2006-5-1

ブログ 化学業界の話題 knakのデータベースから      目次

これは下記のブログを月ごとにまとめたものです。

最新分は http://blog.knak.jp


2015/11/16   Ineos、ExxonMobile/Shellのスコットランドのエチレン工場に米のシェールガスからのエタンを供給 

ExxonMobil Chemical / Shell Chemical との間で、米国のシェールガスからのエタンを、IneosのスコットランドのGrangemouth工場からExxonMobilのエチレン工場に供給する契約を締結した。

Fife Ethylene Plant はスコットランドのMossmorran のExxonMobilの工場にあり、北海の石油・ガス田からのNGLを原料にエチレン年産83万トンを生産している。
Shell は製品の50%の引取権をもっている。

1986年に開所したもので、北海のNGLを原料とする最初のプラントである。(欧州に4基しかない天然ガス原料のスチームクラッカーの1基)

Ineosは2012年9月、欧州のエチレン原料用にエタンを輸入するため、Marcellus shaleを開発する独立系石油・ガス業者のRange Resourcesとの間で、2015年からエタンを購入する契約を締結した。
Ineosは、Sunoco 子会社のSunoco Logistics Partnersとの間で、エタンをペンシルバニア州Houstonから同州Marcus Hookまで輸送するため、パイプライン輸送契約とターミナルサービス契約を締結した。

Ineosは2014年2月3日、米国のCONSOL Energyとの間でMarcellus Shaleのエタンの購入契約を締結したと発表した。
エタンはSunoco LogisticsからMariner East pipeline で運ばれ、Marcus Hookから船積みされる。

2012/10/2   Ineos、米のシェールガスからのエタンを欧州のエチレン原料用に輸入

Ineosは4億5千万英ポンドを投じて、Grangemouth工場に新しいエタン輸入ターミナルを建設した。

今回、ExxonMobil とShell は、Ineos が米国から輸送しGrangemouthの輸入ターミナルに陸揚げしたエタンの一部をFife Ethylene Plant に受け入れる。
北海からの原料を補完して工場のフル稼働を維持するとともに、エチレン工場のコスト競争力を高め、長期的に熟練労働者の雇用を維持する。

ExxonMobil とShellでは、今回の契約でIneosの新しいインフラを活用して米国の競争力あるエタンを使用でき、需要家の長期的なニーズを満たすことができるとしている。


2015/11/16  出光興産と昭和シェル、経営統合に関する基本合意書締結 

出光興産と昭和シェルは11月12日、対等の精神に基づく両社の経営統合に関する基本合意書を締結したと発表した。

出光興産は7月30日、昭和シェル石油の株式 33.24% をShellから取得する株式譲渡契約を締結したと発表した。
出光と昭和シェルはこの株式譲渡を前提に経営統合に向けた協議を進めてきたが、これを加速する。

2015/8/3 出光興産と昭和シェル石油、経営統合で基本合意 

その後、交渉を続け、今回、両社の経営統合に関する基本合意書を締結したもので、対等の精神をうたっている。

統合会社の国内石油下流事業及び石油化学事業の基本戦略として、以下を挙げている。

@  他社を効率性で凌駕する業界 No.1 の収益力を持つリーディングカンパニーを構築し、国内石油精製販売事業を安定的なキャッシュフローを生み出すビジネスにする。
A 内需の構造的な減少が避けられない中、両社が持つ資産の統廃合を積極的に進めるとともに、既存資産の有効活用につながる他社とのアライアンスを積極的に進める。
B 国内石油精製販売事業において事業の競争優位性がある領域においては規律の効いた投資を行う。
C 系列特約店・販売店との相互信頼関係をベースとした取引の価値を重視しつつ、特約店・販売店を中心としたサプライチェーンを更に強化する。
D 内需が減少し続ける中で競争力のある製油所のポテンシャルを活かす。プロフィットマックスの観点からフレキシブルな需給調整が可能な体制を構築する。
E 競争優位性がある石油化学事業の拡大を目指す。

統合の概要は以下の通り。

(1) 経営統合の方式 : 合併によることを基本方針とする。

(2) 経営統合の日程 : 2016年10月から2017年4月を目途に本統合会社を発足させることを目指す。

付記

2016年6月17日発表、公取委審査の遅れから、2017年4月1日(予定)とする。
昭和シェル株式の譲り受けは、当初の2016年上期中から、2016年9月中(予定)とする。

付記

2016年9月7日発表、公取委審査の遅れから、昭和シェル株式の譲り受けは、2016年10月〜11月(予定)とする。
経営統合のスケデュールは、2017年4月1日(予定)のまま。

(3) 統合会社の商号 : 未定

(4) 取締役会の構成 : 代表取締役及び業務執行取締役は、当面は両社から同数ずつ候補者を指名。

(5) 統合会社のブランド : 一定期間は、両社の既存のブランドを併用

(6) シナジー統合 : 統合5年目に総額500億円程度(年間)
               需給・生産計画の最適化、物流最適化、販売・間接部門の効率化等による

両社では、製油所の統合は考えていない。海上オイルフローの最適化を図る。

「両社が持つ製油所の配置は、東から西まであり、バランスが良い。どこかの製油所を閉めるとそのバランスが崩れる。現在の体制を維持するため、輸出も含めて考えていきたい」

給油所については、「両社を合わせた数は7000カ所だが、8割が(直営でない)特約店や販売店だ。減らす、減らさないより、顧客に利便性を感じてもらうことや、付加価値のあるサービスの方に注力したい」としている。

 


トッパー処理能力(千bbl/d)
 

トッパー処理能力

 当初 高度化法 現状
  昭和四日市石油 四日市 205 255 255
西部石油 山口 120 120 120
東亜石油 京浜

70

70 70
昭和シェル 扇町 120 0
昭和シェル合計 515 445 445
出光興産 北海道 140 160 160
千葉 220 220 200
愛知 160 175 175
徳山 120 0
出光興産 合計 640 555 535

 

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なお、11月16日付けの日本経済新聞は、JXホールディングス(HD)が東燃ゼネラル石油と経営統合に向けた交渉に入ったと報じた。

実現すれば日本の石油精製会社は実質3社体制となる。



2015/11/17 人民元、SDRの構成通貨に

国際通貨基金(IMF)は11月13日、外貨不足に陥った加盟国を支援する特別引き出し権(SDR)の構成通貨に中国の人民元の採用が妥当とする見解をまとめた。
11月30日のIMF理事会で正式決定する。

評価方法の決定は70%の賛成で決まるため、米国(17.67%)と日本(6.56%) が反対しても通る。

SDRの評価の原則の変更や現行の原則の適用の抜本的な変更には85%の賛成が必要。
IMFは2010年に、新興国の出資比率を引き上げ、理事会への登用を増やす「IMF改革」に合意したが、85%の賛成が必要で、米国議会が賛成しないため、実施できない。

SDRは、加盟国のIMFへの出資比率に応じて各国に割り振られており、金融危機などで外貨不足に陥った場合、SDRと引き換えにドルや円など構成通貨と交換できる。
構成通貨は5年に一度、見直しを検討する決まりで、今年が見直しの年にあたっている。

構成通貨に採用する条件は、「財とサービスの輸出額」と「通貨が自由に取引できるかどうか」−−の2点で、2010年の見直し時には、中国はすでに財とサービスの輸出額の基準は満たしていたが、取引の自由度が不足とされ、採用を見送られた。

中国は今年に入って、SDR入りを目指す方針を公式に示し、人民元の取引活発化に向けた通貨・金融市場改革を実施した。
IMF事務局が7月に、「運用上の課題がある」との報告書をまとめた後、中国が人民元相場を従来より市場実勢に従って変動させるなど一段の改革を約束したことで、今回の判断につながった。

中国人民銀行(中央銀行)は11月14日、「人民元のSDR入りは、現行の国際通貨体制を改善し、中国と世界にともに利益をもたらす」との声明を発表し、理事会での正式決定に向けて各国の支持を求めた。

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2015/11/18 環境省、千葉と秋田の石炭火力計画も是認せず

環境省は11月13日、関西電力などが千葉県市原市と秋田市で計画している2件の石炭火力発電所の建設について「現段階では是認できない」とする環境影響評価(アセスメント)の意見を経済産業省に提出したと発表した。

本年に入り、合計5件となった。

2015/8/20   環境相、中部電力の石炭火力計画 是認せず

環境影響評価法及び電気事業法は、出力11.25万kw以上の火力発電所の設置又は変更の工事を対象事業としており、環境相は、提出された計画段階環境配慮書について経産相からの照会に対して意見を言うことができるとされており、この手続きに沿うもの。

事業が、国の目標・計画と整合を取るためには、電力業界全体で二酸化炭素排出削減に取り組む実効性のある枠組が必要不可欠である 。

政府は7月17日、地球温暖化対策推進本部を開き、二酸化炭素(CO2)など温室効果ガスの排出量を「2030年までに2013年比26%削減」とする目標を正式決定した。

2015/7/18 温室効果ガス 2030年に2013年比 26%減 

政府は目標の検討にあたり、2030年時点の再生可能エネルギー比率を22〜24%、原発を20〜22%と決め、2013年比で排出量を21.9%削減できるとした。さらに代替フロン類削減などで1.5%減、森林整備などによるCO2吸収分2.6%を上乗せし、計26%削減を目指す。

    2015/6/4   エネルギーミックス最終案   

しかし、電気事業連合会など電力業界が2015年7月に公表した「電気事業における低炭素社会実行計画」では、2030年度の販売電力量1kWh当たりのCO2排出量を2013年度比約35%減らすとするが、「参加各社はそれぞれの事業形態に応じた取り組みを結集する」というだけで、具体的な「実行計画」はない。
「実効性のある枠組」ではなく、単なる目標に過ぎず、これらの事業については、「日本の約束草案」及びエネルギーミックスの達成に支障を及ぼしかねない。

このため、環境省は今回も、本事業の計画内容について、国の二酸化炭素排出削減の目標・計画との整合性を判断できず、現段階において是認することはできないため、早急に具体的な仕組みやルールづくり等が必要不可欠であるとした。

石炭火力は、最新型であってもCO2排出量が天然ガス火力の2倍以上とされ、欧米各国は事実上、新設を不可能にする規制を導入しつつある。
日本が大量の石炭火力発電の増強を進めれば、温暖化対策に逆行するとして、国際的な批判にされるのは必至である。

少なくとも、(1)石炭火力のCO2排出量をどう減らすか(2)CO2排出が目標通りに収まらない場合どう対応するか−−を明確にしない限り、環境省は是認できない。

丸川珠代環境相は「石炭火力発電のCO2排出削減は極めて重要だ」と述べ、早急に実効性のある対策をまとめるよう電力業界に求めた。

 

付記

大阪ガスが、丸紅と共同で検討していた茨城県での石炭火力発電所の新設計画を断念したことが12月20日、分かった。
検討していたのは、茨城県の鹿島地区を候補地とする出力10万キロワット級の石炭火力発電所で、2016年4月の電力自由化後の販路拡大を見据え、2017年にも発電を始める計画だった。

首都圏市場向け電源開発の一環と位置付けてきたが、今後、大手電力の原発再稼働が進むなどすれば、採算が厳しくなると判断した。

 

 

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これを受け、経済産業省は11月17日、総合資源エネルギー調査会の専門委員会で、電力各社の火力発電に占める石炭火力の比率を上限5割(電力量ベース)に抑える案を正式に示した。年内にも省エネルギー法の告示を変え、2016年度以降、電力会社に指標の達成を求める。

新設する場合も現在普及している中で最新鋭クラスの高効率な設備のみ認め、老朽設備の廃止や稼働休止を求める。

既存設備では、ベンチマーク制度を活用し、発電効率に応じて事業者を評価する指標を導入、一定の基準を満たさず、改善の努力が見られない事業者名を公表する。

経産省によると、現時点では大手電力10社の大半が達成できていないという。

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環境省が「現段階では是認できない」との意見を提出した案件は下記の通りで、全て、超々臨界圧石炭火力である。

超々臨界圧発電所は超高温・超高圧(蒸気温度593℃以上、蒸気圧力24.1Mpa以上)の蒸気でタービンを駆動させ、発電効率を向上するとともに、燃料消費量・CO2排出量を低減する。

意見書 立地 事業者 石炭火力計画 備考
6月12日 山口県宇部市
西沖の山
(宇部興産所有地)
山口宇部パワー 120万kw(60万kw x2基) 運転開始:2020年代前半
電源開発 45%
大阪ガス 45%
宇部興産 10%
8月14日 愛知県知多郡武豊町 中部電力 5号機 107万kW 原油・重油燃焼の1号機は停止済み
同2号機〜4号機(各37.5万kw)を2015年に停止、全機を撤去
運転開始:2021年度
8月28日 千葉県袖ケ浦市
出光興産
貯炭場に隣接
千葉袖ケ浦エナジー 200万kW(100万kW×2基) 運転開始:2020年代半ば
出光興産 33.3%
九州電[email protected]%
東京ガス  33.3%
11月13日 千葉県市原市
東燃ゼネラル石油千葉工場構内
市原火力発電 100万kW

 

運転開始:2024年
東燃ゼネラル石油 50%
関電エネルギーソリューション 50%
11月13日 秋田県秋田市 秋田港発電所 130万kW(65万kW×2基) 運転開始:
 1号機 2024/3
 2号機 2024/6

 

丸紅
関電エネルギーソリューション



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石炭火力発電所の輸出に関しては、国際規制の強化を主導したい米国と、輸出を推進したい日本が対立しているが、日米両政府が一部規制の導入で合意したことが分かった。

加盟国が石炭火力の輸出時に政府系金融機関を通じて行う公的融資について、発電効率が高く温室効果ガス排出が比較的少ない「超々臨界圧」技術を用いる場合は認める一方、効率が低い技術を用いた場合は原則として支援を禁止する。

パリで11月16日に開幕するOECDの作業部会に共同提案し、加盟各国に協調を呼びかける方向で最終調整している。

付記

OECD作業部会は11月17日、下記を除き、公的金融機関からの融資を制限することで合意した。
   @「超々臨界圧」技術、A低所得国と島嶼国向けに限り、出力50万kw以下の「超臨界圧」や30万kw未満の「亜臨界圧」

米政権の高官が匿名を条件に語ったところでは、石炭プロジェクト全体の85%に当たる案件で今後、金融支援が打ち切られる。
合意によると、融資制限は4年後に再び厳格化される見通し。

国際協力銀行(JBIC)が2003〜2014年度に資金支援した石炭火力の輸出案件(計画段階を含む)23件のうち、超々臨界圧はわずか1件にとどまる。

日本と韓国はOECDメンバーだが、中国はメンバーでないので、これに縛られないのが問題。


 

2015/11/19   ジェネリック医薬品大手のMylan、アイルランド製薬大手Perrigo のTOBに失敗 

ジェネリック医薬品大手のMylan N.V. はアイルランド製薬大手 Perrigo  Company plc に買収を提案し、拒否されて、敵対的TOBを行っていたが、11月13日の締め切り時に全体の約40%しか応募がなかったため、TOBは成立せず、元の株主に返却された。

Mylan は4月8日、アイルランド製薬大手のPerrigo に買収を提案したと発表した。

4月6日にPerrigoに対し現金と株式交換で1株当たり205ドルでの買収を示した。
提案前の終値を25%上回るもので、買収総額は300億ドル近くにのぼる見通し。

欧米で大衆薬や健康食品を手掛けるPerrigoの買収を通じて後発薬以外にも事業を多角化し、顧客基盤を広げる考え。

Mylanでは、ユニークで比類のない多角化したグローバルな医薬業界のリーダーになるとし、「両社の組み合わせは短期的にも、また長期的にも価値の創造につながる」と述べ た。大衆薬、健康食品を商品群に加え、世界の主要市場で事業基盤を拡大するとしている。

Perrigo は提案を「検討する」と発表した。両社の2014年ベースの合計売上高はおよそ153億ドルに達する。

2015/4/16  ジェネリック医薬品大手のMylan、アイルランド製薬大手に買収提案

その後、4月21日にPerrigoは同社の取締役会が満場一致でMylanの買収提案を拒否したと発表した。
Mylan の提案はPerrigoの価値とその将来の成長見通しを「著しく過小評価」しているとしている。

Mylanは敵対的買収に踏み切った。

先ず、4月29日に買収価格を引き上げた。

現金 75ドルと2.3株のMylan株としたもので、時価ベースで232.23ドルとなる。(従来は 205ドル)

6月にMylanの最大の株主でMylan株 14.5%をもつAbbott Laboratoriesが買収に賛成する発表を行った。

Mylanは当初、TOBをPerrigoの「全株式の80%以上」としていたが、8月13日に「50%以上」に引き下げた。

9月14日に Perrigoの全株を対象とするTOBを開始した。TOBに応じるPerrigo株主は、1株当たり、現金75ドルとMylanの 2.3株を受け取る。
全株式の50%以上の応募でTOBは成立する。

Mylanは並行してEUと米国の独禁当局に買収の承認を求めていたが、6月29日にEUから承認を受けた。11月3日には米国FTCから、特定の製品の分離を条件に承認を受けた。

しかし、TOBに応じた株主は40%に止まり、TOBは失敗した。

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Perrigoの取締役会が満場一致でMylanの買収提案を拒否したと発表した4月21日、イスラエルの後発医薬品メーカーのTeva PharmaceuticalsはMylanに対し現金と株式による400億ドルでの買収提案を行ったことを明らかにした。Mylanの全株式を1株当たり82ドルで、半分を現金、半分をTeva の株式で買収するもの。

Mylanは4月27日、Tevaの買収案を拒否した。Mylanの企業価値を「大幅に過小評価している」としている。
Mylanの会長はTevaに宛てた書簡で、「1株当たりの価格が100ドルを大幅に上回る」という「出発点」でなければ、協議を行うことは検討しないと言明した。

2015/4/24 イスラエルのTeva Pharmaceuticals、同業のMylanに買収提案 

Teva Pharmaceutical Industriesは7月27日、米医薬大手Allergan plc から後発薬事業を買収することで最終合意したと発表した。
TevaはAllergan の 後発薬事業買収で、Mylanに仕掛けていた買収提案は撤回した。

2015/7/29   後発薬最大手のTeva、 医薬大手の Allerganから後発薬事業買収

 


 

2015/11/19 イタリアの「モンクレール」、中国で偽ブランド品製造業者に勝訴    

イタリアの高級ジャケットメーカーの Moncler (フランス発祥)は11月16日、偽ブランド品を製造・販売している中国の業者に勝訴したと発表した。

2013年に同社のロゴを偽装したダウンジャケットが販売されているのを確認した。

  問題のダウンジャケットと同社の商標

販売していたのは北京の諾雅卡特服裝公司Nuoyakate Gourmet)で、国内外で偽の商標登録やドメイン登録を行うことも予定していた。

Moncler は2014年12月に、同社ブランドのロゴつきダウンを販売したとして前月(11月)に新設されたばかりの知的財産法院に提訴した。

今回、知的財産法院は300万人民元(約5800万円)の損害賠償を命じた。

Moncler は、「新制度のもとに最大の賠償が認められた画期的な判決」と述べ、中国当局の偽ブランド品に対する姿勢が改善されたことも指摘している。

 


2015/11/20   化学会社の9月中間決算 

化学会社の9月中間決算の発表がほぼ出揃った。

原油価格の下落で、石油化学製品などのコストが大幅に下がり、ほとんどの会社で前期比で大幅な増益となった。

   
   
   

各社の実績(売上高、営業損益、経常損益、当期損益、配当の推移、セグメント別売上高、営業損益推移)は下記を参照。

http://www.knak.jp/kessan/

営業損益では、三菱ケミカル、住友化学、三井化学、東ソー、帝人などが、前期比で大幅増となっている。

いずれも石油化学が大幅増益となっている。
帝人の場合は、「電子材料・化成セグメント」が前期の赤字から大幅黒字に転換しているが、中心はポリカーボネート樹脂(構造改善益を含む)である。

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営業損益と経常損益では、@三菱ケミカル、A信越化学、D住友化学の順になっているが、当期損益では@信越化学、A住友化学、B三菱ケミカルとなっている。
これは、連結対象会社の内容の違いによるところが大きい。

(百万円) 営業利益 持分法損益 経常損益 税引前 税金 税引後 少数株主利益 当期損益
三菱ケミカル 136,351 5,966 135,192 134,460 -46,051 88,409 -29,315 59,094
信越化学 109,816 - 113,020 113,020 -35,304 77,716 -1,082 76,633
住友化学 74,244 28,558 100,395 105,028 -27,095 77,933 -17,037 60,896

信越化学と、三菱・住友との違いは少数株主利益である。

信越化学の収益源のShintech や信越半導体グループは信越化学100%のため、連結損益が全て同社の当期損益となる。

これに対し、三菱ケミカルの場合、田辺三菱製薬(当期損益 29,148百万円)への出資比率は56.34%、大陽日酸(同13,303百万円)は50.56% などのため、連結子会社の他の株主の持分が大きい。

住友化学も同様で、大日本住友製薬(当期損益 13,214百万円)への出資比率は50.22%である。

なお、住友化学の場合、PetroRabigh など、持分法損益が大きく、営業利益の少なさを補っている。


2015/11/21   三菱商事と千代田化工、ポルトガルの浮体式洋上風力発電事業に参画  

三菱商事と千代田化工建設は11月17日、EDP Renewables、Engie、Repsol の3社とともに、Windplus 社を設立し、ポルトガルの浮体式洋上風力発電事業に出資参画すると発表した。
三菱商事と千代田化工はそれぞれ20%ずつ出資する。

EDP Renewables はポルトガル電力会社を主要株主とする再生可能エネルギーに特化した上場子会社で、世界有数の風力発電事業者。世界12カ国で事業を展開する。
Engie はフランスガス公社(GDF)とスエズの合併により誕生した世界第1位のIPP事業者で、電気・ガス事業、ガストレーディング、ガス輸送、発電事業等を展開する。
Repsol はスペインの石油・ガス会社で、原油・天然ガス・石油精製等の開発に従事する。

計画概要は下記の通り。

投資先事業会社 Windplus
事業名称 WindFloat Atlantic Project
事業概要 Viana do Castelo市の沖合20kmの大西洋上に3〜4基 合計25MWの浮体式洋上風力発電設備を設置。
発電容量 25MW
設置予定地   Viana do Castelo市の沖合20km

総事業費 約160億円
商業運転開始 2018年を予定
採用技術 浮体技術 ”WindFloat”は、米国の洋上風力エネルギー市場への技術・サービスプロバイダーのPrinciple Power Inc が開発した半潜水型(semi-submersible)浮体式基礎構造による技術。

既にVestas製タービンV80(発電容量2MW)を搭載した実証機(WindFloat 1)がPóvoa de Varzim市の沖合で稼動する。
(運用開始から4年間で16GWhを発電し安定的に稼動)

浅瀬が多い欧州洋上風力発電は海底に設備を固定する「着床式」が主流だが、深海でも利用できる浮体式の商業運転はStatoilの英国の北海での風力発電(2.3MW) に次ぐ2件目。
(日本では、長崎県五島市の椛島沖と福島県楢葉町沖にある。)



WindFloat 3 では30基 150MWを目指している。

 
三菱商事は、現在オランダにおける着床式洋上風力発電事業や、イギリス・ドイツでの海底送電事業を手掛けている。
三菱商事は2013年1月、オランダ公営の総合エネルギー事業会社であるEneco と欧州の洋上風力発電事業分野で戦略的提携を行うこととし、Enecoがオランダ沖合に建設予定の Luchterduinen 洋上風力発電所の持分の50%を取得し、建設・運転を、両社共同で行うことに合意した。

今後も引き続き、欧州で再生可能エネルギーを含めた発電事業を積極的に拡大し、現在グローバルベースで保有する発電資産約500万kWを2020年までに750万kWへ拡大することを目指す。
 



2015/11/23 日銀、日銀版コアコアCPI指数など公表へ  

日銀は11月20日、「消費者物価コア指標のパフォーマンスについて」というレポートを発表したが、結論として以下の通り述べている。

わが国で利用されているコア指標のパフォーマンスについて、分析期間を通じた安定性に注目して検討した。

その結果を総括すると、「除く生鮮食品」、「刈込平均値」(
価格変動の大きい上下10%の品目を除いて算出)のパフォーマンスが総じて高いことが確認されたが、同時に、原油価格の大幅な変動の影響を受けた一時的なものである可能性が高いとはいえ、足許、「除く生鮮食品」のパフォーマンスが低下していることも確認された。

除く生鮮食品」の前年比は直近でマイナス0.1%まで下がっているが、変動の大きい原油価格の物価に対するかく乱的な影響度が高まっており、物価の基調を十分捉えられなくなっている可能性があるというもの)

物価の基調を的確に判断し、対外的な説明を行っていくうえでは、指標としての定着度の高さも踏まえると、引き続き「除く生鮮食品」を中心的な指標としつつも、「刈込平均値」、「除く生鮮・エネルギー」など幅広い指標を活用していく必要がある。

日銀は金融経済月報の7月号に消費者物価指数の新指標「除く生鮮・エネルギー」のグラフを掲載した。天候に左右され、変動が大きい生鮮食料と、昨年以来の原油安の影響が大きいエネルギーを除いたもの。以降、毎月グラフを掲載している。

2015/7/20 日銀の新しい消費者物価指数

今後、これを「日銀コアコア」(新聞報道での通称)として、総務省のCPI公表時に同時に発表する。

このほか、「上昇品目数と下落品目数の比率」、価格変動の大きい上下10%の品目を除いて算出する「刈込平均値」を公表する。

各CPIの内容と、最近の実績は下記の通り。

総合

コア

 コアコア

その他全て
(酒類を含む)

日銀コアコア指標
総合(除く生鮮食品・エネルギー)

  その他食品(酒類を除く)

食品(酒類を除く)
  ガソリン                    エネルギー エネルギー
  電気・都市ガス・プロパンガス・灯油 
生鮮食品(天候に左右され、変動が大きい) 生鮮食品 生鮮食品

 

  月次(前年同月比 % )
2015/7 2015/8 2015/9
総合 0.2 0.2 0.0
生鮮食品を除く総合 (コア) 0.0 -0.1 -0.1
生鮮食品及びエネルギーを除く綜合(日銀コアコア) 1.0 1.1 1.2
食料及びエネルギーを除く総合(コアコア) 0.6 0.8 0.9

 

9月の前年比をみると、「除く生鮮食品」は前月と同じ−0.1%となった。一方、「除く生鮮食品・エネルギー」の前年比をみると、1〜2月をボトムに再び伸びが高まってきており、9月は+1.2%と、昨年2月の直近ピーク(+0.9%)を明確に上回っている。

金融経済月報 2015年11月

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「除く生鮮食品」(コア)では値下がりの大きいエネルギーが含まれる。「除く食料・エネルギー」(コアコア)では輸入価格転嫁で値上がりの大きい食品が入らない。
このため、値下がりの大きいエネルギーを除き、輸入価格転嫁で値上がりの大きい食品(生鮮食品を除く)を含めようというもの。

しかし、円安による輸入価格の転嫁による食品の値上がりについては、その後の為替レートは安定しているため、一旦転嫁すると価格はそれ以上は上がらない。このため来年以降は前年比での変動は少ない。

日銀の期待する更なる消費者物価上昇はなく、日銀コアコアも下降に転じる可能性がある。

 


2015/11/24  産業ガス世界大手のAir Liquid、米同業のAirgas を買収  

産業ガス世界大手のフランスのAir Liquid は11月17日、米同業のAirgas を買収することで合意したと発表した。

直近1カ月間の株価に50.6%上乗せした1株あたり143ドルでの買収で、負債を含めて134億ドルとなる。

Air Liquid はドイツのLinde と世界シェア首位の座を激しく争っているが、世界最大の産業ガス市場である米国地盤のAirgasを傘下に収め 、Lindeを突き放す。

付記

2016年5月13日、FTC は一部設備の売却を条件にこれを承認した。

これを受け、Air Liquideは5月23日にAirgas 買収を完了した。

大陽日酸は6月24日、子会社Matheson Tri-Gas, Inc. による両社の資産の購入契約締結を発表した。

買収資産の内容は下記の通り。残る2基はAir Liquideが売却を交渉中。

  Air Liquide Airgas
セパレートガス事業(東部、中西部の計 18 基) 12箇所 4箇所
亜酸化窒素事業(東部、西部に各1箇所) 2箇所  
液化炭酸ガスプラント ドライアイスプラントを併設
(某社と交渉中)
2基  
ドライアイスプラントを併設 2基  
単独 2基  
パッケージガス事業(アラスカ州にある営業所)   3箇所

付記 2016年9月9日 買収完了。

Air Liquide は残る2基も含めた総売却額を270 百万ドルと見込んでいる。

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    Source : http://youtu.be/4mshZnZPUzM

Air Liquid は80カ国に拠点を構え、鉄鋼、製薬、自動車の水素スタンドなど幅広い業界にガスを提供している。米国では140余りの産業ガスプラントを構えている。

Airgas は北米が収益のほとんどを占め、食品の鮮度を保つため包装のなかに封入するガスや、関連サービスに強い。酸素、窒素、アルゴンなど大気ガスの生産でも大手。

大口中心のAir Liquidと、小口配送が中心の Airgas のユニークな統合となり、米国市場を包括する。 

 

Air Liqid は欧州・中東やアジアで首位だが、今回の買収で、米最大手のPraxairを抜いて米国でも首位に立つ。
セグメント別でも、大口産業用、小口産業用、エレクトロニクスでいずれも首位に立つ。

地域別売上構成もバランスの取れたものとなる。



2015/11/25    Statoil、
アラスカ州沖合 Chukchi Seaの油ガス探査から撤退   

Statoil は11月17日、アラスカ州沖合のChukchi Seaでの探査が同社のグローバルなポートフォリオの中で、もはや競争力はないとし、撤退すると発表した。

Statoil が運営する16区画と、ConocoPhillipsが運営し、Statoil が25%の権益をもつ50区画からの撤退となる。これらは2008年にリース権を取得し、2020年に期限が来るもの。

これは9月に同じ理由でShellが撤退したのに続くもの。

Shell とStatoil が経済性がないとして撤退したため、他の各社も撤退を決める可能性が強い。

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これまでUS Geological Surveyが行った調査では、アラスカ沖の海底油田は、全世界のガスの未採掘田の30%、石油に関しては13%を埋蔵量を持つとの調査結果が得られていた。

2008年2月、Chukchi Sea の探鉱ライセンスの入札が行われ、Shell は総額21億ドルで275の鉱区を取得した。
同社は、1990年代初頭に試掘して埋蔵量を発見していたものの、経済性に見合わないとして撤退していた。

ShellはBeaufort Seaにも鉱区を持つ。

Shell はChukchi Sea のBurger J 油田を含む北極圏での新油田探査のために既に70億ドルもの巨費を投資してきた。

Shell は9月28日、有望な油田層の発見に至らなかったことを理由にChukchi Seaで行ってきたBurger J 油田の探査活動を停止したことを発表した。
「Burger J 油田の採掘活動の結果、石油とガス田の発見に至ったが、今後も掘削を続けても十分な埋蔵量を持つ油田の発見に至る十分な保証を得ることはできないことが判った」としている。

探査の結果のほか、高コストと米政府の環境規制を撤退の理由にしている。

北海での石油掘削に反対する環境団体はこれを歓迎した。

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Chukchi Seaでの各社の鉱区は下記の通り。



2015/11/26    Pfizer、アイルランドのAllerganを買収    

Pfizerとアイルランドに拠点を置く同業のAllerganの両取締役会は11月23日、満場一致で両社の合併を承認した。

株式交換方式で合併する。
Allergan株主は1株当たり統合会社の11.3株を、Pfizer株主は1株当たり統合会社の1株を受け取る。
実質的に、Pfizerによる1600億ドルでのAllergan 買収となる。

形式的には、Pfizerの事業とAllerganの事業は Allergan plc に統合され、アイルランド法での企業となるが、社名を“Pfizer plc” に改称し、New York Stock Exchangeに上場する。
実務上の本拠はNew Yorkに置く。

 

Allergan plc は10月29日、Pfizerから事業統合の提案を受け、友好的に予備的交渉を行っているという報道を認めている。

2015/11/12  Pfizer、Allergan と統合交渉 

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Allerganについては上記を参照。
 

Pfizerはこれまで、M&Aで成長を続けてきた。

2000年2月にWarner Lambert を買収した。

Pfizer と Warner-Lambert は1996年から高脂血症治療薬 Lipitor  開発の partnership を組み、Pfizer は販売権を有していたが、1999年11月にWarner Lambert はAmerican Home Products との友好的対等合併を発表した。
その数時間後、Pfizeは
Lipitor の販売権を失うことを恐れ、Warner Lambertの敵対的買収を発表した。

2007/10/11 高杉良 「挑戦 巨大外資」

Pfizer はWarner-Lambert を吸収後、2003年4月にはPharmacia を吸収合併し、世界の医薬メーカーのトップとなった。

有力な新薬を会社ごと買収して収益を上げる手法は Pfizer Model と呼ばれる。

Pfizer は2009年1月、Pfizerが以前にWarner-Lambert との統合を阻止したWyeth (旧称 American Home Products) を680億ドルで買収すると発表した。

2009/1/27 Pfizer、Wyeth を買収

Pfizer は2015年2月、同業の米 Hospira, Inc.を170億ドルで買収する契約を締結したと発表した。

2015/2/11   Pfizer、米製薬会社 Hospira, Inc. を買収

 


 

合併後の企業はPfizerの肺炎球菌ワクチンPrevnar (Wyethが開発) 、Allerganのしわ取り注射剤 Botox といったベストセラー製品を擁し、アルツハイマー病、がん、眼病からリウマチ性関節炎まで幅広い病気に対応する薬品やワクチンを提供する、業界最大の研究開発費を誇る巨大製薬会社となる。

Pfizerの売上高は、リピトールの特許切れなどで減少、2014年にはNovartisにトップを奪われたが、Allerganの買収により、再びトップを取り返す。

2014年の世界の処方薬売上高(億ドル、EvaluatePharma 調べ

  Pfizer + Allergan 556
1 Novartis 461
2 Pfizer 445
3 Roche 401
4 Merck & Co 366
5 Sanofi 382
6 J & J 307
7 GSK 303
8 Astrazeneca 257
9 Gilead Science 245
10 AbbVie 199
11 Amgen 193
12 Teva Pharma 175
13 Eli Lilly 163
14 Bayer 163
15 Novo Nordisk 158
16 Boehringer-Ingelheim 134
17 武田薬品工業 130
18 BMS 120
19 Allergan(旧 Actavis) 111

以上 合計 

4,713
その他各社合計 2,717
総計 7,430

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この買収は過去最大の“inversion”(納税拠点の低税率国への移転)」となる。

米国は連邦法人税率が35%だが、アイルランドは12.5%と低く、形式的には、Pfizerの事業とAllerganの事業 を Allergan plc に統合し、アイルランド法での企業となることで、年間で約20億ドルの節税効果があると言われている。

世界一位のNovartis が本社を置くスイスのバーゼルは法人税率が20%強である。

Pfizerは2014年1月にAstraZenecaに買収提案を行った。

Pfizerの経営幹部は、この買収目的の一つを「効果的な租税負担を構築する」こととした。買収後は英国に多くの利益を留保・移転し、米国の高い税を回避するというもの

しかし、AstraZenecaはこの提案を拒否、2014年5月にPfizerは買収断念を発表した。

2014/5/12   Pfizer が AstraZenecaに買収提案

租税回避を巡っては、各国が対応策を検討しており、今後はメリットがなくなる可能性がある。

欧州委員会は10月21日、Starbucksがオランダ政府から、Fiat Finance and Tradeがルクセンブルグ政府から、それぞれEUでは違法となる優遇税制を受けていたと判断し、更に、アイルランドによる米 Apple、ルクセンブルクによる米 Amazonへの税優遇などでも正式調査を進めている。

G20は10月8日、ペルーの首都リマで財務相・中央銀行総裁会議を開き、タックスヘイブン(租税回避地)などを使った多国籍企業の税逃れを防ぐ新たなルールを採択した。

2015/10/27 欧州委員会、StarbucksとFiatの税優遇を違法と認定、追加徴税を指示

米財務省は11月19日、米国企業が節税を目的に納税地を国外に移転しにくくするための新たな規則を発表した。

この規則には米国企業が外国事業部門を新たな外国親会社に移転するのを制限する項目があり、2014年9月22日以降にインバージョンを完了させた全企業の将来の取引に適用される。このため、既にインバージョンを終えた後発薬医薬品メーカーのMylanにとって問題となる可能性がある。

2014/7/21   MylanがAbbottのジェネリック事業の一部を買収、本社移転も目的の一つ

既存の米国の税法では、企業は外国企業と合併しない限り米国の税制度を免れないが、新規則はこの部分をさらにてこ入れする。
現行の法律では、合併後の会社に対する米国企業の株主の保有率が80%未満であれば、インバージョンが認められている。

しかし、アイルランド企業のAllergan がPfizerを買収する形をとる今回のインバージョンは、今回の規制の対象外となる可能性が強い。

大統領候補のクリントン前国務長官は、「米国の納税者が貧乏くじを引く(holding the bag)」としてPfizerを強く批判した。

「大統領になれば、米国での成長、イノベーション、雇用に報いる税制改正を行う。米国の税基盤を破壊するInversion の厳重な取り締まりを遅らすわけにはいかない」と述べた。


2015/11/27    スペインのCepsa、PTA /PET事業から撤退  

スペインのエネルギー会社 Cepsa は11月12日、タイのIndorama Ventures にPTA /PIA/PET事業を売却することに合意した。 
スペイン南部
San RoqueGuadarranque Plant の能力は、PTA 480千トン/PIA 220千トン/PET 175千トンとなっており、PIAは欧州で唯一のプラント。

PIA(高純度イソフタル酸 )はPETの原料として使われるほか、ペイントなどの生産にも使われる。

メタキシレンを酸化して生産(オルソキシレン原料でフタル酸、パラキシレン原料でテレフタル酸となる)

現在、アジアでは次の各社がイソフタル酸を製造している。

1)韓国 KP Chemical(蔚山) 200千トン

KP Chemical はロッテグループの湖南石化の子会社であったが、2012年12月に湖南石化と合併し、Lotte Chemical となった。

2)台湾 東展興業 (Tuntex Petrochemical)  10千トン

Tuntexは台湾石化合成(Tasco Chemical)の子会社となった。

3)中国 北京燕山石化 36千トン

4)シンガポール Perstorp 70千トン

当初スイスの医薬会社 Lonza が建設したが、医薬に専念するため2007年にPerstopに売却した。

5)三菱ガス化学  水島で70千トン(当初は120千トン、停止した松山の100千トンと合わせ220千トン)

2012/3/22 三菱ガス化学、高純度イソフタル酸事業の構造改革で特別損失 

 

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Cepsaは現在、アブダビ国営の投資会社IPIC の100%子会社。

IPICは当初、CEPSAに25%出資していたが、 2009年に47.1% にまで増やし、2009年8月にTotal から48.83% を買収、最終的に100%をおさえた。

本年3月にカナダのMontrealにある年産60万トンのPTA工場をIndoramaに売却している。(6月1日に売却完了)

今回の売却で、Cepsa は40年以上続けてきたポリエステル事業から撤退する。

Indoramaを売却先に選んだのは、この分野のワールドリーダーに売却し、工場の従業員の労働条件を悪化させないためとしている。

Cepsaは今後ともこのPTA /PIA/PET工場に原料や燃料を供給し、サービス契約に基づき、メンテナンス作業を受託する。

Cepsa は今後、フェノール/アセトンやLAB/LABSAなどの事業に集中する。

CepsaはLABの世界のリーダーで、50万トン以上の能力を持ち、世界の供給の13%を占めている。

Cepsaは2015年3月にカナダのPTA工場をIndoramaに売却したが、同年7月には、カナダのBécancourのLAB工場(Cepsa 51%、Investissement Québec 49%、能力年産12万トン) のInvestissement Québecの持分を買収し、Cepsa 100% としている。

Puente Mayorga Plant (San Roque, Spain) 22万トン  
Plant Becáncour (Quebec, Canada) 12万トン  
Camaçari Plant (Salvador de Bahía, Brazil ) 22万トン  72%出資 

LABSAはリニアアルキルベンゼンスルフォン酸 。

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スペインのPalos de la Frontera Plant では、フェノール 60万トン/キュメン 80万トン/アセトン 37万トンを生産している。

中国では上海で、フェノール 25万トン/キュメン 36万トン/アセトン 15万トンの工場を建設しているが、2014年4月に住友商事が25%を出資した。

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Indorama Group 1974年にMohan Lal Lohia ML Lohia)によりインドで設立され、インド、インドネシア、タイなどでPTAPET、ポリエステルなどの事業を拡大した。
ML Lohia は事業を3人の息子に分割した。長男OP Lohiaはインド、次男 SP Lohia はインドネシア、三男 Aloke Lohia (APL) はタイを受け継いだ。同じような事業を行っているが、それぞれが独立して事業を行っている。 

Indorama Venturesは三男 Aloke Lohia が引き継いだ会社(その後、Aloke株を手放し、上場)で、現状は以下の通り。(単位:千トン)

    PTA PET  
タイ Rayong 770 90  
Map Ta Phut 600    
Nakhon Pathom     2008年Tuntexを買収
Lopburi   180  
タイ合計  1,370   270  
英国 Workington   168 2008年Eastmanから買収
オランダ Rotterdam 350
(+250)
400
リトアニア Klaipeda   274 2006年Orion Global PET設立
イタリア Ottana   161 Ottana Energia との50/50JV
2010年7月、Equipolymers(Dow/PIC)から買収
ポーランド Wloclawek   227  
欧州合計 350 1,230  
USA Asheboro   252 2003年StarPet買収(当初116千トン)
Decatur   432 AlphaPet 2009年稼動
Spartanburg   387 元 Hoechst
カナダ Montréal 600   Cepsaから買収
メキシコ Querétaro   454 2011 Invista から買収
北米合計 600 1,525  
中国 広東   522  
インドネシア Tangerang   88 2011 SK Chemicals から買収
West Java 500   Indorama Petrochemicals  43%保有
  102 Indorama Polypet Indonesia
ナイジェリア     84  
トルコ Corlu   252  
その他 500 1,048  
総合計 2,820 4,073  
2007/4/14 タイのIndorama Polymers、北米でPET工場新設へ
2010/11/18 タイのIndorama、米国と中国でポリエステル等の工場を買収
2010/4/1 Dow/PIC のPET合弁会社、イタリア工場をIndoramaに売却
2012/3/28 Indorama、ナイジェリアでPET製造

2015/11/28  遺伝子組み換えサケ、米で認可   

米食品医薬品局(FDA)は11月19日、成長が早くなるよう遺伝子を組み換えたAtlantic Salmonを食用に養殖し販売することを認めたと発表した。

米マサチューセッツ州の新興企業 AquaBounty Technologiesが開発した「AquAdvantage Salmon」で、Atlantic Salmonの卵に、Chinook Salmon (キングサーモン or マスノスケ)の成長遺伝子とOcean Pout(ゲンゲ)というウナギに似た魚の“promoter"を組み合わせた遺伝子を導入した。

通常のAtlantic Salmonは成長ホルモンを1年のうち一定期間しか出さないが、Chinook Salmonの成長ホルモンが加わり、Ocean Poutの遺伝子がホルモンのスイッチを"on" にすることで、成長ホルモンを年中出し続ける。

通常は3年の養殖期間を半分に縮めた 。同じ1年半の時点での通常のサケとの比較は下記の通りで、エサの量を25%カットでき養殖の効率が上がるという。
米国では消費するAtlantic Salmonの95%以上を輸入している。

遺伝子を組み換えた動物が食品として認可されたのは初めて。

FDAは、同社から提出されたデータや情報を検討した結果、食品として通常のサケと成分が変わらず、安全性を確認できたと発表 した。
成長が速いという同社の主張も確認した上で、遺伝子を組み換えていないサケとの間に生物学的な違いはないと認定した。
このため遺伝子組み換えのラベル表示は義務付けられない。

養殖施設から誤まって逃げても、基本的に不妊になるため、自然界で繁殖する可能性は極めて少ない。

通常種との交配を避けるため、養殖はカナダとパナマにある2カ所の施設でのみ許可される。

AquaBounty では販売開始の時期は未定だが、複数の流通経路について検討している。、

一方、養殖業者や消費者などからは、遺伝子組み換えサケの承認に強く反対する声が上がっていた。
表示が義務付けられていないことに対しても「食品の製造方法について知る消費者の基本的権利がないがしろにされた」と訴えている。
一部では「FrankenFish」とも呼ばれている。

AquaBountyは1991年の設立で、Massachusetts州のMaynard とPrince Edward IslandのFortune に事務所を持つ。
遺伝子組替技術と
陸上での閉鎖循環式養殖システム(recirculating aquaculture systems:RAS) の組み合わせがサケの養殖に最適との信念でやってきたという。

 


2015/11/30 中国・中東欧諸国首脳会議(16+1)   east-europe

第4回中国・中東欧諸国首脳会議(16+1)が11月24、25日の両日、江蘇省蘇州市で開催され、李克強総理と中東欧16カ国の首脳が出席した。

中国による同会議の開催は今回が初めて。

温家宝総理は2012年4月26日、ワルシャワで中東欧16カ国首脳との初の「中国・中東欧諸国首脳会談」に出席した。

温総理は、グローバル化の急速な進展、世界金融危機と欧州債務問題のもたらした厳しい試練を前に、中国と中東欧諸国は一層の関係の緊密化と協力の深化を強く望んでいる」と指摘し、中国とと中東欧諸国の関係推進の原則として次の4点を提言した。

(1) 相互尊重と対等な付き合いを堅持し、互いの重大な懸念に配慮し、政治的相互信頼を深化する。
(2) 経済・貿易分野の実務協力の強化に力を入れる。作業枠組みと交流のプラットフォームを整備し、中国の打ち出した一連の重要な措置を十分に活用して、短期間で具体的成果を得られるようにする。
(3) 人的・文化交流を強化する。戦略的観点から青年・メディア交流を強く重視する。
(4) 中国・欧州関係の発展に共に新たな活力を注ぐ。

中東欧16カ国は下記の通り。

アルバニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、ブルガリア、クロアチア、チェコ、
エストニア、ハンガリー、ラトビア、リトアニア、マケドニア、
モンテネグロ、ポーランド、ルーマニア、セルビア、スロバキア、スロベニア

今回の蘇州での会議には、オーストリアとギリシャが初めてオブザーバー国として参加した。イタリアも将来の加入を希望している。

中国人民大学国際関係学部の王義桅教授は以下の通り述べている。

今回の中国・中東欧諸国首脳会議は『1ベルト、1ロード』(「シルクロード経済ベルト」と「21世紀の海のシルクロード」計画)という大きな環境の下で受け止める必要がある。
中国は最大の発展途上国であり、中東欧は欧州の新興国が集中する地域であり、両者の協力には大きな将来性がある。
『1ベルト、1ロード』は中国と中東欧をより緊密に結びつけ、中国と中東欧の発展に大きな建設空間と発展の潜在力を提供する。

人民日報は以下の通り述べている。

「1ベルト、1ロード」の60カ国余りの沿線諸国のうち、中欧・東欧諸国は4分の1を占め、世界の新興市場の重要な地域となっている。
「1ベルト、1ロード」の建設は、沿線諸国の企業の投資の道や貿易の道を広げるだけでなく、中国と中東欧諸国との文化の道と友情の道を広げるものともなる。
「16+1協力」は、中国とASEANによる「10+1協力」に続き、中国が提案して実現した新たな協力メカニズムとして成功を収めつつある。

今回の会議は、「新たな原動力」「新たなプラットフォーム」「新たなエンジン」を用意するものともなった。

 「新たな原動力」

国際電子商取引への協力分野の拡大や「バーチャル 16+1技術移転センター」設立の奨励・支援などでの協力は、新たな成長源として「16+1協力」の価値を高めている。

 「新たなプラットフォーム」

「16+1協力」は、中国による中東欧諸国への投資の促進という当初のねらいを超え、金融協力での双方向的な進展ももたらし、中国・中東欧諸国金融会社などの新たな融資プラットフォームの構築も進んでいる。

 「新たなエンジン」

相互連携・相互接続や地方協力は、「16+1協力」の新たなエンジンとなっている。

近年開通した「蘇満欧」(蘇州・満州里・欧州)国際列車は、中国・欧州国際鉄道コンテナ列車建設をさらに一歩前進させ、「16+1」の物流協力連合会や交通インフラ協力連合会などの形成を後押ししている。
ポーランドのウッチ市が四川省成都市に事務所を設け、成都とポーランドが教育協力協定を締結するなど、地方外交の革新が進み、地方協力の水準は高まっている。
中国の地方と中東欧諸国は現在、科学的で合理的な分業体系を形成している。
例えばブルガリアは「16+1協力」の農業協調国、ハンガリーは観光協調国、セルビアはインフラ協調国となるなど、「16+1協力」の活力をさらに高めている。
中国・中東欧諸国の地方首脳会議や地方省・州知事連合会などによる地方協力のメカニズムは、「16+1協力」の新たなエンジンとなっている。

 

李克強総理は11月25日、第4回中国・中東欧諸国首脳会議に出席した中東欧諸国首脳と共に、蘇州北駅から上海虹橋駅まで100キロ、20分余り、中国の高速鉄道に乗車した。

李総理は「中国は交通インフラ分野で優れた製造能力、先進的技術を持ち、コストパフォーマンスに優れ、国際的競争力を持つ。これは長年の経済発展、技術進歩、装備高度化、事業建設人材育成など多方面の要素が蓄積した成果だ。現在、中国側は中東欧諸国と連携して協力し、交通インフラなどの分野で製造能力協力を展開し、高速鉄道と鉄道の設計、建設においてカスタマイズした案と製品を提供し、各国の工業化と地域統合プロセスを手助けすることを望んでいる」と述べた。

また「中国・中東欧諸国協力は一両の列車のようなものであり、最初の始動から3年間で徐々に加速し、すでに高速レーンに入っている。高速なだけでなく、快適で安全だ。われわれの協力は快速であるだけでなく、互いのニーズと快適度を十分に考慮し、さらに世界の発展、繁栄、平和、安定を促進する積極的なパワーでもある」と強調した。

 


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