaを買収して統合したもので、2006年にBlackstone GroupLion Capitalがそれぞれ50%を買収した。(2008年に現在の社名に変更)

フルーツ炭酸飲料 Oranginaをはじめ、トニックウォーター Schweppesや、果汁飲料OasisTrina等を展開しており、サントリーは、買収により欧州に基盤を築き、欧州事業を一気に拡大する。

 


2010/2/12  2009/3Q 決算、2009/12決算 

3月決算会社の2009年3Q決算がほぼ出揃った。

営業損益は下記の通り、ほとんどが前年を下回っている。

2008年は上半期は好調であったが(2007年よりは悪化)、3Qに急落した。4Qは更に悪化した。
これに対し、2009年に入り、改善はしたものの、上半期の業績の差が大きく、このような形となった。

同時に発表された年間合計予想では次の通りとなる。(3年対比)

多くの企業が2009年3月期を上回る。前年4Qが非常に悪かったのに対し、本年4Qの業績の回復が貢献するため。
しかし、2008年3月期と対比すると、大幅な減益である。
しかも、本年4Qについては、現在打ち出している石化製品の値上げが実現できるかどうかによる。

前々年と比較すると、石油化学関連の落ち込みが大きい。電子材料関連は企業(製品)により回復度合いが異なる。

このなかで、三井化学、東ソーの不振が目立つ。
信越化学の営業損益は他社をはるかに上回るが、前々年、前年からの落ち込みは大きい。

(なお、チッソの本年予想には営業損益が未発表のため、経常損益予想を採った)

当期損益予想は以下の通り。

東レ、三井化学、東ソー、帝人、三菱レイヨンが赤字予想である。三菱ケミカルはかろうじてゼロとなる。

帝人の赤字が大きいが、特別損失の異常操業損失、事業構造改善費用(インドネシア繊維子会社譲渡等)、金銭信託の追加拠出等による。
東レは持分法投資損失、三菱レイヨンは為替差損(72億円)の影響が大きい。

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なお、旭硝子、昭和電工の12月決算は以下の通り。
最悪期の2009年1-3月を含むため、3月決算企業とは差がある。(前年は逆)

旭硝子 (単位:億円、配当:円)  

  売上高 営業損益 経常損益 当期損益  配当
中間 期末
07/12 16,812 1,975 1,879 696 10 10
08/12 14,443 1,540 1,098 392 12 12
09/12  11,482 867 872 200 8 8
前年比 -2,961 -673 -225 -192 -4 -4
10/12予 13,000 1,600 1,500 900 8 8

ガラスは板ガラス、自動車ガラスともに不振。
ディスプレイ部門のフラットパネルディスプレイ用ガラス基板の需要回復が大きい。

昭和電工 (単位:億円、配当:円)  

  売上高 営業損益 経常損益 当期損益  配当
中間 期末
07/12   10,232 767 600 331 0 0
08/12 10,039 268 98 25 0 5
09/12 6,782 -50 -223 -380 0 3
前年比 -3,257 -318 -321 -404 0 -2
10/12予 7,900 300 210 110 0 3

電子・情報はハードディスクの販売減の影響が大きい。
石油化学は原料高の影響が縮小したこと、酢酸の不採算販売からの撤退等で黒字となった。
アルミは前半の販売数量減で赤字となった。

 


2010/2/13 韓国公取委、焼酎カルテルで課徴金

韓国公正取引委員会は2月4日、11社の焼酎会社が2度にわたり焼酎の出荷価格を事前に談合、販促活動と景品の条件に合意していたことを確認し、是正命令とともに272億ウオン(約22億円)の課徴金を課した。

業界1位の真露が166.8億ウオンで、他に舞鶴(26.3億ウオン)、大鮮酒造(23.8)、宝海醸造(18.8)、金福酒(14)、そんやん(10.5)など。一部の焼酎は価格差別のために努力した点が認められ、除かれた。

業界側は審決過程で、酒税法に基づく国税庁の行政指導に沿って価格を調整したのを談合と見なすのは不当だとした。

公取委は国税庁の行政指導自体に対する判断は下さなかったが、焼酎会社が行政指導を口実に談合したとし、「政府機関の行政指導を口実に行われる談合行為も決して容認しない」としている。

但し、公取委は当初の審査報告書で2,263億ウォンとしていた課徴金を1/10の272億ウォンに引き下げた。
公取委では、「制裁水準を決定する過程で、焼酎会社が政府の物価安定対策に基づいて値上げ幅を調整しようと努力した点を勘案した」と説明している。

業界1位の真露は焼酎市場のトップの座に君臨してきたが、無理な事業拡張とアジア通貨危機のあおりで1997年に経営破綻した。

麒麟麦酒やアサヒビールが韓国企業と組んで買収に乗り出したが、最終的には2005年にハイトビール(朝鮮麦酒)の傘下となった。

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韓国公取委は昨年12月にLPGカルテルに過去最高となる6,689億ウォン(約506億円)の課徴金を科した。

2009/12/7 韓国のLPGカルテルで過去最高の課徴金

公取委はこのほか、国内外の航空会社による貨物運賃、ガソリンスタンド、焼酎、大学授業料、オンライン音楽サイトなどに談合の疑いがないかどうか、調査を進めていた。

韓国公取委はまた、中国に進出した韓国企業が、中国の独占禁止法による被害を受ける可能性を踏まえ、徹底的な事前準備を進める意向を表明した。

公取委委員長は昨年11月、「建設、造船など一部業種でカルテルが体に染みついた慣行として残っているが、外国の競争当局に発覚すれば課徴金が多額に上る」と警告した。

韓国企業ではこれまで米国で、LGディスプレーの4億ドル(液晶パネル)、サムスン電子の3億ドル(DRAM)など、納めた課徴金は総額1兆8000億ウォン(約1380億円)に上るが、委員長は「公取委が明確な基準を示し、企業に訓練を積ませる機会を与えるのが遅れたため」とし、今後は企業のカルテルに対し、さらに厳しい制裁を加えると同時に、中国進出企業が現地の法律を知らずに制裁を受けることがないよう、企業教育などの対策を講じる方針としている。

日本では経済産業省が1月29日、「競争法コンプライアンス体制に関する研究会報告書 〜国際的な競争法執行強化を踏まえた企業・事業者団体のカルテルに係る対応策〜」を公表した。

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韓国大法院(最高裁)は2月11日、石油精製大手のS-OILが石油価格の談合に絡み、公正取引委員会から受けた是正命令などの取り消しを求めた訴訟で、原告勝訴の判決を言い渡した。

公取委は2007年4月、S-OIL、SK EnergyHyundai OilbankGS CaltexGSの4社が2004年の4-6月に談合して値上げを行ったとして、合計526億ウォン(45.5百万ドル)の課徴金を課した。
SK Energy
が最大の192ウォン、GSが162ウォン、Hyundaiが93ウォン、S-Oil が79億ウォンであった。

このうち、S-OILは談合を否定、ソウル高裁に処分取り消しを求めた。

ソウル高裁は2008年に談合の詳細な証拠がないとして公取委の処分を取り消した。
公取委は上告したが、今回大法院は同じ理由で高裁の判決を支持、S-OIL
が払った課徴金79億ウォンの返還を命じた。

他3社は公取委に取消を求めたが、公取委は却下、現在、ソウル高裁で審査中。

3社についても同様の結果が出ることが予想され、今後の同様の事件への影響がある可能性がある。


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